洋風便器装置
【課題】自動洗浄による便座の着座面への洗浄水の付着を防止し、自動洗浄直後にも不快感を伴うことなく使用可能な洋風便器装置を提供することにある。
【解決手段】便器本体１９が備える便蓋１３を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段１２を備えた洋風便器装置１０であって、便蓋１３は、自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座１４の着座面１４ａへの付着を防ぐ着座面防水手段１１を設けている。
【解決手段】便器本体１９が備える便蓋１３を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段１２を備えた洋風便器装置１０であって、便蓋１３は、自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座１４の着座面１４ａへの付着を防ぐ着座面防水手段１１を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えた洋風便器装置に関し、詳しくは、自動洗浄時に便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐ洋風便器装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、洋風便器装置では、便器内部のボウル部に排泄された排泄物を水洗レバーの操作、あるいは自動水洗システムによる水洗動作によりボウル部の下方に位置する排水口より流し出す構成となっている。
ボウル部への給水には、通常、便器本体の上端に周設されるリム部よりボウル部に向けて水洗用水を放出する構成が多用されており、前記リム部の形状は、便器本体の外壁上端付近（スカート部上端付近）から水平方向に上辺と底辺を突設させ、該上辺と該底辺とに連結される内辺とで、断面視略矩形状に形成され、前記水洗用水を該底辺の所定の箇所に設けられた複数のリム孔から放出する構成となっている。
【０００３】
前記構成のようなリム部の場合、前記内辺及び前記底辺に、便器内部から飛散する尿などの汚れが付着しやすく、また、それらには水洗用水が放出されない、すなわち、水洗用水が触れないため、前記のような水洗動作では、このような箇所に付着した汚れを除去することは困難であった。
【０００４】
前記のような問題を解決するものとして、特許文献１では、図５に示すように、便蓋３と便座４を閉じた状態で、便器内部５を洗浄する洗浄ノズル２を備え、洗浄ノズル２から吐出される洗浄水により便座や便蓋の汚れも清掃できる大便器１が提案されている。
【特許文献１】特開２０００−１４４８４６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、前記特許文献１で提案されている大便器１では、洗浄ノズル２により便器内部５に吐出される洗浄水は、便座４の上面すなわち、着座面にも付着するため、洗浄直後に便器を使用したい場合には、便座４が洗浄水で濡れており、使い勝手の悪いものであった。
【０００６】
本発明は、前記問題を解決するために提案されたもので、その目的は、自動洗浄による便座の着座面への洗浄水の付着を防止し、自動洗浄直後にも不快感を伴うことなく使用可能な洋風便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記目的を達成するために、請求項１に記載の洋風便器装置は、便器本体が備える便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えた洋風便器装置であって、前記便蓋は、自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座の着座面への付着を防ぐ着座面防水手段を設けていることを特徴とする。
【０００８】
ここに、便器内部とは、便蓋が閉じられた状態で形成される空間の洗浄手段により洗浄される部分を指し、ボウル部のみを指すものではなく、少なくともリム部の一部も含まれるものである。
【０００９】
請求項２では、請求項１において、前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた環状壁部を、前記便蓋の裏面に突設した構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記環状壁部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする。
【００１０】
請求項３では、請求項１において、前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた膨出部を有する弾性体を、前記便蓋の裏面の全面に取付けた構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記膨出部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする。
【００１１】
請求項４では、請求項１乃至３のいずれか１項において、前記便蓋と前記便器本体の上端周辺との隙間には、シール部材を介在させていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１乃至４に記載の洋風便器装置によれば、便蓋に、着座面防水手段を設けているので、便器内部の自動洗浄時に噴出される洗浄水が、便座の着座面に付着することなく、洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となる。
