説明

治療用金属イオン、合金、および塩の輸送方法

細菌、ウイルス、真菌、または媒介動物が仲介する病気状態を治療する方法。治療有効量の金属物質を、シリンジ、オートインジェクタ、穿刺装置、頬包埋、皮膚パッチ、エアロゾル吸入器、消化可能な可溶性カプセル、カプセル化ボーラス、ニードル型カプセル化ボーラス、および電極カテーテル法より成る一群から選ぶ輸送方法を使って、潜在的に感染した有機体の身体に治療有効量の金属を輸送する。金属物質は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せより成る一群より選択される。好ましくは、事実上、輸送法を使う過程で電流を流す。電流は、好ましくは、事実上経時的に変化させ、より好ましくは、逆転電流である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト、動物、および植物における細菌、ウイルス、真菌、および媒介生物による疾患状態の治療方法、およびその改善に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫系では、病気に対する生体の抵抗性は、「非特異的抵抗性」と「特異的抵抗性」の2通りの形体を取る。非特異的抵抗性は全てのヒト、並びに、事実上その他の全ての種で見られ、一般的に全ての寄生体に対してある程度の保護作用を発現すると考えられる。非特異的抵抗性には、種および個体群の免疫、および皮膚表面、粘膜分泌、胃酸、ライソザイム、およびインターフェロンなどの機械的および化学的バリアーが含まれる。貪食作用は、マクロファージ(または大きな白血球細胞)およびその他の貪食細胞が微生物を飲み込み、破壊する非特異的な機序である。発熱および炎症は、非特異的抵抗性のその他の形体である。非特異的抵抗性のもう一つの形体では、クラスI MHC蛋白が細胞表面から失われた場合、或いは(癌細胞またはウイルス感染細胞のように)減少した場合、生体のナチュラルキラー(NK)細胞がこれらの細胞膜を破壊し、溶解させる。
【0003】
反対に、特異的抵抗性は抗原と呼ばれる物質に対して生体の免疫系が応答することにより発現する。抗原は、宿主の生体が「非自己」と認識する大きく複雑な分子である。蛋白質、多糖類、およびこれらの分子を含む膨大な物質一覧は抗原性を有する。抗原の小部分は「抗原決定基」と呼ばれ、免疫系を実際に刺激する働きがある。ヒト自身が有する化学物質は「自己」と解釈されるため、非抗原性である。
【0004】
実際の免疫応答は、一つ以上の抗原が宿主生体に進入し、リンパ系または心血管系に浸透することに端を発すると考えられる。この時、非特異的応答に従うと、マクロファージおよびその他の貪食細胞が抗原を貪食し、分解して、抗原決定基またはエピトープを放出すると考えられる。その後、特異的応答が開始されるには、マクロファージがその表面にエピトープを発現し、リンパ系臓器まで輸送し、ここでエピトープを待機TおよびBリンパ球に示す。もう一つの重要な輸送体は樹状細胞と考えられる−この細胞は実質的に全ての組織でレースのようなネットワークを形成し、近辺の感染細胞を貪食することができる長い指状の突起を有する。研究で得たエビデンスによると未処理の抗原は免疫系を刺激する能力が低いため、貪食およびエピトープの輸送は非常に重要である。
【0005】
「特異的抵抗性」は潜在的に広範な意味を含み、例えば、臓器移植、アレルギー反応、および癌に対する抵抗性が挙げられる。
【0006】
免疫系は、骨髄細胞が分化してBリンパ球とTリンパ球を形成することが起点となる。これらの細胞は、脾臓、リンパ節、およびその他のリンパ系臓器の組織を構成し、免疫系の重大な土台となっている。
【0007】
Tリンパ球がマクロファージまたはその他の貪食細胞を発現させるエピトープまたは抗原決定基によって刺激されると、細胞毒性Tリンパ球が「細胞毒性細胞」として免疫系を離れ、感染部位に移動する。感染部位でTリンパ球は「細胞仲介免疫」と一般に称せられるプロセスで感染微生物を殺傷すると考えられる。その後、メモリーTリンパ球が組織内に残り、長期保護作用を提供する。
【0008】
「特異的抵抗性」の第二の様態は抗体仲介型免疫、或いは体液性免疫である。この場合、B細胞が刺激されて血漿細胞と呼ばれる抗体産生細胞を形成する。抗体はリンパ節で形成され、通常、軽鎖および重鎖アミノ酸で構成される蛋白分子である。抗体は循環系に進入して感染部位に到達し、ここで様々な機序により微生物と反応し中和させると考えられる。一般的に、5種類の抗体が確認されており、それぞれが独自の機能と構造を持つ。
【0009】
細胞仲介免疫は、真核細胞性病原体、および抗原標識された細胞、例えばウイルス感染細胞や移植細胞と直接相互作用するのに特に適していると考えられる活性化T細胞を作り出す。細胞仲介免疫は、時折細胞性免疫と呼ばれることがあるが、病原体、例えばウイルス、リケッチア、およびM結核を含むある種の細菌、並びに原虫、および真菌に感染した細胞に対して応答する。抗体は、細胞毒性T細胞と共に、病気の時に「特異的抵抗性」を伝え、長期抵抗性を生体に残す。
【0010】
ヒト、動物、および植物は、細菌、ウイルス、真菌、および媒介生物を介する感染に屈服し、生体防御機構が損なわれ、時折死に至ることがある。例えば、このような病気および/または病原体誘導状態としてシャーガス病、デング熱、リーシュマニア病、脳炎、リケッチア症、カンジダ症、結核、様々な肺炎、敗血症、赤痢、ポリオ、はしか、水疱瘡、天然痘、おたふく風邪、エボラ出血熱、HIV、マラリア、眼感染症、筋肉変性、皮膚癌、鼻腔咽頭癌、乳癌、前立腺癌、およびHPVが含まれる。さらなる例として、自己免疫疾患には糖尿病、甲状腺障害、関節炎、移植拒絶反応、その他。さらなる例として、動物の病気状態に以下が含まれる:口蹄疫、リーシュマニア病、ブタコレラ、ジステンパー、汎白血球減少症、ネコ免疫不全疾患、その他が含まれる。
【0011】
従って、必要なのは、上記病気状態を一つ以上治療する新たな創意に富む方法である。
【0012】
現時点で、HIVまたはヒト免疫不全ウイルスはより詳細に検討する価値があると思われる。ヒト免疫不全ウイルスは、マラリアや結核の次に多いヒトの死亡原因の一つである。過去の抗ウイルス薬の作用は、HIV感染患者の有効な治療となりえず、反復使用後に耐性が生じ、ネビラピン(Nevirapine)単回投与は輸送が問題である。特に、現在利用されており、最も有効な経口治療−例えば、他の薬物と併用するプロテーゼ阻害薬−は、かなり毒性が強く、多くの副作用が生じるため、このような治療に耐えられない患者がいることが明らかになった。たとえ治療に耐えられたとしても、HIV患者はヒト免疫不全ウイルスが免疫系を破壊しているため、続発性日和見感染症、例えば結核により死亡する恐れがある。マラリアは世界中で死亡原因となる病原体の一つであるが、AIDS患者はこのような媒介生物を介する微生物が関与すると、経過が悪くなる。
【0013】
HIV感染はダイナミックなウイルスのターンオーバーが関与することを示唆する先行技術のエビデンスがある。さらに、感染性ウイルス負荷をコントロールすると、循環性ウイルス粒子の数(ウイルス負荷)で見たHIV感染が末期的な真性AIDSに進行するのを遅らせる、または逆転させることができると一般に考えられている。この考えから、HIV感染者やAIDS患者でウイルス負荷を減少させることを狙った多くの抗レトロウイルス薬が開発されている。しかしながら、HIV感染者やAIDS患者の薬物療法の展望が完全に実現したわけではない。それ以外にも、抗レトロウイルス療法がやがて中断されるだろうという当初の希望は裏付けられていない。
【0014】
上記の理由より、ウイルス感染機序、および、特にヒト免疫不全ウイルスの背景を、世界的に蔓延している医学的状況に関連させ、ウイルス感染症の治療に関連する可能性がある様々な改良点と共に検討する価値があると思われる。
【0015】
ウイルスは一般的に生存微生物に依存すると言われている。ウイルスが生存し複製するには、宿主細胞が必要である。ウイルスは多様なサイズ、形体、構成がある。ウイルスまたはビリオンは一般的に、運ぶ核酸でできたウイルスの遺伝子をウイルスコア、およびコアを囲む脂肪酸と蛋白質で構成される。ウイルスは一般的に、少なくともウイルスの核酸を宿主細胞に注入して、宿主細胞を攻撃すると考えられる。次に、ウイルスは細胞の代謝機構を乗っ取り、この機構を使用して自身の複製を多数作り、多くの新たなビリオンを作り出す。ヒト免疫不全ウイルスでは、細胞を融解し、破壊することにより、ビリオンが細胞から放出される。これらのビリオンの多くはその他の宿主細胞を感染し続けることが可能で、その細胞は全て最終的に破壊される。
【0016】
ヒト免疫不全ウイルスが非常に危険な理由の一つとして、HIVがTリンパ球(またはT細胞)の特殊なタイプを標的とし、最終的に、これらのT細胞を攻撃する多くのビリオンを作り出すが、生体はHIVに破壊されたTリンパ球を補充するほど迅速にTリンパ球を産生できない点である。HIVが標的とする特異的T細胞は、T4ヘルパーリンパ球である。HIVビリオンはT4細胞を発見すると、細胞膜を通過して、T4細胞の核に近付こうとすると一般的に考えられている。ウイルスは、細胞に付着し、注入した後、細胞の核に侵入し、T4細胞の染色体の一つに自身を組み込むことができる。この時点でT4細胞がHIVに感染する。その後、T4細胞はヒト免疫不全ウイルスまたはビリオンを複製し始める。1個のT4細胞膜が最終的に融解し、細胞が破壊されるまでに、数千ものビリオンがそこで産生される。破壊されたT4細胞から放出される感染性ヒト免疫不全ウイルスのコピーは、その後、他のT4細胞を感染し続ける。感染したT4細胞はヒト免疫不全ウイルスのコピーをヒトがT4細胞を産生するよりも早く産生し、最終的に、感染患者の免疫系が侵略され、感染と戦うことができなくなる。感染を食い止めることが不可能になる原因として、T4細胞が少なすぎるため、宿主が侵略物質に充分に免疫応答できなくなることが考えられる。一般的に、HIV患者が最終的に死に至るのは、これらの続発性日和見感染による。
【0017】
現時点で、全ての生物は負の電荷を負っていると一般に考えられている(本発明の働きにとって必須でないが)。当然、このような負の分極には正の電気エネルギーが強く引き付けられる。正の電気エネルギーが動物に直接導入されると−例えば木の側に立っている人に雷が落ちた場合など−このような正の電気エネルギーの導入は致死的と考えられる。この電気現象は、単細胞生物でも多細胞生物でも起こり、このような生物を構成する個々の健康な細胞が若干正または負の極性を有する一方、全体的に事実上中性の電磁場がこのような個々の健康な細胞を取り巻いていると一般的に考えられている(これも、本発明の作用の要点でないが)。しかし、いずれにせよ、分極した正のカチオンは、通常、個々の健常細胞に引き寄せられるとは考えられない。
【0018】
反対に、HIVビリオンは一般的に、核酸、蛋白様物質、およびRNAをもつコアで構成される。ウイルスコアの一部は、一般的にわずかであるが明らかな正の極性を有し、HIV(およびその他のウイルスや細菌)のウイルスコアの別の部分はわずかであるが同様に明らかな負の極性をもつと思われる。
【0019】
従って、ウイルス疾患状態を治療する新規且つ創意に富む法が求められており、一つの具体例を挙げると、この明らかな特色であるウイルスと細菌のコアの極性を利用した方法がかなえられる。
【0020】
発明の背景に関する検討では、抗感染治療で様々な金属物質の使用が時代を超えて知られていることを指摘すべきであろう。銀、金、および銅のユニークな医療上の特性はヒトの歴史を通して認められている。
【0021】
例えば、銀の治癒力はアーユルベーダ、漢方、ホメオパシー、および伝統的な医療ばかりでなく、より難解な宝石療法の分野でも調査および/または利用されている。例えば、フェニキア人は長期の航海中に水、ワイン、酢の純度を保つために銀の容器を使った。同様に、アメリカ開拓者は、水を入れた樽を清潔に保つために銀貨および銅貨を入れた。事実、「銀のスプーンをくわえて生まれる」ということわざは、18世紀初頭に、銀のスプーンで食事を与えられた赤ん坊は他の金属製のスプーンを使う赤ん坊より健康であるという観察結果に端を発すると考えられる。先行技術で、銀は血管内および筋肉内で使用されており、うがい薬、灌注液、経口薬、塗布薬、および点眼薬として使用されてきた。
【0022】
「微量作用」(「小さな力の作用」という意味)という用語は、重金属−例えば、水銀、銀、銅−が微生物に及ぼす作用を表す。これらの要素は、原子量が重く、電子構成が複雑であることから、重金属と呼ばれる。
【0023】
水銀は、防腐作用のある遷移重金属で、塩化水銀はギリシャ人とローマ人が皮膚病の治療に何世紀も利用していた。皮膚、特に手術創に塗布するとき、近年になると様々な形体の水銀が、毒性が少なくなるように、様々な担体化合物と組合せて用いられるようになった。その他の水銀誘導体は、かつて、ワクチンの保存薬として使用されていた。
【0024】
銅は以前からクロロフィル含有微生物に対して活性であることが知られており、藻類の強力な抑制剤である。硫酸銅として、プールや水道で使用する殺藻剤に取り入れられてきた。また1800年代後半以後、硫酸銅と石灰を混合した青白色の混合粉末が、様々な真菌の増殖を制御するために使われた。
【0025】
同様に、銀は硝酸銀の形体で防腐剤および消毒薬として有用であることが古くから知られていた。例えば、かつて硝酸銀希釈液は、新生児が産道を通過する時に罹患すると失明の原因となるグラム陰性双球菌リン菌(neisseria gonorrhea)感染に対する予防薬として新生児に点眼されていた。この治療は、1800年代後半に、淋菌の眼感染を予防するために最初に用いられ、現在でも多くの分野で利用されている。銀治療は有効であるが、その大部分は、一般的に刺激性が低いと認められた他の治療によって代用されるようになった。
【0026】
同様に、銀イオンは多くの細菌、真菌、および単純ヘルペスウイルスを含むウイルス種を不活化する効力がかなりあることが(生体内および実験により)証明されている。また、過去には、様々な銀化合物が縫合糸の処理に用いられていた。さらに、銀イオンは繊維肉腫細胞の有糸分裂を停止させる役割があることが証明されている。銀イオンは繊維芽細胞の脱分化を助け、「方向付けられていない」状態に維持するが、この細胞はさらに分化することが可能で、分化の準備状態に留まっていることを示唆する逸話的なエビデンスが寸剤する。
【0027】
近年、銀コロイド粒子の経口投与など銀療法が医学会で重大な関心を集めており、多大な信頼を得ている。銀塩、例えば塩化銀は、自然な状態でヒト血液中に約3〜8ppb濃度で含まれることが知られている。
【0028】
