説明

油中水型乳化皮膚化粧料

【課題】乳化安定性が良好であり、かつべたつかずみずみずしい使用感を有する美白薬剤配合の油中水型乳化皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】(A)イソステアリン酸グリセリン及び/又はオレイン酸グリセリンと、(B)水性成分と、(C)油性成分と、(D)美白薬剤から選ばれる一種又は二種以上と、を含み、(1)成分(B)の水性成分の質量を成分(B)の水性成分と成分(C)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が68%以上であり、(2)成分(A)中に含まれるモノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの量が(A)の総量に対して85質量%以上であり、(3)成分(D)の配合量が皮膚化粧料全量に対して0.001〜5.0質量%であるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油中水型乳化皮膚化粧料に関し、さらに詳しくは、美白薬剤を配合した、安定性および使用性に優れる油中水型乳化皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
乳化組成物は水中油型(O/W)及び油中水型(W/O)に大別されており、さらには油中水中油型(O/W/O)、水中油中水型(W/O/W)などのマルチタイプも存在する。これらは、従来、化粧品分野ではスキンケア用のクリーム、乳液、マッサージクリーム、メーク落としクリーム、ヘアケア用クリームなどに活用され、医薬品分野では経皮用クリームなどとして活用されている。
【0003】
このうち油相を外相、水相を内相とした油中水型(W/O)の乳化組成物は、油溶性の有効成分、例えばエモリエント油、油溶性の薬剤、紫外線吸収剤などを効率的に皮膚上に展開できることから、皮膚外用剤として適した剤型であり、この点において水中油型よりも優れているが、水中油型乳化組成物に比べ安定性を確保することが難しいと考えられている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
これは水中油型乳化組成物であれば非イオン界面活性剤として汎用されるポリオキシエチレンアルキル型界面活性剤のポリオキシエチレン鎖のエントロピー反発や、イオン性界面活性剤の静電反発を乳化物の安定化に活用できるのに対し、油中水型乳化組成物の場合は、調製に適しているとされる親油性の界面活性剤は、親水性(疎油性)が低い傾向にあり、そのため界面に吸着すべき界面活性剤が油相中に単分散溶解して消費される割合が大きくなり、効率的な油水界面の安定化が図りにくいなどの要因が関係している。そのため、油中水型乳化組成物においては、外相を構成する油をゲル化させ水滴を不動化するために高分子化合物を配合したり、界面活性剤を大量に配合することによって安定化を図ることが多く、乳化剤の量および種類、内水相比、水性成分の種類及びその量、油分の種類及びその量、他の安定剤の種類及びその量などの使用に制限があった。
【0005】
また一般に、油中水型乳化組成物は水中油型乳化組成物に比べ外相が油性成分であることからべたつく傾向があり、みずみずしさにかけるという欠点を有する。特に、美白薬剤を配合した油中水型乳化物では塗布後のべたつきが強く、使用性が悪いという問題点があった。
【0006】
このような欠点を解決するために一般的には内相の水性成分の割合を高める手法や、外相の油性成分中の揮発油分含有量を高める手法などがとられる。しかし、内相比を高めることは乳化安定性の悪化を招き、揮発油分含有量を高めることはスキンケア効果を有する残留油分が減少するためスキンケア効果が低下する。
【0007】
以上のことから油中水型乳化組成物を活用したスキンケアクリームにおいて、みずみずしい使用感と高いスキンケア効果を有し、且つ安定性を良好に保つことは困難であった。
【0008】
このような点から、乳化剤としてポリエーテル変性シリコーンを用いることにより、安定性が高い油中水型乳化化粧料が開発されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。この方法では高分子量(30000以上)のポリエーテル変性シリコーンを使用することが推奨されている。しかしながらポリエーテル変性シリコーンは通常、高分子界面活性剤としての挙動を呈し、高分子鎖の絡み合いに起因するべたついた使用感を与える。
【0009】
また、特許文献3には、(A)モノオレイン酸グリセリン、(B)アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤、(C)水性成分(内水相比70%以上)、(D)油性成分で構成した油中水型乳化組成物が開示され、特許文献4には、モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種および2種以上を界面活性剤として使用し、固形油分を配合した油中水型乳化組成物が開示されているが、いずれの油中水型乳化組成物においても、美白薬剤を配合しようとすると、べたつきのなさ、さっぱりさ等の肌効果の機能が弱いという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−89356号公報
【特許文献2】特開2002−201355号公報
【特許文献3】特開2007−153824号公報
