説明

油中水型乳化化粧料

【課題】肌への密着性が良好で非常に気体透過性に優れた樹脂を配合することで、肌への密着感が高く、優れた化粧持続性、肌への負担感の無さ、滑らかな伸び広がりを有し、経時安定性に優れた油中水型乳化化粧料に関するものである。
【解決手段】成分(A)〜(C);(A)特定構造のシロキサン基含有(メタ)アクリル酸系共重合体、(B)揮発性シリコーン、(C)HLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤を配合することを特徴とする油中水型乳化化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌への密着性が良好で非常に気体透過性に優れた樹脂を配合することで、優れた密着性、化粧持続性、肌への負担感の無さ、滑らかな伸び広がりを有し、経時安定性に優れた油中水型乳化化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油中水型乳化化粧料は水中油型乳化化粧料に比べ、耐水・耐汗性に優れ、各種化粧料に使用され近年主流になりつつある剤型である。しかし、油中水型乳化化粧料は外層が油性成分であるため、滑らかなタッチ、伸び広がりを有し、しっとり感やエモリエント効果を期待することはできるが、油感を感じたり、べたつくなどの欠点があり、さっぱりとした感触を得ることができなかった。また経時で分泌される皮脂と容易に混じり合うため化粧持続性が低下する場合があった。
そのため揮発性のシリコーン油やシリコーンレジンを配合することで化粧効果の持続性や保存安定性を向上させる技術が検討されてきた(例えば特許文献1参照)。また、耐皮脂性及び耐油性のあるパーフルオロ有機化合物にフッ素系高分子を用い、パーフルオロ有機化合物の安定性や使用感を向上させる技術がある(例えば特許文献2参照)。更には、揮発性成分、有機変性粘土鉱物、球状樹脂粉末、皮膜形成剤を用いて二次付着を低減しながら日焼け防止効果を向上させる技術も検討されている(例えば特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−309714号公報
【特許文献2】特開平8−59448号公報
【特許文献3】特開平9−255543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油中水型乳化化粧料を含む化粧料は塗布部に動きがあるため、化粧膜がその動きに追随できず動いてしまったり(ヨレたり)、崩れたりしないことが重要である。また、油中水型乳化化粧料はその目的により多種多様の成分を配合するため、他の成分との相溶性も重要な要素となる。油中水型乳化化粧料においては、密着性や、耐水、耐油性の樹脂の配合検討は多くなされているが、通気性を持つ樹脂の検討はあまりなされていないのが現状である。そのため、樹脂自身の耐水、耐油性はあるものの、化粧料に配合した場合には期待した程には化粧持ちが向上しないことがあった。そのためより通気性を高め、優れた肌への密着性、化粧持続性を併せ持ちながら肌への負担感が無く、滑らかに伸び広がり均一で薄い化粧塗膜を形成でき、経時安定性が良好である油中水型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる事情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、従来高い気体透過性を有しているとされ安全性が高いシリコーン系樹脂の分子構造内に、より空間を付与するため嵩高い構造のモノマーを特定量導入することで、化粧料成分との相溶性及び気体透過性を更に高めた樹脂成分を配合することで優れた化粧持続性、肌への負担感の無さを有する化粧料を具現化するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)下記一般式(1)で示されるモノマー(a)55〜65質量%と
【0007】
【化3】

【0008】
(式中、RはH又はCH、pは2〜6の整数である。)
下記一般式(2)で示されるモノマー(b)20〜30質量%と
【0009】
【化4】

【0010】
(式中、RはH又はCH、Rは炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。)
モノマー(c)として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸 15〜20質量%
とを重合してなる、シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体
(B)揮発性シリコーン
(C)HLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤
を配合する油中水型乳化化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、優れた肌への密着性、化粧持続性、肌への負担感の無さ、滑らかな伸び広がりを有し、経時安定性に優れた油中水型乳化化粧料に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水中油型乳化化粧料に用いられる、成分(A)のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体を構成するモノマー(a)は、共重合体に気体透過性を付与する成分であり、従来コンタクトレンズ素材に使用されてきたもので、その構造は、下記一般式(1)で示される。
【0013】
【化5】

