油圧式エレベータ
【課題】乗籠と昇降路との間以外の場所に設置され、乗籠が着床位置から外れたことを検出する移動感知装置を備える油圧式エレベータを提供する。
【解決手段】油圧式エレベータ1は、乗籠2とジャッキ32とロープ33とブラケット35と被検出部51と検出部52とを備える。乗籠2は、昇降路101内を第1のガイドレール21に沿って移動する。ジャッキ32は、作動油Lが供給されて伸びる。ブラケット35は、ジャッキ32の上端に取り付けられ、シーブ34を支持し、第2のガイドレール351に沿って移動する。被検出部51は、乗籠2が停止する着床位置P1に対応してブラケット35が停止する保持位置H1の近傍の第2のガイドレール351に取り付けられる。検出部52は、ブラケット35に取り付けられ、着床位置P1に対応する保持位置H1の被検出部51を検出する。
【解決手段】油圧式エレベータ1は、乗籠2とジャッキ32とロープ33とブラケット35と被検出部51と検出部52とを備える。乗籠2は、昇降路101内を第1のガイドレール21に沿って移動する。ジャッキ32は、作動油Lが供給されて伸びる。ブラケット35は、ジャッキ32の上端に取り付けられ、シーブ34を支持し、第2のガイドレール351に沿って移動する。被検出部51は、乗籠2が停止する着床位置P1に対応してブラケット35が停止する保持位置H1の近傍の第2のガイドレール351に取り付けられる。検出部52は、ブラケット35に取り付けられ、着床位置P1に対応する保持位置H1の被検出部51を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗籠が着床位置から外れたことを検出する装置を備える油圧式エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、乗籠を各階に正しく着床させるために、着床検知装置を備えている。着床検知装置は、検出部となる着床検出器と、被検出部となる着床検出板とを備える。一般に着床検出器は、乗籠に取り付けられ、着床検知板は、乗籠を停止させたい各階の近傍の昇降路内部に取り付けられる。着床検出部は、信号を発する発信部と、その信号を受ける受信部とを含む。着床検知板は、反射部を有し、発信部から出力された信号を受信部へ反射する。この着床検知装置は、発信部から出力した信号が反射部で反射されて受信部で検出されたことによって、乗籠が着床位置にあることを認識する。
【0003】
また、着床検知部の発信部と受信部とを対向させて装備し、発信部と受信部の間を着床検知板が通過するように構成された着床検知装置がある。この着床検知装置は、乗籠の着床位置において、発信部から出力された信号が着床検知板によって遮断されて受信部で検出できなくなったことによって、乗籠が着床位置にあることを認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4262819号明細書
【特許文献2】特開2001−247270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のようにエレベータは、乗籠が着床位置にあることを着床検知装置によって検出し、ドア装置を開放させている。エレベータは、ドア装置が開放されたまま乗籠が不用意に移動することを防止する安全装置を備えていなければならない。これは、ロープ式エレベータに限らず、油圧式エレベータも例外ではない。ロープ式エレベータおよび油圧式エレベータのいずれも着床検知装置を備えている。着床検知装置は、検出信号を基に、乗籠が着床位置から外れていることも分かる。したがって、現在はこの着床検知装置の検出信号を利用し、ドア装置が閉じられたか確認されていない状態で着床位置から乗籠が外れた場合に乗籠を非常停止させている。
【0006】
しかしながら、着床検知装置は、乗籠を着床させるための位置決め装置であって、ドア装置を開いたまま乗籠が走行するいわゆる「戸開走行」を禁止するための専用の安全装置ではない。戸開走行を禁止する専用の安全装置として乗籠の位置を検出する装置を油圧式エレベータに追加する場合、既設の油圧式エレベータにも取り付けられるようにしたい。ところが、乗籠と昇降路との間には、着床検知装置や様々な機器およびその配線が既に存在しており、それらの干渉を避けて設置することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は、乗籠と昇降路との間以外の場所に設置され、乗籠が着床位置から外れたことを検出する移動感知装置を備える油圧式エレベータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態の油圧式エレベータは、乗籠とジャッキとロープとブラケットと被検出部と検出部とを備える。乗籠は、昇降路内を第1のガイドレールに沿って移動する。ジャッキは、作動油が供給されて伸びる。ロープは、固定端と移動端とを有し、固定端は、昇降路の下部に留められ、移動端は、乗籠に接続される。ブラケットは、ジャッキの上端に取り付けられ、ロープが掛けられるシーブを支持し、第2のガイドレールに沿って移動する。被検出部は、乗籠が停止する着床位置に対応してブラケットが停止する保持位置の近傍の第2のガイドレールに取り付けられる。検出部は、ブラケットに取り付けられ、着床位置に対応する保持位置の被検出部を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の油圧式エレベータを模式的に示す側面図。
