説明

治療的介入の標的としての、miR−15、miR−26、miR−31、miR−145、miR−147、miR−188、miR−215、miR−216、miR−331、mmu−miR−292−3pによって調節される遺伝子および経路

本発明は、miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、mmu-miR-292-3pによって調節される遺伝子または遺伝子経路を同定するための方法および組成物、ならびにmiR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、mmu-miR-292-3pの配列の全体または一部を含む核酸を使用して遺伝子または遺伝子経路を調節するための方法および組成物、このプロファイルを患者の状態の評価に使用する方法および組成物、および/または患者を適切なmiRNAによって治療するための方法および組成物に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の核酸配列を含む単離核酸を、表1、表3、または表4に特定された1種類または複数の遺伝子の発現を調節するのに十分な量で細胞に投与する段階を含む、細胞内における遺伝子発現を調節する方法であって、
(a)miR-15によって調節される遺伝子が、表1A、表3A、または表4Aから選択され;
(b)miR-26によって調節される遺伝子が、表1B、表3B、または表4Bから選択され;
(c)miR-31によって調節される遺伝子が、表1Cまたは表3Cから選択され;
(d)miR-145によって調節される遺伝子が、表1Dまたは表3Dから選択され;
(e)miR-147によって調節される遺伝子が、表1E、表3E、または表4Cから選択され;
(f)miR-188によって調節される遺伝子が、表1F、表3F、または表4Dから選択され;
(g)miR-215によって調節される遺伝子が、表1G、表3G、または表4Eから選択され;
(h)miR-216によって調節される遺伝子が、表1H、表3H、または表4Fから選択され;
(i)miR-331によって調節される遺伝子が、表1I、表3I、または表4Gから選択され;かつ
(j)miR-292によって調節される遺伝子が、表1J、表3J、または表4Hから選択される、
方法。
【請求項2】
細胞が、代謝性の疾患もしくは状態、免疫性の疾患もしくは状態、感染性の疾患もしくは状態、心血管の疾患もしくは状態、消化性の疾患もしくは状態、内分泌腺の疾患もしくは状態、眼の疾患もしくは状態、尿生殖器の疾患もしくは状態、血液の疾患もしくは状態、筋骨格の疾患もしくは状態、神経系の疾患もしくは状態、先天性の疾患もしくは状態、呼吸器の疾患もしくは状態、皮膚の疾患もしくは状態、または癌性の疾患もしくは状態を有するか、これらの疾患もしくは状態を有することが疑われるか、またはこれらの疾患もしくは状態を発生するリスクを有する対象に存在する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
感染性の疾患または状態が、寄生虫性、細菌性、ウイルス性、または真菌性の感染症である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
癌性の状態が、急性リンパ芽球性白血病;急性骨髄性白血病;未分化大細胞リンパ腫;血管肉腫;星細胞腫;B細胞リンパ腫;膀胱癌;乳癌;バーキットリンパ腫;頭頸部癌;子宮頚癌;慢性リンパ芽球性白血病;慢性骨髄性白血病;結腸直腸癌;子宮内膜癌;食道癌;食道扁平細胞癌;ユーイング肉腫;線維肉腫;胃癌;ガストリン産生腫瘍;膠芽腫;神経膠腫;肝芽腫;肝細胞癌;高度非ホジキンリンパ腫;高リスク骨髄異形成症候群;ホジキンリンパ腫;カポジ肉腫;喉頭扁平細胞癌;喉頭癌;平滑筋肉腫;白血病;脂肪腫;脂肪肉腫;肺癌;マントル細胞リンパ腫;髄芽腫;黒色腫;中皮腫;粘膜関連リンパ組織型B細胞リンパ腫;多発性骨髄腫;骨髄性白血病;粘液線維肉腫;鼻咽頭癌;神経芽腫;神経線維腫;非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺癌;骨肉腫;卵巣癌;膵臓癌;褐色細胞腫;前立腺癌;腎細胞癌;網膜芽腫;横紋筋肉腫;唾液腺腫;シュワン細胞腫;小細胞肺癌;頭頸部扁平上皮癌;精巣腫瘍;甲状腺癌;尿路上皮癌;またはウイルムス腫瘍の1つまたは複数である方法であって、1種類または複数の遺伝子の調節が治療反応に十分である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
遺伝子の発現が下方制御される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
細胞が、上皮、内皮、中皮、間質、または粘膜の細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
細胞が、脳、グリア、ニューロン、血液、子宮頚部、子宮内膜、髄膜、食道、肺、心血管、肝臓、リンパ系、乳房、骨、結合組織、網膜、甲状腺、腺、副腎、膵臓、胃、腸管、腎臓、膀胱、結腸、前立腺、子宮、卵巣、子宮頚部、精巣、脾臓、皮膚、脂肪、平滑筋、心筋、または横紋筋の細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
細胞が癌細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