【特許文献4】特開2008−24630号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】阿部正彦編、界面と界面活性剤−基礎から応用まで−、日本油化学会(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のことから、油中水型乳化皮膚化粧料において、べたつきがなくみずみずしい使用感と高い安定性を有し、且つ美白薬剤を配合して高い美白効果を奏することは困難であった。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、高い美白効果を有する油中水型乳化皮膚化粧料でありながら、べたつかず高内水相比によるみずみずしい使用感を有し、かつ薬剤安定性や乳化安定性が良好である油中水型乳化皮膚化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、前述の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の成分を含む油中水型乳化皮膚化粧料が、美白薬剤を配合してもべたつかずみずみずしい使用感を有し、かつ安定性も良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明は、下記成分(A)、(B)、(C)、(D)を含み、さらに下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料である。
成分:
(A)イソステアリン酸グリセリン及び/又はオレイン酸グリセリン
(B)水性成分
(C)油性成分
(D)美白薬剤から選ばれる一種又は二種以上
【0015】
条件:
(1)成分(B)の水性成分の質量を成分(B)の水性成分と成分(C)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が68%以上である。
(2)成分(A)中に含まれるモノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの量が(A)の総量に対して85質量%以上である。
(3)成分(D)の配合量が皮膚化粧料全量に対して0.001〜5.0質量%である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の油中水型乳化皮膚化粧料は、美白薬剤を配合して高い美白効果を奏するものであると共に、べたつきがなくみずみずしい使用感と高い安定性を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
((A)イソステアリン酸グリセリン及び/又はオレイン酸グリセリン)
本発明で用いられる成分(A)のイソステアリン酸グリセリン及び/又はオレイン酸グリセリンは、モノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの純度が高いものであり、種々の公知の合成法により提供され得るものである。通常の合成法によれば、例えばモノイソステアリン酸グリセリンであれば、モノイソステアリン酸グリセリン、ジイソステアリン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリンの混合物として生成される。本発明にかかる油中水型乳化皮膚化粧料を構成する成分(A)は、含まれるモノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの純度が高いことが好ましい。モノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの精製法として、通常分子蒸留法が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
成分(A)に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよびグリセリン脂肪酸トリエステルは、成分(A)全量に対して15質量%未満である。
モノ脂肪酸グリセリンが界面活性剤(乳化剤)としての機能を有するのに対し、ジ脂肪酸グリセリン及びトリ脂肪酸グリセリンは油分としての挙動を呈する。従って、モノ脂肪酸グリセリンの純度が低い場合には、乳化物は成分(C)の油性成分に加え、ジ脂肪酸グリセリン及びトリ脂肪酸グリセリンが油性成分として配合されたような挙動をとる。すなわち、合成されたモノ脂肪酸グリセリンの純度が低く、成分(C)の油性成分として配合される油分の一種として、また成分(A)の不純物として含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが、成分(A)の全量に対して15質量%を超えてしまうと、乳化物の安定性が損なわれる。なお、モノ脂肪酸グリセリンの純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの一般的な方法で測定することができる。
本発明では、成分(A)の中に含まれるモノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの量が(A)の総量に対して85質量%以上である。
【0019】
なお、成分(A)イソステアリン酸グリセリン及び/又はオレイン酸グリセリンの好適な配合量としては、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して0.1〜5.0質量%、好ましくは1.0〜3.0質量%である。0.1質量%未満では乳化物の安定性が著しく損なわれる場合があり、5.0質量%を超えると使用性に劣る場合がある。
【0020】
((B)水性成分)
本発明に用いられる成分(B)の水性成分は化粧品、医薬品などに通常使用可能なものを、乳化物の安定性を損なわない範囲で配合することができる。
