説明

波形シートの製造方法及び製造装置、発熱体の製造方法並びに発熱体

【課題】 シート部材を安定した状態で搬送してシート部材の通気性や伸張や破断を防止しつつ、シート部材を皺を寄らせず、正確な波形であるプリーツに容易に曲折することのできる製造装置、製造方法及び発熱体を提供する。
【解決手段】 シート部材を凹凸状の部材を使用して波形に形成する方法であって、前記シート部材の中央側から外側に向かって漸次波付けを行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形シートの製造方法及び製造装置、発熱体の製造方法並びに発熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート部材を波形に曲折してなる波形シートを製造する装置として、例えば、特許文献1には、互いに平行に又は傾斜して走る複数の溝を設けた平板状の案内ヘッドと、案内ヘッドの複数の溝に沿って遊挿される複数の棒状部材を備えた平板状の抑え付けディバイスからなり、シート部材を案内ヘッドと抑え付けディバイスとの間に挟み込むようにして通過させて、シート部材に波形の多数の折り返しを形成しようとするものである。
【0003】
また、特許文献2には、周方向に延設された凹溝を外周部に沿って備える受け側ロールと、受け側ロールと回転軸を平行にして隣接配置され、凹溝に遊挿される周方向に延設された突条を外周面に沿って備える複数のスリット側ロールとからなり、凹溝と突条との隙問にシート部材を挟み込んで波形に曲折させつつ、受け側ロール及びスリット側ロールの回転によりシート部材を送り出して波形シートを製造する装置が記載されている。
【0004】
これらの用途としては、例えば生理用ナプキン、おむつ、失禁用パッド等の吸収性物品が挙げられ、該吸収性物品は、一般に表面カバーシートと裏面カバーシートとこれらの間に含まれる吸収体とからなる。これらのシート又は吸収体を構成するシート材は、波形に曲折させて波形シートとすることにより、空間を保持して液体の吸収や浸透および保持性を高め、液体分布を改善すると共に、漏れ特性を改善し、また着用の快適さや外観を向上させることが可能になる。
【0005】
特許文献3に記載の装置では、案内ヘッド及び抑え付けディバイスは、シート部材に対して相対的に固定され、シート部材は搬送方向に引っ張り出して案内ヘッドと抑え付けディバイスとの間の隙間を通過させることになるため、通過時の摩擦カ等によりシート部材に大きな負荷がかかり、シート部材の伸張や破断を招く等、波形に曲折しつつ搬送する作業を安定して行うことができない問題がある。このような問題は、特に波の高さを大きく形成する場合に顕著になる。
【0006】
特許文献4に記載の装置によれば、突条を外周面に沿って備える複数のスリット側ロールがそれぞれ独立して、受け側ロールの周面に沿って設けられているため、シート部材が点状で、受け側ロールに押しつけられる状態になり、スリット側ロール間で、シート部材が受け側ロールの外周面から浮き上がり、波形が崩れる問題があった。
一つスリット側ロールが凹溝にシート部材を受け側ロールに押し込むとその周りのシート部材が受け側ロールの周面浮き上がり、次のスリット側ロールが凹溝にシート部材を受け側ロールに押し込む時にシート部材に皺が寄り、きれいな波形に曲折しつつ搬送する作業を安定して行うことができない場合がある。特にスジ状に発熱組成部を間隔を置いて収納した発熱体用の波形状の包材はスジ状に間隔を置いて設けられた成形性発熱組成物を覆いシールするため、厳密なスジ状の形態が求める。スジ状の形態が悪いと、波状の包材がスジ状に間隔を置いて設けられた成形性発熱組成物を崩し、成形性発熱組成物の周縁部をシールする場合に崩された成形性発熱組成物の破片でシール切れを起こし、使用可能な発熱体が製造できない。
通気性を有するシート部材の通気性を変えずに、皺を発生させず、正確に、波形状を作成する必要があった。
【0007】
一方、空気と反応して発熱する発熱剤の代表例である鉄粉、水、保水剤及び酸化助剤等からなる発熱組成物は、点火を必要とせず空気と接触するだけで簡便に発熱するため、該発熱組成物を通気性袋に収納した発熱体が広く普及している。
従来、鉄粉等を発熱源とした発熱組成物を利用した、いわゆる使い捨てカイロは扁平状の形状を持ち、充填方式で、通気性の収納袋に発熱組成物を充填して製造されてきた。使い捨てカイロは柔軟性に乏しく、使用感が悪く、柔軟性に富んだ発熱体が望まれていた。
スジ状に発熱組成部を間隔を置いて収納した柔軟性に富んだ発熱体は従来存在しなかった。
【0008】
【特許文献1】特表平10−506333号公報
【特許文献2】特開平2002−144455号公報
【特許文献3】特表平10−506333号公報
【特許文献4】特開平2002−144455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、シート部材を安定した状態で搬送してシート部材の通気性や伸張や破断を防止しつつ、シート部材を皺を寄らせず、正確な波形であるプリーツに容易に曲折することのできる製造装置、製造方法及び発熱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上記の課題を解決し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明の波形シートの製造方法は、請求項1に記載の通り、シート部材を凹凸状の部材を使用して波形に形成する方法であって、前記シート部材の中央側から外側に向かって漸次波付けを行うことを特徴とする。
また、本発明の発熱体の製造方法は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の前記波形シートを被覆材として使用し、基材上に発熱組成物成形体をスライプ状に配置し、前記発熱組成物成形体を前記被覆材により被覆し、前記発熱組成物成形体の周縁部をシールすることを特徴とする。
また、本発明の波形シートの製造装置は、請求項3に記載の通り、シート部材を挿入して波形に曲折してなる波形シートを製造する装置であって、隣接して複数の溝部が設けられた基台と、前記溝部の延出方向に回転できるように支持された押し込み部材と、前記溝部に対向する他の溝部を備え、前記他の溝部内において、前記押し込み部材は回転可能な状態で収容されるように構成された受け側部材とを備え、隣接する前記押し込み部材のうち中央側の前記押し込み部材を、外側の前記押し込み部材よりも前記シート部材の挿入側に配置するとともに、前記各押し込み部材を中央側から外側に向かって漸次排出側に向かってずらして配置されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の波形シートの製造装置において、前記押し込み部材を、回転ロールにより構成し、前記回転ロールを前記溝部内において、前記溝部の延出方向に隣接して配置し、中央側の前記溝部内から外側の前記溝部内の回転ロールの数を、前記外側に向かって漸次少なくしたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の波形シートの製造装置において、前記波形シートの底面に基材シートを接合する接合手段を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上記の課題を解決し、本発明を完成したものである。
本発明の波形シートを製造する方法は、所定方向へ延びる凹部を複数有する受け側部材と、該凹部内に遊嵌される押し込み部材との間に、前記凹部の延びる方向へ走行するシート部材を介在させ、該シート部材を前記凹部内に貫入させて、該シート部材を波形に曲折してなる波形シートを製造する方法において、該受け側部材及び押し込み部材が少なくともシート部材が接触する部分が回転機能を有し、押し込み部材が複数の凸状ロールを枠に組み込んだ枠組みロールであり、前記シート部材を中央部より前記凹部に貫入させ、該シート部材の走行に連れて該シート部材の前記凹部への貫入数を漸次増加させることが好ましい。
本発明の波形シート製造装置は、シート部材を波形に曲折してなる波形シートを製造する装置であって、周方向に延設された、複数の凹部を、外周部に沿って備え、凹部は凸部によって相互に離間された受け側ロールと枠組み押し込みロールとからなり、該枠組み押し込みロールは、受け側ロールの凹部に貫入される周方向に延設され、受け側ロールと回転軸を平行にして設けられた回転可能の複数の凸状ロールを枠に取りつけた構造を有し、該枠組み押し込みロールの凸条ロールの凸部の端部及び受け側ロールの凹部の端部の少なくともと凸部と凹部とが貫入し、シート部材に接する凸部の端部と凹部の端部をアール状(円弧状)を設け、該受け側ロール及び枠組み押し込みロールの少なくともTD方向の端部において、両者間にシート部材が平面的に通過できる狭間部を有し、該受け側ロールと枠組み押し込みロールとの間にシート部材を挿入し、シート部材を挟持しつつ移動させ、該枠組み押し込みロールのシート部材の挿入口に最も近い最上流側に位置する凸状ロールが、該受け側ロールの外周部中央に位置する該凹部に貫入される位置に設けられ、下流側に位置する該凸状ロールほど、前記周面中央より外側に位置する該凹部に貫入されるされる位置に順次設けられ、該受け側ロールと該枠組み押し込みロールの隙間にシート部材を挟み込んで、凹凸形に曲折させつつ、該受け側ロールと該枠組み押し込みの凸状ロールの回転により、波形シートを送り出すことが好ましい。