【図2】図1に示した油圧式エレベータの平面図。
【図3】図1に示した油圧式エレベータの被検出部と検出部の側面図。
【図4】図3に示した被検出部と検出部をシーブ側から見た側面図。
【図5】図1に示した油圧式エレベータの乗籠が移動感知装置から外れた側面図。
【図6】第2の実施形態の油圧式エレベータを模式的に示す側面図。
【図7】図6に示した油圧式エレベータの平面図。
【図8】第3の実施形態の油圧式エレベータの被検出部を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施形態の油圧式エレベータ1は、図1から図5を参照して説明する。図1に示す油圧式エレベータ1は、乗籠2と、油圧駆動装置3と、着床検知装置4と、移動感知装置5と、制御部6とを備える。乗籠2は、昇降路101内に鉛直に敷設された第1のガイドレール21に沿って移動するように構成されている。乗籠2は、ドア装置22を備えている。ドア装置22は、乗籠2が着床した階のホールドア102と連動する。
【0011】
油圧駆動装置3は、ポンプ31とジャッキ32とロープ33とシーブ34とブラケット35とを含む。ポンプ31は、作動油Lを供給する。ジャッキ32は、昇降路101の底に設置され、シリンダ321とプランジャ322を備える。ジャッキ32は、ポンプ31から作動油Lが供給されると鉛直方向に伸びるように上方へプランジャ322をシリンダ321から押し出す。
【0012】
ロープ33は、固定端33Aと移動端33Bとを有している。固定端33Aは、昇降路101の下部、第1の実施形態ではシリンダ321の下部に取り付けられたヒッチ331に留められる。移動端33Bは、乗籠2の底部から突き出たヒッチ332に接続される。ブラケット35は、プランジャ322の上端に取り付けられ、ロープ33が掛けられるシーブ34を支持している。ブラケット35は、第1のガイドレール21に平行に昇降路101内に敷設された第2のガイドレール351に沿って移動するように構成されている。
【0013】
着床検知装置4は、着床検知部41と着床検知板42とを含む。着床検知部41は、図1および図2に示すように乗籠2の側部に配置されている。着床検知部41は、第1のガイドレール21に沿って配置される上側センサ411および下側センサ412を少なくとも有する。着床検知板42は、図1に示すように乗籠2が各階に停止する着床位置P1にそれぞれ対応して第1のガイドレール21に取り付けられている。上側センサ411および下側センサ412は、透光部から出力される信号を受光部で直接受信できるように透光部と受光部を対峙させて配置しいる。着床検知板42は、図2に示すように上側センサ411および下側センサ412の透光部と受光部との間を通過するように設置されている。
【0014】
移動感知装置5は、図1に示すように被検出部51と検出部52とを備える。被検出部51は、乗籠2が停止する着床位置P1に対応してブラケット35が停止する保持位置H1の近傍の第2のガイドレール351に取り付けられている。第1の実施形態の油圧式エレベータ1の場合、乗籠2に接続されたロープ33は、シーブ34で折り返されているので、ブラケット35が移動する距離を1とすると乗籠2が移動する距離はほぼ2である。したがって、第2のガイドレール351に被検出部51が設置される間隔は、第1のガイドレール21に着床検知板42を設置する間隔の約半分である。
【0015】
検出部52は、図2に示すようにブラケット35に取り付けられ、乗籠2の着床位置P1に対応する保持位置H1にある被検出部51を検出する。この検出部52は、透光部および受光部を並べて有しており、透光部から出力された信号を被検出部51において反射させ、受光部で受信する。被検出部51は、図3に示すように、検出部52が保持位置H1を基準に一定の距離だけ上方および下方のいずれに変位しても検出部52によって検出される許容範囲Tを有している。この許容範囲Tは、着床検知装置4が着床検知部41によって着床検知板42を検出できる有効範囲A内において乗籠2が移動する場合にブラケット35が移動する距離よりも小さい。
【0016】
また、移動感知装置5を構成する被検出部51および検出部52は、図2及び図4に示すように、乗籠2が移動する軌跡および第2のガイドレール351に囲われる範囲内に配置される。なお、図1は、着床検知装置4および移動感知装置5を含めた油圧式エレベータ1の構成を分かりやすくするために展開して表示した模式図である。また図4は、被検出部51に対して検出部52が下方に位置する状態を示す。
【0017】
制御部6は、図1および図5に示すように、ドア装置22とポンプ31と着床検知装置4と移動感知装置5に接続されている。ドア装置22は、ドアパネル221が完全に閉じられるまで、戸開信号を出力する。着床検知装置4は、乗籠2が着床位置P1にある場合に着床信号を出力する。移動感知装置5は、乗籠2が着床位置P1にある場合に乗籠2が着床位置P1から移動していないことを示す停止信号を出力する。