(B)水性成分としては、水の他に、無機塩、有機塩、保湿剤、水溶性高分子が含まれる。
【0021】
このうち保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D-マンニット等が挙げられる。
【0022】
水溶性高分子としては、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、グルタミン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOLなど)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。
【0023】
(B)水性成分の好適な配合量としては、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して68〜90質量%、好ましくは73〜85質量%である。68質量%未満では本発明の内水相比が68%以上を達せられず、さっぱり感に劣るようになる。90質量%を超えると安定性の面で問題を生じるようになるからである。
【0024】
((C)油性成分)
本発明においては、油性成分は化粧品、医薬品に通常使用可能なものを、乳化物の安定性を損なわない範囲で使用することができる。
液状油分としては、好ましくはシリコーン油であり、さらに好ましくは環状シリコーン油である。シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどに代表される鎖状シリコーン油、およびオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどに代表される環状シリコーン油がある。
【0025】
なお、乳化物の安定性を損なわない範囲で極性の油分を少量配合することもできる。好ましい配合量としては、5質量%以下である。極性油分としては、エチルヘキサン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソデシル、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチルなどに代表されるエステル油がある。
【0026】
また、非極性油としては、スクワラン、パラフィン、イソパラフィン等の炭化水素油がある。本発明においては、炭素数が20以下であるイソパラフィンを含むことが望ましい。
【0027】
炭素数が20以下のイソパラフィンとしては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。炭素数が20以下のイソパラフィンの配合量は、油性成分中の炭化水素油全量に対して30質量%以上が好ましい。30質量%未満であると、ふっくらさや、やわらかさに欠ける皮膚化粧料となってしまう場合がある。ここで、(C)油性成分中の炭化水素油の配合量は、15〜100質量%であることが好ましい。
【0028】
また、成分(C)の油性成分はさらに固形油分を含むことが好適である。固形油分を配合することによりべたつきのなさを維持したまま、保湿効果が更に向上する。
固形油分としては、カカオ脂、ヤシ油、馬油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化ヒマシ油などの固体油脂、パラフィンワックス(直鎖炭化水素)、マイクロクリスタリンワックス(分岐飽和炭化水素)、セレシンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャートロプスワックスなどの炭化水素類、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデリラロウ、米ぬかロウ(ライスワックス)、ゲイロウ、ホホバ油、ヌカロウ、モンタンロウ、カポックロウ、ベイベリーロウ、セラックロウ、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、還元ラノリン、硬質ラノリン、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどのロウ類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸などの高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコールなどが挙げられる。なお、固形油分の配合量は化粧料全量に対して0.5〜3質量%が好ましく、より好ましくは1〜1.5質量%である。固形油分の配合量が0.5質量%以上を配合することで、保湿効果がさらに向上する。3質量%より多くなると化粧料ののびが重くなる場合がある。
【0029】
(C)油性成分の好適な配合量としては、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して8.0〜25.0質量%、好ましくは10〜20質量%である。8.0質量%未満では安定性が悪く、さらに、ふっくらさ、やわらかさが不足する。25.0質量%を超えると内水相比が小さくなり、べたつきがあり使用感に劣るようになる。
【0030】
((D)美白薬剤)
本発明に用いられる(D)美白薬剤としては、例えば、トラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸エチルから選ばれる一種又は二種以上が好ましく挙げられる。しかしそれらに限定されることなく、美白効果を発揮する化合物すべてが本発明において有用である。
【0031】