また、波形シート製造装置は、前記受け側部材が、平面状に配設された複数の凸部ロール軸を有する平板枠組み受け側ロールで有り、前記押し込み部材が、平面状に配設された複数の凸部ロール軸を有する平板枠組み押し込みロールであり、平板枠組み受け側ロールと平板枠組み押し込みロールとを組み合わせた波形シートの製造装置であり、平板枠組み受け側ロールの凹部が凸部ロール間で造る凹部であり、該凹部が直線状にシート部材の送り出し方向に設けられ、平板枠組み押し込みロールの凸部ロールがシート部材の送り出し方向に複数配設され、で最上流側の第1凸部ロール軸における凸部ロール軸の凸部ロールの数が最も少なく、下流側に位置する第凸部ロール軸ほど、凸部ロール軸の凸部ロールの数が順次外側に向かって増えることが好ましい。
また、波形シート製造装置は、前記枠組み押し込みロールが、少なくとも凸状ロールの何れかの間及び端部の少なくとも1部に皺防止具を有することが好ましい。
また、波形シート製造装置は、波形に曲折して形成された前記波形シートの凹凸底面に沿って平坦な基材シートを接合する接合手段を備えることが好ましい。
本発明の発熱体の製造方法は、所定方向へ延びる凹部を複数有する受け側部材と、該凹部内に遊嵌される押し込み部材との間に、前記凹部の延びる方向へ走行するシート部材を介在させ、該シート部材を前記凹部内に貫入させて、シート部材を波形に曲折して製造した波形シートを被覆材として使い、基材上にスライプ状に設けられた発熱組成物成形体に被せ、発熱組成物成形体の周縁部をシールすることからなることが好ましい。
本発明の発熱体の製造装置は、発熱組成物を成形し、ストライブ状に複数の発熱組成物成形体を間隔をおいて基材上に積層する発熱組成物成形体体の製造装置、シート部材を波形に曲折してなる波形シートの製造装置及び基材と波形シートとをシールするシール装置とからなる発熱体の製造装置であって、波形シートの製造装置より送り出される波形シートを無端状ベルト上を搬送されているストライブ状に複数の各発熱組成物成形体を波形シートの各凸部内に収容できるように被覆し、次の工程へ搬送できるように組み込まれており、該波形シートの製造装置は、周方向に延設された、複数の凹部を、外周部に沿って備え、凹部は凸部によって相互に離間された受け側ロールと枠組み押し込みロールとからなり、該枠組み押し込みロールは、受け側ロールの回転最高点と回転方向の回転最低点との間に波形シートができる間隔を有して受け側ロールの外周に沿って設けられており、回転最低点付近において、基材と波形シートとが接触できる間隔を持って、無端状ベルトに支持された基材が受け側ロールの外周と接するように設けられており、該枠組み押し込みロールは、受け側ロールの凹部に貫入される周方向に延設され、受け側ロールと回転軸を平行にして設けられた回転可能の複数の凸状ロールを枠に取りつけた構造を有し、該枠組み押し込みロールの凸条ロールの凸部の端部及び受け側ロールの凹部の端部の少なくともと凸部と凹部とが貫入し、シート部材に接する凸部の端部と凹部の端部をアールr状(略円弧状)に設け、該受け側ロール及び枠組み押し込みロールの少なくともTD方向の端部において、両者間にシート部材が平面的に通過できる狭間部を有し、該受け側ロールと枠組み押し込みロールとの間にシート部材を挿入し、シート部材を挟持しつつ移動させ、該枠組み押し込みロールのシート部材の挿入口に最も近い最上流側に位置する凸状ロールが、前記受け側ロールの外周部中央に位置する前記凹部に貫入される位置に設けられ、下流側に位置する前記凸状ロールほど、前記周面中央より外側に位置する前記凹部に貫入されるされる位置に順次設けられ、受け側ロールの凹部と凸状ロールの隙間にシート部材を挟み込んで、凹凸形に曲折させつつ、受け側ロールと凸状ロールの回転により、波形シートを送り出すことができ、一方、無端状ベルトは、駆動手段により受け側ロールの外周速度と同期をとり、基材及び発熱組成物成形体を搬送でき、搬送されてきた各発熱組成物成形体を波形シートの各凸部の内に収納、シールし、搬送できるように組み込まれていることが好ましい。
本発明の発熱体は、波形シートの製造方法及び波形シートの製造装置で製造された波形シートの少なくとも1種を使用したことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
1.本発明の波形シートの製造装置によれば、シート部材を安定した状態で搬送して、通気性シート部材でも、伸張や破壊を防止しつつ、通気性を変えることなく、シート部材を波形に容易に曲折することができ、小領域の区分発熱部を間隔をおいてスジ状に設けたプリーツ型発熱体用の波型シート状被覆材を容易に製造できる。
2.本発明によれば、シート部材を安定した状態で搬送でき、シート部材の伸張や破断を防止しつつ、シート部材を波形に容易に曲折できる。また、本発明によれば、シート部材の伸張や破断を防止しつつ、同時に多数の波形をシート部材に形成できる。
尚、本発明の装置のTD方向端部と受け側ロールのTD方向端部が合わせる一定領域が狭隙である構造を有する及び/又は前記装置に、凸状ロールの間の少なくとも1部に皺防止具を設けるようにすれば、介在するシートを走行中、確実に保持でき、凸状ロール間におけるシート部材の弾性によるシート部材のもどりによる凹凸形の変形が防止でき、凹凸形のシャープなスジ状区分発熱部を有するプリーツ型発熱体用波シート状被覆材を容易に製造できる。
また、本発明の装置の枠のTD方向端部に設けられた皺防止具と少なくとも凸状ロールの何れかの間の少なくとも1部に皺防止具を設けるようにすれば、よりシャープな凹凸形を有するスジ状区分発熱部を有する発熱体用被覆材を容易に製造できる。
また、本発明の装置の凸条ロールの凸面の端部及び受け側ロールの凸部の端部の少なくとも1種をアール状(円弧状)に設けるようにすれば、通気性シート部材でも、伸張や破壊を防止しつつ、シート部材を安定した状態で搬送でき、通気性を変えることなく、シート部材を凹凸形に容易に曲折することができ、スジ状区分発熱部を有する発熱体用被覆材を容易に製造できる。
また、本発明の装置はMD方向において、短い距離の間に凸状ロールを一定パターンで配置するようにすれば、短距離で、プリーツ状シートが形成できるので、プリーツ状シート製造装置のコンパクト化ができる。
3.本発明の波型シート製造方法を使用するにより、凹凸形のシャープなスジ状区分発熱部を有するプリーツ型発熱体を容易に製造できる。
4.本発明のプリーツ型発熱体は使用前、使用中、使用後に渡り、常時、柔軟性が維持できるため、身体によくフィットし、十分な温熱効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をその好ましい実施の形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の発熱体は、波形シートを用いて製造した、複数の区分発熱部を「ストライプ状に間隔をおいて設けた発熱体である。
【0014】
本発明で使用できる発熱組成物は、本発明の発熱組成物成形体包装体製造方法及び/又は製造装置で発熱組成物成形体包装体ができれば制限はないが、好ましくは、発熱組成物は、鉄粉、活性炭等の炭素成分、塩化ナトリウム等の反応促進剤及び水を必須成分とし、易動水値が0.01〜50の余剰水を含有する成形性含水発熱組成物である。
【0015】
また、本発明の成形性含水発熱組成物は、前記成分の他に、木粉等の保水剤、吸水性ポリマー、成形助剤、亜硫酸ナトリウム等の水素発生抑制剤、水酸化カルシウム等のpH調整剤、骨材、機能性物質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン、両性イオン、アニオン、カチオンの界面活性剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性高分子化合物、ジメチルシリコーンオイル等の有機ケイ素化合物、焦電物質、セラミック等の遠赤外線放射物質、トルマリン等のマイナスイオン発生剤、FeCl等の発熱助剤、ケイ素やアルミニウム等の鉄以外の金属、二酸化マンガン等の酸化鉄以外の金属酸化物、塩酸やマレイン酸や酢酸等の酸性物質、パルプ等の繊維状物、尿素等の肥料成分、グリセリンやD−ソルビトール等の保湿剤、離型剤又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも一種を含有してもよい。
尚、公知の使い捨てカイロや発熱体に使用される発熱組成物の成分が使用できる。
【0016】
前記成形性含余剰水発熱組成物は、その配合割合は特に限定されるものではないが、好ましくは、鉄粉100重量部に対して、炭素成分1.0〜50重量部、反応促進剤1.0〜50重量部、水1.0〜60重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、成形助剤、離型剤はそれぞれ0.001〜6重量%、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は0.01未満が好ましい。