銀イオン療法に関連する実験的試験が幾つか実施されている一方、銀イオン療法は特に生体内で広範に試験されていない。それにも関わらず、「イオン療法の電源」として1981年10月6日にフランクリン・H・エリス(Franklin H.Ellis)に付与された米国特許第4,292,968号(参考文献としてここに組み込む)に、患者に付けた電極に直流を流すイオン療法の電源としての利用が説明されている。これに関する別の例として、「初期段階の炎症性皮膚変化の治療機器とその使用」として1995年11月28日、ベルンハルト・クレディチュ(Bernhard Kleditsch)とガブリエル・カザカ(Gabriel Khazaka)に付与された米国特許第5,470,349号(同様に参考文献としてここに組み込む)には電流を流す前に、電極とその対極を皮膚に押し当てることが説明されている。両例で開示された装置はいずれも非常に嵩張り、患者に指示を遵守させるのがかなり難しかった。
【0029】
金および銅は、先行技術において関節炎などの疾患で炎症の痛みを和らげるために適用されてきた。かつて、これら金属のブレスレット、ペンダント、およびチェーンが数世紀にわたり様々な文化や社会で「処方」されてきた。
【0030】
さらに、亜鉛および/またはセレンを含む処方も同様に、先行技術において、眼疾患、例えば、黄斑変性や網膜劣化において、悪化を食い止める、または逆転させる上で役立つと考えられていた。
【0031】
臨床的に証明された参考文献や、上記で取上げたその他の参考文献に加えて、ヒトの歴史には、病気治療において金属、例えば、様々な合金および/またはその塩の使用に関する逸話的な参考文献が数多くある。
【0032】
従って、金属の使用を支持する豊富な歴史的逸話や臨床試験のエビデンスの長所を生かした、新規且つ創意に富む、金属物質を使った病気の治療方法が求められている。しかし、発明が着目するのは、金属イオン(例えば、銀、金、銅、その他)の作用機序の解明ではなく、むしろ新規且つ創意に富む技術を治療に適応することである。
【0033】
現時点で、金属物質が予防薬として果たす潜在的な役割を検討する価値があると思われる。先行技術において、ワクチン接種過程で多くのウイルスによる感染を防げることが一般に知られている。このプロセスには通常、弱毒化または変性させたウイルスを未感染のヒトに注射する。生体はこれに応答して、そのウイルスに特異的な抗体を作る。他の予防措置としてヒトは抗生物質やビタミン剤を服用したり、良好な健康を維持するため栄養食品を摂取したりしている。さらに、通常、地域の係りつけ医師に相談して年1回の身体検査を受け、健康状態が良好に維持されているかを知るために診断的検査を受けている。
【0034】
しかしながら、HIV症例とその他の重大な有害疾患に罹患していると考えられる個人(即ち、第三世界や途上国でよく見られる状態)では、予防のためのワクチン接種や現実的なその他の医療選択肢がないことがある。このような状況ではHIVワクチンがないばかりでなく、診断および/または追跡治療を実施する余裕がほとんどない。HIV/AIDS患者のための粗雑な薬物処方および/または治療があるが、これらの治療は一般的に高価で、人体に強い作用を及ぼす。また、過去に最も好まれて使われていた選択薬に対する耐性菌の発現が証明されることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
従って、血液を媒介とする病原体、例えばHIVに感染した患者に使用して、このような病原体を破壊し、ヒトの免疫系を強化する治療が長い間求められてきた。
【0036】
以上より、本発明の目的は、先行技術に関連する要求、短所、或いは欠点を一つ以上未然に防ぎ、軽減し、対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明では、有機体の身体における病気状態の治療法を開示する。本方法によると、シリンジ、オートインジェクタ、および穿刺装置による方法、頬包埋、皮膚パッチによる方法、およびエアロゾル吸入器による方法より成る一群から選択される輸送方法を使って、有機体の身体に治療有効量の金属物質を輸送する。金属物質は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せより成る一群より選択する。
【0038】
本発明のさらなる様態によると、本方法には事実上輸送方法を使う過程において、有機体の身体に電流を流す追加ステップが含まれる。
【0039】
本発明の別の様態によると、この電流は、必ずしも必要でないが、事実上一定で、経時的に変化させたり、間欠的に流すことができる。電流を経時的に変化させる場合、予めプログラムされたスケジュールに従って変化させることができる。
【0040】
本発明の一様態によると、この電流は、必ずしも必要でないが、好ましくは、反転電流である。
【0041】
本発明の好適な実施形態によると、金属物質の治療有効量は、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした状態で、オートインジェクタ装置の投与チャンバに充填することができる。電極は、必ずしも必要でないが、好ましくは、投与チャンバの遠位端部分に事実上接する形状とする。電流を電極に流すことで、必ずしも必要でないが、好ましくは、生物の身体への金属物質の輸送が促される。
【0042】
本発明の別の好適な実施形態の様態によると、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の金属物質は、必ずしも必要でないが、好ましくは、経皮パッチに包埋することができる。同様に、金属物質より形成される電極を、必ずしも必要でないが、好ましくは、経皮パッチに包埋することができる。電流を電極に流すことで、必ずしも必要でないが、好ましくは、経皮パッチから有機体の身体へ治療有効量の金属物質を輸送しやすくなる。
【0043】
本発明のさらなる好適な実施形態の様態によると、この経皮パッチは、必ずしも必要でないが、好ましくは、ニードル型経皮パッチである。電極は、必ずしも必要でないが、好ましくは、金属物質で形成される1本以上の針を成す形状である。必ずしも必要でないが、好ましくは、この針の少なくとも1本は、有機体の身体の皮膚外層を事実上貫通する。
【0044】
本発明の別の好適な実施形態によると、金属物質の事実上粒子部は、各々、薬剤学的に許容可能な担体内でカプセル化された、噴射剤と一緒にキャニスターの容器に充填され、キャニスター自身がエアロゾル吸入器に装填されている。必ずしも必要でないが、好ましくは、エアロゾル吸入器に電極が備えられており、この電極はキャニスターの遠位端に事実上接する形状である。薬剤学的に許容可能な担体でカプセル化された粒子部は、好ましくは、エアロゾル吸入器のキャニスターの近位端部分から有機体の呼吸器系に輸送される。電流を電極に流すことで、必ずしも必要でないが、好ましくは、治療有効量の金属物質の噴霧輸送が促される。
【0045】
本発明のその他の実施形態では、有機体の身体における病気状態を治療するもう一つの方法を開示している。これらの方法の実施形態によると、消化可能な溶解カプセルによる方法、カプセル化したボーラスによる方法、および電極カテーテルによる方法より成る一群から選択された輸送方法を使って、治療有効量の金属物質が有機体の身体に輸送する。他の方法と同様に、金属物質は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、プラチナ、およびそのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せより成る群より選択する。本方法のこれらの実施形態によると、事実上輸送方法を使う過程で、有機体の身体に電流を流す。本方法のこれら実施形態によると、電流は事実上経時的に変化する逆転電流である。
【0046】
本発明の好適な一実施形態の様態によると、治療用量の金属物質は、必ずしも必要でないが、好ましくは、可溶性カプセルに充填する。同様に、可溶性カプセルは、必ずしも必要でないが、好ましくは、導電性の紐部材の端部に固定され、この紐部材は、必ずしも必要でないが、好ましくは、生体適合性のある絶縁物質で覆われている。この紐は、必ずしも必要でないが、好ましくは可溶性カプセル内にある電極と電気的に接続している。この電極は、好ましくは、少なくとも金属物質でコーティングされている。可溶性カプセルは、必ずしも必要でないが、好ましくは、有機体の気管と食道の少なくとも一つに導入される。電流を外部電源から紐部材よび電極に流すことで、必ずしも必要でないが、好ましくは、カプセルが融解し、治療有効量の金属物質が、少なくとも有機体の一方の肺および胃に輸送される。
【0047】
本発明の別の好適な実施形態の様態によると、必ずしも必要でないが、好ましくは、カプセルで覆われたボーラス装置の中にあるカチオンチャンバに実質的に接するようにカソードが植込まれる。同様に、アノードは、必ずしも必要でないが、好ましくは、カプセルで覆われたボーラス装置の中にある分離したアニオンチャンバに実質的に接するように植込まれる。薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の金属物質は、必ずしも必要でないが、好ましくは、アニオンチャンバおよびカチオンチャンバの少なくとも一つに包埋される。アノードおよびカソードの少なくとも一つに電流が好ましく導入されることで、必ずしも必要でないが、好ましくは、カプセルで覆ったボーラス装置から有機体の身体への治療有効量の金属物質の輸送が促される。
【0048】
本発明のこの好適な実施形態のさらなる様態によると、事実上1分間に約1ミリアンペアから1分間に約500ミリアンペアまでの範囲の電流が、必ずしも必要でないが、好ましくは、生物の身体に流される。
【0049】
本発明のさらなる好適な実施形態の様態によると、電導体が、必ずしも必要でないが、好ましくは、カテーテルのルーメン内に入っている。第一の電極は、必ずしも必要でないが、好ましくは、ルーメンから出て有機体の血流内に延びる。この第一の電極は、必ずしも必要でないが、好ましくは電導体に電気的に接続されている。第二の電極は、必ずしも必要でないが、好ましくは、有機体の皮膚に設置される。若しくは、この第二の電極は、有機体の血流に直接接触させることができる。外部電流源または内部バッテリーのいずれか一方から電流を電導体、および第一の電極に流し、必ずしも必要でないが、好ましくは、治療有効量の金属物質を有機体の身体に輸送する。
【0050】
本発明のこのような好適な実施形態のさらなる様態によると、この方法は、必ずしも必要でないが、好ましくは、実施中および実施前に有機体を事実上水和させる処方で、水和状態にして実施する。
【0051】
本発明の好適な実施形態の様態によると、電流は、必ずしも必要でないが、好ましくは、事実上約0.01アンペアから約0.01アンペアの範囲内である。対応する電位は事実上約0.5ボルトから約3.0ボルトの範囲内である。
【0052】
本好適な実施形態のさらなる様態によると、電位は事実上約1.0ボルトのオーダーで、電流は事実上約0.01アンペアのオーダーである。
【0053】
本発明の好適な一実施形態の様態によると、金属物質は、必ずしも必要でないが、好ましくは、逆転電流により発生する銀イオンを含む。逆転電流は、必ずしも必要でないが、好ましくは、約1秒の正方向と約1秒の逆方向の事実上均等なデューティサイクルに従って交互に流れる逆転DC電流である。前述のようにこのデューティサイクルは、好ましくは、事実上約15分間継続する。
【0054】
本発明の別の好適な実施形態の様態によると、金属物質は、必ずしも必要でないが、好ましくは逆転電流により発生する銀イオンを含む。逆転電流は、必ずしも必要でないが、好ましくは、約10秒の正方向と約1秒の逆方向の少なくとも部分的に非対称なデューティサイクルに従って交互に流れる逆転DC電流である。前述のようにこのデューティサイクルは、好ましくは、事実上約15分間継続する。
【0055】
本発明のこの別の好適な実施形態の様態によると、逆転電流は、必ずしも必要でないが、好ましくは、サイクル長、電流強度、および/または通電時間が異なってもよい。
【0056】
本発明の様々な好適な実施形態の様態によると、この方法は、細菌、ウイルス、真菌、および/または媒介生物による病気状態の治療で利用される。
【0057】
本発明の様々な好適な実施形態の様態によると、この方法は、植物(例、バナナの樹)、動物、およびヒトの健康を改善するために用いられる。
【0058】
本発明の様々な好適な実施形態のさらなる様態では、有機体の身体への金属物質輸送は、必ずしも必要でないが、好ましくは、有機体の種や体重により変えることができる。
【0059】
本発明の様々な好適な実施形態の様態によると、この方法は、動物の口蹄疫、リーシュマニア病、ブタコレラ、ジステンパー、汎白血球減少症、汎白血病、イヌ糸状虫、ヨーネ病、ネコ免疫不全疾患、および/またはこれらに関連する症状を治療または予防的に治療するために使うことができる。
【0060】
本発明の様々な好適な実施形態の様態によると、この方法は、ヒトのシャーガス病、デング熱、リーシュマニア病、脳炎、リケッチア症、カンジダ症、結核、肺炎、敗血症、赤痢、ポリオ、はしか、水疱瘡、天然痘、おたふく風邪、エボラ出血熱、マラリア、眼感染症、筋肉変性、網膜の劣化、癌の前駆体、HPV、皮膚癌、鼻腔咽頭癌、乳癌、前立腺癌、その他の癌、糖尿病、甲状腺障害、関節炎、移植拒絶反応、その他の自己免疫疾患、HIV、および/またはこれらに関連する症状を治療または予防的に治療するために用いることができる。
【0061】
本発明の方法、使用、および関連する構造と構成、並びにその詳細な目的と長所に関して、本発明に従った治療用金属イオン、合金、および塩の輸送方法の特徴と考えられる新規特性は、少なくとも本発明の現在の好適な一実施形態を例示する以下の図面より、より良く理解できるだろう。しかしながら、これらの図面は必ずしも縮尺して描かれておらず、図と説明のみを目的としていることは明らかである。これらの理由およびその他の理由により、これらの図面は、発明の限界値を示すことを意図したものでない。以下に添付する図面について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
ごく最近まで、身体が免疫系で防御できないウイルスに感染した患者を治療する先行技術の装置と方法は、死亡を遅らせるのみであった。本発明の方法は、ウイルス、例えばHIVウイルスを破壊する手段となり、広範な血液媒介性病原体、例えば細菌、ウイルス、真菌、および媒介動物を介する感染を治療することができる。本発明でこの目的を達成できたが、これは、幾つかの既存の治療的輸送システムを改良し、治療用の金属イオン、金属合金、金属塩(およびこれらの組合せ)の目的部位における輸送を著しく改善させたからである。
【0063】
電気刺激のある場合とない場合で、治療有効量の金属物質(金属のイオン、塩、合金、およびその組合せを含む)を植物、動物、およびヒトに輸送する好適な方式および方法について、以下で説明し、図1から図19Cに示す。
【0064】
中でも、本発明で好ましい金属および金属イオンとして、治療用の銀、金、および銅イオンが挙げられる。以下の記述で、目的部位で発生させる治療有効量の銀イオン輸送方法について特に注目することがあるが、本発明はこれに限定されず、他の金属、および金属のイオン、塩、合金、並びにそれらの組合せまで拡大することができる。従って、上記で検討したように、本発明の好適な金属物質は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそのイオン、合金、塩およびそれらの組合せ、並びに種々の病気と感染に関連して治療価値が示唆されたその他の金属を含む点が重要である。