【0014】
(式中、RはH又はCH、pは2〜6の整数である。)
【0015】
上記モノマー(a)の好ましい例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルヘキシルメタクリレート等が挙げられ、特にトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートが好ましい。このモノマー(a)としては特に制限無く、各種市販品を使用することができる。
【0016】
モノマー(b)は、共重合体に適度な硬さと柔軟性、他の化粧料成分との相溶性を付与する成分であり、その構造は、下記一般式(2)で示される。
【0017】
【化6】

【0018】
(式中、RはH又はCH、Rは炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。)
【0019】
上記モノマー(b)の好ましい例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルアクリレート等が挙げられ、特にメチルメタクリレートが好ましい。このモノマー(b)としては特に制限無く、各種市販品を使用することができる。
【0020】
モノマー(c)は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸であり、共重合体の皮膜形成性を向上させ、親水性を付与するための成分であり、成分(A)の共重合体においては、化粧料用油剤への溶解性を考慮すると、メタクリル酸であることが好ましい。
【0021】
成分(A)のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体は、これらのモノマーを仕込み量で、(a)55〜65質量%(以下、単に「%」と略す。)、(b)20〜30%、(c)15〜20%の割合で添加し、共重合することにより得られる。更にこれは、気体透過性や皮膜形成性等を損なわない範囲で、上記、モノマー(a)〜(c)以外に、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーを任意に添加し、共重合させてもよい。
【0022】
成分(A)の重合方法としては、例えば、各モノマーを溶媒中に溶解し、重合開始剤を添加し、窒素雰囲気中で加熱攪拌する、溶液重合法等が挙げられる。前記重合方法において使用する溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールやアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が挙げられ、これらを適宜混合して用いる。その重合反応は、通常50〜180℃、好ましくは60〜120℃の温度範囲内において行うことができ、この条件下に5〜15時間程度で完結させることができる。
【0023】
本発明において、シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体を製造する方法の好ましい一態様としては、まず、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、メタクリル酸およびメチルメタクリレートと、酢酸ブチル、酢酸エチル及びイソプロパノール等の溶媒および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤をフラスコ等の反応容器に入れ、窒素ガスバブリング等で反応容器中の溶存酸素を除き、密封する。次に、反応容器を恒温槽中に移し、60℃程度で攪拌しながら15時間程度かけて重合を行う方法が挙げられる。
【0024】
このようにして製造されるシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体は、GPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量において、約3,000〜約200,000、特に約5,000〜約100,000の範囲にあることが好ましく、また−30〜+60℃の範囲のガラス転移温度を持つことが好ましい。
【0025】
このような成分(A)のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体としては、例えば、下記化学式(3)で示される構造を有するものが挙げられる。
【0026】
【化7】

【0027】
(但し、式中のxは35〜50の整数、yは20〜30の整数、zは30〜40の整数であり、Rは下記化学式(4)で表される基である。)
【0028】
【化8】

【0029】
本発明の油中水型乳化化粧料における、成分(A)のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体の配合量は、特に制限されないが、0.1〜30%、更に好ましくは1〜15%である。この範囲であると、良好な密着性、化粧持続性、肌への負担感の無さ、滑らかな伸び広がりに優れる油中水型乳化化粧料を得ることができる。
成分(A)のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体の、油中水型乳化化粧料への配合方法としては、ハンドリングの都合上、化粧料に配合する油剤、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンといったシリコーン油、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、軽質流動イソパラフィンといった油剤に事前溶解し用いることが望ましい。
