説明

油およびタンパク質加水分解物を含んでなる染毛剤

本発明は、化粧品学的に許容し得る担体中に、少なくとも一つの染料前駆体生成物および/または少なくとも一つの直接吸収染料、並びに、そのトリグリセリド画分が7重量%を超えるパルミチン酸含量および20重量%を超えるリノール酸含量を有する脂肪酸分布を示す少なくとも一つの油と、少なくとも一つのタンパク質加水分解物との活性物質の組合せをさらに含有する、ケラチン繊維の着色および/または調色用の組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、少なくとも一つの特定の油および少なくとも一つのタンパク質加水分解物をさらに含有する、少なくとも一つの染料前駆体生成物および/または少なくとも一つの直接吸収染料に基づくケラチン繊維着色用の剤、および対応する着色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、人毛は、毛髪化粧品を用いる多くの方法で処理されている。これらの処理としては、例えば、シャンプーを用いる洗浄、リンスを使用するケアおよび再生、および治療、および漂白、着色、および着色剤、調色剤、ウェービング剤、およびスタイリング調製物を使用する毛髪の再形成が挙げられる。頭髪を変色または着色するための剤は、これに関して、中心的な役割を果たす。
【0003】
一時的着色のために、通常、着色成分として、いわゆる直接吸収染料を含有する着色剤または調色剤を使用する。これらは、毛髪上に直接的に吸収される染料分子であり、および色を生成するために酸化工程を必要としない。これらの染料としては、例えば、毛髪および身体を着色するために大昔から既知であったヘンナが挙げられる。これらの色は、一般に、シャンプーによる洗浄に感受性であり、したがって、色合いの所望されない変化、または事実上の目に見える「脱色」が時折生じる。
【0004】
対応する堅牢性を備えた永続的な、強い着色のために、いわゆる酸化着色剤が使用される。このタイプの着色剤は、通常、酸化染料前駆体生成物、いわゆる顕色剤成分、およびカプラー成分を含有する。酸化剤または大気中の酸素の影響下、顕色剤成分は、互いの間で、または一以上のカプラー成分と結合することによって、実際の染料を形成する。酸化着色剤は、優れた、長続きする着色結果のために注目に値する。自然な色のために、通常、数多くの酸化染料前駆体生成物の混合物を使用することが必要である。多くの場合、直接吸収染料も着色に利用される。
【0005】
最後に、つい最近、新規着色方法が多くの注目を集めている。この方法において、天然染毛剤であるメラニンの前駆体が、毛髪上に塗られ、次いで、酸化工程において、毛髪中で生体類似染料が形成される。
【0006】
染料前駆体生成物として5,6-ジヒドロキシインドリンを使用するこのような方法の一つは、欧州特許EP-B1-530 229に記載されている。5,6-ジヒドロキシインドリンを有する剤を(特に多重に)塗ることによって、白髪を有する人々に、その自然の毛髪の色を修復することができる。着色は、唯一の酸化剤として大気中の酸素を使用して達成することができ、その結果、さらなる酸化剤は必要ではない。もともとミディアムブロンドから茶色の毛髪を有する人々において、インドリンは、唯一の染料前駆体として使用することができる。他方、もともと赤色および、特に暗色または黒色の毛髪を有する人々における使用について、満足の行く結果は、さらなる染料成分、特に特定の酸化染料前駆体生成物との併用によってのみ、しばしば達成され得る。
【0007】
該繊維のケアの程度を改善するために、通常、該繊維を、色変性処理に続いて、しばらくの間、特定の後処理に付す。これにおいて、該毛髪を、通常リンスの形態の、特定の活性物質、例えば第四級アンモニウム塩または特定のポリマーで処理する。この処理の結果として、処方に応じて、該毛髪の櫛通り性、安定性、および豊かさが改善され、および枝分かれの割合が低減される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
さらに、つい最近、後処理された毛髪の有利な特性を損なうことなく、この後処理工程を排除するための努力が行われている。この目的のため、ごく最近において、着色クリームの高アルカリ条件下でさえも安定であり、および酸化剤調製物と接触した後でさえもその有効性を失わない、活性物質を見出すために、多大な努力が払われている。例えば、着色調製物中の特定の植物油の使用も既に提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しかしながら、本発明が基づく研究において、今日、驚くべきことに、タンパク質加水分解物と組み合わせた、そのトリグリセリド画分が特定の脂肪酸分布を示す油が、特にかなりの範囲までの、このような活性物質の要件を満たすこと、特に処理された繊維の感覚、滑らかさ、および柔らかさを改善することが見出された。
【0010】
したがって、本発明の第一の主題は、化粧品学的に許容し得る担体中に、少なくとも一つの染料前駆体生成物および/または少なくとも一つの直接吸収染料、並びに、
- そのトリグリセリド画分が7重量%を超えるパルミチン酸含量および20重量%を超えるリノール酸含量を有する脂肪酸分布を示す少なくとも一つの油と、
- 少なくとも一つのタンパク質加水分解物との
活性物質の組合せをさらに含有する、
ケラチン繊維の着色および/または調色用の剤である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によれば、「ケラチン繊維」は、下毛、羊毛、羽、および特に人毛と理解されるべきである。
【0012】
本発明に本質的な第一の構成成分として、本発明の剤は、そのトリグリセリド画分が7重量%を超えるパルミチン酸含量および20重量%を超えるリノール酸含量を有する脂肪酸分布を示す少なくとも一つの油を含有する。
【0013】
10%を超える、特に12%を超える、パルミチン酸含量を有する油が特に好ましい。
さらに、30%を超えるリノール酸含量を有する油が特に好ましいことが分かっている。
さらに、そのトリグリセリド画分が少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%のオレイン酸を含有する脂肪酸分布を示す油が好ましいことが分かっている。
そのトリグリセリド画分が1%を超える、好ましくは2%を超えるリノレン酸の脂肪酸分布を含有する油も本発明に好ましい。
【0014】
また、本発明に特に好ましいものは、対応する脂肪酸分布を示し、および植物起源である油である。本発明による脂肪酸分布を示す非常に特に好ましい植物油は、米胚芽油、落花生油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、または小麦胚芽油である。米胚芽油および綿実油が特に好ましい。米胚芽油が非常に特に好ましい。
【0015】
以下の表は、本発明に好ましい植物油の脂肪酸分布の平均値を与える。数値表示は、重量%と理解されるべきである。
【0016】
【表1】