【0018】
なお、着床検知装置4は、着床位置P1から乗籠2が外れた場合に着床信号を出力しなくなる。したがって制御部6は、着床信号が出力されなくなったことを検出することで、乗籠2が着床位置P1から外れたことを検知することもできる。つまり、着床検知装置4は、移動感知装置5としての機能を有している。同様に、移動感知装置5は、着床位置P1に乗籠2が停止している場合に停止信号を出力し続ける。したがって制御部6は、停止信号が出力されていることを検出することで、乗籠2が着床位置P1にあることを検知することができる。つまり、移動感知装置5は、着床検知装置4として機能する。
【0019】
以上のように構成された油圧式エレベータ1において、制御部6は、ポンプ31を作動させて作動油Lをジャッキ32に送ることによって乗籠2を上昇させ、ポンプ31を止めて作動油Lをタンクに回収することによって乗籠2を下降させる。制御部6は、目的の階へ乗籠2を移動させたことによって、着床検知装置4から出力される着床信号を検出すると、油圧駆動装置3のポンプ31から作動油Lが供給されるのを止めて乗籠2を着床位置P1に停止させ、ドア装置22を駆動させてドアパネル221を開放する。
【0020】
このあと、制御部6は、ドア装置22から出力される戸開信号を検出している間、油圧駆動装置3の制御バルブやポンプ31を作動させない。また、制御部6は、戸開信号が検出されている間、移動感知装置5から停止信号が出力されているか監視し続ける。
【0021】
油圧駆動装置3の制御バルブが故障したことなどによって作動油Lがジャッキ32からポンプ31へ戻るようなことが生じると、ブラケット35が下がるとともに乗籠2が下降する。図5に示すように検出部52が被検出部51の正面から外れる程度にブラケット35が下がると、移動感知装置5は、停止信号を出力しなくなる。停止信号が検出されなくなると、制御部6は、油圧駆動装置3の制御バルブとジャッキ32との間に設けられる逆止弁を作動させるか、乗籠2に装備された非常停止装置を作動させるか、プランジャ322がシリンダ321に引っ込むのを機械的に阻止する非常装置を作動させる。
【0022】
安全装置を複数設ける場合、同じ構造のものを同じような位置に設置する場合に比べ、異なる構造のものを異なる場所に設置するほうが、それぞれの安全装置が同時に故障するリスクは極めて低くなる。第1の実施形態において、油圧式エレベータ1は、ジャッキ32の上端に取り付けられたブラケット35と第2のガイドレール351との間に安全装置としての移動感知装置5を有している。またこの油圧式エレベータ1において、乗籠2と昇降路101との間に設置される着床検知装置4は、移動感知装置5としても機能する。したがって、着床検知装置4と移動感知装置5は、どちらかが万が一故障しても、相互に機能を代替することができる。
【0023】
乗籠2が着床位置P1から外れた場合に移動感知装置5の停止信号よりも先に、着床検知装置4が出力する着床信号が検出されなくなった場合、制御部6は、移動感知装置5が正常に機能していないと判断する。そして、乗籠2を非常停止させる必要が生じた場合は、着床検知装置4の着床信号を基に、乗籠2を非常停止させる。また、乗籠2が着床位置P1に入った場合に着床検知装置4が着床信号を出力するよりも先に移動感知装置5が停止信号を出力し始めた場合、制御部6は、着床検知装置4が正常に機能していないと判断する。そして、乗籠2を着床させるために、移動感知装置5の停止信号を基に、乗籠2を着床位置に停止させる。制御部6は、どちらかが正常に機能していないと判断した場合、この油圧式エレベータ1を担当する管轄の管理センタへ通報する。
【0024】
このように、日常のサービス中において、着床検知装置4と移動感知装置5が出力する信号を監視することによって、どちらか一方が故障してもエレベータとしての機能が損なわれることなく安全に停止させ、速やかに対策を取ることができる。
【0025】
検出部52から出力した信号を被検出部51に反射させて検出部52で受信するように構成された移動感知装置5は、大きな設置場所が必要ないし、既設の油圧式エレベータ1に追加で設置しやすく調整も簡単である。ジャッキ32、第1のガイドレール21、第2のガイドレール351は、それぞれ昇降路101の内壁に固定するためにサポートブラケットによって固定される。この油圧式エレベータ1において移動感知装置5の被検出部51および検出部52は、乗籠2の軌跡と第2のガイドレール351とによって囲われる範囲内に配置されている。したがって、被検出部51が設置されていない間の区間を検出部52が移動する間、検出部52から出力される信号がサポートブラケットに当たって反射し誤作動を引き起こすという心配がない。
【0026】
被検出部51は、乗籠2の着床位置P1に対応するブラケット35の保持位置H1を中心に一定の距離だけ検出部52が移動しても検出される許容範囲Tを有している。したがって、着床検知装置4が故障したときには、この許容範囲Tを利用して、乗籠2を着床位置P1に緩やかにかつ安全に停止させることができる。
