波長多重受信モジュール
【課題】低コストで組み立て容易な波長多重受信モジュールを提供する。
【解決手段】複数波長の光を含む光信号を出射する光ファイバ14と、該光信号が入射するように配置されたプリズム18と、該プリズム18の第1面に固着された全反射ミラー18aと、該プリズムの該第1面に対向する第2面に固着された帯域通過フィルタ18bと、該帯域通過フィルタ18bを通過した光を受光する受光素子26と、を備える。そして、該第1面は該第2面に対して角度がつけられており、該帯域通過フィルタ18bは、光の入射角度によって通過できる光の波長が異なり、通過できない光は反射する。
【解決手段】複数波長の光を含む光信号を出射する光ファイバ14と、該光信号が入射するように配置されたプリズム18と、該プリズム18の第1面に固着された全反射ミラー18aと、該プリズムの該第1面に対向する第2面に固着された帯域通過フィルタ18bと、該帯域通過フィルタ18bを通過した光を受光する受光素子26と、を備える。そして、該第1面は該第2面に対して角度がつけられており、該帯域通過フィルタ18bは、光の入射角度によって通過できる光の波長が異なり、通過できない光は反射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数波長の光を含む光信号を受信する波長多重受信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数波長の光を含む光信号(多重化光信号という)を波長ごとに分波し、受光素子で受光する波長多重受信モジュールが開示されている。この波長多重受信モジュールは、多重化光信号を分波するために複数のフィルタを備えている。ここで、フィルタは特定の1つの波長の光を通過させるものである。そのため、多重化光信号に含まれる波長の数と同数のフィルタが必要となる。
【0003】
フィルタの後段には、分波された光を集光ビームとするために集光レンズを備えている。集光レンズは分波された光ごとに設けられる。そのため、少なくとも分波された光の数と同数の集光レンズが必要となる。集光レンズの後段には、集光レンズを通過した光を受光する受光素子を備えている。上述の構成を有する波長多重受信モジュールの組み立ての際には、波長多重受信モジュール内の光損失を低減するために、集光レンズ及び受光素子の光軸が調整される。この調整は調芯と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−85860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の波長多重受信モジュールでは、多重化光信号に含まれる波長毎にフィルタと集光レンズが用意されるため、当該波長の数が多くなるとそれに応じてフィルタの枚数と集光レンズの数を増加させる必要がある。そのため、波長多重受信モジュールが高コスト化する。
【0006】
特許文献1に開示の波長多重受信モジュールのように複数の集光レンズがある場合は、集光レンズごとに調芯を行わなければならず組み立て作業が複雑化する。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、低コストで組み立て容易な波長多重受信モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る波長多重受信モジュールは、複数波長の光を含む光信号を出射する光ファイバと、該光信号が入射するように配置されたプリズムと、該プリズムの第1面に固着された全反射ミラーと、該プリズムの該第1面に対向する第2面に固着された帯域通過フィルタと、該帯域通過フィルタを通過した光を受光する受光素子と、を備える。そして、該第1面は該第2面に対して角度がつけられており、該帯域通過フィルタは、光の入射角度によって通過できる光の波長が異なり、通過できない光は反射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低コストで組み立て容易な波長多重受信モジュールを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールの断面図である。
【図2】プリズム、全反射ミラー、及び帯域通過フィルタの拡大図である。
【図3】受光素子アレイの受光面を示す図である。
【図4】波長多重受信モジュール内部での光の経路を示す断面図である。
【図5】プリズム内部の光の経路を示す図である。
【図6】分波された光の受光位置について説明する模式図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る受光素子アレイの変形例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る全反射ミラーの変形例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る受光素子アレイの受光面を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る波長多重受信モジュールの受光素子アレイを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る波長多重受信モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールの断面図である。波長多重受信モジュール10はホルダ12を備えている。ホルダ12は波長多重受信モジュール10の各部品を固定するものである。ホルダ12には光ファイバ14が固定されている。光ファイバ14は、ホルダ12内部へ多重化光信号を出射するものである。光ファイバ14の後段にはコリメートレンズ16が固定されている。コリメートレンズ16は多重化光信号を平行化するものである。
【0012】
コリメートレンズ16の後段にはプリズム18が固定されている。プリズム18は第1面18aと、第1面18aに対向する第2面18bを備えている。第1面18aには全反射ミラー20が固着されている。全反射ミラー20はすべての波長の光を反射するミラーである。全反射ミラー20には開口20aが設けられている。開口20aは、コリメートレンズ16からの多重化光信号がプリズム18に入射するように設けられている。
【0013】