【0030】
本発明で用いられる成分(B)の揮発性シリコーンは、通常化粧料に用いられるものであればいずれのものも使用することができ、例えば、25℃での粘度が2mm/s以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。
【0031】
本発明で用いられる成分(B)の揮発性シリコーンは、本発明の油中水型乳化化粧料中に、5〜60%配合するのが好ましく、更に好ましくは10〜40%である。この範囲内で用いれば、さっぱりとした感触や滑らかな使用性が得られる。
【0032】
本発明で用いられる成分(C)HLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤は、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。例えば、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしては、以下に示す構造のものが挙げられ、市販品としては、ABIL EM97(ゴールドシュミット社製)、SH−3772C、SH3775C(東レ・ダウコーニング社製)、KF−6012、KF−6015、KF−6016、KF−6017(信越化学工業社製)等を好適に用いることができる。
【0033】
【化9】

【0034】
[式中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を示す。Rは、−Q−O−(CO)−(CO)−R(但し、Qは、炭素数1〜5の2価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基を示す。hは、1〜50の整数、iは、0〜50の整数である。)G及びGは、同一でも異なっても良く、それぞれR又はRを示す。jは、0〜150の整数、kは0〜50の整数を示す。但し、k=0のとき、G、Gの少なくとも一方は、Rである。]
【0035】
長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしては、以下に示す構造のものが挙げられ、市販品としては、特にABIL EM90(ゴールドシュミット社製)等が好適に用いられる。
【0036】
【化10】

【0037】
[式中,Rは炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を示す。Rは、−Q−O−(CO)−(CO)−Rで示され、Qは炭素数1〜5の2価の炭化水素基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基を示す。cは1〜50の整数、dは0〜50の整数である。Rは−(CO)−R10で示され、eは0〜5の整数、R10は6〜16の炭化水素基である。lは5〜150の整数、mは5〜40の整数、nは2〜40の整数である。]
【0038】
本発明で用いられる成分(C)HLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤は、本発明の油中水型乳化化粧料中に、0.5〜10%配合、更に好ましくは、1〜6%配合するのが好ましい。この範囲内で用いれば、乳化剤特有のベタつき感を感じずに十分安定な乳化効果が得られる。また、これらHLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤は、必要に応じて1種又は2種以上使用することができる。
【0039】
本発明では、本発明の油中水型乳化化粧料の安定性を更に向上させる為に、成分(D)の油ゲル化剤を配合することが好ましい。油ゲル化剤は、有機変性粘土鉱物、煙霧状疎水化シリカ、デキストリン脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種又2種以上を用いることができる。
【0040】
有機変性粘土鉱物としては、水膨潤性粘土鉱物をジメチルジステアリルアンモニウムクロライド及びブロミド、ジメチルベンジルステアリルアンモニウムクロライド及びブロミド等で有機変性して得られるものである。水膨潤性粘土鉱物としては三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムの一種で、具体的にはモンモリロナイト、ラポナイト及びヘクトライト等の天然又は合成のモンモリロナイト群、及びナトリウムシリシックマイカやナトリウム又はリチウムテニオライトの名で知られる合成雲母等が挙げられる。水膨潤性粘土鉱物としては、特にモンモリロナイト、ヘクトライトが好ましい。市販品としては、ベントン27、ベントン38(エレメンティス社製)が挙げられる。安定性向上のために配合する量としては0.2〜3%であり、より好ましくは0.4〜2%である。この範囲であれば十分な効果が得られる。
【0041】
煙霧状疎水化シリカとしては、粒径が5〜50nmの微細なシリカで、その表面をジメチルジクロロシラン、ジメチルポリシロキサン等の処理剤にて疎水化処理したものである。具体的には、AEROSIL R−972、R−974、R976−S、RX−300(日本エアロジル社製)、CAB−O−SIL TS−530(キャボット社製)等が例示できる。安定性向上のために配合する量としては0.2〜5%であり、より好ましくは0.4〜3%である。この範囲であれば十分な効果が得られる。
【0042】