また、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
発熱組成物として易動水値が0.01〜20になるように配合割合を選択するのが好ましい。
【0017】
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ケイ素等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0018】
前記鉄の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉としては
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄のX線ピーク強度比として、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物
等が一例として挙げられる。
【0019】
前記活性鉄粉とは、鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化皮膜で覆われ、一つは前記鉄酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも活性鉄粉の中心部領域及び鉄酸化皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉である。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、3nm以上であば制限はないが、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有被膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有被膜が酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。
鉄の酸素含有被膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、もう一つはウスタイトを有する活性鉄粉で、ウスタイト量は、鉄とのX線強度比として、通常は2〜50重量%であり、好ましくは5.01〜50重量%であり、より好ましくは5.01〜40重量%であり、更に好ましくは6〜40重量%であり、更に好ましくは7〜30重量%であり、更に好ましくは7〜25重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
【0020】
前記活性鉄粉の鉄酸化被膜の厚さの分析法はオージェ電子分光法が、ウスタイト量の測定にはX線解析法が使用される。
前記オージェ電子分光法は、深さ方向にFe換算でのスパッタリング速度11nm/分でArでスパッタリングした場合に、O(酸素)のピーク強度(Io)とFeのピーク強度(Ii)の比(Io/Ii)が0.05以上となる部分をいう。従って、前記鉄粉表面の鉄の酸素含有皮膜の厚さは、鉄粉表面から(Io/Ii)が0.05となる深さまでのFe換算での距離である。測定条件は、スパッタリング時間:15分間、スパッタリング速度:11nm/分(Fe換算)である。前記オージェ電子分光法のスパッタリング時間の経過とともにIoが滅少し、Iiが増加する。鉄粉表面から(Io/Ii)が0.05となる深さまでのスパッタリング時間を厚さに換算することにより、鉄酸化皮膜の厚さを算出することができる。
前記ウスタイト量とは、X線解析装置を用い、鉄(αFe)の110面のピークの積分強度とFeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度から次式により、鉄とのX繰強度比として、%表示で表したものである.
ウスタイト量(%)=100×(KFeO/KαFe)
KFeO:FeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度
KαFe:鉄(αFe)の110面のピークの積分強度
尚、鉄酸化皮膜を有する鉄粉が鉄粉以外の物質(炭素成分、反応促進剤や水等)を含む混合物を使用して、作成されている場合は、作成後の混合物から磁石等により鉄粉を分離し、それを試料として測定すればよい。発熱組成物の外、発熱体の中の発熱組成物や発熱組成物成形体を分析する場合は窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物や発熱組成物成形体を分散させ、磁石で、鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
【0021】
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカーアルミナ粉、シリカーマグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。
【0022】
成形助剤とは、水分との組み合わせにより、発熱組成物成形体の強度を向上させ、形状を維持するために添加するものであり、水溶性高分子、親水性高分子、無機化合物がある。
即ち、鉄粉等の発熱組成物の組成物質粒子間に作用を及ぼし、発熱組成物成形体の成形後のシールまでの移動中の崩れ等を防止するものである。
【0023】
成形助剤としてはセルロース形、デンプン系(デンプン誘導体)、半合成系、合成系、シロップ系、マンナン系、海藻類、植物粘質物、微生物による粘質物、タンパク賞系、多糖類系等が一例として挙げられる。
例えば、ステアリン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルビロリドン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、ペクチン、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉等の澱粉系吸水剤、キサンタンガム、ジュランガム、プルラン、ガードラン等の微生物産生粘物質、グアガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム等の植物種子粘物質、カラギーナン、寒天等の海草抽出物、アラビアガム、トラントガム、カラヤガム等の植物樹脂粘物質、ペクチン、アラピノガラクタン等の植物果実粘物質等の多糖類系増粘剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルポキシメチルセルロースナトリウム、酢酸エチルセルロース、ハイドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体系増粘剤、アクリルスルホン酸系高分子物質、ポリーN−ビニルアセトアミド、又はメチルセルロース、ヒドロキシプロビルメチルセルロース等の水溶性セルロース、ゼラチンアルブミンカゼイン等の動物蛋白質、および、大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白質、ベントナイト、カオリン、珪酸ソーダ、珪酸アルミニウム等が一例として挙げられる。また、これら等から避ばれた2種以上の混合物が一例として挙げられる。
特開2003−301200号公報に記載されている水溶性セルロースエーテルも本発明に有用であり、この特開公報の記載もその全部を参照することにより本明細書に組み入れる。
また、本発明の発熱組成物の成分は、従来より開示されている又は市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている増粘剤、賦形剤等の発熱組成組成物を集合させる機能を有するものも使用できる。
【0024】
前記離型剤としては、制限はないが、鉱物油、合成油、動植物油等で構成される潤滑油油性グリース、天然ワックス、合成ワックス等の高粘性潤滑油、シリコーン、ステアリン酸、ステアリン酸塩類等が一例として挙げられる。
【0025】
前記機能性物質としては、薬効、芳香等の何らかの機能を有していればいかなるものでもよい。香料、薬草、ハーブ、漢方薬、経皮吸収性薬物、医薬活性物質、芳香剤、化粧水、乳液、湿布剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤又は脱臭剤、磁気体等が一例として挙げられる。
更に、機能性物質としては、具体的に一例を挙げれば、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ、セイヨウトチノキ、ビタミンE、ニコチン酸誘導体、アルカロイド化合物等の血行促進剤;セイヨウトチンキ、フラボン誘導体、アントシアニジン、ビタミンP、きんせんか、シラノール、テルミナリア、マユス等のむくみ改善剤;アミノフィリン、茶エキス、カフェイン、キサンテン誘導体、イノシット、デキストラン硫酸誘導体、セイヨウトチノキ、エスシン、アントシアニジン、有機ヨウ素化合物、オトギリ革、スギナ、マンネンロウ、朝鮮人参、ヒアルウロニダーゼ等のスリム化剤;インドメタシン、dl−カンフル、ケトプロフエン、ショーガエキス、トウガラシエキス、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の鎮痛剤;ラベンダー、ローズマリー、シトロン、ジェニパー、ペパーミント、ユーカリ、ローズウッド、オレンジ等の香料等が挙げられ、一種以上を用いることができる。
