説明

洗剤濃度検知装置および洗剤供給装置

【課題】洗剤供給装置を簡単に構成でき、かつ洗剤の液量の変更作業を容易に行い得る洗剤濃度検知装置を提供する。
【解決手段】洗浄槽5内に供給された洗剤および希釈液のうちのいずれか一方の液体に対して洗剤および希釈液のうちのいずれか他方の液体を混合した混合液の濃度を検出する濃度センサ6と、濃度センサ6で検出された濃度が所定濃度となったときに、他方の液体を洗浄槽5内に供給するポンプ4aの作動を停止させる制御部10とを備えている。したがって、洗剤供給装置1に使用したときには、希釈液が所定量供給された洗浄槽5にポンプ4aで洗剤を供給している状態において、濃度センサ6で検出された混合液の濃度が所定濃度となったときに制御部10がポンプ4aの作動を停止させることで、所定濃度で、かつ所望の量の混合液を洗浄槽5内で調製することができ、洗剤シリンダを不要にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤タンクに貯留された液状の洗剤を希釈液で希釈して所定濃度の混合液を調製する際に使用される洗剤濃度検知装置と、この洗剤濃度検知装置を用いて洗剤および希釈液の混合液を所定濃度に調製して搾乳機のパイプラインや、搾乳後の原乳を冷却保存するバルククーラーなどに供給する洗剤供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の洗剤供給装置では、通常、まず、例えば出願人が既に提案している下記の特許文献1に開示された洗剤供給装置のように、洗剤タンクに収容された洗剤を洗剤シリンダに供給して所定の液量だけ計量し、計量した洗剤を洗浄槽などの洗剤用容器に供給する。次いで、この種の洗剤供給装置では、洗剤用容器に希釈液を供給して洗剤の濃度を所定の濃度に希釈することで、パイプラインなどの洗浄に使用する洗浄液を調製している。
【0003】
この場合、出願人が提案している洗剤供給装置は、洗剤タンクに収容された洗剤を洗剤シリンダ内に送給する送液ポンプと、送液ポンプ駆動用のタイマーと、洗剤シリンダ内において一定液量(規定液量)以上に到達した洗剤を洗剤タンク内に戻す洗剤量調整手段(機械的な調整手段)と、洗剤シリンダ内の洗剤を洗浄槽に供給する電磁弁が配設された供給路とを備えて構成されている。この洗剤供給装置では、洗剤シリンダ内に供給される洗剤の液量が規定液量よりも多めとなるようにタイマーを用いて送液ポンプを一定時間駆動させて停止させる。規定液量よりも多めに供給された洗剤は洗剤量調整手段によって洗剤シリンダから洗剤タンク内に戻されるため、洗剤シリンダには一定液量の洗剤が供給された状態となる。これにより、洗剤シリンダにおいて洗剤の計量が行われる。
【特許文献1】特開平6−183495号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、出願人が提案している洗剤供給装置には、以下の解決すべき課題が存在している。すなわち、この洗剤供給装置には、洗剤を貯留する洗剤タンク、および洗剤を所定の濃度に希釈する洗剤用容器だけでなく、洗剤を計量するための洗剤量調整手段を備えた洗剤シリンダが必要なため、装置構成が複雑であるという解決すべき課題が存在している。また、洗剤シリンダにおいて計量する洗剤の液量を変更するためには、洗剤量調整手段の機械的な構造を手動で変更(調整)する必要があるため、洗剤の液量の変更作業に手間がかかるという解決すべき課題も存在している。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、装置構成が簡単で、かつ洗剤の液量の変更作業を容易に行い得る洗剤濃度検知装置および洗剤供給装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の洗剤濃度検知装置は、洗剤用容器内に供給された洗剤および希釈液のうちのいずれか一方の液体に対して当該洗剤および当該希釈液のうちのいずれか他方の液体を混合した混合液の濃度を検出する濃度センサと、前記濃度センサで検出された前記濃度が所定濃度となったときに、前記他方の液体を前記洗剤用容器内に供給する第1ポンプの作動を停止させる制御部とを備えている。
