説明

泡入浴システム

【課題】空気供給源の駆動時に発生する有害振動、ひいては騒音を抑制させるのに有利であり、ユーザへの不快感を抑制できる泡入浴システムを提供する。
【解決手段】泡生成器3は、水が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室33と、空気供給源から供給される空気を泡生成室33に供給させる給気口41と、泡沫群を生成させる攪拌要素36とを有する。空気供給源6は、泡生成器3の泡生成室33の攪拌要素36の駆動軸38よりも下方に設置されている。上向き空気供給通路80は、空気供給源6から泡生成器3の給気口41に向かうにつれて上昇するように配置されており、空気供給源6からの空気を泡生成器3の給気口41に上向きに供給させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は泡沫群を用いて入浴できる泡入浴システムに関する。入浴は浴槽入浴およびシャワー入浴を含む。
【背景技術】
【0002】
泡入浴システムは、微細気泡を有する泡沫群を生成させるための泡生成器と、泡生成器で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、泡沫群の原料となる水を泡生成器に供給させるポンプと、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させるコンプレッサとを有する。泡生成時に泡生成用の空気を供給するコンプレッサは駆動に伴い振動するので、泡入浴するユーザの不快感の要因となり易い。一般的な泡入浴システムでは、コンプレッサは一般に天井壁の裏側に配置されており、天井壁自体は強度および剛性に限界があるため、設置レイアウトの如何によっては、コンプレッサが駆動して泡モードが実行されるとき、コンプレッサの駆動時に発生する有害振動が天井壁に騒音として影響を与え、泡入浴するユーザに不快感を与えるおそれがある。特許文献1は浴槽用微細気泡噴出装置を開示する。この装置も、同様に、泡沫群の原料となる水を泡生成器に供給させるポンプと、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させるコンプレッサとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-263246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においても、有害振動の要因となり得るコンプレッサはポンプと同様に、床壁からの高さ位置が高い。このためコンプレッサが駆動して泡モードが実行されるとき、コンプレッサの駆動時に発生する有害振動に起因する騒音が、泡入浴するユーザに不快感を与えるおそれがある。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、有害振動の要因となり得るコンプレッサ等の空気供給源が駆動して泡モードが実行されるときであっても、有害振動を抑制させ、有害振動に起因する騒音を抑制させるのに有利であり、ユーザへの不快感を抑制させるのに有利な泡入浴システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の様相1に係る泡入浴システムは、泡モードにおいて泡沫群を生成させるための泡生成器と、泡生成器で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、泡沫群の原料となる水を泡生成器に供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させる空気供給源とを具備しており、泡生成器は、水が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、水供給源から供給される水を泡生成室に供給させる給水口と、空気供給源から供給される空気を泡生成室に供給させる給気口と、泡生成室において作動するように設けられ作動に伴い水および空気に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素とを具備しており、空気供給源は、泡生成器の攪拌要素よりも下方に設置されていることを特徴とする。有害振動の要因となり得る空気供給源は、泡生成器の泡生成室の攪拌要素よりも下方に設置されている。このため、有害振動の要因となり得る空気供給源の高さ位置が抑えられる。従って、泡モードにおいて空気供給源の有害振動が抑制される。従って、有害振動に起因する騒音が抑制され、泡入浴中のユーザの不快感が軽減される。
【0007】
(2)本発明の様相2に係る泡入浴システムによれば、前記様相において、空気供給源は、泡生成器の給気口よりも下方に設置されており、空気供給源から泡生成器の給気口に向かうにつれて上昇するように配置された上向き空気供給通路が設けられており、上向き空気供給通路は、空気供給源から送られる空気を泡生成器の給気口に向けて上向きに供給させることを特徴とする。上記したように空気供給源は泡生成器の泡生成室の給気口よりも下方に設置されているため、空気供給源から泡生成器の給気口に空気を供給させる上向き空気供給通路は、空気供給源の吐出ポートから泡生成器の給気口に向かうにつれて上昇するように配置されており、空気供給源の吐出ポートからの空気を、泡生成器の給気口に向けて上向きに供給させる。このため空気供給源が泡生成器の攪拌要素の駆動軸および泡生成室の給気口よりも下方に設置されているとしても、空気供給源からの空気供給は良好に実行できる。
