説明

治療薬

本発明は、式(I)の化合物、およびそのような化合物を製造するための方法、肥満、精神医学的および神経障害の治療におけるそれらの使用、それらの治療的使用のための方法、ならびにそれらを含有する医薬組成物に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明が属する技術分野
本発明はある種の式Iの化合物、そのような化合物を製造する方法、肥満、精神医学的および神経障害の治療におけるそれらの使用、それらの療法的使用のための方法、およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
発明の背景
ある種のCB調節因子(アンタゴニストまたは逆アゴニストとして既知)は肥満、精神医学的および神経障害の治療に有用である(WO01/70700、EP658,546およびEP656,354)。しかし、改善された物理化学的特性および/またはDMPK特性および/または薬物動態学的特性を有するCB調節因子の必要性が存在する。抗炎症活性を有するピラゾールは、WO95/15316、WO96/38418、WO97/11704、WO99/64415、EP418845およびWO2004050632に開示されている。WO2004050632は1,1−ジメチルエチル[2−[4−[3−[(エチルメチルアミノ)カルボニル]−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェノキシ]エチル]カーバメート、5−[4−(2−アミノエトキシ)フェニル]−N−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド、1−[[5−[4−(2−アミノエトキシ)フェニル]−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル]ピペリジンおよび1,1−ジメチルエチル[2−[4−[1−(4−メトキシフェニル)−3−(1−ピペリジニルカルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェノキシ]エチル]−カーバメートを開示している。WO2004050632に例示されているすべての化合物およびその塩は、本発明の化合物の特許請求の範囲から除外される。
【0003】
1,5−ジアリールピラゾール−3−カルボキシアミド誘導体はCB調節活性を有することがUS5,624,941、WO01/29007、WO2004/052864、WO03/020217、US2004/0119972、Journal of Medicinal Chemistry、46(4)、642−645 2003、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、14(10)、2393−2396 2004、Biochemical Pharmacology、60(9)、1315−1323 2000、Journal of Medicinal Chemistry、42(4)、769−776 1999および米国特許出願公開US2003199536に開示されている。
【0004】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物:
【0005】
【化1】

【0006】
およびその薬学的に許容しうる塩に関し、
式中、

a)1以上の以下のものによって置換されたC1〜3アルコキシ基:i)フルオロ、ii)NR基(式中、RおよびRの1つはH以外であるという条件で、RおよびRは独立してH、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基、
b)1以上の以下のものによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基:i)フルオロ、ii)NR基(式中、RおよびRの1つはH以外であるという条件で、RおよびRは独立してH、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基、
c)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
d)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
e)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)、または
f)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表し;
はハロ、C1〜3アルキル基またはC1〜3アルコキシ基を表し;
mは0、1、2または3であり;
はC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはハロを表し;
nは0、1、2または3であり;
は:
a)X−Y−NR基[式中:
XはCOまたはSOであり、
Yは存在しないか、またはC1〜3アルキル基によって置換されていてもよいNHを表し;
そしてRおよびRは独立して:
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1〜6アルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC3〜15シクロアルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい(C3〜15シクロアルキル)C1〜3アルキレン基;
−(CH(フェニル)基(式中、rは0、1、2、3または4であり、rが0の場合、sは1であり、そうでなければsは1または2であり、そしてフェニル基はZによって表される1、2または3個の基によって独立して置換されていてもよい);
一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシまたはベンジルによって置換されていてもよい);
−(CHHet基(式中、tは0、1、2、3または4であり、アルキレン鎖は1以上のC1〜3アルキル基によって置換されていてもよく、そしてHetは、C1〜5アルキル基、C1〜5アルコキシ基またはハロから選択される1、2または3個の基によって置換されていてもよい芳香族複素環を表し、ここでアルキル基およびアルコキシ基は1以上のフルオロによって独立して置換されていてもよい)を表すか;
または、RはHを表し、そしてRは先に定義した通りであるか;
または、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和または部分的不飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシ、フルオロまたはベンジルによって置換されていてもよい)を表す];
または、b)それぞれ、Zによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルまたはオキサゾリニルを表し;
はH、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、または最大で6炭素原子を含有するC1〜6アルコキシC1〜6アルキレン基を表し、それらの基のそれぞれは1以上のフルオロまたはシアノによって置換されていてもよく;
ZはC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜3アルキルスルホニル、C1〜3アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、モノまたはジC1〜3アルキルカルバモイルおよびアセチルを表し;そして
Wはヒドロキシ、フルオロ、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜6アルコキシカルボニル基またはモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルもしくはピペラジニルから選択される複素環アミンを表し、ここで複素環アミンはC1〜3アルキル基またはヒドロキシルによって置換されていてもよい;
(ただし、1,1−ジメチルエチル[2−[4−[3−[(エチルメチルアミノ)カルボニル]−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェノキシ]エチル]カーバメートおよび1,1−ジメチルエチル[2−[4−[1−(4−メトキシフェニル)−3−(1−ピペリジニルカルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェノキシエチル]カーバメートを除く]。
【0007】
一態様では、本発明は式(I)の化合物:
【0008】
【化2】

【0009】
およびその薬学的に許容しうる塩に関し、
式中、

a)1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルコキシ基、または1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)、または
e)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表し;
はハロ、C1〜3アルキル基またはC1〜3アルコキシ基を表し;
mは0、1、2または3であり;
はC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはハロを表し;
nは0、1、2または3であり;
は:
a)X−Y−NR基[式中:
XはCOまたはSOであり、
Yは存在しないか、またはC1〜3アルキル基によって置換されていてもよいNHを表し;
そしてRおよびRは独立して:
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1〜6アルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC3〜15シクロアルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい、置換されていてもよい(C3〜15シクロアルキル)C1〜3アルキレン基;
−(CH(フェニル)基(式中、rは0、1、2、3または4であり、rが0の場合、sは1であり、そうでなければsは1または2であり、そしてフェニル基はZによって表される1、2または3個の基によって独立して置換されていてもよい);
一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシまたはベンジルによって置換されていてもよい);
−(CHHet基(式中、tは0、1、2、3または4であり、アルキレン鎖は1以上のC1〜3アルキル基によって置換されていてもよく、そしてHetはC1〜5アルキル基、C1〜5アルコキシ基またはハロから選択される1、2または3個の基によって置換されていてもよい芳香族複素環を表す)を表すか;
または、RはHを表し、そしてRは先に定義した通りであるか;
または、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和または部分的不飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシ、フルオロまたはベンジルによって置換されていてもよい)を表す];
または、b)それぞれ1、2または3個の基Zによって置換されていてもよい、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルまたはオキサゾリニルを表し;
はH、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、または最大で6炭素原子を含有するC1〜6アルコキシC1〜6アルキレン基を表し、それらの基のそれぞれは1以上のフルオロまたはシアノによって置換されていてもよく;
ZはC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜3アルキルスルホニル、C1〜3アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、モノまたはジC1〜3アルキルカルバモイルおよびアセチルを表し;そして
Wはヒドロキシ、フルオロ、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜6アルコキシカルボニル基またはモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルもしくはピペラジニルから選択される複素環アミンを表し、ここで複素環アミンはC1〜3アルキル基またはヒドロキシルによって置換されていてもよい。
【0010】
別の態様では、本発明は式(I)の化合物:
【0011】
【化3】

【0012】
およびその薬学的に許容しうる塩に関し、

a)1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルコキシ基、または1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、または
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)表し;
はハロ、C1〜3アルキル基またはC1〜3アルコキシ基を表し;
mは0、1、2または3であり;
はC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはハロを表し;
nは0、1、2または3であり;
は:
a)X−Y−NR基[式中:
XはCOまたはSOであり、
Yは存在しないか、またはC1〜3アルキル基によって置換されていてもよいNHを表し;
そしてRおよびRは独立して:
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1〜6アルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい、C3〜15シクロアルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい、置換されていてもよい(C3〜15シクロアルキル)C1〜3アルキレン基;
−(CH(フェニル)基(式中、rは0、1、2、3または4であり、rが0の場合、sは1であり、そうでなければsは1または2であり、そしてフェニル基はZによって表される1、2または3個の基によって独立して置換されていてもよい);
一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシまたはベンジルによって置換されていてもよい);
−(CHHet基(式中、tは0、1、2、3または4であり、アルキレン鎖は1以上のC1〜3アルキル基によって置換されていてもよく、そしてHetはC1〜5アルキル基、C1〜5アルコキシ基またはハロから選択される1、2または3個の基によって置換されていてもよい芳香族複素環を表す)を表すか;
または、RはHを表し、そしてRは先に定義した通りであるか;
または、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和または部分的不飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシ、フルオロまたはベンジルによって置換されていてもよい)を表す];
または、b)それぞれ1、2または3個の基Zによって置換されていてもよい、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルまたはオキサゾリニルを表し;
はH、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、または最大で6炭素原子を含有するC1〜6アルコキシC1〜6アルキレン基を表し、それらの基のそれぞれは1以上のフルオロまたはシアノによって置換されていてもよく;
ZはC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜3アルキルスルホニル、C1〜3アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、モノまたはジC1〜3アルキルカルバモイルおよびアセチルを表し;そして
Wはヒドロキシ、フルオロ、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、またはモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルもしくはピペラジニルから選択される複素環アミンを表し、ここで複素環アミンはC1〜3アルキル基またはヒドロキシルによって置換されていてもよい。
【0013】
先の3種の態様に記載された式Iの化合物の具体的な群では、Rは先のパラグラフa)に記載された基を表す。Rが先のパラグラフa)に記載された基を表す、先のこれら3種の態様の式Iの化合物の別の具体的な群では、RがN,N−ジC1〜6アルキルカルバモイルを表す化合物、またはRがX−Y−NR基を表す化合物[式中、XはCOであり、Yは存在せず、そしてRおよびRはそれらが結合する窒素原子と一緒に、一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和または部分的不飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシ、フルオロまたはベンジルによって置換されていてもよい)]は除外される。先の初めの3種の態様に記載された式Iの化合物のさらに別の具体的な群では、Rはピペリジン−1−イルカルバモイルを表す。
【0014】
置換基Zが1を超える基に存在する場合、これらの置換基は独立して選択され、そして同じでも異なってもよいことは理解されるであろう。同じことがWにも当てはまる。同様に、mが2または3である場合、基Rは、それらが同じでも異なってもよいように、独立して選択され、同様にnが2または3である場合、基Rは、それらが同じでも異なってもよいように、独立して選択される。
【0015】
3〜15シクロアルキルという用語は、単環、二環、三環およびスピロ系、たとえばシクロペンチル、シクロヘキシルおよびアダマンチルを包含する。
ヘテロアリールという用語は、酸素、窒素および硫黄から選択される、5個までの環ヘテロ原子を有する、芳香族5−、6−、もしくは7−員単環、または9−もしくは10−員二環を意味する。適切な芳香族ヘテロアリール基には、たとえばフリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアゼリル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンゾフラザニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルまたはナフチリジニルが挙げられる。好ましくは、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、または1,3,5−トリアゼリル、そしてより好ましくはピロリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリルまたはピリジルである。
【0016】
窒素、酸素または硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含有する、適切な飽和または部分的不飽和の5〜8員複素環基には、たとえばテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾリル、1,3−チアゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロ−1,4−チアジニル、1−オキソテトラヒドロチエニル、1,1−ジオキソテトラヒドロ−1,4−チアジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニルまたはテトラヒドロピリミジニル、好ましくは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニル、より好ましくは、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、ピロリジン−3−イル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペリジン−4−イルまたはピペラジン−1−イルが挙げられる。
【0017】
がRS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表す場合の適切な基は、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、n−ブチルスルホニルオキシ、3−メチルブタン−1−スルホニルオキシ、3,3−ジメチルブタン−1−スルホニルオキシ、フルオロメチルスルホニルオキシ、ジフルオロメチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、モノ、ジまたはトリ(フルオロエチル)スルホニルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルオキシ、または4,4,4−トリフルオロブチル−1−スルホニルオキシを包含する。
【0018】
が1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルコキシ基、または1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基を表す場合の適切な基は、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、5,5,5−トリフルオロペンチルオキシおよび6,6,6−トリフルオロヘキシルオキシを包含する。
【0019】
がRS(O)O基(式中、Rはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そしてそのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)を表す場合の適切な基は、Zによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ、チエニルスルホニルオキシまたはピリジルスルホニルオキシを包含する。
【0020】
式Iの化合物の具体的な群では、

a)1以上の以下のものによって置換されたC1〜3アルコキシ基:i)フルオロ、ii)NR基(式中、RおよびRの1つはH以外であるという条件で、RおよびRは独立してH、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基、
b)1以上の以下のものによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基:i)フルオロ、ii)NR基(式中、RおよびRの1つはH以外であるという条件で、RおよびRは独立してH、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基、
c)RS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
d)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表し;
はハロを表し;
mは0、1、2または3であり;
はハロを表し;
nは0、1、2または3であり;
はCONR基[式中、RはHを表し、RはWによって表される基によって置換されていてもよいC3〜15シクロアルキル基を表すか、またはRは−(CHHet基(式中、tは0であり、そしてHetはピリジルを表し、そのピリジルは独立して1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜5アルキル基から選択される1、2または3個の基によって場合により置換されていてもよい)を表す]を表すか;または、RはCONR基(式中、NRはピペリジノまたはモルホリノを表す)を表し;そして
はH、ハロ、またはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは1以上のフルオロによって置換さていてもよく;Zはハロを表し、;そしてWはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す。
【0021】
式Iの化合物の具体的な群は、式IA:
【0022】
【化4】