【0007】
請求項2記載の洗剤濃度検知装置は、請求項1記載の洗剤濃度検知装置において、前記洗剤用容器内の液体の温度を検出する温度センサを備え、前記制御部は、前記温度センサで検出された前記温度に基づいて、前記濃度センサで検出された前記濃度または前記所定濃度に対する温度補正を実行する。
【0008】
請求項3記載の洗剤濃度検知装置は、請求項1または2記載の洗剤濃度検知装置において、前記第1ポンプの作動開始からの経過時間を計測する第1計測部を備え、前記制御部は、前記第1計測部で計測された経過時間が予め規定された所定時間以上となり、かつ前記濃度が前記所定濃度に達しないときに、その旨を報知する。
【0009】
請求項4記載の洗剤濃度検知装置は、請求項1から3のいずれかに記載の洗剤濃度検知装置において、前記一方の液体を前記洗剤用容器に供給する第2ポンプの作動開始からの経過時間を計測する第2計測部とを備え、前記濃度センサは、電気伝導度センサで構成され、前記制御部は、前記第2計測部で計測された経過時間が予め規定された所定時間以上となり、かつ前記電気伝導度センサで検出された電気伝導度が所定の電気伝導度に達しないときに、その旨を報知する。
【0010】
請求項5記載の洗剤濃度検知装置は、請求項1から4のいずれかに記載の洗剤濃度検知装置において、水流を発生させて前記洗剤と前記希釈液との混合状態を促進させる混合促進部を備えている。
【0011】
請求項6記載の洗剤濃度検知装置は、請求項5記載の洗剤濃度検知装置において、前記濃度センサ付近における前記水流の流速を減速させる流速減速部を備えている。
【0012】
上記目的を達成すべく請求項7記載の洗剤供給装置は、請求項1から6のいずれかに記載の洗剤濃度検知装置と、前記混合液を収容する前記洗剤用容器と、前記他方の液体を前記洗剤用容器内に供給する前記第1ポンプとを備え、前記所定濃度の前記混合液を前記洗剤用容器内で調製して供給する洗剤供給装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の洗剤濃度検知装置および請求項7記載の洗剤供給装置によれば、洗剤および希釈液のうちのいずれか一方の液体が所定量供給された状態の洗剤用容器に洗剤および希釈液のうちのいずれか他方の液体を第1ポンプで供給し、濃度センサで検出された洗剤および希釈液の混合液の濃度が所定濃度となったときに第1ポンプの作動を停止させることにより、洗剤シリンダを不要にすることができるため、装置構成を簡単にすることができる。
【0014】
また、請求項2記載の洗剤濃度検知装置および請求項7記載の洗剤供給装置によれば、温度センサで検出された温度に基づいて濃度センサで検出している混合液の濃度または所定濃度に対する温度補正を制御部が実行することにより、混合液の温度が変化したとしても、洗剤を所定濃度に正確に希釈した混合液を調製して供給することができる。
【0015】
また、請求項3記載の洗剤濃度検知装置および請求項7記載の洗剤供給装置によれば、第1計測部で計測された経過時間が予め規定された所定時間以上となり、かつ混合液の濃度が所定濃度に達しないときに、その旨を報知することにより、ポンプの故障や配管の詰まりなどに起因する洗剤および希釈液のうちのいずれか他方の液体の供給停止や供給量の低減などの異常状態の発生を作業者が確実かつ容易に確認することができる。
【0016】