【0008】
(3)本発明の様相3に係る泡入浴システムによれば、前記様相において、空気供給源は床壁に設置されてことを特徴とする。床壁は天井とは異なり、天井壁に比べて高い強度および高い剛性をもつ。このため、空気供給源が重量物である場合であっても、空気供給源が駆動して泡モードが実行されるとき、空気供給源の有害振動が抑制され、ひいては床壁の有害振動も抑制される。従って、有害振動に起因する騒音が抑制され、泡入浴するユーザに不快感を与えることが抑えられる。空気供給源は、床壁に直接的に設置されていても良いし、他の部材を介して床壁に設置されていても良い。
【0009】
(4)本発明の様相4に係る泡入浴システムによれば、前記様相において、空気供給源から泡生成室への空気の流れを許容し且つその逆方向の流れを遮断させる逆止弁が設けられており、逆止弁は、泡生成器の給気口、空気供給源の吐出ポートおよび上向き空気供給通路のうちの少なくとも一つに設けられていることを特徴とする。
【0010】
泡モードにおいて、空気供給源から空気が給気口を介して泡生成器に供給され、且つ、水供給源から水が給水口を介して泡生成器に供給され、入浴用の泡沫群が生成される。泡生成条件によっては、あるいは、使用年数が過剰に長期化すると、泡生成器から水や泡沫群が空気供給源に向けて逆流するおそれがある。この場合、空気供給源が泡生成器の攪拌要素よりも下方に(例えば床壁)設置されており、泡生成器よりも低い位置に設置されているため、次の不具合が発生するおそれがある。すなわち、泡生成器から逆流する水や泡沫群が、条件によっては、重力にアシストされて、上向き空気供給通路を下向きに流れ、空気供給源に到達するおそれがある。この場合、逆流する水や泡沫群等の逆流物が空気供給源から外部に溢れて空気供給源の周囲(例えば床壁等)を過剰に濡らすおそれがある。
【0011】
この点本様相によれば、空気供給源から泡生成室への空気の流れを許容し且つその逆方向の流れを遮断させる逆止弁が設けられている。逆止弁は、泡生成器の給気口、空気供給源の吐出ポートおよび上向き空気供給通路のうちの少なくとも一つに設けられている。このため、泡モード等において、泡生成器から水や泡沫群が空気供給源に向けて逆流することが抑制される。ひいては、空気供給源を設置している床壁が水や泡沫群等の逆流物によって過剰に濡れることが抑制される。
【0012】
(5)本発明の様相5に係る泡入浴システムによれば、前記様相において、(i)泡生成器は、泡生成室から漏れた水または泡沫群が流入する流入室と、流入室とドレイン部とを連通させ泡生成室から漏れた水または泡沫群を流入室からドレイン部に排出させるドレイン口とを備えており、(ii)泡生成室から上向き空気供給通路を下降逆流して空気供給源に到達した水または泡沫群を含む逆流物を重力に抗して上向きに供給させてドレイン口または流入室に帰還させる逆流物帰還通路が設けられている。
【0013】
前述したように、使用条件の如何によっては、泡生成器から水や泡沫群が空気供給源に向けて逆流するおそれがある。この場合、空気供給源が泡生成室の給気口よりも下方に設置されているため(例えば床壁に設置されているため)、泡生成器から水や泡沫群が重力にアシストされて上向き空気供給通路を下向きに空気供給源に向けて流れ易い。この場合、空気供給源を設置している床壁が過剰に濡れるおそれがある。この点本発明によれば、逆流物帰還通路が設けられている。逆流物帰還通路は、空気供給源に逆流した水または泡沫群を含む逆流物を、重力に抗して、上向きに供給させて泡生成器のドレイン口または流入室に帰還させる。帰還された水または泡沫群を含む逆流物は、ドレイン口からドレイン部にドレインされる。ひいては、空気供給源を設置している床壁が水や泡沫群によって過剰に濡れることが抑制される。
【0014】
ところで、システムの小型化などのためドレイン口の開口面積または流入室の室容積が制限されているときには、逆流物がドレイン口または流入室に高速で急激に帰還されると、逆流物がドレイン口または流入室から溢れるおそれがある。この点、本様相によれば、上記したように空気供給源に逆流した水または泡沫群を含む逆流物を、逆流物帰還通路を介して、重力に抗して、上向きに供給させて泡生成器のドレイン口または流入室に帰還させる。このため帰還速度の過剰高速化が抑制される。ひいては、逆流物を急激に泡生成器のドレイン口または流入室に帰還させることが抑制される。このためドレイン口の開口面積または流入室の室容積が制限されているときであっても、逆流物がドレイン口または流入室から溢れることが抑制される。
【0015】
(6)本発明の様相6に係る泡入浴システムによれば、前記様相において、逆流物帰還通路の長さ方向の一端部は、空気供給源の吸入ポートに接続されており、逆流物帰還通路は空気供給源の吸入ポートに泡生成用の空気を吸入させる吸入用配管を兼用することを特徴とする。逆流物帰還通路は、空気供給源の吸入ポートに泡生成用の空気を吸入させる吸入用配管を兼用するため、部品点数を削減できる。更に、空気供給源の吸入ポート自体が外気に直接開口するように露出しない。従って、床壁等の水などが空気供給源の吸入ポート自体に進入することが抑制される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る泡入浴システムによれば、上記したように空気供給源は泡生成器の泡生成室の攪拌要素よりも下方に設置されているため、有害振動の要因となり得る空気供給源の高さ位置をできるだけ低くできる。このため、コンプレッサ等の空気供給源が駆動して泡モードが実行されるときであっても、コンプレッサ等の空気供給源の駆動時に発生する有害振動を抑制でき、有害振動に起因する騒音を抑制させるのに有利であり、泡入浴中のユーザへの不快感を抑制できる。