【0065】
上述したように、本書では多数の好適な輸送様式と方法について説明しているが、経皮パッチ80を取り入れているのは選択された実施例のみである(図6乃至8に示す)。経皮パッチ法は以下で詳細に検討するが、図7と図8で最も良くわかるように、有機体130の皮膚136の特に望ましい部位に経皮パッチ80を貼布し、本発明に必須なわけではないが、治療用金属イオンの輸送および/または生成の局所化を向上させることを指摘すべきであろう。本発明によると、経皮パッチ80は銀塩を含むことがあり、電気刺激を与えると銀が表皮に浸透しやすくなり、目的部位に治療量の銀イオンが輸送される。本発明にとって必須でないが、経皮パッチ80の効果を局在化させることにより、有機体130に輸送される銀塩の総量を大幅に減少させることができると一般に考えられる。その結果、このような物質の全身投与に一般的に関連すると考えられる毒性および/またはその他の望ましくない副作用を一掃することができる、或いは大幅に減少させることができると考えられる。
【0066】
本発明の範囲にはいくつかの新規および特殊な応用が含まれる。ここで説明する多くの実施例は以下の2つのサブグループに分類できる:(1)電気を必要としない装置または方法、およびその改善、(2)電気を必要とする装置または方法、およびその改善。このため、本発明に従って、有機体130に電気インパルスの適用および/または導入を取り入れた輸送法と取り入れない輸送法の双方を開示する。
【0067】
電気を使う実施例では、通常、事実上この輸送方法を利用する間に、有機体130の身体132に電流を流す。この電気を使う実施例は、経皮パッチ80に関連する実施例が含まれ、さらに以下で詳述するが、一定の、或いは経時的に変化する電気刺激またはインパルスを適用することができる。電流を経時的に変化させる場合、間欠的な電流、および/または事前にプログラムされたスケジュール、例えば「オンデマンド」スケジュールに従った電流を流す。必ずしも必要でないが、好ましくは、以下でさらに説明するように、電流は逆転電流である。
【0068】
本書の別の箇所で説明するように、本発明によると、電荷を使用する金属イオン、金属塩、金属合金、或いはそれらの組合せを生成する多くの方法がある。幾つかの実施例では、金属イオンを生成するのに適した電圧は、一般に約0.5ボルトから約3.0ボルトの範囲であり、好ましくは約1.5ボルトである。幾つかの実施例では、金属イオン生成に適した電流は、一般に約0.001アンペアから約0.01アンペアの範囲であり、好ましくは約0.01アンペアである。従って、本発明に従った幾つかの実施形態の定格電力は約0.015ワットのオーダーと考えられる。
【0069】
上述したように、他の輸送様式および方法を本発明で検討しており、この中には、シリンジ、オートインジェクタ、および穿刺装置による輸送法(以後、ピンおよび/またはペンプリック法)、接触スタンガン、皮下包埋、頬包埋法(歯肉の下に金属物質を留置および/または包埋する方法を含む)、エアロゾル吸入法、消化性可溶性カプセル法、カプセル化ボーラス法、および電極カテーテル法が含まれる。
【0070】
上述したように、また図1乃至4に示すように、本発明の一連の実施例に従う輸送法は、シリンジ、オートインジェクタ、穿刺装置による輸送方法を含む。エピペンはかつて、アナフィラキシー治療でエピネフリン投与に使用された既存の装置で、このために「エピペン」と命名された。これは特定の医薬品を単回投与する医用輸送システムとして使われるオートインジェクタである。同様に「インスリンエピペン」は先行技術で知られている。ほとんどの先行技術のオートインジェクタ装置は、スプリングを装着したシリンジで、専門家でない人による使用を意図した、簡単に扱える設計である。従って、オートインジェクタ装置は身体の様々な異なる注射部位から医薬品を投与するために利用されてきた。典型的な注射部位は大腿部および/または臀部である。
【0071】
本発明によると、先行技術にあるエピネフリン輸送の代わりに、金属イオン、金属塩、合金、およびそれらの組合せ、特に天然で事実上中性と考えられる銀塩を輸送するために改良オートインジェクタ装置40が使用される。これらの実施例によると、図1で最も良くわかるように、治療有効量の適切な金属(例えば、銀)を、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤28にして、同液剤を入れる投与容器42に充填する。次に、投与容器42を改良オートインジェクタ装置40の近位ハウジング部48に装着する(通常、図1の矢印「A」で示す方向)。
【0072】
図2で最も良くわかるように、近位ハウジング部48と遠位ハウジング部54より、オートインジェクタ装置40を組立てる(通常図2の矢印「B」で示す方向)。
【0073】
図3に示すように、投与する人(および/またはヒトが患者の場合、患者の有機体130)は、必ずしも必要でないが、好ましくは、オートインジェクタ40の投与ダイヤル56を回して(通常、図3の矢印「C」で示す方向)、好ましくは、有機体130の体重と種に照合して確認される望ましい金属の治療用量レベルを選択する。予め決められた手順書には、必ずしも必要でないが、好ましくは、具体的な用量の必要事項(並びに、患者130に投与する間の具体的な時間配分)が概説されている。
【0074】
その後、図4で最も良くわかるように、オートインジェクタ装置40を、好ましくは、有機体130の目標投与部位の近くに置く。注射ボタン58を押すと、選択した治療用量の金属が投与チャンバ42の近位端46から、オートインジェクタ装置40の針52を通して、身体132に輸送される。
【0075】
図1乃至4に示すように、上記で検討したオートインジェクタ輸送法は、必ずしも必要でないが、好ましくは、同様の電気を使わない実施例と電気を使う実施例の双方に等しく応用される。
【0076】
しかしながら、この事実にも関わらず、オートインジェクタ輸送法の電気を使う実施例では、図1で最も良くわかるように、電極30が、好ましくは、投与容器42の遠位端44に事実上接する形状で付いてある。この電気を使う実施例で、本オートインジェクタ装置40は、必ずしも必要でないが、好ましくは投与充電ボタン50が備わっている(図1と2参照)。
【0077】
図4の考察で最も良くわかるように、治療用量を投与する人は、必ずしも必要でないが、好ましくは、注射ボタン58を押す前に、一方の手14で充電ボタン50を押す。充電ボタン50を押すと−内部電流源、例えばバッテリー(表示せず)、および/または外部電流源、例えばワイヤ32を介して−、電流が電極30に流れ、有機体130の身体132への金属輸送が促される。
【0078】
より一般的に言えば、オートインジェクタ装置40が、金属輸送を促すために有機体130の身体132に電流を通すことのできる構成をとることは、電気的オートインジェクタ輸送法に従う本発明の範囲内である。例えば金属塩を含むオートインジェクタ装置40は、適切な投与部位に「穿刺」することができ、ACまたはDC電源で新たに生成した金属イオンを投与することができる。
【0079】
本発明によると、改良オートインジェクタ装置40を使うと、金属イオン、金属塩、合金、およびそれらの組合せをコントロールされた用量で投与して、様々な病気を治療することができる。一例として関節炎の治療における金化合物の適用が挙げられる。さらなる例として、眼感染症の治療における銀塩、および黄斑変性や網膜劣化の治療におけるセレンや亜鉛の塩の適用が考えられる。
【0080】
上記で検討したように、本発明のさらなる実施例の輸送法には、頬包埋法が含まれる。頬包埋は、好ましくは、歯肉の下に治療機器を植込むために様々な医学的手法を用いる、既存の技術と器具である。過去においては感染を解消させるために、患者の歯肉に抗生物質を植込んだ。
【0081】
本発明によると、先行技術の抗生物質輸送の代わりに、改良頬包埋技術では、好ましくは、様々な金属イオン、金属塩、合金、および/またはその組合せを歯肉の下に埋め込んで投与する。本発明の頬包埋技術によると、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の金属を、必ずしも必要でないが、好ましくは、既知のシリンジに充填する。このシリンジ装置を使い、好ましくは、治療有効量の金属を含むコロイド状懸濁剤を、有機体の身体の頬腔にある歯肉の下に注射する。本発明により特に好ましい実施形態では、薬剤学的に許容可能な密封剤をこの歯肉に事実上接する部位および注射部に事実上接する部位に塗布して、コロイド状懸濁剤が漏れないようにする。
発明の頬包埋技術の一実施形態によると、銀塩を歯肉下に包埋し、一定量または段階的な量の銀イオンが輸送されるように工夫されている。口内の多くの病気、例えば、癌や潰瘍では、治療量の銀イオンを必要な所に正確に輸送できるため、銀塩の頬包埋が他の先行技術の治療法より好ましいと考えられる。
【0082】
上記で検討したように、本発明のその他の実施例による輸送方法として、接触皮膚圧迫機器が含まれる。この発明によると、接触皮膚圧迫装置は、必ずしも必要でないが、好ましくは、銀塩(および/またはその他の金属塩)チップを備えている。本発明のこれらの実施例に従って、治療用の銀(またはその他の金属)イオンを生体内領域および/または接触面領域のかなり下にある組織に輸送するため、非常に弱いACまたはDC電源を使うことがある。本発明に必須でないが、電気刺激が細胞の血管由来応答を誘導すると、一般に考えられている。
【0083】
また上記で検討したように、本発明のさらなる実施例に従う輸送法は、皮下包埋を含む。現在多くの注射方法はこの輸送様法を使っており、この様式は既知の薬剤および/または医薬品を物理的に注射して、治療用量を全身および/または局所投与する。しかしながら、先行技術は、本発明で予期するような金属の皮下包埋を開示していない。従って、本発明に従うと、例えば、曝露期間をコントロールおよび/または調整するため、金属物質をコントロールしながら放出する皮下包埋が望まれる。
【0084】
本発明のさらなる実施例によると、図5に示すように、輸送方法としてエアロゾル吸入器技術が含まれる。既存のエアロゾル吸入器は、とりわけ、喘息治療で有効な治療法として利用されてきた。これまで、このような既存のエアロゾル吸入器のキャニスターに喘息薬を充填し、困窮時に喘息患者の呼吸を楽にするために用いられてきた。
【0085】
本発明によると、図5の考察で最も良くわかるように、事実上金属物質20の粒子が各々、好ましくは、薬剤学的に許容可能な担体(例えば、ゼラチン)で覆われ、推進剤と一緒にキャニスター62の容器に充填される。キャニスター62は、好ましくは、改良エアロゾル吸入装置60の上部68に装着する。使用時にエアロゾル吸入装置60は、好ましくは、治療用量の金属物質20(薬剤学的に許容可能な担体で覆われた粒子部分の形体で)を、エアロゾル吸入装置60の下部70に形成された輸送装置72を通してキャニスター62の近位端64から噴霧し、有機体130の口内138および呼吸器系に輸送する。
【0086】
上記で検討した図5のエアロゾル吸入技術は、必ずしも必要でないが、好ましくは、同様な電気を使わない実施例と電気を使う実施例の双方で、等しく応用できる。
【0087】
しかしながら、この事実にも関わらず、エアロゾル吸入法の電気を使う実施例は、図5で最も良くわかるように、電極30が、好ましくは、キャニスター62の遠位端66に事実上接するような形状で付いている。この電気を使う実施例では、エアロゾル吸入装置60が、必ずしも必要でないが、好ましくは投与充電ボタン74を備えている(図5に示す)。投与する人は、必ずしも必要でないが、好ましくは、治療用量の金属物質20を有機体130の口内138および呼吸器に噴霧する前、および噴霧中に、片手14でこの充填ボタン74を押す。充電ボタン74を押すと−内部電流源、例えばバッテリ(表示せず)、および/または外部電流源、例えばワイヤ32を介して−、電流が電極30に流れ、有機体130の口内138および呼吸器への金属輸送を促す。
【0088】
より一般的に言えば、電気を使うエアロゾル吸入法によると、このエアロゾル吸入装置60は、本装置60から有機体130の呼吸器系に治療有効量の金属の噴霧投与を促すために電流を流せる構成であって、これは本発明の範囲内である。
【0089】
上記で検討したように、本発明の実施形態によると、図6乃至8に示すように、輸送方法に経皮パッチ法が含まれる。先行技術では経皮パッチは感染を軽減する様々な薬物処方を使って、治癒を促すため使用されてきた。このような先行技術の経皮パッチおよび/または経皮輸送システムは通常、従来の既知の薬物をコントロールされた用量で輸送するために使われる貼布パッチである。
【0090】
先行技術で、経皮パッチは内部容器に含まれる液状薬剤が皮膚を通り、血流に入る速度をコントロールする特殊な膜を持つ。幾つかの従来の既知の医薬品は、かつて、担体、例えばアルコールと混合し、皮膚透過能力を高めていた。これまで、経皮パッチを使って投与されていた従来の既知の医薬品として、運動疾患患者へのスコポラミン、喫煙者へのニコチン、閉経期の症状および閉経後の変形性関節症予防のためのエストロゲン、狭心症患者へのニトログリセリン、帯状疱疹(帯状ヘルペス)患者の疼痛を和らげるリドカインが挙げられる。
【0091】
しかしながら、本発明によると、図7に示すように、予め決められた量(即ち、治療有効量)の様々な金属イオン、金属塩、合金、またはそれらの組合せを、好ましくは、適切な下面、または改良経皮パッチ80の投与チャンバ86に装填する。
【0092】
図7に示す経皮パッチ80の投与チャンバ86は、必ずしも必要でないが、好ましくは、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤28とした金属物質20を入れる。コロイド状懸濁剤28は、好ましくは、準透過性膜88により皮膚136の外膜と隔てられている。この膜88は、この区分けを維持し、そこから放出される金属物質20の放出速度をコントロールするため、投与チャンバ86の壁を形成する。付着層90は、膜88と皮膚136の間の連続した層(表示せず)を成すか、より好ましくは、図7の全体的な図に示すように、膜88周囲の同心円構成を成す。この付着層90は、パッチ80の様々な構成要素を互いに付着させ、また皮膚136にパッチ80を付着させる働きがある。裏張り層82は、図6と図7に示す経皮パッチ80の最外層を成し、好ましくは、環境から金属物質20のコロイド状懸濁剤28を保護し、金属物質20の喪失を防ぎ、内容物を支える働きがある。
【0093】
図8は、本発明による経皮パッチ80の別の実施例を示し、これは単層で金属を含有する付着システムの形体を成す。同様な構造を表示する際、全ての図面で同じ参照番号を使った。図8に示す経皮パッチ80の特徴は皮膚接触付着層90の中に直接金属物質20を含有する点である。図8に示す経皮パッチ80は、付着層90が皮膚136に付着する働きがあるだけでなく、治療用量の金属物質20の基盤となり、金属物質20と賦形剤を裏付け層82の下に含有する。