【００１３】
請求項２では、便座の開口部に応じた形状の環状壁部を着座面防水手段として、便蓋の裏面に設ける構成としているので、簡易な構成により便座の着座面への洗浄水の付着を防止することができる。
【００１４】
請求項３では、着座面防水手段として、便座の開口部に応じた形状の膨出部を有する弾性体を便蓋の裏面の全体に取付けた構成としているので、便座と便蓋との当接する範囲が広くなり、便蓋と便座との開閉動作の衝撃を、従来の便蓋に比べてより効果的に吸収することができる。
また、座位にて使用する場合に、便蓋の裏面に取付けられた弾性体が、人体背側のクッションにもなる。
【００１５】
請求項４では、便蓋と便器本体の上端周辺との隙間にシール部材を介在させているので、便蓋を閉じると、便蓋と便器本体の上端周辺との間に空隙が形成されず、前述のような水洗動作や、洗浄手段による便器内部の自動洗浄時にも水洗用水や洗浄水が便器外部に飛散しない構成となる。
また、特に寒冷地等では、便蓋を閉じると便器内部の空間の密封性、保温性が増すため、ボウル部に常時溜められている溜水の凍結を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図１及び図２は、第１実施形態に係る洋風便器装置を示し、図１は、本実施形態の洋風便器装置を示す概略斜視図、図２は、本実施形態に係る洋風便器装置の便蓋を閉じた状態の一部破断側面図である。
【００１７】
図１に示す洋風便器装置１０では、便器本体１９の後部に水洗タンクを備えていない、水道配管直結方式、いわゆるタンクレスタイプのものを図示しているが、水洗タンクを備えたものにも適用可能である。
図例の便器本体１９は、ボウル部１５ａと、ボウル部１５ａの上端に周設されたリム部１５ｂと、ボウル部１５ａの外周に形設されたスカート部１６と、便器本体１９の後方に位置する便蓋・便座設置部１７に開閉自在に枢着された便座１４及び便蓋１３と、スカート部１６の後方位置に各種装置やボウル部１５ａへの水洗用水を供給する吐出口などを内包するサイドカバー１８を備えている。
【００１８】
さらに本実施形態に係る洋風便器装置１０は、便蓋１３を閉じた状態で洗浄水を噴出し便器内部を自動洗浄する洗浄手段を構成する洗浄ノズル１２（図１では二点鎖線）と、便蓋１３の裏面に着座面防水手段を構成する環状壁部１１を備えている。
【００１９】
本実施形態では、人体検知センサ（不図示）が人体の存在を検知すると、便蓋・便座設置部１７に内蔵されている便蓋・便座自動開閉機構（不図示）を作動させ、便蓋１７を起立状態（図１に示す状態）とし、その後、所定の時間、着座センサ（不図示）からの着座検知の信号がないと、便座１４も起立状態とする。所定時間経過後、あるいは、人体検知センサが人体の不在を検知すると、再度、便蓋・便座自動開閉機構を作動させて便蓋１３、便座１４を倒伏させて、更に、自動水洗システム（不図示）を作動させて、汚物を排出する構成としている。
【００２０】
更に、本実施形態では、前記自動水洗システムによる水洗動作後、洗浄ノズル１２を駆動させて、便器内部、すなわち、前記水洗動作での汚れの除去が困難である、特に、ボウル部１５ａの上端付近やリム部１５ｂの底辺、内辺などを洗浄ノズル１２から噴出される洗浄水により洗浄する構成となっている。
【００２１】
洗浄ノズル１２は、図２に示すように、ボウル部１５ａの後方から便器内部の空間の略中央に、その洗浄水噴出口１２ａが位置するように、便蓋・便座設置部１７内の洗浄ノズル駆動機構（不図示）により伸長駆動され、洗浄水を便器内部に向けて噴出する構成となっている。すなわち、図１では、洗浄ノズル１２が伸長駆動されていない状態を示しており、前述のように自動水洗システムによる水洗動作後、洗浄ノズル１２を駆動し、図２に示す状態となるように構成されている。
【００２２】
本実施形態では、洗浄ノズル１２は、人体局部に向けて洗浄水を噴出する人体局部用の噴出口１２ｂと、便器内部に向けて洗浄水を噴出する洗浄水噴出口１２ａを有し、図示のような二段構成とし、人体局部用の噴出口１２ｂを先端とする人体局部用ノズルと、それに回転及び伸縮自在に内装され、洗浄水噴出口１２ａを先端とする便器内部用ノズルから構成されている。
【００２３】
前記のように構成された洗浄ノズル１２は、人体局部を洗浄する際には、人体局部用ノズルのみが、便器後方から伸長され、人体局部用の噴出口１２ｂのみより洗浄水を噴出し、また、便器内部を洗浄する際には、人体局部用ノズルとともに便器内部用ノズルも伸長され、洗浄水噴出口１２ａより洗浄水を噴出する構成となっている。
更に、便器内部用ノズルは、洗浄水の噴出中には、回転作動、伸縮作動するように構成されており、これにより、便器内部の全体に洗浄水が噴出されるようになっている。
【００２４】
次に図１及び図２に基づいて、本実施形態の着座面防水手段について説明する。
着座面防水手段は、本実施形態では、便座１４の開口部１４ｂに応じた環状壁部１１を、便蓋１３の裏面に突設した構造、すなわち、便座１４の開口部１４ｂの形状に併せて、略楕円形の環状に突設させ、その突設高さは、図２に示すように、環状壁部１１の外周面が、便座１４の開口部１４ｂの内周縁に当接するような高さとされている。
【００２５】
前記のように構成された環状壁部１１は、便蓋１３を閉じた状態では、便座１４の開口部１４ｂに嵌入されて、前記のような洗浄手段による自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座１４の着座面１４ａへの付着を防ぐ着座面防水手段として機能する。