癌細胞が、ニューロン、グリア、肺、肝臓、脳、乳房、膀胱、血液、心血管、白血病、腺、リンパ系、副腎、結腸、子宮内膜、上皮、腸管、髄膜、中皮、胃、皮膚、卵巣、子宮、精巣、脾臓、脂肪、骨、子宮頚部、食道、膵臓、前立腺、腎臓、網膜、結合組織、平滑筋、心筋、横紋筋、または甲状腺の細胞である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の単離核酸が組換え核酸である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
組換え核酸がRNAである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
組換え核酸がDNAである、請求項10記載の方法。
【請求項13】
組換え核酸が、miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の発現カセットを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
発現カセットがウイルスベクターまたはプラスミドDNAベクター中に含まれる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
ウイルスベクターが、1投与量あたりウイルス粒子1×105〜1×1014個の用量で投与されるか、またはプラスミドDNAベクターが、患者1人あたり100 mg〜4000 mgの用量で投与される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の核酸が合成核酸である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
核酸が、体重1 kgあたり0.01 mg〜10 mgの用量で投与される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292がヒトのmiRである、請求項1記載の方法。
【請求項19】
核酸が経腸投与または非経口投与される、請求項1記載の方法。
【請求項20】
経腸投与が経口投与である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
非経口投与が、血管内投与、頭蓋内投与、胸膜内投与、腫瘍内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、リンパ内投与、腺内投与、皮下投与、局所投与、気管支内投与、気管内投与、鼻腔内投与、吸入投与、または滴下投与である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
核酸が薬学的製剤中に含まれる、請求項1記載の方法。
【請求項23】
薬学的製剤が脂質組成物である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
以下である、表1、表3、もしくは表4に特定された1種類もしくは複数の遺伝子、または表1、表3、もしくは表4に特定された1種類もしくは複数の遺伝子に関連する遺伝子産物を含む、miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の核酸配列を含む単離核酸を、細胞経路または生理学的経路を調節するのに十分な量で細胞に投与する段階を含む、細胞経路または生理学的経路を調節する方法であって、
(a)miR-15によって調節される遺伝子が、表1A、表3A、または表4Aから選択され;
(b)miR-26によって調節される遺伝子が、表1B、表3B、または表4Bから選択され;
(c)miR-31によって調節される遺伝子が、表1Cまたは表3Cから選択され;
(d)miR-145によって調節される遺伝子が、表1Dまたは表3Dから選択され;
(e)miR-147によって調節される遺伝子が、表1E、表3E、または表4Cから選択され;
(f)miR-188によって調節される遺伝子が、表1F、表3F、または表4Dから選択され;
(g)miR-215によって調節される遺伝子が、表1G、表3G、または表4Eから選択され;
(h)miR-216によって調節される遺伝子が、表1H、表3H、または表4Fから選択され;
(i)miR-331によって調節される遺伝子が、表1I、表3I、または表4Gから選択され;かつ
(j)miR-292によって調節される遺伝子が、表1J、表3J、または表4Hから選択される、
方法。
【請求項25】
2種類、3種類、4種類、5種類、6種類、またはそれより多いmiRNAを投与する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
miRNAが単一の組成物中に含まれる、請求項25記載の方法。
【請求項27】
少なくとも2つの細胞経路または生理学的経路が調節される、請求項25記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1種類の遺伝子が複数のmiRNAによって調節される、請求項25記載の方法。
【請求項29】
遺伝子または遺伝子産物の発現が下方制御される、請求項24記載の方法。
【請求項30】
遺伝子または遺伝子産物の発現が下方制御される、請求項24記載の方法。
【請求項31】
細胞が癌細胞である、請求項24記載の方法。
【請求項32】
細胞の生存能が低下するか、細胞の増殖が低下するか、細胞の転移が減少するか、または治療に対する細胞の感受性が高められる、請求項31記載の方法。
【請求項33】
癌細胞が、ニューロン、グリア、肺、肝臓、脳、乳房、膀胱、血液、心血管、白血病、腺、リンパ系、副腎、結腸、子宮内膜、上皮、腸管、髄膜、中皮、胃、皮膚、卵巣、子宮、精巣、脾臓、脂肪、骨、子宮頚部、食道、膵臓、前立腺、腎臓、網膜、結合組織、平滑筋、心筋、横紋筋、または甲状腺の細胞である、請求項31記載の方法。