デキストリン脂肪酸エステルとしては、油溶性のもので炭素数8〜24(好ましくは14〜18)の直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和脂肪酸と平均重合度10〜50(好ましくは20〜30)のデキストリンとのエステル化合物である。具体例としてはパルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。市販品としてはパルミチン酸デキストリン(レオパールKL、レオパールTL)やパルミチン酸/2-エチルヘキサン酸デキストリン(レオパールTT)(いずれも千葉製粉社製)等が挙げられる。安定性向上のために配合する量としては0.2〜5%であり、より好ましくは0.4〜3%である。この範囲であれば十分な効果が得られる。
【0043】
フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルとしては、具体的に、特開平3−197409号公報や特開2002−193732号公報に記載されているものが挙げられる。炭素数8〜32の直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和脂肪酸とフラクトオリゴ糖とのエステル化合物で、フラクトオリゴ糖の平均分子量は300〜10,000の範囲が好ましく、これらを1種又は2種以上を用いることができる。市販品としては、レオパールISK(千葉製粉社製)等が挙げられる。安定性向上のために配合する量としては0.2〜5%であり、より好ましくは0.4〜3%である。この範囲であれば十分な効果が得られる。
【0044】
本発明の油中水型乳化化粧料には、上記成分の他に、水を必須に配合する。本発明の油中水型乳化化粧料における、水の配合量は、5〜60%が好ましく、より好ましくは10〜40%である。
【0045】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、上記必須成分の他に通常化粧料に用いられる成分を配合できる。
【0046】
粉体成分としては、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、球状ナイロン粉末、球状ポリスチレン粉末、球状ポリメタクリルサンメチル粉末、球状シリコーン樹脂粉末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、その表面を油剤処理、シリコーン化合物処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、界面活性剤処理、アミノ酸系化合物処理、水溶性高分子処理等を施してあってもよい。
【0047】
油性成分としては、成分(B)以外で、軽質流動イソパラフィン、ポリブテン、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素油、液状ラノリン、エステル油、モノグリセライド油、ジグリセライド油、トリグリセライド油等の液体油、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル等の紫外線吸収剤、ワセリン、ラノリン等の半固形油、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、モクロウ、モンタンワックス等の固形油、ロジン酸ペンタエリスリット等の油溶性樹脂成分、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、シリコーン油として非揮発性のものでジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルジフェニルポリシロキサン、メトキシフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、フッ素系油剤としてはパーフルオロポリエーテル、トリフルオロプロピルシクトテトラシロキサン、トリフルオロプロピルシクペンタシロキサン、並びにステアリン酸等の高級脂肪酸などが挙げられる。油剤成分は、エモリエント性の付与、様々な使用性の実現、紫外線防御効果といった目的で配合する。
【0048】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、成分(C)以外の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。具体的にはアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、エーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテルが挙げられる。両性界面活性剤としては、レシチン等が挙げられる。
【0049】
その他の成分としては、感触調整として金属石鹸、アミノ酸系化合物、部分架橋型オルガノポリシロキサン、水系での感触調整といった目的で水溶性高分子としてメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、カルボキシビニルポリマー、寒天、ローカストビーンガム、ジェランガム、ハイメトキシペクチン、ローメトキシペクチン、スクレロチウムガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、水膨潤性粘土鉱物、その他、酸化防止剤、ビタミンA、B6、B12、C、E等のビタミン類及びその誘導体、ローズマリーエキス、カミツレエキス、ニンジン抽出物、センブリ抽出物、カテキン、カテキン誘導体、カンゾウ抽出物、ソウハクヒ抽出物、ホップ抽出物といった美容成分、コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、トレハロース、アロエエキス等の保湿剤、メントール、カンファ、ソルビトール等の清涼剤、エタノール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール、香料等を配合することができる。