すなわち、図２に示すように洗浄ノズル１２の洗浄水噴出口１２ａより洗浄水が噴出されると、ボウル部１５ａの全体、リム部１５ｂの底辺や内辺、上辺の一部及び便座１４の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座１４の着座面１４ａは、環状壁部１１により便器内部と便座１４の着座面１４ａとの間に空隙が形成されず洗浄水が付着しない構成となっている。
【００２６】
前記構成によれば、簡易な構成により便座１４の着座面１４ａへの洗浄水の付着を防止することができ、自動洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となる。
尚、環状壁部１１として、本実施形態では、ゴムなどの弾性体により形成されたものを適用しているが、どのようなものでもよく、例えば、熱可塑性の合成樹脂材で形成されたものでもよい。また、シール性のない合成樹脂材で形成する場合は、便座１４の開口部１４ｂとの当接部位にシール部材を設けることが好ましい。これにより、確実に便器内部から便座１４の着座面１４ａへの洗浄水の漏水を防止することができる。
【００２７】
また、洗浄手段としては前記した洗浄ノズル１２に限られず、人体局部用のノズルとは別体として洗浄ノズルを設けてもよく、また、洗浄ノズルではなく、例えば、洗浄水を微粒子状にしたミストを発生させるミスト発生器をサイドカバー１８内などに設け、ファンにより便器内部全体をミストにより洗浄する構成としてもよい。このような構成によれば、便器内部の隅々にまでミストが行き渡り十分な洗浄をすることができる。
【００２８】
更に、洗浄手段による便器内部の洗浄後は、例えば、温風乾燥装置により便器内部を乾燥させる構成としてもよい。温風乾燥装置としては、公知の人体局部の洗浄後に乾燥する装置などを便器内部の乾燥として兼用してもよく、このような構成によれば、カビの発生などを抑制することができる。
【００２９】
更にまた、洗浄手段による便器内部の洗浄中は、ボウル部からの汚物や水洗用水を排出する際に作動させるトラップ部（不図示）、例えばターントラップ方式のトラップ部を、水洗動作時同様に作動させてもよい。これにより、ボウル部に洗浄水が貯水されることなく排出されるため、ボウル部下方まで十分に洗浄を行え、また、洗浄水がボウル部に満水となることなく便器外部へも溢水することがない。
また、洗浄手段による便器内部の洗浄中は、洗浄中であることをブザーやランプにより報知する構成としてもよい。
【００３０】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図３（ａ）及び（ｂ）は、第２実施形態に係る洋風便器装置を示し、（ａ）は、本実施形態に係る洋風便器装置が備える便蓋の斜視図、（ｂ）は、便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【００３１】
第１実施形態との相違点は、便蓋１３に設けられる着座面防水手段の構成であり、他の構成は、第１実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
尚、図３（ｂ）では、洗浄ノズル１２（洗浄手段）が伸長駆動されていない状態を示している。
【００３２】
詳しくは、図示のように本実施形態に係る洋風便器装置１０Ａが備える便蓋１３には、着座面防水手段として、弾性体２１を便蓋１３の裏面の全面に取付けた構造とされている。
弾性体２１は、便座１４の開口部１４ｂに応じた膨出部２１ａを有しており、更に、本実施形態では、弾性体２１は、便座１４の着座面１４ａの形状に併せた形状とし、着座面１４ａの略全面に弾性体２１が当接するように形成されている。
【００３３】
前記のように構成された弾性体２１は、便蓋１３を閉じた状態では、便座１４の開口部１４ｂに膨出部２１ａを嵌入させて、第１実施形態と同様、洗浄手段による自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座１４の着座面１４ａへの付着を防ぐ着座面防水手段として機能する。
すなわち、洗浄ノズル１２の洗浄水噴出口１２ａより洗浄水が噴出されると（図２参照）、ボウル部１５ａの全体、リム部１５ｂの底辺や内辺、上辺の一部及び便座１４の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座１４の着座面１４ａは、弾性体２１により便器内部と便座１４の着座面１４ａとの間に空隙が形成されず洗浄水が付着しない構成となっている。
【００３４】
前記構成によれば、便座１４の着座面１４ａへの洗浄水の付着を防止することができ、自動洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となるとともに、便座１４と便蓋１３との当接する範囲が広くなり、便蓋１３と便座１４との開閉動作の衝撃を、従来の便蓋に比べてより効果的に吸収することができる。
また、座位にて使用する場合に、便蓋１３の裏面に取付けられた弾性体２１が、人体背側のクッションにもなる。
【００３５】
更に、本実施形態のように、弾性体２１の形状を、便座１４の着座面１４ａの形状に併せた形状とし、着座面１４ａの略全面に弾性体２１が当接するような構成とすれば、便蓋１３を閉じた状態、すなわち、洋風便器装置１０Ａが使用されていない待機状態では、便座１４の着座面１４ａの保温性を向上させることができる。