第2面18bには帯域通過フィルタ22が固着されている。帯域通過フィルタ22は、入射角度によって通過可能な光の波長が異なるフィルタである。つまり、帯域通過フィルタ22は、多重化光信号がある角度で入射したときには特定の波長の光のみを通過させ、多重化光信号が別の角度で入射したときには別の波長の光のみを通過させる。これを帯域通過フィルタ22の入射角度依存性という。なお、プリズム18、全反射ミラー20、及び帯域通過フィルタ22をまとめて3層フィルタと称することがある。
【0014】
3層フィルタの後段には集光レンズ24が固定されている。集光レンズ24は1枚のレンズである。集光レンズ24は、帯域通過フィルタ22を通過した平行ビームを集光ビームとするものである。
【0015】
集光レンズ24の後段には受光素子アレイ26が固定されている。受光素子アレイ26は、基板26sにモノリシックに受光素子26a、26b、26c及び26dが固定されたものである。
【0016】
図2は3層フィルタの拡大図である。プリズム18はくさび形となるように形成されている。すなわち、第1面18aは第2面18bに対して角度がつけられている。別の言い方をすれば、プリズム18上端の幅W1はその下端の幅W2よりも大きくなっている。
【0017】
図3は受光素子アレイ26の受光面を示す図である。受光素子の受光部の面積は、受光素子26dが最大であり、受光素子26c、26bの順に小さくなり、受光素子26aが最小となっている。また、受光素子26a、26b、26c及び26dの受光部は、帯域通過フィルタ22を通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、基板26s上に一列に配置されている。
【0018】
図4は波長多重受信モジュール10内部での光の経路を示す断面図である。以後、光の経路について説明する。まず、光ファイバ14から4波長(λ1、λ2、λ3、及びλ4)の光を含む多重化光信号が出射する。そして、多重化光信号はコリメートレンズ16を通って平行化される。平行化された光信号は全反射ミラー20の開口20aを通って、プリズム18に入射する。プリズム18内部の光については図5を参照して説明する。
【0019】
図5はプリズム18内部の光の経路を示す図である。多重化光信号が帯域通過フィルタ22に入射(1回目の入射という)すると、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、波長λ1の光のみが帯域通過フィルタ22を通過し、他の波長の光は反射される。このときの反射角をθ1とする。
【0020】
θ1の反射角で反射された光は、全反射ミラー20によりθ2の角度で全反射(1回目の全反射という)される。1回目の全反射により反射された光は再び帯域通過フィルタ22に入射する(2回目の入射という)。2回目の入射直前の光は、帯域通過フィルタ22と角度がつけられた全反射ミラー20によって全反射されている。そのため、2回目の入射時の入射角は1回目の入射時の入射角と異なる。そして、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、2回目の入射時には波長λ2の光のみが帯域通過フィルタ22を通過し、他の波長の光は反射される。このときの反射角をθ3とする。
【0021】
θ3の反射角で反射された光は、全反射ミラー20によりθ4の角度で全反射(2回目の全反射という)される。2回目の全反射により反射された光は再び帯域通過フィルタ22に入射する(3回目の入射という)。3回目の入射直前の光は、帯域通過フィルタ22と角度がつけられた全反射ミラー20によって2回全反射されている。そのため、3回目の入射時の入射角は1回目及び2回目の入射時の入射角と異なる。そして、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、3回目の入射時には波長λ3の光のみが帯域通過フィルタ22を通過し、他の波長の光は反射される。このときの反射角をθ5とする。
【0022】
θ5の反射角で反射された光は、全反射ミラー20によりθ6の角度で反射(3回目の全反射という)される。3回目の全反射により反射された光は再び帯域通過フィルタ22に入射する(4回目の入射という)。4回目の入射直前の光は、帯域通過フィルタ22と角度がつけられた全反射ミラー20によって3回全反射されている。そのため、4回目の入射時の入射角は1回目、2回目、及び3回目の入射時の入射角と異なる。そして、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、4回目の入射時には波長λ4の光が帯域通過フィルタ22を通過する。
【0023】
このようにして、4波長(λ1、λ2、λ3、及びλ4)の光を含む多重化光信号は、波長ごとに分波される。分波された光は図5においてλ1、λ2、λ3、λ4と表されており、それぞれの出射角はθ1´、θ3´、θ5´、θ7´である。このように、光はプリズム18内部で反射を繰り返して、プリズム18の幅が太い側から幅が細い側に進行するため、各反射角はθ1>θ3>θ5>θ7となっている。また、前述のθ1´、θ3´、θ5´、θ7´については、θ1´>θ3´>θ5´>θ7´となっている。なお、θ7は4回目の入射で反射があった場合を想定したもので、実際にはθ7の反射角で反射は起こらない。
【0024】
次に、図6を参照して分波された後の光について説明する。図6は、帯域通過フィルタ22を通過した光が、受光素子の受光部に入射するまでを示す図である。帯域通過フィルタ22を通過した光は、前述のとおり出射角がθ1´>θ2´>θ3´>θ4´となる。そのため、4つに分波された光がそれぞれ進行するとやがて相互に交差する。集光レンズ24はこの交差する場所に配置されており、分波された光を平行ビームから集光ビームへ変換する。その後、波長λ1の光は受光素子26aの受光部に入射する。波長λ2、λ3、及びλ4の光はそれぞれ受光素子26b、26c、及び26dの受光部に入射する。
【0025】
前述のとおり、受光素子の受光部の面積は、受光素子26dが最大であり、受光素子26c、26bの順に小さくなり、受光素子26aが最小となっている。受光素子26dへ入射するのは、全反射ミラー20により3回反射された光(λ4)である。受光素子26cへ入射するのは、全反射ミラー20により2回反射された光(λ3)である。受光素子26bへ入射するのは、全反射ミラー20により1回反射された光(λ2)である。受光素子26aへ入射するのは、全反射ミラー20により反射されていない光(λ1)である。このように、全反射ミラー20による反射回数が多く光路長の長い光ほど、大面積の受光部を有する受光素子へ入射する。