【0023】
によって表され、式中Rは、
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよく、ここでZは先に定義された通りである)、
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)、または
e)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)であり;
はハロを表し、そしてmは0、1、または2であり;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
2cはHまたはフルオロを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノもしくはモルホリノを表す)を表すか、またはRはCONHR基(式中、RはC1〜6アルコキシカルボニル基によって置換されていてもよいC5〜7シクロアルキル基を表すか、またはRは置換されていてもよいピリジルを表す)を表し;そして
はH、C1〜3アルキル基またはハロを表す。
【0024】
式Iの化合物の具体的な群は、式IAによって表され、式中、Rは、
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)、または
e)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表し;
はハロを表し、そしてmは0、1、または2であり;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
2cはHを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノもしくはモルホリノを表す)を表すか、またはRはCONHR基(式中、RはC1〜6アルコキシカルボニル基によって置換されていてもよいC5〜7シクロアルキル基を表す)を表し;そして
はC1〜3アルキル基またはハロを表す。
【0025】
式Iの化合物の別の具体的な群は、式IB:
【0026】
【化5】

【0027】
によって表され、式中、R
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、または
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)であり;
a1はハロまたはHを表し;
a2はハロまたはHを表し;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
2cはハロまたはHを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノを表す)を表し;そして
はC1〜3アルキル基を表す。
【0028】
式I、式IAまたは式IBの化合物のある具体的な群では、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基を表す。
式I、式IAまたは式IBの化合物の別の具体的な群では、RはRS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいヘテロアリール基を表す)を表す。さらに別の群では、RはRS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表す。
【0029】
式I、式IAまたは式IBの化合物のさらに別の具体的な群では、Rは式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)を表す。
【0030】
式Iの化合物の具体的な群は式IC:
【0031】
【化6】

【0032】
によって表され、式中、Rは、
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)RS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)であり;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノまたはモルホリノを表す)を表し;そして
はC1〜3アルキル基またはハロを表す。
【0033】
式ICの化合物の別の具体的な群では、RはRS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)である。より具体的には、RはRS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC3〜6アルキル基を表す)を表す。
【0034】
式I、式IA、式IBまたは式ICの化合物におけるR、R、R、RおよびRの別の意味をここに記載する。そのような意味はこれより前または後で定義されたいずれかの定義、特許請求の範囲または態様により、適宜使用されてもよいことは理解されるであろう。
【0035】
は4,4,4−トリフルオロブトキシ、n−ブチルスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、4,4,4−トリフルオロブチル−1−スルホニルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ、N−エチル−2−アミノエトキシ、N−tert−ブトキシカルボニル−N−エチル−2−アミノエトキシ、3−メチルブタン−1−スルホニルオキシ、3,3−ジメチルブタン−1−スルホニルオキシ、5−クロロ−2−チエニルスルホニルオキシ、2−チエニルスルホニルオキシまたは3−ピリジルスルホニルオキシを表す。
【0036】
は1以上のフルオロによって置換されたC4〜6アルコキシ基を表す。Rは4,4,4−トリフルオロブトキシ、n−ブチルスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、4,4,4−トリフルオロブチル−1−スルホニルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ、N−エチル−2−アミノエトキシ、またはN−tert−ブトキシカルボニル−N−エチル−2−アミノエトキシを表す。
【0037】
は4,4,4−トリフルオロブトキシ、n−ブチルスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、4,4,4−トリフルオロブチル−1−スルホニルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピル−1−スルホニルオキシ、またはプロポキシカルボニルオキシを表す。
【0038】
は4,4,4−トリフルオロブトキシ、n−ブチルスルホニルオキシ、またはn−プロピルスルホニルオキシを表す。
はクロロまたはフルオロを表し、そしてnは2または3である。
【0039】
はN−(ピペリジン−1−イル)カルバモイル、5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}カルボニル、モルホリン−4−イルカルバモイルまたはN−(1−メトキシカルボニル−1−シクロペンチル)カルバモイルを表す。
【0040】
はC1〜4アルキルまたはハロを表す。Rはメチルまたはブロモを表す。
mは0であるか、またはmが1または2の場合、Rはフルオロを表す。
式I、式IA、式IBまたは式ICの化合物の別の具体的な群またはそのいずれかの態様では、RはN−(ピペリジン−1−イル)カルバモイルを表す。
【0041】
“薬学的に許容しうる塩”があり得る場合、そのような塩は薬学的に許容しうる酸付加塩および塩基付加塩を包含する。式Iの化合物の適切な薬学的に許容できる塩には、たとえば十分に塩基性である、式Iの化合物の酸付加塩、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸のような無機または有機酸との酸付加塩;またはたとえば十分に酸性である式Iの化合物の塩、たとえばナトリウム、カルシウムもしくはマグネシウム塩のようなアルカリもしくはアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩、またはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンのような有機塩基との塩である。
【0042】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、与えられた化学式または名称は、異性体およびエナンチオマーが存在する場合、すべてのそのような立体および光学異性体ならびにそのラセミ体、さらに別々のエナンチオマーの異なる割合における混合物、ならびに薬学的に許容できるその塩および水和物のような溶媒和物を包含することになる。異性体は慣用の技術、たとえばクロマトグラフィーまたは分別晶出を使用して分離することができる。エナンチオマーは、たとえば分別晶出、分割またはHPLCによるラセミ体の分離によって単離することができる。ジアステレオマーは、たとえば分別晶出、HPLCまたはフラッシュクロマトグラフィーによる異性体混合物の分離により、単離することができる。あるいは、立体異性体は、ラセミ化またはエピマー化を引き起こさない条件下で、キラルな出発物質からキラル合成によって、またはキラル試薬による誘導体化によって作られてもよい。すべての立体異性体は本発明の範囲内に包含される。すべての互変異性体は、それらがあり得るならば、本発明の範囲内に包含される。本発明はまた、1以上の同位体、たとえば14C、11Cまたは19Fを含有する化合物、および薬理学的および代謝的研究のために同位体標識された化合物としてのそれらの使用を包含する。
【0043】
本発明はまた、in vivoで式Iの化合物に変換される化合物である、式Iの化合物のプロドラッグを包含する。
以下の定義は、本明細書および添付の特許請求の範囲を通して適用されることになる。
【0044】
特記しない限り、“アルキル”という用語は直鎖または分枝鎖アルキル基のいずれかを示す。上記アルキルの例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシルおよびイソヘキシルが挙げられる。好ましいアルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよび第3ブチルである。
【0045】
特記しない限り、“アルコキシ”という用語はO−アルキル基を示し、ここでアルキルは先に定義した通りである。
特記しない限り、“ハロゲン”という用語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味することになる。
【0046】
本発明の具体的な化合物は下記の1以上のものである:
ブタン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−[4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド;
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(モルホリン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
4,4,4−トリフルオロブタン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,6−ジフルオロフェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸4−[4−ブロモ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
メチル1−{[(1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−{4[(プロピルスルホニル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンタンカルボキシレート;
炭酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステルプロピルエステル;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニルチオフェン−2−スルホネート;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニルピリジン−3−スルホネート;
tert−ブチル[2−(4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェノキシ)エチル]エチルカーバメート;
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−{4−[2−(エチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボシアミド;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル3−メチルブタン−1−スルホネート;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル3,3−ジメチルブタン−1−スルホネート;
4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−({[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェニル3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホネート;
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−{4−[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フェニル}−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド;
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−3−フルオロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;および
5−クロロ−チオフェン−2−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
ならびにその薬学的に許容しうる塩。
【0047】
製造の方法
式Iの化合物(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りであり、そしてRはRS(O)NH基を表す)は、不活性溶媒、たとえばジクロロメタン中、塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式IIの化合物:
【0048】
【化7】

【0049】
(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りである)と式RSOLのスルホン化剤(式中、Rは先に定義した通りであり、そしてLは脱離基、たとえばクロロを表す)を反応させることにより製造することができる。
【0050】
式Iの化合物(式中、Rはa)1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルコキシ基、もしくは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、またはb)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、またはc)RS(O)O基を表す)は、式IIIの化合物:
【0051】
【化8】

【0052】
(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りである)と
a)不活性溶媒、たとえばアセトン中、塩基、たとえば炭酸カリウムの存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式RX(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルキル基、または1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルキル基を表し、そしてXは脱離基、たとえばクロロ、ブロモまたはヨードを表す)のアルキル化剤;または
b)不活性溶媒、たとえばアセトン中、塩基、たとえば炭酸カリウムの存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式RX(式中、Rは式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)を表し、そしてXは脱離基、たとえばクロロ、ブロモまたはヨードを表す)のアルキル化剤;または
c)不活性溶媒、たとえばジクロロメタン中、塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式RSOL(式中、Rは先に定義した通りであり、そしてLは脱離基、たとえばクロロを表す)のスルホン化剤;とをそれぞれ反応させることにより製造することができる。
【0053】
式Iの化合物(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りであり、そしてRはX−Y−NR基(式中、XはCOであり、Yは存在しないか、またはC1〜3アルキル基によって置換されていてもよいNHを表し、そしてRおよびRは先に定義した通りである)を表す)はまた、不活性溶媒、たとえばトルエン中、ルイス酸、たとえばトリメチルアルミニウムの存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式IVの化合物
【0054】
【化9】

【0055】
(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りであり、そしてR10はC1〜6アルキル基を表す)と式Vの化合物
YNH
(式中、Y、RおよびRは先に定義した通りである)またはその塩を反応させることにより製造することができる。
【0056】
がX−Y−NR基(式中、XはSOであり、Yは存在しないか、またはC1〜3アルキル基によって置換されていてもよいNHを表し、そしてRおよびRは先に定義した通りである)を表す式Iの化合物はまた、不活性溶媒、たとえばTHFまたはジクロロメタン中、塩基、たとえば炭酸カリウム、トリエチルアミンまたはピリジンの存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式VIの化合物:
【0057】
【化10】

【0058】
(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りであり、そしてAは脱離基、たとえば、クロロのようなハロを表す)と式Vの化合物(式中、Y、RおよびRは先に定義した通りである)またはその塩を反応させることにより製造することができる。
【0059】
式III、IVおよびVIの化合物は下記の方法に類似の方法により製造することができる。
【0060】
【化11】

