説明

洗剤及び洗浄剤用の添加剤

テレフタル酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、場合によりプロピレングリコール、C−C−アルキルポリアルケングリコールエーテル、及び多官能性架橋性モノマーからなる、ノニオン性ポリエステルの形の添加剤が開示される。これらのポリエステルは、好ましくは、8超の流動ファクターffを有し、及び好ましくは40℃超の融点、並びに4,000〜15,000g/モルの分子量Mpを有する。これらのポリエステルは、洗剤及び洗浄剤中のソイルリリース成分として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレフタル酸(ジメチルエステル)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、及び架橋作用を有する多官能性モノマーからの構造単位を含む、固形の自由流動性の形態のポリエステルの形の洗剤及び洗浄剤(Wasch− und Reinigungsmittel)用添加剤に関する。前記ポリエステルは、好ましくは、40℃を超える溶融温度、>8の流動ファクターff、及び4,000〜16,000の範囲の分子量Mを有する。
【0002】
芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸またはイソフタル酸と、ジオール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコールの群からのモノマーとから製造されたポリエステル、及び“ソイルリリースポリマー(SRP)”としてのそれの使用は昔から知られており、多くの特許文献に記載されている。
【0003】
米国特許第3,893,929号明細書(特許文献1)には、テキスタイル材料(Texil)の製造の際にポリエステル布帛をSRPで仕上げ処理するための酸性水性浴の形の剤が記載されており、この際、使用されるSRPは、ジカルボン酸と、一種またはそれ以上のポリグリコール、好ましくは1,500〜2,000の範囲の分子量を有するPEGとから製造されたものである。
【0004】
独国特許出願公開第3324258号明細書(特許文献2)には、15,000〜50,000の分子量を有するポリエチレンテレフタレート−及びポリオキシエチレンテレフタレート−単位からなるポリマーが記載されており、この際、前記ポリエチレングリコール単位(PEG)の分子量は2,500〜5,000の範囲であり、及びこの文献にはそれのソイルリリース効果が強調されている。このソイルリリースポリマー(SRP)の欠点は、これらがテキスタイル材料の表面にだけでなく、染料及び汚れ粒子にも吸着し、これがまたもやテキスタイル材料に付着して残ることである。
【0005】
米国特許第3,962,152号明細書(特許文献3)には、エチレンテレフタレート及びポリエチレングリコールからなる分子量40,000〜50,000のSRPを含む洗剤が開示されている。これらの高分子量SRPは水溶性が低く、そのためテキスタイル材料に対するソイルリリース効果は不十分である。
【0006】
米国特許第4,702,857号明細書(特許文献4)は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコールまたはこれらの混合物、一方の末端が短鎖アルキル基、特にメチル基でキャップされたグリコール単位数が少なくとも10のポリエチレングリコール、ジカルボン酸またはジカルボン酸エステル、及び場合により、スルホン化された芳香族ジカルボン酸のアルカリ塩からなるポリエステルを特許請求している。
【0007】
国際公開第02/18474号パンフレット(特許文献5)では、モノマー単位としてのジカルボン酸、ジオール及びアルキレンオキシドからなる室温で液状で流動性のノニオン性オリゴエステル、及び硬質表面の洗浄のためのそれの使用が記載されている。固形の調合物には、これらのオリゴエステルは、その粘着性の故に不向きである。
【0008】
欧州特許出願公開第253567号明細書(特許文献6)には、テレフタル酸及びポリエチレングリコールからなるSRPが開示されており、その分子量は900〜9,000の範囲であり、その際、使用されるポリエチレングリコール単位の分子量は300〜3,000の範囲である。
【0009】
これらの種のポリエステルは液状乃ワックス様固形物であるが、粘着性であるかまたは貯蔵中に粘着性になる傾向があり、固形の自由流動性の調合物にとっては扱いづらいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,893,929号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3324258号明細書
【特許文献3】米国特許第3,962,152号明細書
【特許文献4】米国特許第4,702,857号明細書
【特許文献5】国際公開第02/18474号パンフレット
【特許文献6】欧州特許出願公開第253567号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第442101号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第854136−A1号明細書
【特許文献9】米国特許第3,332,880号明細書
【特許文献10】英国特許出願公開第1,082,179号明細書
【特許文献11】米国特許第4,664,839号明細書
【特許文献12】米国特許第3,985,669号明細書
【特許文献13】米国特許第4,605,509号明細書
【特許文献14】欧州特許出願公開第0384070号明細書
【特許文献15】米国特許第3,128,287号明細書
【特許文献16】米国特許第3,635,830号明細書
【特許文献17】米国特許第4,663,071号明細書
【特許文献18】米国特許第4,566,984号明細書
【特許文献19】米国特許第3,159,581号明細書
【特許文献20】米国特許第3,213,030号明細書
【特許文献21】米国特許第3,422,021号明細書
【特許文献22】米国特許第3,400,148号明細書
【特許文献23】米国特許第3,422,137号明細書
【特許文献24】米国特許第4,374,035号明細書
【特許文献25】国際公開第91/17243号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】”The Journal of the American Oil Chemists Society” 52 (1975), pp. 323−329
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それ故、非常に良好なソイルリリース効果を有し、それと同時に固形で加水分解安定性でかつ粘着性でないポリエステルを提供するという課題があった。これらは、洗剤及び洗浄剤に慣用の添加物及び助剤と相溶性であるべきであり、かつ固形の調合物に簡単に配合できるべきである。またこれらは、60℃未満の温度で水中に容易に分散可能であるべきであり、そして洗剤及び洗浄剤中においてそれらの作用は完全に発揮されるべきである。加えて、これらは、大きいエネルギーの投入無しで、貯蔵安定性の顆粒物の形に加工できるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、上記の課題は、以下に記載のポリエステルの形態の添加剤によって解消されることが見出された。
【0014】
本発明の対象は、
a) 芳香族ジカルボン酸及び/またはそれのC〜Cアルキルエステル、
b) エチレングリコール、
c) 1,2−プロピレングリコール、
d) 平均モル質量[M]が200〜8,000g/モルのポリエチレングリコール、
e) ポリアルキレングリコールエーテルの平均モル質量が200〜5,000のC〜C−アルキルポリアルキレングリコールエーテル、及び
f) 多官能性化合物、
の重縮合によって得られ、この際、それぞれ成分a)1モルに対する成分b)、c)、d)、e)及びf)のモル比が、成分b)は0.1〜4モル; 成分c)は0〜4モル; 成分d)は0.1〜0.5モル; 成分e)は0〜0.5モル、及び成分f)は0〜0.25モルである、洗剤及び洗浄剤用の添加剤である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記添加剤は、ポリエステルまたはオリゴエステルである。これらは、40℃を超える温度で固体であり、数週間に渡る貯蔵の際に粘着性にならず、かつこれらは、際立ったソイルリリース作用を示す。これらのノニオン性ポリエステルは、望ましい粒度分布を有する顆粒物に変えることができる。
【0016】
好ましいものは、それぞれ成分a)1モルに対し成分b)、c)、d)、e)及びf)のモル比が、成分b)は1.0〜2.5モル; 成分c)は0モル; 成分d)は0.1〜0.4モル; 成分e)は0〜0.25モル、及び成分f)は0〜0.2モルである、上に定義した添加剤である。
【0017】
特に好ましいものは、それぞれ成分a)1モルに対し、成分b)、c)、d)、e)及びf)のモル比が、成分b)は1.0〜2.5モル; 成分c)は0モル; 成分d)は0.1〜0.3モル; 成分e)は0〜0.2モル、及び成分f)は0〜0.1モルである添加剤である。
【0018】
更に特に好ましいものは、成分a)がテレフタル酸及び/またはテレフタル酸ジメチルエステルであることを特徴とする添加剤である。
【0019】
また同様に、ポリエチレンルグリコールd)が、2,000〜7,000、特に5,000〜6,000、非常に好ましくは6,000の平均モル質量[M]を有する添加剤も特に好ましい。
【0020】
好ましいものは、8超、特に10〜30の流動ファクターffcを有する、上に定義した添加剤である。
【0021】
好ましくは、これらの添加剤は、追加的に、40℃超、好ましくは50超、特に55℃超の(示差走査熱量測定から最大ピークとして定義される)融点を有する。
【0022】
また、前記で定義した流動ファクター及び融点の他、狭い分布のポリエチレングリコール標準に対して測定して4,000〜16,000g/モルの(ゲル透過クロマトグラフィGPCからの)最大ピークを有する分子量Mを有する、上に定義した添加剤も好ましい。
【0023】
同様に、分子量Mpが、4,000〜15,000g/モル、好ましくは6,000〜14,000g/モル、特に好ましくは6,500〜13,000g/モル、非常に好ましくは7,000〜12,000g/モルの範囲であることを特徴とする、上に定義される添加剤も非常に好ましい。
【0024】
成分e)としては、平均モル質量[Mn]が100〜2,000g/モルのポリ[エチレングリコール−プロピレングリコール]−モノメチルエーテル、及び一般式CH−O−(CO)−H(式中、nは≧1〜99であり、好ましくはnは1〜20である)のポリエチレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
【0025】
成分e)としては、一般式CH−O−(CO)−H(nは2〜10である)のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが非常に特に好ましい。
【0026】
構造単位a)、b)、c)、d)及びe)から生ずる線状ポリエステルの他に、架橋または分枝したポリエステル構造も本発明の目的において可能である。これは、架橋作用を持つ多官能性化合物f)の存在によって表現される。
【0027】
これに好ましい例は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸及び没食子酸、特に好ましくは2,2−ジヒドロキシメチルプロピオン酸である。更に、好ましくは、多価アルコール、例えばペンタエリトリトール、グリセリン、ソルビトール及びトリメチロールプロパン、または多価脂肪族もしくは芳香族カルボン酸、例えばベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸(ヘミメリット酸)、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸(トリメリット酸)、特に好ましくはベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸(トリメシン酸)が使用される。
【0028】
これらのポリエステルの利点は、それらが0℃〜40℃の貯蔵の際に数ヶ月にを超えて自由流動性のままであり、しかも全く粘着性を示さないという点にある。更に、これらは水中に良好に分散可能である。
【0029】
本発明のポリエステルの合成は、上記の成分を、触媒の添加の下に、先ず、常圧で160〜約220℃の温度に不活性雰囲気の使用下に加熱することによって、それ自体既知の方法に従い行われる。次いで、必要な分子量を、真空中で160〜約240℃の温度下に、使用したグリコール類の超化学量論量を留去することによって築く。この反応には、従来技術の既知のエステル交換及び縮合触媒、例えばチタンテトライソプロピレート、ジブチルスズオキシド、アルカリ−またはアルカリ土類金属アルコレートまたは三酸化アンチモン/酢酸カルシウムが適している。該方法の実施のための更なる詳細に関しては、欧州特許出願公開第442101号明細書(特許文献7)を参照されたい。
【0030】
本発明のポリエステルを製造するための一つの好ましい方法は、上記成分の縮合をワンポットプロセスで行い、この際、エステル交換−及び縮合触媒を加熱の前に加えることを特徴とする。
【0031】
本発明のポリエステルは、固体のコンシステンシーを有し、そして簡単な方法で定められた粒度を有する顆粒物に加工することができる。
【0032】
本発明のポリエステルの造粒は、合成の際に溶融物として生じたポリエステルを冷却によって固化する方法で行うことができる。原則的に、ガス流中での冷却、例えば噴霧冷却塔、顆粒化塔(Prillturm)及び押出造粒における空冷区域などでの冷却が考えられ得る。好ましくは、冷却は、冷却された表面上で、例えば圧扁ロール(Schuppenwalze)または冷却ベルト上で行われる。この際、溶融物は0〜40℃、好ましくは10〜30℃の冷却表面温度において供されそして固化される。
【0033】
こうして得られたフレーク、プレート破片または成形体は、次いで、粉砕及び篩分けによって所望の粒度にすることができる。細化のためには、多くの粉砕装置、例えばカッティングミル(Scheidmuehle)またはスクリーンミル(Siebmuehle)が適している。
【0034】
こうして製造された顆粒物の粒度は一般的に100μm〜2,000μm、好ましくは200μm〜1,800μm、特に好ましくは300μm〜1,200μmの範囲である。嵩密度は400〜700kg/mの範囲である。該ポリエステル顆粒物の自由流動性または流動性は、所謂、流動ファクターffc及びジェニケ(Jenike)類別によって記載することができる。典型的には、該顆粒物は、貯蔵後でさえ非常に良好な自由流動性を示し、>8の流動ファクターが得られる。
【0035】
本発明の対象は、更に、洗剤及び洗浄剤、テキスタイル材料手入れ剤及びテキスタイル材料の仕上げのための剤中での本発明のポリエステルの使用である。本発明のポリエステルは、テキスタイル繊維にかなり向上した防汚性を与え、そして油・脂肪性の汚れまたは色素汚れに対して他の洗剤成分のソイルリリース挙動をかなりの程度で援助する。
【0036】
更に、洗濯物用の後処理剤、例えば柔軟剤中での本発明のポリエステルの使用も有利であり得る。
【0037】
本発明のポリエステルを使用できる洗剤及び洗浄剤調合物は、粉末状、顆粒状、ペースト状、ジェル状または液状である。
【0038】
それの例は、一般ランドリー洗剤(Vollwaschmittel)、マイルド洗剤、色物用洗剤、ウール用洗剤、カーテン用洗剤(Gardinenwaschmittel)、モジュラー洗剤、タブレット状洗剤、染み取り剤(Fleckensalze)、洗濯糊及び棒状石鹸、並びにアイロン掛け用の助剤である。
【0039】
本発明のポリエステルは、家庭用洗浄剤、例えば汎用洗浄剤、食器洗い用洗浄剤、床用及び他の硬質表面、例えばプラスチック、セラミック、ガラスからなる硬質表面用の洗浄剤及び手入れ剤中に配合することもできる。
【0040】
工業用洗浄剤の例は、プラスチック用の洗浄剤及び手入れ剤、例えばケース及び自動車の装備品用の洗浄剤及び手入れ剤、並びに塗装した表面、例えば自動車の車体用の洗浄剤及び手入れ剤である。
【0041】
本発明の洗剤調合物、手入れ用調合物及び洗浄剤調合物は、完成した調合物を基準にして少なくとも0.1重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.2〜3重量%の割合で本発明のポリエステルを含む。
【0042】
該調合物は、それらの意図された用途に応じて、処理すべきまたは洗浄すべきテキスタイル材料の種類に合わせてその組成を適合させる。
【0043】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、慣用の成分、例えば界面活性剤、乳化剤、ビルダー、漂白触媒及び活性化剤、金属イオン封鎖剤、黒ずみ防止剤、色移り防止剤、染料固着剤、酵素、蛍光増白剤、並びに柔軟性成分を含むことができる。更に、調合物または調合物の一部は、本発明の目的において、染料及び/またはフレグランスによって着色及び/または香り付けすることができる。
【0044】
完成した洗剤及び洗浄剤調合物中での界面活性剤の総濃度は、1〜99%、好ましくは5〜80%(全て重量%)であることができる。使用される界面活性剤は、アニオン性、ノニオン性、両性及びカチオン性であることができる。上記の界面活性剤の混合物も使用できる。好ましい洗剤及び洗浄剤調合物は、アニオン性及び/またはノニオン性界面活性剤、及びこれらと他の界面活性剤との混合物を含む。
【0045】
アニオン性界面活性剤としては、スルフェート、スルホネート、カルボキシレート、ホスフェート及びこれらの混合物が挙げられる。この際、適当なカチオンは、アルカリ金属、例えばナトリウムもしくはカリウム、またはアルカリ土類金属、例えばカルシウムもしくはマグネシウム、並びにアンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウムカチオンも含んで、置換されたアンモニウム化合物、及びこれらの混合物である。以下のタイプのアニオン性界面活性剤、すなわち例えば以下に挙げるもののような、アルキルエステルスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、及び石鹸が特に関心が持たれる。
【0046】
アルキルエステルスルホネートは、中でも、”The Journal of the American Oil Chemists Society” 52 (1975),pp.323−329(非特許文献1)に記載されるように、ガス状SOでスルホン化された、C〜C20−カルボキシル酸(すなわち脂肪酸)の線状エステルである。適当な原料は、天然の脂肪、例えば獣脂、ココナッツ油及びパーム油であるが、合成して得られたものでもよい。特に洗剤用途用の好ましいアルキルエステルスルホネートは、以下の式の化合物である。
【0047】
【化1】