【0017】
さらに、該油が比較的高濃度の、好ましくは1.5重量%を超える、非鹸化性残渣を含有する場合、本発明に有利であることが分かった。
【0018】
本発明による脂肪酸分布を有する油は、好ましくは、剤全体に基づいて0.01〜10重量%の量で本発明の剤中に含有される。0.1〜5重量%、特に0.1〜3重量%の量が、非常に特に好ましい。
【0019】
本発明に本質的な第二の構成成分として、本発明の着色剤は、少なくとも一つのタンパク質加水分解物を含有する。本発明によれば、該タンパク質加水分解物の性質および起源に関する優先順位に、制限は全く存在しない。
【0020】
本発明の特定の実施態様において、
- 動物起源のタンパク質加水分解物、例えばコラーゲン、ミルク、またはケラチンに由来するタンパク質加水分解物、
- 植物起源のタンパク質加水分解物、例えば小麦、コーン、米、ジャガイモ、大豆、またはアーモンドに由来するタンパク質加水分解物、
- 海洋生物に由来するタンパク質加水分解物、例えば魚コラーゲンまたは藻類に由来するタンパク質加水分解物、または
- 生物工学的様式で回収し得るタンパク質加水分解物
が使用される。
【0021】
上記タンパク質加水分解物は、化学的(特にアルカリまたは酸)加水分解によって、酵素的加水分解によって、および/または該二つのタイプの加水分解の組合せによって、対応するタンパク質から回収することができる。タンパク質の加水分解は、通常、約100ダルトンから数千ダルトンの分子量分布を有するタンパク質加水分解物を生じる。その基礎のタンパク質成分が100〜25,000ダルトン、好ましくは250〜5000ダルトンの分子量を有する、タンパク質加水分解物が好ましい。
また、タンパク質の全加水分解物も、本発明において好ましいことが分かった。
【0022】
動物性タンパク質加水分解物は、例えば、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、絹、およびミルクのタンパク質加水分解物であり、これらは塩の形態でも存在し得る。このような生成物は、例えば、商標Dehylan(登録商標)(Cognis)、Promois(登録商標)(Interorgana)、Collapuron(登録商標)(Cognis)、Nutrilan(登録商標)(Cognis)、Gelita-Sol(登録商標)(Deutsche Gelatine Fabriken Stoess & Co)、Lexein(登録商標)(Inolex)、およびKerasol(登録商標)(Croda)のもと市販されている。
【0023】
植物起源のタンパク質加水分解物、例えば、大豆、アーモンド、豆、ジャガイモ、および小麦のタンパク質加水分解物の使用が本発明に好ましい。このような生成物は、例えば、商標Gluadin(登録商標)(Cognis)、DiaMin(登録商標)(Diamalt)、Lexein(登録商標)(Inolex)、およびCrotein(登録商標)(Croda)のもと得ることができる。
【0024】
また、本発明によれば、該タンパク質加水分解物の誘導体、例えば、それらの脂肪酸縮合生成物の形態が使用される。このような生成物は、例えば、Lamepon(登録商標)(Cognis)、Gluadin(登録商標)(Cognis)、Lexein(登録商標)(Inolex)、Crolastin(登録商標)(Croda)、またはCrotein(登録商標)(Croda)の名称のもと市販されている。
【0025】
さらに、上記タンパク質加水分解物がそれらのカチオン性誘導体の形態で使用される場合、本発明に有利であることが分かった。タンパク質加水分解物または全加水分解物のアミノ酸の第四級化は、第四級アンモニウム塩、例えば、N,N-ジメチル-N-(n-アルキル)-N-(2-ヒドロキシ-3-クロロ-n-プロピル)アンモニウムハライドを用いてしばしば行なわれる。さらに、カチオン性タンパク質加水分解物をさらに誘導体化することもできる。
【0026】
本発明のカチオン性タンパク質加水分解物およびその誘導体の典型例は、「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(第7版、1997年、The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association 1101 17th Street、N.W.、Suite 300、Washinton、DC 20036-4702)に記載された以下の化合物であり、商業的に入手可能である:
【0027】
ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解毛髪ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル絹アミノ酸、
【0028】
ヒドロキシプロピルアルギニンラウリル/ミリスチルエーテルHCl、ヒドロキシプロピルトリモニウムゼラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コンキオリンタンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解米糠タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解絹、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解大豆タンパク質、ヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質/シロキシシリケート、
【0029】
ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質/シロキシシリケート、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、
【0030】
ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ステアルトリモニウムヒドロキシエチル加水分解コラーゲン、
【0031】
クオタニウム-76加水分解コラーゲン、クオタニウム-79加水分解コラーゲン、クオタニウム-79加水分解ケラチン、クオタニウム-79加水分解ミルクタンパク質、クオタニウム-79加水分解絹、クオタニウム-79加水分解大豆タンパク質、クオタニウム-79加水分解小麦タンパク質。
植物系カチオン性タンパク質加水分解物およびその誘導体が、非常に特に好ましい。
【0032】
タンパク質加水分解物およびそれらの誘導体は、剤全体に基づいて、好ましくは0.01〜10重量%の量で、本発明の剤中に含有される。0.1〜5重量%、特に0.1〜3重量%の量が、非常に特に好ましい。
【0033】
本発明に本質的な第三の構成成分として、上記着色剤は、少なくとも一つの染料前駆体生成物および/または少なくとも一つの直接吸収染料を含有する。
【0034】
本発明は、本発明の着色剤において有用な染料前駆体生成物に関して全く制限されない。本発明の着色剤は、染料前駆体生成物として、
- 顕色剤および/またはカプラータイプの酸化染料前駆体生成物、および
- 生体類似染料の前駆体、例えばインドールおよびインドリン誘導体、
並びに、上記群の代表物の混合物
を含有することができる。
【0035】
本発明の第一の好ましい実施態様において、本発明の剤は、顕色剤および/またはカプラータイプの少なくとも一つの染料前駆体生成物を含有する。
【0036】
本発明によれば、p-フェニレンジアミン誘導体またはその生理学的に許容し得る塩の一つを、顕色剤成分として使用することが好ましい。特に好ましいものは、式(E1)のp-フェニレンジアミン誘導体である:
【0037】
【化1】

[式中、
- G1は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、4'-アミノフェニル基であるか、または窒素含有基、フェニル基もしくは4'-アミノフェニル基によって置換されたC1〜C4アルキル基であり;
- G2は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、または窒素含有基によって置換されたC1〜C4アルキル基であり;
- G3は、水素原子、ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4ヒドロキシアルコキシ基、C1〜C4アセチルアミノアルコキシ基、C1〜C4メシルアミノアルコキシ基、またはC1〜C4カルバモイルアミノアルコキシ基であり;
- G4は、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であるか;または
- G3およびG4が互いにオルト位にある場合、それらは一緒になって架橋α,ω-アルキレンジオキソ基、例えばエチレンジオキシ基を形成し得る。]。
【0038】
本発明の化合物における置換基として挙げられるC1〜C4アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル基である。エチルおよびメチルが好ましいアルキル基である。本発明に好ましいC1〜C4アルコキシ基は、例えば、メトキシまたはエトキシ基である。さらに、挙げることができるC1〜C4ヒドロキシアルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基または4-ヒドロキシブチル基である。2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。特に好ましいC2〜C4ポリヒドロキシアルキル基は、1,2-ジヒドロキシエチル基である。本発明によれば、ハロゲン原子の例は、F、ClまたはBr原子であり、Cl原子が非常に特に好ましい。本発明によれば、使用される他の用語は、ここに示す定義から派生される。式(E1)の窒素含有基の例は、特に、アミノ基、C1〜C4モノアルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基、C1〜C4トリアルキルアンモニウム基、C1〜C4モノヒドロキシアルキルアミノ基、イミダゾリニウムおよびアンモニウムである。
【0039】
式(E1)の特に好ましいp-フェニレンジアミンは、下記の化合物から選択される:p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-メチル-(N,N-ジエチル)アニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-(エチル-β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、2-(β-アセチルアミノエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(4-アミノ-3-メチルフェニル)-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミン、および5,8-ジアミノベンゾ-1,4-ジオキサン、並びにそれらの生理学的に許容し得る塩。
【0040】
本発明によれば、特に好ましい式(E1)のp-フェニレンジアミン誘導体は、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンおよびN,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンである。
【0041】
本発明によれば、アミノ基および/またはヒドロキシル基によって置換された少なくとも2個の芳香核を含有する化合物を、顕色剤成分として使用することも好ましい。
【0042】
本発明の着色組成物に使用し得る二核顕色剤の中で特に挙げられるものは、下記の式(E2)で示される化合物、およびその生理学的に許容し得る塩である:
【0043】
【化2】