【0050】
本発明の油中水型乳化化粧料としては、日焼け止め化粧料、ファンデーション、下地化粧料、コントロール、アイカラー、マスカラ、口紅、アイカラー、乳液、美容液、クリーム等が挙げられる。この中でもアイカラー、日焼け止め化粧料、ファンデーション、下地化粧料、乳液、クリームが、動きが大きく塗布面積もある程度あるので肌負担感の無さの実感、滑らかな使用性といった点において効果が顕著に現れて好ましい。また、性状は液状、乳液状、ペースト状、クリーム状、固形状のいずれでも良い。
【0051】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
合成例1:シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液1
500mLフラスコにトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート55部、メタクリル酸15部、メチルメタクリレート30部、溶媒として酢酸ブチル110部、酢酸エチル70部、イソプロパノール30部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を仕込み、溶存酸素を除くために窒素ガスバブリングを行い、密封した。反応容器を恒温槽中に移し、60℃で攪拌しながら15時間かけて重合を行った。重合終了後、ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン社製 SH200C−6cs)へ溶媒置換を行い、シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液1(固形分濃度20%)を得た。
【0053】
合成例2:シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液2
500mLフラスコにトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート60部、メタクリル酸20部、メチルメタクリレート20部、溶媒として酢酸ブチル100部、酢酸エチル100部、イソプロパノール30部、ジクミルパーオキサイド1部を仕込み、溶存酸素を除くために窒素ガスバブリングを行い、密封した。反応容器を恒温槽中に移し、60℃で攪拌しながら6時間かけて重合を行った。重合終了後、デカメチルシクロペンタシロキサンへ溶媒置換を行い、シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液2(固形分濃度20%)を得た。
【0054】
合成例3:シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体溶液3
500mLフラスコに、モノマー成分としてのトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート60部、メタクリル酸15部、メチルメタクリレート25部と、溶媒として酢酸ブチル110部、酢酸エチル70部、イソプロパノール30部と、反応開始剤である2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を仕込んだ。溶存酸素を除くため、このフラスコを窒素ガスでバブリングを行い、密封した。反応容器を恒温槽中に移し、60℃で攪拌しながら15時間かけて重合を行った。重合終了後、酢酸ブチルへ溶媒置換を行い、シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体溶液の酢酸溶液(固形分濃度20%)を得た。このシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体は前記化学式(3)において、x=45、y=25,z=30で示される構造を有するものであった。また、この重合体のGPCにおけるポリスチレン換算の数平均分子量は約20,000であった。
【0055】
合成比較例1:シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液4
500mLフラスコにトリス(ジメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート50部、メチルメタクリレート50部、溶媒として酢酸ブチル110部、酢酸エチル70部、イソプロパノール30部、ジクミルパーオキサイド0.5部を仕込み、溶存酸素を除くために窒素ガスバブリングを行い、密封した。反応容器を恒温槽中に移し、50℃で攪拌しながら8時間かけて重合を行った。重合終了後、デカメチルシクロペンタシロキサンへ溶媒置換を行い、シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液4(固形分濃度20%)を得た。
【0056】
実施例1〜5及び比較例1〜4:アイカラー
表1に示す処方のアイカラーを下記製造方法にて調製し、肌への密着性、化粧持続性、肌への負担感の無さ、滑らかな使用性、経時安定性について評価した結果を併せて表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
(注1)BY11−018(東レ・ダウコーニング社製)(固形分30%)