【0026】
本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールによれば、1つの3層フィルタで多重化光信号を分波できる。これは、入射角度依存性を有する帯域通過フィルタ22と、帯域通過フィルタ22への入射角を変化させるように光を反射する全反射ミラー20を用いることで得られる効果である。また、集光レンズ24は、分波された光が交差する場所に固定されているため1枚で足りる。このように、本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュール10の構成によれば、多数のフィルタ及び集光レンズを要せず低コストで波長多重受信モジュールを製造できる。また、1枚の集光レンズを調芯すれば足りるため、波長多重受信モジュールを容易に組み立てることができる。
【0027】
前述した分波された光が「交差する場所」は、分波された光の出射角を変えることで所望の場所に調整できる。分波された光の出射角を変えるためには、プリズム18の厚み、第1面18aの第2面18bに対する角度、及び多重化光信号のプリズム18への入射角を調整すれば良い。よって、組み立て容易な位置に集光レンズを固定し、その位置に「交差する場所」が生じるようにすることができる。
【0028】
受光素子アレイ26は4つの受光素子26a、26b、26c及び26dをモノリシックに搭載している。よって、各受光素子の光軸調整(調芯)を一括して行うことができる。
【0029】
ところで、波長多重受信モジュールの使用状況などに応じて、光ファイバ14からプリズム18へ入射する多重化光信号の入射角がずれる場合がある。その場合、分波された光の受光素子への入射位置もずれる。このとき、受光素子26a、26b、26c及び26dへの入射位置のずれの量をそれぞれΔ26a、Δ26b、Δ26c及びΔ26dとすると、Δ26a<Δ26b<Δ26c<Δ26dの関係となる。つまり、光路長の長い光ほど当該ずれの量が大きくなる。このずれの量が大きくなると、受光ができなくなったり、光の結合効率が低下したりする。
【0030】
ところが、本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールの構成によれば、上述の入射位置のずれがあっても安定した受光ができる。本発明の実施の形態1に係る受光素子の受光部の面積は、受光素子26dが最大であり、受光素子26c、26bの順に小さくなり、受光素子26aが最小となっている。つまり、入射位置のずれが大きくなる受光部ほど、面積が大きく形成されている。よって、プリズム18への多重化光信号の入射角について許容公差を大きく取りつつ安定した受光ができるので、容易に波長多重受信モジュールを組立てることができる。
【0031】
図7は受光素子アレイの変形例を示す図である。受光素子アレイ30は、受光素子30b、30c、及び30dの受光部の形状が受光部の列と平行方向に伸びる楕円形である点が図3の受光素子アレイと異なる。この変形例では、受光部への入射位置のずれが「受光部の列と平行方向」に生じることを想定している。そのように入射位置のずれが生じた場合でも、受光部の形状を当該平行方向に伸びる楕円形とすれば、入射角の許容公差を大きくしつつ、受光部の形状が円形である場合と比べて受光部の面積を小さくできる。受光素子の受光部の面積を小さくすると受光素子の容量低減ができるため、高速応答性を有する波長多重受信モジュールを製造できる。
【0032】
本発明の実施の形態1では、光ファイバ14から出射する光信号は4波長の光が波長多重化されたものであるとしたが、4波長よりも多くても少なくても受光素子の数などを調整すれば本発明の効果を得ることができる。
【0033】
図8は本発明の実施の形態1に係る全反射ミラーの変形例を示す図である。図8に示す全反射ミラー32は開口のない1枚のミラーである。この場合、多重化光信号はプリズム18の幅の太い方から入射させる。このようにすると全反射ミラー32に開口を形成する必要がないため、波長多重受信モジュールを低コスト化できる。
【0034】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る波長多重受信モジュールは、実施の形態1に係る波長多重受信モジュールと共通点が多い。そのため、実施の形態1に係る波長多重受信モジュールとの相違点を説明する。図9は本発明の実施の形態2に係る波長多重受信モジュールの受光素子アレイの受光面を示す図である。受光素子アレイ34は、基板34sに受光素子34a、34b、34c、及び34dがモノリシックに搭載されたものである。受光素子34cの受光部の形状は円形である。一方、受光素子34a、34b、及び34dの受光部の形状は受光部の列と平行方向に伸びる楕円形である。そして、受光素子34cの受光部の面積は、他の受光素子の受光部よりも小さい。受光素子の調芯は、受光素子34cの受光部を調芯軸に設定して行われる。
【0035】
前述のように、多重化光信号の入射角度のずれによって、受光素子の受光部への光の入射位置がずれることがある。この入射位置のずれは、複数の受光部のうち調芯軸に近いものほど小さい。受光素子アレイ34は、受光部の列の中央部分に配置された受光素子34cの受光部に調芯される。よって、各受光部から調芯軸までの距離が短くなるので、入射位置のずれを低減できる。
【0036】
また、受光素子34cの受光部の面積は、他の受光素子の受光部の面積よりも小さい。これにより、受光素子34cの受光部への調芯は難しくなるものの、受光素子34cの受光部への調芯を終えると同時に他の受光部への調芯も完了することができる。このように1つの受光部の面積を他の受光部の面積よりも小さくし、面積の小さい受光部について調芯を行うことで、組み立て(調芯作業)を容易にできる。
【0037】
図10は受光素子アレイ34の変形例を示す図である。受光素子アレイ36は、受光部の形状に特徴がある。すなわち、受光部の列の両端の受光素子(36a及び36d)の受光部の面積が他の受光部の面積よりも小さくなっている。そして、受光素子36a及び36dの受光部の調芯が完了すると、それらの受光部の面積よりも大きい受光素子36b及び36cの受光部の調芯も完了させることができる。よって波長多重受信モジュールの組み立て(調芯作業)を容易にできる。
【0038】
実施の形態3.