また、近年、多用されている便座を加熱する装置を備えた暖房便座であれば、前記構成により、更に、保温性を向上させることができ、また、節電を図ることができる。
【００３６】
尚、弾性体２１としては、本実施形態ではゴムを適用しているが、ある程度の弾性力があればどのようなものでもよく、熱可塑性の合成樹脂材や断熱性のある独立発泡体などで形成してもよい。また、便蓋１３を軽量とするために弾性体２１を中空に形成してもよい。更に、弾性体２１を便蓋１３と一体成形としてもよい。
【００３７】
次に、本発明に係る洋風便器装置が備える便蓋の変形例を図４に基づいて説明する。
図４は、図２における一点鎖線で示した部分の変形例を示す拡大縦断面図である。
尚、本変形例は、第１実施形態に限られず第２実施形態や他の本発明に係る実施の形態にも適用可能である。
【００３８】
詳しくは、本変形例では、便蓋１３と便器本体１９の上端周辺との隙間には、シール部材３０を介在させている。
シール部材３０は、便蓋１３を閉じた状態で、便蓋１３の下方に突設した便蓋縁部１３ａの下端（便蓋１３を閉じた状態における下端を指す）に沿って周状に配設されており、便蓋１３を閉じると、シール部材３０が、便器本体１９の上端、すなわち、本変形例では、リム部１５ｂの上辺の略全周に亙って当接し、便蓋１３と便器本体１９との間に空隙が形成されないように構成されている。
【００３９】
前記構成によれば、前述のような水洗動作や、洗浄手段による便器内部の自動洗浄時にも水洗用水や洗浄水が便器外部に飛散しない構成となる。
すなわち、洗浄手段から噴出された洗浄水は、前述のようにボウル部１５ａの全体、リム部１５ｂの底辺や内辺、上辺の一部及び便座１４の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座１４の着座面１４ａには、前述の着座面防水手段により洗浄水が付着せず、更に、便器外部へも洗浄水が飛散しない構成となる。
また、特に寒冷地等では、便蓋１３を閉じると便器内部の空間の密封性、保温性が増すため、ボウル部１５ａに常時溜められている溜水の凍結を防止することができる。
【００４０】
更に、本変形例のように便蓋縁部１３ａの下端にシール部材３０を配設する構成とし、便蓋１３とスカート部１６とに段差が形成されないような構成とすれば、便蓋１３を閉じた状態では、すっきりとした清潔感に溢れるデザイン性の良い洋風便器装置となるとともに、便蓋１３を閉じた状態で使用者が便蓋１３やスカート部１６の外面の清掃を行い易いものとなる。
【００４１】
尚、シール部材としては、水密性のある部材であればどのようなものでもよく、また、配設箇所としては、本変形例に示したものに限られず、例えば、便蓋１３の形状をスカート部１６よりも大、例えば、便蓋縁部１３ａの内径をスカート部１６の外径よりも大となるように形成し、便蓋縁部１３ａの下方への突出高さを更に高く形成して、その内周端縁にシール部材を配設する構成として、スカート部１６の上端外周部に該シール部材が当接するような構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】本発明に係る洋風便器装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。
【図２】本発明に係る洋風便器装置の同実施形態における便蓋を閉じた状態の一部破断側面図である。
【図３】本発明に係る洋風便器装置が備える便蓋の他の実施形態を示し、（ａ）は斜視図、（ｂ）は便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【図４】本発明に係る洋風便器装置が備える便蓋の変形例を示す要部拡大縦断面図である。
【図５】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【００４３】
１０、１０Ａ 洋風便器装置
１１ 環状壁部（着座面防水手段）
１２ 洗浄ノズル（洗浄手段）
１３ 便蓋
１４ 便座
１４ａ 便座の着座面
１４ｂ 便座の開口部
１９ 便器本体
２１ 弾性体（着座面防水手段）
２１ａ 膨出部（着座面防水手段）
３０ シール部材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えた洋風便器装置に関し、詳しくは、自動洗浄時に便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐ洋風便器装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、洋風便器装置では、便器内部のボウル部に排泄された排泄物を水洗レバーの操作、あるいは自動水洗システムによる水洗動作によりボウル部の下方に位置する排水口より流し出す構成となっている。
ボウル部への給水には、通常、便器本体の上端に周設されるリム部よりボウル部に向けて水洗用水を放出する構成が多用されており、前記リム部の形状は、便器本体の外壁上端付近（スカート部上端付近）から水平方向に上辺と底辺を突設させ、該上辺と該底辺とに連結される内辺とで、断面視略矩形状に形成され、前記水洗用水を該底辺の所定の箇所に設けられた複数のリム孔から放出する構成となっている。
【０００３】
前記構成のようなリム部の場合、前記内辺及び前記底辺に、便器内部から飛散する尿などの汚れが付着しやすく、また、それらには水洗用水が放出されない、すなわち、水洗用水が触れないため、前記のような水洗動作では、このような箇所に付着した汚れを除去することは困難であった。
【０００４】