(注2)DC593(東レ・ダウコーニング社製)(固形分33%)
(注3)ABIL EM−90(HLB=4.5)(ゴールドシュミット社製)
(注4)SH3771M(HLB=13)(東レ・ダウコーニング社製)
(注5)SA−チタンCR50(80%)(三好化成製)
(注6)SA−タルクK−5μ(三好化成製)
(注7)SA−チミロンスプレンディッドゴールド(三好化成製)
(製造方法)
A:成分1〜18をホモミキサーにて均一に混合する。
B:成分19〜25を均一に溶解混合後、Aに加え乳化し、脱泡後、アプリケーター付き樹脂容器に充填しアイカラーを得た。
【0059】
(評価方法)
『肌への密着性』、『化粧持続性』、『肌への負担感の無さ』、『滑らかな伸び広がり』については、アイカラー各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、『化粧持続性』については、通常の生活をしてもらい、3時間後の化粧の状態について評価した。
【0060】
『肌への密着性』、『化粧持続性』、『肌への負担感の無さ』、『滑らかな伸び広がり』
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
【0061】
(4段階判定基準)
(評点平均値) :(判定)
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
1点を超えて3点以下:やや不良(△)
1点以下 :不良(×)
【0062】
『経時安定性』については、40℃の恒温槽に1ヶ月保管し、外観の変化(キメ、分離の有無)について以下の基準で評価を行い、判定した。
(判定)
◎:外観全く変化なし。
○:外観に僅かに変化(キメやや悪いが分離なし)。
△:外観にある程度変化あり(キメが悪く分離傾向あり)。
×:外観に大きな変化あり(分離)。
【0063】
表1の結果から明らかなように、本発明のアイカラーは、肌への密着性、化粧持続性に優れ、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりを有し、経時安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。
それに対し、成分(A)のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体に替えて、メタアクリル酸をモノマーの構成成分に配合しない共重合体を用いた比較例1は特に肌への密着性、化粧持続性、経時安定性の点において劣っていた。成分(A)の替わりにトリメチルシロキシケイ酸を用いた比較例2は密着性、化粧持続性、肌への負担感、の項目で満足できず劣るものであった。成分(A)の替わりにトリメチルシロキシケイ酸を用い、揮発性シリコーン油の替わりに不揮発性のシリコーン油を用いた比較例3は密着性、化粧持続性、経時安定性において満足できるものでなかった。HLB13のシリコーン系界面活性剤を用いた比較例4は滑らかな伸び広がり、経時安定性において満足できるものでなかった。
【0064】
実施例6:口紅(液状)
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン(注8) 5
2.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
3.ジカプリン酸プロピレングリコール 5
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 30
5.液状ラノリン 10
6.シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液2 20
7.シリコーン系界面活性(HLB=4.5)(注9) 2.5
8.赤色226号 2
9.黄色酸化鉄 0.5
10.黒色酸化鉄 0.1
11.シリコーン処理酸化鉄被覆雲母チタン(注10) 5
12.球状シリカ粉末(平均粒子径10μm) 2
13.酸化防止剤(酢酸トコフェロール) 0.5
14.防腐剤(フェノキシエタノール) 0.3
15.精製水 残量
16.エチルアルコール 3
17.ジグリセリン 0.5
18.ローカストビーンガム 0.1
(注8)レオパールKL(千葉製粉社製)
(注9)シリコンKF−6017(信越化学工業社製)
(注10)SA−チミロンスーパークルゴールド(三好化成製)
【0065】
(製造方法)
A:成分1〜3を90℃で加熱溶解後、そこに成分4〜14を加え、ホモミキサーにて均一分散する。
B:成分15〜18を均一に溶解後、Aに加え、乳化する。
C:Bを脱泡後、容器に充填し、口紅とした。
以上のようにして得られた実施例6の口紅は、唇への密着性が良好で、化粧持続性に優れ、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりを兼ね備え、経時安定性に優れた化粧料であった。
【0066】
実施例7:日焼け止め化粧料(乳液状)
(成分) (%)
1.パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5
2.シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液1 30
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
4.シリコーン系界面活性(注3) 3
5.シリコーン処理微粒子酸化チタン(注11) 5
6.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛(注12) 5