【0048】
[式中、Rは、C〜C20炭化水素基、好ましくはアルキルを表し、そしてRは、C〜C炭化水素基、好ましくはアルキルを表す。Mは、アルキルエステルスルホネートと水溶性の塩を形成するカチオンを表す。適当なカチオンは、ナトリウム、カリウム、リチウムまたはアンモニウムカチオン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。好ましくは、Rは、C10〜C16アルキルを意味し、Rはメチル、エチルまたはイソプロピルを意味する。特に好ましいものは、RがC10〜C16アルキル基を意味するメチルエステルスルホネートである。
【0049】
アルキルスルフェートは、式ROSOMの水溶性の塩または酸であり、式中、Rは、C10〜C24−炭化水素基、好ましくはC10〜C20アルキル成分を有するアルキル−またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12〜C18アルキル−またはヒドロキシアルキル基である。Mは、水素またはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)またはアンモニウムもしくは置換されたアンモニウム、例えばメチル−、ジメチル−及びトリメチルアンモニウムカチオン、及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム−及びジメチルジピペリジニウムカチオン、及びエチレンアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される第四アンモニウムカチオンである。C12〜C16アルキル鎖は低い洗濯温度(例えば約50℃以下)に、C16〜C18を有するアルキル鎖はより高い洗濯温度(例えば約50℃以上)に好ましい。
【0050】
アルキルエーテルスルフェートは、式RO(A)SOMの水溶性の塩または酸であり、式中、Rは、置換されていないC10〜C24アルキル−またはヒドロキシアルキル基、好ましくはC12〜C20−アルキル−またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12〜C18−アルキル−またはヒドロキシアルキル基を表す。Aはエトキシ−またはプロポキシ単位であり、mは0より大きい数、好ましくは約0.5〜約6、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、Mは、水素原子またはカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムまたは置換されたアンモニウムカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの具体例は、メチル−、ジメチル−、トリメチルアンモニウム−及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導されるこのようなカチオンである。例としては、C12〜C18脂肪アルコールエーテルスルフェートが挙げられ、この際、脂肪アルコールエーテルスルフェート1モル当たりのEOの含有量は1、2、2.5、3または4モルであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。
【0051】
第二アルカンスルホネートでは、アルキル基は、飽和または不飽和で、分枝状または線状で、場合によりヒドロキシル基で置換されていることができる。スルホ基は、C鎖の任意の位置に存在することができ、この際、鎖の始端及び終端の第一メチル基はスルホネート基を持たない。好ましい第二アルカンスルホネートは、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約20、特に好ましくは約13〜17の線状アルキル鎖を含む。カチオンは、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−またはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、及びこれらの混合物である。ナトリウムがカチオンとして好ましい。
【0052】
第二アルカンスルホネートの他に、第一アルカンスルホネートも本発明の洗剤及び洗浄剤中に使用できる。好ましいアルキル鎖及びカチオンは、第二アルカンスルホネートについて述べたものと同じである。
【0053】
界面活性剤として作用する相当するスルホネートの製造の原料となる第一アルカンスルホネートの製造法は、例えば、欧州特許出願公開第854136−A1号明細書(特許文献8)に記載されている。
【0054】
更に別の好適なアニオン性界面活性剤は、アルケニル−またはアルキルベンゼンスルホネートである。そのアルケニル−またはアルキル基は、分枝状または線状で、場合によりヒドロキシル基で置換されていることができる。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約13の線状アルキル鎖を含み、カチオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、及びこれらの混合物である。マイルドな界面活性剤系には、マグネシウムがカチオンとして好ましく、これに対して標準的な洗濯用途にはナトリウムが好ましい。これと同じことがアルケニルベンゼンスルホネートでも言える。
【0055】
アニオン性界面活性剤という用語には、C12〜C24−、好ましくはC14〜C16−アルファ−オレフィンを三酸化硫黄でスルホン化し、次いで中和することによって得られるオレフィンスルホネートも包含される。製造プロセスに起因して、これらのオレフィンスルホネートは、比較的少量のヒドロキシアルカンスルホネート及びアルカンジスルホネートを含み得る。α−オレフィンスルホネートの具体的な混合物は米国特許第3,332,880号明細書(特許文献9)に記載されている。
【0056】
更に別の好ましいアニオン性界面活性剤は、カルボキシレート、例えば脂肪酸石鹸及びこれと同等の界面活性剤である。石鹸は飽和または不飽和であることができ、そして様々な置換基、例えばヒドロキシル基またはα−スルホネート基を含むことができる。好ましいものは、炭素原子数が約6〜約30、好ましくは約10〜約18の疎水性部分として線状の飽和または不飽和炭化水素基である。
【0057】
更に、アニオン性界面活性剤として、アシルアミノカルボン酸、アルカリ性媒体中での脂肪酸塩化物とサルコシン酸ナトリウムとの反応によって生ずるアシルサルコシネート; 脂肪酸塩化物とオリゴペプチドとの反応によって得られる脂肪酸−タンパク質縮合生成物; アルキルスルファミドカルボン酸の塩; アルキル−及びアルキルアリールエーテルカルボン酸の塩; C〜C24オレフィンスルホネート、クエン酸アルカリ土類金属塩の熱分解生成物をスルホン化することによって製造されるスルホン化されたポリカルボキシル酸、例えば英国特許出願公開第1,082,179号明細書(特許文献10)に記載のもの; アルキルグリセリンスルフェート、オレイルグリセリンスルフェート、アルキルフェノールエーテルスルフェート、第一パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、イセチオネート、例えばアシルイセチオネート、N−アシルタウリド、アルキルスクシネート、スルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に飽和及び不飽和C12〜C18モノエステル)及びスルホスクシネートのジエステル(特に飽和及び不飽和C12〜C18ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリサッカライドのスルフェート、例えばアルキルポリグリコシドのスルフェート、分枝状第一アルキルスルフェート及びアルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CHCHCHCOO(式中、RはC〜C22アルキルであり、kは0〜10の数であり、そしてMはカチオンである)で表されるもの、樹脂酸または水素化樹脂酸、例えばロジンまたは水素化ロジン、またはトール油樹脂及びトール油樹脂酸が挙げられる。
【0058】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば次の化合物、すなわちアルキルフェノールのポリエチレン−、ポリプロピレン−及びポリブチレンオキシド縮合物が挙げられる。
【0059】
これらの化合物には、線状または分枝状であることができるC〜C20アルキル基を有するアルキルフェノールとアルケンオキシドとの縮合生成物が包含される。好ましいものは、アルキルフェノール1モル当たり約5〜25モルのアルケンオキシドを有する化合物である。この種の商業的に入手可能な界面活性剤は、例えば、Igepal(登録商標)CO−630、Triton(登録商標)X−45、X−114、X−100及びX102、並びにClariant Produkte(Deutschland)GmbHのArkopal(登録商標)−Nブランド品である。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールアルコキシレート、例えばアルキルフェノールエトキシレートと称される。
約1〜約25モルのエチレンオキシドを有する脂肪族アルコールの縮合生成物。
【0060】
脂肪族アルコールのアルキル鎖は、線状または分枝状、第一または第二であることができ、そして一般的に約8〜約22個の炭素原子を含む。特に好ましいものは、アルコール1モル当たり約2〜約18モルのエチレンオキシドを有するC10〜C20アルコールの縮合生成物である。アルキル鎖は飽和でも不飽和でもよい。このアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭い同族体分布(“狭範エトキシレート”)または広い同族体分布(“広範エトキシレート”)を有することができる。このタイプの商業的に入手可能なノニオン性界面活性剤の例は、Tergitol(登録商標)15−S−9(9モルのエチレンオキシドを有する線状第二C11〜C15アルコールの縮合生成物)、Tergitol(登録商標)24−L−NMW(狭い分子量分布で6モルのエチレンオキシドを有する線状第一C12〜C14アルコールの縮合生成物)である。同様にClariant Produkte(Deutschland)GmbHのGenapol(登録商標)ブランド品もこの部類の製品に含まれる。
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成された疎水性ベースを有するエチレンオキシドの縮合生成物。
【0061】
これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは約1,500〜約1,800の分子量を有する。この疎水性部分へのエチレンオキシドの付加は、水溶性の向上をもたらす。この材料は、縮合生成物の総重量の約50%のポリオキシエチレン含有率まで液状であり、これは、約40モルのエチレンオキシドとの縮合に相当する。この部類の製品の商業的に入手可能な例は、BASFのPluronic(登録商標)ブランド品及びClariant Produkte(Deutschland)GmbHのGenapol(登録商標)PFブランド品である。
プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合生成物。
【0062】
これらの化合物の疎水性単位は、過剰のプロピレンオキシドとのエチレンオキシドの反応生成物からなり、一般的に約2,500〜3,000の分子量を有する。この疎水性単位に、約40〜約80重量%のポリオキシエチレン含有率及び約5,000〜11,000の分子量までエチレンオキシドを付加する。この部類の化合物の商業的に入手可能な例は、BASFのTetronic(登録商標)ブランド品及びClariant Produkte(Deutschland)GmbHのGenapol(登録商標)PNブランド品である。
【0063】
半極性ノニオン性界面活性剤
ノニオン性化合物のこのカテゴリーは、それぞれ約10〜約18個の炭素原子を有するアルキル基を有する、水溶性アミンオキシド、水溶性ホスフィンオキシド及び水溶性スルホキシドを包含する。以下の式のアミンオキシドも半極性ノニオン性界面活性剤である。
【0064】
【化2】