【0061】
ある種の中間体化合物は新規であると考えられ、本発明の一部を形成する。当業者は、反応の手順中において、ある種の官能基が保護を必要とし、その後適切な段階で、脱保護されることを理解するであろう。Greene and Wutsによる“Protective Groups in Organic Synthesis”、3版(1999)、を参照されたい。
【0062】
医薬製剤
本発明の化合物は、薬学的に許容しうる剤形において、活性成分または薬学的に許容できる付加塩を含有する医薬製剤の形態で、通常、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下により、または他の注射可能な方法で、口腔内、直腸内、膣内、経皮および/または経鼻経路により、および/または吸入により投与されることになる。治療されることになる障害および患者、ならびに投与経路に依存して、組成物は種々の投与量で投与されてもよい。
【0063】
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の適切な1日投与量は、約0.001〜10mg/kg体重、好ましくは0.01〜1mg/kg体重である。経口製剤、とりわけ錠剤またはカプセル剤が好ましく、それらは当業者に公知の方法によって製剤することができ、0.5mg〜500mgの範囲、たとえば1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mgおよび250mgの活性化合物の投与量を提供する。
【0064】
本発明の別の側面に従って、いずれかの本発明の化合物、またはその薬学的に許容しうる誘導体を、薬学的に許容しうるアジュバント、希釈剤および/またはキャリアと混合して含有する医薬製剤がさらに提供される。
【0065】
薬理学的特性
式(I)の化合物は肥満または体重増加の治療(たとえば、減量の促進および減量の維持)、(薬物療法誘発、または喫煙中止に伴う)体重増加の予防、食欲および/または飽満、摂食障害(たとえば、過食症、拒食症、多食症および強迫症)、(薬物、タバコ、アルコール、いずれかの食欲をそそる必須栄養素または非必須食物)に対する渇望の調節、精神医学的障害、たとえば、精神および/または気分障害、統合失調症および分裂情動性障害、双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、躁病、強迫神経症、衝動制御障害、(たとえば、トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレス、および神経障害、たとえば痴呆および認知および/または記憶障害(たとえば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック痴呆、加齢痴呆、血管痴呆、軽度の認知障害、加齢に伴う認知低下、および軽度の加齢痴呆)、神経および/または神経変性障害(たとえば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄関連障害、神経炎症障害(たとえば、ギラン−バレー症候群)の治療に有用である。
【0066】
該化合物はまた、依存性および中毒性障害および行動(たとえば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭け事、窃盗強迫)、薬物禁断症状障害(たとえば、知覚障害を伴う、または伴わないアルコール禁断症状;アルコール禁断症状せん妄;アンフェタミン禁断症状;コカイン禁断症状;ニコチン禁断症状;オピオイド禁断症状;知覚障害を伴う、または伴わない鎮静薬、催眠薬または抗不安薬禁断症状;鎮静薬、催眠薬または抗不安薬禁断症状せん妄;およびその他の物質による禁断症状徴候)、禁断症状中に開始する、アルコールおよび/または薬物誘発気分、不安および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻り(再発)の予防または治療に有用である。
【0067】
該化合物はまた、神経機能障害、たとえばジストニア、ジスキネジア、アカシジア、振せんおよび痙攣の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパチー、偏頭痛、不眠症、睡眠障害(たとえば、神経症的睡眠構成、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛障害、頭部外傷の治療に有用である。
【0068】
該化合物はまた、免疫、心臓血管障害(たとえば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、異常心臓リズム、および不整脈、鬱血性心不全、冠状動脈疾患、心臓疾患)、高血圧の治療、左心室肥大、心筋梗塞、一過性虚血性発作、末梢血管疾患、脈管系の全身性炎症、敗血性ショック、卒中、脳卒中、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝障害(たとえば、低下した代謝活性を示す状態、または全無脂肪質量の百分率としての静止エネルギー消費の減少、糖尿病、脂質代謝異常、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖性障害、空腹時糖障害、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満‐換気低下症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL−および/または高LDL−コレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖および内分泌障害(たとえば、男性における性機能低下症の治療、不妊症の治療または避妊薬として、生理異常/月経異常、多嚢胞卵巣疾患、女性および男性における性および生殖機能障害(勃起機能障害)、GH−欠乏患者、女性における多毛症、標準異型低身長(normal variant short stature))ならびに呼吸(たとえば、喘息および慢性閉塞性肺疾患)および消化器系(たとえば、消化管運動性または腸推進力機能障害、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満−関連胃−食道逆流、潰瘍)に関連した疾患の予防および治療に潜在的に有用である。
【0069】
該化合物はまた、皮膚障害、癌(たとえば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭種、プラダー−ウィリー(Prader−Willi)症候群、ターナー症候群、フローリッヒ(Frohlich)症候群、緑内障、感染症、尿路障害および炎症性障害(たとえば、変形性関節炎、炎症、ウイルス性脳炎の炎症性後遺症、骨関節症)および整形外科的障害の治療における薬剤として潜在的に有用である。該化合物はまた、(食道)無弛緩症の治療における薬剤として潜在的に有用である。
【0070】
別の側面では、本発明は薬剤としての使用を目的として先に定義された式Iの化合物を提供する。
別の側面では、肥満または体重増加の治療または予防(たとえば、減量の促進および減量の維持)、(薬物療法誘発、または喫煙中止に伴う)体重増加の予防、食欲および/または飽満、摂食障害(たとえば、過食症、拒食症、多食症および強迫症)、(薬物、タバコ、アルコール、いずれかの食欲をそそる必須栄養素または非必須食物)に対する渇望の調節、精神医学的障害、たとえば、精神および/または気分障害、統合失調症および分裂情動性障害、双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、躁病、強迫神経症、衝動制御障害、(たとえば、トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレス、および神経学的障害、たとえば痴呆および認知および/または記憶障害(たとえば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック痴呆、加齢痴呆、血管痴呆、軽度の認知障害、加齢に伴う認知低下、および軽度の加齢痴呆)、神経および/または神経変性障害(たとえば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄関連障害、神経炎症障害(たとえば、ギラン‐バレー症候群)の治療を目的とした薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0071】
別の側面では、本発明は依存性および中毒性障害および行動(たとえば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭け事、窃盗強迫)、薬物禁断症状(たとえば、知覚障害を伴う、または伴わないアルコール禁断症状;アルコール禁断症状せん妄;アンフェタミン禁断症状;コカイン禁断症状;ニコチン禁断症状;オピオイド禁断症状;知覚障害を伴う、または伴わない鎮静薬、催眠薬または抗不安薬禁断症状;鎮静薬、催眠薬または抗不安薬禁断症状せん妄;およびその他の物質による禁断症状徴候)、禁断症状中に開始する、アルコールおよび/または薬物誘発気分、不安および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの治療または予防を目的とした薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0072】
別の側面では、本発明は神経機能障害、たとえばジストニア、ジスキネジア、アカシジア、振せんおよび痙攣の治療および予防、脊髄損傷、ニューロパチー、偏頭痛、不眠症、睡眠障害(たとえば、神経症的睡眠構成、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛障害、頭部外傷の治療を目的とした薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0073】
別の側面では、本発明は免疫、心臓血管障害(たとえば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、異常心臓リズム、および不整脈、鬱血性心不全、冠状動脈疾患、心臓疾患、高血圧の治療または予防、左心室肥大、心筋梗塞、一過性虚血性発作、末梢血管疾患、脈管系の全身性炎症、敗血性ショック、卒中、脳卒中、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝障害(たとえば、低下した代謝活性を示す状態、または全無脂肪質量の百分率としての静止エネルギー消費の減少、糖尿病、脂質代謝異常、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖性障害、空腹時糖障害、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満−換気低下症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL−および/または高LDL−コレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖および内分泌障害(たとえば、男性における性機能低下症の治療、不妊症の治療または避妊薬として)、生理異常/月経異常、多嚢胞卵巣疾患、女性および男性における性および生殖機能障害(勃起機能障害)、GH−欠乏患者、女性における多毛症、標準異型低身長ならびに呼吸(たとえば、喘息および慢性閉塞性肺疾患)および消化器系(たとえば、消化管運動性または腸推進力機能障害、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満−関連胃−食道逆流、潰瘍)に関連した疾患の予防および治療を目的とした薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0074】
別の側面では、本発明は皮膚障害、癌(たとえば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭種、プラダー−ウィリー症候群、ターナー症候群、フローリッヒ候群、緑内障、感染症、尿路障害および炎症性障害(たとえば、変形性関節炎、炎症、ウイルス性脳炎の炎症性後遺症、骨関節症)および整形外科的障害の治療または予防を目的とした薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0075】
さらに別の側面では、本発明は肥満または体重増加の予防または治療(たとえば、減量の促進および減量の維持)、(薬物療法誘発、または喫煙中止に伴う)体重増加の予防、食欲および/または飽満、摂食障害(たとえば、過食症、拒食症、多食症および強迫症)、(薬物、タバコ、アルコール、いずれかの食欲をそそる必須栄養素または非必須食物)に対する渇望の調節、精神医学的障害、たとえば、精神および/または気分障害、統合失調症および分裂情動性障害、双極性障害、不安、不安‐抑鬱障害、鬱病、躁病、強迫神経症、衝動制御障害、(たとえば、トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレス、および神経障害、たとえば痴呆および認知および/または記憶障害(たとえば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック痴呆、加齢痴呆、血管痴呆、軽度の認知障害、加齢に伴う認知低下、および軽度の加齢痴呆)、神経および/または神経変性障害(たとえば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄関連障害、神経炎症障害(たとえば、ギラン−バレー症候群)の治療が必要な患者に式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、そのような状態の予防または治療の方法を提供する。
【0076】
さらに別の側面では、本発明は依存性および中毒性障害および行動(たとえば、アルコールおよび/または薬物乱用、病的賭け事、窃盗強迫)、薬物禁断症状障害(たとえば、知覚障害を伴う、または伴わないアルコール禁断症状障害;アルコール禁断症状せん妄;アンフェタミン禁断症状;コカイン禁断症状;ニコチン禁断症状;オピオイド禁断症状;知覚障害を伴う、または伴わない鎮静薬、催眠薬または抗不安薬禁断症状;鎮静薬、催眠薬または抗不安薬禁断症状せん妄;およびその他の物質による禁断症状徴候)、禁断症状中に開始する、アルコールおよび/または薬物誘発気分、不安および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの予防または治療が必要な患者に式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、そのような状態の予防または治療の方法を提供する。
【0077】
さらに別の側面では、本発明は神経機能障害、たとえばジストニア、ジスキネジア、アカシジア、振せんおよび痙攣の予防または治療、脊髄損傷、ニューロパチー、偏頭痛、不眠症、睡眠障害(たとえば、神経症的睡眠構成、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛障害、頭部外傷の治療が必要な患者に式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、そのような状態の予防または治療の方法を提供する。
【0078】
さらに別の側面では、本発明は免疫、心臓血管障害(たとえば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、異常心臓リズム、および不整脈、鬱血性心不全、冠状動脈疾患、心臓疾患、高血圧の予防または治療、左心室肥大、心筋梗塞、一過性虚血性発作、末梢血管疾患、脈管系の全身性炎症、敗血性ショック、卒中、脳卒中、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝障害(たとえば、低下した代謝活性を示す状態、または全無脂肪質量の百分率としての静止エネルギー消費の減少、糖尿病、脂質代謝異常、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖性障害、空腹時糖障害、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、シンドロームX、肥満‐換気低下症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL−および/または高LDL−コレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖および内分泌障害(たとえば、男性における性機能低下症の治療、不妊症の治療または避妊薬として)、生理異常/月経異常、多嚢胞卵巣疾患、女性および男性における性および生殖機能障害(勃起機能障害)、GH−欠乏患者、女性における多毛症、標準異型低身長ならびに呼吸(たとえば、喘息および慢性閉塞性肺疾患)および消化器系(たとえば、消化管運動性または腸推進力機能障害、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満−関連胃−食道逆流、潰瘍)に関連した疾患の予防および治療が必要な患者に式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、そのような予防または治療の方法を提供する。
【0079】
さらに別の側面では、本発明は皮膚障害、癌(たとえば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭種、プラダー−ウィリー症候群、ターナー症候群、フローリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害および炎症性障害(たとえば、変形性関節炎、炎症、ウイルス性脳炎の炎症性後遺症、骨関節症)および整形外科的障害の予防および治療が必要な患者に式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、そのような状態の予防または治療の方法を提供する。
【0080】
本発明の化合物は、肥満または体重増加の治療(たとえば、減量の促進および減量の維持)、(リバウンド、薬物療法誘発、または喫煙中止に伴う)体重増加の予防または逆転、食欲および/または飽満、摂食障害(たとえば、過食症、拒食症、多食症および強迫症)、(薬物、タバコ、アルコール、いずれかの食欲をそそる必須栄養素または非必須食物)に対する渇望の調節にとりわけ適する。
【0081】
式(I)の化合物は、肥満、精神障害のような精神医学的障害、統合失調症、双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、認知障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、ADHDのような注意障害、てんかんおよび関連する状態、ならびに痴呆のような神経障害、神経障害(たとえば、多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病の治療に有用である。該化合物はまた、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸および消化器系に関連した疾患(たとえば下痢)の治療に潜在的に有用である。該化合物はまた、長期乱用、中毒および/または逆戻り徴候の治療または予防、たとえば、薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)依存性の治療および/または薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)禁断症状を治療することにおいて潜在的に有用である。該化合物はまた、通常喫煙の停止に伴う体重増加を排除することができる。
【0082】
別の側面では、本発明は薬剤としての使用のための先に定義された式Iの化合物を提供する。
別の側面では、本発明は肥満、精神障害のような精神医学的障害、統合失調症、双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、認知障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、ADHDのような注意障害、てんかんおよび関連する状態、痴呆のような神経障害、神経障害(たとえば、多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸および消化器系に関連した疾患(たとえば下痢)ならびに長期乱用、中毒および/または逆戻り徴候の治療または予防、たとえば、薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)依存性の治療および/または薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)禁断症状の治療のための薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0083】
さらに別の側面では、本発明は肥満、精神医学的障害、たとえば精神障害、たとえば統合失調症および双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、認知障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、ADHDのような注意障害、てんかんおよび関連する状態、痴呆のような神経障害、神経障害(たとえば、多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸および消化器系に関連した疾患(たとえば下痢)ならびに長期乱用、中毒および/または逆戻り徴候の治療、たとえば、薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)依存性の治療および/または薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)禁断症状の治療が必要な患者に式Iの化合物の薬理学的有効量を投与することを含む、そのような状態を治療する方法を提供する。
【0084】
本発明の化合物は、たとえば食欲および体重の減少、体重減少の維持、およびリバウンドの予防による肥満の治療にとりわけ適する。
本発明の化合物はまた、薬物療法誘発体重増加、たとえば抗精神病薬(向精神薬)治療によって引き起こされる体重増加を予防または逆転するために使用することができる。本発明の化合物はまた、喫煙停止に伴う体重増加を予防または逆転するために使用することができる。
【0085】
組み合わせ治療
本発明の化合物は、エネルギー消費、糖分解、糖新生、グリコーゲン分解、脂肪分解、脂肪産生、脂肪吸収、脂肪蓄積、脂肪排出、空腹および/または飽満および/または渇望機序、食欲/動機付け、食物摂取またはG−I運動性に影響を与える、他の抗肥満薬のような、肥満の治療に有用な別の治療薬と組み合わせてもよい。
【0086】
本発明の化合物はさらに、高血圧、高脂血症、脂質代謝異常、糖尿病、睡眠時無呼吸、喘息、心臓障害、アテローム性動脈硬化症、大および微小血管疾患、肝脂肪症、癌、関節障害、および胆嚢障害のような、肥満に伴う障害の治療に有用な別の治療薬と組み合わせてもよい。たとえば、本発明の化合物は血圧を低下させる、もしくはLDL:HDLの比を減少させる別の治療薬、またはLDL−コレステロールの循環レベルを減少させる別の治療薬と組み合わせてもよい。糖尿病患者では、本発明の化合物はまた、微小血管障害に関連した合併症を治療するために使用される治療薬と組み合わせてもよい。
【0087】
本発明の化合物は、肥満およびそれに伴う合併症、メタボリックシンドロームならびにタイプ2糖尿病の治療のための別の治療薬と一緒に使用してもよく、これらにはビグアニド剤、インスリン(合成インスリン類似体)および経口抗高脂血症剤(これらは食事グルコース調節剤とアルファ−グルコシダーゼ阻害剤に分けられる)が挙げられる。
【0088】
本発明の別の側面では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩が、PPAR調節物質と一緒に投与されてもよい。PPAR調節物質には、PPARアルファおよび/またはガンマアゴニスト、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられるが、それらに限定されない。適切なPPARアルファおよび/またはガンマアゴニスト、その薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグは当該技術分野で周知である。
【0089】
さらに、本発明の組み合わせはスルホニル尿素と一緒に使用してもよい。本発明はまた、コレステロール低下剤と組み合わせた本発明の化合物を包含する。本出願で言及するコレステロール低下剤には、HMG−CoAレダクターゼ(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ)の阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない。適切には、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はスタチンである。
【0090】
本明細書では、“コレステロール低下剤”という用語はまた、活性または不活性にかかわらず、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の化学的改変物、たとえばエステル、プロドラッグおよび代謝産物を包含する。
【0091】
本発明はまた、回腸胆汁酸輸送系阻害剤(IBAT阻害剤)と組み合わせた本発明の化合物を包含する。本発明はまた、胆汁酸結合レジンと組み合わせた本発明の化合物を包含する。
【0092】
本発明はまた、胆汁酸隔離剤、たとえばコレスチポールまたはコレスチラミンまたはコレスタゲルと組み合わせた本発明の化合物を包含する。
本発明の付加的な別の側面に従って、そのような治療が必要なヒトのような温血動物への、場合により薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒の、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩の投与と、場合により薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒の、以下:
CETP(コレステリルエステル輸送蛋白質)阻害剤;
コレステロール吸収アンタゴニスト;
MTP(ミクロソーム輸送蛋白質)阻害剤;
ニコチン酸誘導体(徐放および組み合わせ製品を含む);
植物ステロール化合物;
プロブコール;
抗凝固剤;
オメガ−3脂肪酸;
別の抗肥満化合物、たとえば、シブトラミン、フェンテルミン、オルリスタット、ブプロピオン、エフェドリン、チロキシン;
抗高血圧化合物、たとえばアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン遮断薬、アルファアドレナリン遮断薬、ベータアドレナリン遮断薬、アルファ/ベータ混合アドレナリン遮断薬、アドレナリン刺激薬、カルシウムチャネル遮断薬、AT−1遮断薬、塩類利尿薬、利尿薬または血管拡張薬;
メラニン濃縮ホルモン(MCH)調節因子;
NPY受容体調節因子;
オレキシン受容体調節因子;
ホスホイノシチド−依存的蛋白質キナーゼ(PDK)調節因子;または
核受容体、たとえばLXR、FXR、RXR、GR、ERPα、β、PPARα、β、γおよびRORアルファの調節因子;
モノアミン伝達調節剤、たとえば選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(NARI)、ノルアドレナリン−セロトニン再取り込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、三環式抗鬱剤(TCA)、ノルアドレナリンおよび特異的セロトニン作動性抗鬱剤(NaSSA);
抗精神病薬、たとえばオランザピンおよびクロザピン;
セロトニン受容体調節因子;
レプチン/レプチン受容体調節因子;
グレリン/グレリン受容体調節因子;
DPP−IV阻害剤;
から選択される1以上の薬剤、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの、同時、連続または別個の投与とを含む組み合わせ治療が提供される。
【0093】
本発明の付加的な別の側面に従って、場合により薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒の、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩の投与と、超低カロリー食(VLCD)または低カロリー食(LCD)の同時、連続または別個投与を含む、組み合わせ治療が提供される。
【0094】
したがって、本発明の付加的な態様では、肥満およびそれに伴う合併症の治療が必要なヒトのような温血動物において、そのような状態を治療する方法が提供され、該方法は、上記動物に有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の、この組み合わせの節で記載された別のクラスの化合物の1種に由来する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグと同時、連続または別個投与で投与することを含む。
【0095】
したがって、本発明の付加的な態様では、高脂肪血状態の治療が必要なヒトのような温血動物において、そのような状態を治療する方法が提供され、該方法は上記動物に有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の、この組み合わせの節で記載された別のクラスの化合物の1種に由来する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグと同時、連続または別個投与で投与することを含む。
【0096】
本発明の別の側面に従って、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、およびこの組み合わせの節で記載された別のクラスの化合物の1種に由来する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグを、薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒に含有する、医薬組成物が提供される。
【0097】
本発明の別の側面に従って、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、およびこの組み合わせの節で記載された別のクラスの化合物の1種に由来する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグを含有するキットが提供される。
【0098】
本発明の別の側面に従って、以下のものを含有するキットが提供される:
a)第1の単位剤形における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩;
b)第2の単位剤形における、この組み合わせの節で記載された別のクラスの化合物の1種に由来する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグ;および
c)上記第1および第2剤形を含有するための容器手段。
【0099】
本発明の別の側面に従って、以下のものを含有するキットが提供される:
a)第1の単位剤形における、薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒の、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩;
b)第2の単位剤形における、この組み合わせの節で記載された別のクラスの化合物の1種に由来する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグ;および
c)上記の第1および第2剤形を含有するための容器手段。
【0100】
本発明の別の態様に従って、ヒトのような温血動物において、肥満およびそれに伴う合併症の治療における使用のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、およびこの組み合わせの節で記載された別の化合物の1種、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0101】
本発明の別の態様に従って、ヒトのような温血動物において、高脂肪血状態の治療における使用のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、およびこの組み合わせの節で記載された別の化合物の1種、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0102】
本発明の別の側面に従って、場合により薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒の、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩の投与と、場合により薬学的に許容しうる希釈剤またはキャリアと一緒の、有効量の、この組み合わせの節で記載された別の化合物の1種、またはその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの同時、連続または別個投与を含む組み合わせ治療が必要な、ヒトのような温血動物へのそのような治療が提供される。
【0103】
さらに、本発明の化合物はまた、肥満に関連した障害または状態(たとえば、II型糖尿病、メタボリックシンドローム、脂質代謝異常、耐糖性障害、高血圧、冠状動脈性心疾患、非アルコール性脂肪肝炎、変形性関節炎、およびある種の癌)ならびに精神医学的および神経状態の治療において有用な治療薬と組み合わせてもよい。
【0104】
肥満および体重増加の医学的に受容できる定義が存在することは理解されるであろう。患者は、たとえばキログラムであらわした体重を、メートルで表した身長の二乗で割ることにより計算される肥満指数(BMI)を測定し、結果を定義と比較することによって確認することができる。
【0105】
薬理学的活性
本発明の化合物は、CB1遺伝子の受容体産物に対して活性である。中枢カンナビノイド受容体に対する本発明の化合物の親和性は、Devane et al,Molecular Pharmacology,1988,34,605に記載の方法、またはWO01/70700もしくはEP656354に記載の方法で実証することができる。あるいは、アッセイは以下の様に行ってもよい。
【0106】
CB1遺伝子を安定にトランスフェクションした細胞から調製した10μgの膜は、200μlの100mM NaCl、5mM MgCl、1mM EDTA、50mM HEPES(pH7.4)、1mM DTT、0.1% BSAおよび100μM GDPに懸濁した。これにEC80濃度のアゴニスト(CP55940)、必要な濃度の試験化合物および0.1μCi[35S]−GTPγSを添加した。
【0107】
反応は30℃で45分間行った。セルハーベスター(cell harvester)を使用して試料をGF/Bフィルター上に移し、洗浄バッファー(50mM Tris(pH7.4)、5mM MgCl、50mM NaCl)で洗浄した。フィルターはシンチラントで覆い、フィルターによって保持された[35S]−GTPγSの量を計数した。
【0108】