また、請求項4記載の洗剤濃度検知装置および請求項7記載の洗剤供給装置によれば、第2計測部で計測された経過時間が予め規定された所定時間以上となり、かつ電気伝導度センサで検出された電気伝導度が所定の電気伝導度に達しないときに、その旨を報知することにより、ポンプの故障や配管の詰まりなどに起因する洗剤および希釈液のうちのいずれか一方の液体の供給停止や供給量の低減などの異常状態の発生を作業者が確実かつ容易に確認することができる。
【0017】
また、請求項5記載の洗剤濃度検知装置および請求項7記載の洗剤供給装置によれば、混合促進部が、混合液に水流を発生させて洗剤と希釈液との混合状態を促進させることにより、混合液の濃度を濃度センサによって正確に検出することができるため、洗剤が所定濃度に正確に希釈された混合液を調製して供給することができる。
【0018】
また、請求項6記載の洗剤濃度検知装置および請求項7記載の洗剤供給装置によれば、流速減速部が、濃度センサ付近における水流の流速を減速させることにより、混合液の濃度を濃度センサによって正確に検出することができるため、洗剤が所定濃度に一層正確に希釈された混合液を調製して供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る洗剤濃度検知装置および洗剤供給装の最良の形態について説明する。
【0020】
最初に、洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0021】
洗剤供給装置1は、図1に示すように、複数(本例では一例として3つ)の洗剤タンク2a,2b,2c(以下、特に区別しないときには「洗剤タンク2」ともいう)、1つの希釈液タンク3、洗剤タンク2および希釈液タンク3の総数(本例では4つ)と同数のポンプ4a,4b,4c,4d(以下、特に区別しなときには「ポンプ4」ともいう)、洗剤用容器(本例では洗浄槽)5、濃度センサ6、温度センサ7、混合促進部(本例では撹拌機)8、1つの電磁弁9、制御部10、操作部11および表示部12を備えている。また、この洗剤供給装置1は、各洗剤タンク2に貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を1種類ずつ、各洗剤に対応して予め規定された濃度となるように洗浄槽5において希釈液で希釈して、洗剤および希釈液の混合液を調整し、この混合液を洗浄槽5から一例として搾乳機のパイプライン(図示せず)に供給可能に構成されている。
【0022】
各洗剤タンク2のうちの洗剤タンク2aには、洗剤として搾乳機の内部を除菌するための殺菌剤が不図示の専用容器から小分けにして収容される。また、他の洗剤タンク2bには、搾乳機の内部を洗浄するための洗剤であるアルカリ洗剤が不図示の専用容器から小分けにして収容され、他の洗剤タンク2cには、搾乳機の内部を洗浄するための洗剤である酸性洗剤が不図示の専用容器から小分けにして収容される。また、各洗剤タンク2a,2b,2cは、対応する各ポンプ4a,4b,4cと送液パイプ21a,21b,21cを介して一対一で連結されている。希釈液タンク3には、希釈液(本例では一例として温水)が収容されている。また、希釈液タンク3は、送液パイプ21dを介してポンプ4dと一対一で連結されている。
【0023】
各ポンプ4a,4b,4c,4dは、本発明における第1ポンプに相当し、一例としてチューブポンプで構成されて、図1に示すように、制御部10から制御信号Sp1,Sp2,Sp3,Sp4(以下、特に区別しなときには「制御信号Sp」ともいう)を入力しているときに作動する。また、各ポンプ4a,4b,4cは、対応する洗剤タンク2a,2b,2cに収容されている洗剤を送液パイプ22a,22b,22cを介して洗浄槽5に供給する。また、ポンプ4dは、本発明における第2ポンプに相当し、希釈液タンク3に収容されている希釈液を送液パイプ22dを介して洗浄槽5に供給する。また、各ポンプ4の単位時間当たりの液体の供給量(送液量)は既知であるとする。なお、本例ではポンプ4dは温水を供給する構成のため、チューブポンプではなく、一般的なポンプを使用することもできる。