図11は本発明の実施の形態3に係る波長多重受信モジュールを示す図である。波長多重受信モジュール50はプリズム52を備えている。プリズム52の第1面52aには全反射ミラー54が固着されている。全反射ミラー54には開口54aが形成されている。プリズム52の第1面52aと対向する第2面52bには帯域通過フィルタ56が固着されている。第1面52aは第2面52bに対して角度がつけられているため、プリズム52は上方で幅が広くなり、下方で幅が狭くなっている。プリズム52と全反射ミラー54と帯域通過フィルタ56を3層フィルタと総称する。
【0039】
3層フィルタの後段には、集光レンズアレイ58が形成されている。集光レンズアレイ58は、集光レンズ58a、58b、58c及び58dがモノリシックに形成されたものである。
【0040】
集光レンズアレイ58の後段には、受光素子アレイ60が形成されている。受光素子アレイ60は、受光素子60a、60b、60c、及び60dがモノリシックに形成されたものである。
【0041】
このような波長多重受信モジュール50の光の進行について説明する。まず、多重化光信号が開口54aを経由してプリズム52へ入射する。光信号はプリズムの幅が狭い側に入射する。多重化光信号がプリズム52へ入射してからの分波のプロセスは実施の形態1の場合と同様であるため説明を省略する。分波された光はそれぞれ、集光レンズ58a、58b、58c、及び58dへ入射する。集光レンズ58a、58b、58c、及び58dを通過した光は、それぞれ受光素子60a、60b、60c、及び60dの受光部へ入射する。
【0042】
実装や仕様の都合上、複数の受光素子を一定間隔離して配置する場合がある。そのような場合には、3層フィルタを出た光の交差する場所はないため、分波された光ごとに集光レンズを用意しなければならない。複数の集光レンズをそれぞれ独立した部品として別個に実装しようとすると組み立てが複雑化する。しかしながら、本発明の実施の形態3に係る波長多重受信モジュールでは集光レンズが複数搭載された集光レンズアレイを用いるため、複数の集光レンズを一括して実装できる。よって、容易に組み立てることができる。
【符号の説明】
【0043】
10 波長多重受信モジュール、 12 ホルダ、 14 光ファイバ、 16 コリメートレンズ、 18 プリズム、 20 全反射ミラー、 22 帯域通過フィルタ、 24 集光レンズ、 26 受光素子アレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数波長の光を含む光信号を受信する波長多重受信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数波長の光を含む光信号(多重化光信号という)を波長ごとに分波し、受光素子で受光する波長多重受信モジュールが開示されている。この波長多重受信モジュールは、多重化光信号を分波するために複数のフィルタを備えている。ここで、フィルタは特定の1つの波長の光を通過させるものである。そのため、多重化光信号に含まれる波長の数と同数のフィルタが必要となる。
【0003】
フィルタの後段には、分波された光を集光ビームとするために集光レンズを備えている。集光レンズは分波された光ごとに設けられる。そのため、少なくとも分波された光の数と同数の集光レンズが必要となる。集光レンズの後段には、集光レンズを通過した光を受光する受光素子を備えている。上述の構成を有する波長多重受信モジュールの組み立ての際には、波長多重受信モジュール内の光損失を低減するために、集光レンズ及び受光素子の光軸が調整される。この調整は調芯と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−85860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の波長多重受信モジュールでは、多重化光信号に含まれる波長毎にフィルタと集光レンズが用意されるため、当該波長の数が多くなるとそれに応じてフィルタの枚数と集光レンズの数を増加させる必要がある。そのため、波長多重受信モジュールが高コスト化する。
【0006】
特許文献1に開示の波長多重受信モジュールのように複数の集光レンズがある場合は、集光レンズごとに調芯を行わなければならず組み立て作業が複雑化する。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、低コストで組み立て容易な波長多重受信モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る波長多重受信モジュールは、複数波長の光を含む光信号を出射する光ファイバと、該光信号が入射するように配置されたプリズムと、該プリズムの第1面に固着された全反射ミラーと、該プリズムの該第1面に対向する第2面に固着された帯域通過フィルタと、該帯域通過フィルタを通過した光を受光する受光素子と、を備える。そして、該第1面は該第2面に対して角度がつけられており、該帯域通過フィルタは、光の入射角度によって通過できる光の波長が異なり、通過できない光は反射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低コストで組み立て容易な波長多重受信モジュールを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールの断面図である。