活性は、すべてのリガンドの非存在下(最小活性)またはCP55940のEC80濃度の存在下(最大活性)で測定される。これらの活性は、それぞれ0%および100%活性として設定される。新規リガンドの種々の濃度において、活性は最大活性の百分率として計算され、プロットされる。データは方程式y=A+((B−A)/1+((C/x)UD))を使用して調整し、IC50値は使用した条件下で、GTPγS結合の半数最大阻害を生み出すために必要な濃度として決定される。
【0109】
本発明の化合物は、CB1受容体において活性である(IC50 <1マイクロモル)。最も好ましい化合物は、IC50<200ナノモルを有する。たとえば、実施例10のIC50は6.0nMそして実施例11では6.4nMである。
【0110】
本発明の化合物は、選択的なCB1アンタゴニストまたは逆アゴニストであると考えられる。効力、選択性特性および副作用の傾向は、CB1アンタゴニスト/逆アゴニスト特性を有すると推定される今まで既知の化合物の臨床的有用性を限定する可能性がある。この点において、消化器および/または心臓血管機能のモデルにおける本発明の化合物の前臨床評価は、それらが、代表的な参照CB1アンタゴニスト/逆アゴニスト物質に比較して著しい利点を提供することを示唆する。
【0111】
本発明の化合物は、効力、選択性特性、バイオアベイラビリティー、血漿半減期、血液脳透過性、血漿蛋白質結合(たとえば、薬剤のより多い遊離画分)または溶解度の点で、代表的な参照CB1アンタゴニスト/逆アゴニスト物質に比較して付加的な利点を提供することができる。
【0112】
肥満および関連する状態の治療において、本発明の化合物の有用性は、カフェテリアダイエット−誘発肥満マウスにおける体重の減少によって証明される。雌C57B1/6Jマウスは、高カロリーの‘カフェテリア’ダイエット(ソフトチョコレート/ココア型ペストリー、チョコレート、脂肪の多いチーズおよびヌガー)および標準実験室食を、8〜10週間、自由摂取した。次に試験されることになる化合物が、最小5日間、1日1回、全身的に(iv、ip、scまたはpo)投与され、マウスの体重は1日ごとにモニターされた。肥満の同時評価は、研究の開始と終了時におけるDEXAイメージングの手段により行った。また、血液採取を行い、肥満−関連血漿マーカーの変化をアッセイした。
【0113】
実施例
略語
AcOH 酢酸
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DEA ジエチルアミン
DIEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtN トリエチルアミン
ExまたはEX 実施例
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MeOH メタノール
MeCN アセトニトリル
rtまたはRT 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
t トリプレット
s シングレット
d ダブレット
q カルテット
qvint クインテット
m マルチプレット
br ブロード
bs ブロードシングレット
dm ダブレットオブマルチプレット
bt ブロードトリプレット
dd ダブレットオブダブレット
一般的実験手順
マススペクトルは、共に空気圧補助エレクトロスプレイインターフェースを備えたMicromass ZQ単一四重極またはMicromass LCZ単一四重極質量分析計(LC−MS)のいずれかで記録した。HNMR測定は、それぞれ300および500MHzのH周波数で作動するVarian Mercury 300またはVarian Inova 500のいずれかで行った。化学シフトは、内部標準としてCDClを用い、ppmで表わされる。CDClは特記しない限り、NMRの溶媒として使用される。精製は、19x100mm C8カラムを備え、マストリガードフラクションコレクター、Shimadzu QP8000単一四重極質量分析計を伴った、セミ分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で行った。移動相は、特記しない限り、アセトニトリルおよびバッファー(0.1M 酢酸アンモニウム:アセトニトリル95:5)を使用した。
【0114】
異性体の単離には、Kromasil CN E9344(250x20mm i.d.)カラムを使用した。移動相としてヘプタン:酢酸エチル:DEA 95:5:0.1を使用した(1ml/分)。画分の回収は、UV−検出器(330nm)を使用して行った。
純度分析のための典型的なHPLC−パラメータ:
HPLC−系:Agilent1100
カラム:Zorbax Eclipse XDB−C8 150x4.6mm
分析時間:15分
流速:1.5ml/分
移動相:A:水、5%MeOH
B:MeOH
温度:40℃
検出器:Uv240mm
発明の実施例
実施例1
ステップA 1−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−1−オン
4−ヒドロキシプロピオフェノン(15.0g、0.10mol)を炭酸カリウム(13.8g、0.10mol)と一緒にアセトン(200ml)に溶解した。ベンジルブロミド(17.1g、0.10mol)を添加し、反応混合物を一晩加熱還流した。室温に戻した後、混合物をろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、白色固体として標題化合物24.0g(100%)を得た。
【0115】
ステップB 1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ブロモプロパン−1−オン
1−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−1−オン(4.80g、20.0mmol)を酢酸(25ml)に懸濁し、0℃に冷却した。臭素(3.20g、20.0mmol)を滴下して加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し、その時点で反応混合物は透明な黄色溶液であった。冷却後、水(100ml)を添加し、生成物をエーテル(2x100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を水、炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去して、淡黄色固体として標題化合物(6.17g、97%)を得た。
【0116】
ステップC 2−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−オキソ−エチル]−3−オキソ−酪酸エチルエステル
ナトリウムエトキシドの溶液を、無水エタノール30ml中の金属ナトリウム(0.53g、23.0mmol)から得た。この溶液に、0℃でエチルアセトアセテート(3.00g、23.0mmol)を添加した。30分間後、この溶液をエタノール:トルエン(30:15ml)中の1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ブロモプロパン−1−オン(6.17g、19.0mmol)に添加し、反応混合物を一晩撹拌した。1M HClで酸処理後、酢酸エチル(3x)で抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去して粗生成物を得た後、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc95:5〜70:30)により精製し、淡黄色オイルとして標題化合物5.18gを得た。
【0117】
ステップD 5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
ナトリウムエトキシドの溶液を、無水エタノール20ml中の金属ナトリウム(0.19g、8.26mmol)から得た。この溶液に、2−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソ−エチル]−3−オキソ−酪酸エチルエステル(2.13g、6.00mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。予め調製した、2,4−ジクロロフェニルジアゾニウムクロリド(0℃で、3mlの24% HCl中の2,4−ジクロロアニリン(1.19g、7.30mmol)と3ml水中の亜硝酸ナトリウム(0.52g、7.50mmol)から調製)を、温度を5℃以下に保ちながら5回にわけて添加した。室温で2.5時間撹拌後、水を添加し、生成物をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去した。残渣をエタノール(40ml)に溶解し、10ml水中の水酸化ナトリウム(0.80g、20.0mmol)を添加した。2時間、還流下で沸騰後、反応混合物を冷却し、HClで酸性化し、生成物をEtOAc(3x)で抽出した。洗浄、乾燥(NaSO)、ろ過、そして濃縮後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 70:30〜50:50)により精製し、淡黄色オイルとして標題化合物1.84g(68%)を得た。
【0118】
ステップE 5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.84g、4.07mmol)をジクロロメタンに懸濁し、数滴のDMF、続いてオキサリルクロリド(1.03g、8.14mmol)を添加した。反応混合物を2時間還流した。室温に戻した後、溶媒を除去し、未精製の酸クロリドをジクロロメタンに再溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(1.15ml、8.20mmol)、続いて1−アミノピペリジン(0.5ml、4.50mmol)を添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタン(3x)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc80:20〜70:30)により精製し、固体として標題化合物1.13g(52%)を得た。
【0119】
ステップF 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(1.00g、1.87mmol)を、100mgのパラジウム−炭素(10%Pd)と一緒に25mlの無水エタノールに溶解した。反応物をバルーン(balloon)で一晩水素添加した。ろ過、濃縮、およびフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc50:50〜EtOAc)により、固体として標題化合物0.83g(100%)を得た。
【0120】
ステップG プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(222mg、0.50mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.07ml、0.50mmol)を添加した。プロパンスルホニルクロリド(71mg、0.50mmol)を0℃で添加し、冷却浴を除去し、反応物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc70:30〜50:50)により生成物を得て、それをヘキサン:EtOAcから再結晶化し、白色固体、m.p.190℃として標題化合物135mg(49%)を得た。
HNMR(CDCl):δ7.66(1H,broad s),7.44−7.17(7H,m),3.25(2H,t),2.90(4H,m),2.39(3H,s),2.091.97(2H,m),1.78(4H,m),1.45(2H,m),1.17(3H,t)
MSm/z573(M+Na)
実施例2
1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−[4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
実施例1、ステップF由来の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(250mg、0.56mmol)を、アセトン(10ml)に溶解し、炭酸カリウム(77mg、0.56mmol)、続いて1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブタン(140mg、0.56mmol)を添加した。反応混合物は還流下で一晩沸騰させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc70:30〜60:40)により精製し、白色固体130mg(42%)を得て、それをヘキサン:EtOAc95:5で摩砕(triturated)し、ろ過した。
HNMR(CDCl):δ7.63(1H,broad s),7.43(1H,m),7.30(2H,m),7.10−7.00(2H,m),6.85−6.78(2H,m),4.05(2H,t),2.90(4H,m),2.40−2.19(5H,sおよびm),2.15−1.97(2H,m),1.78(4H,m),1.45(2H,m)
MSm/z577(M+Na)。HPLC:98.4%
実施例3
ブタン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(350mg、0.78mmol)を、ジクロロメタン(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.11ml、0.78mmol)を添加した。ブタンスルホニルクロリド(0.12g、0.78mmol)を0℃で添加し、冷却浴を除去し、反応物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc70:30〜50:50)により生成物を得て、それをヘキサン:EtOAcから再結晶し、固体として標題化合物200mg(45%)を得た。
HNMR(CDCl):δ7.48−7.19(8H,m),3.29(2H,m),2.96(4H,m),2.41(3H,s),2.09−1.97(2H,m),1.81(4H,m),1.64−1.50(4H,m),1.02(3H,t)
実施例4
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(モルホリン−4−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
ステップA 5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド
25mlのCHCl中の実施例1、ステップDのように製造した、5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.18g、2.6mmol)の溶液に、2滴のDMF、続いてオキサリルクロリド(0.44ml、5.2mmol)を添加した。混合物は2時間還流下で沸騰させ、室温に戻し、蒸発乾固した。残渣を25mlのCHClに溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.73ml、5.2mmol)、続いて1−アミノピペリジン(0.28ml、2.9mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。水(100ml)を添加し、混合物をCHCl(3x50ml)で抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:EtOAc1:2、EtOAc)により白色固体として標題化合物215mg(15%)を得た。
【0121】
ステップB 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド
5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド(215mg、0.40mmol)を20mlのCHClに溶解し、0℃に冷却した。三臭化ホウ素(78μl、0.80mmol)を滴下して加え、反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。水(50ml)を添加し、溶液をEtOAc(3x50ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:EtOAc1:2、EtOAc)により白色固体として標題化合物180mg(99%)を得た。
【0122】
ステップC プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(モルホリン−4−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
CHCl10ml中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド(180mg、0.40mmol)の溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(56μl、0.40mmol)、続いて1−プロパンスルホニルクロリド(45μl、0.40mmol)を添加し、反応混合物を室温で5時間撹拌した。水を添加し、混合物をCHCl(3x20ml)で抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:EtOAc1:2)により白色固体として標題化合物82mg(46%)を得た。
HNMR(CDCl):δ7.7(1H,s),7.5−7.4(1H,m),7.4−7.1(6H,m),3.9−3.8(4H,m),3.3−3.2(2H,m),3.0−2.9(4H,m),2.4(3H,s),2.1−1.9(2H,m),1.2(3H,t).
MSm/z576(M+Na)。HPLC:98.0%。
【0123】
実施例5
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
ステップA 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
実施例1、ステップEのように製造した5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(330mg、0.62mmol)を20mlのCHClに溶解し、0℃に冷却した。三臭化ホウ素(120μl、1.24mmol)を滴下して加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。水(50ml)を添加し、溶液をEtOAc(3x20ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:EtOAc1:3、EtOAc)により白色固体として標題化合物130mg(47%)を得た。
【0124】
ステップB 3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
CHCl10ml中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(130mg、0.30mmol)の溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(42μl、0.30mmol)、続いてManchester Organicsから購入した(しかし、4,4,4−トリフルオロブタン−1−スルホニルクロリドに関してWO200010968に記載された方法に類似の方法で製造してもよい)3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルクロリド(59mg、0.30mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、混合物をCHCl(3x20ml)で抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:EtOAc7:3、6:4)により白色固体、m.p.160℃の標題化合物150mg(82%)を得た。
HNMR(CDCl):δ7.7(1H,broad s),7.5−7.2(7H,m),3.6−3.5(2H,m),3.0−2.7(6H,m),2.4(3H,s),1.9−1.7(4H,m),1.6−1.4(2H,m).
MSm/z628(M+Na)。HPLC:92.5%。
【0125】
実施例6
4,4,4−トリフルオロブタン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
実施例5、ステップAのように製造した、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(0.49g、1.20mmol)を、ジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃に冷却し、そして、トリエチルアミン(0.67ml、4.8mmol)、続いてWO200010968に記載のように製造した4,4,4−トリフルオロブタン−1−スルホニルクロリド(0.38g、1.80mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc1:1〜EtOAc)つづいて再結晶(ヘキサン:EtOAc)により、無色固体として標題化合物0.32g(43%)を得た。
HNMR(CDCl):δ7.80(1H,broad s),7.50−7.19(7H,m),3.40(2H,m),3.05−2.90(4H,m),2.50−2.20(7H,sおよびm),1.92−1.70(4H,m),1.57−1.40(2H,m)。
MSm/z641(M+Na)
HPLC:96.5%
実施例7
プロパン−1−スルホン酸−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,6−ジフルオロフェニルエステル
ステップA 1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−プロパン−1−オン
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(5.00g、26.9mmol)を、炭酸カリウム(3.90g、28.2mmol)と一緒にアセトン(100ml)に溶解した。ベンジルブロミド(4.82g、28.2mmol)を添加し、反応混合物を一晩、還流下で沸騰させた。室温に戻した後、混合物をろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して、白色固体として標題化合物7.43g(100%)を得た。
【0126】
ステップB 1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−2−ブロモプロパン−1−オン
1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパン−1−オン(7.43g、26.9mmol)を酢酸(35ml)に懸濁した。臭素(4.28g、26.8mmol)を滴下して加え、反応混合物は室温で2時間撹拌し、その時点で反応混合物は透明な黄色溶液であった。冷却後、氷−水(100ml)を添加し、生成物をエーテル(2x100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を水、炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去して、淡黄色オイルとして標題化合物9.30g(98%)を得た。
【0127】
ステップC 2−アセチル−4−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−3−メチル−4−オキソ酪酸エチルエステル
ナトリウムエトキシドの溶液を、無水エタノール40ml中の金属ナトリウム(0.74g、32.0mmol)から得た。この溶液に、0℃でエチルアセトアセテート(4.16g、32.0mmol)を添加した。30分間後、この溶液をエタノール:トルエン(40:20ml)中の1−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−2−ブロモプロパン−1−オン(9.30g、26.2mmol)に添加し、反応混合物を一晩撹拌した。1M HClで酸処理後、酢酸エチル(3x)で抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去して粗生成物を得た後、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc95:5〜70:30)により精製し、オイルとして標題化合物6.95g(66%)を得た。
【0128】
ステップD 5−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
ナトリウムエトキシドの溶液を、無水エタノール60ml中の金属ナトリウム(0.53g、22.0mmol)から得た。この溶液に、2−アセチル−4−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−3−メチル−4−オキソ酪酸エチルエステル(6.95g、17.2mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。予め調製した、2,4−ジクロロフェニルジアゾニウムクロリド(0℃で、9mlの24% HCl中の2,4−ジクロロアニリン(3.39g、21.0mmol)と3ml水中の亜硝酸ナトリウム(1.48g、21.0mmol)から調製)を、温度を5℃以下に保ちながら5回にわけて添加した。0℃で2時間撹拌後、反応混合物を室温に戻し、一晩撹拌した。水を添加し、生成物をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去して、未精製のエチルエステル9.20gをオイルとして得た。残渣(9.20g)をエタノール(120ml)に溶解し、15ml水中の水酸化ナトリウム(2.30g、57.5mmol)を添加した。2時間、還流下で沸騰後、反応混合物を冷却し、HClで酸性化し、生成物をEtOAc(3x)で抽出した。洗浄、乾燥(NaSO)、ろ過、そして濃縮後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:AcOH80:20:2〜ヘキサン:EtOAc:AcOH50:50:2)により精製し、固体として標題化合物5.46g(65%、2段階)を得た。
【0129】
ステップE 5−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
5−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(5.46g、11.2mmol)をジクロロメタン(60ml)に懸濁し、数滴のDMF、続いてオキサリルクロリド(4.70ml、55.8mmol)を添加した。反応混合物を1.5時間、還流下で沸騰させた。室温に戻した後、溶媒を除去し、未精製の酸クロリドをジクロロメタンに再溶解し、0℃に冷却し、EtN(3.10ml、22.0mmol)、続いて1−アミノピペリジン(1.2ml、11.2mmol)を添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタン(3x)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc80:20〜70:30)により、黄色固体として標題化合物1.86g(30%)を得た。
【0130】
ステップF 5−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
5−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(1.86g、3.25mmol)を、50mlのジクロロメタンに溶解し、−78℃に冷却した。BBr(0.60ml、6.50mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。水を添加し、生成物をCHCl(x3)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc50:50)により淡黄色固体として標題化合物0.64g(41%)を得た。
【0131】
ステップG プロパン−1−スルホン酸−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,6−ジフルオロフェニルエステル
5−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
(0.64g、1.32mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃に冷却し、トリエチルアミン(0.18ml、1.32mmol)、続いてプロパンスルホニルクロリド(0.19g、1.31mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc70:30〜50:50)により、淡黄色固体として標題化合物410mg(53%)を得た。
HNMR(CDCl):δ7.66(1H,broad s),7.60−7.24(4H,m),6.97−6.78(1H,m),3.50−3.37(2H,m),3.02−2.80(4H,m),2.40(3H,s),2.20−2.00(2H,m),1.92−2.72(4H,m),1.60−1.40(2H,m),1.08(3H,t)。
MSm/z609(M+Na)。HPLC:97.5%。
【0132】
実施例8
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
ステップA 4−(4−ベンジルオキシフェニル)−2,4−ジオキソ酪酸エチルエステル
エーテル(50ml)中のLiHMDS(88ml、THF中1M)の溶液に、窒素下、−78℃で、エーテル(150ml)およびTHF(50ml)に溶解した1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン(20g、88.4mmol)の懸濁液を1時間かけて添加した。得られた混合物を−78℃で1時間撹拌し、その後シュウ酸ジエチルエステル(14.2g、97.2mmol)を添加した。得られた混合物をゆっくり室温に温め、その後一晩放置した。反応混合物をペンタン(90ml)で希釈し、粗生成物をそのリチウム塩として沈殿させた。集めた固体(27.2g)を真空下で乾燥し、次のステップに直接使用した。
【0133】
ステップB 5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル
4−(4−ベンジルオキシフェニル)−2,4−ジオキソ酪酸エチルエステル(27.2g、先のステップ由来のLi塩として)をエタノール(350ml)に懸濁し、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン(17.8g、83.3mmol)を添加した。反応混合物は室温で一晩撹拌した。次に減圧下で溶媒を除去し、残渣を酢酸に溶解し、得られた混合物を24時間還流した。反応混合物を酢酸エチル(1L)で希釈し、飽和NaHCO(6x250ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO)し、ろ過し、減圧下で濃縮してオイルを得た。オイルをフラッシュクロマトグラフィー(SiO,ヘプタン中20%EtOAc)により精製した。生成物画分は減圧下で濃縮し、残った物質をさらに再結晶(酢酸エチル/ヘプタン)により精製し、白色固体(19.6、2ステップにわたり57%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.42(t,3H),4.45(q,2H),5.03(s,2H),6.88(d,2H),7.01(s,1H),7.11(d,2H),7.3−7.45(m,8H)。MS:467(M+1)。
【0134】
ステップC 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル
ジクロロメタン(30ml)中の5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(735mg、1.57mmol)および(CHS(0.58ml、7.86mmol)の溶液に、窒素下でBF−ジエチルエーテラート(1.0ml、7.86mmol)を滴下して加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。その後、さらに(CHS(0.58ml、7.86mmol)およびBF−ジエチルエーテラート(1.0ml、7.86mmol)を添加し、得られた混合物をさらに3日間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで80mlに希釈し、水(3x30ml)およびブライン(40ml)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO)し、ろ過し、そして減圧下で濃縮し、白色個体(573mg、96%)を得た。粗物質を直接使用した。
H−NMR(CDCl):δ1.41(t,3H),4.44(q,2H),6.74(d,2H),7.00(s,1H),7.06(d,2H),7.3−7.45(m,3H)。MS:375(M−1)。
【0135】
ステップD 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−(プロパン−1−スルホニルオキシ)−フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(510mg、1.35mmol)を窒素下で、ジクロロメタン(20ml)に懸濁し、トリエチルアミン(0.75ml、5.4mmol)を添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、1−プロパンスルホニルクロリド(0.30ml、2.7mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、反応混合物をジクロロメタンで40mlに希釈し、飽和NaHCO(3x20ml)およびブライン(20ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)し、ろ過し、そして減圧下で濃縮してオイル(0.64g、98%)を得た。粗物質はそれ以上精製せずにそのまま使用した。
H−NMR(CDCl):δ1.12(t,3H),1.43(t,3H),2.01(m,2H),3.23(m,2H),4.46(q,2H),7.07(s,1H),7.19−7.46(m,7H)。
MS:483(M+1)。
【0136】
ステップE プロパン1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