【0024】
洗浄槽5には、図1に示すように、濃度センサ6、温度センサ7および撹拌機8が配設されている。濃度センサ6は、温度センサ7、混合促進部(本例では撹拌機)8、制御部10、操作部11、表示部12および後述する流速減速部13と共に本発明における洗剤濃度検知装置31を構成し、本例では、一例として、図2に示すように、柱状の本体部6a、およびこの本体部6aの一方の端面から互いに平行な状態で突出する一対の検出電極6b,6bを備えた電気伝導度センサで構成されている。また、濃度センサ6は、図1〜4に示すように、洗浄槽5の側壁W1における底壁W2近傍に形成された装着孔5aに本体部6aが装着されて、その一対の検出電極6b,6bが洗浄槽5の内部に突出した状態で洗浄槽5に配設されている。このように構成された濃度センサ6は、後述するように、各検出電極6b,6bのうちの一方の検出電極6bに制御部10から所定電圧値のクロック信号S1が供給されているときに、両検出電極6b,6b間の電気伝導度Ec(詳細には、両検出電極6b,6b間に存在する物質の電気伝導度Ec)に比例した振幅のパルス信号を検出信号Seとして他の検出電極6bから出力する(図5参照)。
【0025】
温度センサ7は、濃度センサ6と同様にして、洗浄槽5の側壁W1における底壁W2近傍に配設されて、洗剤および希釈液の混合液の水温Twを検出すると共に、水温Twを示す温度データD1を出力する。撹拌機8は、電動モータ8aと、洗浄槽5の底壁W2近傍に配設されて電動モータ8aによって回転駆動される撹拌羽根8bとを備えている。また、撹拌機8は、制御部10から制御信号S2を入力しているときに電動モータ8aが作動して撹拌羽根8bを回転させることにより、洗浄槽5に供給された洗剤と希釈液との混合液に水流を発生させて撹拌して、洗剤と希釈液との混合状態を促進させる(より均一な混合状態に移行させる)。
【0026】
また、本例では、洗浄槽5には、撹拌機8によって発生させられた混合液についての水流の濃度センサ6付近における流速を減速(低減)させるための流速減速部13が配設されている。この流速減速部13は、図2〜4に示すように、濃度センサ6の一対の検出電極6b,6bを囲むように構成されている。具体的には、流速減速部13は、一例として、検出電極6b,6bの前方(突出方向)に位置する壁部13a、検出電極6b,6bの左右方向に位置する壁部13b,13c、検出電極6b,6bの下方に位置する壁部13dを備えて構成されている。この場合、壁部13aは、一例として平面視四角形に形成されて、洗浄槽5の側壁W1に対して平行であって、かつ底壁W2から所定距離離間した状態で配設されている。各壁部13b,13cも平面視四角形に形成されて、底壁W2から所定距離離間し、かつ互いに平行な状態で配設されている。また、壁部13bについては、壁部13aの左辺と洗浄槽5の側壁W1との間において、壁部13aおよび側壁W1に対して直角な状態で配設されている。一方、壁部13cについては、壁部13aの右辺と洗浄槽5の側壁W1との間において、壁部13aおよび側壁W1に対して直角な状態で配設されている。壁部13dは、一例として平面視四角形に形成されて、壁部13a、壁部13bおよび壁部13cの各下辺と、洗浄槽5の側壁W1とで構成される四角形の隙間において、洗浄槽5の底壁W2に対して平行な状態で配設されている。また、壁部13dは、三辺が壁部13a、壁部13bおよび壁部13cの各下辺と接触し、かつ残りの一辺(洗浄槽5の側壁W1側の一辺)が側壁W1から離間した状態で配設されている。本例では、壁部13aの左辺に壁部13bが、右辺に壁部13cがそれぞれ連結されて、各壁部13a〜13cが図2に示すように全体としてコ字状に形成され、さらに壁部13aの下辺に壁部13dが連結されて各壁部13a〜13dが一体的に形成されている。また、各壁部13b,13cにおける壁部13aと連結された辺の対向辺には図2〜4に示すように固定用壁部13e,13fが連結されており、流速減速部13は、各固定用壁部13e,13fが固定ネジ14,14で側壁W1に固定されることにより、側壁W1に取り付けられている。