【0065】
式中、Rは、約8〜約22個の炭素原子の鎖長を有するアルキル−、ヒドロキシアルキル−またはアルキルフェノール基であり、Rは、約2〜3個の炭素原子を有するアルキレン−またはヒドロキシアルキレン基、またはこれらの混合物であり、各Rは、約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル−またはヒドロキシアルキル基、あるいは約1〜約3個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシド基であり、そしてxは0〜約10の数を意味する。R基は、酸素原子または窒素原子を介して互いに結合して、環を形成してもよい。この種のアミンオキシドは、特にC10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及びC〜C12アルコキシエチル−ジヒドロキシエチルアミンオキシドである。
【0066】
脂肪酸アミド
脂肪酸アミドは以下の式を有する。
【0067】
【化3】

【0068】
式中、Rは約7〜約21個、好ましくは約9〜約17個の炭素原子を有するアルキル基であり、各Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキルまたは(CH)を意味し、この際xは約1〜約3の範囲である。好ましいものは、C〜C20−アミド、−モノエタノールアミド、−ジエタノールアミド及び−イソプロパノールアミドである。
【0069】
更に別の好適なノニオン性界面活性剤は、アルキル−及びアルケニルオリゴグリコシド、並びにそれぞれ脂肪アルキル基中に8〜20個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸ポリグリコールエステルまたは脂肪アミノポリグリコールエステル、アルコキシル化されたトリグリカミド、混合エーテルまたは混合ホルミル、アルキルグリコグリコシド、アルケニルグリコグリコシド、脂肪酸−N−アルキルグルカミド、ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシド及びタンパク質加水分解物である。
【0070】
両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、または次式の両性イミダゾリニウム化合物である。
【0071】
【化4】