【0017】
本発明に係る泡入浴システムによれば、空気供給源は、泡生成器の泡生成室の給気口よりも下方に設置されている場合には、空気供給源から泡生成器の給気口に空気を供給させる空気供給通路は、空気供給源から泡生成器の給気口に向かうにつれて上昇するように配置されており、空気供給源からの空気を泡生成器の給気口に上向きに供給させる。このため空気供給源が泡生成器の泡生成室の給気口よりも下方に設置されているとしても、空気供給源から泡生成器への空気供給は良好に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係り、泡入浴システムを示す概念図である。
【図2】実施形態1に係り、泡入浴システムの要部を示す断面図である。
【図3】実施形態1に係り、泡生成器を示す断面図である。
【図4】実施形態1に係り、図3のIV−IV線に沿った切断した断面図である。
【図5】実施形態1に係り、泡生成器の流入室付近を示す斜視図である。
【図6】実施形態1に係り、制御部を示すブロック図である。
【図7】実施形態4に係り、コンプレッサの概念を模式的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
泡入浴システムは、泡モードにおいて泡沫群を生成させるための泡生成器と、泡生成器で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、泡沫群の原料となる水を泡生成器に供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させる空気供給源とを有する。泡生成器は、水が給水口から供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、空気供給源から供給される空気を泡生成室に供給させる給気口と、泡生成室において作動するように設けられ作動に伴い水および空気に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素とを有する。攪拌要素は、駆動軸を回転させる方式でも、駆動軸を往復移動させる方式でも良い。泡生成器で生成される泡沫群は、多数の気泡を有する。気泡サイズとしては400マイクロメートル以下が好ましい。泡沫群において水/空気の比率としては、体積比で、1/2〜3/4が好ましい。ただし気泡サイズおよび水/空気の比率はこれらに限定されるものではない。水供給源としては、泡沫群の原料となる水を泡生成器に供給させるものであれば良く、水ポンプが例示される。空気供給源としては、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させるものであれば良く、コンプレッサ、空気ポンプが例示される。水供給源または空気供給源の構造としては、ダイヤフラム式、ロータ式、ピストン式等に限定されるものでは公知の構造を採用できる。
【0020】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図6を参照して説明する。本実施形態に係る泡入浴システム1は、浴槽室20をもつ浴槽2を設置する入浴室、または、その隣室等の室に据え付けられており、浴槽室20において泡沫群を用いて入浴する泡モードを実行できる。浴槽室20には、泡剤が投入された温かい水27が、泡沫群の原料水として貯留される。浴槽2は、泡沫群などを浴槽室20に吐出させる吐出口21と、浴槽室20の下側の水を吸入する吸入口22とをもつ。浴槽2の底壁23には排水口24および排水管25がドレイン部として設けられている。
【0021】
泡入浴システム1は、泡モードにおいて泡沫群を生成させるための泡生成器3と、泡生成器3で生成させた泡沫群を外部である浴槽室20に吐出口21から吐出させる吐出部として吐出通路30をもつ吐出管31と、泡沫群の原料となる水を泡生成器3に供給させる水供給源としての水ポンプ5と、泡沫群の原料となる空気を泡生成器3に供給させる空気供給源としてのコンプレッサ6と、これらを包囲するように浴槽2付近に設けられる筐体7とを有する。
【0022】
図2,図3に示すように、泡生成器3は、浴槽内の水(水)が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室33をもつケース32と、泡生成室33において回転するようにケース32に設けられ回転に伴い水および空気に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素36とをもつ。攪拌要素36は、ケース32の仕切壁35にシール部37を介して横軸形の軸線PA回りで回転可能に保持された駆動軸38と、駆動軸38の外周側に同軸的に保持された回転翼39と、駆動軸38を軸線PA回りで回転させるモータ40とをもつ。モータ40は駆動軸38に対して同軸的配置とされていることが好ましい。