[式中、
- Z1およびZ2は、互いに独立して、ヒドロキシル基またはNH2基であって、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基および/または架橋Yによって任意に置換されていてよく、または任意に、架橋環系の一部であってよく;
- 架橋Yは、炭素原子1〜14個を有するアルキレン基、例えば、直鎖または分岐鎖アルキレン基またはアルキレン環であって、1個以上の窒素含有基および/または1個以上のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄または窒素原子により中断されるか、または末端化されてもよく、かつ、1個以上のヒドロキシル基またはC1〜C8アルコキシ基によって置換されている場合もある、またはYは直接結合であり;
- G5およびG6は、互いに独立して、水素またはハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、または架橋Yへの直接結合であり;
- G7、G8、G9、G10、G11およびG12は、互いに独立して、水素原子、架橋Yへの直接結合、またはC1〜C4アルキル基であり;
但し、
- 式(E2)の化合物は、1分子につき唯1つの架橋Yを有するものとする。]。
本発明によれば、式(E2)における置換基は、前記と同様に定義される。
【0044】
好ましい式(E2)の二核顕色剤成分は、特に下記の化合物である:N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ジエチル-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、ビス(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、N,N'-ビス(2-ヒドロキシ-5-アミノベンジル)ピペラジン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミンおよび1,10-ビス(2',5'-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、ならびにそれらの生理学的に許容し得る塩。
【0045】
特に好ましい式(E2)の二核顕色剤成分は、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、ビス(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、1,3-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)プロパン-2-オール、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、および1,10-ビス(2,5-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、またはそれらの生理学的に許容し得る塩の1つ。
【0046】
さらに、本発明によれば、p-アミノフェノール誘導体またはその生理学的に許容し得る塩の1つを、顕色剤成分として使用することも好ましい。特に好ましいのは、式(E3)のp-アミノフェノール誘導体である:
【0047】
【化3】

[式中、
- G13は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ基、C1〜C4ヒドロキシアルコキシ基、C1〜C4ヒドロキシアルキル(C1〜C4)アミノアルキル基、または(ジ-C1〜C4アルキルアミノ)(C1〜C4)アルキル基であり;
- G14は、水素またはハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、またはC1〜C4シアノアルキル基であり;
- G15は、水素、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、フェニル基またはベンジル基であり;
- G16は、水素またはハロゲン原子である。]。
本発明によれば、式(E3)における置換基は、前記と同様に定義される。
【0048】
好ましい式(E3)のp-アミノフェノールは、特に下記の化合物である:p-アミノフェノール、N-メチル-p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、2-ヒドロキシメチルアミノ-4-アミノフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエトキシ)フェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、4-アミノ-2-クロロフェノール、4-アミノ-2,6-ジクロロフェノール、4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノールおよびそれらの生理学的に許容し得る塩。
【0049】
特に好ましい式(E3)の化合物は、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノール、および4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノールである。
【0050】
さらに、顕色剤成分は、o-アミノフェノールおよびその誘導体、例えば、2-アミノ-4-メチルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノールまたは2-アミノ-4-クロロフェノールから選択することもできる。
【0051】
さらに、顕色剤成分は、複素環式顕色剤成分、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラゾール、ピラゾール-ピリミジン誘導体、およびそれらの生理学的に許容し得る塩から選択することもできる。
【0052】
好ましいピリジン誘導体は、特に、英国特許GB 1026978およびGB 1153196に開示されている化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジンおよび3,4-ジアミノピリジンから選択される。
【0053】
好ましいピリミジン誘導体は、特に、独国特許DE 2359399、日本公開公報JP 02019576 A2または国際公開公報WO 96/15765に開示されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2-ジメチルアミノ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンおよび2,5,6-トリアミノピリミジンである。
【0054】
好ましいピラゾール誘導体は、特に、独国特許DE 3843892、DE 4133957、ならびに特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、EP-740931およびDE 19543988に開示されている化合物、例えば、下記の化合物である:4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(β-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール。
【0055】
好ましいピラゾロピリミジン誘導体は、特に、下記の式(E4)のピラゾロ[1,5-a]ピリミジンの誘導体、および、互変異性平衡が存在する場合に、その互変異性型である:
【0056】
【化4】

[式中、
- G17、G18、G19およびG20は、互いに独立して、水素原子、C1〜C4アルキル基、アリール基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基(アセチルウレイドまたはスルホニル基によって任意に保護されていてよい)、(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル基、ジ[(C1〜C4)-アルキル](C1〜C4)アミノアルキル基(該ジアルキル基は、5または6個の鎖員と共に炭素環または複素環を任意に形成してよい)、C1〜C4-ヒドロキシアルキルまたはジ(C1〜C4)[ヒドロキシアルキル](C1〜C4)アミノアルキル基であり;
- X基は、互いに独立して、水素原子、C1〜C4アルキル基、アリール基、C1〜C4ヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル基、ジ[(C1〜C4)-アルキル](C1〜C4)アミノアルキル基(該ジアルキル基は、5または6個の鎖員と共に炭素環または複素環を任意に形成してよい)、C1〜C4ヒドロキシアルキルまたはジ(C1〜C4ヒドロキシアルキル)アミノアルキル基、アミノ基、C1〜C4アルキルまたはジ(C1〜C4ヒドロキシアルキル)アミノ基、ハロゲン原子、カルボン酸基またはスルホン酸基であり;
- iは、0、1、2または3の数値であり;
- pは、0または1の数値であり;
- qは、0または1の数値であり;
- nは、0または1の数値であり;
但し、
- p+qの合計は0でないものとし;
- p+qが2の場合、nは0の数値であり、NG17G18基およびNG19G20基は、(2,3)、(5,6)、(6,7)、(3,5)または(3,7)の位置にあるものとし;
- p+qが1の場合、nは1の数値であり、NG17G18(またはNG19G20)基およびOH基は、(2,3)、(5,6)、(6,7)、(3,5)または(3,7)の位置にあるものとする。]。
本発明によれば、式(E4)における置換基は前記と同様に定義される。
【0057】
前記の式(E4)のピラゾロ[1,5-a]ピリミジンが、環系の2、5または7位の1つにヒドロキシル基を有する場合、例えば下記の式で示されるような互変異性平衡が存在する:
【0058】
【化5】