【0026】
前記経皮吸収性薬物としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、例えば皮膚刺激剤、サリチル酸やインドメタシン等の沈痛消炎剤、中枢神経作用剤(睡眠鎮静剤、抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿剤、血圧降下剤、蓮血管拡張剤、鎮咳去疾剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、局所麻酔剤等が挙げられる。これら薬剤は、一種又は必要に応じて二種以上配合されて用いられる。
【0027】
前記鉄粉は、鉄を50%以上含む鉄粉であれば限定はない。
鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ケイ素等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。
特に鉄粉の表面に炭素成分及び/又は酸化鉄を有するものが活性な発熱熱反応を行う鉄粉として好ましい。本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0028】
本発明の基材や被覆材を構成する包装材としては、発熱体用の包装材として機能すれば制限はない。公知の使い捨てカイロや発熱体に使用される包装材が使用できる。
例えば包材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの積層体等の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
【0029】
前記通気性フィルムは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化エチレンフィルム等を使用した多孔質フィルムが好適に用いられ、必要通気量に応じて孔径が定められる。通気量は必要発熱量、温度に応じて、用いる発熱剤に関連して設計される。
また、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布よりなる包装材、ポリエチレンフィルム等非通気性フィルムに穿孔により孔を開けた包装材や穿孔フィルムや多孔質フィルムに不織布をラミネートした積層体が一例として挙げられる。
【0030】
前記非通気性フィルムとしては、実質的に酸素を透過しないフィルムであれば良く、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプタジエン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリアミド等からなる包装材が一例として挙げられる。
非通気性ポリエチレンフィルムの片面に吸水性ポリマー含有ポリエステル不織布をラミネートしたものや非通気性ポリエチレンフィルムの片面に段ボール紙等の紙類をラミネートした積層体等も使用できる。
【0031】
複数の区分発熱部の配置形状としては、制限はないが、格子状、ストライプ状、波状、格子−ストライプ状、ランダム状等が一例として挙げられる。
【0032】
本発明の発熱部は、スジ状に間隔をおいて設けることが好ましく、「スジ状に間隔をおいて設ける」とは、複数の区分発熱部が、スジ状に間隔をおいて(平行線状に)設けられたものである。1本のスジは1個の区分発熱部により構成されていることが好ましい。
また、下記の条件を満たしていれば、1本のスジは2個以上の区分発熱部と1個以上の区分け部とから構成されていてもよい。
Tは、T≧2Sであり、好ましくは、T≧2.5Sである。
Pは、P≦Tであり、好ましくは、P≦0.5Tである。
T :1個の区分発熱部の長さ
S :1個の区分発熱部の幅
P : 区分け部の長さ
平行縞状(縦縞、横縞、斜め縞、縦波縞、横波縞、斜め波縞等)に区分発熱部からなるスジを配置することが一例として挙げられる。
【0033】
本発明におけるストライプ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有する発熱体の場合は、直角方向になる2方向における剛軟度の差の絶対値が最大になる、平行六面体形状の区分発熱部をスジ状に間隔をおいて設けた発熱体や、更に粘着剤層を設けた発熱体や、その粘着剤層をスジ状に間隔をおいて設けた発熱体は、一方向に対して非常に柔軟性であり、一方向に対しては剛性であるので、肩こり、腰痛、筋肉疲労等の症状を緩和し、特に生理痛の症状緩和する等の効能を発揮する。更に、発熱体の幅方向に、ほぼ幅寸法の大きさで巻けて、コンパクトになり、収納にも便利である。またセパレータ付きの場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
また、身体に沿わせて発熱体を設ける場合、身体は二次的曲面が多く、肩、脚、腹、腰、腕等は1方向は、ほぼ直線的になっており、他の2方向はほぼ曲面から造られる。従って、1方向はほぼ直線的であり、他の2方向は曲面を造ることができる本発明の発熱体は2次元的曲面が造れるので、身体にうまく沿わすことができ、身体の採暖や諸症状の緩和、治療に最適である。
【0034】
前記区分発熱部又は前記発熱組成物成形体のサイズは制限はないが、好ましいサイズは以下の通りである。
1)円形状、ディスク形状及びディスク類似形状の場合
直径は、好ましくは約1mm〜約60mmであり、より好ましくは2mm〜50mmであり、更に好ましくは10mm〜40mmであり、更に好ましくは20mm〜30mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、更に好ましくは0.5mm〜20mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、より好ましくは1.5mm〜10mmであり、更に好ましく3mm〜9mmであり、更に好ましくは4mm〜8mmであり、更に好ましくは5mm〜7mmである。
容積は、好ましくは約0.0045cm〜約20cmであり、より好ましくは約0.2cm〜約11cmである。
2)前記1)以外の形状(矩形、矩形類似形状等)である場合
幅は、好ましくは0.5mm〜60mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜30mmであり、更に好ましくは5mm〜20mmであり、更に好ましくは5mm〜15mmであり、更に好ましくは5mm〜10mmである。
また、高さは、好ましくは0.1mm〜30mmであり、より好ましくは0.1mm〜20mmであり、更に好ましくは0.1mm〜10mmであり、更に好ましくは0.3mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは1mm〜10mmであり、更に好ましくは2mm〜10mmである。
また、長さは、好ましくは5mm〜300mmであり、より好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜100mmであり、更に好ましくは20mm〜150mmであり、更に好ましくは30mm〜100mmである。
また、表面積は区分発熱部としての機能を有すれば制限はないが、好ましくは約50cm以下であり、より好ましくは約40cm以下であり、更に好ましくは約25cm未満であり、更に好ましくは20cm未満である。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の容積は、好ましくは0.015cm〜500cmであり、好ましくは0.04cm〜500cmであり、より好ましくは0.04cm〜30cmであり、更に好ましくは0.1cm〜30cmであり、更に好ましくは1cm〜30cmであり、更に好ましくは1.25cm〜20cmであり、更に好ましくは1.25cm〜10cmであり、更に好ましくは3cm〜10cmである。
【0035】
前記区分け部の幅は区分発熱部を間隔を置いて設けることができる区分けができれば制限はないが、通常0.1mm〜50mmであり、好ましくは0.3mm〜50mmであり、より好ましくは0.3mm〜50mmであり、更に好ましくは0.3mm〜40mmであり、更に好ましくは0.5mm〜30mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、更に好ましくは3mm〜10mmである。
【0036】
被覆材は、波形形状を有する被覆材で、発熱組成組成形体と積層前の凸部を有する被覆材との間で、それらの高さと幅において、
波形状の被覆材の凸部の高さと発熱組成物成形体の高さの関係は、