【図2】プリズム、全反射ミラー、及び帯域通過フィルタの拡大図である。
【図3】受光素子アレイの受光面を示す図である。
【図4】波長多重受信モジュール内部での光の経路を示す断面図である。
【図5】プリズム内部の光の経路を示す図である。
【図6】分波された光の受光位置について説明する模式図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る受光素子アレイの変形例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る全反射ミラーの変形例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る受光素子アレイの受光面を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る波長多重受信モジュールの受光素子アレイを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る波長多重受信モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールの断面図である。波長多重受信モジュール10はホルダ12を備えている。ホルダ12は波長多重受信モジュール10の各部品を固定するものである。ホルダ12には光ファイバ14が固定されている。光ファイバ14は、ホルダ12内部へ多重化光信号を出射するものである。光ファイバ14の後段にはコリメートレンズ16が固定されている。コリメートレンズ16は多重化光信号を平行化するものである。
【0012】
コリメートレンズ16の後段にはプリズム18が固定されている。プリズム18は第1面18aと、第1面18aに対向する第2面18bを備えている。第1面18aには全反射ミラー20が固着されている。全反射ミラー20はすべての波長の光を反射するミラーである。全反射ミラー20には開口20aが設けられている。開口20aは、コリメートレンズ16からの多重化光信号がプリズム18に入射するように設けられている。
【0013】
第2面18bには帯域通過フィルタ22が固着されている。帯域通過フィルタ22は、入射角度によって通過可能な光の波長が異なるフィルタである。つまり、帯域通過フィルタ22は、多重化光信号がある角度で入射したときには特定の波長の光のみを通過させ、多重化光信号が別の角度で入射したときには別の波長の光のみを通過させる。これを帯域通過フィルタ22の入射角度依存性という。なお、プリズム18、全反射ミラー20、及び帯域通過フィルタ22をまとめて3層フィルタと称することがある。
【0014】
3層フィルタの後段には集光レンズ24が固定されている。集光レンズ24は1枚のレンズである。集光レンズ24は、帯域通過フィルタ22を通過した平行ビームを集光ビームとするものである。
【0015】
集光レンズ24の後段には受光素子アレイ26が固定されている。受光素子アレイ26は、基板26sにモノリシックに受光素子26a、26b、26c及び26dが固定されたものである。
【0016】
図2は3層フィルタの拡大図である。プリズム18はくさび形となるように形成されている。すなわち、第1面18aは第2面18bに対して角度がつけられている。別の言い方をすれば、プリズム18上端の幅W1はその下端の幅W2よりも大きくなっている。
【0017】
図3は受光素子アレイ26の受光面を示す図である。受光素子の受光部の面積は、受光素子26dが最大であり、受光素子26c、26bの順に小さくなり、受光素子26aが最小となっている。また、受光素子26a、26b、26c及び26dの受光部は、帯域通過フィルタ22を通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、基板26s上に一列に配置されている。
【0018】
図4は波長多重受信モジュール10内部での光の経路を示す断面図である。以後、光の経路について説明する。まず、光ファイバ14から4波長(λ1、λ2、λ3、及びλ4)の光を含む多重化光信号が出射する。そして、多重化光信号はコリメートレンズ16を通って平行化される。平行化された光信号は全反射ミラー20の開口20aを通って、プリズム18に入射する。プリズム18内部の光については図5を参照して説明する。
【0019】
図5はプリズム18内部の光の経路を示す図である。多重化光信号が帯域通過フィルタ22に入射(1回目の入射という)すると、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、波長λ1の光のみが帯域通過フィルタ22を通過し、他の波長の光は反射される。このときの反射角をθ1とする。
【0020】