【0059】
前記の式(E4)のピラゾロ[1,5-a]ピリミジンの中で、特に下記の化合物が挙げられる:
- ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
- 2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
- ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;
- 2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;
- 3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール;
- 3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;
- 2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール;
- 2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール;
- 2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
- 2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
- 5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
- 2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
- 3-アミノ-7-ジメチルアミノ-2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン;
ならびにそれらの生理学的に許容し得る塩、および互変異性平衡が存在する場合にそれらの互変異性型。
【0060】
文献に記載されているように、前記の式(E4)のピラゾロ[1,5-a]ピリミジンは、アミノピラゾールまたはヒドラジンから開始する環化によって製造することができる。
【0061】
他の好ましい態様において、本発明の着色剤は、少なくとも一つのカプラー成分を含んでなる。
【0062】
一般に使用されるカプラー成分は、m-フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシノールおよびレゾルシノール誘導体、ピラゾロン、およびm-アミノフェノール誘導体である。1-ナフトール、1,5-、2,7-および1,7-ジヒドロキシナフタレン、5-アミノ-2-メチルフェノール、m-アミノフェノール、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、m-フェニレンジアミン、1-フェニル-3-メチルピラゾロン-5、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、1,3-ビス-(2',4'-ジアミノフェノキシ)プロパン、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロ-6-メチル-3-アミノフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、および2-メチル-4-クロロ-5-アミノフェノールが、カプラー物質として特に適当である。
【0063】
本発明に好ましいカプラー成分は、以下のものである:
- m-アミノフェノールおよびその誘導体、例えば、5-アミノ-2-メチルフェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシエタノール、2,6-ジメチル-3-アミノフェノール、3-トリフルオロアセチルアミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチルフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、5-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-(ジエチルアミノ)フェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ベンゼン、3-エチルアミノ-4-メチルフェノール、および2,4-ジクロロ-3-アミノフェノールなど、
- o-アミノフェノールおよびその誘導体、
- m-ジアミノベンゼンおよびその誘導体、例えば、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ビス-(2',4'-ジアミノフェノキシ)プロパン、1-メトキシ-2-アミノ-4-(2'-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3-ビス-(2',4'-ジアミノフェニル)プロパン、2,6-ビス-(2'-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メチルベンゼン、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4,5-ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2-[3-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]エタノール、3-アミノ-4-(2-メトキシエトキシ)-5-メチルフェニルアミン、および1-アミノ-3-ビス-(2'-ヒドロキシエチル)アミノベンゼンなど、
- o-ジアミノベンゼンおよびその誘導体、例えば、3,4-ジアミノ安息香酸および2,3-ジアミノ-1-メチルベンゼンなど、
- ジ-およびトリヒドロキシベンゼン誘導体、例えば、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、ピロガロール、および1,2,4-トリヒドロキシベンゼンなど、
- ピリジン誘導体、例えば、2,6-ジヒドロキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-5-クロロ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジンおよび3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジンなど、
- ナフタレン誘導体、例えば、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、2-ヒドロキシメチル-1-ナフトール、2-ヒドロキシエチル-1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、および2,3-ジヒドロキシナフタレンなど、
- モルホリン誘導体、例えば、6-ヒドロキシベンゾモルホリンおよび6-アミノベンゾモルホリンなど、
- キノキサリン誘導体、例えば、6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリンなど、
- ピラゾール誘導体、例えば、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オンなど、
- インドール誘導体、例えば、4-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、および7-ヒドロキシインドールなど、
- ピリミジン誘導体、例えば、4,6-ジアミノピリミジン、4-アミノ-2,6-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2,4,6-トリヒドロキシピリミジン、2-アミノ-4-メチルピリミジン、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-メチルピリミジン、および4,6-ジヒドロキシ-2-メチルピリミジンなど、または
- メチレンジオキシベンゼン誘導体、例えば、1-ヒドロキシ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、1-アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、および1-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼンなど、
およびその生理学的に許容し得る塩。
【0064】
本発明に特に好ましいカプラー成分は、1-ナフトール、1,5-、2,7-および1,7-ジヒドロキシナフタレン、3-アミノフェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロ-6-メチル-3-アミノフェノール、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、および2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジンである。
【0065】
本発明の着色剤は、顕色剤成分およびカプラー成分を、酸化着色剤全体に基づいて、好ましくは0.005〜20重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の量で含有する。この場合、顕色剤成分およびカプラー成分は、互いにほぼモル量で一般に使用される。モル使用は好都合であることが分かっているが、個々の酸化染料前駆体生成物の特定の過剰は不都合ではなく、したがって、顕色剤成分およびカプラー成分は、モル比1:0.5〜1:3、特に1:1〜1:2で含有され得る。
【0066】
本発明のさらなる実施態様において、上記着色剤は、少なくとも一つの天然類似染料の前駆体を、染料前駆体として含有する。使用される天然類似染料の前駆体としては、少なくとも1個のヒドロキシまたはアミノ基を、好ましくは6員環上の置換基として含んでなるインドールおよびインドリンが好ましい。これらの基は、例えばヒドロキシ基のエーテル化もしくはエステル化またはアミノ基のアルキル化の形態の、さらなる置換基を有することができる。第二の好ましい実施態様において、上記着色剤は、少なくとも一つのインドール誘導体および/または少なくとも一つのインドリン誘導体を含有する。
【0067】
天然類似毛髪染料の前駆体として特に適しているものは、式(NAV I):
【0068】
【化6】

【0069】
[式中、互いに独立して、
- G19は、水素、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基であり;
- G20は、水素または-COOH基であり、該-COOH基は、生理学的に許容し得るカチオンとの塩として存在することもでき;
- G21は、水素またはC1〜C4アルキル基であり;
- G22は、水素、C1〜C4アルキル基または-CO-G24基であり、ここでG24はC1〜C4アルキル基であり;
- G23は、G22について示した基の1つである。]
で示される5,6-ジヒドロキシインドリンの誘導体、ならびにそれらの化合物と有機または無機酸との生理学的に許容し得る塩である。
【0070】
特に好ましいインドリン誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドリン、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸および6-ヒドロキシインドリン、6-アミノインドリンおよび4-アミノインドリンである。
【0071】
この群の中で、特に重要なのは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、特に5,6-ジヒドロキシインドリンである。
【0072】
特に好適な天然類似染毛剤前駆体は、式(NAV II):
【0073】
【化7】

【0074】
[式中、互いに独立して、
- G25は、水素、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基であり;
- G26は、水素または-COOH基であり、該-COOH基は、生理学的に許容し得るカチオンとの塩として存在することもでき;
- G27は、水素またはC1〜C4アルキル基であり;
- G28は、水素、C1〜C4アルキル基または-CO-G30基であり、ここでG30はC1〜C4アルキル基であり;
- G29は、G28について示した基の1つである。]
で示される5,6-ジヒドロキシインドール誘導体、ならびにそれらの化合物と有機または無機酸との生理学的に許容し得る塩である。
【0075】
特に好ましいインドール誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドール、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、6-ヒドロキシインドール、6-アミノインドールおよび4-アミノインドールである。
【0076】
この群の中で特に重要なのは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドール、特に5,6-ジヒドロキシインドールである。
【0077】
インドリン誘導体およびインドール誘導体は、本発明の着色剤において、遊離塩基としてか、または無機もしくは有機酸とそれらとの生理学的に許容し得る塩、例えば塩酸塩、硫酸塩および臭化水素酸塩の形態で使用し得る。インドール誘導体またはインドリン誘導体は、本発明の着色剤中に、0.05〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%の量で存在する。
【0078】
さらなる実施態様において、インドリン誘導体またはインドール誘導体を、少なくとも一つのアミノ酸または少なくとも一つのオリゴペプチドと組み合わせて使用することが本発明に好適であり得る。該アミノ酸は、有利にはα-アミノ酸である。とりわけ好適なα-アミノ酸は、アルギニン、オルニチン、リジン、セリンおよびヒスチジン、特にアルギニンである。
【0079】
上記染料前駆体生成物の代わりに、またはそれに加えて、上記着色剤は、さらなる着色のための直接吸収染料を含有することができる。直接吸収染料は、好ましくはニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノンまたはインドフェノールから選択される。特に好適な直接吸収染料は、下記の国際名または商品名で既知の化合物である:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、Acid Yellow 1、Acid Yellow 10、Acid Yellow 23、Acid Yellow 36、HC Orange 1、Disperse Orange 3、Acid Orange 7、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、Acid Red 33、Acid Red 52、HC Red BN、Pigment Red 57:1、HC Blue 2、HC Blue 12、Disperse Blue 3、Acid Blue 7、Acid Green 50、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Acid Violet 43、Disperse Black 9、Acid Black 1およびAcid Black 52、および1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノフェノール、2-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、1-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-4-メチル-2-ニトロベンゼン、1-アミノ-4-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2'-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、4-アミノ-2-ニトロジフェニルアミン-2'-カルボン酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-1-ヒドロキシ-4-ニトロベンゼン。
【0080】
さらに、本発明の剤は、少なくとも一つのカチオン性直接吸収染料を含有することが好ましい。特に好ましいのは、下記のカチオン染料である:
(a) カチオントリフェニルメタン染料、例えば、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Violet 2およびBasic Violet 14;
(b) 第四級窒素基によって置換された芳香族系、例えば、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 99、Basic Brown 16およびBasic Brown 17と、
(c) 例えばEP-A2-998908(参照により本明細書に明示的に組み入れられる)の請求項6〜11に特定されているような、少なくとも一つの第四級窒素原子を含有する複素環を含有する直接吸収染料。
【0081】
(c)群の好ましいカチオン性直接吸収染料は、特に下記の化合物である:
【0082】
【化8】