【0027】
第2の実施形態の油圧式エレベータ1は、図6および図7を参照して説明する。第1の実施形態の油圧式エレベータ1と同じ機能を有する構成は、各図中において同じ符号を付す。そして各構成に対応する説明は、第1の実施形態の記載を参酌することとし、ここでの説明を省略する。
【0028】
図6および図7に示すように第2の実施形態の油圧式エレベータ1において、ブラケット35を案内する第2のガイドレール351は、ジャッキ32を中心とする面対称な一対に設けられている。そして、被検出部51は、一対に設けられた第2のガイドレール351の両方にそれぞれ配置され、検出部52は、第2のガイドレール351のそれぞれに設けられた被検出部51に向けて1つずつ一対にブラケット35に取り付けられている。いずれの被検出部51および検出部52も、図7に示すように乗籠2の軌跡および第2のガイドレール351に囲われた範囲内に配置されている。
【0029】
このように構成された第2の実施形態の油圧式エレベータ1において、1つの第2のガイドレール351に取り付けられる一群の被検出部51と、これに対応する検出部52とは、第1の実施形態の油圧式エレベータ1における被検出部51と検出部52によって構成される移動感知装置5と同じ機能を有している。つまり、第2の実施形態の油圧式エレベータ1は、移動感知装置5を2組有していることになる。
【0030】
両方の移動感知装置5が同時に故障する確立は低いので、どちらか一方が正常に作動することによって、油圧式エレベータ1の安全装置が正常に機能する。さらに、2つの移動感知装置5の各被検出部51のうちのどれかが検出部52によって検出しにくくなったとしても、同じ階床の着床位置P1に対応する保持位置H1の被検出部51が同時に検出できなくなることは、極めてまれである。つまり、各階床のどちらか一方の被検出部51を検出できれば、これらを組み合わせて移動感知装置5を正常に機能させることも可能である。このように、移動感知装置5が故障する確率が低くなるほど、メンテナンスに掛かる費用が抑えられる。
【0031】
第3の実施形態の油圧式エレベータ1は、図8を参照して説明する。図8は、第2のガイドレール351に取り付けられた被検出部51と、これに対向する位置に配置された検出部52とを示す。第3の実施形態の油圧式エレベータ1の被検出部51は、図8に示すように検出部52に向かって突き出た庇(ひさし)511を上部に有している。庇511を備えていることによって、第3の実施形態の油圧式エレベータ1は、昇降路101中に舞う埃や、ロープ33およびシーブ34から飛び散った油が、被検出部51の表面に降りかかるのを軽減する。
【0032】
この他の構成は、第1の実施形態に示した油圧式エレベータ1と同じであるので、同じ機能を有する構成は、図8中において同一の符号を付す。そして、その構成に対応する説明は、第1の実施形態の記載を参酌するものとし、ここでの説明を省略する。また、油圧式エレベータ1として図8に記されていない構成についても、第1の実施形態の記載および対応する図面を参酌するものとする。
【0033】
以上のように上述の第1から第3の実施形態の油圧式エレベータ1において設置された移動感知装置5は、被検出部51および検出部52が反射型である。反射型の場合、検出部52から被検出部51までの距離が少々ばらついていても、検出制度に影響はない。したがって、移動感知装置5を既設の油圧式エレベータに追設することも簡単である。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1…油圧式エレベータ、2…乗籠、21…第1のガイドレール、32…ジャッキ、33…ロープ、33A…固定端、33B…移動端、34…シーブ、35…ブラケット、351…第2のガイドレール、51…被検出部、52…検出部、101…昇降路、511…庇、L…作動油、P1…着床位置、H1…保持位置、T…許容範囲。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗籠が着床位置から外れたことを検出する装置を備える油圧式エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、乗籠を各階に正しく着床させるために、着床検知装置を備えている。着床検知装置は、検出部となる着床検出器と、被検出部となる着床検出板とを備える。一般に着床検出器は、乗籠に取り付けられ、着床検知板は、乗籠を停止させたい各階の近傍の昇降路内部に取り付けられる。着床検出部は、信号を発する発信部と、その信号を受ける受信部とを含む。着床検知板は、反射部を有し、発信部から出力された信号を受信部へ反射する。この着床検知装置は、発信部から出力した信号が反射部で反射されて受信部で検出されたことによって、乗籠が着床位置にあることを認識する。
【0003】
また、着床検知部の発信部と受信部とを対向させて装備し、発信部と受信部の間を着床検知板が通過するように構成された着床検知装置がある。この着床検知装置は、乗籠の着床位置において、発信部から出力された信号が着床検知板によって遮断されて受信部で検出できなくなったことによって、乗籠が着床位置にあることを認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4262819号明細書