【0094】
図7と図8に示すように、経皮パッチ80、好ましくは、金属物質20を放出し、皮膚136の外層を通って有機体の血流139中に進入させる。金属物質20を血流139に導入するのが望ましい場合、血流の方向(図7と図8では全体的に矢印「D」で示す)が望ましい標的に金属物質20を運ぶと思われる。
【0095】
図6から図8に示す経皮パッチ法は、上記で検討したように、必ずしも必要でないが、好ましくは、同様の電気を使わない実施例と電気を使う実施例で等しく応用される。
【0096】
この事実にも関わらず、経皮パッチ法の電気を使う実施例では図6から図8に示すように、好ましくは、電極が金属物質20(或いは、その他の電導素材)で形成され、経皮パッチ80に埋め込まれている。図7と図9の考察で最も良くわかるように、好ましくは電極30に電流を流し、治療有効量の金属物質20を経皮パッチ80から有機体の皮膚136と血流139に輸送するように促す。
【0097】
内部電流原、例えばバッテリ(表示せず)および/または外部電流源、例えば裏付け層82の外面に形成された電気接点84に接続できるワイヤ32(図6から図8参照)から、経皮パッチ80の電極30に電流を流すことができる。或いは、スタンガン型ダーマルプレス(dermal press)(表示せず)を接触させて電極30に電流を流すことができる。
【0098】
即ち、電気を使う実施例では、上述した電気を使わない実施例と同様に経皮パッチ80は、必ずしも必要でないが、好ましくは、さらにスタンガン型の装置で活性化させることのできる針または角状の銀でできた電極30(或いは、その他の金属イオンまたは合金、若しくはこれらの組合せ)が付いている。この方法で非常に微量の電気ショックが有機体の皮膚136に伝えられるが、金属イオンが表皮および/またはその下の領域に通過するのを促すには充分である。
【0099】
本発明の実施例によると、図9と図10に示すように、輸送方法に、針型経皮パッチ、或いは「穿刺」パッチ法が含まれる。この方法は上記の経皮パッチ法に似ており、図6乃至8に示すが、好ましくは、さらに幾つかの小さな針状突起物、または針92がパッチ80の下側にある。同様の構造を表示する際、全ての図面を通して同じ参照番号を使った。
【0100】
図10の検討で最も良くわかるように、電極30は好ましくは投与チャンバ86の周囲で同心円リング状を成している。本発明の本実施形態によると、電極30は、好ましくは、さらに針92の形成を成し、この針は必ずしも必要でないが、好ましくは金属物質20でできている。好ましくは、経皮パッチ80’の針92の少なくとも1本は有機物の皮膚136の外層を事実上貫通する。図10で最も良くわかるように、針92(銀、または別の金属でできている)は、好ましくは金属イオン24を輸送するため電極30として作用する。もちろん、その他の金属(即ち、銀以外の金属)を使って相当する金属イオンを輸送することができる。
【0101】
上記で検討した他の経皮パッチ80と同様に、本発明によると、ニードル型経皮パッチ80’の下側は、金属イオン24、金属塩22、合金、またはその組合せで飽和されており、外部の電流源、例えばワイヤ32(図9と図10に示す)、またはスタンガン(表示せず)、或いは遠隔操作可能なバッテリシステム(表示せず)で活性化できる場合とできない場合がある。電流を導入すると、好ましくは、定量の電流が放出され、金属イオン24、金属塩22、合金、またはその組合せが、実際に表皮136および/またはその下層に移動する。局所軟膏と金電極を組み合わせると、実際、双方の効力が増強すると考えられる。電圧、電力、電流の正確な値は変更可能で、従って多くの試験は安全電気刺激を約1.0ボルト、約0.01アンペア、或いはそれに近い値とし、これは定格電力約0.01ワットに相当する。逆転電力モードも使用できる。
【0102】
本発明の別の実施例によると、図11乃至図14に示すように、輸送方法にカプセル化ボーラス法が含まれる。先行技術によると、カプセル化ボーラス法は先行技術の経皮パッチに非常によく似た作用と外観であるが、パッチの下面にある金属塩は、カプセル化した、或いはカプセルで覆った大きな丸い領域、或いはボーラスを成す。図12乃至図14、およびその他の図面で、同じ様な構造を表示する際、同じ参照番号を用いた。
【0103】
本発明に採用したカプセル化ボーラス装置の先行技術の一つは、2004年8月10日にジョシ(Joshi)に発行された米国特許第6,775,570号で公開され、この特許の内容については本発明で参照文献として扱う。図11で全体的に示すように、Joshi特許は、低コストで正確な単回使用のディスポーザブル型のイオン導入溶液輸送装置、またはカプセル化ボーラス装置100を開示している。この装置はコンテナ構造によりカチオンチャンバ30aとアニオンチャンバ30bを分離し、身体に治療イオンの流入を促進するような配置となっている。Joshi装置は、望ましくは、イオン輸送プロセスでガルバーニ電池より多くの起電力を安全に発生させる頑丈なミニバッテリを使い、ヒトの身体用電極に適した電極を持つ。ミニバッテリは、カチオンチャンバ30aまたはアニオンチャンバ30bの一方または双方にある。この装置100の効率を高めるため、身体に対して並列な回路108の中に回路コンポーネント106を一つ以上配置している。例えば、電気回路コンポーネント106は、あらゆるバッテリ容量−通常、1分間に約1ミリアンペアから1分間に約500ミリアンペアの範囲−に相当する時間間隔である量の有益物質の輸送をコントロールするために備わったシャント抵抗と考えられる。Joshi特許は、チャンバ内に基質があり、電極または治療薬を保持するために使われている。このJoshi特許の基質は、電導性端末近くの化学物質の分極化に抵抗するため電導性であってもよい。Joshi特許に従うと、カチオンチャンバとアニオンチャンバ、30aと30bはサイズおよび/または形状が異なってもよいため、治療薬を正しいチャンバに用意に設置できる。
【0104】
本発明は、好ましくは、Joshi特許が開示したカプセル化ボーラス装置100の改良バージョンに、金属イオン、金属塩、合金、或いはその組合せを適用したものである。
【0105】
具体的な図12乃至14を参照すると、本発明によるカプセル化ボーラス法でカソード30aがカプセル化ボーラス装置100の中にあるカチオンチャンバ102に事実上近接する部位に埋め込まれている(図13を参照して説明した通り)。同様に、アノード30bはカプセル化ボーラス装置100の中にある別のアニオンチャンバ104に事実上近接するように埋め込まれている。治療有効量の金属物質20は、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤になっており、アニオンチャンバ104とカチオンチャンバ102の少なくとも一つ(必ずしも必要でないが、好ましくは双方)に埋め込まれている。
【0106】
アノード30bとカソード30aの少なくとも一方に最初に電流を流すと、カプセル化ボーラス装置100がアニオンチャンバ104から有機体への治療有効量の金属物質20の輸送を促し、皮膚136の外層を通過させる。必ずしも必要でないが、より好ましくは、金属物質20がさらに深く有機体の血流139に入り、血流「D」に乗って好ましい標的部位に運ばれる。
【0107】
好ましくは、本発明により開示された、この新規の創意に富むカプセル化ボーラス法は、電流が経時的に事実上変化し、逆転電流である。
【0108】
このため、最初に電流を逆転させると、図14に示すように、上述した図13に示す以前のアノード30bとカソード30の位置は、必ずしも必要でないが、好ましくは、効果的に逆転する(図14に示す)。
【0109】
電流が逆転すると、カプセル化ボーラス装置100は、好ましくは、図14に示すように(図13に示すカチオンチャンバ102参照)、アニオンチャンバ104から治療有効量の金属物質20の輸送を促し、有機体の皮膚136の外層を通過させる。好ましくは、金属物質20がさらに、有機体の血流139に入り、同様に血流「D」により望ましい標的部位まで運ばれる。
【0110】
事実上全ての治療用量の金属物質20が有機体の皮膚136の外層を通って輸送されるまで、電流を何度も逆転させることができる。
【0111】
上述した経皮パッチ80、80’と同様に、針または角(表示せず)が先行技術のJoshi構造に付いていることがあり、これは、同様に、スタンガン型の装置で活性化されて、非常に低レベルの電気ショックが与えられ、表皮136および/または下層領域への金属物質20の進入を促す。即ち、本発明によると、スタンガン型ダーマルプレス(表示せず)を接触させることにより、またはカチオンチャンバ102とアニオンチャンバ104の一つ以上に事実上接する1個以上のバッテリにより、カプセル化ボーラス装置のアノード30bとカソード30aの少なくとも一方に電流が流れる。Joshi装置と同様に、電気回路シャント抵抗コンポーネントが皮膚136と並列回路を成し、予め決められた電流を予め決められた時間間隔で皮膚136に流すことができる。Joshi特許を参照して上述されたように、この有機体には約1分間に1ミリアンペアから1分間に約500ミリアンペアの範囲の電流が事実上流れる。
【0112】
本発明のさらなる実施例によると、図15と図16に示すように、輸送方法として、針または「穿刺」カプセル化ボーラス法が含まれる。これらの方式は、上記のカプセル化ボーラス法および穿刺パッチ法の双方と多くの共通点がある。同様の構造を表示する時、全ての図面で同様の参照番号を使った。図15と図16に示すように、穿刺カプセル化ボーラス法はさらに、好ましくは、穿刺カプセル化ボーラス装置100’の下側に任意の数の小さな針状突起物、または針92を持つ。針92は、必ずしも必要でないが、好ましくは、穿刺カプセル化ボーラス装置100’のアノード30bとカソード30aから出ている。比較的わずかな違いであるが、図15と図16に示す穿刺カプセル化ボーラス装置100’の針92は、膜88と裏付け層82の双方の下にある事実上連続した付着層90の内にあるように描かれている。
【0113】
針92は、必ずしも必要でないが、好ましくは、金属物質20でできている。好ましくは、穿刺カプセル化ボーラス装置100’の針92の少なくとも1本は、有機体の皮膚136の外層を事実上貫通する。
【0114】
電流が最初にアノード30bおよびカソード30aの少なくとも一方に流れると、穿刺カプセル化ボーラス装置100’は、アニオンチャンバ104から治療有効量の金属塩22、並びにアニオンチャンバ104に隣接する針から金属イオン24が有機体の皮膚136の外層を通過して輸送されるのを促す。必ずしも必要でないが、より好ましくは、金属塩22と金属イオン24が、さらに、有機体の血流139に入り、血流「D」に乗って望ましい標的部位に運ばれる。
【0115】
好ましくは、本発明に従って開示された新規且つ創意に富む穿刺カプセル化ボーラス法では、電流が事実上経時的に変化し、逆転電流である。
【0116】
このため、最初に電流を逆転させると、図16に示すように、上記で説明した図15に示すアノード30bとカソード30aの前位置が、必ずしも必要でないが、好ましくは、効果的に逆転する(図16に示す)。
【0117】
電流が逆転すると、穿刺カプセル化ボーラス装置100’は、好ましくは、治療有効量の金属塩22および/または金属イオン24が図16に示すアニオンチャンバおよび/またはアニオンチャンバの事実上近接部から輸送されるのを促し(図15に示すカチオンチャンバ102参照)、有機体の皮膚136の外層を通過させる。好ましくは、金属塩22と金属イオン24がさらに、有機体の血流139に入り、ここで同様に血流「D」に乗って望ましい標的部位に運ばれる。
【0118】
事実上、全ての治療量の金属物質20が穿刺カプセル化ボーラス装置100’から有機体の皮膚136の外層を通って輸送されるまで、電流を何度も逆転されることができる。
【0119】
経皮パッチおよび/またはカプセル化ボーラスシステムは、必ずしも必要でないが、通常、エンハンサーまたは促進プロセス−皮膚の透過性を増加させる機序またはプロセス−を追加および/または使用する場合があり、場合によっては、ボーラス用量を輸送および/または作り出すタイミングを取る機構も備わっている。薬物輸送を促進するために利用できるエンハンサーおよび促進プロセスは多数あり、その中には、恐らくイオン導入、超音波、ゲルを含む化学物質、微小針、超音波療法、レーザー、電気穿孔法が含まれる。
【0120】
本発明のさらなる実施例によると、図17、および図19A乃至19Cに示すように、輸送方法として、消化可能な可溶性カプセル法が含まれる。先行技術として可溶性ゼラチンカプセルが知られている。このようなゼラチンカプセルはまた、消化管チューブガイドやスティフナーと組み合わせて使われることが知られている。このタイプで特に有益な可溶性装置は、当初消化管病変の試料を採取するために作られた装置で(ビール(Beal)に付与された米国特許第5,738,110号参照;この特許を参考文献としてここに組み込む)、蜜蝋と鉱油でできた柔軟な抵抗材料を含むゼラチン製医用カプセルが挙げられる。
【0121】
本発明の方法によると、図17で最も良くわかるように、薬剤学的に許容可能な用量(即ち、治療量)の金属塩、金属イオン、合金、或いはそれらの組合せを、適切な薬剤学的な希釈剤および/または担体でコロイド状懸濁剤として、一般にBealが述べるように製造したカプセル110の内側チャンバ112に入れることができる。ゼラチンカプセル110の開放端は、好ましくは紐114がついており、これがカプセル110の穴から出ている。本発明によると、患者(表示せず)は、好ましくは、紐114の遊離端を持ち、カプセル110を飲み込む。ゼラチンカプセル110は胃酸環境で溶解し、コロイド状懸濁剤が放出される。
【0122】
本発明によると、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の金属が、可溶性カプセル110の内側チャンバ112に充填されている。可溶性カプセルは、有機体の気管(表示せず)または食道(表示せず)の少なくとも一つから挿入し、カプセル110が溶解すると、治療有効量の金属が、好ましくは、有機体の肺および食道の少なくとも一つに輸送される。
【0123】
本発明によると、前述のBeal装置に由来するゼラチンカプセル110は、カプセル110に繋がる紐114が電導体で、カプセル110の内側の先端部116に金属物質(例、本明細書で検討したような銀、またはその他の金属イオン、塩、合金、或いはそれらの組合せ)の尖端を持つ小さな電極30が付くように改良された。電導性の紐114は、好ましくは、生体適合性のある絶縁材料118でコーティングされている。
【0124】