1−アミノピペリジン塩酸塩(36mg、0.26mmol)を、窒素雰囲気下でトルエン(1.0ml)に溶解した。トリメチルアルミニウム(トルエン中2M、0.17ml)を室温で滴下して加えた。次に得られた混合物を室温で40分間撹拌した。この混合物をDCM(1.0ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−(プロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(42mg、0.087mmol)の撹拌懸濁液に添加し、得られた混合物を一晩、60℃で加熱した。反応を、水の添加により停止し、水(20ml)とDCM(20ml)間に分配した。有機層を水(3x10ml)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLC、C8カラム、水中5〜100%アセトニトリル(バッファー:0.1M酢酸アンモニウム)により精製した。生成物画分を酢酸エチルで希釈し、数回水で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣を凍結乾燥し、白色固体(26mg、55%)を得た。
H−NMR(CDCl):1.11(t,3H),1.43(m,2H),1.76(m,4H),2.00(m,2H),2.85(m,4H),3.22(m,2H),7.11(m,1H),7.20(m,4H),7.37(m,2H),7.49(m,1H)。
MS:537(M+1)
実施例9
プロパン−1−スルホン酸4−[4−ブロモ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
ステップA 4−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−(プロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル
実施例8、ステップDのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−(プロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(597mg、1.23mmol)を、ジクロロメタン(15ml)に溶解し、ジクロロメタン(1ml)中の臭素(0.06ml、1.23mmol)を添加し、得られた混合物を一晩、室温で撹拌した。さらに臭素(0.06ml、1.23mmol)を添加し、混合物をさらに20時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで80mlに希釈し、飽和NaHCO(40ml)、20%Na(40ml)、飽和NaHCO(2x40ml)およびブライン(40ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して橙色オイル(0.598、73%)を得た。粗物質はそれ以上精製せずに使用した。
H−NMR(CDCl):δ1.12(t,3H),1.44(t,3H),2.01(m,2H),3.24(m,2H),4.48(q,2H),7.2−7.46(m,7H)。MS:561
ステップB プロパン−1−スルホン酸4−[4−ブロモ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
この化合物は、実施例8ステップEに記載の方法と類似の方法で、4−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−[4−(プロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルと1−アミノピペリジン塩酸塩を反応させることにより製造し、白色固体として標題化合物26mgを得た。収率:25%
H−NMR(CDCl):1.12(t,3H),1.43(m,2H),1.74(m,4H),2.01(m,2H),2.90(m,4H),3.24(m,2H),7.21−7.45(m,7H)
MS:615。
【0137】
実施例10
メチル1−{[(1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−{4[(プロピルスルホニル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンタンカルボキシレート
ステップA メチル1−アミノシクロペンタンカルボキシレート塩酸塩
チオニルクロリド(1.5ml)をメタノール(15ml)に溶解し、1−アミノシクロペンタンカルボン酸(100mg、0.774mmol)に注いだ。混合物を1時間還流した。溶媒を留去し、生成物(107mg、77%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ9.00−8.60(br,3H),3.79(s,3H),2.23(s,4H),2.14−2.00(m,2H),1.90−1.76(m,2H)。
【0138】
ステップB メチル1−({[5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレート
DCM(2ml)中の実施例1ステップDのように製造した5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(59mg、0.130mmol)を、DCM(20ml)中のオキサリルクロリド(2ml)の溶液と混合した。DMFを1滴添加し、反応は暗所中、室温で1時間継続させた。溶媒を留去し、DCM(2ml)を添加し、酸クロリド混合物を、DCM(2ml)およびKCO(aq.10wt%、2ml)中のメチル1−アミノシクロペンタンカルボキシレート塩酸塩(23mg、0.130mmol)の混合物に添加した。反応は室温で3時間、継続させた。相を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥して、生成物(71mg、94%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.43−7.23(m,9H),7.06−7.00(m,2H),6.93−6.87(m,2H),5.02(s,2H),3.75(s,3H),2.40−2.30(m,2H),2.34(s,3H),2.14−2.04(m,2H),1.87−1.77(m,4H)。
MSm/z578,580,582(M+H)
ステップC メチル1−({[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレート
三フッ化ホウ素エーテラート(156μl、1.23mmol)を、DCM(2ml)中のメチル1−({[5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレート(51mg、0.088mmol)およびジメチルスルフィド(90μl、1.23mmol)の混合物に添加した。反応は、暗所中、室温で46時間継続させた。水およびDCMを添加し、相を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した(39mg、90%)。
HNMR(399.964MHz)δ7.60−6.60(m,8H),3.72(s,3H),2.43−2.23(m,2H),2.26(s,3H),2.15−2.00(m,2H),1.85−1.75(m,4H).
MSm/z488,490,492(M+H)
ステップD メチル1−{[(1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−{4[(プロピルスルホニル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンタンカルボキシレート
TEA(100μl)、次に1−プロパンスルホニルクロリド(30μl、0.268mmol)を、−78℃で、乾燥DCM(1.5ml)中のメチル1−({[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}アミノ)シクロペンタンカルボキシレート(39mg、0.080mmol)の混合物に添加した。反応は、−78℃、N(g)下で、1.5時間継続させた。水およびDCMを添加し、温度を室温に戻した。相を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物は、分取HPLC(Kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は約88%アセトニトリルで現れた)により精製し、ほぼ白色粉末として生成物(17mg、35%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.45−7.39(br,1H),7.32−7.28(m,2H),7.27−7.19(m,3H),7.18−7.12(m,2H),3.76(s,3H),3.26−3.20(m,2H),2.40−2.30(m,2H),2.35(s,3H),2.15−2.05(m,2H),2.05−1.95(m,2H),1.88−1.78(m,4H),1.12(t,3H)。
HRMS [C2729ClS+H]としたときの計算値:594.123。実測値:594.121
実施例11
炭酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステルプロピルエステル
炭酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステルプロピルエステル
実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(0.44g、1.00mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.28ml、2.24mmol)を添加した。クロロギ酸プロピル(0.14ml、1.24mmol)を0℃で添加し、反応物を40分間撹拌し、濃縮し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc70:30〜50:50)で精製し、標題化合物345mg(65%)を得た。分取HPLCによりさらに精製し、標題化合物239mgを得た。
HNMR(CDCl):δ7.71−7.18(8H,m),4.24(2H,t),2.93(4H,m),2.40(3H,s),1.78(6H,m),1.46(2H,m),1.03(3H,t)
MSm/z553(M+Na)
HPLC:94.15%
実施例12
4−{[(1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]}−1H−ピラゾール−5−イル)フェニルチオフェン−2−スルホネート
DCM(2.5ml)中のチオフェン−2−スルホニルクロリド(433mg、2.37mmol)を、−78℃、N(g)下で、DCM(2.5ml)中の実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(200mg、0.45mmol)およびTEA(0.5ml、3.59mmol)の混合物に添加した。反応は−78℃で2時間、その後室温で19時間継続させた。水を添加し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物は、分取HPLC(Kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は100%アセトニトリルで現れた)によりさらに精製し、ほぼ白色粉末(158mg、60%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.71−7.67(m,1H),7.67−7.57(br,1H),7.50−7.46(m,1H),7.35(s,1H),7.25(s,2H),7.07−7.00(m,3H),6.98−6.92(m,2H),2.86−2.76(m,4H),2.29(s,3H),1.73−1.65(m,4H),1.42−1.33(m,2H).
HRMS [C2624Cl+H]としたときの計算値:591.069。実測値:591.067。
【0139】
実施例13
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニルピリジン−3−スルホネート塩酸塩
ステップA:4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニルピリジン−3−スルホネート
DCM(10ml)中のピリジン−3−スルホニルクロリド(144mg、0.67mmol)を、−78℃、N(g)下で、DCM(2.5ml)中の実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(200mg、0.45mmol)およびTEA(0.5ml、3.59mmol)の混合物に添加した。反応は−78℃で1.5時間、続いて室温で30分間継続させた。水を添加し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチル、生成物は42%酢酸エチルで生じた)によりさらに精製し、ほぼ白色粉末(216mg、82%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ8.95−8.85(m,2H),8.10−8.04(m,1H),7.64(s,1H),7.50−7.45(m,1H),7.44−7.40(m,1H),7.34−7.24(m,2H),7.09−7.04(m,2H),7.00−6.95(m,2H),2.88−2.78(m,4H),2.33(s,3H),1.78−1.68(m,4H),1.46−1.36(m,2H)。
HRMS [C2725ClS+H]としたときの計算値:586.108。実測値:586.111
ステップB:4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニルピリジン−3−スルホネート塩酸塩
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニルピリジン−3−スルホネート(150mg、0.26mmol)を酢酸(10ml)中、0.1MHClに溶解し、凍結乾燥し、白色粉末として塩(159mg、99,8%)を得た。
【0140】
実施例14
tert−ブチル[2−(4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェノキシ)エチル]エチルカーバメート
ステップA:tert−ブチルエチル(2−ヒドロキシエチル)カーバメート
THF(10ml)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(3.19g、14.6mmol)を2−(エチルアミノ)エタノール(1.00g、11.2mmol)に添加し、室温で3時間反応させた。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物(2.28g)を得た。
HNMR(499.961MHz)δ3.71−3.65(br,2H),3.55−3.35(br,1H),3.35−3.30(br,2H),3.30−3.20(br,2H),1.43(s,9H),1.07(t,3H)。
【0141】
ステップB:tert−ブチル[2−(4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェノキシ)エチル]エチルカーバメート
実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(151.6mg、0.34mmol)およびtert−ブチルエチル(2−ヒドロキシエチル)カーバメート(408.6mg、1.73mmol)を、トルエン(1ml)中で混合し、シングルノードマイクロ波オーブン中、180℃で反復して反応させた。全反応時間は、2時間であった。シアノメチレントリ−N−ブチルホスホランを添加した後、それぞれ加熱した(全量925mg、3.83mmol)。次に溶媒を留去し、生成物を分取HPLC(kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は100%アセトニトリルで現れた)およびフラッシュクロマトグラフィー(SiO、トルエン:酢酸エチル、生成物は30%酢酸エチルで生じた)により精製し、ほぼ白色粉末(125mg、60%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.62(s,1H).7.37(s,1H),7.23(s,2H),7.01−6.95(m,2H),6.81−6.75(m,2H),4.05−3.95(br,2H),3.55−3.45(br,2H),3.35−3.25 (br,2H),2.86−2.78(br,4H),2.32(s,3H),1.75−1.65(m,4H),1.41(s,9H),1.45−1.35(m,2H),1.08(t,3H)。
MSm/z616,618,620(M+H)
【0142】
実施例15
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−{4−[2−(エチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド二塩酸塩
メタノール(10ml)中のチオニルクロリド(1ml、13.71mmol)をメタノール(2ml)中の実施例4、ステップB由来のtert−ブチル[2−(4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェノキシエチル)エチルカーバメート(137mg、0.22mmol)の懸濁液に添加した。2.5時間後、溶媒を留去し、生成物を凍結乾燥した。化合物を、分取HPLC(kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は72%アセトニトリルで現れた)で精製し、凍結乾燥し、そして最後に酢酸(15ml)の0.1MHClに溶解し、再び凍結乾燥し、ほぼ白色粉末(53mg、40%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.54−7.47(m,2H),7.44−7.39(m,1H),7.19−7.14(m,2H),7.01−6.96(m,2H),4.24(t,2H),3.41(t,2H),3.18−3.06(m,6H),2.27(s,3H),1.87−1.78(m,4H),1.57−1.48(m,2H),1.32(t,3H)。
HRMS [C2631Cl+H]としたときの計算値:516.193。実測値:516.195。
【0143】
実施例16
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル 3−メチルブタン−1−スルホネート
DCM(2ml)中の3−メチルブタン−1−スルホニルクロリド(84mg、0.49mmol)を、−78℃、N(g)下で、DCM(2ml)中の実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(100mg、0.23mmol)およびTEA(0.5ml、3.59mmol)の混合物に添加した。反応は−78℃で1時間継続させた。水を添加し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物を、分取HPLC(kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は100%アセトニトリルで現れた)で精製し、ほぼ白色粉末(94mg、72%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.85−7.45(br,1H),7.38(s,1H),7.29−7.25(m,2H),7.23−7.18(m,2H),7.16−7.11(m,2H),3.25−3.18(m,2H),2.88−2.80(m,4H),2.33(s,3H),1.86−1.77(m,2H),1.76−1.65(m,5H),1.45−1.34(m,2H),0.92(d,6H)。
HRMS [C2732ClS+H]としたときの計算値:579.160。実測値:579.159。
【0144】
実施例17
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル 3,3−ジメチルブタン−1−スルホネート
DCM(2ml)中の3,3−ジメチルブタン−1−スルホニルクロリド(59mg、0.32mmol)を、−78℃、N(g)下で、DCM(2ml)中の実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(103mg、0.23mmol)およびTEA(0.5ml、3.59mmol)の混合物に添加した。反応は−78℃で1時間継続させた。水を添加し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物を、分取HPLC(kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は100%アセトニトリルで現れた)で精製し、ほぼ白色粉末(94mg、68%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ8.20−7.40(br,1H),7.36(s,1H),7.28−7.22(m,2H),7.21−7.16(m,2H),7.15−7.09(m,2H),3.20−3.13(m,2H),2.87−2.80(m,4H),2.31(s,3H),1.83−1.76(m,2H),1.73−1.65(m,4H),1.43−1.32(m,2H),0.89(s,9H)。
HRMS [C2834ClS+H]としたときの計算値:593.176。実測値:593.176。
【0145】
実施例18
4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−({[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェニル 3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホネート
ステップA:5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド
DCM(4ml)中のオキサリルクロリド(1ml)を、DCM(4ml)中の実施例1、ステップDのように製造した、5−[(4−ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(202mg、0.45mmol)の懸濁液に添加した。1滴のDMFを添加し、反応を室温で1時間継続させた。DCMおよび過剰のオキサリルクロリドを減圧下で除去し、DCM(4ml)に懸濁した酸クロリドを、DCM/KCO(10%、aq)(1/1、8ml)中の5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(87.6mg、0.54mmol)に添加した。反応は室温で24時間継続させた。その後50mgDMAPを添加し、反応を室温で1時間継続させた。相を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物はフラッシュクロマトグラフィー(SiO、トルエン)によりさらに精製した。(108mg、41%)。
HNMR(399.964MHz)δ9.66(s,1H),8.58−8.48(m,2H),7.95−7.90(m,1H),7.44−7.14(m,8H),7.10−7.04(m,2H),6.94−6.90(m,2H),5.02(s,2H),2.42(s,3H)。
MSm/z597,599,601(M+H)
【0146】
ステップB 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド
5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(108mg、0.18mmol)を酢酸(10ml)中4.1M HBrに懸濁し、室温で6時間反応させた。エタノール(95%、75ml)を添加し、溶媒を減圧下で留去した。メタノールを添加し、生成物をNaHCO(1M、aq)で中和した。溶媒を留去し、混合物をDCMおよび水に溶解した。相を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した(87mg、95%)。
HNMR(399.964MHz)δ9.64(s,1H),8.58−8.48(m,2H),7.97−7.91(m,1H),7.45−7.41(m,1H),7.32−7.23(m,2H),7.03−6.98(m,2H),6.80−6.75(m,2H),5.50−5.30(br,1H),2.40(s,3H)。
MSm/z507,509,511(M+H)
【0147】
ステップC:4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−({[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェニル 3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホネート
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルクロリド(105mg、0.53mmol)を、−78℃、N(g)下で、DCM(3ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(87mg、0.17mmol)およびTEA(0.5ml、3.59mmol)の混合物に添加した。反応は−78℃で2時間、続いて室温で一晩継続させた。水を添加し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物は、分取HPLC(kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は100%アセトニトリルで現れた)により精製し、ほぼ白色粉末(86mg、75%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ9.70(s,1H),8.57−8.48(m,2H),7.99−7.92(m,1H),7.43(s,1H),7.32(s,2H),7.28−7.19(m,4H),3.53−3.44(m,2H),2.85−2.71(m,2H),2.42(s,3H)。
HRMS [C2618ClS+H]としたときの計算値:667.041。実測値:667.031。
【0148】
実施例19
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−{4−[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フェニル}−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド
2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン(60mg、0.33mmol)、実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド(100mg、0.22mmol)および炭酸カリウム(150mg、1.09mmol)をアセトニトリル(25ml)中で15時間還流した。溶媒を留去し、水およびDCMを添加し、相を分離し、有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO)した。生成物を、分取HPLC(kromasil C8カラム、酢酸アンモニウム(aq、0.1M):アセトニトリル、生成物は100%アセトニトリルで現れた)によりさらに精製し、ほぼ白色粉末(60mg、49%)を得た。
HNMR(399.964MHz)δ7.80−7.50(br,1H),7.36(s,1H),7.21(s,2H),7.00−6.94(m,2H),6.80−6.74(m,2H),5.02(t,1H),4.04(t,2H),3.96−3.78(m,4H),2.86−2.78(m,4H),2.30(s,3H),2.09(q,2H),1.74−1.65(m,4H),1.42−1.32(m,2H)。
HRMS [C2730Cl+H]としたときの計算値:545.172。実測値:545.172。
【0149】
実施例20
プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−3−フルオロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
ステップA 1−(2,4−ジクロロ−3−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
ナトリウムエトキシドの溶液を、20ml無水エタノール中の金属ナトリウム(0.18g、7.89mmol)から得た。この溶液に、2−アセチル−4−(4−メトキシ−フェニル)−3−メチル−4−オキソ−酪酸エチルエステル(1.73g、5.92mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。予め調製した、2,4−ジクロロ−3−フルオロジアゾニウムクロリド(0℃で、3mlの24% HCl中の2,4−ジクロロ−3−フルオロアニリン(1.30g、7.22mmol)と3.5ml水中の亜硝酸ナトリウム(0.51g、7.39mmol)から調製)を、温度を5℃以下に保ちながら5回にわけて添加した。室温で2.5時間撹拌後、水を添加し、生成物をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥(NaSO)し、ろ過し、そして留去した。残渣をエタノール(40ml)に溶解し、5ml水中の水酸化ナトリウム(1.00g、25.0mmol)を添加した。2時間、還流下で沸騰後、反応混合物を冷却し、HClで酸性化し、生成物をEtOAc(3x)で抽出した。洗浄、乾燥(NaSO)、ろ過、そして濃縮後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc70:30〜50:50)により精製し、明茶色固体として標題化合物1.37g(31%)を得た。
【0150】
ステップB 1−(2,4−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
1−(2,4−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.37g、3.43mmol)をジクロロメタン(20ml)に懸濁し、DMF数滴を添加し、その後オキサリルクロリド(0.87g、6.86mmol)を添加した。反応混合物を2時間還流した。室温にもどした後、溶媒を除去し、未精製の酸クロリド混合物をジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃に冷却しEtN(0.96ml、6.94mmol)、続いて1−アミノピペリジン(0.37ml、3.62mmol)を添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタン(3x)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥(NaSO)し、ろ過し、留去した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc50:50)により精製し、明茶色固体として標題化合物0.79g(48%)を得た。
【0151】
ステップC 1−(2,4−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド
1−(2,4−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(0.79g、1.66mmol)を0℃でジクロロメタン40mlに溶解した。三臭化ホウ素(0.32ml、3.31mmol)を添加し、冷却浴を除去し、室温で2時間撹拌を継続後、氷−水に注ぎ、DCM(x3)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)し、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により無色固体として標題化合物0.36g(47%)を得た。
【0152】
ステップD:プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
ジクロロメタン(10ml)中の1−(2,4−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(0.36g、0.78mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.22ml、1.56mmol)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。1−プロパンスルホニルクロリド(0.22g、1.56mmol)を添加し、冷却浴を除去し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、生成物をDCM(x2)で抽出し、合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAcグラジエント)により無色固体として標題化合物100mg(23%)を得た。HPLC 純度80%。分取HPLCにより、標題化合物40mgを得た。
HNMR(CDCl):δ7.50−7.20(7H,m),3.57−3.23(6H,m),2.37(3H,s),2.10−1.80(6H,m),1.70−1.50(2H,m),1.10(3H,t)
MS:591(M+Na)
HPLC:97.1%
実施例21
5−クロロチオフェン−2−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
実施例1、ステップFのように製造した1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド(100mg、0.22mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥ジクロロメタン(3ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.09ml)を添加した。次に乾燥ジクロロメタン(2ml)に溶解した5−クロロチオフェン−2−スルホニルクロリド(0.54mg、0.24mmol)を添加した。反応混合物は週末の間、室温で撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで20mlに希釈し、その後水(2x5ml)およびブライン(5ml)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、オイルを得た。粗物質は逆相HPLC、Kromasil C8、0.1M酢酸アンモニウムを含む水中5〜100% MeCNにより精製した。生成物画分は、減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解し、水およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)し、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色固体として標題化合物を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.42−1.50(m,2H),1.73−1.81(m,4H),2.39(s,3H),2.84−2.92(m,4H),6.95(d,1H),7.04−7.14(m,4H),7.30−7.36(m,3H),7.44(d,1H),7.63(s,1H)。
MS:625(M+1)。HPLC:純度>99%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