【特許文献2】特開2001−247270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のようにエレベータは、乗籠が着床位置にあることを着床検知装置によって検出し、ドア装置を開放させている。エレベータは、ドア装置が開放されたまま乗籠が不用意に移動することを防止する安全装置を備えていなければならない。これは、ロープ式エレベータに限らず、油圧式エレベータも例外ではない。ロープ式エレベータおよび油圧式エレベータのいずれも着床検知装置を備えている。着床検知装置は、検出信号を基に、乗籠が着床位置から外れていることも分かる。したがって、現在はこの着床検知装置の検出信号を利用し、ドア装置が閉じられたか確認されていない状態で着床位置から乗籠が外れた場合に乗籠を非常停止させている。
【0006】
しかしながら、着床検知装置は、乗籠を着床させるための位置決め装置であって、ドア装置を開いたまま乗籠が走行するいわゆる「戸開走行」を禁止するための専用の安全装置ではない。戸開走行を禁止する専用の安全装置として乗籠の位置を検出する装置を油圧式エレベータに追加する場合、既設の油圧式エレベータにも取り付けられるようにしたい。ところが、乗籠と昇降路との間には、着床検知装置や様々な機器およびその配線が既に存在しており、それらの干渉を避けて設置することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は、乗籠と昇降路との間以外の場所に設置され、乗籠が着床位置から外れたことを検出する移動感知装置を備える油圧式エレベータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態の油圧式エレベータは、乗籠とジャッキとロープとブラケットと被検出部と検出部とを備える。乗籠は、昇降路内を第1のガイドレールに沿って移動する。ジャッキは、作動油が供給されて伸びる。ロープは、固定端と移動端とを有し、固定端は、昇降路の下部に留められ、移動端は、乗籠に接続される。ブラケットは、ジャッキの上端に取り付けられ、ロープが掛けられるシーブを支持し、第2のガイドレールに沿って移動する。被検出部は、乗籠が停止する着床位置に対応してブラケットが停止する保持位置の近傍の第2のガイドレールに取り付けられる。検出部は、ブラケットに取り付けられ、着床位置に対応する保持位置の被検出部を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の油圧式エレベータを模式的に示す側面図。
【図2】図1に示した油圧式エレベータの平面図。
【図3】図1に示した油圧式エレベータの被検出部と検出部の側面図。
【図4】図3に示した被検出部と検出部をシーブ側から見た側面図。
【図5】図1に示した油圧式エレベータの乗籠が移動感知装置から外れた側面図。
【図6】第2の実施形態の油圧式エレベータを模式的に示す側面図。
【図7】図6に示した油圧式エレベータの平面図。
【図8】第3の実施形態の油圧式エレベータの被検出部を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施形態の油圧式エレベータ1は、図1から図5を参照して説明する。図1に示す油圧式エレベータ1は、乗籠2と、油圧駆動装置3と、着床検知装置4と、移動感知装置5と、制御部6とを備える。乗籠2は、昇降路101内に鉛直に敷設された第1のガイドレール21に沿って移動するように構成されている。乗籠2は、ドア装置22を備えている。ドア装置22は、乗籠2が着床した階のホールドア102と連動する。
【0011】
油圧駆動装置3は、ポンプ31とジャッキ32とロープ33とシーブ34とブラケット35とを含む。ポンプ31は、作動油Lを供給する。ジャッキ32は、昇降路101の底に設置され、シリンダ321とプランジャ322を備える。ジャッキ32は、ポンプ31から作動油Lが供給されると鉛直方向に伸びるように上方へプランジャ322をシリンダ321から押し出す。
【0012】
ロープ33は、固定端33Aと移動端33Bとを有している。固定端33Aは、昇降路101の下部、第1の実施形態ではシリンダ321の下部に取り付けられたヒッチ331に留められる。移動端33Bは、乗籠2の底部から突き出たヒッチ332に接続される。ブラケット35は、プランジャ322の上端に取り付けられ、ロープ33が掛けられるシーブ34を支持している。ブラケット35は、第1のガイドレール21に平行に昇降路101内に敷設された第2のガイドレール351に沿って移動するように構成されている。
【0013】
着床検知装置4は、着床検知部41と着床検知板42とを含む。着床検知部41は、図1および図2に示すように乗籠2の側部に配置されている。着床検知部41は、第1のガイドレール21に沿って配置される上側センサ411および下側センサ412を少なくとも有する。着床検知板42は、図1に示すように乗籠2が各階に停止する着床位置P1にそれぞれ対応して第1のガイドレール21に取り付けられている。上側センサ411および下側センサ412は、透光部から出力される信号を受光部で直接受信できるように透光部と受光部を対峙させて配置しいる。着床検知板42は、図2に示すように上側センサ411および下側センサ412の透光部と受光部との間を通過するように設置されている。