本発明に用いられる(D)美白薬剤から選ばれる一種又は二種以上の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して、0.0001〜5.0質量%である。特に、アスコルビン酸グルコシドでは、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量%であり、トラネキサム酸では、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量%であり、アスコルビン酸エチルでは0.0001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.0001〜1質量%であり、4−メトキシサリチル酸カリウム塩では0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。
配合量が少なすぎると、美白効果が十分出ない場合があり、多すぎても本発明の効果がさらに増強されるものではなく、べたついたり、安定性に影響が出ることも考えられる。
【0032】
((E)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン)
本発明の油中水型乳化皮膚化粧料には、さらに(E)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンを配合することが好ましい。本発明に用いられる成分(E)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンは分岐鎖を4個有しており、市販品として例えばフィタントリオール(DSM Nutritional Products社製)が挙げられる。
【0033】
(E)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンを配合する場合、その配合量は油中水型乳化皮膚化粧料中、0.3〜5.0質量%が好ましく、0.3〜0.5質量%がより好ましい。テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンを配合することにより、低温での結晶化防止がなされ、低温安定性が向上する。
【0034】
(その他)
本発明の油中水型乳化皮膚化粧料には、上記必須成分の他に、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤を配合することができる。
【0035】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0036】
金属イオン封鎖剤としては、エデト酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0037】
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール2−Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、アラントイン、アズレン等の坑炎症剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、イオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等が挙げられる。
上記薬剤は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の形で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
【0038】
本発明にかかる油中水型乳化皮膚化粧料の内水相比は68%以上であり、好ましくは70%以上である。68%未満であるとさっぱりとした使用感が得られない場合がある。さらに本発明においては、80%以上の高内水相比である油中水型乳化皮膚化粧料の調製も可能であり、この場合、よりさっぱりとした使用感をもたせることが可能である。なお、内水相比は、成分(B)の水性成分の質量を成分(B)の水性成分と成分(C)の油性成分の質量の和で除することで計算される。
【0039】
本発明の油中水型乳化皮膚化粧料は、成分(B)と成分(A)とを混合することで得られる相平衡状態がバイコンティニュアスキュービック液晶と水相、またはバイコンティニュアスキュービック液晶と他の相および水相が共存する多相状態であることが好ましい。
【0040】
キュービック液晶は4種の構造が存在することが知られている。閉鎖集合体であるミセルあるいは逆ミセルが、それぞれ油あるいは水の連続層中で立方晶型に充填したディスコンティニュアスキュービック液晶や脂質二重層が三次元的に連なった曲面を形成し立方晶型に配列した両連続構造であるバイコンティニュアスキュービック液晶がある。バイコンティニュアスキュービック液晶にも、水と油の存在位置を逆転させた逆型が存在する。本発明における乳化皮膚化粧料は、成分(B)の水性成分と成分(A)の脂肪酸グリセリンを混合することで得られる相平衡状態が、バイコンティニュアスキュービック液晶と水相、またはバイコンティニュアスキュービック液晶と他の相、および水相が共存する多相状態となるような成分(A)及び成分(B)の組み合わせから構成されることが好ましい。
【0041】
バイコンティニュアスキュービック液晶は界面活性剤が無限会合した2分子膜が立方晶型に配列したものである。外観は透明で光学的には等方性であり、高粘度のゲル状を呈する。バイコンティニュアスキュービック液晶の判別方法には、外観による判定、相平衡図の作成、電気伝導度測定、NMRによる自己拡散係数の測定、小角X線散乱、フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察等により決定される。