【0027】
この構成により、流速減速部13は、濃度センサ6の前方(検出電極6b,6bの先端方向)から流れてくる混合液が流速の大きい状態のまま各検出電極6b,6bに到達するのを壁部13aで防止し、濃度センサ6の左右方向から流れてくる混合液が流速の大きい状態のまま各検出電極6b,6bに到達するのを各壁部13b,13cで防止し、濃度センサ6の下方向から流れてくる混合液(洗浄槽5の底壁W2に沿って流れてくる混合液)が流速の大きい状態のまま各検出電極6b,6bに到達するのを壁部13dで防止する。なお、流速減速部13は、濃度センサ6の上方については、図2,3に示すように開放しており、かつ濃度センサ6の下方については図2〜4に示すように壁部13dにおける一辺(洗浄槽5の側壁W1側の一辺)と側壁W1との間に幅狭な隙間SPが生じた状態となっている。このため、この流速減速部13における上部の開放部分および下部の隙間SPを介しての各検出電極6b,6b近傍への混合液の対流が確保されて、濃度センサ6で検出される混合液における洗剤の濃度は洗浄槽5の他の領域の濃度と同等に維持される。
【0028】
電磁弁9は、洗浄槽5の底壁W2に連結されて洗浄槽5と連通する送液パイプ23に介装されている。また、電磁弁9は制御部10から出力される制御信号S3に基づいて開閉動作して、送液パイプ23を開通状態または閉塞状態にする。この洗剤供給装置1では、送液パイプ23が搾乳機のパイプラインに接続されているため、以上の構成により、洗浄槽5に収容されている洗剤と希釈液との混合液は、電磁弁9が開通状態のときに送液パイプ23を介してパイプラインに供給される。
【0029】
制御部10は、図5に示すように、CPU10a、パルス生成回路10b、検出回路10c、A/D変換回路10dおよびメモリ10eで構成されている。この場合、CPU10aは、制御信号Sp1,Sp2,Sp3,Sp4を出力することによって各ポンプ4a,4b,4c,4dに対する制御を実行し、また制御信号S2を出力することによって撹拌機8に対する制御を実行し、また制御信号S3を出力することによって電磁弁9に対する制御を実行する。また、CPU10a、つまり制御部10は、本発明における第1計測部および第2計測部として機能して、各ポンプ4の作動時間を計測する。具体的には、CPU10aは、各ポンプ4に出力する各制御信号Spの出力時間を計測することにより、各ポンプ4の作動時間を計測する。
【0030】
また、CPU10aは、パルス生成回路10bを作動させて、クロック信号S1を生成させる。この場合、パルス生成回路10bは、CPU10aの制御下で、所定振幅のクロック信号S1を所定周期で生成して濃度センサ6の一方の検出電極6bに出力する。検出回路10cは、クロック信号S1の供給状態において、対応する濃度センサ6の他方の検出電極6bに発生する検出信号Se(パルス信号)を入力して、整流、平滑およびレベル変換を行って直流信号Se2に変換して出力する。A/D変換回路10dは、検出回路10cから直流信号Se2を入力して、その振幅を示すディジタルデータDveを生成してCPU10aに出力する。
【0031】
この場合、濃度センサ6の他方の検出電極6bに発生する検出信号Seの振幅は、上記したように、一対の検出電極6b,6b間の電気伝導度Ecに比例して変化する。また、洗剤と希釈液の混合液についての電気伝導度Ecは、混合液中の洗剤の濃度に比例して変化することが知られている。また、混合液の濃度は、混合液の水温Twによって変動することも知られている。したがって、CPU10aは、検出信号Seの振幅を示すディジタルデータDveと、後述する洗剤毎の比例定数Kpと、後述する洗剤毎の温度補正係数Ktとに基づいて、洗浄槽5内の混合液における洗剤の濃度をほぼ正確に算出することが可能となっている。