【0072】
式中、RはC〜C22−アルキルまたは−アルケニルを意味し、Rは、水素またはCHCOMを意味し、Rは、CHCHOHまたはCHCHOCHCHCOMを意味し、Rは、水素、CHCHOHまたはCHCHCOOMを意味し、Zは、COMまたはCHCOMであり、nは2または3、好ましくは2を意味し、Mは水素またはカチオン、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムを意味する。
【0073】
上記の式の好ましい両性界面活性剤は、モノカルボキシレート及びジカルボキシレートである。これの例は、ココアンフォ(cococmpho)カルボキシプロピオネート、ココアミドカルボキシプロピオン酸、ココアンフォカルボキシグリシネート(またはココアンフォジアセテートとも称される)及びココアンフォアセテートである。
【0074】
更に別の好ましい両性界面活性剤は、線状または分枝状であることができる、炭素原子数約8〜約22のアルキル基、好ましくは炭素原子数8〜18、特に好ましくは炭素原子数約12個〜約18個のアルキル基を有するアルキルジメチルベタイン及びアルキルジポリエトキシベタインである。これらの化合物は、例えば、Clariant Produkte(Deutschland)GmbHからGenagen(登録商標)LABの商品名で販売されている。
【0075】
適当なカチオン性界面活性剤は置換されているかまたは置換されていない直鎖状または分枝状のRN(CHrs、RN(CHrs、RN(CHrsまたはRrsのタイプの第四アンモニウム塩である。R、R、R及びR基は、好ましくは、互いに独立して、炭素原子数8〜24、特に10〜18の鎖長の置換されていないアルキル、炭素原子数約1〜約4のヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C18アルケニル、C〜C24アラルキル、(CO)H(xは約1〜約3を意味する)、一つまたはそれ以上のエステル基を含むアルキル基、または環状第四アンモニウム塩であることができる。Xは、適当なアニオンである。
【0076】
好ましい実施形態では、本発明の洗剤及び洗浄剤は、線状アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、炭素原子数約9〜25、好ましくは約10〜約13の線状アルキル鎖を含み、カチオンはナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、あるいはこれらの混合物である。マイルドな界面活性剤系には、マグネシウムがカチオンとして好ましく、これに対して標準的な洗濯用途にはナトリウムが好ましい。
【0077】
同様に好ましい実施形態では、本発明の洗剤及び洗浄剤は、炭素原子数約9〜25、好ましくは炭素原子数約10〜約20、特に好ましくは炭素原子数約13〜17の線状アルキル鎖を有する第二アルカンスルホネートを含む。カチオンは例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、あるいはこれらの混合物である。ナトリウムがカチオンとして好ましい。
【0078】
同様に好ましい実施形態では、本発明の洗剤及び洗浄剤は、式RO(A)SOMのアルキルエーテルスルフェートを含み、式中、Rは、置換されていないC10〜C24アルキル−またはヒドロキシアルキル基、好ましくはC12〜C20アルキル−またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12〜C18アルキル−またはヒドロキシアルキル基を表す。Aは、エトキシ−またはプロポキシ単位であり、mは0よりも大きい数、好ましくは約0.5〜約6の数、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、Mは水素原子またはカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、または置換されたアンモニウムカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの具体例は、メチル−、ジメチル−、トリメチルアンモニウム−及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導されるこのようカチオンである。例としては、C12〜C18脂肪アルコールエーテルスルフェートが挙げられ、この際、EOの含有量は、脂肪アルコールエーテルスルフェート1モル当たり1、2、2.5、3または4モルであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。
【0079】
乳化剤としては、炭素原子数8〜22の線状もしくは分枝状、飽和もしくは不飽和の脂肪アルコール、炭素原子数12〜22の脂肪酸、アルキル基中の炭素原子数8〜15のアルキルフェノール及びソルビタンエステルに0〜30モルのアルキレンオキシド、特にエチレン−、プロピレン−及び/またはブチレンオキシドが付加した付加生成物;
グリセリンに0〜30モルのエチレンオキシドが付加した付加生成物の(C12〜C18)脂肪酸モノ−及び−ジエステル;
炭素原子数6〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸及び場合によってはそれのエチレンオキシド付加生成物のグリセリンモノ−もしくはジエステル並びにソルビタンモノ−もしくはジエステル;
ヒマシ油及び/または硬化ヒマシ油に5〜60モル、好ましくは15〜60モルのエチレンオキシドが付加した付加生成物;
ポリオール−及び特にはポリグリセリンエステル、例えばポリグリセリンポリリシノレエート及びポリグリセリンポリ−12−ヒドロキシステアレート、
が挙げられる。
【0080】
好ましいものは、エトキシル化された(PEG−10ポリグリセリル−2ラウレート)や、エトキシル化されていない(ポリグリセリル−2セスキイソステアレート)であることができる液状脂肪酸エステルである。
【0081】
更に別の好ましい本発明の混合物は、ソルビトールを脂肪酸メチルエステルまたは脂肪酸トリグリセリドと反応させることによって製造されるソルビトールエステルを含む。脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸トリグリセリド中の脂肪酸基は、一般的に8〜22個の炭素原子を含み、そして直鎖状または分枝状、飽和または不飽和であることができる。これの例は、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸またはオレイン酸である。脂肪酸トリグリセリドとしては、全ての天然の動物または植物性油、脂肪及びワックス、例えばオリーブ油、ナタネ油、パーム核油、ヒマワリ油、ココナッツ油、アマニ油、ヒマシ油、ダイズ油が挙げられ、また場合によりこれらの精製もしくは水素化された形のものも挙げられる。これらの天然の脂肪、油及びワックスは、通常は、様々な鎖長を持つ脂肪酸の混合物であるため、このことは、本発明に従い使用されるソルビトールエステル中の脂肪酸基にも当てはまる。本発明に従い使用されるソルビトールエステルは、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化されていてもよい。更に、アニオン性乳化剤、例えばエトキシル化されているかもしくはエトキシル化されていないモノ−、ジ−もしくはトリ−リン酸エステル、並びにカチオン性乳化剤、例えばモノ−、ジ−及びトリ−アルキルクワート(quat)及びこれらのポリマー性誘導体も使用できる。
【0082】
同様に、上記の部類の物質の複数からなる化合物の混合物も好適である。
【0083】
本発明に含まれることができる更に別の洗剤及び洗浄剤成分には、水の硬度を下げるための無機及び/または有機ビルダーが包含される。
【0084】
これらのビルダーは、該洗剤及び洗浄剤組成物中に約5〜約80%の重量割合で含まれることができる。無機ビルダーには、例えば、ポリホスフェート、例えばトリポリホスフェート、ピロホスフェート、及びガラス様ポリマー性メタホスフェート、ホスホネート、シリケート、ビカーボネート及びセスキカーボネートも含めてカーボネート、スルフェート及びアルミノシリケートのアルカリ−、アンモニウム−及びアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
【0085】
シリケートビルダーの例は、アルカリ金属ケイ酸塩、特にSiO:NaO比率が1.6:1〜3.2:1のアルカリ金属ケイ酸塩、並びに層状ケイ酸塩、例えばClariant Produkte(Deutschland)GmbHからSKS(登録商標)のブランドで入手できる、米国特許第4,664,839号明細書(特許文献11)に記載されるような層状ケイ酸ナトリウムである。SKS−6(登録商標)が特に好ましい層状ケイ酸塩ビルダーである。
【0086】
アルミノシリケートビルダーは、本発明にとって特に好ましい。この際、これは、特に、式Na[(AlO(SiO]・xHOを有するゼオライトであり、式中、x及びyは、少なくとも6の整数を意味し、yに対するzの比率は1.0〜約0.5であり、そしてxは約15〜約264の整数を意味する。
【0087】
アルミノシリケートに基づく適当なイオン交換体は商業的に入手可能である。これらのアルミノシリケートは結晶性または無定型の構造であることができ、そして天然に生ずるものかまたは合成して製造されたものであることができる。アルミノシリケートに基づくイオン交換体の製造方法は、米国特許第3,985,669号明細書(特許文献12)及び米国特許第4,605,509号明細書(特許文献13)に記載されている。合成結晶性アルミノシリケートに基づく好ましいイオン交換体は、ゼオライトA、ゼオライトP(B)(欧州特許出願公開第0384070号明細書(特許文献14)に開示のものも含む)及びゼオライトXの名称で入手できる。好ましいものは、0.1〜10μmの粒径を有するアルミノシリケートである。
【0088】
適当な有機ビルダーには、ポリカルボキシル化合物、例えばエーテルポリカルボキシレート及びオキシジスクシネート、例えば米国特許第3,128,287号明細書(特許文献15)及び米国特許第3,635,830号明細書(特許文献16)に記載のものなどが挙げられる。同様に、米国特許第4,663,071号明細書(特許文献17)からの“TMS/TDS”ビルダーも挙げられる。
【0089】
他の好適なビルダーには、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸のアルカリ−、アンモニウム−及び置換されたアンモニウム塩、並びにポリカルボン酸、例えばメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、並びにこれらの可溶性の塩が挙げられる。
【0090】
シトレート、例えばクエン酸及びそれの可溶性の塩、特にナトリウム塩に基づくビルダーは、好ましいポリカルボン酸ビルダーであり、これも、造粒された調合物中に、特にゼオライト及び/または層状ケイ酸塩と一緒に、使用することができる。
【0091】
更に別の好適なビルダーは、米国特許第4,566,984号明細書(特許文献18)に記載の3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート及びそれの類似の化合物である。
【0092】
リン系のビルダーを使用できる場合、及び特に、手作業での洗濯用の固形石鹸を調製すべき場合には、様々なアルカリ金属リン酸塩、例えばポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム及びオルトリン酸ナトリウムを使用することができる。同様に、ホスホネート系ビルダー、例えばエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート及び他の既知のホスホネート、例えば米国特許第3,159,581号明細書(特許文献19)、米国特許第3,213,030号明細書(特許文献20)、米国特許第3,422,021号明細書(特許文献21)、米国特許第3,400,148号明細書(特許文献22)及び米国特許第3,422,137号明細書(特許文献23)に開示のものなども使用できる。
【0093】
本発明の洗剤及び洗浄剤組成物は、場合により、本発明のポリエステルと反応しない、一種またはそれ以上の慣用の漂白剤、並びに活性化剤または安定化剤、特にパーオキシ酸を含むことができる。
【0094】
パーオキシ酸は、遊離のパーオキシ酸であるか、または無機過酸塩、例えば過ホウ酸ナトリウムまたは過炭酸ナトリウムと、有機パーオキシ前駆体とからなる組み合わせであることができ、前記パーオキシ酸前駆体は、過酸塩とパーオキシ酸前駆体との組み合わせが水に溶解された際にパーオキシ酸に転化される。前記有機パーオキシ酸前駆体は、従来技術においてしばしば漂白活性化剤と称される。
【0095】
本発明での使用に好ましいパーオキシ酸の例には、パーオキシドデカン二酸(DPDA)、パーオキシコハク酸のノニルアミド(NAPSA)、パーオキシアジピン酸のノニルアミド(NAPAA)及びデシルジパーオキシコハク酸(DDPSA)が挙げられる。パーオキシ酸は、好ましくは、米国特許第4,374,035号明細書(特許文献24)に記載の方法に従って、可溶性の顆粒物中に含まれる。好ましい漂白顆粒物は、重量%で表して、発熱可溶性化合物、例えばホウ酸を1%〜50%、パーオキシ酸と相溶性の表面活性物質、例えばC13LASを1%〜25%、一種またはそれ以上のキレート安定化剤、例えばピロリン酸ナトリウムを0.1%〜10%、及び水溶性の塩、例えば硫酸ナトリウムを10%〜70%の割合で含む。
【0096】
パーオキシ酸含有漂白剤は、利用できる酸素を約0.1%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5%、特に約1%〜4%与える量で使用される。上記のパーセンテージの値は、洗浄剤組成物の総重量に基づく値である。
【0097】
15〜60℃の水を約65リットル含む典型的な洗液に使用されるような、本発明の洗剤組成物の単位投与量を基準としたパーオキシ酸含有漂白剤の適当な量は、約1ppm〜約150ppm、好ましくは約2ppm〜約20ppmの量の利用可能な酸素を生じさせる。洗液は、十分な漂白結果を達成するために、7〜11、好ましくは7.5〜10.5のpH値を有するべきである。米国特許第4,374,035号明細書(特許文献24)の第6欄第1行〜第10行を参照されたい。
【0098】
またこれの代わりに、漂白剤組成物は、適当な有機系パーオキシ酸前駆体を含むことができ、この有機系パーオキシ酸前駆体は、水性アルカリ性溶液中で過酸化水素と反応すると上記パーオキシ酸のうちの一つを生じるものである。過酸化水素源は、水溶液中で過酸化水素を遊離するものであれば任意の無機過酸化物であることができ、例えば過ホウ酸ナトリウム(一水和物及び四水和物)及び過炭酸ナトリウムなどがある。
【0099】
漂白活性化剤としては、N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、グルコースペンタアセテート(GPA)、キシローステトラアセテート(TAX)、ナトリウム−4−ベンゾイルオキシ−ベンゼンスルホネート(SBOBS)、トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(STOBS)、テトラアセチルグルコールウリル(TAGU)、テトラアセチルシアン酸(TACA)、ジ−N−アセチルジメチルグリオキシン(ADMG)及び1−フェニル−3−アセチルヒダントイン(PAH)、ノナノイルカプロラクタムフェニル−スルホネートエステル(APES)、ノナノイルフェニルスルホネートエステル(NOPS)、ニトリロトリアセテート(NTA)及びアンモニウムニトリルを利用できる。
【0100】
本発明の洗剤及び洗浄剤組成物は、一種またはそれ以上の慣用の酵素を含むことができる。このような酵素は、例えばリパーゼ類、アミラーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、プルリナーゼ類(Pullinasen)、クチナーゼ類、パーオキシダーゼ類である。プロテアーゼ類としては、BLAP(登録商標)、Opticlean(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Esperase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Purafect(登録商標)、OxP及び/またはDuraxym(登録商標)、アミラーゼ類としては、Termamyl(登録商標)、Amylase−LT(登録商標)、Maxamyl(登録商標)、Duramyl(登録商標)及び/またはPruafect(登録商標)OxAm、リパーゼ類としてはLipolase(登録商標)、Lipomax(登録商標)、Lumafast(登録商標)及び/またはLipozym(登録商標)を利用できる。
【0101】
好ましい酵素の一つはセルラーゼである。ここで使用されるセルラーゼは、細菌または菌類から得ることができ、5〜9.5の最適pH範囲を有するべきである。好ましいセルラーゼ類は、国際公開第91/17243号パンフレット(特許文献25)に記載されている。
【0102】
同様に好ましい酵素はリパーゼ類であり、これは、脂肪分解酵素として、汚れた布からの天然油脂のより良好な脱着を可能にし、そうして本発明のポリエステルをそれらの作用に関して援助し、この際、一般的には相加的効果または相乗的効果さえも達成できる。
【0103】
酵素は、支持物質上に吸着させるか及び/またはコーティング物質中に埋め込むことができる。
【0104】
本発明のポリエステルを含む洗剤及び洗浄剤組成物の重量を基準にして、酵素の割合は、少なくとも0.001重量%、好ましくは約0.001〜約5重量%、特に約0.001〜約1重量%、就中約0.01〜約1重量である。
【0105】
金属イオン封鎖剤には、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、塩、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ポリアクリレート、ホスホネート、シュウ酸、−塩、クエン酸、ゼオライト、縮合ホスフェート、カーボネート、ポリカーボネートを利用できる。
【0106】
黒ずみ防止剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0107】
色移り防止剤、例えばポリアミン−N−オキシド、例えばポリ(4−ビニルピリジン−N−オキシド)、例えばISP社のChromabond S−400、ポリビニルピロリドン、例えばBASF社のSokalan(登録商標)HP50、並びにN−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾール及び場合により他のモノマーとのコポリマーも考慮される。
【0108】
本発明は、作用物質として染料固着剤を含む洗剤及び洗浄剤、例えばジエチレントリアミン、ジシアンジアミド及びアミド硫酸を反応させて得られる染料固着剤、アミンとエピクロロヒドリン、例えばジメチルアミノプロピルとエピクロロヒドリンまたはジメチルアミンとエピクロロヒドリンとを反応させて得られる染料固着剤、またはジシアンジアミド、ホルムアルデヒド及びアンモニウムクロライドをまたはジシアンジアミド、エチレンジアミン及びホルムアルデヒドと反応させて得られる染料固着剤、またはシアナミドをアミン及びホルムアルデヒドとまたはポリアミンをシアナミド及びアミド硫酸と、またはシアナミドをアルデヒド及びアンモニウム塩と反応させて得られる染料固着剤、並びにポリアミン−N−オキシド、例えばポリ−(4−ビニルピリジン−N−オキシド)、例えばISP社のChromabond S−400、ポリビニルピロリドン、例えばBASF社のSokalan(登録商標)HP50、及びN−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾール及び場合により他のモノマーとのコポリマーを含む洗剤及び洗浄剤も包含する。
【0109】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、錯形成剤、例えばアミノカルボキシレート、例えばエチレンジアミンテトラアセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、シクロヘキサンジアミンテトラアセテート、ホスホネート、例えばアザシクロヘプタンジホスホネート、Na塩、ピロホスフェート、エチドロン酸(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエチアン−1,1−ジホスホン酸、アセトホスホン酸)及びそれらの塩、アミノホスホネート、例えばエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホネート)、アミントリメチレンホスホン酸、シクロデキストリン、並びに多官能性に置換された芳香族錯形成剤、例えばジヒドロキシジスルホベンゼンまたはエチレンジアミンジスクシネートを含むことができる。
【0110】
蛍光増白剤としては、環状炭化水素、例えばジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、ジフェニルスチルベン類、トリアジニルアミノスチルベン類、スチルベニル−2H−トリアゾ−ル類、例えばスチルベニル−2H−ナフトール−[1,2−d]トリアゾ−ル類及びビス(1,2,3−トリアゾ−ル−2−イル)スチルベン類、ベンズオキサゾール類、例えばスチルベニルベンズオキサゾール及びビス(ベンズオキサゾール)、フラン類、ベンゾフラン類及びベンズイミダゾール類、例えばビス(ベンゾ[b]フラン−2−イル)ビフェニル及びカチオン性ベンズイミダゾール類、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、クマリン、ナフタルイミド、1,3,5−2−イル−誘導体、メチンシアニン及びジベンゾチオフェン−5,5−オキシドを使用することができる。好ましいものは、アニオン性蛍光増白剤、例えばスルホン化された化合物である。
【0111】
更に、トリアジニルアミノスチルベン類、ジスチリルビフェニル類及びこれらの混合物、2−(4−スチルフェニル)−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾ−ル、4,4’−ビス(1,2,3−トリアゾ−ル−2−イル)スチルベン、アミノクマリン、4−メチル−7−エチルアミノクマリン、1,2−ビス(ベンズイミダゾール−2−イル)エチレン、1,3−ジフェニルフラゾリン、2,5−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン類、2−スチリル−ナフト[1,2−d]オキサゾール、2−(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾ−ル及び2−(スチルベン−4−イル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾ−ルも挙げられる。
【0112】
本発明の洗剤は、蛍光増白剤を0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.002重量%〜0.8重量%、特に好ましくは0.003重量%〜0.4重量%の量で含むことができる。
【0113】
柔軟性成分としては、以下の種の第四アンモニウム塩が使用される。
【0114】
【化5】