(波形状の被覆材の凸部の高さ)/(発熱組成物成形体の高さ)=
好ましくは0.01〜1.5であり、より好ましくは0.01〜1.0であり、更に好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.01〜0.3であり、波形状の被覆材の凸部の幅と発熱組成物成形体の幅の関係は、
(発熱組成物成形体の幅)/(波形状の被覆材の凸部の幅)=
好ましくは0.6〜0.99であり、より好ましくは0.7〜0.99であり、更に好ましくは0.8〜0.99であり、更に好ましくは0.9〜0.99である被覆材である。
基材は
1)実質的に平面の基材
2)発熱組成物成形体の底面形状より大きく、ほぼ相似形の形状で、発熱組成物成形体の高さ未満の高さを有する凹部を有する基材
3)発熱組成物成形体の底面形状より大きく、ほぼ相似形の形状で、発熱組成物成形体の高さ以上の高さを有する凹部を有する基材から選択された1種である。
ここで、前記発熱組成物成形体の高さ未満の凹部有する基材又は凸部を有するの被覆材の場合、好ましくは、以下の関係を持つ。
基材の凹部の高さと発熱組成物成形体の高さの関係は、
(基材の凹部)/(発熱組成物成形体の高さ)=
好ましくは0.01〜0.99であり、より好ましくは0.01〜0.99であり、更に好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.01〜0.3であり、
波形状の被覆材の凸部の高さと発熱組成物成形体の高さの関係は、
(波形状の被覆材の凸部の高さ)/(発熱組成物成形体の高さ)=
好ましくは0.01〜1.5であり、より好ましくは0.01〜1.0であり、
更に好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.01〜0.3であり、
基材の凹部又は被覆材の凸部の幅と発熱組成物成形体の幅の関係は、
(発熱組成物成形体の幅)/(基材の凹部又は波形状の被覆材の凸部の幅)=
好ましくは0.6〜0.99であり、より好ましくは0,7〜0.99であり、
更に好ましくは0.8〜0.99であり、更に好ましくは0.9〜0.99である。
本発明において、実質的に平面状とは、発熱組成物成形体を収納する又は覆うために予め設けられた収納用のポケット、収納区画、収納区域、覆いポケット、覆い区画、覆い区域、波形状覆い等の収納用凹部や凸部を有しない平らな面をいう。従って、意図的に発熱組成物成形体を収納しない又は覆うためでない凹凸は存在してもよい。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸や覆い用でない凹凸は収納区域ではないので、そのような凹凸が基材又は被覆材にあっても、実質的な平面状の基材または実質的な平面状の被覆材とする。
【0037】
本発明の発熱組成物成形体及び発熱体の製造方法に使用される発熱組成物としては発熱組成物成形体が形成でき、基材と被覆材とにより発熱組成物成形体の周縁部がシールできれば制限はない。一例として前記発熱組成物が挙げられるが、更に詳しく説明すると、本発明では、
(1)発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリアとして機能せず、空気と接触して発熱する発熱組成物(易動水値0.01〜20)と
(2)発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリアとして機能し、一定量の水分を除いた後の発熱組成物が空気と接触して発熱する発熱組成物(易動水値20を越えて〜50)との2種類の発熱組成物が使用できる。
特に、プリーツ型発熱体が製造可能な成形性を有し、発熱組成物の製造直後、風のない20℃の環境下の空気中に放置後、5分以内に1℃以上発熱する成形性含水発熱組成物としては、その易動水値は、好ましくは0.01以上〜14未満であり、より好ましくは0.01〜13.5であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは0.01〜12であり、更に好ましくは1〜12であり、更に好ましくは3〜12であり、更に好ましくは5〜11である。
【0038】
はじめに、波形シートの製造方法及び製造装置について説明する。
まず、本発明の波形シート製造装置を詳細に説明する。
【0039】
本発明に波形シートの製造装置は、次のようにして構成される。
図2に示されるように、断面形状が略三角形状の柱体から構成される基台2には、複数の溝部3がシートの挿入方向に沿って隣接して設けられ、各溝部3を横断するようにして回転軸8がシートの挿入方向に並んで設けられている。
そして、最上流側(シートの挿入側)の第1凸部ロール軸8には、1個の凸部ロール7(押し込み部材)が、中央に設けられ、第2凸部ロール軸8には、その両側に凸部ロール7を加え、第3凸部ロール軸8には、更にその両側に凸部ロール7を加え、第4凸部ロール軸には、これらの両側に凸部ロールを加え、中央部及びその両側又その両側またその両側となるように配置される。図示されるものでは、1、3、5、7個というように、シートの挿入側から、凸部ロール7を漸次増加するように構成される。
【0040】
受け側ロール21は、図4に示すように、円筒状のロールの周方向に延設された、複数の凹部(他の溝部)22を、その軸方向に隣接して設けることにより構成される。尚、凹部22は、前記基台2に設けられた溝部3と対向するように配置される。
この受け側ロール21の回転軸9を、基台2に設けられた各軸8と平行に配置し、凹部22に挿入される周方向に延設された複数の凸部ロール7を受け側ロール21の外周面に沿って備えた凹部22に嵌入してが波形シートの製造装置1となる。
この製造装置1の凹部22と凸部ロール7との隙間に、シート部材29を介挿して、波形シートを連続形成する。
【0041】
尚、シート部材の搬送は別ロール駆動で行ってもよい。
尚、各凸部ロール軸8に設けられる凸部ロール7の数は、図示したものに制限するものではなく、波形シートに形成すべき凹凸の数に応じて適宜増減することができる。
本発明における押し込み部材は、駆動方式でも、自在回転式でも回転方式に制限はない。形状も曲面状のものや平面状のものが一例として挙げられる。
【0042】
これにより、例えば、図6に示すように、多孔質フィルムと不織布の積層体や不織布からなるシート部材を波形に曲折して波形シート40が得られる。この波形シート40を、被覆材として使用すれば、図15に示されるストライプ状の区分発熱部を有する発熱体を得ることができる。尚、図6の波形シートに関しては、例えば、不織布からなる平坦な基材シート41が接着されており、これによって複数の凸部が並んで立設する波形形状が強固に保持されている。
【0043】
受け側ロール21は、例えば直径が100〜1000mm程度の大きさの回転ドラム体であって、図4に示すように、その外周面に凹部22が軸9方向に等間隔で配置される。
【0044】
凸部ロール7は、受け側ロール21よりも小さな、例えば、直径が2〜100mm程度である。
【0045】
回転軸8間において、隣接する凸部ロール7と凸部ロール7の距離は制限はないが、好ましくは2.5〜200mmであり、より好ましくは2.5〜100mmであり、更に好ましくは2.5〜50mmであり、更に好ましくは2.5〜30mmであり、更に好ましくは2.5〜30mmであり、更に好ましくは5〜30mmである。
【0046】
ここで、受側ロール21の凹部22の幅は制限はないが、好ましくは1〜200mmであり、より好ましくは1〜150mmであり、更に好ましくは1〜100mmであり、更に好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜20mmであり、更に好ましくは3〜15mmである。
凹部22の深さは制限ないが、好ましくは0.5〜50mmであり、より好ましくは1〜30mmであり、更に好ましくは1〜20mmであり、更に好ましくは5〜20mmであり、更に好ましくは5〜10mmである。
【0047】
また、凸部7の幅は制限はないが、好ましくは1〜200mmであり、より好ましくは1〜150mmであり、更に好ましくは1〜100mmであり、更に好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜20mmであり、更に好ましくは3〜15mmである。
凸部7の高さは制限ないが、好ましくは0.5〜80mmであり、より好ましくは1〜60mmであり、更に好ましくは1〜50mmであり、更に好ましくは5〜50mmであり、更に好ましくは5〜40mmである。
【0048】
受け側ロール21の外周面と押し込み部材7の距離は、シート部材29が通過できれば制限はないが、好ましくは0.5〜30mmであり、より好ましくは1〜20mmであり、更に好ましくは1〜10mmであり、更に好ましくは1〜5mmであり、更に好ましくは3〜5mmである。
【0049】