【0042】
本発明における液晶構造の判別方法としては、以下の様な手法が考えられる。まず、(A)成分の脂肪酸グリセリン、(B)成分の水性成分を良く混合した後、遠心分離処理により共存する複数の相を分離する。通常の遠心分離装置を用いた場合には、数時間から数日の処理時間を要する場合がある。共存する相がなく1相の状態であれば全体が均一に透明な状態となる。逆型を含むバイコンティニュアスキュービック液晶は、外観は透明で光学的には等方性であり、高粘度のゲル状を呈する。光学的に等方性であることは、偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過がないことから判別できる。外観が透明で光学的に等方性であり、高粘度のゲル状の相については、さらに小角X線散乱によって構造を同定することができる。逆型を含むバイコンティニュアスキュービック液晶の散乱パターンは、Pn3m と呼ばれる構造の場合には√2、√3、√4、√6、√8、√9、またはIa3dと呼ばれる構造の場合には√6、√8、√14、√16、√20のピーク比となる。
小角X線散乱に代わる簡便な方法として、H.Kunieda et al., J.Oleo Sci. vol.52, 429-432(2003)に記載されているように、水溶性および油溶性の色素を用いて、その拡散時間から構造を推定する方法もある。
【0043】
本発明においては、塗布後に液晶膜が残ることにより、美白薬剤を配合したときに美白薬剤のべたつきが抑制されると共に、美白薬剤の安定性も保持される。
【0044】
本発明にかかる油中水型乳化皮膚化粧料は、従来外皮に適用されている化粧料、医薬品、および医薬部外品に広く応用することが可能である。例えば、美白効果を有する美容液、乳液、クリーム、パック、皮膚科用軟膏等に好ましく応用される。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
実施例に先立ち、本発明で用いた評価方法及び評価基準を説明する。
【0046】
1.油中水型乳化皮膚化粧料の評価方法及び評価基準
(1)みずみずしさ
専門パネル10名が顔面に油中水型乳化皮膚化粧料を塗布し、塗布時の使用感を評価した。
◎:パネル10名中9名以上がみずみずしいと回答。
○:パネル10名中7名以上9名未満がみずみずしいと回答。
△:パネル10名中5名以上7名未満がみずみずしいと回答。
×:パネル10名中5名未満がみずみずしいと回答。
【0047】
(2)べたつきのなさ
専門パネル10名が顔面に油中水型乳化皮膚化粧料を塗布し、塗布時の使用感を評価した。
◎:パネル9名以上がべたつきがないと回答
○:パネル7名以上、9名未満がべたつきがないと回答
△:パネル5名以上、7名未満がべたつきがないと回答
×:パネル5名未満がべたつきがないと回答
【0048】
(3)保湿効果
専門パネル10名が顔面に油中水型乳化皮膚化粧料を塗布し、塗布時の使用感を評価した。
◎:パネル9名以上が保湿効果があると回答
○:パネル7名以上、9名未満が保湿効果があると回答
△:パネル5名以上、7名未満が保湿効果があると回答
×:パネル5名未満が保湿効果があると回答
【0049】
(4)薬剤安定性
油中水型乳化皮膚化粧料を50℃で2ヶ月保存し、初期値の薬剤定量結果と2ヵ月保存品の定量結果を比較した。
○:「50℃2ヶ月保存品の定量結果/定量結果初期値」が90%以上
△:「50℃2ヶ月保存品の定量結果/定量結果初期値」が80%以上,90%未満
×:「50℃2ヶ月保存品の定量結果/定量結果初期値」が80%未満
【0050】
(5)基剤安定性
油中水型乳化皮膚化粧料を25℃と40℃で1ヶ月保存し、硬度および外観を調製直後と比較し、基剤安定性を評価した。
◎:どの保存条件でも、硬度の低下が10%以下であり、外観の変化は認められない。
○:どの保存条件でも、外観の変化は認められないが、50℃で保存したもののみ10%以上の硬度低下が認められる。
△:外観において、水または油の分離が若干認められる。
×:1ヶ月以内に、外観において水または油の分離が認められる。
【0051】
(6)相平衡
成分(A)、(B)を十分に混合した後、遠心分離により各相を分離した、その後、偏光顕微鏡観察および小角X線散乱測定により相平衡を決定した。
◎:バイコンティニアスキュービック液晶と逆ヘキサゴナル液晶および水相が共存。
○:バイコンティニアスキュービック液晶と逆ヘキサゴナル液晶と他の相および水相が共存。
×:バイコンティニアスキュービック液晶と逆ヘキサゴナル液晶以外の相の組み合わせにより構成。(液晶相が存在しない)
【0052】
試験例
下記表1〜表5に示す油中水型乳化皮膚化粧料を下記の方法で調製し、前記の評価基準に基づいて、みずみずしさ、べたつきのなさ、保湿効果、薬剤安定性、基剤安定性および相平衡を評価した。その結果を併せて表1〜表5に示す。
【0053】
(調製法)
成分(A)、成分(C)を混合し、加熱して溶解する。成分(B)、成分(D)を混合、溶解する。油溶性成分(A+C)のパーツを比較的強く攪拌しながら(又は加熱しながら)水溶性成分(B+D)のパーツを徐添し乳化物を調製する。場合によっては、油溶性成分のパーツと水溶性成分のパーツをともに加熱しながら乳化物を調製する。加熱している場合は調製した乳化物を攪拌しながら冷却する。
【0054】
また、モノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの一般的な方法で測定することができる。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
*1:フィタントリオール(DSM Nutritional Products社製)