【請求項34】
miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、またはmiR-331、miR-292の単離核酸が組換え核酸である、請求項24記載の方法。
【請求項35】
組換え核酸がDNAである、請求項34記載の方法。
【請求項36】
組換え核酸がウイルスベクターまたはプラスミドDNAベクターである、請求項35記載の方法。
【請求項37】
核酸がRNAである、請求項24記載の方法。
【請求項38】
miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、またはmiR-331、miR-292の核酸が合成核酸である、請求項24記載の方法。
【請求項39】
組換え核酸が合成核酸である、請求項34記載の方法。
【請求項40】
以下の段階を含む、miRNAによって調節される遺伝子に関連する病理学的状態もしくは疾患を有すると診断されたか、または有することが疑われるか、または発生することが疑われる患者を治療する方法:
(a)miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の核酸配列を含む単離核酸を、細胞経路または生理学的経路を調節するのに十分な量で患者に投与する段階;および
(b)細胞経路または生理学的経路の調節により患者が第2の治療に対して感作される、第2の治療を投与する段階。
【請求項41】
1つまたは複数の細胞経路または生理学的経路が、表1、表3、または表4に特定された1種類または複数の遺伝子を含む方法であって、
(a)miR-15によって調節される遺伝子が、表1A、表3A、または表4Aから選択され;
(b)miR-26によって調節される遺伝子が、表1B、表3B、または表4Bから選択され;
(c)miR-31によって調節される遺伝子が、表1Cまたは表3Cから選択され;
(d)miR-145によって調節される遺伝子が、表1Dまたは表3Dから選択され;
(e)miR-147によって調節される遺伝子が、表1E、表3E、または表4Cから選択され;
(f)miR-188によって調節される遺伝子が、表1F、表3F、または表4Dから選択され;
(g)miR-215によって調節される遺伝子が、表1G、表3G、または表4Eから選択され;
(h)miR-216によって調節される遺伝子が、表1H、表3H、または表4Fから選択され;
(i)miR-331によって調節される遺伝子が、表1I、表3I、または表4Gから選択され;かつ
(j)miR-292によって調節される遺伝子が、表1J、表3J、または表4Hから選択される、
請求項40記載の方法。
【請求項42】
以下の段階を含む、病理学的状態もしくは疾患を有するか、有することが疑われるか、または発生する傾向を有する対象に投与されるmiRNAを選択する方法:
(a)表1、表3、または表4から選択される1種類または複数の遺伝子の発現プロファイルを決定する段階;
(b)発現プロファイルに基づいてmiRNA治療に対する対象の感受性を評価する段階;および
(c)評価された感受性に基づいて1種類または複数のmiRNAを選択する段階。
【請求項43】
1種類、2種類、3種類、4種類、5種類、6種類、7種類、8種類、9種類、10種類、またはそれより多いmiRNAによって対象を治療する段階をさらに含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
各miRNAが個別に投与されるか、または1種類もしくは複数の組み合わせで投与される、請求項43記載の方法。
【請求項45】
miRNAが単一の組成物中にある、請求項44記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの試料中において、表1、表3、または表4に由来する1種類または複数の遺伝子の発現の評価と組み合わせて、miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の発現を評価する段階を含む、細胞、組織、または対象を評価する方法。
【請求項47】
以下の段階を含む、試料中のmiR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の状態を評価する方法:
(a)試料中における、表1、表3、または表4に由来する1種類または複数の遺伝子の発現を評価する段階;および
(b)miR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の状態を、試料中におけるmiR-15、miR-26、miR-31、miR-145、miR-147、miR-188、miR-215、miR-216、miR-331、またはmiR-292の発現のレベルに基づいて決定する段階。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−510964(P2010−510964A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529378(P2009−529378)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/078952
【国際公開番号】WO2008/036776
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509078609)アシュラジェン インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】