本発明によると、電導性の紐114に低電圧をかけると、ゼラチンカプセル110が融解し、金属イオン電極30が曝露し、電極30から患者の胃または肺に金属イオンが噴霧されるような条件を作り出して、そこにある病原体を処理する。肺では、紐114を気管に挿入し、さらに、金属イオンの噴霧放射に望ましい肺部位まで挿入する。先端が銀イオンの電極30は、必ずしも必要でないが、好ましくは、胃と肺の病原体を治療する上で特に有利である。紐114と電極30の長さとその他の寸法は、もちろん、好ましくは、回収過程(即ち電導体を引き出して抜去する)で患者の組織を穿刺したり、亀裂させないほど、充分小さいものである。
【0125】
図19Aから図19Cに示す方法は、図17を参照して、上述したゼラチンカプセル法を改良したものであるが、少なくとも消化管チューブガイドとスティフナーを一緒に使う限り(これらの構造はカテーテル120に事実上類似しており、ルーメン126と第一の電極126を備えている)、カテーテルに似た点があり、以下に説明する電極カテーテルの考察でさらに理解できると思われる。ここでも、同様の構造を表示する時に、同じ参照番号を使った。
【0126】
本発明の別の実施例によると、図18Aと図18Bに示すように、輸送方法として電極カテーテル法が含まれる。電極カテーテルによる輸送は、一般に、治療金属(例えば、銀)イオンが専門的な治療の基で投与される場合に好ましい。通常、本発明による電極カテーテル法は、銀ワイヤ、および/またはその他の金属ワイヤを中枢血管循環内に入れ低電気エネルギーを流して銀および/またはその他の金属イオンを生成させ、血液供給によりこれら金属の分布を促す治療方法である。
【0127】
先行技術である、2000年5月23日にフィールズ(Fields)およびバリス(Burris)に発行された米国特許第6,066,489号(参考文献としてここに組み込む)は、低レベルの直流電流を使って、ウイルス性病原体を破壊する正の粒子を様々な金属から生成させて、血液媒介性の病原体を破壊する方法と装置を開示している。Fields・Burris特許では、金属、例えば銀の第一の電極を患者の静脈系に挿入すると説明している。その後、第二の電極を第一の電極近くの患者体表面に設置する。次に、低レベルの電流を第一の電極に流して、攻撃的なウイルスと結合する銀カチオンを放出し、ウイルスを変性させる。Fields・Burris特許によると、第一の電極は、カテーテルを介して感染患者の静脈系に留置される。
【0128】
本発明は、金属イオン、金属塩、合金、またはその組合せを、以下に説明するように、特別に設計された処方と一緒に、患者治療用の選択材料として使用することができる。従って、本発明によると、図18Aと図18Bに示すように、電導体124がカテーテル120のルーメン122内に入っており、第一の電極126がルーメン122から出て、有機体(表示せず)の血流中に入っている。第一の電極126は、好ましくは、電導体124と電気的に繋がっている。第二の電極128は、有機体の皮膚上に留置するか、他の血流中に留置する。外部電流源(表示せず)から電流を電導体124と第一の電極126に流すと、治療有効量の金属が上記有機体の身体中に輸送される。
【0129】
第一の電極126は、必ずしも必要でないが、好ましくは、電導体124の一部を事実上コーティングした金属物質のコーティング部分である。
【0130】
必ずしも必要でないが、恐らく電解液がイオン化し、第一の電極126上を通り、この時、治療有効量の金属がイオン化した電解液から上記有機体の身体内に輸送される。
【0131】
本発明によると、外部電流源は交流、直流いずれであってもよい。
【0132】
しかしながら、本発明により開示された新規且つ創意に富む電極カテーテル法は、電流が経時的に事実上変化することがあり、より好ましくは、逆転電流である。
【0133】
本発明の具体的な実施例によると、電極カテーテル法では、同法の実施前および実施中に有機体を事実上水和させる処方を適用し、水和条件下で実施することができる。
【0134】
これは、手技前および手技中に患者を水和する明確なプログラムされた処方を使う手法である。手技前の許容可能な水和処方として、指定された期間中に清潔な水を経口摂取することが含まれる。手技中、無菌リンガー液、等張生理食塩水、或いは同様の製品を使用することができる。最大限の結果を得るには、手技前および手技中に患者を水和しなければならない。
【0135】
電極カテーテル法、および上記で検討した水和カテーテル法によると、IVギビングセットとIVカニューレ、またはアボキャス(Abbocath)またはイントラキャス(Intracath)、並びにY字コネクタのある他の機器を使うことができる。先端を金属イオン、金属塩、合金、またはこれらの組合せでコーティングした、正しい長さの準備された無菌ワイヤを、好ましくは、カニューレ(および/またはカテーテル)に挿入し、金属イオン先端をカニューレの遠位端に持っていく。
【0136】
血流、充電量、およびタイミングを維持および監視するために、プログラム可能な適切な電力源、またはACまたはDCバッテリーが必要である。
【0137】
別のワイヤのコイルがIVボトルの周囲に巻き付けてあり、コントロールされた電力をかけると、電磁場が生成され、電解液がイオン化される。
【0138】
電荷を帯びた電解液が銀または適切な金属イオンの先端部を通るため、銀または金属イオンの先端部からイオンが放出される。理想的な先端部は銀、銅、および白金の組合せである。白金は先端部表面の腐蝕を防ぎ、銅は電導性を与える。ここでも逆転電流をかけることができる。
【0139】
上記で検討した創意に富む方法の様々な実施例を全て見ると、説明された電気を使う実施例の作動する方法をさらに検討する価値があると思われる。
【0140】
電気を使う実施例の利用では、一定の電流を電導性物質から通し、電流を金属から別の電導性媒体、例えば、溶液に流す場合、2つの物質の接面は電気的特性と誘電的特性の双方を兼ね備えることがある。
【0141】
この接面における電流の作用で、一般に、金属が接面で溶液と反対の極性を持つ電荷にイオン化すると考えられる。
【0142】
反対の電荷の引き寄せ合い、同じ電荷は反発するため、イオン化した金属は一般に電導体から反発し、溶液中に引き寄せられると考えられる。溶液中の金属イオンは拡散、電気的反発、および/または液体の流れにより液体溶媒中に分散すると考えられる。
溶液中で、これら電荷を帯びた金属イオンは、一般に、反対側の電荷を持つ病原体の有効な分極部位に引き寄せられる。
【0143】
本明細書で取上げた様々な適用の検討は、必ずしも必要でないが、好ましくは、図示されていないが本発明の範囲に含まれるその他の実施例にも、一般に適用できると考えるべきである。
【0144】
上記で検討した創意に富む方法の様々な電気を使う実施例の全てを見ると、説明された電気を使う実施例が先行技術とどのように異なるかをさらに検討する価値があると思われる。
【0145】
電流を使った金属イオンの生成では(本明細書で具体的に説明した治療応用のほとんどで、銀が好適なイオンである)、その過程で通常、酸化した金属が電導体と溶液の間で沈着する。この型の腐蝕は接面で誘電率を増加させ、進行中の金属イオンの産生を妨害する。この腐蝕は電圧の向きに影響され、本発明によると、電場の電位が逆転すると、好ましくは(必ずしも必要でないが)、この沈着も逆転することがかなり明らかになっている。
【0146】
金属イオン産生と金属酸化物沈着の時間定数は異なる。本発明の幾つかの実施例は、非対称的な時間スケジュールに従って、一定電流を逆転させることにより、差分時間定数を利用している。幾つかの電気を使う実施形態では、この電流逆転スケジュールは正方向に約10秒、逆方向に約1秒の電流を非対称的なデューティサイクルに従って交互に流す逆転DC電流で、約15分間このスケジュールを継続する。
【0147】
若しくは、逆転電流は正方向に約1秒と逆方向に約1秒の事実上均等なデューティサイクルに従って交互に流す逆転DC電流とし、このデューティサイクルを前述したように事実上約15分間継続する。
【0148】
この時点で、具体的にHIVに関して、本発明で考えられる利用を簡単に検討してみる。本発明にとって必須でないが、金属イオン、例えば銀の攻撃的な正電荷がウイルスの近くに来ると、金属イオンがウイルスのコアの陰極性に引き寄せられると一般に考えられている。HIVの場合、本発明にとって必須でないが、このように引き寄せられることで、金属イオンとHIVコアの負の極性との間でイオン結合が形成されると一般に考えられる。本発明にとって必須でないが、このイオン結合により金属イオンとウイルス蛋白の間で電子交換が起こり、ウイルス蛋白の変性またはウイルスRNAの破壊が起こり、ウイルスを死滅させると考えられる。ウイルスが死滅すると、患者の腎臓で血液中から除去される。
【0149】
上記で検討したように、銀イオンはHIV/AIDSと敗血症の治療の双方に特別に応用できる。本発明にとって必須でないが、銀イオンは生理食塩水やその他の電導性溶液、例えば血液中で、金属銀に電流を通すと、多量に生成されると一般に考えられている。事実、このために必要な電流量は心臓の筋肉を変化させるために必要な電流量よりはるかに少ないと考えられる。銀イオンは正の電荷を帯びているが、ウイルスや細菌は一般に弱い負の電荷を帯びていると考えられている。従って、イオンとウイルスおよび細菌などの有機体との間に相互引力が働き、最終的にイオンが後者を不活化させる。
【0150】
血液中で銀がイオンの形で存在する時の半減期は約7.8秒と計算されており−この期間は、特に大きな血管、例えば多様な静脈が集まって心臓に直接注ぐ上大静脈などの血管に直接輸送される場合、銀イオンが多くのビリオンと反応するのに充分な時間である。このような状況で、心臓に入る血液は直ちに肺やその他の臓器に送り出され、銀イオンが標的に到達した段階で、まだ活性があると考えられる。
【0151】
特に、猫とある種の霊長類は、HIVに似たレトロウイルスが原因で致死的な感染症が発症することが明らかになっている。ネコ免疫不全ウイルス(FIV)は唾液を介して、例えば、噛むことで他のネコに感染すると考えられる。FIV感染ネコに銀イオンを使った電極カテーテル法が適用できると考えられる。
【0152】
ヒトでは、同様の銀電極カテーテル療法が瀕死のエイズ患者に適用できると考えられる。このような状況で、患者は最初12分間2.5マイクロアンペア、その後72時間125マイクロアンペアで治療される。このような試行は、必ずしも必要でないが、ウイルス負荷を急激に低下させると考えられる。このような試行で利用されるカテーテルは、鎖骨下静脈(鎖骨の裏側にある)に埋込んで右心耳まで延ばし、カテーテルの端から電極を出す。ただし、ここで考えられる問題の一つは、電極が比較的急激に酸化され、約5日以内に、イオン生成がかなり低下する、および/または停止することがある。このような状況では、銀電極を取り出し、頻繁に取り替えなければならないと考えられ、治療プログラムの有効性を損なう可能性がある。
【0153】
(試験手順と結果の例)
本発明に従って実施された試験は、レベルIII施設にてHIV感染細胞と非感染細胞を使ったインビトロ(in vitro)感染試験である。感染を確立するため、MIO 0.5のウイルス用量を培養フラスコに添加した。対照および試験フラスコの上清でp24抗原の存在を調べた。その後、無菌銀電極を培養フラスコに入れて電流を流し、銀イオンを発生させたフラスコと、発生させないフラスコで細胞を培養した。細胞にウイルスを接種した後、0、1、5、10、および30分間、電流を流した。細胞を7日間培養し、上清のp24抗原濃度を測定した。
【0154】
本試験で使用した細胞はCEM−SS培養ヒトリンパ球で、HIV誘導合胞体を検出および監視できる。細胞はRPMI強化培地(20%ウシ胎仔血清;FCS)中で増殖させ、5%CO強化組織培養インキュベーターで摂氏37度に維持した。過去に感染させたCEM−SSストック懸濁液から調整したHIVIIIBを使って、0.5反復投与で感染させた。
【0155】
本発明に従って実施した本試験では、銀カテーテルを組織培養フラスコに差込み、密封した後、フラスコをガス滅菌した。治験責任医師の一人(RE)が9ボルトのバッテリーから送電し、1.0ミリアンペアの定常電流を流すように設計した専用の装置に銀電極を接続し、銀イオンを発生させた。
【0156】
細胞生存は、トリパンブルー染料の除去により決定した。培養上清のHIV p24抗原濃度は抗原捕獲アッセイで測定した。
【0157】
各実験は3重検体で実施し、3度繰返した。銀イオンに曝露した細胞と曝露しなかった細胞の違いを分散分析で比較した。
【0158】
本発明に従って実施したこの最初の試験で、銀電極に流す1.0ミリアンペアの電流が非感染培養ヒト細胞の生存能を低下させず、この電流レベルが細胞に優しいと考えられ、その後の試験で標準レベルとして利用した。
【0159】
非感染ヒトCEM−SS細胞は、帯電した銀イオンへの長期間曝露(10分間)で、生存能が有意に低下しなかった(表1参照)。
【0160】
(表1)細胞生存能
正常細胞と感染細胞に及ぼす銀イオンの影響
0分:(治療せず)
非感染細胞:100%
HIV感染細胞:20%
1分間の治療:
非感染細胞:99%
HIV感染細胞:37%
10分間の治療:
非感染細胞:97.5%
HIV感染細胞:54%
【0161】
予想通り、電流を流さない場合、HIVIIIBで感染させたCEM−SSの培養で顕著なHIV仲介型合胞体形成と細胞死が見られた。反対に、HIVに予め曝露した細胞に銀電極から1.0mAの電流を流すと、細胞生存能が著しく増加し、HIVの細胞変性効果が減少した。電流の有益作用が最も著しく表れたのは、10分間の銀イオン曝露で(表2)、銀イオン治療を行なわなかった感染細胞と比べて、細胞生存率が25%超増加した。
【0162】
(表2)曝露7日後の細胞生存能
HIV感染細胞に治療時間が及ぼす効果は、10分間が最適と考えられる
0分:(治療せず)
HIV感染細胞:20%
1分間の治療:
HIV感染細胞:37%生存
5分間の治療:
HIV感染細胞:45%生存
10分間の治療:
HIV感染細胞:54%生存
30分間の治療:
HIV感染細胞:28%生存
【0163】
これらの所見は、HIV曝露細胞の培養上清で、HIV感染の信頼性の高い量的指標であるp24抗原を定量して確認した。また、上清分析で1.0mA銀電極電流の曝露時間が増すと、p24抗原の定量値が著しく低下した(上記表1参照)。この電流を10分間流すと、p24抗原が減少した。非感染細胞では、この電流で銀イオンと共に細胞を培養しても生存能が低下しなかった(上記表1参照)。反対に、HIV感染細胞の生存能は低く、通電時間に伴って改善されるようであった(上記表2参照)。
【0164】
反対に、HIVに予め曝露したヒト細胞培養に銀電極から1.0mAの電流を流すとp24抗原濃度が著しく低下した(上記表1参照)。30分以上通電すると、HIV曝露培地のp24抗原濃度が56%低下した(p<0.05)。
【0165】