【0023】
図5に示すように、泡生成器3のケース32は、モータ40を取り付けるためのフランジ320と、流入室34および泡生成室33を形成する本筒部321とをもつ。仕切壁35は、駆動軸38の外周面をシールするシール部37を保持する筒部350をもつ。本筒部321の仕切壁35は、流入室34と泡生成室33とを仕切る。流入室34は、コンプレッサ6の吸気作用に対処できるように大気に連通している。
【0024】
図5に示すように、泡生成器3のケース32は、泡生成室33と、流入室34と、給気口41と、給水口42と、ドレイン口43と、帰還口44とをもつ。給気口41は、コンプレッサ6から供給される空気を泡生成室33に供給させる。泡生成室33の水や泡沫群が給気口41からコンプレッサ6側に漏れることを抑制することが好ましい。このため給気口41は泡生成室33の上部33uに位置するようにケース32の本筒部321の上部に形成されている。給水口42は、浴槽2の下側の液相状の水27(温水)を吸入口22および水吸入管50(図1参照)を介して泡生成室33に供給させるものであり、泡生成室33の下部に形成されている。従って、システムの不使用時に泡生成室33の水や泡沫群を泡生成室33から水吸入管50を介して浴槽室20に排出させ易い。水吸入管50は通路50a,50b,50cをもつ。ドレイン口43は、泡生成室33から流入室34に漏れた水および泡沫群をドレインホース430を介して排水口24(ドレイン部)に排出させる。このためドレイン口43は流入室34の底部34b(図5参照)に形成されている。帰還口44は、泡生成室33に開口されておらず、流入室34に開口されている。帰還口44は流入室34の一側部34a(図5参照)に形成されている。給水口42は、流入室34にて帰還口44が設けられた側に対して反対側の他側部34c(図5参照)に形成されている。給水口42は、流入室34にて帰還口44が設けられた側に対して反対側の他側部34c(図5参照)に形成されている。給水口42は、流入室34に開口されておらず、泡生成室33に開口されている。
【0025】
さて本実施形態によれば、図2に示すように、コンプレッサ6は、泡生成器3の泡生成室33の駆動軸38の軸線PAよりも下方に設置されている。従って、コンプレッサ6の上端部6uは、泡生成器3の泡生成室33の駆動軸38の軸線PAよりも下方に設置されている。具体的には、コンプレッサ6は、泡生成器3の泡生成室33の駆動軸38の軸線PAおよび給気口41の双方よりも下方に位置するように、床壁200に設置されている。このようにコンプレッサ6が泡生成室33の下部33dよりも下側に設置されている関係で、上向き空気供給通路80を形成する供給配管81の先端部81eは、コンプレッサ6の吐出ポート61から泡生成器3の給気口41に向かうにつれて矢印U1方向(上向き)に上昇するように配置されており、従って、コンプレッサ6の吐出ポート61から吐出された空気を泡生成器3の給気口41に向けて、重力に抗しつつ、上向き(矢印U1方向)に供給させる。コンプレッサ6は、床壁200に直接的に設置されていても良いし、防振性が高い他の部材を介して床壁200に設置されていても良い。床壁200は、浴槽2を設置する入浴室の床壁でも良いし、あるいは、システムの都合上、入浴室に隣接する部屋(入浴室以外の室)の床壁でも良い。
【0026】
本実施形態では、泡生成器3の給気口41には逆止弁48が設けられている。逆止弁48は、コンプレッサ6の吐出ポート61から泡生成室33へ流れる(矢印A1方向)の空気の流れを許容し、且つ、その逆方向(矢印A2方向)の流れを遮断させるように設定されている。逆止弁48は、泡生成器3において上向き空気供給通路80の先端側、つまり、泡生成室33の上部に設けられた給気口41に設けられている。図4に示すように、逆止弁48は、給気口41に連通する弁口480を開閉する弁体481と、弁体481を閉鎖させるバネなどの付勢部材482とをもつ。
【0027】
図1および図2に示すように、コンプレッサ6と泡生成器3との間には、逆流物を泡生成器3に帰還させるための逆流物帰還通路85を形成する帰還配管86(ホースでもパイプでも良い)が設けられている。逆流物帰還通路85の一端部85e(下端部)はコンプレッサ6の吸入ポート62に接続されている。コンプレッサ6は床壁200に設置されているため、吸入ポート62の高さ位置も低くなり床壁200に近くなるため、床壁200に溜まった水等の進入物が吸入ポート62からコンプレッサ6に進入するおそれがある。しかしこのおそれは帰還配管86により抑制されている。逆流物帰還通路85の他端部85f(上端部)は、泡生成器3の流入室34に連通する帰還口44に接続されている。
【0028】
図6に示すように、制御部9は、入力処理回路90と、CPU91と、記憶部として機能するメモリ92と、出力処理回路93と、操作部94とをもつ。操作部94は、筐体7に設けられていても良いし、筐体7と離間するリモコン式であっても良い。操作部94は、泡生成モードを開始および終了するための泡スイッチ95と、他のモードを開始および終了するためのスイッチ96とをもつ。スイッチ95,スイッチ96の信号は入力処理回路90を経て制御部9に入力される。制御部9は、出力処理回路93を経て、コンプレッサ6、水ポンプ5等の機器をそれぞれ駆動させる指令信号を出力する。
【0029】