θ1の反射角で反射された光は、全反射ミラー20によりθ2の角度で全反射(1回目の全反射という)される。1回目の全反射により反射された光は再び帯域通過フィルタ22に入射する(2回目の入射という)。2回目の入射直前の光は、帯域通過フィルタ22と角度がつけられた全反射ミラー20によって全反射されている。そのため、2回目の入射時の入射角は1回目の入射時の入射角と異なる。そして、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、2回目の入射時には波長λ2の光のみが帯域通過フィルタ22を通過し、他の波長の光は反射される。このときの反射角をθ3とする。
【0021】
θ3の反射角で反射された光は、全反射ミラー20によりθ4の角度で全反射(2回目の全反射という)される。2回目の全反射により反射された光は再び帯域通過フィルタ22に入射する(3回目の入射という)。3回目の入射直前の光は、帯域通過フィルタ22と角度がつけられた全反射ミラー20によって2回全反射されている。そのため、3回目の入射時の入射角は1回目及び2回目の入射時の入射角と異なる。そして、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、3回目の入射時には波長λ3の光のみが帯域通過フィルタ22を通過し、他の波長の光は反射される。このときの反射角をθ5とする。
【0022】
θ5の反射角で反射された光は、全反射ミラー20によりθ6の角度で反射(3回目の全反射という)される。3回目の全反射により反射された光は再び帯域通過フィルタ22に入射する(4回目の入射という)。4回目の入射直前の光は、帯域通過フィルタ22と角度がつけられた全反射ミラー20によって3回全反射されている。そのため、4回目の入射時の入射角は1回目、2回目、及び3回目の入射時の入射角と異なる。そして、帯域通過フィルタ22の入射角度依存性により、4回目の入射時には波長λ4の光が帯域通過フィルタ22を通過する。
【0023】
このようにして、4波長(λ1、λ2、λ3、及びλ4)の光を含む多重化光信号は、波長ごとに分波される。分波された光は図5においてλ1、λ2、λ3、λ4と表されており、それぞれの出射角はθ1´、θ3´、θ5´、θ7´である。このように、光はプリズム18内部で反射を繰り返して、プリズム18の幅が太い側から幅が細い側に進行するため、各反射角はθ1>θ3>θ5>θ7となっている。また、前述のθ1´、θ3´、θ5´、θ7´については、θ1´>θ3´>θ5´>θ7´となっている。なお、θ7は4回目の入射で反射があった場合を想定したもので、実際にはθ7の反射角で反射は起こらない。
【0024】
次に、図6を参照して分波された後の光について説明する。図6は、帯域通過フィルタ22を通過した光が、受光素子の受光部に入射するまでを示す図である。帯域通過フィルタ22を通過した光は、前述のとおり出射角がθ1´>θ2´>θ3´>θ4´となる。そのため、4つに分波された光がそれぞれ進行するとやがて相互に交差する。集光レンズ24はこの交差する場所に配置されており、分波された光を平行ビームから集光ビームへ変換する。その後、波長λ1の光は受光素子26aの受光部に入射する。波長λ2、λ3、及びλ4の光はそれぞれ受光素子26b、26c、及び26dの受光部に入射する。
【0025】
前述のとおり、受光素子の受光部の面積は、受光素子26dが最大であり、受光素子26c、26bの順に小さくなり、受光素子26aが最小となっている。受光素子26dへ入射するのは、全反射ミラー20により3回反射された光(λ4)である。受光素子26cへ入射するのは、全反射ミラー20により2回反射された光(λ3)である。受光素子26bへ入射するのは、全反射ミラー20により1回反射された光(λ2)である。受光素子26aへ入射するのは、全反射ミラー20により反射されていない光(λ1)である。このように、全反射ミラー20による反射回数が多く光路長の長い光ほど、大面積の受光部を有する受光素子へ入射する。
【0026】
本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールによれば、1つの3層フィルタで多重化光信号を分波できる。これは、入射角度依存性を有する帯域通過フィルタ22と、帯域通過フィルタ22への入射角を変化させるように光を反射する全反射ミラー20を用いることで得られる効果である。また、集光レンズ24は、分波された光が交差する場所に固定されているため1枚で足りる。このように、本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュール10の構成によれば、多数のフィルタ及び集光レンズを要せず低コストで波長多重受信モジュールを製造できる。また、1枚の集光レンズを調芯すれば足りるため、波長多重受信モジュールを容易に組み立てることができる。
【0027】
前述した分波された光が「交差する場所」は、分波された光の出射角を変えることで所望の場所に調整できる。分波された光の出射角を変えるためには、プリズム18の厚み、第1面18aの第2面18bに対する角度、及び多重化光信号のプリズム18への入射角を調整すれば良い。よって、組み立て容易な位置に集光レンズを固定し、その位置に「交差する場所」が生じるようにすることができる。