HIV感染の多くの既存治療は、抗レトロウイルス薬を使用しているが、これはHIVに有効であると同時に、多くの有害作用と関連する。ただ、上述したように、重要な問題は、長期の治療に対してウイルスが次第に抵抗力を増すウイルス耐性である。従って、新たな抗レトロウイルス薬が現在開発中である。また、HIV感染とAIDSの多くの新規治療が現在評価されている。発明者の知る限りにおいて、本発明により上記で詳述した試験は、金属イオン、この場合銀イオンを抗ウイルス介入治療として利用した最初の試験である。
【0166】
この発明にとって必須でないが、本試験は低電圧電流で発生させた銀イオンと共に細胞をインキュベーションするとHIV−1の細胞感染能力が抑えられることを証明したと思われる。この結果は非感染細胞の生存能を変化させないと思われるが、HIV感染細胞の生存能は短期的に変化すると思われる。この効果はわずか30分間の銀イオンとのインキュベーションで1週間後でも証明されたことが、特に画期的である。
【0167】
本発明にとって必須でないが、銀イオンが抗感染作用を発現する方法は明らかでないものの、幾つかの可能性が考えられる。ウイルスに感染した細胞数の減少、或いは銀に曝露した細胞でウイルス複製の減少が考えられる。これ以外にも多くの可能性がある。
【0168】
通常、血液中で検出される銀は少量で、約100パーツパーツビリオンであると一般に考えられている。高濃度の銀イオンが標的とする物質は、スルフヒドリル基を含む幾つかの物質が考えられる。銀イオンは、細菌の活動を調整する幾つかの細菌蛋白のスルフヒドリル基を標的とすることが指摘されている。従って、上記で詳述した試験で金属イオンが同様の効果を仲介し、ウイルスの複製や病原性、例えばHIVの逆転写にとって必須の蛋白質を不活化させると考えられる。
【0169】
特に、現在までこの治療による顕著な副作用は観察されていない。他の利用可能なHIV経口治療、例えば、他の医薬品と併用するプロテアーゼ阻害薬と異なり、銀イオン治療は一般に、非常に忍容性があり、顕著な毒性がない。しかし、銀治療の使用に全くリスクがないわけではない点を指摘すべきであろう。主に高用量の銀の長期適用に関連した銀中毒の症状は良く解明されているが、一般的に本発明の範囲を逸脱している。この症状は皮膚が青灰色から灰色に変色するものであるが、この症状があるにも関わらず、他の臓器への有害作用はほとんど証明されていない。
【0170】
同様に、銀イオンと共に5分間インキュベーションするとp24濃度が最初に増加し、その後減少に転じる点を指摘すべきであろう。初期曝露はある程度、細胞を活性化し、HIV−1が細胞に感染する能力を高めると考えられる。
【0171】
この作用を生体内で最適に適用するには、当業者の通常の理解と能力の範囲内で、最適な電流と曝露時間をより良く定義する試験が必要と考えられる。従って、最適な電圧、曝露時間、および曝露経路を明解にしなければならないが、かなりの研究が遣り残されているにも関わらず、全て本発明の範囲内である。
【0172】
しかし、上記で説明した本発明による試験は、少量の銀イオンの存在下でHIVに細胞が曝露すると、曝露細胞のHIV感染が著しく減少することを証明する上で役立つと思われる。最新の抗レトロウイルス治療の問題点に関心が集まっており、これらの最新結果は、銀イオン治療がHIV感染とAIDSに対する戦いの中で最終的に価値のある、画期的な方法として役立つことを示唆している。
【0173】
従って、銀イオン治療はHIV感染の進行に大きな影響を与える可能性があり、AIDS患者の生活の質を著しく改善すると考えられる。同様に、銀イオン治療はその他の病気や状態、例えばB型肝炎やC型肝炎、およびパーキンソン病との戦いでも非常に有効であることが証明される可能性が高いと考えられる。
【0174】
上記より、本明細書で説明した方法が、細菌、ウイルス、真菌、および/または媒介動物による病的状態の治療だけでなく、ヒト、動物、および植物(例、バナナの樹)の健康を改善で使用されると考えられる。前述したように、いかなる有機体であっても金属輸送を適用することができ、種や有機体の体重に従って変更できると考えられる。
【0175】
特に動物に関して言えば、口蹄疫、リーシュマニア病、ブタコレラ、ジステンパー、汎白血球減少症、汎白血病、イヌ糸状虫、ヨーネ病、ネコ免疫不全疾患、および/またはこれらの一つ以上の状態に関連する症状を治療または予防治療するために、本明細書で説明した方法が一つ以上利用できると考えられる。
【0176】
特にヒトに関して言えば、シャーガス病、デング熱、リーシュマニア病、脳炎、リケッチア症、カンジダ症、結核、肺炎、敗血症、赤痢、ポリオ、はしか、水疱瘡、天然痘、おたふく風邪、エボラ出血熱、マラリア、眼感染症、筋肉変性、網膜劣化、癌の前駆体、HPV、皮膚癌、鼻腔咽頭癌、乳癌、前立腺癌、その他の癌、糖尿病、甲状腺障害、関節炎、移植拒絶反応、その他の自己免疫疾患、HIV、および/またはこれらの一つ以上の状態に関連する症状を治療または予防治療するために、本書で説明した方法が一つ以上利用できると考えられる。
【0177】
本発明に従った銀の使用はまた、火傷患者の治療、およびその他の細菌やウイルスに対する治療でも有効と思われる。
【0178】
もちろん、治療用の金属イオン、塩、合金を輸送する方法に従う実施形態の計画と製造で、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、その他の改良や修正を加えることがあるが、この改良や修正は付随する請求項により限定される。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明によるオートインジェクタの輸送方法の第一段階を示す。
【図2】図1のオートインジェクタの輸送方法の第二段階を示す。
【図3】図1のオートインジェクタの輸送方法の第三段階を示す。
【図4】図1のオートインジェクタの輸送方法の第四段階を示す。
【図5】本発明によるエアロゾル吸入器の輸送方法を示す。
【図6】本発明による別の好適な方法で使用可能なリザーバー経皮パッチの平面図である。
【図7】図6の使用中のリザーバー経皮パッチをライン7−7に沿った断面図である。
【図8】本発明によるさらに好適な方法で使用する薬剤付着経皮パッチを図7と同様に見た断面図である。
【図9】本発明による別の好適な方法で使用可能な、ニードル型経皮パッチの平面図である。
【図10】図9の使用中のニードル型経皮パッチのライン10−10に沿って切断した断面図である。
【図11】本発明のさらに好適な方法で使用可能な、カプセル化ボーラス装置の分解図である。
【図12】本発明の別の好適な方法で使用可能な、さらなるカプセル化ボーラス装置の平面図である。
【図13】図12の使用中のカプセル化ボーラス装置をライン13−13に沿って切断した断面図である。
【図14】逆転電流構成で使用するカプセル化ボーラス装置を、図13と同様に切断した断面図である。
【図15】本発明のさらに好適な方法の使用を示すもので、ニードルカプセル化ボーラス装置の図13と同様に切断した断面図である。
【図16】逆転電流構成で使用するニードルカプセル化ボーラス装置を図15と同様に切断した断面図である。
【図17】本発明による別の好適な方法で使用可能な、架空のラインで一部分を表した可溶性カプセルの側面図である。
【図18A】本発明によるさらに好適な方法で使用可能な、カテーテルの側面断面図である。
【図18B】図18Aのカテーテルの底面図である。
【図19A】本発明による別の好適な方法で使用可能な、可溶性カプセル/カテーテル装置の側面断面図である。
【図19B】本発明によるさらに好適な方法で使用可能な、別の可溶性カプセル/カテーテル装置の図19Aと同様の図である。
【図19C】本発明に従うさらに好適な方法で使用可能な、別の可溶性カプセル/カテーテル装置の図19Aと同様の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機体の身体における病気状態を治療する方法であって、前記方法は、
(a)シリンジ、オートインジェクタ、および穿刺輸送装置、頬包埋法、経皮パッチ法、およびエアロゾル吸入器技術より成る一群から選択した輸送方法を使って前記有機体の身体に治療有効量の金属を輸送するステップを含み、
前記金属は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそれらのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せよりなる一群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項2】
方法は、
(b)事実上前記輸送方法を利用する過程で、有機体の身体に電流を流す追加ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(b)において前記電流は事実上一定であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)において前記電流は事実上経時的に変化することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記電流は事実上間欠的であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電流は事前にプログラムされたスケジュールに事実上従って、経時的に事実上変化することを特徴とする請求項4および5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記電流は逆転電流であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記輸送方法は、前記シリンジ、オートインジェクタ、および穿刺輸送法の一つであり、
ステップ(a)の前に、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁液にした治療有効量の前記金属物質が、オートインジェクタの投与チャンバに充填されており、
ステップ(a)において前記オートインジェクタ装置は前記治療有効量の前記金属物質を含有する前記コロイド状懸濁剤を前記有機体の身体に輸送するために使用されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記輸送方法は前記シリンジ、オートインジェクタ、および穿刺輸送装置の一つであり、
ステップ(a)の前に、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁液にした治療有効量の前記金属物質が、オートインジェクタの投与チャンバに充填されており、前記投与チャンバの遠位端部に事実上接して電極を形成し、
ステップ(b)において前記電流を前記電極に流して、有機体の身体へ前記金属物質の前記輸送を促すことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記輸送方法は前記シリンジ、オートインジェクタ、および穿刺輸送装置の一つであり、
ステップ(a)においてオートインジェクタ装置が前記有機体の身体に治療有効量の前記金属物質を輸送するために使用され、
ステップ(b)において前記オートインジェクタ装置はさらに前記電流を流して、有機体の身体へ前記金属物質の輸送を促すことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記輸送方法は前記頬包埋法の一つであり、
ステップ(a)の前に、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁液にした治療有効量の前記金属物質がシリンジに充填されており、
ステップ(a)において前記シリンジは前記治療有効量の前記金属物質を含有する前記コロイド状懸濁剤を前記有機体の身体の口腔の歯肉面下に注入するために使用されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)の後、ステップ(a.1)において、薬剤学的に許容可能な密封剤を、歯肉表面に事実上接し、注入部に事実上接する箇所に塗布し、前記コロイド状懸濁剤がここから漏出しないようにすることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記輸送方法は前記経皮パッチ法の一つであり、
ステップ(a)の前に、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁液にした前記治療有効量の前記金属物質が、経皮パッチに包埋されており、
ステップ(a)において、前記経皮パッチが前記金属物質を前記有機体の身体に放出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記輸送方法は経皮パッチ法の一つであり、
ステップ(a)の前に前記金属物質でできた電極が経皮パッチに埋め込まれ、
ステップ(a)および(b)において前記電流を前記電極に流して、前記有機体の身体に前記経皮パッチから前記治療用量の前記金属物質の前記輸送を促すことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記経皮パッチはニードル型経皮パッチであり、
ステップ(a)の前に前記電極が、前記金属でできた1本以上の針部材の形状を成し、
ステップ(a)において、前記経皮パッチの前記針部材の少なくとも1本が前記有機体の身体の皮膚外層を事実上貫通することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(b)において、スタンガン型ダーマルプレスを接触させて前記電極に前記電流を流すことを特徴とする請求項14および15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記輸送方法はエアロゾル吸入器技術の一つであり、
ステップ(a)の前に前記金属物質の事実上粒子状部分が個別に薬剤学的に許容可能な担体でカプセル化され、
推進剤と一緒にキャニスターの容器に充填され、前記キャニスターはエアロゾル吸入装置に装填されており
ステップ(a)において、前記エアロゾル吸入装置は前記療用量の前記金属物質を、前記薬剤学的に許容可能な担体でカプセル化された前記粒子の形で前記有機体の呼吸器系に噴霧することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記輸送方法は前記エアロゾル吸入法(吸入器方法)の一つであり、
ステップ(a)の前に、前記金属物質の事実上粒子状部分が個別に薬剤学的に許容可能な担体でカプセル化され、推進剤と一緒にキャニスターの容器に充填され、前記キャニスターはエアロゾル吸入装置に装填され、前記キャニスターの遠位端部に事実上接する所に電極があり、
ステップ(a)および(b)において前記電流を前記電極に流して、前記エアロゾル吸入装置の前記キャニスターの近位端部から前記有機体の呼吸器系に、前記薬剤学的な治療有効量の前記金属物質を前記薬剤学的に許容可能な担体でカプセル化した前記粒子状の形で噴出輸送することを促すことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)において前記薬剤学的に許容可能な担体はゼラチンであることを特徴とする請求項17および18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(b)において、外部電流源から前記電極に前記電流を流すことを特徴とする請求項9、14、15および18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