およびその薬学的に許容しうる塩:
式中、R
a)1以上の以下のものによって置換されたC1〜3アルコキシ基:i)フルオロ、ii)NR基(式中、RおよびRの1つはH以外であるという条件で、RおよびRは独立してH、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基、
b)1以上の以下のものによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基:i)フルオロ、ii)NR基(式中、RおよびRの1つはH以外であるという条件で、RおよびRは独立してH、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシカルボニル基を表す)、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基、
c)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
d)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
e)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)または、
f)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)を表し;
はハロ、C1〜3アルキル基またはC1〜3アルコキシ基を表し;
mは0、1、2または3であり;
はC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはハロを表し;
nは0、1、2または3であり;
は:
a)X−Y−NR基[式中:
XはCOまたはSOであり、
Yは存在しないか、またはC1〜3アルキル基によって置換されていてもよいNHを表し;
そしてRおよびRは独立して:
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1〜6アルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよいC3〜15シクロアルキル基;
Wによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい(C3〜15シクロアルキル)C1〜3アルキレン基;
−(CH(フェニル)基(式中、rは0、1、2、3または4であり、rが0の場合、sは1であり、そうでなければsは1または2であり、そしてフェニル基は、Zによって表される1、2または3個の基によって独立して置換されていてもよい);
一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシまたはベンジルによって置換されていてもよい);
−(CHHet基(式中、tは0、1、2、3または4であり、アルキレン鎖は1以上のC1〜3アルキル基によって置換されていてもよく、そしてHetは、C1〜5アルキル基、C1〜5アルコキシ基またはハロから選択される1、2または3個の基によって置換されていてもよい芳香族複素環を表し、ここでアルキル基およびアルコキシ基は1以上のフルオロによって独立して置換されていてもよい)を表すか;
または、RはHを表し、そしてRは先に定義した通りであるか;
または、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒に、一つの窒素を含み、そして以下:酸素、硫黄または付加的な窒素、の一つを含んでいてもよい飽和または部分的不飽和5〜8員複素環基(ここで、複素環基は1以上のC1〜3アルキル基、ヒドロキシ、フルオロまたはベンジルによって置換されていてもよい)を表す];
または、b)それぞれZによって表される1、2または3種の基によって置換されていてもよい、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルまたはオキサゾリニルを表し;
はH、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基または、最大で6炭素原子を含有するC1〜6アルコキシC1〜6アルキレン基を表し、それらの基のそれぞれは1以上のフルオロまたはシアノによって置換されていてもよく;
ZはC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜3アルキルスルホニル、C1〜3アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、モノまたはジC1〜3アルキルカルバモイルおよびアセチルを表し;そして
Wはヒドロキシ、フルオロ、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基、アミノ、モノまたはジC1〜3アルキルアミノ、C1〜6アルコキシカルボニル基、またはモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルもしくはピペラジニルから選択される複素環アミンを表し、ここで複素環アミンはC1〜3アルキル基またはヒドロキシルによって置換されていてもよい;
(ただし、1,1−ジメチルエチル[2−[4−[3−[(エチルメチルアミノ)カルボニル]−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェノキシ]エチル]カーバメートおよび1,1−ジメチルエチル[2−[4−[1−(4−メトキシフェニル)−3−(1−ピペリジニルカルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェノキシ]エチル]カーバメートを除く)。
【請求項2】
が上記パラグラフa)に記載の基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式IA:
【化2】

