説明

泡噴射ヘッドおよび推進ガス容器を備えた泡噴射ヘッド

弁頭(5)の内側および外側圧着縁(3、4)を備えた推進ガス容器(2)に取り付けて使用される泡噴射ヘッド(1)が開示される。泡噴射ヘッド(1)は、操作ボタン(6)および泡噴射口(7)を有し、弁ステム(8)に直接嵌め込まれる。泡噴射ヘッド(1)の下部(9)は、ほぼ内側の圧着縁(3)の内径(11)に等しい外径(10)を有している。下部(9)の下側領域(12)には、操作ボタン(6)に対向して配置された外側リブ(13)が内側の圧着縁(3)の下側(14)に下側から係合するように配置される。下部(9)の下側の縁領域(15)には、環状のバネ(17)を形成すべく少なくとも1つの切欠部(16)が備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に記載されるような泡噴射ヘッド、および請求項2の前段部分に記載されるような推進ガス容器を備えた泡噴射ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、EP0792821A1には、量産品として製造されたプラスチック製の泡噴射ヘッドが記載されている。この泡噴射ヘッドは、推進ガス容器の外側の圧着縁に接続されることによって固定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の課題は、簡単な方法で、実質上材料使用量を削減することができるような泡噴射ヘッドを提供することにある。また、本発明の第2の課題は、簡単な方法によって実質上材料使用量を削減し、また、簡単な方法で、再使用可能な推進ガス容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの課題は、請求項1および請求項2の特徴部分に記載された構成によって解決される。本発明のさらに別の好ましい実施態様がそれらに続く従属項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の好ましい実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例による泡噴射ヘッド1を示した図である。この泡噴射ヘッド1は、弁頭5の内側および外側の圧着縁3、4を備えた推進ガス容器2に取り付けて使用される。泡噴射ヘッド1は、操作ボタン6、および泡噴射口7を有し、弁ステム8に直接嵌め込まれる。泡噴射ヘッド1の下部9は、ほぼ内側の圧着縁3の内径11に等しい外径10を有している。泡噴射ヘッド1の下部9は、図3に示されるように、内側の圧着縁3の内側に向かって傾けられ得るようになっている。下部9の下側領域12には、操作ボタン6に対向して配置された外側リブ13が設けられて、内側の圧着縁3の下側14に下側から係合するようになっている。環状のバネ17を形成するため、下部9の下側の縁15には、少なくとも1つの切欠部16が設けられる。それによって、泡噴射ヘッド1が操作可能とされ、そのとき、推進ガス容器2に確実に接続されて、外れないようになっている。泡の適用のために操作ボタン6が操作されたときの復元力が、バネ弾性を有する弁ステム8によってもたらされる。
【0006】
泡噴射ヘッド1は、意図しない操作に対する、図中破線で示したような保護キャップ25を備え得る。保護キャップ25は、外側圧着縁4に対して着脱可能に接続される。
【0007】
図2は図1のX領域の拡大詳細図である。
【0008】
図3は、操作ボタン6によって操作された状態の、図1の泡噴射ヘッドの軸方向の断面図である。これから、内側の圧着縁3の下側14に当接する外側リブ13の傾斜が確実に生じる。
【0009】
図4は、図3のY領域の拡大詳細図である。
【0010】
図5は、図1の泡噴射ヘッドの、弁ステム8に対する取入口23の詳細を示した図である。
【0011】
図6は、図5の泡噴射ヘッド1の側面図である。
【0012】
図7は、図6の泡噴射ヘッド1の下面図である。
【0013】
図8および図9は、本発明の第2の実施例による泡噴射ヘッドの斜視図である。
【0014】
図10は、泡噴射ヘッド1が取り外された状態の推進ガス容器2の軸方向の断面図である。
【0015】