前記のような問題を解決するものとして、特許文献１では、図５に示すように、便蓋３と便座４を閉じた状態で、便器内部５を洗浄する洗浄ノズル２を備え、洗浄ノズル２から吐出される洗浄水により便座や便蓋の汚れも清掃できる大便器１が提案されている。
【特許文献１】特開２０００−１４４８４６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、前記特許文献１で提案されている大便器１では、洗浄ノズル２により便器内部５に吐出される洗浄水は、便座４の上面すなわち、着座面にも付着するため、洗浄直後に便器を使用したい場合には、便座４が洗浄水で濡れており、使い勝手の悪いものであった。
【０００６】
本発明は、前記問題を解決するために提案されたもので、その目的は、自動洗浄による便座の着座面への洗浄水の付着を防止し、自動洗浄直後にも不快感を伴うことなく使用可能な洋風便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記目的を達成するために、請求項１に記載の洋風便器装置は、便器本体が備える便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えた洋風便器装置であって、前記便蓋は、自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座の着座面への付着を防ぐ着座面防水手段を設けていることを特徴とする。
【０００８】
ここに、便器内部とは、便蓋が閉じられた状態で形成される空間の洗浄手段により洗浄される部分を指し、ボウル部のみを指すものではなく、少なくともリム部の一部も含まれるものである。
【０００９】
請求項２では、請求項１において、前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた環状壁部を、前記便蓋の裏面に突設した構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記環状壁部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする。
【００１０】
請求項３では、請求項１において、前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた膨出部を有する弾性体を、前記便蓋の裏面の全面に取付けた構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記膨出部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする。
【００１１】
請求項４では、請求項１乃至３のいずれか１項において、前記便蓋と前記便器本体の上端周辺との隙間には、シール部材を介在させていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１乃至４に記載の洋風便器装置によれば、便蓋に、着座面防水手段を設けているので、便器内部の自動洗浄時に噴出される洗浄水が、便座の着座面に付着することなく、洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となる。
【００１３】
請求項２では、便座の開口部に応じた形状の環状壁部を着座面防水手段として、便蓋の裏面に設ける構成としているので、簡易な構成により便座の着座面への洗浄水の付着を防止することができる。
【００１４】
請求項３では、着座面防水手段として、便座の開口部に応じた形状の膨出部を有する弾性体を便蓋の裏面の全体に取付けた構成としているので、便座と便蓋との当接する範囲が広くなり、便蓋と便座との開閉動作の衝撃を、従来の便蓋に比べてより効果的に吸収することができる。
また、座位にて使用する場合に、便蓋の裏面に取付けられた弾性体が、人体背側のクッションにもなる。
【００１５】
請求項４では、便蓋と便器本体の上端周辺との隙間にシール部材を介在させているので、便蓋を閉じると、便蓋と便器本体の上端周辺との間に空隙が形成されず、前述のような水洗動作や、洗浄手段による便器内部の自動洗浄時にも水洗用水や洗浄水が便器外部に飛散しない構成となる。
また、特に寒冷地等では、便蓋を閉じると便器内部の空間の密封性、保温性が増すため、ボウル部に常時溜められている溜水の凍結を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図１及び図２は、第１実施形態に係る洋風便器装置を示し、図１は、本実施形態の洋風便器装置を示す概略斜視図、図２は、本実施形態に係る洋風便器装置の便蓋を閉じた状態の一部破断側面図である。
【００１７】
図１に示す洋風便器装置１０では、便器本体１９の後部に水洗タンクを備えていない、水道配管直結方式、いわゆるタンクレスタイプのものを図示しているが、水洗タンクを備えたものにも適用可能である。
図例の便器本体１９は、ボウル部１５ａと、ボウル部１５ａの上端に周設されたリム部１５ｂと、ボウル部１５ａの外周に形設されたスカート部１６と、便器本体１９の後方に位置する便蓋・便座設置部１７に開閉自在に枢着された便座１４及び便蓋１３と、スカート部１６の後方位置に各種装置やボウル部１５ａへの水洗用水を供給する吐出口などを内包するサイドカバー１８を備えている。
【００１８】
さらに本実施形態に係る洋風便器装置１０は、便蓋１３を閉じた状態で洗浄水を噴出し便器内部を自動洗浄する洗浄手段を構成する洗浄ノズル１２（図１では二点鎖線）と、便蓋１３の裏面に着座面防水手段を構成する環状壁部１１を備えている。