【0115】
[式中、
は、C〜C24−n−もしくはiso−アルキル、好ましくはC10〜C18−n−アルキルであり、
は、C〜C−アルキル、好ましくはメチルであり、
は、RまたはRであり、
は、Rまたはヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピルまたはこれらのオリゴマーであり、
は、ブロマイド、クロライド、アイオダイド、メトスルフェート、アセテート、プロピオネート、ラクテートである]
これの例は、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ獣脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジ獣脂アルキルメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、または対応するベンジル誘導体、例えばドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドである。環状第四アンモニウム塩、例えばアルキル−モルホリン誘導体も同様に使用できる。
【0116】
更に、上記の第四アンモニウム化合物の他に、イミダゾリニウム化合物(1)及びイミダゾリン誘導体(2)も使用できる。
【0117】
【化6】

【0118】
[式中、
Rは、C〜C24−n−もしくはiso−アルキル、好ましくはC10〜C18−n−アルキルであり、
Xは、ブロマイド、クロライド、アイオダイド、メトスルフェートであり、
Aは、−NH−CO−、−CO−NH−、−O−CO−、−CO−O−である]
特に好ましい部類の化合物は、所謂エステルクワート(Esterquats)である。これは、次いで慣用のアルキル化もしくはヒドロキシアルキル化剤で四級化される、アルカノールアミンと脂肪酸との反応生成物である。
【0119】
アルカノールアミンとして好ましいものは、次式の化合物である。
【0120】
【化7】

【0121】
[式中、
は、C〜Cヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシエチルであり、そして
、Rは、RまたはC〜Cアルキル、好ましくはメチルである]
特に好ましいものは、トリエタノールアミン及びメチルジエタノールアミンである。
【0122】
エステルクワートのための更に別の特に好ましい原料は、アミノグリセリン誘導体、例えばジメチルアミノプロパンジオールである。
【0123】
アルキル化またはヒドロキシアルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、好ましくは塩化メチル、硫酸ジメチル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドである。
【0124】
エステルクワートの例は、次式の化合物である。
【0125】
【化8】

【0126】
この際、R−C−Oは、飽和または不飽和であることができるC〜C24脂肪酸から誘導される。これの例は、カプロン酸、カプリル酸、水素化または非水素化あるいは部分的に水素化された獣脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、ベヘン酸、パルミンステアリン酸、ミリスチン酸及びエライジン酸である。nは、0〜10、好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜1の範囲である。
【0127】
本発明のポリエステルと組み合わせることができる更に別の好ましい洗剤柔軟剤原料は、アミド−アミン、例えばジアルキルトリアミン及び長鎖脂肪酸に基づくアミド−アミン、並びにそれらのオキシエチレート化もしくは四級化物である。これらの化合物は次の構造を有する。
【0128】
【化9】

【0129】
[式中、
及びRは、互いに独立して、C〜C24−n−もしくはiso−アルキル、好ましくはC10〜C18−n−アルキルを意味し、
Aは、−CO−NH−または−NH−CO−を意味し、
nは、1〜3、好ましくは2を意味し、
mは、1〜5、好ましくは2〜4を意味する]
上記第三アミノ基の四級化によって、追加的に、C〜Cアルキル、好ましくはメチルであることができる基R、及びクロライド、ブロマイド、アイオダイドまたはメチルスルフェートであることができる対イオンXを導入することができる。
【0130】
アミドアミノオキシエチレートまたはそれの四級化二次生成物は、Varisoft(登録商標)510、Varisoft(登録商標)512、Rewopal(登録商標)V3340及びRewoquat(登録商標)W222LMの商品名で販売されている。
【0131】
柔軟剤調合物中での本発明に従い使用されるポリエステルの好ましい使用濃度は、洗剤調合物について記載した濃度と同じである。
【0132】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、好ましくは、染料及びフレグランスまたは香料を含む。
【0133】
通例の方法に従い製造することができる上記のフレグランス及び香料の溶液またはエマルションが好ましく使用される。
【0134】
本発明の更なる対象の一つは、上記に定義したポリエステルを含む固形の食器洗い用洗浄剤である。これは、食器洗浄機中で、ガラス、磁器、カトラリー、金属もしくはプラスチックの物品を洗浄するための剤である。本発明に従うポリエステルは、上記の物品の表面上で、洗浄もしくは濯ぎ水の非常に良好な流れ落ち性をもたらす。それによって、食器洗浄機中での乾燥時間が短縮され、そして残りかすが無くかつ斑点の無い洗い物が達成される。更に、これらのポリエステルは、非常に水溶性が良好であり、それによって洗浄水の量の減少を可能にする。
【0135】
食器洗浄機用の固形洗浄剤調合物中での本発明に従い使用されるポリエステルの含有量は幅広い範囲で変えることができ、そして各々の調合物を基準にして、一般的には0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。
【0136】
固形の食器洗浄機用洗浄剤は、粉末、顆粒物としてまたはタブレットの形で提供することができる。
【0137】
本発明の固形の食器洗浄剤の製造は困難性が無く、既知の方法で行うことができる。粉末または顆粒状の本発明の剤は、粉末または顆粒状のポリエステルを、食器洗浄剤調合物の然るべき使用量の他の成分と単に混合することによって行うことができる。
【0138】
固形の食器洗浄剤は、押出成形体としても提供することができる。この際、食器洗浄剤調合物の全成分または成分の一部からなる固形で本質的に自由流動性の混合物を、加圧下にストランド状にプレスし、そしてこのストランドを、有孔ダイを吐出された後に、切断装置を用いて所定の顆粒物寸法に切断する。
【0139】
本発明の好ましい実施形態の一つは、タブレットの形態の食器洗浄剤であり、これは、単相または多相で単色または多色であることができ、そして特に一つの相または複数の層、特に二つの層からなることができる。
【0140】
好ましくは、全ての成分(場合により、各層につき全ての成分)をミキサー中で一緒に混合し、そしてこの混合物を慣用の打錠プレス、例えばエキセンプレスまたはロータリープレスによってプレスして行う。特に多層のタブレットの場合には、少なくとも一つの層が予めプレスされていると有利であり得る。好ましくは、このようにして製造されたタブレットは、好ましくは10g〜50g、特に15g〜40gの重量を有する。タブレットの立体形状は任意であり、円形、楕円形または角のある形であることができ、この際、中間的な形状も可能である。角及び縁は有利には丸められる。円形のタブレットは、好ましくは30mm〜40mmの直径を有する。特に、主として配量装置、例えば食器洗浄機の配量装置を介して導入される角のあるまたは直方体の形に形作られたタブレットの大きさは、この配量装置の形状と容量に依存する。例示的な好ましい実施形態は、(20〜30mm)×(34〜40mm)、特に26×36mmまたは24×38mmの底面積を有する。
【0141】
タブレットの形状の食器洗浄剤はタブレット崩壊剤を含むことができる。デンプン、セルロース及びセルロース誘導体、アルギネート、デキストラン、架橋されたポリビニルピロリドン、並びに弱酸とカーボネート含有剤、例えばクエン酸及び酒石酸をビカーボネートまたはカーボネートと組み合わせてなる系、更にはベントナイト及びスメクタイトの種の微細でかつ膨張性の層状シリケートなどの物質が挙げられる。ガスの形成に寄与する物質、例えばクエン酸、ビスルフェート、ビカーボネート、カーボネート及びパーカーボネートも、可能な崩壊助剤として使用することができる。
【0142】
タブレット崩壊剤は、プレスする前に、微細かもしくは顆粒状であるかまたは液状乃至ペースト状の形で存在することができる他のタブレット成分と、非常に微細な形で混合するか、あるいは他のタブレット成分を、タブレット崩壊剤で被覆または粉末化する。
【0143】
固形の食器洗浄剤は、界面活性剤、好ましくはノニオン性界面活性剤、酵素、アミノ酸及び−塩、ビルダー、コビルダー、漂白剤、有機酸、ハイドロトロープ、染料及びフレグランス、更に別の特定の助剤及び添加剤、例えば酸化防止剤、ゼオライト、塩、漂白活性化剤、漂白触媒、光活性金属酸化物、光活性ナノ粒子、光活性化剤、酵素安定化添加剤、殺菌類剤、殺細菌剤、スケール防止剤、帯電防止添加剤、発泡調節剤、色移り防止剤、臭気捕捉剤(Geruchsfaenger)、ポリマー、顔料、pH調節剤、UV吸収剤、蛍光増白剤、分散剤、錯化剤、防腐剤及びガラス腐食剤から本質的に選択される慣用の成分を含む。
【0144】
食器洗浄機用洗浄剤では、泡の少ない化合物が好ましい。これは、特に、非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコキシル化、有利にはエトキシル化された、特に第一のアルコール、好ましくは炭素原子数が8〜22でそしてアルコール1モル当たりエチレンオキシド(EO)数が平均して1〜25モルのこのようなアルコールであり、この際、アルコール残基は線状かまたは好ましくは2位でメチル分枝していることができるか、あるいはオキソアルコール残基で通常存在するように線状及びメチル分枝基を混合して含むことができる。しかし、炭素原子数10〜20の天然由来のアルコール、例えばココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコールからの線状残基及びアルコール1モル当たりのEO数が平均して2〜18のアルコールエトキシレートが特に好ましい。前記のエトキシル化度は、統計的な平均値であり、特定の製品に関しては整数または分数であることができる。アルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭いまたは広い同族体分布を有することができる(狭範エトキシレートまたは広範エトキシレート)。これらの部類の製品には、Clariant Produkte(Deutschland)GmbH製のGenapol(登録商標)TMブランド品が該当する。
【0145】
単独のノニオン性界面活性剤として使用されるかまたは他のノニオン性界面活性剤と組み合わせて使用される好ましく使用されるノニオン性界面活性剤の他の部類は、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはエトキシル化及びプロポキシル化された脂肪酸アルキルエステル、好ましくはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有するこのような脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルである。
【0146】
有利に使用できるノニオン性界面活性剤の他の部類は、アルキルポリグリコシド(APG)、例えば一般式RO(G)のアルキルポリグリコシドであり、式中、Rは、炭素原子数8〜22、好ましくは12〜18の線状または分枝状、特に2位でメチル分枝した、飽和または不飽和の脂肪族基を意味し、そしてGは、炭素原子数5または6のグリコース単位、好ましくはグリコースを表す。この際、グリコシル化度zは、1〜4、好ましくは1〜2である。線状アルキルポリグリコシド、すなわちグリコース基及びn−アルキル鎖からなるアルキルポリグリコシドが好ましく使用される。
【0147】
アミンオキシドのタイプのノニオン性界面活性剤、例えばN−ココナッツアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド及び脂肪酸アルカノールアミドも好適であり得る。これらのノニオン性界面活性剤の量は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールよりも多くなく、特にそれの半分よりも多くない。
【0148】
更に、以下の一般式のノニオン性界面活性剤も好適である。
【0149】
【化10】