また、MD方向における凸状ロール7の外周と隣接凸状ロール7の外周との隙間は、シート部材29に実質上使用不能な皺が生じなければ制限はないが、好ましくは300mm以下であり、より好ましくは0.01〜300mmであり、更に好ましくは0.01〜200mmであり、更に好ましくは0.01〜100mであり、更に好ましくは0.01〜50mmであり、更に好ましくは0.01〜30mであり、更に好ましくは0.01〜20mであり、更に好ましくは0.01〜10mmであり、更に好ましくは0.01〜5mmである。
【0050】
図3(a)〜(c)は、図2の回転軸8に複数の凸状ロール7が固定された例を示す。尚、同図(b)は、駆動源12を軸8の端部に設けたものである。
図3や図4に示すように、凸状ロール7及び受け側ロールの凹部22の角部(エッジ部)をアールr状(略円弧状)に設けることが好ましい。即ち、エッジ部を略円弧状(アールr状)に形成することにより、シート部材の切れや通気性シート部材の通気性を変化させることなく、波形シート部材が製造できる。
このアールr状(略円弧状)は、波形シート部材が実用上支障が生じる変化を起こさなければ制限はないが、曲率半径が、好ましくは0.1〜20.0mmであり、より好ましくは0.1〜10.0mmであり、更に好ましくは0.1〜5.0mmであり、更に好ましくは0.3〜5.0mmであり、更に好ましくは0.3〜3.0mmであり、更に好ましくは0.5〜2.0mmである。
【0051】
また、凹部22及び凸状ロール7等のシート部材29と接触する部分で、ロールや装置の少なくとも一方の該部分が低摩擦性であることが好ましい。例えば、摺動性の高い合成樹脂や平滑性に優れた金属から構成されるロールや装置が一例として挙げられる。
【0052】
また、凹部22と凸状ロール7は補形を成し、凹部22間の仕切り部と凸状ロール7間の仕切部が補形を成すことが好ましい。更に凸状ロール7間の仕切部及びTD方向の端部において皺防止面を設け、凹部22間の仕切り部やTD方向の端部においてシート部材29の変形を防止することにより実用上使用不可能な皺を発生させず、正確な波形シートが製造できる。
【0053】
また、図2に示されるように、本発明では、押し込み部材を回転ロール(凸状ロール7)により構成し、シート部材の挿入側の中央側には、凸状ロールを最も多く隣接して配置し、両側に向かって、凸状ロール7の数を少なくしている。
【0054】
また、図示しないが、波形シート製造装置1の下流側には、基材シートを接合する接合手段として、ヒートシールロールを備える。
【0055】
このように、本実施の形態の波形シート製造装置1によれば、シート部材を安定した状態で搬送してシート部材の通気性の変化や伸張や破断を防止しつつ、シート部材を波形に容易に曲折して波形シートを形成することができる。
【0056】
図5(a)〜(e)により、波形シートの製造方法を段階的に説明する。
図5(a)は、受け側ロール21と押し込みロール7の関係を示している。
図5(b)では、シート部材29が第1凸部ロール軸8の配設位置まで搬送されると、その中央部分が、第1凸部ロール軸8の凸部ロール7によって中央の凹部22に押し込まれ、凹部22と凸部ロール7との隙間に挟み込まれることにより、波形に曲折されて中央の波形部が形成される。中央に波形部が形成されたシート部材29は、受け側ロール21及び第1凸部ロール軸の回転により、通過時の摩擦をほとんど生じることなく下流の第2凸部ロール軸8配設位置に向かって送り出される。
【0057】
図5(c)では、シート部材29が第2凸部ロール軸8の配設位置まで搬送されると、第2凸部ロール軸8の3個の凸部ロール7によって、中央の凹部22及びその両側の凹部22にシート部材29が押し込まれ、これらの隙間に挟み込まれることにより、両側の波形部が形成されると共にシート部材29は、受け側ロール21及び第1凸部ロール軸8または凸部ロール7の回転により、通過時の摩擦をほとんど生じることなく下流の第3凸部ロール軸の配設位置に向かって送り出される。
図5(d)では、第3凸部ロール軸8の配設位置では、第3凸部ロール軸8の凸部ロール7によって、更に両側の波形部が形成されると共に、図5(e)に示すように、第4凸部ロール軸8の配設位置では、第4凸部ロール軸8の7個の凸部ロール7によって、更にその外側の波形部が形成されることにより、波形シート40が得られる。
更に、得られた波形シート40には、ヒートシールロールにより基材シート41を接合し、図6に示す基材シート41に支持された波形シート40を製造してもよい。
【0058】
このように、本実施の形態によれば、波形に曲折したシート部材を送り出す際の摩擦カがほとんどかからず、従って、安定した状態でシート部材を搬送しながら波形シートを形成してゆくことができる。また、本実施の形態によれば、複数の凸部ロール軸8を用いて、中央から外側に向かって凹凸の波形部を順次一箇所ずつ形成して行くので、隣接する複数の凹凸を同時に形成する時の如く、シート部材の横断方向に遊びしろがないことによりシート部材に無理な張カを負荷させるようなことがなく、従ってシート部材の通気性変化や伸張や破断を効果的に回避することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、各凸部ロール軸8間の距離を短くしているので、波形に曲折されたシート部材が凸部ロール軸8の凸部ロール7を離れてこれらの間を通過して行く際に、シート部材29を受け側ロール側21に保持できるが、
例えば、受け側ロール21の凹部22の底面に多数の吸引孔を形成すると共に、受け側ロール21の内部にエアー吸引手段を設けることにより、波形に曲折されたシート部材29が凸部ロール軸8を離れてこれらの間を通過して行く際に、シート部材29を受け側ロール側21に吸引されて、曲折された波形形状を更に強固に保持することができる。また、各凸部ロール軸8を、その外周面の回転速度が受け側ロール21の外周部の回転速度を同じになるように駆動制御すれば、より安定した状態でシート部材29を搬送することが可能になる。
【0060】
更に、本実施の形態の波形シートの製造装置1は、設置面積の少ないコンパクトな装置とすることができる。
【0061】
図17(a)、(b)は、本発明の他の実施の形態に係る波形シートの製造装置1を示すものであり、平板状の基台2と受け側部材21を用いたものである。
図18(a)、(b)は、図17の分解図である。
【0062】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、受け側ロールや押し込み部材の数は適宜設計することができ、外枠だけの押し込み部材の周囲に隣接して複数の受げ側ロールを設けることもできる。
また、受け側ロールや受け側凸部ロール軸や凸部ロール軸に形成する凹部や凸部ロールの数もまた任意に設計することができる。更に、本発明の波形シート製造装置は、発熱体の被覆材又は基材を波形に形成する場合に限定されることなく、吸収性物品のカバーシートを波形に形成する場合や、その他のシート部材を波形に形成する際にも使用することができる。更にまた、波形シートと基材シートとの接合は、ヒートシールの他、接着剤による接合や超音波接合等の他の接合手段を選択することもできる。本発明により製造された波形シートは、表面カバーシート、裏面カバーシートや、吸収体を構成する吸収シート等、吸収性物品の部材として有用であり、また清掃用シートとしても適用される。
【0063】
また、本実施の形態によれば、受け側部材は回転体及び押し込み部材が小さな回転ロールの整列群枠に組み込んだ押し込み部材であるので、設置面積が小さくコンパクトなものとなる。
【0064】
前記波形シート製造装置を使用したプリーツ型発熱体の製造方法及び製造装置について説明する。
図14には、本発明のプリーツ型発熱組成物成形体包装体製造装置(以下、単に発熱体製造装置という)が示されている。
本製造装置は、発熱組成物成形体製造装置44、波形シート状被覆材製造装置56、ヒートシール装置であるヒートシールロール26、カットロール51を備える。
【0065】
発熱組成物成形体の製造装置44により基材30上にストライプ状に発熱組成物成形体を配置し、波形シートの製造装置1により、被覆材29を波形に曲折して波形シート状被覆材とするとともに、波形シート状被覆材の各凸部内に発熱組成物成形体を収容するようにし、その周辺部をシールする。
該波形シートの製造装置1は、周方向に延設された、複数の凹部22を、外周部に沿って備え、凹部22は凸壁に寄って相互に離間された受け側ロール21と押し込み部材7を備え、該押し込み部材7は、受け側ロール21の回転最高点と回転方向の回転最低点との間に波形シート状被覆材29ができる間隔を有して受け側ロール21の外周に沿って設けられており、回転最低点付近において、基材30と波形シート状被覆29とが接触できる間隔を持って、無端状ベルト48に支持された基材30が受け側ロール21の外周と接するように設けられている。
受け側ロール21の凹部22に貫入される周方向に延設され、受け側ロール21と回転軸を平行にして設けられた回転可能の複数の凸状ロール7を基台2に取りつけた構造を有し、且つ、凸状ロール7の凸部は、受け側ロール21の外周の40%以下の外周面で凹溝に貫入している。
【0066】
図8は波形シート押さえ具42の側面図である。