【0083】
【化9】

【0084】
Basic Yellow 87、Basic Orange 31およびBasic Red 51の名称でも既知の式(DZ1)、(DZ3)および(DZ5)の化合物は、(c)群の特に好ましいカチオン性直接吸収染料である。
商品名Arianor(登録商標)で市販されているカチオン性直接吸収染料も、特に好ましい本発明のカチオン性直接吸収染料である。
【0085】
さらに、本発明の調製物は、例えば、ヘンナレッド、ヘンナナチュラル、ヘンナブラック、カモミールの花、ビャクダン、紅茶、セイヨウイソノキの樹皮、セージ、ロッグウッド、アカネの根、カテキュー、セダーおよびアルカンナの根に存在するような、天然に存在する染料も含有し得る。
【0086】
本発明の剤は、直接吸収染料を、好ましくは塗布調製物全体に基づいて0.01〜20重量%の量で含有する。
【0087】
上記酸化染料前駆体生成物または上記直接吸収染料について、いずれの場合も均質化合物である必要はない。また、本発明の毛髪着色剤は、その代わりに、個々の染料の製造方法に応じて、従属的な量のさらなる成分を、それらが色の結果に不利な影響を及ぼさない限り、またはそれらが他の理由(例えば毒物学的な)理由のために排除されなければならないものではない限り、含有し得る。
【0088】
本発明の毛髪着色および調色剤に使用可能な染料に関して、さらに、Ch. Zviakの研究論文、The Science of Hair Care、第7章第248〜250頁(直接吸収染料)および第8章第264〜267頁(酸化染料前駆体生成物)、「Dermatology」シリーズにおける第7巻として発行(Ch. CulnanおよびH. Maibach編)、Verlag Marcel Dekker Inc.、ニューヨーク、バーゼル、1986年と、Bundesverband Deutscher Industrie- und Handelsunternehmen fuer Arzneimittel、Reformwaren und Koerperpflegemittel e.V.、マンハイムからディスケットの形態で入手可能である、「Europaeische Inventar der Kosmetik-Rohstoffe」、欧州共同体発行が明確に参照される。
【0089】
好ましい実施態様において、本発明の着色および/または調色剤は、上記染料前駆体生成物および/または上記直接吸収染料に加えて、少なくとも一つのカチオン性界面活性剤を含有する。
【0090】
第四級アンモニウム化合物、エステルクォート、およびアミドアミンタイプのカチオン性界面活性剤が本発明に好ましい。好ましい第四級アンモニウム化合物は、アンモニウムハライド(特にクロリドおよびブロミド)、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、およびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびトリセチルメチルアンモニウムクロリド、並びにINCI名クオタニウム-27およびクオタニウム-83によって既知のイミダゾリウム化合物である。上記界面活性剤のアルキル長鎖は、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。
【0091】
エステルクォートは、構造的要素として、少なくとも一つのエステル官能基および少なくとも一つの第四級アンモニウム基の両方を含有する既知の物質である。好ましいエステルクォートは、脂肪酸とトリエタノールアミンとの第四級エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの第四級エステル塩、および脂肪酸と1,2-ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの第四級エステル塩である。このような生成物は、例えば、商標Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)、およびArmocare(登録商標)のもと市販されている。このようなエステルクォートの例は、製品Armocare(登録商標)VGH-70(N,N-ビス(2-パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド)およびDehyquart(登録商標) F-75、Dehyquart(登録商標) C-4046、Dehyquart(登録商標) L80、およびDehyquart(登録商標) AU-35である。
【0092】
上記アルキルアミドアミンは、通常、天然または合成脂肪酸および脂肪酸カットと、ジアルキルアミノアミンとのアミド化によって製造される。本発明に特に適当なこの物質群の一つの化合物は、商品名Tegoamid(登録商標) S 18のもと市販されるステアルアミドプロピルジメチルアミンにより代表される。
【0093】
本発明に適当なさらなるカチオン性界面活性剤は、INCI名リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドホスフェイト、ココアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドホスフェイト、およびステアルアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドホスフェイトによって知られている物質である。これらは、例えば、商品名Phospholipid EFA(登録商標)、Phospholipid PTC(登録商標)、およびPhospholipid SV(登録商標)のもとMona社から市販されている。
【0094】
上記カチオン性界面活性剤は、塗布調製物全体に基づいて、本発明の剤中に好ましくは0.05〜10重量%の量で含有される。0.1〜5重量%の量が特に好ましい。
【0095】
本発明による構成成分に加えて、好ましい実施態様において、本発明の色変性剤は、少なくとも一つのさらなる油物質を含有する。
【0096】
天然および合成化粧品用物質のなかでも、例えば、以下のものが挙げられる:
- 液体パラフィン油、イソパラフィン油および合成炭化水素、ならびに合計12〜36個、特に12〜24個の炭素原子を有するジ-n-アルキルエーテル、例えば、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシル-n-オクチルエーテル、n-オクチル-n-デシルエーテル、n-デシル-n-ウンデシルエーテル、n-ウンデシル-n-ドデシルエーテルおよびn-ヘキシル-n-ウンデシルエーテル、およびジ-tert-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチル-n-オクチルエーテル、イソペンチル-n-オクチルエーテルおよび2-メチルペンチル-n-オクチルエーテル。市販品として入手可能な化合物1,3-ジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン(Cetiol(登録商標) S)およびジ-n-オクチルエーテル(Cetiol(登録商標) OE)が好ましい。
- エステル油。「エステル油」は、C6〜C30脂肪酸とC2〜C30脂肪アルコールとのエステルを意味すると理解されるべきである。好ましいものは、該脂肪酸と、2〜24個の炭素原子を有するアルコールとのモノエステルである。エスエルに使用される脂肪酸成分の例は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸、ならびにそれらの工業銘柄混合物であって、該混合物は、例えば、天然油脂の加圧開裂の間、Roelenオキソ合成からのアルデヒドの酸化または不飽和脂肪酸の二量化の間に生成される。エステル油における脂肪アルコール成分の例は、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびブラシジルアルコール、ならびにそれらの工業銘柄混合物であって、該混合物は、例えば、油脂に基づく工業銘柄メチルエステルまたはRoelenオキソ合成からのアルデヒドの高圧水素化の間に、および不飽和脂肪アルコールの二量化の間のモノマー画分として、生成される。本発明によれば、特に好ましいのは、下記の化合物である:ミリスチン酸イソプロピル(Rilanit(登録商標) IPM)、イソノナン酸C16-18-アルキルエステル(Cetiol(登録商標) SN)、パルミチン酸2-エチルヘキシル(Cegesoft(登録商標) 24)、ステアリン酸2-エチルヘキシル(Cetiol(登録商標) 868)、オレイン酸セチル、トリカプリン酸グリセリル、カプリン酸/カプロン酸ヤシ脂肪アルコール(Cetiol(登録商標) LC)、ステアリン酸n-ブチル、エルカ酸オレイル(Cetiol(登録商標) J 600)、パルミチン酸イソプロピル(Rilanit(登録商標) IPP)、オレイン酸オレイル(Cetiol(登録商標))、ラウリン酸ヘキシル(Cetiol(登録商標) A)、アジピン酸ジ-n-ブチル(Cetiol(登録商標) B)、ミリスチン酸ミリスチル(Cetiol(登録商標) MM)、イソノナン酸セテアリル(Cetiol(登録商標) SN)、オレイン酸デシル(Cetiol(登録商標) V)。
- ジカルボン酸エステル、例えば、アジピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、コハク酸ジ(2-エチルヘキシル)およびジ酢酸イソトリデシル、ならびにジオールエステル、例えば、ジオレイン酸エチレングリコール、ジイソトリデカン酸エチレングリコール、ジ(ヘキサン酸2-エチル)プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ブタンジオール、ジカプロン酸ネオペンチルグリコール。
- 例えば独国特許出願DE-A 19756454に開示されている、炭酸と脂肪アルコールとの対称、非対称または環状エステル、炭酸グリセロールまたは炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)。
- 脂肪酸部分グリセリド、すなわち、モノグリセリド、ジグリセリド、およびそれらの工業銘柄混合物。
工業製品を使用する場合、製法に関連した理由から、少量のトリグリセリドがなお存在し得る。部分グリセリドは、好ましくは以下の式(D4-I)で示される:
【0097】
【化10】