【0150】
これは、交互するエチレンオキシド単位及びアルキレンオキシド単位(好ましくはプロピレンオキシド単位)を有することができ、そしてEO及びAO単位はランダムに分布しているかまたはブロック状に配置されていることができる。これらの中でも、EO−AO−EO−AOブロックを有する界面活性剤が好ましく、この際、各々の場合に、1〜10個のEOまたはAO基が、それぞれの他の基からなるブロックが続く前に連結しており、インデックスx及びyは、互いに独立して、1〜10の整数を表す。
【0151】
特に有利に使用できるノニオン性界面活性剤は、例えば、Clariant Produkte(Deutschland)GmbH社からGenapol(登録商標)EDの商品名で入手できる。
【0152】
更に別の好適な界面活性剤は、以下の一般式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。
【0153】
【化11】

【0154】
式中、RCOは、炭素原子数6〜22の脂肪族アシル基を表し、Rは、水素または炭素原子数1〜4のアルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、そして[Z]は、炭素原子数3〜10及びヒドロキシ基数3〜10の線状または分枝状ポリヒドロキシアルキル基を表す。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、既知の物質であり、通常は、還元糖をアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元的アミン化し、その後、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物でアシル化することによって得ることができる。
【0155】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドのグループには、次の式の化合物も含まれる。
【0156】
【化12】

【0157】
式中、Rは、炭素原子数7〜12の線状もしくは分枝状アルキルまたはアルキレン基を表し、Rは、炭素原子数2〜8の線状、分枝状もしくは環状アルキル基またはアリール基を表し、そしてRは、炭素原子数1〜8の線状、分枝状もしくは環状アルキル基またはアリール基またはオキシ−アルキル基を表し、この際、C1−4−アルキルまたはフェニル基が好ましく、[Z]は、線状ポリヒドロキシアルキル基(そのアルキル鎖は、少なくとも二つのヒドロキシル基で置換されている)またはこの基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化された誘導体を表す。[Z]は、好ましくは、還元糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元的アミン化によって得られる。このN−アルコキシ−またはN−アリールオキシ置換化合物は、次いで、触媒としてのアルコキシドの存在下に脂肪酸メチルエステルと反応させることによって、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに転化することができる。
【0158】
弱発泡性ノニオン性界面活性剤が特に好ましいノニオン性界面活性剤であることが判明した。この弱発泡性ノニオン性界面活性剤は、交互のエチレンオキシド単位及びアルキレンオキシド単位(好ましくはプロポキシレンオキシド単位)を有し、そしてEO及びAO単位はランダムに分布しているかまたはブロック状に配置されていることができる。これらの中でも、EO−AO−EO−AOブロックを有するものが好ましく、この際、それぞれ、1〜10個のEOまたはAO基が、それぞれの他の基からなるブロックが続く前に、連結している。
【0159】
ここで、一種または二種以上のノニオン性界面活性剤として以下の一般式の界面活性剤のリンス剤(Klarspuelmittel)が好ましい。
【0160】
【化13】

【0161】
式中、Rは、直鎖状または分枝状で飽和またはモノ−もしくはポリ不飽和のC30アルキルまたはアルケニル基を表し、各RまたはRは、互いに独立して、−CH、−CHCH、−CHCH−CH、−CH(CHであり、そしてインデックスw、x、y及びzは、互いに独立して、1〜10の整数を表す。式(IV)の好ましいノニオン性界面活性剤は、対応するアルコールR−OH及びエチレンもしくはアルキレンオキシドから既知の方法によって製造することができる。一般式(IV)中のR1基はアルコールの由来に応じて変わり得る。天然源を使用する場合には、R基は、炭素原子数が偶数であり、そして一般的に非分枝状であり、この際、炭素原子数12〜22の天然由来のアルコールからの線状基、例えばラウリルアルコール、ココナッツアルコール、パーム脂肪アルコール、パーム核アルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールからの線状基が好ましい。合成起源から得ることができるアルコールは、例えば、ゲルベアルコールであるか、または2位でメチル分枝しているか、あるいは通常オキソアルコール基に存在するような線状とメチル分枝基との混合物である。この際、好ましくは、式(IV)中のR基は、炭素原子数6〜30、特に8〜18のアルキル基を表す。これらの好ましいノニオン性界面活性剤中にエチレンオキシド単位に対して交互に含まれるアルキレンオキシド単位としては、プロピレンオキシドの他に、特にブチレンオキシドが挙げられる。しかし、R及びRが互いに独立して−CHCH−CHまたは−CH(CHから選択される更に別のアルキレンオキシドも好適である。好ましくは、R及びRはメチル基を表す。特に有利に使用できるノニオン性界面活性剤は、例えば、Clariant Produkte(Deutschland)GmbH社のGenapol(登録商標)EP2564及びGenapol(登録商標)EP2584の名称で入手できる。
【0162】
好ましい追加的な界面活性剤としては、弱発泡性ノニオン性界面活性剤が使用される。室温を超える融点を有するノニオン性界面活性剤が特に有利に含まれる。それ故、好ましい組成物は、20℃を超える融点、好ましくは25〜50℃の融点、特に25〜45℃の融点を有する一種またはそれ以上のノニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。前記の温度範囲の融点もしくは軟化点を有する前記ノニオン性界面活性剤の他に、室温で固形または高粘性であることができるノニオン性界面活性剤も適している。室温で高粘性のノニオン性界面活性剤を使用する場合には、これらが、20Pasを超える粘度、好ましくは35Pasを超える粘度、特に40Pasを超える粘度を有することが好ましい。室温でワックス様のコンシステンシーを有するノニオン性界面活性剤も好ましい。
【0163】
室温下に固形の好ましいノニオン性界面活性剤は、アルコキシル化されたノニオン性界面活性剤、特にエトキシル化第一アルコール、及びこれらの界面活性剤と構造的に相溶性に構成された界面活性剤、例えばポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/EO/PO)界面活性剤との混合物からなる群からのものである。更に、このような(PO/EO/PO)ノニオン性界面活性剤は良好な発泡制御を特色とする。
【0164】
好ましい実施形態の一つでは、室温を超える融点を有するノニオン界面活性剤は、炭素原子数6〜20のモノヒドロキシアルコールまたはアルキルフェノールと、アルコールまたはアルキルフェノール1モル当たり少なくとも12モル、好ましくは少なくとも15モル、特に少なくとも20モルのエチレンオキシドとの反応から生ずるエトキシル化されたノニオン性界面活性剤である。室温で固形の特に好ましいノニオン性界面活性剤は、直鎖状C16−20脂肪アルコール、好ましくはC18アルコールと少なくとも12モル、好ましくは少なくとも15モル、特に少なくとも20モルのエチレンオキシドから得られる。従って、C6−20モノヒドロキシアルカノールまたはC6−20アルキルフェノールまたはC6−20脂肪アルコールと、アルコール1モル当たり12モル超、好ましくは15モル超、特に20モル超のエチレンオキシドから得られた一種またはそれ以上のエトキシル化ノニオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0165】
上記ノニオン性界面活性剤は、好ましくは、分子中に追加的にプロピレンオキシド単位を有する。好ましくは、このようなPO単位は、非イオン性界面活性剤の全モル質量の25重量%まで、特に15重量%までを占める。特に好ましいノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー単位を追加的に有するエトキシル化されたモノヒドロキシアルカノールまたはアルキルフェノールである。この際、このようなノニオン界面活性剤分子のアルコールまたはアルキルフェノール部分は、このノニオン性界面活性剤の総モル質量の30重量%超、好ましくは50重量%超、特に70重量%超を占める。好ましい組成物は、エトキシル化及びプロポキシル化されたノニオン性界面活性剤を含み、ここで分子中のプロピレン単位は、該ノニオン性界面活性剤の総モル質量の25重量%まで、好ましくは20重量%まで、特に15重量%までを占めることを特徴とする。
【0166】
室温を超える融点を有する更に別の特に好ましく使用できるノニオン性界面活性剤は、40〜70%のポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン−ブロックポリマーブレンドを含み、このポリマーブレンドは、17モルのエチレンオキシド及び44モルのプロピレンオキシドを有するポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのリバースブロックコポリマー75重量%と、トリメチロールプロパンで開始されそしてトリメチロールプロパン1モル当たり24モルのエチレンオキシド及び99モルのプロピレンオキシドを含むポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックコポリマー25重量%とからなる。
【0167】
特に有利に使用できるノニオン性界面活性剤は、例えば、Clariant Produkte(Deutschland)GmbH社のGenapol(登録商標)PF10またはGenapol(登録商標)PF20の名称で得ることができる。
【0168】
次式のノニオン性界面活性剤も好ましい。
【0169】
【化14】