図9は波形シート押さえ具42の回転自在の押さえローラー7が発熱組成物成形体33を積層した基材30を覆う波形シート状被覆材29を深く押さえ搬送している関係を説明する説明断面図である。
図10は波形シート押さえ具42の回転自在の押さえローラー7が発熱組成物成形体33を積層した基材30を覆う波形シート状被覆材29を浅く押さえ搬送している関係を説明する説明断面図である。
図11(a)〜(d)は波形の深さを変えた波形シート状被覆材の例である。
図12(a)〜(d)は浅い波形の波形シート状被覆材29が発熱組成物成形体33を積層した基材30を覆い、発熱組成物成形体33の周縁部をヒートシールするまでを模式的に示した説明断面図である
図12(a)〜(d)は波形シート状被覆材29の深さを浅くし、TD方向の端部を除き、発熱組成物の高さの途中まで、波形シート状被覆材29が覆う例である。
所望の形状を有する型を使用した型成形等により成形され、基材30上に積層された発熱組成物成形体33の高さが高い場合には、波形シート状被覆材29のの深さを深くすると、発熱体にするために被覆材29と基材30をシールした時に、発熱体のMD方向の端部に皺が発生する場合がある。。これを防止するために、浅い波形シート状被覆材29(図12(a))に使用し、発熱組成物成形体33が積層された基材30(図12(b))に被せた後(図12(c))、ヒートシールにより、熱可塑性樹脂で形成された被覆材29及び/又は基材30を伸ばし、シールすることにより、実害のある皺が発生することなく発熱体とすることができる。
図13は、プリーツ型に発熱組成物成形体33が設けられ、発熱組成物成形体の周縁部のプリーツ部に相当する部分をヒートシールした斜視断面図である。
【0067】
次に、プリーツ型発熱体の製造方法について説明する。
図14に示すように、発熱体製造装置43は、発熱組成物成形体製造装置44を用いて、発熱組成物32を成形し、その成形体であるを発熱組成物成形体33をストライプ状に間隔を置いて基材上に積層し、波形シート状被覆材被覆工程へ搬送される。
一方、多孔質フィルムと不織布の積層体である被覆材29は被覆材供給装置(図示せず)を介して波形シートの製造装置1に供給され、所定の回転速度で駆動制御されている受け側ロール21に巻回され、これの外周部に沿って送り出し方向Tに搬送移動される。被覆材29が第1凸部ロール軸の配設位置まで搬送されると、図5(b)に示すように、その中央部分が、第1凸部ロール軸の凸部ロール7によって中央の凹部に押し込まれ、凹部22と凸部ロール7との隙間に挟み込まれることにより、波形に曲折されて中央の波形部が形成される。中央に波形部が形成された被覆材は、受け側ロール21及び第1凸部ロール軸の回転により、通過時の摩擦をほとんど生じることなく下流の第2凸部ロール軸配設位置に向かって送り出される。
被覆材29が第2凸部ロール軸の配設位置まで搬送されると、図5(c)に示すように、第2凸部ロール軸の3個の凸部ロール7によって、中央の凹部及びその両側の凹部に被覆材29が押し込まれ、これらの隙間に挟み込まれることにより、両側の波形部が形成されると共に被覆材は、受け側ロール21及び第1凸部ロール軸または凸部ロール7の回転により、通過時の摩擦をほとんど生じることなく下流の第3凸部ロール軸の配設位置に向かって送り出される。第3凸部ロール軸の配設位置では、図5(d)に示すように、第3凸部ロール軸の5個の凸部ロール7によって、更に両側の波形部が形成されると共に、第4凸部ロール軸の配設位置では、図5(e)に示すように、第4凸部ロール軸の7個の凸部ロール7によって、更にその外側の波形部が形成されることにより、波形シート状被覆材29が得られ、得られた波形シート状被覆材29は、波形シート状被覆材被覆工程へ搬送され、発熱組成物成形体が積層された基材30を被覆し、発熱組成物成形体33の周縁部及びプリーツ型発熱体33の周辺部をヒートシールロールによりヒートシールし、カットロールでカットされ、所望のシール部を有するプリーツ型発熱体33が得られる。
【0068】
次に、本発明のプリーツ型発熱体を説明する。
図15(a)は本発明の一実施の形態であるプリーツ型発熱体34の平面図であり、発熱組成物成形体33を有しない、シール部である区分け部57を間隔として、5個の区分発熱部52が間隔をおいて設けられている。図15(b)は同Z−Zの断面図である。
図15(c)は、同図(a)の基材30側に、粘着材層53を介してセパレータ55を設けたものである。
図15(d)は、同図(a)の通気性面側(被覆材29側)にメルトブロー方式により網状に設けた通気性粘着剤層54を介してセパレータを設けたものである。
【0069】
図16(a)は、図15(a)の通気性面側(被覆材29側)に通気調整材36を設けたものである。詳細には、区分け部57と区分発熱部52とを備え、区分発熱部52の上面に通気粘着材層54を介して通気調整材36を設け、通気調整材36の下方に通気路としての空間37を設けたものである。図16(b)は同Y−Yの断面図である。
【0070】
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。
易動水値の測定は次のようにする。
常温常圧で、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNo.2(JIS P3801 2種)の濾紙を、ステンレス板上に置き、前記濾紙の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴を待つ長さ150mm×幅100mmの型板を置き、その中空円筒状の穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら中空円筒状の穴へ入れ、型板の上面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。次に、前記穴を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルムを置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。
その後、濾紙を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部から浸みだし先端までの距離として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離を読み取り、含計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。
一方、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。
水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5回測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。尚、上記測定では、前記申心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P3801 2種)の濾紙31の各線に目盛りを付けてもよい。
【0071】
発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合等によって水和し、また、疎水基の周辺においても高い構造性を有して存在すると推定される。これにより砂ダンゴ状態になり、発熱組成物の成形性が生ずると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。
【0072】
ここで、発熱組成物成形体は成形方式により形成されるが、該成形方式とは、抜き型を使った型通し成形法や鋳込み型を使った鋳込み成形法により、所望の形状に成形性発熱組成物を成形し、収納用ポケットを有しない、実質的に平面状の基材等に、その成形体を積層し、更に別の基材を被せ、シールして発熱体を製造する方法である。
型通し成形法とは、抜き型を便用し、長尺の基材の上に型の抜き形状の発熱組成物成形体を積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等〉できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周辺部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法である。成形機としては抜き型をスラットにしたスラットコンベア式や中空ドラムにした中空ドラム式が一例として挙げられる。
また鋳込み成形法とは、凹部を有する鋳込み型への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成型法である。連続式の場合は、ドラム状回転体による門部への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の縁部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連統形成方法等である。