図11には、本発明の第2の実施例による、弁頭5の内側および外側の圧着縁3、4を備えた推進ガス容器を有する泡噴射ヘッド1が、示してある。図11に示されるように、泡噴射ヘッド1は、操作ボタン6、および泡噴射口7を備え、弁ステム8に直接嵌め込まれる。泡噴射ヘッド1の下部9は、ほぼ内側の圧着縁3の内径11に等しい外径10を有している。下部9の下側領域12には、操作ボタン6に対向して配置された外側リブ13が設けられ、内側の圧着縁3の下側14に下側から係合するようになっている。環状のバネ17を形成するため、下部9の下側の縁15は、少なくとも1つの切欠部16を備えており、それによって、泡噴射ヘッド1の操作が可能となり、そのとき、泡噴射ヘッド1は推進ガス容器2に確実に接続されて、外れることがない。泡を適用すべく操作ボタン6が操作されたときの復元力が、バネ弾性を有する弁ステム8によって生じる。この第2の実施例は、図1に示した第1の実施例と、実質上、外側の圧着縁4が、嵌め込み接合部18として、推進ガス容器2の少なくとも上側領域19を被覆するケーシング20を備えている点が異なっているだけである。この場合、ケーシング20は、止め輪26によって外側の圧着縁4に接続される。ケーシング20は、グリップ部21として形成され、それによって泡適用時の操作性が向上し、特に、グリップ部21が滑らないように表面処理されている場合、この効果は著しい。あるいは、ケーシング20は、装飾部22として形成され、例えば、特定の着色および/または説明、例えば、泡製品に関するさらに詳細な情報の記載がなされ得る。泡噴射ヘッドとして、例えば、ヘアケア製品への適用が可能である。
【0016】
泡噴射ヘッド1は、意図しない操作に対する、図中破線で示した保護キャップ25(図11参照)を備え得る。この保護キャップ25は、ケーシング20の上部の環状隆起部27に着脱可能に接続され、この環状隆起部27の外径は外側の圧着縁の外径に対応し、それによって、一般に市場で入手可能な保護キャップ25を嵌め込むことができる。
【0017】
図12は図11の領域Zの拡大詳細図である。
【0018】
泡噴射ヘッド1の確実な傾斜状態の嵌め込みが、直径10部分および切欠部16のバネ作用に起因する環状のバネ17と、片側に設けられた外側リブ13との同時的な作用によって保証される。外側リブ13は、内側の圧着縁14に下側から係合するようになっている。泡噴射ヘッド1の操作ボタン6が上から指で押し付けられることによって、泡噴射ヘッド1が傾き、そして、弁ステム7が作動する。また、(2つの直径方向に対置された操作面による)2本指操作式の構成が、1つの変形例として可能である。この場合、環状のバネ17は、いずれにせよ、保持機能のみを有していて、傾斜動作を支援するものではない。
【0019】
泡噴射ヘッドの泡噴射口7は、上下にひっくり返された状態での使用(下向きの泡噴射ヘッド1)を意図されている。しかし、図1に示した第1の実施例の場合のように、泡噴射ヘッド1を、水平な向きに使用すること、あるいは上向きにして使用することが可能であり、この場合、弁ステム8の下部には、対応する(弾性力を有する)吸上管24(図中破線で示している)が設けられ、この吸上管24(図示されない)推進ガス容器2の底までのびている。
【0020】
泡噴射ヘッド1は、意図しない操作に対する、図中破線で描かれた保護キャップ25(図1参照)を備えており、保護キャップ25は、外側の圧着縁4に対して着脱可能に接続される。
【0021】
泡噴射ヘッド1の弁ステム8上への取付は、迅速になされ得る(弁ステム8上へのスライド嵌め込みおよび操作時の前面側にシール)。
【0022】
本発明によれば、従来の弁外径10に基づく構成に比べて、約50%の材料削減およびコスト低減が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施例による泡噴射ヘッドの、推進ガス容器に接続された状態を示した軸方向の断面図である。
【図2】図1のX領域の拡大詳細図である。
【図3】図1の泡噴射ヘッドの操作された状態を示した軸方向の断面図である。
【図4】図3のY領域の拡大詳細図である。
【図5】図1の取り外された泡噴射ヘッドを示した図である。
【図6】図5の泡噴射ヘッドの側面図である。
【図7】図6の泡噴射ヘッドの下面図である。
【図8】図6の泡噴射ヘッドの変形例の斜視図である。
【図9】図6の泡噴射ヘッドの変形例の斜視図である。