さて、泡沫群を用いて入浴する泡入浴を行う場合について説明する。まず、泡剤を含む温水が水として浴槽2の浴槽室20に所定量入れられた状態で、泡モードが実行されることが好ましい。泡モードでは、浴槽室20の下側では液相状の温水である水27が溜まり、温水の水面28よりも上方で泡沫群26が存在する。この場合、泡モードを開始すべくユーザが操作部94の泡スイッチ95をオン操作すると、制御部9は泡モードを開始し、水ポンプ5は駆動され、浴槽室20の水27は水吸入管50を介して給水口42から泡生成室33に供給される。更に、泡スイッチ95のオン操作に伴い、制御部9は、駆動軸38と共に攪拌要素36を回転させるとともに、コンプレッサ6を駆動させる。すると、大気に連通する流入室34の空気は、逆流物帰還通路85を介して矢印D2方向(図2参照,下向き)にコンプレッサ6の吸入ポート62に向けて吸引され、更にコンプレッサ6の吐出ポート61から矢印U1方向(上向き)に吐出され、上向き空気供給通路80および逆止弁48を介して給気口41から泡生成器3の泡生成室33に供給される。これにより泡生成室33において水が泡立ち、暖かい微小泡沫群が生成される。気泡のサイズは400マイクロメートル程度以下であることが好ましい。但しこれに限定されない。このように泡モードにおいては、泡生成器3において生成された微小泡沫群は、泡生成器3の吐出ポート3x、吐出通路30を介して吐出口21から浴槽室20に供給される。これにより使用者は浴槽室20において泡入浴が可能となる。
【0030】
さて、有害振動の要因となるコンプレッサ6の高さ位置が高いと、有害振動が増加し、それに起因して騒音が増加する。この点本実施形態によれば、コンプレッサ6は泡生成器3の攪拌要素36の横軸形の駆動軸38よりも下方に設置されており、駆動軸38の軸線PAよりも下方に設置されており、有害振動の要因となるコンプレッサ6の高さ位置は抑制されており、床壁200からの高さが低めに抑えられている。従って、泡モードにおいてコンプレッサ6が駆動して泡モードが実行されるときであっても、コンプレッサ6の有害振動、ひいては有害振動に起因する騒音を抑制させるのに有利であり、泡入浴するユーザへの不快感を抑制できる。なお、コンプレッサ6は、泡沫群を浴槽2に吐出させる吐出口21、泡生成器3の泡生成室33、流入室34、モータ40よりも下方に位置しつつ、水ポンプ5に隣設されている。
【0031】
殊に本実施形態によれば、コンプレッサ6は、泡生成器3の泡生成室33の給気口41よりも下方に位置するようにフロア部材203(図1,図2参照)を介して床壁200に設置されている。床壁200は、強度および剛性が入浴室の天井壁に比較して遙かに高い。このためコンプレッサ6が重量物である場合であっても、コンプレッサ6が駆動して泡モードが実行されるとき、コンプレッサ6および床壁200の有害振動、ひいては有害振動に起因する騒音が抑制される。従って、泡入浴するユーザに不快感を与えることが抑えられる。殊に、ユーザの耳から上方の騒音は聴覚され易いが、浴槽2内で泡入浴するユーザの耳の高さよりもコンプレッサ6は下方に位置するため、聴覚的にもユーザの聴覚に与える不快感が抑制できる。
【0032】
本実施形態によれば、前述したように、コンプレッサ6は泡生成器3の泡生成室33の給気口41よりも下方に設置されており、コンプレッサ6の吐出ポート61から上向き(図2に示す矢印U1方向)に泡生成器3の給気口41に向けて空気を供給させる上向き空気供給通路80は、コンプレッサ6の吐出ポート61から泡生成器3の給気口41に向かうにつれて矢印U1方向に上昇するように配置されている(図2,図3参照)。このようにコンプレッサ6の吐出ポート61から送られる空気を、泡生成器3の給気口41に向けて上向きに供給させる。このため前述したようにコンプレッサ6および床壁200の有害振動を抑制すべく、コンプレッサ6が泡生成器3の泡生成室33の駆動軸38の軸線PAよりも下方に位置するように床壁200に設置されているとしても、コンプレッサ6から、コンプレッサ6の上側に位置する泡生成器3への泡生成用の空気の供給は良好に実行でき、泡モードが良好に実行される。
【0033】
泡生成条件によっては、あるいは、システムの使用年数が過剰に長期化すると、泡生成室33の水または泡沫群が給気口41から上向き空気供給通路80を介してコンプレッサ6の吐出ポート61に向けて下方(図2に示す矢印D1方向)に逆流するおそれがある。この場合、コンプレッサ6が床壁200に設置されており、泡生成器3よりも低い位置に設置されているため、泡生成器3の給気口41および逆止弁48から、泡生成室33の水や泡沫群が重力によりアシストされて上向き空気供給通路80を介してコンプレッサ6に向けて下方(矢印D1方向)に逆流するおそれがある。更に、入浴中のユーザが浴槽2の吐出口21を誤って閉鎖した場合に、泡生成室33の水または泡沫群が吐出口21から浴槽室20に吐出できにくくなるため、泡生成室33の水または泡沫群が給気口41から下向き(矢印D1方向)に上向き空気供給通路80を介してコンプレッサ6の吐出ポート61に向けて逆流するおそれがある。この場合、コンプレッサ6に向けて逆流する泡生成室33の水または泡沫群は、重力にアシストされるため、上向き空気供給通路80を下向き(矢印D1方向)に流下し易く、コンプレッサ6の吐出ポート61に到達し易い。この場合、逆流する水や泡沫群等の逆流物がコンプレッサ6から溢れ、コンプレッサ6を設置している床壁200が過剰に濡れるおそれがあり、好ましくない。