【0098】
式中、R1、R2およびR3は、互いに独立して、水素、または6〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、飽和および/または不飽和アシル基であり、但し、これらの基の少なくとも一つはアシル基であり、これらの基の少なくとも一つは水素である。(m+n+q)の合計は、0または1〜100、好ましくは0または5〜25の数値である。R1は、好ましくはアシル基を示し、R2およびR3は水素を示し、および(m+n+q)の合計は、0である。典型例は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸に基づくモノ-および/またはジグリセリド、およびそれらの工業銘柄混合物である。オレイン酸モノグリセリドを使用するのが好ましい。
【0099】
本発明の着色剤に使用される天然および合成化粧品用油物質の量は、塗布調製物全体に基づいて、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、および特に0.1〜15重量%である。
【0100】
また、上記組成物は、好ましくは、少なくとも一つのアルカリ化剤を含有する。本発明によれば、着色剤分野の当業者に既知の通例のアルカリ化剤、例えば、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、ヒドロキシ炭酸塩、およびカルバミド、並びにアルカリホスフェイトおよびアルカリ金属シリケート、およびアンモニアおよび水酸化アルカリを使用することができる。しかしながら、有機アミン、例えば、モノエタノールアミン、アルギニン、リシン、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、および2-アミノ-2-メチルブタノールなども本発明に有用である。
本発明の組成物は、アルカリ化剤を、好ましくは0.2〜25重量%、特に0.5〜15重量%の量で含有する。
【0101】
本発明の着色および/または調色剤は、このような調製物に既知の全ての活性物質、添加剤、および助剤をさらに含有することができる。多くの場合、着色剤は、少なくとも一つの界面活性剤を含有し、アニオン性および双性イオン性、両性、および非イオン性界面活性剤のいずれも原理上適当である。しかしながら、多くの場合、アニオン性、双性イオン性、または非イオン性界面活性剤から界面活性剤を選択することが有利であることが判明している。
【0102】
本発明の調製物に好適なアニオン性界面活性剤は、人体に使用するのに好適なあらゆるアニオン性界面活性物質である。これらは、水溶性を付与するアニオン性基、例えば、カルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基またはホスホネート基、および炭素原子約10〜22個を有する親油性アルキル基を特徴とする。さらに、グリコールまたはポリグリコールエーテル基、エステル、エーテルおよびアミド基、ならびにヒドロキシル基も、分子中に含有され得る。好適なアニオン性界面活性剤の例は、それぞれの場合に、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩の形態、ならびにアルカノール基に2または3個の炭素原子を有するモノ-、ジ-およびトリアルカノールアンモニウム塩である;
- 炭素原子10〜22個を有する直鎖脂肪酸(石鹸):
- 式R-O-(CH2-CH2O)x-CH2-COOHのエーテルカルボン酸[式中、Rは炭素原子10〜22個を有する直鎖アルキル基であり、xは0または1〜16である。];
- アシル基に10〜18個の炭素原子を有するアシルサルコシド;
- アシル基に10〜18個の炭素原子を有するアシルタウリド;
- アシル基に10〜18個の炭素原子を有するアシルイセチオネート;
- アルキル基に8〜18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ-およびジアルキルエステル、およびアルキル基に8〜18個の炭素原子を有し、オキシエチル基1〜6個を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル;
- 炭素原子12〜18個を有する直鎖アルカンスルホネート;
- 炭素原子12〜18個を有する直鎖α-オレフィンスルホネート;
- 炭素原子12〜18個を有する脂肪酸の、α-スルホ脂肪酸メチルエステル;
- 式R-O(CH2-CH2O)x-SO3Hのアルキルスルフェートおよびアルキルポリグリコールエーテルスルフェート[式中、Rは、好ましくは、炭素原子10〜18個を有する直鎖アルキル基であり、xは0または1〜12である。];
- DE-A-3725030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物;
- DE-A-3723354におけるような、硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンおよび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル;
- DE-A-3926344におけるような、炭素原子12〜24個および二重結合1〜6個を有する不飽和脂肪酸のスルホネート;
- 酒石酸およびクエン酸と、アルコール(炭素原子8〜22個を有する脂肪アルコールへの約2〜15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物)とのエステル。
【0103】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基に10〜18個の炭素原子を有し、分子中に12個までのグリコールエーテル基を有する、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸、特に、飽和、特に不飽和C8〜C22カルボン酸、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびパルミチン酸の塩である。
【0104】
非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリオアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基およびポリグリコールエーテル基の組合せを、親水基として含有する。そのような化合物は、例えば下記の化合物である:
- 炭素原子8〜22個を有する直鎖脂肪アルコール、炭素原子12〜22個を有する脂肪酸、およびアルキル基に炭素原子8〜15個を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜30 molおよび/またはプロピレンオキシド0〜5 molの付加生成物;
- グリセロールへのエチレンオキシド1〜30 molの付加生成物の、C12〜C22脂肪酸モノ-およびジエステル;
- C8〜C22アルキルモノ-およびオリゴグリコシド、ならびにそれらのエトキシル化類似体;
- ヒマシ油および水素化ヒマシ油への、エチレンオキシド5〜60 molの付加生成物。
【0105】
好ましい非イオン性界面活性剤は、一般式R1O-(Z)xのアルキルポリグリコシドである。これらの化合物は、下記のパラメーターを特徴とする。
【0106】
アルキル基R1は、炭素原子6〜22個を有し、直鎖または分岐鎖であってよい。直鎖の、および2位でメチル分岐した、第一級脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチル、1-セチルおよび1-ステアリルである。特に好ましいのは、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチルである。いわゆる「オキソアルコール」を出発物質として使用した場合、アルキル基に奇数個の炭素原子を有する化合物が優勢である。
【0107】
本発明に使用されるアルキルポリグリコシドは、例えば、単一の所定のアルキル基R1を含有し得る。しかしながら、一般に、これらの化合物は、天然油脂または鉱油から出発して生成できる。この場合、アルキル基Rは、出発化合物に対応するか、またはそれらの化合物の特定の調製物に対応する、混合物である。
【0108】
R1が下記からなるアルキルポリグリコシドが特に好ましい:
- 本質的にC8-およびC10-アルキル基;
- 本質的にC12-およびC14-アルキル基;
- 本質的にC8〜C16-アルキル基;または
- 本質的にC12〜C16-アルキル基。
【0109】
使用し得る糖構成単位Zは、任意の単糖またはオリゴ糖である。一般に、炭素原子5または6個を有する糖、および対応するオリゴ糖が使用される。そのような糖は、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、タロースおよびスクロースである。好ましい糖構成単位は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に好ましい。
【0110】
本発明に使用し得るアルキルポリグリコシドは、平均で1.1〜5個の糖単位を有する。1.1〜1.6のx値を有するアルキルポリグリコシドが好ましい。特に好ましいものは、xが1.1〜1.4であるアルキルグリコシドである。
【0111】
アルキルグリコシドは、その界面活性作用に加えて、毛髪における香り成分の固定を向上させるようにも作用し得る。従って、毛髪処理期間を超えて持続する毛髪における香油の作用が所望される場合、当業者は、この種の物質を、本発明の調製物の付加的成分として使用するのが好ましい。
【0112】
上記アルキルポリグリコシドのアルコキシル化同族体も本発明に使用し得る。これらの同族体は、アルキルグリコシド単位当たり平均で10個までのエチレンオキシド単位および/またはプロピレンオキシド単位を含有し得る。
【0113】
さらに、双性イオン性界面活性剤も、補助界面活性剤として特に使用することができる。双性イオン性界面活性剤は、少なくとも1個の第四級アンモニウム基および少なくとも1個の-COO(-)または-SO3(-)基を分子中に含有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリンであって、アルキルまたはアシル基の炭素数が8〜18個のもの、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名Cocamidopropyl Betaineとして知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0114】
両性界面活性剤も、補助界面活性剤として特に好適である。両性界面活性剤は、C8〜C18アルキルまたはアシル基の他に、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の-COOHまたは-SO3H基を分子中に含有し、分子内塩を形成し得る界面活性化合物であると理解される。好適な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸であり、これらはそれぞれ、アルキル基に約8〜18個の炭素原子を有する。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12〜18アシルサルコシンである。
【0115】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物は、いずれの場合も単一物質であり得る。しかしながら、通常、これらの物質を製造する場合、天然の植物性または動物性原料から出発することが好適であり、その結果、各々の原料の作用として異なるアルキル鎖長を有する物質の混合物が得られる。
【0116】
脂肪アルコールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加物、またはこれらの付加物の誘導体を構成する界面活性剤の場合、「正規」同族体分布を有する生成物、および狭い同族体分布を有する生成物のいずれも使用することができる。これに関して、「正規」同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用する、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応に際して得られる同族体の混合物と理解される。一方、狭い同族体分布は、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物またはアルコラートを触媒として使用した場合に得られる。狭い同族体分布を有する生成物を使用することが好適であり得る。