【００１９】
本実施形態では、人体検知センサ（不図示）が人体の存在を検知すると、便蓋・便座設置部１７に内蔵されている便蓋・便座自動開閉機構（不図示）を作動させ、便蓋１７を起立状態（図１に示す状態）とし、その後、所定の時間、着座センサ（不図示）からの着座検知の信号がないと、便座１４も起立状態とする。所定時間経過後、あるいは、人体検知センサが人体の不在を検知すると、再度、便蓋・便座自動開閉機構を作動させて便蓋１３、便座１４を倒伏させて、更に、自動水洗システム（不図示）を作動させて、汚物を排出する構成としている。
【００２０】
更に、本実施形態では、前記自動水洗システムによる水洗動作後、洗浄ノズル１２を駆動させて、便器内部、すなわち、前記水洗動作での汚れの除去が困難である、特に、ボウル部１５ａの上端付近やリム部１５ｂの底辺、内辺などを洗浄ノズル１２から噴出される洗浄水により洗浄する構成となっている。
【００２１】
洗浄ノズル１２は、図２に示すように、ボウル部１５ａの後方から便器内部の空間の略中央に、その洗浄水噴出口１２ａが位置するように、便蓋・便座設置部１７内の洗浄ノズル駆動機構（不図示）により伸長駆動され、洗浄水を便器内部に向けて噴出する構成となっている。すなわち、図１では、洗浄ノズル１２が伸長駆動されていない状態を示しており、前述のように自動水洗システムによる水洗動作後、洗浄ノズル１２を駆動し、図２に示す状態となるように構成されている。
【００２２】
本実施形態では、洗浄ノズル１２は、人体局部に向けて洗浄水を噴出する人体局部用の噴出口１２ｂと、便器内部に向けて洗浄水を噴出する洗浄水噴出口１２ａを有し、図示のような二段構成とし、人体局部用の噴出口１２ｂを先端とする人体局部用ノズルと、それに回転及び伸縮自在に内装され、洗浄水噴出口１２ａを先端とする便器内部用ノズルから構成されている。
【００２３】
前記のように構成された洗浄ノズル１２は、人体局部を洗浄する際には、人体局部用ノズルのみが、便器後方から伸長され、人体局部用の噴出口１２ｂのみより洗浄水を噴出し、また、便器内部を洗浄する際には、人体局部用ノズルとともに便器内部用ノズルも伸長され、洗浄水噴出口１２ａより洗浄水を噴出する構成となっている。
更に、便器内部用ノズルは、洗浄水の噴出中には、回転作動、伸縮作動するように構成されており、これにより、便器内部の全体に洗浄水が噴出されるようになっている。
【００２４】
次に図１及び図２に基づいて、本実施形態の着座面防水手段について説明する。
着座面防水手段は、本実施形態では、便座１４の開口部１４ｂに応じた環状壁部１１を、便蓋１３の裏面に突設した構造、すなわち、便座１４の開口部１４ｂの形状に併せて、略楕円形の環状に突設させ、その突設高さは、図２に示すように、環状壁部１１の外周面が、便座１４の開口部１４ｂの内周縁に当接するような高さとされている。
【００２５】
前記のように構成された環状壁部１１は、便蓋１３を閉じた状態では、便座１４の開口部１４ｂに嵌入されて、前記のような洗浄手段による自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座１４の着座面１４ａへの付着を防ぐ着座面防水手段として機能する。
すなわち、図２に示すように洗浄ノズル１２の洗浄水噴出口１２ａより洗浄水が噴出されると、ボウル部１５ａの全体、リム部１５ｂの底辺や内辺、上辺の一部及び便座１４の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座１４の着座面１４ａは、環状壁部１１により便器内部と便座１４の着座面１４ａとの間に空隙が形成されず洗浄水が付着しない構成となっている。
【００２６】
前記構成によれば、簡易な構成により便座１４の着座面１４ａへの洗浄水の付着を防止することができ、自動洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となる。
尚、環状壁部１１として、本実施形態では、ゴムなどの弾性体により形成されたものを適用しているが、どのようなものでもよく、例えば、熱可塑性の合成樹脂材で形成されたものでもよい。また、シール性のない合成樹脂材で形成する場合は、便座１４の開口部１４ｂとの当接部位にシール部材を設けることが好ましい。これにより、確実に便器内部から便座１４の着座面１４ａへの洗浄水の漏水を防止することができる。
【００２７】
また、洗浄手段としては前記した洗浄ノズル１２に限られず、人体局部用のノズルとは別体として洗浄ノズルを設けてもよく、また、洗浄ノズルではなく、例えば、洗浄水を微粒子状にしたミストを発生させるミスト発生器をサイドカバー１８内などに設け、ファンにより便器内部全体をミストにより洗浄する構成としてもよい。このような構成によれば、便器内部の隅々にまでミストが行き渡り十分な洗浄をすることができる。
【００２８】
更に、洗浄手段による便器内部の洗浄後は、例えば、温風乾燥装置により便器内部を乾燥させる構成としてもよい。温風乾燥装置としては、公知の人体局部の洗浄後に乾燥する装置などを便器内部の乾燥として兼用してもよく、このような構成によれば、カビの発生などを抑制することができる。
【００２９】
更にまた、洗浄手段による便器内部の洗浄中は、ボウル部からの汚物や水洗用水を排出する際に作動させるトラップ部（不図示）、例えばターントラップ方式のトラップ部を、水洗動作時同様に作動させてもよい。これにより、ボウル部に洗浄水が貯水されることなく排出されるため、ボウル部下方まで十分に洗浄を行え、また、洗浄水がボウル部に満水となることなく便器外部へも溢水することがない。