【0014】
移動感知装置5は、図1に示すように被検出部51と検出部52とを備える。被検出部51は、乗籠2が停止する着床位置P1に対応してブラケット35が停止する保持位置H1の近傍の第2のガイドレール351に取り付けられている。第1の実施形態の油圧式エレベータ1の場合、乗籠2に接続されたロープ33は、シーブ34で折り返されているので、ブラケット35が移動する距離を1とすると乗籠2が移動する距離はほぼ2である。したがって、第2のガイドレール351に被検出部51が設置される間隔は、第1のガイドレール21に着床検知板42を設置する間隔の約半分である。
【0015】
検出部52は、図2に示すようにブラケット35に取り付けられ、乗籠2の着床位置P1に対応する保持位置H1にある被検出部51を検出する。この検出部52は、透光部および受光部を並べて有しており、透光部から出力された信号を被検出部51において反射させ、受光部で受信する。被検出部51は、図3に示すように、検出部52が保持位置H1を基準に一定の距離だけ上方および下方のいずれに変位しても検出部52によって検出される許容範囲Tを有している。この許容範囲Tは、着床検知装置4が着床検知部41によって着床検知板42を検出できる有効範囲A内において乗籠2が移動する場合にブラケット35が移動する距離よりも小さい。
【0016】
また、移動感知装置5を構成する被検出部51および検出部52は、図2及び図4に示すように、乗籠2が移動する軌跡および第2のガイドレール351に囲われる範囲内に配置される。なお、図1は、着床検知装置4および移動感知装置5を含めた油圧式エレベータ1の構成を分かりやすくするために展開して表示した模式図である。また図4は、被検出部51に対して検出部52が下方に位置する状態を示す。
【0017】
制御部6は、図1および図5に示すように、ドア装置22とポンプ31と着床検知装置4と移動感知装置5に接続されている。ドア装置22は、ドアパネル221が完全に閉じられるまで、戸開信号を出力する。着床検知装置4は、乗籠2が着床位置P1にある場合に着床信号を出力する。移動感知装置5は、乗籠2が着床位置P1にある場合に乗籠2が着床位置P1から移動していないことを示す停止信号を出力する。
【0018】
なお、着床検知装置4は、着床位置P1から乗籠2が外れた場合に着床信号を出力しなくなる。したがって制御部6は、着床信号が出力されなくなったことを検出することで、乗籠2が着床位置P1から外れたことを検知することもできる。つまり、着床検知装置4は、移動感知装置5としての機能を有している。同様に、移動感知装置5は、着床位置P1に乗籠2が停止している場合に停止信号を出力し続ける。したがって制御部6は、停止信号が出力されていることを検出することで、乗籠2が着床位置P1にあることを検知することができる。つまり、移動感知装置5は、着床検知装置4として機能する。
【0019】
以上のように構成された油圧式エレベータ1において、制御部6は、ポンプ31を作動させて作動油Lをジャッキ32に送ることによって乗籠2を上昇させ、ポンプ31を止めて作動油Lをタンクに回収することによって乗籠2を下降させる。制御部6は、目的の階へ乗籠2を移動させたことによって、着床検知装置4から出力される着床信号を検出すると、油圧駆動装置3のポンプ31から作動油Lが供給されるのを止めて乗籠2を着床位置P1に停止させ、ドア装置22を駆動させてドアパネル221を開放する。
【0020】
このあと、制御部6は、ドア装置22から出力される戸開信号を検出している間、油圧駆動装置3の制御バルブやポンプ31を作動させない。また、制御部6は、戸開信号が検出されている間、移動感知装置5から停止信号が出力されているか監視し続ける。
【0021】
油圧駆動装置3の制御バルブが故障したことなどによって作動油Lがジャッキ32からポンプ31へ戻るようなことが生じると、ブラケット35が下がるとともに乗籠2が下降する。図5に示すように検出部52が被検出部51の正面から外れる程度にブラケット35が下がると、移動感知装置5は、停止信号を出力しなくなる。停止信号が検出されなくなると、制御部6は、油圧駆動装置3の制御バルブとジャッキ32との間に設けられる逆止弁を作動させるか、乗籠2に装備された非常停止装置を作動させるか、プランジャ322がシリンダ321に引っ込むのを機械的に阻止する非常装置を作動させる。
【0022】
安全装置を複数設ける場合、同じ構造のものを同じような位置に設置する場合に比べ、異なる構造のものを異なる場所に設置するほうが、それぞれの安全装置が同時に故障するリスクは極めて低くなる。第1の実施形態において、油圧式エレベータ1は、ジャッキ32の上端に取り付けられたブラケット35と第2のガイドレール351との間に安全装置としての移動感知装置5を有している。またこの油圧式エレベータ1において、乗籠2と昇降路101との間に設置される着床検知装置4は、移動感知装置5としても機能する。したがって、着床検知装置4と移動感知装置5は、どちらかが万が一故障しても、相互に機能を代替することができる。