【0117】
本発明の着色剤は、例えば、以下のさらなる活性物質、助剤、および添加剤などを含有することができる:
- 非イオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーおよびポリシロキサンなど、
- カチオン性ポリマー、例えば第四級化セルロースエーテル、第四級基含有ポリシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチルスルフェートで第四級化したジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー、および第四級化ポリビニルアルコールなど、
- 双性イオン性および両性ポリマー、例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマーおよびオクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert.-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマーなど、
- アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびアクリル酸/アクリル酸エチル/N-tert.-ブチルアクリルアミドターポリマーなど、
- 増粘剤、例えば、寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアガム、インドガム、イナゴマメガム、アマニガム、デキストラン、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース)、デンプンフラクションおよび誘導体(例えばアミロース、アミロペクチンおよびデキストリン)、クレー(例えばベントナイトなど)、または純合成ヒドロコロイド(例えばポリビニルアルコールなど)など、
- 構造剤、例えばマレイン酸および乳酸、
- ヘアコンディショニング化合物、例えば、リン脂質(例えば大豆レシチン、卵レシチンおよびケファリン)、
- タンパク質加水分解物、とりわけエラスチン、コラーゲン、ケラチン、ミルクタンパク質、大豆タンパク質および小麦タンパク質の加水分解物、これらと脂肪酸との縮合生成物、並びに第四級化タンパク質加水分解物、
- 香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン、
- 溶剤および可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールおよびジエチレングリコール、
- 繊維構造改善活性剤、とりわけ単糖、二糖およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖およびラクトース、
- 第四級化アミン、例えば、メチル-1-アルキルアミドエチル-2-アルキルイミダゾリニウムメトスルフェート、
- 消泡剤、例えば、シリコーン、
- 上記剤着色用染料、
- フケ防止剤、例えば、ピロクトンオラミン、Zinc Omadineおよびクリムバゾール、
- 光保護剤、特に誘導体化ベンゾフェノン、ケイ皮酸誘導体およびトリアジン、
- pH調節のための物質、例えば、典型的な酸、とりわけ食品用酸および塩基など、
- 活性物質、例えば、アラントイン、ピロリドンカルボン酸およびそれらの塩、並びにビサボロール、
- ビタミン、プロビタミン、およびビタミン前駆物質、とりわけA、B3、B5、B6、C、E、FおよびH群のもの、
- 植物抽出物、例えば、緑茶、オーク樹皮、イラクサ、ハマメリス、ホップ、カモミール、ゴボウ根、ホーステール、サンザシ、リンデンブロッサム、アーモンド、アロエベラ、松葉、セイヨウトチノキ、ビャクダン、杜松、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キウィ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、セージ、ローズマリー、樺、マロー、ハナタネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、タイム、バルム、ハリシュモク、フキタンポポ、ハイビスカス、メリステム、チョウセンニンジンおよびショウガ根などの抽出物、
- コレステロール、
- コンシステンシー調整剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステルまたはポリオールアルキルエーテル、
- 脂肪およびワックス、例えば、鯨蝋、蜜蝋、モンタンワックスおよびパラフィン、
- 脂肪酸アルカノールアミド、
- 錯化剤、例えば、EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸およびホスホン酸、
- 膨潤および浸透剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、並びに第一級、第二級および第三級ホスフェート、
- 乳白剤、例えば、ラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー、
- 真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノ-およびジステアレート、並びにPEG-3-ジステアレート、
- 顔料、
- 過酸化水素および他の酸化剤用の安定剤、
- 噴射剤、例えば、プロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2および空気、
- 抗酸化剤。
【0118】
さらなる任意成分並びに使用されるそれらの成分の量に関して、当業者に既知の関連するマニュアル、例えば、Kh. Schrader、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika、第2版、Huethig Buch Verlag、ハイデルベルク、1989年に対して明確な参照がなされる。
【0119】
本発明の剤は、好ましくは適当な水性、アルコール性、または水性/アルコール性媒体中の染料前駆体生成物および/または直接吸収染料を含有する。毛髪着色目的のために、このような媒体は、例えば、クリーム、エマルジョン、ゲル、あるいは界面活性剤含有発泡溶液、例えば、シャンプー、発泡エーロゾル、または毛髪への塗布に適当である他の調製物など、を含有する。しかしながら、また、染料前駆体生成物を、粉末処方物(またはタブレット形態の粉末処方物でさえも)中に組み込むことも考えられる。
【0120】
本発明の目的について、水性/アルコール性溶液は、3〜70重量%のC1〜C4アルコール、特にエタノールまたはプロパノールを含有する水溶液と理解される。本発明の剤は、さらなる有機溶媒、例えば、メトキシブタノール、ベンジルアルコール、エチルジグリコール、または1,2-プロピレングリコールなどをさらに含有し得る。全ての水溶性有機溶媒がこれに関して好ましい。
【0121】
上記繊維の実際の酸化着色は、原理上、大気中の酸素によって達成することができる。しかしながら、特に着色に加えて、人毛に対する明化効果が所望される場合、化学的酸化剤を使用することが好ましい。適当な酸化剤は、過硫酸塩、亜塩素酸塩、および特に過酸化水素またはその尿素、メラミン、およびホウ酸ナトリウム付加生成物である。しかしながら、本発明によれば、酸化着色剤も、例えば大気中の酸素によって上記染料前駆体生成物の酸化を活性化する触媒と共に、毛髪上に塗ることができる。このような触媒は、例えば、金属イオン、ヨウ化物、キノン、または特定の酵素である。
【0122】
適当な金属イオンは、例えば、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Mn2+、Mn4+、Li+、Mg2+、Ca2+、およびAl3+である。これに関して特に適当なものは、Zn2+、Cu2+、およびMn2+である。該金属イオンは、原理上、任意の生理学的に許容し得る塩の形態で、または錯体化合物の形態で使用することができる。好ましい塩は、酢酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、乳酸塩、および酒石酸塩である。これらの金属塩の使用は、着色の促進および制御された様式での色合いへの作用の両方を可能にする。
【0123】
適当な酵素は、例えば、少量の過酸化水素の作用を大きく増強し得るペルオキシダーゼである。また、本発明に適当なものは、大気中の酸素の助けによって酸化染料前駆体生成物を直接酸化する酵素(例えば、ラッカーゼなど)、またはインサイチュで少量の過酸化水素を生じさせ、およびそのような様式で染料前駆体生成物の酸化を生体触媒的に活性化する酵素である。染料前駆体の酸化に特に適当な触媒は、それらに特異的な物質と組み合わせた、いわゆる二電子オキシドレダクターゼ、例えば
- ピラノースオキシダーゼと、例えば、D-グルコースおよびガラクトース、
- グルコースオキシダーゼと、D-グルコース、
- グリセロールオキシダーゼと、グリセロール、
- ピルベートオキシダーゼと、ピルビン酸またはその塩、
- アルコールオキシダーゼと、アルコール(MeOH、EtOH)、
- ラクテートオキシダーゼと、乳酸およびその塩、
- チロシナーゼオキシダーゼと、チロシン、
- ウリカーゼと、尿酸またはその塩、
- コリンオキシダーゼと、コリン、
- アミノ酸オキシダーゼと、アミノ酸
である。
【0124】
実際の毛髪着色剤は、それが酸化染料前駆体生成物を含有する場合、通常、酸化剤調製物と、染料前駆体生成物を含有する調製物とを混合することによって、塗布直前に製造される。得られる使用準備ができた毛髪着色調製物は、好ましくは6〜12の範囲のpHを有するべきである。弱アルカリ性媒体中の毛髪着色剤の使用が特に好ましい。塗布温度は、15℃と40℃との間の範囲であり得る。5〜45分の接触時間の後、該毛髪着色剤を、着色された毛髪から、洗い流すことにより除去する。シャンプーによるその後の洗浄は、高い界面活性剤含量を有する媒体(例えば着色シャンプー)を使用した場合、不必要である。
【0125】
特に着色困難な毛髪の場合、上記調製物を、染料前駆体生成物と共に、しかしながら酸化成分と予め混合することなく、毛髪上に塗ることができる。20〜30分の接触時間の後、次いで、適用可能な場合、リンスを間に入れた後、酸化成分を塗る。10〜20分のさらなる接触時間の後、リンスおよび、所望の場合、その後にシャンプーを行う。この実施態様において、染料前駆体生成物を塗る前に毛髪中へのより良好な浸透をもたらすことが意図される第一の変形によれば、対応する剤は、約4〜7のpHに調整される。第二の変形において、最初に、塗られた剤(好ましくは7〜10のpHを有する)の大気中酸化がなされる。その後の後酸化の促進に際して、酸化剤としての酸性のペルオキソ二硫酸塩溶液の使用が好適であり得る。
【0126】
本発明のさらなる主題は、ケラチン繊維、特に人毛を着色および/または調色するための方法であって、該方法は、
- 適用可能な場合、前処理剤M1を該繊維上に塗り、次いで、
- 着色剤M2を該繊維上で使用し、適用可能な場合、使用前にさらなる剤M3を該剤M2に添加し、
- 1〜60分間の後、該着色剤M2を該繊維から洗い流し、
- 処理後、適用可能な場合、後処理剤M4を該繊維上に塗り、および数分の接触時間の後、再度洗い流す
ことを含み、
該剤M2および/または剤M3は、請求項1〜11のいずれかに記載の調製物である。
【0127】
以下の実施例は、本発明の主題を如何ようにも制限することなく説明することを意図する。本願明細書中の記載にしたがう実施例の変形は、本発明にしたがって包含されるべきであることが明らかである。
【実施例】
【0128】
実施例において使用される量的表示は、他に示さない限り、重量%と理解されるべきである。
以下の着色クリームを製造した:
【0129】
【表2】