また、洗浄手段による便器内部の洗浄中は、洗浄中であることをブザーやランプにより報知する構成としてもよい。
【００３０】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図３（ａ）及び（ｂ）は、第２実施形態に係る洋風便器装置を示し、（ａ）は、本実施形態に係る洋風便器装置が備える便蓋の斜視図、（ｂ）は、便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【００３１】
第１実施形態との相違点は、便蓋１３に設けられる着座面防水手段の構成であり、他の構成は、第１実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
尚、図３（ｂ）では、洗浄ノズル１２（洗浄手段）が伸長駆動されていない状態を示している。
【００３２】
詳しくは、図示のように本実施形態に係る洋風便器装置１０Ａが備える便蓋１３には、着座面防水手段として、弾性体２１を便蓋１３の裏面の全面に取付けた構造とされている。
弾性体２１は、便座１４の開口部１４ｂに応じた膨出部２１ａを有しており、更に、本実施形態では、弾性体２１は、便座１４の着座面１４ａの形状に併せた形状とし、着座面１４ａの略全面に弾性体２１が当接するように形成されている。
【００３３】
前記のように構成された弾性体２１は、便蓋１３を閉じた状態では、便座１４の開口部１４ｂに膨出部２１ａを嵌入させて、第１実施形態と同様、洗浄手段による自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座１４の着座面１４ａへの付着を防ぐ着座面防水手段として機能する。
すなわち、洗浄ノズル１２の洗浄水噴出口１２ａより洗浄水が噴出されると（図２参照）、ボウル部１５ａの全体、リム部１５ｂの底辺や内辺、上辺の一部及び便座１４の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座１４の着座面１４ａは、弾性体２１により便器内部と便座１４の着座面１４ａとの間に空隙が形成されず洗浄水が付着しない構成となっている。
【００３４】
前記構成によれば、便座１４の着座面１４ａへの洗浄水の付着を防止することができ、自動洗浄直後でも不快感を伴うことなく使用が可能な洋風便器装置となるとともに、便座１４と便蓋１３との当接する範囲が広くなり、便蓋１３と便座１４との開閉動作の衝撃を、従来の便蓋に比べてより効果的に吸収することができる。
また、座位にて使用する場合に、便蓋１３の裏面に取付けられた弾性体２１が、人体背側のクッションにもなる。
【００３５】
更に、本実施形態のように、弾性体２１の形状を、便座１４の着座面１４ａの形状に併せた形状とし、着座面１４ａの略全面に弾性体２１が当接するような構成とすれば、便蓋１３を閉じた状態、すなわち、洋風便器装置１０Ａが使用されていない待機状態では、便座１４の着座面１４ａの保温性を向上させることができる。
また、近年、多用されている便座を加熱する装置を備えた暖房便座であれば、前記構成により、更に、保温性を向上させることができ、また、節電を図ることができる。
【００３６】
尚、弾性体２１としては、本実施形態ではゴムを適用しているが、ある程度の弾性力があればどのようなものでもよく、熱可塑性の合成樹脂材や断熱性のある独立発泡体などで形成してもよい。また、便蓋１３を軽量とするために弾性体２１を中空に形成してもよい。更に、弾性体２１を便蓋１３と一体成形としてもよい。
【００３７】
次に、本発明に係る洋風便器装置が備える便蓋の変形例を図４に基づいて説明する。
図４は、図２における一点鎖線で示した部分の変形例を示す拡大縦断面図である。
尚、本変形例は、第１実施形態に限られず第２実施形態や他の本発明に係る実施の形態にも適用可能である。
【００３８】
詳しくは、本変形例では、便蓋１３と便器本体１９の上端周辺との隙間には、シール部材３０を介在させている。
シール部材３０は、便蓋１３を閉じた状態で、便蓋１３の下方に突設した便蓋縁部１３ａの下端（便蓋１３を閉じた状態における下端を指す）に沿って周状に配設されており、便蓋１３を閉じると、シール部材３０が、便器本体１９の上端、すなわち、本変形例では、リム部１５ｂの上辺の略全周に亙って当接し、便蓋１３と便器本体１９との間に空隙が形成されないように構成されている。
【００３９】
前記構成によれば、前述のような水洗動作や、洗浄手段による便器内部の自動洗浄時にも水洗用水や洗浄水が便器外部に飛散しない構成となる。
すなわち、洗浄手段から噴出された洗浄水は、前述のようにボウル部１５ａの全体、リム部１５ｂの底辺や内辺、上辺の一部及び便座１４の裏面の一部などは十分に洗浄水の噴出により洗浄されるが、便座１４の着座面１４ａには、前述の着座面防水手段により洗浄水が付着せず、更に、便器外部へも洗浄水が飛散しない構成となる。
また、特に寒冷地等では、便蓋１３を閉じると便器内部の空間の密封性、保温性が増すため、ボウル部１５ａに常時溜められている溜水の凍結を防止することができる。
【００４０】
更に、本変形例のように便蓋縁部１３ａの下端にシール部材３０を配設する構成とし、便蓋１３とスカート部１６とに段差が形成されないような構成とすれば、便蓋１３を閉じた状態では、すっきりとした清潔感に溢れるデザイン性の良い洋風便器装置となるとともに、便蓋１３を閉じた状態で使用者が便蓋１３やスカート部１６の外面の清掃を行い易いものとなる。
【００４１】