【0034】
この点について本実施形態によれば、コンプレッサ6から泡生成室33への空気の流れを許容し且つその逆方向の流れを遮断させる逆止弁48が設けられている。逆止弁48は泡生成器3の給気口41に設けられている。このため、泡モードにおいて、泡生成器3から水または泡沫群が矢印D1方向に上向き空気供給通路80を介してコンプレッサ6に向けて逆流することは、基本的には、逆止弁48によって抑制される。ひいては、コンプレッサ6を設置している床壁200が水または泡沫群によって過剰に濡れることが抑制される。
【0035】
また、閉止性が高い逆止弁48といえども、浴槽水が供給される泡生成室33に連通しているため、ユーザの毛髪や皮脂汚れ等の付着物が逆止弁48の内部に付着するおそれがある。この場合、逆止弁48の閉止性に影響を与えるおそれがある。この場合、逆止弁48から漏れた水または泡沫群が重力にアシストされて下向き(矢印D1方向)に上向き空気供給通路80を介してコンプレッサ6の吐出ポート61に向けて逆流するおそれがある。
【0036】
また本実施形態によれば、図5に示すように、泡生成器3は、泡生成室33から漏れた水または泡沫群が流入する流入室34と、泡生成室33からシール部37等を介して流入室34に漏れた水または泡沫群を排出させるドレイン口43とを備えている。更にコンプレッサ6の吸入ポート62から帰還口44に向けて逆流物帰還通路85の帰還配管86が接続されている。コンプレッサ6に溜まった水または泡沫群を含む逆流物は、コンプレッサ6がオフされているときには、コンプレッサ6の吸入ポート62から床壁200に直接的に流下することなく、逆流物帰還通路85に沿って矢印U2方向(図2参照)に水位を上昇させ、泡生成器3の帰還口44から流入室34に帰還される。このように泡生成器3からコンプレッサ6に逆流した逆流物を泡生成器3に再び帰還させるので、別の容器を設ける必要がなく、省スペース化に有利である。更に、泡生成器3に帰還された逆流物は、流入室34からドレイン口43およびドレインホース430を介して排水口24(ドレイン部)に排出される。このため、コンプレッサ6を設置している床壁200が水または泡沫群によって過剰に濡れることが抑制される。このように逆流物帰還通路85は、泡生成モードにおいて泡生成用の空気をコンプレッサ6の吸入ポート62に供給させる機能と、コンプレッサ6に逆流した逆流物をコンプレッサ6のオフ時において重力に抗して泡生成器3の流入室34に帰還させてドレイン口43から排出させる機能とを兼務する。なお、泡モードにおいてコンプレッサ6がオンされるときには、コンプレッサ6から給気口41に向けて空気が圧送されるため、上記逆流は抑制される。
【0037】
ところで、上記したドレイン口43とドレインホース430は、泡生成室33の水や泡沫群がシール部37等を介して流入室24側に漏れたとき、その漏れた水を排水口24へ排出処理するために、元々、システムに設けられていた構造である。このためコンプレッサ6からの逆流物を処理するために新たな構造を設ける必要が無く、コストとスペースを小さくすることが可能となる。また、泡生成器3のうち逆流物が流れてくる流入室34は、大気開放された構造をもつため、泡モードにおいて空気を吸入する場合においても、水を吸入することなく空気のみを吸入することが可能である。なお本実施形態によれば、逆流物帰還通路85の長さ方向の一端部85eは、コンプレッサ6の吸入ポート62に接続されており、逆流物帰還通路85はコンプレッサ6の吸入ポート62に泡生成用の空気を吸入させる吸入用配管を兼用する。このため、部品点数を削減できる。更に、コンプレッサ6の吸入ポート62自体が外気に直接開口するように露出せず、従って、水などがコンプレッサ6の吸入ポート62自体が進入することが抑制される。
【0038】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図6を準用する。本実施形態によれば、ユーザが泡モードを実行しつつ泡入浴した後、制御部9は、水ポンプ5や泡生成器3、配管類を清掃させる清掃モードを実行するために、コンプレッサ6を停止させた状態(泡生成を終了した状態で)で、水を泡生成器3や配管類に供給させて循環させる。この場合、水ポンプ5の駆動で、浴槽2の下側の液相状の水27を水吸入管50を介して吸入して泡生成室33に送り、吐出通路30を介して吐出口21から浴槽室20に戻すが、上記した清掃モードではコンプレッサ6はオフであり駆動していない。
【0039】
このため、前述同様に、毛髪等で閉止性が低下した逆止弁48から泡生成室33の水が上向き空気供給通路80を介してコンプレッサ6の吐出ポート61に下向き(矢印D1方向)に逆流する可能性がある。上述のようにコンプレッサ6内に水が逆流した場合であっても、この逆流した水は、コンプレッサ6の吐出ポート61から吸入ポート62に流れる。空気を吸入して吐出させる関係上、吐出ポート61および吸入ポート62は連通しているためである。この結果、逆流した水は、吸入ポート62から逆流物帰還通路85を重力に抗して上向き(矢印U2方向)に通って泡生成器3の流入室34に流れ、更に、ドレイン口43、ドレインホース430を通り、排水口24に流れて排出される。このように本実施形態によれば、泡モードの終了時には制御部9は、コンプレッサ6をオフさせつつ水ポンプ5をオンさせる。