*2:ABIL EM90(Deggusa社製)
*3:KSG−210(信越化学工業社製)
*4:パラミックス91(日興リカ株式会社製)
【0058】
表1、2の結果より、本発明によれば、油中水型乳化皮膚化粧料として一般に困難であった70質量%以上での内水相比において、安定性を保持させることが可能で、保湿効果、美白効果に優れ、みずみずしさとべたつきのなさの効果についても優れていることがわかった。
【0059】
具体的には、(1-2)〜(1-5)で各種美白剤を配合したところ、どの美白剤も乳化安定性に影響がない。また、どの美白剤も安定化剤を配合しなくても、薬剤安定性(薬剤定量値)が保持された。
(1-6)〜(1-8)で半固形油分や固形油分を加えることで、べたつきが変わらないまま保湿効果が優れたものになった。ただし、固形油分を4質量%配合した試験例(1-8)は、保湿効果は優れているが、みずみずしさやべたつきのなさ、および安定性に関して悪化した。
【0060】
試験例(1-14)〜(1-20)で他の界面活性剤を用いると、美白薬剤を配合することで、使用性の低下(塗布後のべたつきの増加)が生じる。
すなわち、界面活性剤としてアルキル・ポリエーテル共変性シリコーンを用いると、試験例(1-14)で安定性が悪いものとなる。試験例(1-15)のように油分量を増やすと、安定性が良くなるが、使用性はさらに劣ってしまう。試験例(1-16)、(1-17)で美白剤を配合すると、さらにべたつきが顕著になる。
界面活性剤として架橋型ポリエーテル変性シリコーンを用いると、試験例(1-18)で保湿効果が低下するが、みずみずしさ、べたつきのなさは優れている。ところが試験例(1-19)、(1-20)で美白剤を配合すると、美白剤自身のべたつきが顕著になり、塗布後の使用感(べたつきのなさ)が著しく低下する。
本発明においては基剤に美白主剤を配合しても、べたつきにはほとんど影響がない。その理由として、本基剤は、塗布後の肌上に液晶膜が残っており、美白剤によるべたつきを抑制(緩和)することが分かった。
【0061】
試験例(1-9)、(1-10)でフィタントリオールを配合すると、さらに安定性が向上する。
試験例(1-11)で界面活性剤をモノオレイン酸グリセリンにしても、薬剤・基剤の安定性、使用性が良い。試験例(1-12)、(1-13)で炭化水素油分を炭素数20以下のイソパラフィンにすると、薬剤・基剤の安定性が高いまま、使用性(みずみずしさやべたつきのなさ)がさらに優れる。
【0062】
【表3】

【0063】
前記表3に示すように、炭素数20以下のイソパラフィンの割合が30質量%以上では(試験例(2-3)、(2-4))、使用性(みずみずしさ、べたつきのなさ)、保湿効果と薬剤安定性、基剤安定性が両立される。
【0064】
【表4】

【0065】
前記表4のように、試験例(3-1)、(3-2)のイソステアリン酸グリセリンの純度が95質量%、85質量%の場合、安定性に優れた組成物である。
試験例(3-3)で純度が70質量%になると相平衡が他の相が共存する状態となり、低温における乳化安定性が若干低下する。さらに試験例(3-4)で純度が45質量%では相平衡が液晶以外の相となり、乳化安定性もさらに低下する。
【0066】
【表5】

【0067】
前記表5のように、モノステアリン酸グリセリンの好ましい配合量は0.1〜5.0質量%である。試験例(4-1)のようにモノイソステアリン酸グリセリンの量が少ないと、相平衡が悪く(液晶以外の相)、安定性が悪い。試験例(4-5)のようにモノイソステアリン酸グリセリンの量が多いと、安定性は良いが、みずみずしさに欠ける。
【0068】
以下に、本発明の油中水型乳化皮膚化粧料の処方例を挙げる。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0069】
処方例1 保湿クリーム
(配合成分) (質量%)
(1)水 残余
(2)グリセリン 5.0
(3)塩化ナトリウム 1.0
(4)モノイソステアリン酸グリセリン 0.7
(5)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン(*1) 0.3
(6)スクワラン 2.0
(7)イソヘキサデカン 8.0
(8)エチルヘキサン酸セチル 2.5
(9)トラネキサム酸 2.0
炭化水素油全量に対する炭素数20以下のイソパラフィンの割合:80%
内水相比:86.8%
【0070】
(製法)
油分(4)〜(8)を混合し、加熱して油相の均一分散を行う。(1)〜(3)、(9)を加えた水相を混合する。加熱した水相を前記油相に徐添し、ホモディスパーで均一分散後、乳化粒子を整え、攪拌しながら冷却し、油中水型乳化組成物からなる保湿クリームを製造した。得られた保湿クリームは安定性が良好で、みずみずしさ、べたつきのなさに加え、保湿効果、美白効果を兼ね備えていた。
【0071】
処方例2 保湿クリーム
(配合成分) (質量%)
(1)水 残余
(2)グリセリン 5.0
(3)塩化ナトリウム 1.0
(4)モノイソステアリン酸グリセリン 0.7
(5)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン(*1) 0.3
(6)スクワラン 10.0
(7)イソヘキサデカン 6.0
(8)エチルヘキサン酸セチル 2.5
(9)ワセリン 2.0
(10)(パラフィン/マイクロクリスタリンワックス)混合物 1.0
(11)4−メトキシサリチル酸カリウム塩 1.0
炭化水素油全量に対する炭素数20以下のイソパラフィンの割合:31.5%
内水相比:77.8%
【0072】
(製法)