【0130】
上記繊維上に塗布直前に、上記着色クリームを、以下の酸化剤調製物と1:1の比率で混合し、塗布調製物を製造した:
【0131】
【表3】

【0132】
得られた塗布調製物を、上記繊維上に塗り、そして30分間室温にて放置した。次いで、該繊維を、水で徹底的に洗い流した。
処理された繊維は、心地よい感覚を特徴とし、滑らかであり、および手触りが柔らかであった。
実施例において使用された市販品は、以下の意味を有する:
【0133】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品学的に許容し得る担体中に、少なくとも一つの染料前駆体生成物および/または少なくとも一つの直接吸収染料を含有する、ケラチン繊維の着色および/または調色用の剤であって、
- そのトリグリセリド画分が7重量%を超えるパルミチン酸含量および20重量%を超えるリノール酸含量を有する脂肪酸分布を示す、少なくとも一つの油と、
- 少なくとも一つのタンパク質加水分解物との
活性物質の組合せをさらに含んでなる、剤。
【請求項2】
顕色剤成分を、染料前駆体生成物として使用する、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
カプラー成分を、染料前駆体生成物として使用する、請求項1または2に記載の剤。
【請求項4】
インドールおよび/またはインドリンタイプの生体類似染料前駆体生成物を、染料前駆体生成物として使用する、請求項1〜3のいずれかに記載の剤。
【請求項5】
油の脂肪酸分布は、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%のオレイン酸含量を示す、請求項1〜4のいずれかに記載の剤。
【請求項6】
油は植物油である、請求項1〜5のいずれかに記載の剤。
【請求項7】
油は、米胚芽油、落花生油、綿実油、大豆油、または小麦胚芽油から選択される、請求項6に記載の剤。
【請求項8】
タンパク質加水分解物は、植物、特に小麦、コーン、米、ジャガイモ、大豆、またはアーモンドから回収することができる、請求項1〜7のいずれかに記載の剤。
【請求項9】
タンパク質加水分解物は、海洋生物、特に魚コラーゲンまたは藻類から回収することができる、請求項1〜8のいずれかに記載の剤。
【請求項10】
タンパク質加水分解物は、動物抽出物、特にコラーゲン、ミルク、またはケラチンから回収することができる、請求項1〜9のいずれかに記載の剤。
【請求項11】
タンパク質加水分解物は全加水分解物である、請求項1〜10のいずれかに記載の剤。
【請求項12】
ケラチン繊維、特に人毛の着色および/または調色方法であって、
- 適用可能な場合、前処理剤M1を該繊維上に塗り、次いで、
- 請求項1〜11のいずれかに記載の剤M2を該繊維上で使用し、適用可能な場合、使用前にさらなる剤M3を該剤M2に添加し、
- 5〜60分間の後、該剤M2を該繊維から洗い流し、そして
- 適用可能な場合、処理後、後処理剤M4を該繊維上に塗り、そして数分の接触時間の後に再度洗い流す
ことを含む、方法。

【公表番号】特表2010−501618(P2010−501618A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526038(P2009−526038)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058478
【国際公開番号】WO2008/022958
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】