【0028】
受光素子アレイ26は4つの受光素子26a、26b、26c及び26dをモノリシックに搭載している。よって、各受光素子の光軸調整(調芯)を一括して行うことができる。
【0029】
ところで、波長多重受信モジュールの使用状況などに応じて、光ファイバ14からプリズム18へ入射する多重化光信号の入射角がずれる場合がある。その場合、分波された光の受光素子への入射位置もずれる。このとき、受光素子26a、26b、26c及び26dへの入射位置のずれの量をそれぞれΔ26a、Δ26b、Δ26c及びΔ26dとすると、Δ26a<Δ26b<Δ26c<Δ26dの関係となる。つまり、光路長の長い光ほど当該ずれの量が大きくなる。このずれの量が大きくなると、受光ができなくなったり、光の結合効率が低下したりする。
【0030】
ところが、本発明の実施の形態1に係る波長多重受信モジュールの構成によれば、上述の入射位置のずれがあっても安定した受光ができる。本発明の実施の形態1に係る受光素子の受光部の面積は、受光素子26dが最大であり、受光素子26c、26bの順に小さくなり、受光素子26aが最小となっている。つまり、入射位置のずれが大きくなる受光部ほど、面積が大きく形成されている。よって、プリズム18への多重化光信号の入射角について許容公差を大きく取りつつ安定した受光ができるので、容易に波長多重受信モジュールを組立てることができる。
【0031】
図7は受光素子アレイの変形例を示す図である。受光素子アレイ30は、受光素子30b、30c、及び30dの受光部の形状が受光部の列と平行方向に伸びる楕円形である点が図3の受光素子アレイと異なる。この変形例では、受光部への入射位置のずれが「受光部の列と平行方向」に生じることを想定している。そのように入射位置のずれが生じた場合でも、受光部の形状を当該平行方向に伸びる楕円形とすれば、入射角の許容公差を大きくしつつ、受光部の形状が円形である場合と比べて受光部の面積を小さくできる。受光素子の受光部の面積を小さくすると受光素子の容量低減ができるため、高速応答性を有する波長多重受信モジュールを製造できる。
【0032】
本発明の実施の形態1では、光ファイバ14から出射する光信号は4波長の光が波長多重化されたものであるとしたが、4波長よりも多くても少なくても受光素子の数などを調整すれば本発明の効果を得ることができる。
【0033】
図8は本発明の実施の形態1に係る全反射ミラーの変形例を示す図である。図8に示す全反射ミラー32は開口のない1枚のミラーである。この場合、多重化光信号はプリズム18の幅の太い方から入射させる。このようにすると全反射ミラー32に開口を形成する必要がないため、波長多重受信モジュールを低コスト化できる。
【0034】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る波長多重受信モジュールは、実施の形態1に係る波長多重受信モジュールと共通点が多い。そのため、実施の形態1に係る波長多重受信モジュールとの相違点を説明する。図9は本発明の実施の形態2に係る波長多重受信モジュールの受光素子アレイの受光面を示す図である。受光素子アレイ34は、基板34sに受光素子34a、34b、34c、及び34dがモノリシックに搭載されたものである。受光素子34cの受光部の形状は円形である。一方、受光素子34a、34b、及び34dの受光部の形状は受光部の列と平行方向に伸びる楕円形である。そして、受光素子34cの受光部の面積は、他の受光素子の受光部よりも小さい。受光素子の調芯は、受光素子34cの受光部を調芯軸に設定して行われる。
【0035】
前述のように、多重化光信号の入射角度のずれによって、受光素子の受光部への光の入射位置がずれることがある。この入射位置のずれは、複数の受光部のうち調芯軸に近いものほど小さい。受光素子アレイ34は、受光部の列の中央部分に配置された受光素子34cの受光部に調芯される。よって、各受光部から調芯軸までの距離が短くなるので、入射位置のずれを低減できる。
【0036】
また、受光素子34cの受光部の面積は、他の受光素子の受光部の面積よりも小さい。これにより、受光素子34cの受光部への調芯は難しくなるものの、受光素子34cの受光部への調芯を終えると同時に他の受光部への調芯も完了することができる。このように1つの受光部の面積を他の受光部の面積よりも小さくし、面積の小さい受光部について調芯を行うことで、組み立て(調芯作業)を容易にできる。
【0037】
図10は受光素子アレイ34の変形例を示す図である。受光素子アレイ36は、受光部の形状に特徴がある。すなわち、受光部の列の両端の受光素子(36a及び36d)の受光部の面積が他の受光部の面積よりも小さくなっている。そして、受光素子36a及び36dの受光部の調芯が完了すると、それらの受光部の面積よりも大きい受光素子36b及び36cの受光部の調芯も完了させることができる。よって波長多重受信モジュールの組み立て(調芯作業)を容易にできる。
【0038】
実施の形態3.