によって表される、請求項1に記載の化合物:
式中:R
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)OまたはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよく、ここでZは先に定義された通りである)、
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)、または
e)式RO(CO)Oの基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)であり;
はハロを表し、そしてmは0、1、または2であり;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
2cはHまたはフルオロを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノもしくはモルホリノを表す)を表すか、またはRはCONHR基(式中、RはC1〜6アルコキシカルボニル基によって置換されていてもよいC5〜7シクロアルキル基を表すか、またはRは置換されていてもよいピリジルを表す)を表し;そして
はH、C1〜3アルキル基またはハロを表す。
【請求項4】
式IBによって表される、請求項1に記載の化合物:
【化3】

式中:R
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、
b)式フェニル(CHOの基(式中、pは1、2、または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、
c)RS(O)O基またはRS(O)NH基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表すか、またはRはフェニルまたはヘテロアリール基を表し、そのフェニルまたはヘテロアリール基のそれぞれはZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、または
d)式(RSiの基(式中、RはC1〜6アルキル基を表し、そしてそれは同じでも異なってもよい)であり;
a1はハロまたはHを表し;
a2はハロまたはHを表し;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
2cはハロまたはHを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノを表す)を表し;そして
はC1〜3アルキル基を表す。
【請求項5】
式ICによって表される、請求項1に記載の化合物:
【化4】