尚、シール部材としては、水密性のある部材であればどのようなものでもよく、また、配設箇所としては、本変形例に示したものに限られず、例えば、便蓋１３の形状をスカート部１６よりも大、例えば、便蓋縁部１３ａの内径をスカート部１６の外径よりも大となるように形成し、便蓋縁部１３ａの下方への突出高さを更に高く形成して、その内周端縁にシール部材を配設する構成として、スカート部１６の上端外周部に該シール部材が当接するような構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】本発明に係る洋風便器装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。
【図２】本発明に係る洋風便器装置の同実施形態における便蓋を閉じた状態の一部破断側面図である。
【図３】本発明に係る洋風便器装置が備える便蓋の他の実施形態を示し、（ａ）は斜視図、（ｂ）は便蓋を閉じた状態の要部縦断面図である。
【図４】本発明に係る洋風便器装置が備える便蓋の変形例を示す要部拡大縦断面図である。
【図５】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【００４３】
１０、１０Ａ 洋風便器装置
１１ 環状壁部（着座面防水手段）
１２ 洗浄ノズル（洗浄手段）
１３ 便蓋
１４ 便座
１４ａ 便座の着座面
１４ｂ 便座の開口部
１９ 便器本体
２１ 弾性体（着座面防水手段）
２１ａ 膨出部（着座面防水手段）
３０ シール部材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
便器本体が備える便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えた洋風便器装置であって、
前記便蓋は、自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座の着座面への付着を防ぐ着座面防水手段を設けていることを特徴とする自動洗浄機能を備えた洋風便器装置。
【請求項２】
請求項１において、
前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた環状壁部を、前記便蓋の裏面に突設した構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記環状壁部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項３】
請求項１において、
前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた膨出部を有する弾性体を、前記便蓋の裏面の全面に取付けた構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記膨出部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれか１項において、
前記便蓋と前記便器本体の上端周辺との隙間には、シール部材を介在させていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項１】
便器本体が備える便蓋を閉じた状態で便器内部を自動洗浄する洗浄手段を備えた洋風便器装置であって、
前記便蓋は、自動洗浄時に便器内部で噴出される洗浄水の便座の着座面への付着を防ぐ着座面防水手段を設けていることを特徴とする自動洗浄機能を備えた洋風便器装置。
【請求項２】
請求項１において、
前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた環状壁部を、前記便蓋の裏面に突設した構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記環状壁部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項３】
請求項１において、
前記着座面防水手段は、前記便座の開口部に応じた膨出部を有する弾性体を、前記便蓋の裏面の全面に取付けた構造とされ、前記便蓋を閉じたときに、前記膨出部を前記便座の開口部に嵌入させて、該便座の着座面への洗浄水の付着を防ぐようにしていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれか１項において、
前記便蓋と前記便器本体の上端周辺との隙間には、シール部材を介在させていることを特徴とする洋風便器装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００８−２５２６４（Ｐ２００８−２５２６４Ａ）
【公開日】平成２０年２月７日（２００８．２．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２００６６７（Ｐ２００６−２００６６７）
【出願日】平成１８年７月２４日（２００６．７．２４）
【出願人】（０００００５８３２）松下電工株式会社 (17,916)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年２月７日（２００８．２．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年７月２４日（２００６．７．２４）
【出願人】（０００００５８３２）松下電工株式会社 (17,916)
【Ｆターム（参考）】
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