【0040】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図6を準用する。本実施形態によれば、コンプレッサ6が下側にしている関係上、泡モードを実行する泡入浴においては、前述したように、泡生成室33から逆流した水または泡沫群等の逆流物がコンプレッサ6に残留していることがある。そこで、制御部9は、泡モードを終了した後、コンプレッサ6を所定時間Δt1駆動させ、コンプレッサ6の吐出ポート61から空気を、重力に抗して上向き(矢印U1方向)に、上向き空気供給通路80を介して泡生成室33側に圧送させる。このときコンプレッサ6に残留している水または泡沫群の逆流物を、圧送される空気と共に、逆止弁48および給気口41から泡生成室33に向けて吐出させる。Δt1としては必要に応じて選択され、例えば2〜200秒が例示されるが、これに限定されるものではない。
【0041】
上記したコンプレッサ6による空気の圧力は逆止弁48の付勢部材482(図4参照)の付勢力に勝つため、逆止弁48は開弁され、逆止弁48に付着している付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)を、水または泡沫群の潤滑性を利用して清掃除去できる清掃効果を期待できる。このように逆止弁清掃処理を実行できる。このとき、逆止弁48のバネ等の付勢部材482に急激に開弁荷重が作用すると、システムの使用期間が長期にわたると、付勢部材482のバネ定数の変動を促進させるおそれがある。このとき本実施形態によれば、コンプレッサ6に残留している水または泡沫群の逆流物を、重力に抗して、上向きに(矢印U1方向)逆止弁48に向けて供給させる。このため逆止弁48のバネ等の付勢部材482に急激に開弁荷重が作用することが抑制され、開弁加重は時間をもって付勢部材482に作用する。システムの使用期間が長期にわたったとしても、付勢部材482のバネ定数の変動を抑制させ、逆止弁48の閉止性を長期にわたり良好に維持できる。
【0042】
一般的には、付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)は、浴槽2の水が供給される泡生成室33側から逆止弁48に付着する。これに対して逆止弁清掃処理においてコンプレッサ6から圧送される空気は、泡生成室33側からではなく、上向き空気供給通路80側から供給されるため、つまり、泡生成室33と異なる方向、すなわち、反対側から供給されるため、付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)を逆止弁48から離脱させるのに有利である。このように本実施形態によれば、泡モードの終了時には、制御部9は、コンプレッサ6を所定時間Δt1オンさせて逆止弁清掃処理を実行することができる。制御部9は、逆止弁清掃処理を泡モードの終了毎に実行しても良いしあるいは、泡モードの実行回数をカウントし、カウント数が所定回数に到達するとき、泡モードの終了時に逆止弁清掃処理を実行しても良い。逆止弁清掃処理では、水ポンプ5はオフされていることが好ましいが、場合によってはオンされていても良い。
【0043】
上記した逆止弁清掃処理では、コンプレッサ6から圧送される空気圧を必要に応じて設定できる。泡モードの空気圧と同一としても良いし、それよりも低圧としても良いし、それよりも高圧としても良い。高圧であれば、逆止弁清掃処理では、コンプレッサ6から圧送される空気圧が高いため、付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)を逆止弁48から離脱させ易い。あるいは、逆止弁清掃処理では、コンプレッサ6から上向き空気供給通路80に圧送される空気圧について、高圧および低圧を交互に複数回間欠的に繰り返す脈動駆動としても良い。この結果、逆止弁48に付着している付着物(例えば毛髪、皮脂汚れ等)が動き易く、付着物を逆止弁48から効果的に離脱させることを期待できる。高圧および低圧は相対的な圧力である。
【0044】
(実施形態4)
図7は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図6を準用できる。本実施形態によれば、コンプレッサ6は、収容室600および空気室601をもつコンプレッサハウジング602と、収容室600に配置された作動機構603と、空気室601に位置するように作動機構603の作動軸604に保持されたダイヤフラム605とをもつ。収容室600と空気室601とはシール部材607により液密にシールされており、空気室601に水または泡沫群が進入したとしても、各種部品等を搭載している収容室600には進入しない。空気室601に連通するように吸入ポート62および吐出ポート61が形成されている。図7(A)に示すように、ダイヤフラム605が吸入方向(矢印W1方向)に移動すると、ダイヤフラム605は吸気作用を果たし、吐出ポート61を閉鎖した状態で逆流物帰還通路85を介して泡生成用空気を吸入ポート62から空気室601に矢印E1方向に吸引する。これに対して図7(B)に示すように、ダイヤフラム605が吐出方向(矢印W2方向)に移動すると、ダイヤフラム605は吐出作用を果たし、吸入ポート62を閉鎖した状態で泡生成用空気を吐出ポート61から矢印E2方向に上向き空気供給通路80を介して泡生成室32の給気口41に向けて吐出させる。コンプレッサ6は図7に示す構造に限定されるものではない。
【0045】