図11は本発明の実施の形態3に係る波長多重受信モジュールを示す図である。波長多重受信モジュール50はプリズム52を備えている。プリズム52の第1面52aには全反射ミラー54が固着されている。全反射ミラー54には開口54aが形成されている。プリズム52の第1面52aと対向する第2面52bには帯域通過フィルタ56が固着されている。第1面52aは第2面52bに対して角度がつけられているため、プリズム52は上方で幅が広くなり、下方で幅が狭くなっている。プリズム52と全反射ミラー54と帯域通過フィルタ56を3層フィルタと総称する。
【0039】
3層フィルタの後段には、集光レンズアレイ58が形成されている。集光レンズアレイ58は、集光レンズ58a、58b、58c及び58dがモノリシックに形成されたものである。
【0040】
集光レンズアレイ58の後段には、受光素子アレイ60が形成されている。受光素子アレイ60は、受光素子60a、60b、60c、及び60dがモノリシックに形成されたものである。
【0041】
このような波長多重受信モジュール50の光の進行について説明する。まず、多重化光信号が開口54aを経由してプリズム52へ入射する。光信号はプリズムの幅が狭い側に入射する。多重化光信号がプリズム52へ入射してからの分波のプロセスは実施の形態1の場合と同様であるため説明を省略する。分波された光はそれぞれ、集光レンズ58a、58b、58c、及び58dへ入射する。集光レンズ58a、58b、58c、及び58dを通過した光は、それぞれ受光素子60a、60b、60c、及び60dの受光部へ入射する。
【0042】
実装や仕様の都合上、複数の受光素子を一定間隔離して配置する場合がある。そのような場合には、3層フィルタを出た光の交差する場所はないため、分波された光ごとに集光レンズを用意しなければならない。複数の集光レンズをそれぞれ独立した部品として別個に実装しようとすると組み立てが複雑化する。しかしながら、本発明の実施の形態3に係る波長多重受信モジュールでは集光レンズが複数搭載された集光レンズアレイを用いるため、複数の集光レンズを一括して実装できる。よって、容易に組み立てることができる。
【符号の説明】
【0043】
10 波長多重受信モジュール、 12 ホルダ、 14 光ファイバ、 16 コリメートレンズ、 18 プリズム、 20 全反射ミラー、 22 帯域通過フィルタ、 24 集光レンズ、 26 受光素子アレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数波長の光を含む光信号を出射する光ファイバと、
前記光信号が入射するように配置されたプリズムと、
前記プリズムの第1面に固着された全反射ミラーと、
前記プリズムの前記第1面に対向する第2面に固着された帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタを通過した光を受光する受光素子と、を備え、
前記第1面は前記第2面に対して角度がつけられており、
前記帯域通過フィルタは、光の入射角度によって通過できる光の波長が異なり、通過できない光は反射することを特徴とする波長多重受信モジュール。
【請求項2】
前記帯域通過フィルタを通過した光が交差する場所に集光レンズを備えたことを特徴とする請求項1に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項3】
前記受光素子を複数有し、
複数の前記受光素子は一枚の基板に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項4】
複数の前記受光素子の受光部は、前記帯域通過フィルタを通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、前記基板上に一列に配置され、
前記受光部のうちの少なくとも1つの受光部の形状は、前記基板上に一列に並ぶ前記受光部と平行方向に伸びる楕円形である、ことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項5】
複数の前記受光素子の受光部は、前記帯域通過フィルタを通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、前記基板上に一列に配置され、
前記基板上に一列に並ぶ前記受光部の中央部分の受光部は他の受光部に比べて面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項6】
複数の前記受光素子の受光部は、前記帯域通過フィルタを通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、前記基板上に一列に配置され、
前記基板上に一列に並ぶ前記受光部の両端の受光部は他の受光部に比べて面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項7】
複数の前記受光素子の受光部の面積は、光路長の長い光を受光するものほど大きいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項8】
複数の前記受光素子の受光部のうちの1つの受光部は、他の受光部より面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項9】
前記帯域通過フィルタと前記受光素子の間には、複数の集光レンズを一枚の基板に形成した集光レンズアレイが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項1】
複数波長の光を含む光信号を出射する光ファイバと、
前記光信号が入射するように配置されたプリズムと、
前記プリズムの第1面に固着された全反射ミラーと、
前記プリズムの前記第1面に対向する第2面に固着された帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタを通過した光を受光する受光素子と、を備え、
前記第1面は前記第2面に対して角度がつけられており、
前記帯域通過フィルタは、光の入射角度によって通過できる光の波長が異なり、通過できない光は反射することを特徴とする波長多重受信モジュール。
【請求項2】
前記帯域通過フィルタを通過した光が交差する場所に集光レンズを備えたことを特徴とする請求項1に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項3】
前記受光素子を複数有し、
複数の前記受光素子は一枚の基板に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項4】
複数の前記受光素子の受光部は、前記帯域通過フィルタを通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、前記基板上に一列に配置され、
前記受光部のうちの少なくとも1つの受光部の形状は、前記基板上に一列に並ぶ前記受光部と平行方向に伸びる楕円形である、ことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項5】
複数の前記受光素子の受光部は、前記帯域通過フィルタを通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、前記基板上に一列に配置され、
前記基板上に一列に並ぶ前記受光部の中央部分の受光部は他の受光部に比べて面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項6】
複数の前記受光素子の受光部は、前記帯域通過フィルタを通過して分波された複数の光が広がる方向に沿うように、前記基板上に一列に配置され、
前記基板上に一列に並ぶ前記受光部の両端の受光部は他の受光部に比べて面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項7】
複数の前記受光素子の受光部の面積は、光路長の長い光を受光するものほど大きいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項8】
複数の前記受光素子の受光部のうちの1つの受光部は、他の受光部より面積が小さいことを特徴とする請求項3に記載の波長多重受信モジュール。
【請求項9】
前記帯域通過フィルタと前記受光素子の間には、複数の集光レンズを一枚の基板に形成した集光レンズアレイが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の波長多重受信モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−22154(P2012−22154A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160015(P2010−160015)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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