また、上記方法及びその他方法を便った本発明の発熱組成物使用の発熱体製造には、磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の袋体や型内への収容や、その成形体の形からの離脱が容易にでき、発熱紺成物成形体の成形や発熱体の製造がより容易になる。
特に、成形性のある発熱組成物と基材と被覆材から、成形方式により直接製造する一体型発熱体の製造が好ましい。
【0073】
本発明のプリーツシートの用途としては、鉄粉等を発熱源とした発熱組成物を利用した柔軟性に富んだプリーツ型発熱体の外に、例えば、生理用ナプキン、おむつ、失禁用パッド等の吸収性物品が挙げられ、該吸収性物品は、一般に表面カバーシートと裏面カバーシートとこれらの間に含まれる吸収体とからなる。これらのシート又は吸収体を構成するシート材は、波形に曲折させて波形シートとすることにより、空間を保持して液体の吸収や浸透および保持性を高め、液体分布を改善すると共に、漏れ特性を改善し、また着用の快適さや外観を向上させることが可能になる。
【実施例】
【0074】
以下、実施例等に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0075】
(実施例1)
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)7.0重量部、木粉(粒度300μm以下)5.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値10の発熱組成物を使用した。
幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で5個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を、セパレータ付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を設けたポリエチレンフィルム製の基材上に5個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設けた。
次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムに、目付量40g/mのナイロン製不織布を積層した通気性被覆材を、波形の被覆材に発熱組成物成形体を包み覆い、区分け部の相当領域の被覆材と基材をヒートシールした。
なお、各発熱組成物成形体の周縁部のシール部である区分け部は3mmのシール幅でヒートシールし、発熱体の外周辺部なる部位を8mmのシール幅でヒートシールした。
そして、長さ98mm×幅91mmのプリーツ型発熱体を得た。
尚、通気性被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、剛軟度は発熱部の長辺方向(ストライプ方向と直交する方向)で、20mmであり、短辺方向(ストライプ方向)で、80mm以上であった。剛軟度はほぼ直角方向になる2方向における剛軟度比は4以上であった。このように、一方向は剛軟度が非常に高く、それにほぼ直角な方向の剛軟度が非常に低い場合は取り扱い性、使用感が非常に優れる。また、この発熱体は、巻くことができるので、コンパクトになり、収納にも便利である。尚、セパレータ付きの発熱体の場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
前記発熱体を非通気性収納袋(外袋)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の波形シート製造装置の一例を示す概略側面図である。
【図2】本発明の枠組み押し込みロールの一例を示す概略斜視図である。
【図3】(a)〜(c)本発明の押し込みロールの他の一例を示す概略正面図である。
【図4】本発明の受け側ロールの他の一例を示す概略断面図である。
【図5】(a)〜(e)図1における押し込みロールと受け側ロールとシート部材とから波形シートが段階的に製造される一例を示す概略説明断面図である。
【図6】製造される波形シートの一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の波形シート製造装置と製造された波形シートの波形維持装置の一例を示す概略側面図である。
【図8】図7の波形シートの波形維持装置を示す概略側面図である。
【図9】本発明の波形維持装置における波形シートと発熱組成物成形体と基材との関係の一例を示す概略説明断面図である。
【図10】本発明の波形維持装置における波形シートと発熱組成物成形体と基材との関係の他の一例を示す概略説明断面図である。
【図11】(a)〜(d)製造される波形シートの他一例を示す断面図である。
【図12】(a)〜(d)本発明の波形シートと発熱組成物成形体と基材とから発熱組成物成形体包装体(プリーツ状発熱体)を製造する過程の段階的説明の一例を示す概略説明断面図である。
【図13】本発明の波形シートが発熱組成物成形体が積層された基材に被された状態の一例を示す概略斜視図である。
【図14】本発明の波形シート製造装置を用いた発熱組成物成形体包装体(プリーツ状発熱体)の製造装置の一例を示す概略側面図である。
【図15】(a)本発明の発熱組成物成形体包装体(プリーツ状発熱体)の一例を示す概略平面図である。(b)は同Z−Zの断面図である。(c)及び(d)は、他の発熱体の例を示す断面図。
【図16】(a)本発明の発熱組成物成形体包装体(プリーツ状発熱体)の他の一例を示す概略平面図である。(b)は同Y−Yの断面図である。
【図17】(a)本発明の波形シート製造装置の他の一例を示す概略斜視図である。(b)は同X−Xの断面図である。
【図18】(a)(b)は図17の枠組み押し込みロールと枠組み受け側ロールとの関係を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0077】
1波形シートの製造装置
2基台
3溝部
7凸部ロール(押し込み部材)
8回転軸
9回転軸
10回転部
12駆動源
21受け側ロール(受け側部材)
22凹部(他の溝部)
25シールロール
26ヒートシールロール
27密着部
28非着部
29被覆材(シート部材)
30基材
33発熱組成物成形体
34発熱組成物成形体包装体(プリーツ型発熱体)
35シール部
36通気調整材
37空間
42波形形状維持装置
43発熱組成物成形体包装体製造装置(発熱体製造装置)
44発熱組成物成形体製造装置
45発熱組成物供給装置
47ロール
48無端状ベルト
49弛み防止具
50支持板
51カットロール
52区分発熱部
53粘着剤層
54通気性粘着層
55セパレータ
57区分け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部材を凹凸状の部材を使用して波形に形成する方法であって、前記シート部材の中央側から外側に向かって漸次波付けを行うことを特徴とする波形シートの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の前記波形シートを被覆材として使用し、基材上に発熱組成物成形体をスライプ状に配置し、前記発熱組成物成形体を前記被覆材により被覆し、前記発熱組成物成形体の周縁部をシールすることを特徴とする発熱体の製造方法。
【請求項3】
シート部材を挿入して波形に曲折してなる波形シートを製造する装置であって、隣接して複数の溝部が設けられた基台と、前記溝部の延出方向に回転できるように支持された押し込み部材と、前記溝部に対向する他の溝部を備え、前記他の溝部内において、前記押し込み部材は回転可能な状態で収容されるように構成された受け側部材とを備え、隣接する前記押し込み部材のうち中央側の前記押し込み部材を、外側の前記押し込み部材よりも前記シート部材の挿入側に配置するとともに、前記各押し込み部材を中央側から外側に向かって漸次排出側に向かってずらして配置されることを特徴とする波形シートの製造装置。
【請求項4】
前記押し込み部材を、回転ロールにより構成し、前記回転ロールを前記溝部内において、前記溝部の延出方向に隣接して配置し、中央側の前記溝部内から外側の前記溝部内の回転ロールの数を、前記外側に向かって漸次少なくしたことを特徴とする請求項3に記載の波形シートの製造装置。
【請求項5】
前記波形シートの底面に基材シートを接合する接合手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の波形シートの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−83101(P2009−83101A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6813(P2006−6813)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(503289805)マイコール・プロダクツ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】