油分(4)〜(10)を混合し、加熱して油相の均一分散を行う。(1)〜(3)、(11)を加えた水相を混合する。加熱した水相を前記油相に徐添し、ホモディスパーで均一分散後、乳化粒子を整え、攪拌しながら冷却し、油中水型乳化組成物からなる保湿クリームを製造した。得られた保湿クリームは安定性が良好で、みずみずしさ、べたつきのなさに加え、保湿効果、美白効果を兼ね備えていた。
【0073】
処方例3 保湿クリーム
(配合成分) (質量%)
(1)水 残余
(2)グリセリン 4.0
(3)塩化ナトリウム 1.0
(4)モノイソステアリン酸グリセリン 0.7
(5)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン(*1) 0.3
(6)スクワラン 5.0
(7)イソヘキサデカン 14.0
(8)エチルヘキサン酸セチル 2.5
(9)ワセリン 2.0
(10)(パラフィン/マイクロクリスタリンワックス)混合物 1.0
(11)4−メトキシサリチル酸カリウム塩 1.0
炭化水素油全量に対する炭素数20以下のイソパラフィンの割合:63.6%
内水相比:74.7%
【0074】
(製法)
油分(4)〜(10)を混合し、加熱して油相の均一分散を行う。(1)〜(3)、(11)を加えた水相を混合する。加熱した水相を前記油相に徐添し、ホモディスパーで均一分散後、乳化粒子を整え、攪拌しながら冷却し、油中水型乳化組成物からなる保湿クリームを製造した。得られた保湿クリームは安定性が良好で、みずみずしさ、べたつきのなさに加え、保湿効果、美白効果を兼ね備えていた。
【0075】
処方例4 保湿クリーム
(配合成分) (質量%)
(1)水 残余
(2)グリセリン 4.0
(3)塩化ナトリウム 1.0
(4)モノイソステアリン酸グリセリン 0.1
(5)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン(*1) 0.3
(6)スクワラン 5.0
(7)イソヘキサデカン 10.0
(8)エチルヘキサン酸セチル 2.0
(9)ワセリン 2.0
(10)(パラフィン/マイクロクリスタリンワックス)混合物 1.0
(11)アスコルビン酸エチル 0.5
炭化水素油全量に対する炭素数20以下のイソパラフィンの割合:55.6%
内水相比:79.6%
【0076】
(製法)
油分(4)〜(10)を混合し、加熱して油相の均一分散を行う。(1)〜(3)、(11)を加えた水相を混合する。加熱した水相を前記油相に徐添し、ホモディスパーで均一分散後、乳化粒子を整え、攪拌しながら冷却し、油中水型乳化組成物からなる保湿クリームを製造した。得られた保湿クリームは安定性が良好で、みずみずしさ、べたつきのなさに加え、保湿効果、美白効果を兼ね備えていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)、(C)、(D)を含み、さらに下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする油中水型乳化皮膚化粧料。
成分:
(A)イソステアリン酸グリセリン及び/又はオレイン酸グリセリン
(B)水性成分
(C)油性成分
(D)美白薬剤から選ばれる一種又は二種以上
条件:
(1)成分(B)の水性成分の質量を成分(B)の水性成分と成分(C)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が68%以上である。
(2)成分(A)中に含まれるモノイソステアリン酸グリセリン及びモノオレイン酸グリセリンの量が(A)の総量に対して85質量%以上である。
(3)成分(D)の配合量が皮膚化粧料全量に対して0.001〜5.0質量%である。
【請求項2】
成分(A)の配合量が皮膚化粧料全量に対して0.1〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化皮膚化粧料。
【請求項3】
さらに(E)テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の油中水型乳化皮膚化粧料。
【請求項4】
成分(C)の油性成分が、炭素数20以下のイソパラフィンを含み、
該炭素数20以下のイソパラフィンの配合量は、成分(C)に含まれる炭化水素系油分に対して30質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型乳化皮膚化粧料。
【請求項5】
成分(C)の配合量が皮膚化粧料全量に対して8〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型乳化皮膚化粧料。
【請求項6】
成分(B)と成分(A)とを混合することで得られる相平衡状態がバイコンティニュアスキュービック液晶と水相、またはバイコンティニュアスキュービック液晶と他の相および水相が共存する多相状態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油中水型乳化皮膚化粧料。
【請求項7】
成分(D)がトラネキサム酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸エチルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油中水型乳化皮膚化粧料。

【公開番号】特開2011−148750(P2011−148750A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12832(P2010−12832)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】