7.有機変性粘土鉱物(注13) 0.5
8.有機変性粘土鉱物(注14) 0.5
9.シリコーン処理シリカ(注15) 2
10.精製水 残量
11.エチルアルコール 5
12.グリセリン 1
13.キサンタンガム 0.1
14.香料 適量
(注11)SI−TTO−S−1 LHC(6%)
(注12)SI−UFZO−350 LHC(3%)
(注13)ベントン27(エレメンティス社製)
(注14)ベントン38(エレメンティス社製)
(注15)SA−SB−300(7%)
【0067】
(製造方法)
A:成分1〜9をホモミキサーにて均一に分散混合する。
B:成分10〜14を均一に混合する。
C:AとBを乳化し、容器に充填して日焼け止め化粧料を得た。
以上のようにして得られた実施例7の日焼け止め化粧料は、肌への密着性、化粧持続性(長時間日焼け止め効果が持続)に優れ、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりで、経時安定性に優れた化粧料であった。
【0068】
実施例8:アイブロウ(スティック状)
(成分) (%)
1.セレシンワックス 10
2.ポリエチレンワックス 3
3.部分架橋型オルガノポリシロキサン(注16) 1
4.メチルフェニルポリシロキサン 3
5.ジメチルポリシロキサン(10mm/s) 2
6.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
7.シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液1 10
8.シリコーン系界面活性(注3) 3
9.シリコーン系界面活性(注9) 1
10.球状ポリメタクリルサンメチル粉末(平均径10μm) 5
11.シリコーン処理マイカ(注17) 5
12.シリコーン処理酸化チタン(注5) 1
13.シリコーン処理ベンガラ(注18) 0.3
14.シリコーン処理黄色酸化鉄(注19) 1
15.シリコーン処理黒色酸化鉄(注20) 0.5
16.煙霧状疎水化シリカ(注21) 1
17.酸化防止剤(ローズマリー抽出液) 0.3
18.ビタミンA油 0.5
19.精製水 残量
20.1,3−ブチレングチコール 5
21.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注22) 0.3
22.トリエタノールアミン 0.1
23.香料 適量
(注16)シリコンKSG−15(信越化学工業社製)
(注17)SAエクセルマイカJP−1(三好化成社製)
(注18)SA−ベンガラ七宝(80%)(三好化成社製)
(注19)SA−イエローレモン(80%)(三好化成社製)
(注20)SA−ブラックBL−100(100%)(三好化成社製)
(注21)CAB−O−SIL TS−530(キャボット社製)
(注22)カーボポール1342(グッドリッチ社製)
【0069】
(製造方法)
A:成分1〜9を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分10〜18を加えデスパミキサーにて均一分散する。
C:成分19〜23を均一に混合し、80℃にする。
D:BにCを加え、デスパミキサーにて乳化し、脱泡する。それをスティック成形用型に充填温度80℃で流し込み、冷却固化しアイブロウを得た。
実施例8のスティック状アイブロウは、肌への密着性、化粧持続性に優れ、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりを兼ね備え、経時安定性(経時で油剤が滲み出るように分離してくる「発汗」という現象もなく)も良好な化粧料であった。
【0070】
実施例9:ファンデーション(液状)
(成分) (%)
1.イソノナン酸イソトリデシル 5
2.ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 5
3.イヌリンステアレート(注23) 1
4.メチル・トリフロロプロピルシクロポリシロキサン 3
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
6.シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液2 20
7.シリコーン系界面活性(HLB=4.5)(注24) 3
8.ポリグリセリン変性シリコーン(HLB=4.5)(注25) 2
9.有機変性粘土鉱物(注13) 0.5
10.有機変性粘土鉱物(注14) 0.5
11.シリコーン処理微粒子酸化チタン(注11) 5
12.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛(注12) 5
13.シリコーン処理マイカ(注17) 3
14.シリコーン処理酸化チタン(注5) 5
15.シリコーン処理ベンガラ(注19) 0.3
16.シリコーン処理黄色酸化鉄(注19) 1.5
17.シリコーン処理黒色酸化鉄(注20) 0.2
18.シリコーンパウダー(注26) 2
19.精製水 残量
20.エチルアルコール 10
21.1,3−ブチレングリコール 3
22.キサンタンガム 0.1
23.防腐剤(フェノキシエタノール) 0.3
24.香料 0.2
(注23)レオパール ISK(千葉製粉社製)
(注24)KF−6028P(信越化学工業社製)
(注25)KF−6105(信越化学工業社製)
(注26)KSP−100(信越化学工業社製)
【0071】
(製造方法)