【0023】
乗籠2が着床位置P1から外れた場合に移動感知装置5の停止信号よりも先に、着床検知装置4が出力する着床信号が検出されなくなった場合、制御部6は、移動感知装置5が正常に機能していないと判断する。そして、乗籠2を非常停止させる必要が生じた場合は、着床検知装置4の着床信号を基に、乗籠2を非常停止させる。また、乗籠2が着床位置P1に入った場合に着床検知装置4が着床信号を出力するよりも先に移動感知装置5が停止信号を出力し始めた場合、制御部6は、着床検知装置4が正常に機能していないと判断する。そして、乗籠2を着床させるために、移動感知装置5の停止信号を基に、乗籠2を着床位置に停止させる。制御部6は、どちらかが正常に機能していないと判断した場合、この油圧式エレベータ1を担当する管轄の管理センタへ通報する。
【0024】
このように、日常のサービス中において、着床検知装置4と移動感知装置5が出力する信号を監視することによって、どちらか一方が故障してもエレベータとしての機能が損なわれることなく安全に停止させ、速やかに対策を取ることができる。
【0025】
検出部52から出力した信号を被検出部51に反射させて検出部52で受信するように構成された移動感知装置5は、大きな設置場所が必要ないし、既設の油圧式エレベータ1に追加で設置しやすく調整も簡単である。ジャッキ32、第1のガイドレール21、第2のガイドレール351は、それぞれ昇降路101の内壁に固定するためにサポートブラケットによって固定される。この油圧式エレベータ1において移動感知装置5の被検出部51および検出部52は、乗籠2の軌跡と第2のガイドレール351とによって囲われる範囲内に配置されている。したがって、被検出部51が設置されていない間の区間を検出部52が移動する間、検出部52から出力される信号がサポートブラケットに当たって反射し誤作動を引き起こすという心配がない。
【0026】
被検出部51は、乗籠2の着床位置P1に対応するブラケット35の保持位置H1を中心に一定の距離だけ検出部52が移動しても検出される許容範囲Tを有している。したがって、着床検知装置4が故障したときには、この許容範囲Tを利用して、乗籠2を着床位置P1に緩やかにかつ安全に停止させることができる。
【0027】
第2の実施形態の油圧式エレベータ1は、図6および図7を参照して説明する。第1の実施形態の油圧式エレベータ1と同じ機能を有する構成は、各図中において同じ符号を付す。そして各構成に対応する説明は、第1の実施形態の記載を参酌することとし、ここでの説明を省略する。
【0028】
図6および図7に示すように第2の実施形態の油圧式エレベータ1において、ブラケット35を案内する第2のガイドレール351は、ジャッキ32を中心とする面対称な一対に設けられている。そして、被検出部51は、一対に設けられた第2のガイドレール351の両方にそれぞれ配置され、検出部52は、第2のガイドレール351のそれぞれに設けられた被検出部51に向けて1つずつ一対にブラケット35に取り付けられている。いずれの被検出部51および検出部52も、図7に示すように乗籠2の軌跡および第2のガイドレール351に囲われた範囲内に配置されている。
【0029】
このように構成された第2の実施形態の油圧式エレベータ1において、1つの第2のガイドレール351に取り付けられる一群の被検出部51と、これに対応する検出部52とは、第1の実施形態の油圧式エレベータ1における被検出部51と検出部52によって構成される移動感知装置5と同じ機能を有している。つまり、第2の実施形態の油圧式エレベータ1は、移動感知装置5を2組有していることになる。
【0030】
両方の移動感知装置5が同時に故障する確立は低いので、どちらか一方が正常に作動することによって、油圧式エレベータ1の安全装置が正常に機能する。さらに、2つの移動感知装置5の各被検出部51のうちのどれかが検出部52によって検出しにくくなったとしても、同じ階床の着床位置P1に対応する保持位置H1の被検出部51が同時に検出できなくなることは、極めてまれである。つまり、各階床のどちらか一方の被検出部51を検出できれば、これらを組み合わせて移動感知装置5を正常に機能させることも可能である。このように、移動感知装置5が故障する確率が低くなるほど、メンテナンスに掛かる費用が抑えられる。
【0031】
第3の実施形態の油圧式エレベータ1は、図8を参照して説明する。図8は、第2のガイドレール351に取り付けられた被検出部51と、これに対向する位置に配置された検出部52とを示す。第3の実施形態の油圧式エレベータ1の被検出部51は、図8に示すように検出部52に向かって突き出た庇(ひさし)511を上部に有している。庇511を備えていることによって、第3の実施形態の油圧式エレベータ1は、昇降路101中に舞う埃や、ロープ33およびシーブ34から飛び散った油が、被検出部51の表面に降りかかるのを軽減する。
【0032】