(その他)
上記した実施形態は、泡沫群を浴槽に供給させる浴槽入浴システムに適用されているが、これに限らず、泡沫群をシャワーとして吐出させるシャワー入浴システムに適用しても良く、更に泡沫群をブース内に吐出させるブース入浴システムに適用しても良い。空気供給源としてはコンプレッサに代えて空気ポンプとしても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。本明細書の記載から次の技術的思想も把握できる。
【0046】
[付記項1]泡モードにおいて泡沫群を生成させるための泡生成器と、泡生成器で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、泡沫群の原料となる水を泡生成器3に供給させる水供給源と、泡沫群の原料となる空気を泡生成器に供給させる空気供給源とを具備しており、泡生成器は、水が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、空気供給源から供給される空気を泡生成室に供給させる給気口と、泡生成室において作動するように設けられ作動に伴い水および空気に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素とを具備する泡入浴システム。水および空気に基づいて泡沫群を生成させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1は泡入浴システム、2は浴槽、20は浴槽室、21は吐出口、22は吸入口、24は排水口(ドレイン部)、3は泡生成器、30は吐出通路(吐出部)、32はケース、33は泡生成室、34は流入室、35は仕切壁、36は攪拌要素、37はシール部、38は駆動軸、PAは軸線、40はモータ、41は給気口、42は給水口、43はドレイン口、44は帰還口、48は逆止弁、482は付勢部材、5は水ポンプ(水供給源)、50は水吸入管、6はコンプレッサ(空気供給源)、61は吐出ポート、62は吸入ポート、7は筐体、80は上向き空気供給通路、81は供給配管、85は逆流物帰還通路、86は帰還配管、9は制御部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡モードにおいて泡沫群を生成させるための泡生成器と、
前記泡生成器で生成させた泡沫群を外部に吐出させる吐出部と、
泡沫群の原料となる水を前記泡生成器に供給させる水供給源と、
泡沫群の原料となる空気を前記泡生成器に供給させる空気供給源とを具備しており、
前記泡生成器は、
水が供給されて泡沫群を生成させるための泡生成室と、前記水供給源から供給される水を前記泡生成室に供給させる給水口と、前記空気供給源から供給される空気を前記泡生成室に供給させる給気口と、前記泡生成室において作動するように設けられ作動に伴い水および空気に基づいて泡沫群を生成させる攪拌要素とを具備しており、前記空気供給源は、前記泡生成器の前記攪拌要素の駆動軸よりも下方に設置されていることを特徴とする泡入浴システム。
【請求項2】
請求項1において、前記空気供給源は、前記泡生成器の前記給気口よりも下方に設置されており、前記空気供給源から前記泡生成器の前記給気口に向かうにつれて上昇するように配置された上向き空気供給通路が設けられており、前記上向き空気供給通路は、前記空気供給源から送られる空気を前記泡生成器の前記給気口に向けて上向きに供給させることを特徴とする泡入浴システム。
【請求項3】
請求項1または2において、前記空気供給源は床壁に設置されてことを特徴とする泡入浴システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記空気供給源から前記泡生成室への空気の流れを許容し且つその逆方向の流れを遮断させる逆止弁が設けられており、
前記逆止弁は、前記泡生成器の前記給気口、前記空気供給源の吐出ポートおよび前記上向き空気供給通路のうちの少なくとも一つに設けられていることを特徴とする泡入浴システム。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、(i)前記泡生成器は、前記泡生成室から漏れた水または泡沫群が流入する前記流入室と、前記流入室とドレイン部とを連通させ前記泡生成室から漏れた水または泡沫群を前記流入室から前記ドレイン部に排出させるドレイン口とを備えており、
(ii)前記泡生成室から前記上向き空気供給通路を下降逆流して前記空気供給源に到達した水または泡沫群を含む逆流物を重力に抗して上向きに供給させて前記ドレイン口または前記流入室に帰還させる逆流物帰還通路が設けられていることを特徴とする泡入浴システム。
【請求項6】
請求項5において、前記逆流物帰還通路の長さ方向の一端部は、前記空気供給源の吸入ポートに接続されており、前記逆流物帰還通路は、前記空気供給源の前記吸入ポートに泡生成用の空気を吸入させる吸入用配管を兼用することを特徴とする泡入浴システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−239782(P2012−239782A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115432(P2011−115432)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】