有機体の身体における病気状態を治療する方法であって、前記方法は、
(a)消化可能な可溶性カプセル法、カプセル化ボーラス法、および電極カテーテル法から成る一群より選択した輸送方法を使って前記有機体の身体に治療有効量の金属物質を輸送し、
前記金属物質は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそれらのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せから成る一群より選択され、
(b)事実上、前記輸送方法の利用中に有機体の身体に電流を流し、
前記電流は事実上経時的に変化し、逆転電流である、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記輸送方法は上記の消化可能な可溶性カプセル法の一つであり、
ステップ(a)の前に、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁液にした前記治療有効量の前記金属物質が、可溶性カプセルの内側チャンバに充填されており、
ステップ(a)において前記可溶性カプセルを前記有機体の食道または気管の少なくとも一つに導入し、前記カプセルが溶解すると前記治療有効量の前記金属物質が前記有機体の肺または胃の少なくとも一つに輸送されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記可溶性カプセルは生体適合性のある絶縁材料に覆われた電導体の紐(string)部材の末部に固定されており、
(b)において前記ゼラチンカプセルが前述のように少なくとも有機体の気道に入った後、前記電流が外部電流源から前記紐部材に流れ、前記カプセルに含有された金属物質が帯電することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記輸送方法は前記消化可能な可溶性カプセル法の一つであり、
ステップ(a)の前に、可溶性カプセルは生体適合性のある絶縁材料に覆われた電導体の紐部材の端部に固定されており、前記紐部材は前記可溶性カプセル内にある電極と電気的に接続されており、前記電極は少なくとも前記金属物質でコーティングされており、
ステップ(a)において、前記可溶性カプセルは有機体の気管および食道の少なくとも一つに入り、その後ステップ(b)において前記電流が外部電流源から前記紐部材に流れ、そこから前記電極に流れて前記カプセルが融解し、前記治療有効量の前記金属物質が少なくとも前記有機体の肺および胃の少なくとも一方に輸送されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記輸送方法は前記カプセル化ボーラス法の一つであり、
ステップ(a)の前に、カプセル化ボーラス装置内にあるカチオンチャンバに事実上接するようにカソードが埋め込まれ、さらに前記カプセル化ボーラス装置内にある分離したアニオンチャンバに事実上接するようにアノードが埋め込まれ、薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした前記治療有効量の前記金属物質が前記アニオンチャンバと前記カチオンチャンバの少なくとも一つに包埋されており、
ステップ(a)および(b)において、前記電流が前記アノードと前記カソードの少なくとも一方に流れて、前記カプセル化ボーラス装置から前記有機体の身体への前記治療有効量の前記金属物質の輸送を促すことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(b)において、スタンガン型ダーマルプレスを接触させて前記カプセル化ボーラス装置の前記アノードと前記カソードの少なくとも一方に前記電流を流すことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(b)において、前記カチオンチャンバと前記アニオンチャンバの一つ以上に事実上接する所にある一つ以上のバッテリーによって、前記カプセル化ボーラス装置の前記アノードおよび前記カソードの少なくとも一方に前記電流を流すことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(a)の前に、電気回路シャント抵抗コンポーネントが身体に対して並列回路で配置され、ステップ(b)において所定量の前記電流が所定時間間隔で前記有機体の身体に流れることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(b)において、事実上1分間に約1ミリアンペアから1分間に約500ミリアンペアの間の電流が前記有機体の身体に流れることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記輸送方法は前記電極カテーテル法の一つであり、
ステップ(a)の前に、電導体がカテーテルのルーメン内にあり、第一の電極が前記ルーメンから前記有機体の血流中に延びており、前記第一の電極は前記電導体と電気的に接続しており、第二の電極が有機体の皮膚上に設置されており、
ステップ(a)および(b)において、前記電流が外部電流源から前記電導体に流れ、そこから前記第一の電極に流れて、前記治療有効量の前記金属物質が前記有機体の身体に輸送されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は水和条件下で実施され、前記方法を実施する前および途中で有機体を事実上水和させる処方を採用することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第一の電極は前記電導体の一部を事実上コーティングする前記金属物質のコーティングを含むことを特徴とする請求項30および31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(b)において、前記外部電流源は交流電源であることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(b)において、前記外部電流源は直流電源であることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(a)の前に電解液がイオン化し、少なくともステップ(a)および(b)の一つで、前記電解液が前記第一の電極上を通り、ステップ(b)において、前記治療有効量の前記金属物質が前記有機体の身体に輸送されることを特徴とする請求項30乃至34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(b)において、有機体の身体に事実上約0.5から約3.0ボルトの範囲内の電位がかかり、前記電流は事実上約0.001アンペアから約0.01アンペアの範囲内であることを特徴とする請求項2乃至7、請求項9および10、請求項14乃至16、請求項18、請求項20乃至35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記電位は事実上約1.0ボルトのオーダーで、前記電流は事実上約0.01アンペアのオーダーであることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記電位は事実上約1.5ボルトのオーダーであって、前記電流は事実上約0.01アンペアのオーダーで、定格電力は事実上約0.015ワットのオーダーであることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記金属物質は前記逆転電流により生じる銀イオンを含み、
前記逆転電流は約1秒間の正方向の電流と約1秒間の逆方向の電流が事実上均等なデューティサイクルに従って交互に流れる逆転DC電流であり、前記デューティサイクルは、前述したように、事実上約15分間継続することを特徴とする請求項7、請求項21乃至32、および請求項34乃至38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記金属物質は前記逆転電流により生じる銀イオンを含み、
前記逆転電流は正方向に10秒、逆方向に1秒の少なくとも部分的に非対称なデューティサイクルに従って交互に流れる逆転DC電流であり、前記デューティサイクルは、前述したように、事実上約15分間継続することを特徴とする請求項7、請求項21乃至32、および請求項34乃至38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記逆転電流はサイクル長の変化を含むことを特徴とする請求項7および請求項21乃至38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記逆転電流は電流高度の変化を含むことを特徴とする請求項7、請求項21乃至38、および請求項41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記逆転電流は電流を流す期間の変更を含むことを特徴とする請求項7、請求項21乃至38、請求項41および42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
細菌性疾患状態を治療することを特徴とする請求項1乃至43のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項45】
ウイルス性疾患状態を治療することを特徴とする請求項1乃至43のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項46】
真菌性疾患状態を治療することを特徴とする請求項1乃至43のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項47】
媒介動物を介する疾患状態を治療することを特徴とする請求項1乃至43のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項48】
動物の健康状態を改善することを特徴とする請求項1乃至47のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項49】
前記有機体の身体への前記金属物質の輸送は、前記有機体の種、並びに前記有機体の体重に従って変えることができることを特徴とする請求項48に記載の使用。
【請求項50】
口蹄疫、リーシュマニア病、ブタコレラ、ジステンパー、汎白血病、汎白血球減少症、イヌ糸状虫、ヨーネ病、ネコ免疫不全疾患、およびこれらに関連する症状の一つ以上の状態より選択される状態を持つ、または発症する恐れがある動物の健康を改善することを特徴とする請求項48に記載の使用。
【請求項51】
ヒトの健康を改善することを特徴とする請求項48に記載の使用。
【請求項52】
シャーガス病、デング熱、リーシュマニア病、脳炎、リケッチア症、カンジダ症、結核、肺炎、敗血症、赤痢、ポリオ、はしか、水疱瘡、天然痘、おたふく風邪、エボラ出血熱、マラリア、眼感染症、筋肉変性、網膜劣化、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択される状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項51に記載の使用。
【請求項53】
癌の前駆体、HPV、皮膚癌、鼻腔咽頭癌、乳癌、前立腺癌、その他の癌、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択される状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項51に記載の使用。
【請求項54】
糖尿病、甲状腺障害、関節炎、移植拒絶反応、その他の自己免疫疾患、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択される状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項51に記載の使用。
【請求項55】
HIV、およびそれに関連する症状より選択される状態を一つ以上持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項51に記載の使用。
【請求項56】
植物の健康を改善することを特徴とする請求項1乃至7、および請求項21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項57】
バナナの樹の健康を改善することを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
有機体の身体に金属物質を輸送する装置であって、前記装置は、
(a)治療有効量の金属物質を含み、前記金属物質は、銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそれらのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せより成る一群より選択され、
(b)前記金属物質を含み、前記治療有効量の前記金属物質を有機体の身体に輸送する輸送装置であって、前記輸送装置は、オートインジェクタ装置、経皮パッチ、およびエアロゾル吸入器より成る一群より選択されることを特徴とする装置。
【請求項59】
前述したように、前記治療有効量の前記金属物質を事実上輸送する過程で、有機体の身体に電流を流すために用いる電源をさらに含むことを特徴とする請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記電流は前記電源により事実上一定に維持されることを特徴とする請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記電源は事実上前記電流を経時的に変化させることを特徴とする請求項59に記載の装置。
【請求項62】
前記電源が誘導する前記電流は事実上間欠的であることを特徴とする請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記電源は、プログラムされたスケジュールに従って、事実上経時的に前記電流を変化させることを特徴とする請求項61および62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項64】
前記電源はプログラムされたスケジュールに従って前記電流を定期的に逆転させ、前記電流は逆転電流となることを特徴とする請求項61乃至63のいずれか1項に記載の装置。
【請求項65】
薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の前記金属物質を含み、