【図10】泡噴射ヘッドが取り付けられていない状態の推進ガス容器の軸方向の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例による泡噴射ヘッドの、推進ガス容器に接続された状態であって、外側の圧着縁にケーシングが接続された状態の軸方向の断面図である。
【図12】図11のZ領域の拡大詳細図である。
【符号の説明】
【0024】
1 泡噴射ヘッド
2 推進ガス容器
3 内側の圧着縁
4 外側の圧着縁
5 弁頭
6 操作ボタン
7 泡噴射口
8 弁ステム
9 泡噴射ヘッド1の下部
10 外形
11 内径
12 下部9の下側領域
13 外側リブ
14 内側の圧着縁3の下側
15 下部9の下側縁領域
16 切欠部
17 環状ばね
18 嵌め込み接続部
19 推進ガス容器2の上側領域
20 ケーシング
21 グリップ部
22 装飾部
23 取入口
24 吸上管
25 保護キャップ
26 嵌め込みリング
27 環状隆起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁頭(5)の内側および外側の圧着縁(3、4)を備えた推進ガス容器(2)に取り付けて使用される泡噴射ヘッド(1)であって、
操作ボタン(6)に泡噴射口(7)を有し、弁ステム(8)に直接嵌め込まれる泡噴射ヘッド(1)において、
前記泡噴射ヘッド(1)の下部(9)は、ほぼ前記内側の圧着縁(3)の内径(11)に等しい外径(10)を有し、前記下部(9)の下側領域(12)には、前記操作ボタン(6)に対向して配置された外側リブ(13)が、前記内側の圧着縁(3)の下側(14)に下側から係合するように配置され、前記下部(9)の下側の縁領域(15)には、環状のバネ(17)を形成すべく少なくとも1つの切欠部(16)が備えられていることを特徴とする泡噴射ヘッド。
【請求項2】
弁頭(5)の内側および外側の圧着縁(3、4)を備えた推進ガス容器(2)を備えた泡噴射ヘッド(1)であって、
操作ボタン(6)および泡噴射口(7)を有し、弁ステム(8)に直接嵌め込まれた泡噴射ヘッド(1)において、
前記泡噴射ヘッド(1)の下部(9)は、ほぼ前記内側の圧着縁(3)の内径(11)に等しい外径(10)を有し、前記下部(9)の下側領域(12)には、前記操作ボタン(6)に対向して配置された外側リブ(13)が、前記内側の圧着縁(3)の下側(14)に下側から係合するように配置され、前記下部(9)の下側の縁領域(15)には、環状のバネ(17)を形成すべく、少なくとも1つの切欠部(16)が備えられ、前記外側の圧着縁(4)は、嵌め込み接合部(18)として、前記推進ガス容器(2)の少なくとも上側領域(19)を被覆するケーシング(20)を備えていることを特徴とする泡噴射ヘッド。
【請求項3】
前記ケーシング(20)はグリップ部(21)として形成されていることを特徴とする請求項2に記載の推進ガス容器(2)を備えた泡噴射ヘッド(1)。
【請求項4】
前記グリップ部(21)は滑らないように表面処理されていることを特徴とする請求項3に記載の推進ガス容器(2)を備えた泡噴射ヘッド(1)。
【請求項5】
前記ケーシング(20)は装飾部(22)として形成されていることを特徴とする請求項2に記載の推進ガス容器(2)を備えた泡噴射ヘッド(1)。
【請求項6】
前記ケーシング(20)の上部には環状の隆起部(27)が備えられて、保護キャップ(25)を着脱可能に被せることができるようになっており、前記環状の隆起部(27)の外径は、前記外側の圧着縁(4)の外径に対応する大きさを有していること特徴とする請求項2に記載の推進ガス容器(2)を備えた泡噴射ヘッド(1)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2007−513020(P2007−513020A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541917(P2006−541917)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013851
【国際公開番号】WO2005/054083
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】