この他の構成は、第1の実施形態に示した油圧式エレベータ1と同じであるので、同じ機能を有する構成は、図8中において同一の符号を付す。そして、その構成に対応する説明は、第1の実施形態の記載を参酌するものとし、ここでの説明を省略する。また、油圧式エレベータ1として図8に記されていない構成についても、第1の実施形態の記載および対応する図面を参酌するものとする。
【0033】
以上のように上述の第1から第3の実施形態の油圧式エレベータ1において設置された移動感知装置5は、被検出部51および検出部52が反射型である。反射型の場合、検出部52から被検出部51までの距離が少々ばらついていても、検出制度に影響はない。したがって、移動感知装置5を既設の油圧式エレベータに追設することも簡単である。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1…油圧式エレベータ、2…乗籠、21…第1のガイドレール、32…ジャッキ、33…ロープ、33A…固定端、33B…移動端、34…シーブ、35…ブラケット、351…第2のガイドレール、51…被検出部、52…検出部、101…昇降路、511…庇、L…作動油、P1…着床位置、H1…保持位置、T…許容範囲。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を第1のガイドレールに沿って移動する乗籠と、
作動油が供給されて伸びるジャッキと、
前記昇降路の下部に固定端が留められ前記乗籠に移動端が接続されたロープと、
前記ジャッキの上端に取り付けられ前記ロープが掛けられるシーブを支持し第2のガイドレールに沿って移動するブラケットと、
前記乗籠が停止する着床位置に対応して前記ブラケットが停止する保持位置の近傍の前記第2のガイドレールに取り付けられる被検出部と、
前記ブラケットに取り付けられ前記着床位置に対応する前記保持位置の前記被検出部を検出する検出部と
を備えることを特徴とする油圧式エレベータ。
【請求項2】
前記被検出部は、前記検出部が前記保持位置を基準に一定の距離変位しても前記検出部によって検出される許容範囲を有している
ことを特徴とする請求項1に記載された油圧式エレベータ。
【請求項3】
前記検出部および前記被検出部は、前記乗籠が移動する軌跡および前記第2のガイドレールに囲われる範囲内に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載された油圧式エレベータ。
【請求項4】
前記被検出部は、前記検出部に向かって突き出た庇を上部に有する
ことを特徴とする請求項1に記載された油圧式エレベータ。
【請求項5】
前記第2のガイドレールは、前記ジャッキを中心とする対称な一対に設けられ、
前記検出部および前記被検出部は、一対の前記第2のガイドレールの両方にそれぞれ配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された油圧式エレベータ。
【請求項1】
昇降路内を第1のガイドレールに沿って移動する乗籠と、
作動油が供給されて伸びるジャッキと、
前記昇降路の下部に固定端が留められ前記乗籠に移動端が接続されたロープと、
前記ジャッキの上端に取り付けられ前記ロープが掛けられるシーブを支持し第2のガイドレールに沿って移動するブラケットと、
前記乗籠が停止する着床位置に対応して前記ブラケットが停止する保持位置の近傍の前記第2のガイドレールに取り付けられる被検出部と、
前記ブラケットに取り付けられ前記着床位置に対応する前記保持位置の前記被検出部を検出する検出部と
を備えることを特徴とする油圧式エレベータ。
【請求項2】
前記被検出部は、前記検出部が前記保持位置を基準に一定の距離変位しても前記検出部によって検出される許容範囲を有している
ことを特徴とする請求項1に記載された油圧式エレベータ。
【請求項3】
前記検出部および前記被検出部は、前記乗籠が移動する軌跡および前記第2のガイドレールに囲われる範囲内に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載された油圧式エレベータ。
【請求項4】
前記被検出部は、前記検出部に向かって突き出た庇を上部に有する
ことを特徴とする請求項1に記載された油圧式エレベータ。
【請求項5】
前記第2のガイドレールは、前記ジャッキを中心とする対称な一対に設けられ、
前記検出部および前記被検出部は、一対の前記第2のガイドレールの両方にそれぞれ配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された油圧式エレベータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−136349(P2012−136349A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291671(P2010−291671)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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