前記輸送装置は前記オートインジェクタ装置であり、前記オートインジェクタ装置は前記コロイド状懸濁剤を入れる用量チャンバを含むことを特徴とする請求項58乃至64のいずれか1項に記載の装置。
【請求項66】
薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の前記金属物質を含み、
前記輸送装置は前記オートインジェクタ装置であり、前記オートインジェクタ装置は用量チャンバと電極を含み、前記コロイド状懸濁剤が前記用量チャンバに入っており、前記電極は前記用量チャンバの遠位端部に事実上接する所にあり、
前記電源が前記電極に前記電流を導入して、前記治療有効量の前記金属物質の前述した輸送を促すことを特徴とする請求項59乃至64のいずれか1項に記載の装置。
【請求項67】
薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした治療有効量の前記金属物質を含み、
前記輸送装置は前記経皮パッチで、前記経皮パッチにはコロイド状懸濁剤が放出可能に埋め込まれていることを特徴とする請求項58乃至64のいずれか1項に記載の装置。
【請求項68】
前記輸送装置は前記経皮パッチであり、
前記経皮パッチには前記金属物質で形成された電極が埋め込まれており、
前記電源が前記電極に電流を流して、前述した治療有効量の前記金属物質の輸送を促すことを特徴とする請求項59乃至64のいずれか1項に記載の装置。
【請求項69】
前記経皮パッチはニードル型経皮パッチであり、
前記電極は前記金属物質でできた1本以上の針部材を成す形状であり、
前記針部材の少なくとも1本は前記有機体の身体の皮膚外層を事実上貫通させるために用いることを特徴とする請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記輸送装置は前記エアロゾル吸入器で、前記エアロゾル吸入器は内部容器を成すキャニスターを含み、
前記容器は推進剤と前記金属物質の事実上粒子部分が充填され、前記粒子は各々、薬剤学的に許容可能な担体内で覆われ、
前記エアロゾル吸入器は前記粒子状部分を噴出させるために用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項71】
前記輸送装置は前記エアロゾル吸入器で、前記エアロゾル吸入器は内部容器を成すキャニスターを含み、
前記容器には推進剤と前記金属物質の事実上粒子部分が充填されており、前記粒子部分は各々薬剤学的に許容可能な担体内で覆われており、
前記エアロゾル吸入器はさらに電極があり、前記キャニスターの遠位端に事実上接する位置に付いており、
前記電源から前記電極に前記電流を流し、前記エアロゾル吸入装置の前記キャニスターの近位端部から治療有効量の前記金属物質が、前記薬剤学的に許容可能な担体で覆われた粒子部分の形体で、噴霧輸送されるのを促すことを特徴とする請求項59乃至64のいずれか1項に記載の装置。
【請求項72】
前記薬剤的に許容可能な担体はゼラチンであることを特徴とする請求項70および71のいずれか1項に記載の装置。
【請求項73】
前記電源は前記輸送装置の事実上外部にあることを特徴とする請求項66、68、69および71のいずれか1項に記載の装置。
【請求項74】
有機体の身体に金属物質を輸送する装置であって、前記装置は、
(a)治療有効量の金属物質を含み、前記金属物質は銀、金、銅、亜鉛、セレン、白金、およびそのイオン、合金、塩、並びにそれらの組合せより成る一群より選択され、
(b)前記金属物質を含み、前記治療有効量の前記金属物質を有機体の身体に輸送する輸送装置であって、前記輸送装置は消化可能な可溶性カプセル、カプセル化ボーラス装置、および電極カテーテル装置の一群より選択され、
(c)前記治療有効量の前記金属物質を、前述したように、事実上輸送する過程で、有機体の身体に電流を流すために用いる電源を含み、前記電源は事実上、経時的に電流を変化させ、前記電源はプログラムされたスケジュールに従って前記電流を定期的に逆転させることを特徴とする装置。
【請求項75】
薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁液にした前記治療有効量の金属物質をさらに含み、
前記輸送装置は前記消化可能な可溶性カプセルであり、
前記可溶性カプセルはその中に内部チャンバがあり、前記内部チャンバには前記コロイド状懸濁剤が入っており、前記カプセルが溶解すると、前述したように、前記治療有効量の前記金属物質の輸送が促されることを特徴とする請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記可溶性カプセルは電導体の紐の端部材に固定されており、前記電導体紐部材は生体適合性のある絶縁材料で覆われ、
前記電源は前記可溶性カプセルの事実上外部にあり、
前記電源が前記紐部材に電流を流して前記カプセル内に入っている前記金属物質を帯電させることを特徴とする請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記輸送装置は前記消化可能な可溶性カプセルで、前記可溶性カプセルには電極があり、
前記可溶性カプセルは電導体の紐部材の一端部に固定され、前記電導体紐部材は生体適合性のある絶縁材料で覆われ、前記紐部材は前記電極と電気的に接続させるために用いられ、
前記電極は少なくとも前記金属物質でコーティングされ、
前記電源は前記可溶性カプセルの事実上外部にあり、
前記電源は前記紐部材に電流を流し、そこから前記電極に電流が流れて、前記カプセルが溶解し、前記治療有効量の前記金属物質が輸送されることを特徴とする請求項74に記載の装置。
【請求項78】
薬剤学的に許容可能な担体でコロイド状懸濁剤にした前記治療有効量の前記金属物質を含み、
前記輸送装置は前記カプセル化ボーラス装置であり、
前記カプセル化ボーラス装置にはカチオンチャンバと分離したアニオンチャンバがあり、
前記カプセル化ボーラス装置は、前記カチオンチャンバに事実上接するように包埋されたカソードを含み、アノードは前記分離したアニオンチャンバに事実上接するように包埋され、前記コロイド状懸濁剤が前記アニオンチャンバと前記カチオンチャンバの少なくとも一つに包埋され、
前記電源が前記アノードおよび前記カソードの少なくとも一つに電流を流して、前記カプセル化ボーラス装置から前記治療有効量の前記金属物質の前述した輸送を促すことを特徴とする請求項74に記載の装置。
【請求項79】
前記電源は前記カチオンチャンバと前記アニオンチャンバの少なくとも一つと事実上接する所に一つ以上のバッテリーがあり、前記バッテリーは、前述したように、前記カプセル化ボーラス装置の前記アノードと前記カソードの少なくとも一つに前記電流を流すことを特徴とする請求項78に記載の装置。
【請求項80】
身体に対して並列回路を成す電気回路シャント抵抗コンポーネントをさらに含み、
前記電気回路シャント抵抗コンポーネントは所定時間間隔で前記有機体の身体に所定量の前記電流を流すために用いられることを特徴とする請求項78に記載の装置。
【請求項81】
前記電気回路シャント抵抗コンポーネントは事実上1分間に約1ミリアンペアから1分間に約500ミリアンペアの範囲の電流を流すために採用されることを特徴とする請求項80に記載の装置。
【請求項82】
前記輸送装置は前記電極カテーテル装置であり、
前記電極カテーテル装置はルーメンを成し、前記電極カテーテル装置は前記ルーメン内に電導体が入っており、第一の電極が前記ルーメンから出て、前記有機体の血流中に延びており、前記第一の電極は前記電導体と電気的に接続しており、前記電極カテーテル装置はさらに有機体の皮膚上に留置させるために用いる第二の電極が含み、
前記電源は前記電極カテーテル装置の事実上外部にあり、
前記電力は前記電導体に電流を流し、そこから第一の電極に電流が流れて、前述した前記治療有効量の前記金属物質の輸送を促すことを特徴とする請求項74に記載の装置。
【請求項83】
事前に有機体を事実上水和させための水和手法をさらに含み、前記治療有効量の前記金属物質を、前述したように、輸送する経過中に有機体を水和状態に維持することを特徴とする請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記第一の電極は前記電導体の一部を事実上コーティングする前記金属物質のコーティングを含むことを特徴とする請求項82および83のいずれか1項に記載の装置。
【請求項85】
前記電源は交流電源であることを特徴とする請求項82乃至84のいずれか1項に記載の装置。
【請求項86】
前記電源は直流電源であることを特徴とする請求項82乃至84のいずれか1項に記載の装置。
【請求項87】
前記第一の電極上の液体連絡路に供給されるイオン化電解液がさらに含まれ、前記治療有効量の前記金属物質の前述の輸送を促すことを特徴とすることを特徴とする請求項82乃至86のいずれか1項に記載の装置。
【請求項88】
電源が有機体の身体に事実上約0.5から約3.0ボルトの範囲の電位をかけるために用いられ、前記電流が事実上約0.001アンペアから約0.01アンペアの範囲であることを特徴とする請求項59乃至64、請求項66、請求項68および69、請求項71、請求項73乃至87のいずれか1項に記載の装置。
【請求項89】
前記電位が事実上約1.0ボルトのオーダーであって、前記電流が事実上約0.01アンペアのオーダーであることを特徴とする請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記電位が事実上約1.5ボルトのオーダーであって、前記電流が事実上約0.01アンペアのオーダーであり、定格電力が事実上約0.015ワットのオーダーであることを特徴とする請求項88に記載の装置。
【請求項91】
前記金属物質が前記逆転電流により発生する銀イオンを含み、前記逆転電流は、正方向に約1秒間、逆方向に約1秒間の事実上均等なデューティサイクルに従って交互に流れる逆転DC電流で、前記デューティサイクルは前述したように事実上約15分間継続することを特徴とする請求項64、請求項74乃至84、請求項86乃至90のいずれか1項に記載の装置。
【請求項92】
前記金属物質が前記逆転電流により発生する銀イオンを含み、前記逆転電流は、正方向に約10秒間、逆方向に約1秒間の部分的に非対称的なデューティサイクルに従って交互に流れる逆転DC電流で、前記デューティサイクルは前述したように事実上約15分間継続することを特徴とする請求項64、請求項74乃至84、請求項86乃至90のいずれか1項に記載の装置。
【請求項93】
前記逆転電流はサイクル長の変化を含むこと特徴とする請求項64および請求項74乃至90のいずれか1項に記載の装置。
【請求項94】
前記逆転電流は電流強度の変化を含むことを特徴とする請求項64、請求項74乃至90および請求項93のいずれか1項に記載の装置。
【請求項95】
前記逆転電流は電流を流す期間の変更を含むことを特徴とする請求項64、請求項74乃至90、請求項93および94のいずれか1項に記載の装置。
【請求項96】
有機体の身体の病気状態を治療することを特徴とする請求項58乃至95のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項97】
細菌性疾患状態を治療することを特徴とする請求項96に記載の装置の使用。
【請求項98】
ウイルス性疾患状態を治療することを特徴とする請求項96に記載の装置の使用。
【請求項99】
真菌性疾患状態を治療することを特徴とする請求項96に記載の装置の使用。
【請求項100】
媒介生物が仲介する疾患状態を治療することを特徴とする請求項96に記載の装置の使用。
【請求項101】
動物の健康を改善することを特徴とする請求項58乃至100に記載の装置の使用。
【請求項102】
前記金属物質の前記有機体の身体への輸送が前記有機体の種および前記有機体の体重に従って変化することを特徴とする請求項101に記載の使用。
【請求項103】
口蹄疫、リーシュマニア病、ブタコレラ、ジステンパー、汎白血球減少症、汎白血病、イヌ糸状虫、ヨーネ病、ネコ免疫不全疾患、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択した状態を持つ、または発症すると思われる動物の健康を改善することを特徴とする請求項101に記載の使用。
【請求項104】
ヒトの健康を改善することを特徴とする請求項101に記載の使用。
【請求項105】
シャーガス病、デング熱、リーシュマニア病、脳炎、リケッチア症、カンジダ症、結核、肺炎、敗血症、赤痢、ポリオ、はしか、水疱瘡、天然痘、おたふく風邪、エボラ出血熱、マラリア、眼感染症、筋肉変性、網膜劣化、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択した状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項104に記載の使用。
【請求項106】
癌の前駆体、HPV、皮膚癌、鼻腔咽頭癌、乳癌、前立腺癌、その他の癌、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択した状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項104に記載の使用。
【請求項107】
糖尿病、甲状腺障害、関節炎、移植拒絶反応、その他の自己免疫疾患、およびこれらに関連する症状のうち一つ以上の状態より選択した状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項104に記載の使用。
【請求項108】
HIV、およびそれに関連する一つ以上の症状より選択される状態を持つ、または発症する恐れのあるヒトの健康を改善することを特徴とする請求項104に記載の使用。
【請求項109】
植物の健康を改善することを特徴とする請求項58乃至64、請求項74および請求項96乃至100のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項110】
バナナの樹の健康を改善することを特徴とする請求項109に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【公表番号】特表2008−520592(P2008−520592A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541608(P2007−541608)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001777
【国際公開番号】WO2006/056055
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(507134459)インターナショナル・バイオ−セラピューティック・リサーチ・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】