式中:R
a)1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、b)RS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)であり;
2aはクロロを表し;
2bはクロロを表し;
はCONHNR基(式中、NRはピペリジノまたはモルホリノを表す)を表し;そして
はC1〜3アルキル基またはハロを表す。
【請求項6】
がRS(O)O基(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されていてもよいC1〜6アルキル基を表す)である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が1以上のフルオロによって置換されたC4〜6アルコキシ基である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
1以上の以下のものから選択される化合物:
ブタン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−[4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸 ピペリジン−1−イルアミド;
プロパン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(モルホリン−4−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
4,4,4−トリフルオロブタン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸 −[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,6−ジフルオロフェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
プロパン−1−スルホン酸 4−[4−ブロモ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
メチル1−{[(1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−{4[(プロピルスルホニル)オキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]アミノ}シクロペンタンカルボキシレート;
炭酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステルプロピルエステル;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル チオフェン−2−スルホネート;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル ピリジン−3−スルホネート;
tert−ブチル[2−(4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェノキシ)エチル]エチルカーバメート;
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−{4−[2−(エチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル 3−メチルブタン−1−スルホネート;
4−{1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−[(ピペリジン−1−イルアミノ)カルボニル]−1H−ピラゾール−5−イル}フェニル 3,3−ジメチルブタン−1−スルホネート;
4−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−3−({[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}カルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル]フェニル 3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホネート;
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−{4−[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エトキシ]フェニル}−4−メチル−N−ピペリジン−1−イル−1H−ピラゾール−3−カルボキシアミド;
プロパン−1−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロ−3−フルオロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
5−クロロ−チオフェン−2−スルホン酸 4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−5−(ピペリジン−1−イルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル;
およびその薬学的に許容しうる塩。
【請求項9】
薬剤として使用のための請求項1乃至8のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の式Iの化合物および薬学的に許容できるアジュバント、希釈剤またはキャリアを含有する医薬組成物。
【請求項11】
肥満、精神病のような精神医学的障害、統合失調症および双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、認知障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、注意障害、てんかんおよび関連する状態、および神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および消化器系に関連した疾患、ならびに長期乱用、中毒および/または逆戻り徴候の治療または予防のための薬剤の製造における、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項12】
肥満、精神医学的障害、精神病、統合失調症および双極性障害、不安、不安−抑鬱障害、鬱病、認知障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、注意障害、てんかんおよび関連する状態、神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および消化器系に関連した疾患、ならびに長期乱用、中毒および/または逆戻り徴候を治療する方法であって、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の式Iの化合物の薬理学的有効量を、上記の治療が必要な患者に投与することを含む前記方法。
【請求項13】
肥満の治療における使用のための、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
式Iの化合物[式中、Rはa]1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルコキシ基または1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルコキシ基、またはb)式フェニル(CHO−の基(式中、pは1、2または3であり、そしてフェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよい)、またはc)RS(O)O基を表す]製造のための方法であって、式IIIの化合物:
【化5】

(式中、R、R、R、R、mおよびnは先に定義した通りである)を
a)不活性溶媒中、塩基の存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式RXのアルキル化剤(式中、Rは1以上のフルオロによって置換されたC1〜3アルキル基または1以上のフルオロによって置換されていてもよいC4〜6アルキル基を表し、そしてXは脱離基を表す);
b)不活性溶媒中、塩基の存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式RXのアルキル化剤(式中、Rは式フェニル(CHO−の基を表し、ここでpは1、2または3であり、フェニル環はZによって表される1、2または3個の基によって置換されていてもよく、そしてXは脱離基を表す);または
c)不活性溶媒中、塩基の存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、式RS(O)Lのスルホン化剤(式中、Rは先に定義した通りであり、Lは脱離基を表す);のいずれかとそれぞれ反応させることを含む前記方法。

【公表番号】特表2007−523139(P2007−523139A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553649(P2006−553649)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000534
【国際公開番号】WO2005/080343
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】