A:成分1〜3を90℃にて溶解後、成分4〜18を加えデスパミキサーにて均一に分散混合する。
B:成分19〜24を均一に混合する。
C:AとBを乳化し、容器に充填してファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例9のファンデーションは、肌への密着感が高く、化粧持続性に優れ、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりで、経時安定性にも優れた化粧料であった。
【0072】
実施例10:クリーム
(成分) (%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
2.低粘度メチルポリシロキサン(注27) 3
3.低粘度メチルポリシロキサン(注28) 2
4.HLB10以下のシリコーン系界面活性(注2) 3
5.部分架橋型オルガノポリシロキサン(注16) 2
6.メチル・トリフロロプロピルシクロポリシロキサン 3
7.シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液1 10
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
9.香料 0.1
10.精製水 残量
11.グリセリン 1
12.塩化ナトリウム 1
13.1,3−ブチレングリコール 15
14.海洋コラーゲン抽出物 0.5
(注27)KF−96A・6cs(信越化学社製)
(注28)KF−96A・10cs(信越化学社製)
【0073】
(製造方法)
A:成分1〜7をホモミキサーにて均一に分散混合する。
B:成分8〜14を均一に混合する。
C:AとBを乳化し、容器に充填してクリームを得た。
以上のようにして得られた実施例10のクリームは、肌への密着感が高く(しっとり感が強く)、化粧持続性に優れ(長時間保湿が持続し)、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりで、経時安定性にも優れた化粧料であった。
【0074】
実施例11:アイカラー
(成分) (%)
1.シロキシ基含有メタクリル酸系共重合体溶液3 30
2.シリコーン系界面活性剤(注3) 3.5
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 14.5
4.ジカプリン酸プロピレングリコール 2
5.ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 1
6.シリコーン処理酸化チタン(注5) 1
7.赤色226号 0.3
8.ベンガラ 0.2
9.青色404号 0.1
10.黒色酸化鉄 0.1
11.シリコーン処理タルク(注6) 2.3
12.シリコーン処理雲母チタン(注7) 3
13.球状ナイロン粉末(平均粒子径15μm) 2
14.精製水 残量
15.エチルアルコール 7
16.グリセリン 3
17.海洋性コラーゲンエキス 0.1
18.ローズマリー抽出液 0.1
19.防腐剤(フェノキシエタノール) 0.1
20.香料 0.1
【0075】
(製造方法)
A:成分1〜13をホモミキサーにて均一に混合する。
B:成分14〜20を均一に溶解混合後、Aに加え乳化し、脱泡後、アプリケーター付き樹脂容器に充填しアイカラーを得た。
以上のようにして得られた実施例11のアイカラーは、肌への密着性、化粧持続性に優れ、肌への負担感が無く、滑らかな伸び広がりを有し、経時安定性に優れた油中水型乳化化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)下記一般式(1)で示されるモノマー(a)55〜65質量%と
【化1】

(式中、RはH又はCH、pは2〜6の整数である。)
下記一般式(2)で示されるモノマー(b)20〜30質量%と
【化2】

(式中、RはH又はCH、Rは炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である。)
モノマー(c)として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸 15〜20質量%
とを重合してなる、シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体
(B)揮発性シリコーン
(C)HLBが10以下のポリオキシエチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤
を配合することを特徴とする油中水型乳化化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)における、モノマー(b)がメチルメタクリレートであり、モノマー(c)がメタクリル酸であることを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項3】
更に成分(D)として、有機変性粘土鉱物、煙霧状疎水化シリカ、デキストリン脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油ゲル化剤を配合することを特徴とする請求項1又は2に記載の油中水型乳化化粧料。

【公開番号】特開2006−306868(P2006−306868A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101144(P2006−101144)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】