【0170】
式中、Rは、炭素原子数4〜18の線状もしくは分枝状脂肪族炭化水素基またはこれらの混合物を表し、Rは、炭素原子数2〜26の線状もしくは分枝状炭化水素基またはこれらの混合物を表し、そしてxは0.5〜1.5の値を表し、そしてyは少なくとも15の値を表す。
【0171】
更に別の好ましく使用できるノニオン性界面活性剤は、次式の末端基がキャップされたポリ(オキシアルキル化)ノニオン性界面活性剤である。
【0172】
【化15】

【0173】
式中、R及びRは、炭素原子数1〜30の線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、Rは、Hまたはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、xは、1〜30の値を表し、k及びjは、1〜12、好ましくは1〜5の値を表す。xの値が≧2の場合は、上記の式中の各Rは異なることができる。R及びRは、好ましくは、炭素原子数6〜22の線状もしくは分枝状、飽和もしくは不飽和で脂肪族もしくは芳香族の炭化水素基であり、この際、炭素原子数8〜18の基が特に好ましい。R基には、H、メチルまたはエチルが特に好ましい。xの特に好ましい値は1〜20、特に6〜15の範囲である。
【0174】
既に述べたように、xが≧2である場合には、一般式(VI)中の各Rは異なることができる。それによって、角括弧中のアルキレンオキシド単位は様々なものであることができる。xが例えば3を表す場合には、R基は、エチレンオキシド単位(R=H)またはプロピレンオキシド単位(R=CH)を形成することができ、これらは、任意の順序でつなぎ合わされることができ、例えば(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)及び(PO)(PO)(PO)などが可能である。この際、xとしての3の値は例示として選択されたものであり、より大きい値であることが全く可能であり、この際、xの値が大きくなると変化幅が大きくなり、例えば、小さい(PO)基数と組み合わされた大きい(EO)基数を含むか、またはその逆もある。
【0175】
特に好ましいものは、次の一般式の末端基がキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコールである。
【0176】
【化16】

【0177】
前記式中、R、R及びRは、上記の一般式で定義した通りである。Zは、1〜30、好ましくは1〜20、特に4〜16の数を表す。特に好ましいものは、R及びR基が8〜18個の炭素原子を有し、RがHを表しそしてxが6〜15の値を取る界面活性剤である。特に有利に使用できるノニオン性界面活性剤は、Clariant Produkte(Deutschland)GmbH社のGenapol(登録商標)BE2410、Genapol(登録商標)BE2810またはGenapol(登録商標)BE2805の名称で得ることができる。
【0178】
本発明の枠内において、好ましくは、ノニオン性界面活性剤として、末端基キャップ型界面活性剤、並びにブチルオキシ基を有するノニオン性界面活性剤も使用可能である。この際、最初に挙げたグループには、特に、以下の一般式の代表物が属する。
【0179】
【化17】

【0180】
式中、Rは、炭素原子数1〜30の線状または分枝状で飽和または不飽和の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、Rは、炭素原子数1〜30の線状もしくは分枝状で飽和または不飽和の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、これは任意に1、2、3、4または5個のヒドロキシ基で並びに任意に更に別のエーテル基で置換されており、Rは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチルまたはtert−ブチルを表し、そしてxは1〜40の値を取ることができる。Rは、任意に、アルコキシル化されていてもよく、この際、アルコキシ基は、好ましくは、エトキシ基、プロポキシ基、ブチルオキシ基またはこれらの混合物から選択される。
【0181】
ここで、RがC9−11またはC11−15アルキル基を表し、R=Hであり、そしてXは8〜15の値を取り、他方、Rは、好ましくは直鎖状または分枝状の飽和アルキル基を表す一般式(VIII)の界面活性剤が好ましい。特に好ましい界面活性剤は、式C9−11(EO)C(CHCHCH、C11−15(EO)15(PO)−C12−14、C9−11(EO)(CHCHによって表すことができる。
【0182】
その他には、混合アルコキシル化界面活性剤も適しており、この際、ブチルオキシ基を有するものが好ましい。このような界面活性剤は、次の一般式によって表すことができる。
【0183】
【化18】

【0184】
式中、Rは、炭素原子数1〜30、好ましくは6〜20の線状または分枝状で飽和または不飽和の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、aは2〜30の値を表し、bは0〜30の値を表し、そしてcは1〜30、好ましくは1〜20の値を表す。またその代わりに、この一般式中のEO及びPO基は相互に取り替えられていてもよい。
【0185】
このグループの界面活性剤からの特に好ましい代表物は、式C9−11(PO)(EO)13(BO)15、C9−11(PO)(EO)13(BO)、C9−11(PO)(EO)13(BO)、C9−11(EO)13(BO)、C9−11(EO)13(BO)、C9−11(PO)(EO)13(BO)、C9−11(EO)(BO)、C9−11(EO)(BO)、C12−15(EO)(BO)、C9−11(EO)(BO)、及びC9−11(EO)(BO)によって表すことができる。式C13−15(EO)9−10(BO)1−2の特に好ましい界面活性剤の一つは、Plurafac(登録商標)LF221の名称で商業的に入手できる。式C12−13(EO)10(BO)の界面活性剤も有利に使用できる。リンスプロセスの際に泡の形成を抑制するためには、発泡防止剤を使用することができる。発泡防止剤としては、例えば、C18〜C24脂肪酸を高割合で有する天然もしくは合成由来の石鹸が適している。非界面活性剤型の適当な発泡防止剤は、例えば、オルガノポリシロキサン及びそれと微細で場合によりシラン化されたシリカとの混合物、並びにパラフィン、ワックス、微結晶性ワックス及びそれとシラン化されたシリカとの混合物またはビス脂肪酸アルキレンジアミドである。様々な発泡防止剤からなる混合物も有利に使用され、例えばシリコーン、パラフィンまたはワックスからなるものなどが挙げられる。好ましくは、発泡防止剤、特にシリコーン及び/またはパラフィン含有発泡防止剤は、顆粒状で水中に可溶性かもしくは分散可能なキャリア物質上に結合させる。この際、特に、パラフィン及びビステアリルエチレンジアミドからなる混合物が好ましい。
【0186】
本発明の枠内において、それぞれ完成した組成物を基準にして一種またはそれ以上の非イオン性界面活性剤を0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは1.5〜4重量%の量で含む食器洗浄剤組成物が好ましい。
【0187】
上記の非イオン性界面活性剤と組み合わせて、アニオン性、カチオン性及び/または両性界面活性剤も使用でき、この際、これらは、機械食器洗浄の際のそれらの発泡挙動の故に、副次的な意味しか持たず、組成物を基準にして、大抵は、10重量%未満の量、多くは5重量%未満の量、例えば0〜2.5重量の量でしか使用されない。
【0188】
タンパク質またはデンプン含有の食べ物の残渣のより良好な脱着のためには、好ましくは酵素、例えばプロテアーゼ類、アミラーゼ類、リパーゼ類またはセルラーゼ類を使用でき、例えばHenkel社のBLAP TM140、Solvay Enzymes社のOptimase TM−M−440、Optimase TM−M−330、Opticlean TM−M−375、Opticlean TM−M−250、Ibis社のMaxacal TM CX 450000、Maxapem TM、Novo社のSavinase TM4.0T、6.0T、8.0T、またはIbis社のExperase TMTなどのプロテアーゼ類、Novo社のTermamyl TM60T、Solvay Enzymes社のAmylase−LT TMまたはIbis社のMaxamyl TM P 5000、CXT5000またはCXT2900などのアミラーゼ類; Novo社のLipolase TM30Tなどのリパーゼ類、Novo Nordisk社のCelluzym TM0.7Tなどのセルラーゼ類などがある。酵素は、本発明の組成物中に、食器洗浄剤組成物の総量を基準にして0.1〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の量で含まれることができる。
【0189】
アミノ酸としては、合成または天然由来のアミノ酸が挙げられ、例えば植物性または動物性タンパク質、例えばコラーゲン、ケラチン、カゼイン、エラスチン、ダイズタンパク質、小麦グルテンまたはアーモンドタンパク質を加水分解して得ることができるアミノ酸などがある。
【0190】
好ましいものは、アルファ−アミノ酸、例えばセリン、トレオニン、オルニチン、アルギニン、リシン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニンまたはチロシン、特にグリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンである。特に好ましいものは、グリシンまたはそれのアルカリもしくはアンモニウム塩、例えばグリシンナトリウムである。
【0191】
アミノ酸の他に、本発明の食器洗浄剤中には、それのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム塩、特にナトリウム塩も使用することができる。
【0192】
アミノ酸のそれらの塩に対する比率を変えることによって、炭酸水素塩/炭酸塩の系を使用した場合と同じように問題なく、所定の望ましいpH値を調節することができる。石灰スケール防止に関して、アミノ酸/アミノ酸塩のアルカリキャリア系は、炭酸水素塩/炭酸塩の系よりも明らかに優れている。
【0193】
アミノ酸またはアミノ酸塩は本発明の剤中に0.5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれる。この際、様々なアミノ酸またはアミノ酸塩の混合物も使用し得る。任意選択的に、炭酸塩及び/または炭酸水素塩、特にアルカリ金属炭酸塩及び/またはアルカリ金属炭酸水素塩が、食器洗浄剤総量を基準にして15重量%までの量で含まれていることができる。しかし、好ましくは、本発明の食器洗浄剤は、炭酸塩及び/または炭酸水素塩を含まない。高アルカリ性メタシリケート、例えばメタケイ酸ナトリウムの使用も好ましくは無しで済ませるが、これに対し、ジシリケートは、それらのアルカリ塩の形で、任意選択的に、食器洗浄剤総量を基準に0.1〜20重量%の量で含まれ得る。
【0194】
石灰スケールを防止するために水の硬度形成成分を錯化しそして沈殿したカルシウムを洗浄液中に分散した形で維持する固有の機能を持つビルダー成分としては、例えばオルガノホスホン酸もしくはそれの塩、結晶性層状シリケート、ゼオライト、二官能性もしくは多官能性有機カルボン酸もしくはそれの塩、酸化されたデンプン及びポリカルボン酸またはポリカルボキシレートなどが挙げられる。かつて使用されたホスフェート、例えば三リン酸五ナトリウム塩は、原則的に同様に使用し得るが、生態学的な理由から好ましくは無しで済ませられる。
【0195】
好ましいビルダー成分は、二官能性もしくは多官能性有機カルボン酸またはそれの塩、特にクエン酸またはそれの塩、及び/または合成ポリカルボン酸またはポリカルボキシレートであり、これらは、食器洗浄剤の総量を基準にして1〜60重量%、好ましくは10〜40重量%の総量で含まれる。
【0196】
合成ポリカルボン酸またはポリカルボキシレートとは、不飽和カルボン酸またはそれの塩の重合生成物の合成ポリマーまたはそれの塩と理解され、それには、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、またはアクリル酸とマレイン酸もしくは無水マレイン酸とのコポリマーなどが挙げられる。
【0197】
適当なポリアクリレートは、例えば、Alco社のAlcosperse TM 102、104、106、404、406、Norsohaas社のAcrysole TM A N1、LMW 45 N、LMW 10 N、Degussa社のDegapas TMであり; ポリアクリル酸とマレイン酸からなる適当なコポリマーは、例えば、BASF社のSokalan TM cP 5、CP 7、Norsohaas社のAcrysol TM QR 1014、Alco社のAlcosperse TM 175である。
【0198】
該食器洗浄剤は、更に、酸素に基づく漂白剤、特に過ホウ酸塩及び/または過炭酸塩を、食器洗浄剤総量を基準にして0.5〜20重量%、好ましくは10重量%までの量で含むことができる。
【0199】
過ホウ酸ナトリウム四水和物(NaBO.H.3HO)、過ホウ酸ナトリウム一水和物(NaBO.H)及びパーオキシカーボネート(NaCO.1.5 H)が特に重要である。更に別の有用な漂白剤は、例えば、有機酸の過酸塩、例えば過安息香酸塩、またはジパードデカン二酸の塩である。更に、任意選択的に、漂白活性化剤も含まれる。適当な漂白活性化剤は、特に、N−アシル−及びO−アシル−化合物: 好ましくはテトラアシル化ジアミン、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)である。本発明の組成物は、このような慣用の漂白活性化剤を0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量で含む。本発明の組成物は、任意選択的に、活性塩素放出剤、例えばトリクロロイソシアヌル酸も含むことができるが、しかし該組成物は、好ましくは活性塩素放出剤を含まない。
【0200】
酸としては、特に有機酸、好ましくは短鎖脂肪族モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸及びジカルボン酸が好ましい。脂肪族モノカルボン酸及びジカルボン酸の例は、C〜Cアルキル及びアルケニル酸、例えばグルタル酸、コハク酸、プロピオン酸、アデピン酸(Adepinsaeure)及び酢酸である。ヒドロキシカルボン酸の例はヒドロキシ酢酸及びクエン酸である。
【0201】
本発明のポリエステルは、別個のリンス用調合物中にも使用できる。
【0202】
特に好ましい実施形態の一つは、本発明のポリエステルの他に、0〜50重量%のホスフェート、好ましくは三リン酸五ナトリウム、0〜5重量%のホスホネート、0〜50重量%のクエン酸ナトリウム、0〜10重量%のナトリウムポリカルボキシレート、0〜40重量%のソーダ、0〜25重量%の炭酸水素ナトリウム、0〜30重量%の二ケイ酸ナトリウム、5〜15重量%の漂白剤、好ましくは過ホウ酸ナトリウム、1〜5重量%の漂白活性化剤、好ましくはTAED、1〜5重量%の酵素、好ましくはプロテアーゼ類及びアミラーゼ類、1〜10重量%のノニオン性界面活性剤、好ましくは脂肪アルコールアルコキシレート及びポリエチレングリコール、0〜2重量%のパラフィン、0〜1重量%の銀保護剤、フレグランス及び染料を含む、統合型リンス剤を有する固形の食器洗浄剤調合物である。
【0203】
以下の例は本発明の対象をより詳しく説明するものであるが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例】
【0204】
I) ノニオン性ポリエステル1〜8の製造のための一般合成手順
先ず、KPG攪拌機、内部温度計、ビグロー(Vigreux)カラム、蒸留橋及びアンシュッツ−ティーレ(Anschuetz−Thiele)ストッパーを備えた2L四つ首フラスコ中に、原料としてジメチルテレフタレート(DMT)、1,2−エタンジオール(EG)及び/または1,2−プロパンジオール(PG)及び水不含の酢酸ナトリウム(NaOAc)を仕込んだ(量については表1参照)。
【0205】
この混合物を、これが約125℃で完全に溶融するまで油浴で徐々に加熱した。約130℃から、エステル交換が始まり、この際メタノールが留去された。蒸留を開始してから約15分後に、160℃の温度でテトライソプロピオン酸チタン(IPT)を加えた。合計で約2時間後、エステル交換を200℃で停止しそして油浴を下げた。
【0206】
ここで、対応するポリエチレングリコール(PEG)、メチルポリグリコール(MPEG)、場合により及び多官能性化合物(PFV)(量については表1参照)を溶融物に加え、そして更に約215℃まで加熱した。その後、減圧し、30分以内に10mbarまで低下させた。次いで、おおよそ更に1時間、215℃/10mbarで、後縮合し、この際、生じる蒸留物の量は顕著に減少した。最後に、油浴を下げ、装置を減圧から隔て、そして窒素で換気する。なおも高温の溶融物を排出した。
【0207】
【表1】

【0208】
A 2,2−ビス−(ヒドロキシメチル)−プロピオン酸
B ペンタエリトリトール
DMT ジメチルテレフタレート
EG 1,2−エタンジオール
PG 1,2−プロパンジオール
PEG ポリエチレングリコール(200,1500,3000,4000,6000)
IPT テトライソプロピオン酸チタン
NaOAc 酢酸ナトリウム
PVF 多官能性化合物
MPEG メチルポリグリコール
【0209】
II)ノニオン性ポリエステル1〜8の応用技術上の試験
II.a)リングせん断装置での測定からの流動ファクターffの測定
【0210】
製造されたソイルリリースポリエステルの流動性の評価のためには、バルク材強度σに対する圧密応力σの比率として定義される、無次元量である流動ファクターffが最もよく適している。
ff=σ/σ
先ず、試験すべきバルク材を圧密応力σによって圧密する。次いで、この試料を次第に増加する圧縮応力に付す。バルク材試料の破壊(すなわち流動)をもたらす応力がバルク材強度σである。流動ファクターffが大きいほど、バルク材はより良好な流動性を有する。以下のジェニケ(Jenike)による分類を使用した。
ff<1 非流動性
1<ff<2 高凝集性乃至非流動性
2<ff<4 凝集性
4<ff<10 易流動性
10<ff 自由流動性
【0211】
記載の流動性は、Dr.Dietmar Schulze Schuettgutmesstechnik社のタイプRST−01.pcのリングせん断装置を用いて測定した。測定及び評価は自動的に(コンピュータ制御して)行った。
【0212】
II.b) ソイルリリース効果の試験
本発明のソイルリリースポリエステルを、“ダーティーモーターオイル試験(Dirty Motor Oil Test)”を用いてそれらのソイルリリース効果について試験した。このためには、ポリマーを、1%(有効成分)の濃度で試験洗剤IEC−Aに混合し、次いで6g/Lの洗剤濃度で洗液を調製した。この洗液を用いて、標準試験布のポリエステル/綿WFK20AとポリエステルWFK30Aの両方を予備洗濯した。次いでこれらの布を乾燥し、そしてモーター廃油で汚した。室温で1時間のモーター廃油の作用の後、汚した布試験体を、同一の洗濯条件で、本発明のポリマーを含む試験洗剤IEC−Aで後洗濯した。乾燥後、試験布の反射を測定した。比較として、汚した試験布を、同一の試験条件下に、但し該ソイルリリースポリマーを試験洗剤に添加せずに洗濯し、そしてその反射を測定した。ソイルリリースポリマーを用いた洗濯からの反射値と、ソイルリリースポリマー無しの洗濯からの反射値との差異が、達成されたソイルリリース効果を表す。ベンチマークとして、二つの商業的に入手できる造粒したソイルリリースポリマーのソイルリリース効果を調べた。
【0213】
詳細な洗濯条件は表2に記載する。
【0214】
【表2】

【0215】
使用した試験洗剤IEC−Aの組成は表3に示す。
【0216】
【表3】

【0217】
II.c) 応用技術上の試験の結果
【0218】
【表4】

【0219】
DMO1: 試験布WFK20Aでのダーティーモーターオイルに対するソイルリリース効果
DMO2: 試験布WFK30Aでのダーティーモーターオイルに対するソイルリリース効果
GPC: ゲル透過クロマトグラフィ
m.p.: 融点[℃](示差走査熱分析からの最大ピークとして定義)
ff: リングせん断装置で測定して求めた流動ファクター
【0220】
【表5】

【0221】
融点の測定:
物質の溶融範囲は、Mettler Toledo DSC 821eで示差走査熱量測定によって求めた。10℃〜80℃の間の温度インターバルで5K/分の加熱速度でアルミニウム坩堝中で測定した。記載の融点は、記録された軟化曲線の最大ピークに相当する。
分子量の測定
分子量分布は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって測定した。この際、狭い分布のポリスチレンスルホネート標準に対して測定し、そして溶剤混合物として45:55の重量比のアセトニトリル/水を用いて作業した。分離のために、Suprema30カラムを使用した。1,000g/Lの濃度の溶液100μlを注入し、そして0.8ml/分の流速で溶離した。記載の分子量は、測定された分布曲線の最大ピークMとして測定したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 芳香族ジカルボン酸及び/またはそれのC〜Cアルキルエステル、
b) エチレングリコール、
c) 1,2−プロピレングリコール、
d) 平均モル質量[M]が200〜8,000g/モルのポリエチレングリコール、
e) ポリアルキレングルコールエーテルの平均モル質量が200〜5,000のC〜Cアルキルポリアルキレングルコールエーテル、及び
f) 多官能性化合物、
の重縮合によって得られ、但しこの際、成分b)、c)、d)、e)及びf)のモル比が、それぞれ成分a)1モルに対し、成分b)は0.1〜4モル、成分c)は0〜4モル、成分d)は0.1〜0.5モル、成分e)は0〜0.5モル、そして成分f)は0〜0.25モルである、洗剤及び洗浄剤用の添加剤。
【請求項2】
成分b)、c)、d)、e)及びf)のモル比が、それぞれ成分a)1モルを基準にして、成分b)は1.0〜2.5モル、成分c)は0モル、成分d)は0.1〜0.4モル、成分e)は0〜0.25モル、そして成分f)は0〜0.2モルであることを特徴とする、請求項1の添加剤。
【請求項3】
成分b)、c)、d)、e)及びf)のモル比が、それぞれ成分a)1モルを基準にして、成分b)が1.0〜2.5モル、成分c)が0モル、成分d)が0.1〜0.3モル、成分e)が0〜0.2モル、そして成分f)が0〜0.1モルであることを特徴とする、請求項1の添加剤。
【請求項4】
成分a)がテレフタル酸及び/またはテレフタル酸ジメチルエステルであることを特徴とする、請求項1の添加剤。
【請求項5】
ポリエチレングリコールd)が、2,000〜7,000、好ましくは5,000〜6,000、特に6,000の平均モル質量[Mn]を有することを特徴とする、請求項1の添加剤。
【請求項6】
8超、好ましくは10〜30の流動ファクターffcを有することを特徴とする、請求項1〜5の一つまたはそれ以上の添加剤。
【請求項7】
40℃超、好ましくは50℃超、特に55℃超の融点を有することを特徴とする、請求項1〜6の一つまたはそれ以上の添加剤。
【請求項8】
4,000〜15,000g/モルの最大ピークMpを持つ分子量を有することを特徴とする、請求項1〜7の一つまたはそれ以上の添加剤。
【請求項9】
請求項1の添加剤を含む洗剤及び洗浄剤。

【公表番号】特表2011−521025(P2011−521025A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508817(P2011−508817)
【出願日】平成21年5月2日(2009.5.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003169
【国際公開番号】WO2009/138177
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】