【0032】
メモリ10eは、搾乳機のパイプラインに供給されるべき洗剤の種類(殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤)、各洗剤についての電気伝導度Ecに乗算して各洗剤の濃度を求めるための比例定数Kp(殺菌剤:Kp1、アルカリ洗剤:Kp2、酸性洗剤:Kp3)、各洗剤の濃度についての温度補正係数Kt(殺菌剤:Kt1、アルカリ洗剤:Kt2、酸性洗剤:Kt3)、各洗剤についての目標希釈濃度De(本発明における所定濃度(目標濃度)であって、殺菌剤についてはDe1、アルカリ洗剤についてはDe2、酸性洗剤についてはDe3)、各洗剤の混合液の液量M(殺菌剤:M1、アルカリ洗剤:M2、酸性洗剤:M3)、およびCPU10aの動作プログラムなどを記憶する。以上のように構成された制御部10は、操作部11から入力した命令に応じて、メモリ10eに記憶されている各洗剤の目標希釈濃度Deおよび各洗剤の混合液の液量Mについての書換処理や洗剤供給処理を実行する。表示部12は、一例としてディスプレイ装置で構成されて、洗剤供給処理の結果などを画面上に表示する。
【0033】
次に、洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1の動作について、図6〜図8を参照しつつ具体的に説明する。なお、洗剤の一例として、洗剤タンク2aには殺菌剤が、また洗剤タンク2bにはアルカリ洗剤が、また洗剤タンク2cには酸性洗剤がそれぞれ収容されるものとする。
【0034】
この洗剤供給装置1では、作動状態において、温度センサ7は、洗浄槽5内の温度(洗浄槽5が空の場合には気温、洗浄槽5に液体が収容されているときには水温)を示す温度データD1の出力を開始している。また、制御部10は、図6に示すメイン処理を繰り返し実行している。このメイン処理では、制御部10は、まず、書換処理および洗剤供給処理のいずれの処理を実行すべきかを示す命令が操作部11から出力されたか否かを繰り返し検出し(ステップ51)、命令の出力を検出したときには、その命令で示される処理が書換処理および洗剤供給処理のいずれであるかを判別する(ステップ52)。この判別の結果、制御部10は、命令で示される処理が書換処理のときには書換処理を実行し(ステップ53)、洗剤供給処理のときには洗剤供給処理を実行する(ステップ54)。
【0035】
書換処理では、制御部10は、まず、操作部11から書換データが出力されたか否かを繰り返し検出し(ステップ61)、書換データの出力を検出したときには、メモリ10eに記憶されている各洗剤についての目標希釈濃度Deおよび各洗剤の混合液の液量Mのうちの書換データに含まれている書換すべき項目の数値で書き換える(ステップ62)。例えば、書換データに含まれている書換すべき項目が洗剤のうちの殺菌剤の液量であるときには、書換データに含まれている書換すべき数値で洗剤の液量M1を書き換える。これにより、メモリ10eに記憶されている各洗剤についての目標希釈濃度Deおよび各洗剤の混合液の液量Mが任意の数値に書き換えられる。これにより、書換処理が完了する。
【0036】
一方、洗剤供給処理では、制御部10は、まず、パルス生成回路10bに対してクロック信号S1の生成を開始させる(ステップ71)。これにより、濃度センサ6の一方の検出電極6bにクロック信号S1が供給され、濃度センサ6の他の検出電極6bから検出信号Seの出力が開始される。検出回路10cは、濃度センサ6から出力される検出信号Seを直流信号Se2に変換して出力する動作を開始し、また、A/D変換回路10dは検出回路10cから出力される直流信号Se2をディジタルデータDveに変換してCPU10aに出力する動作を開始する。
【0037】
次いで、希釈液タンク3から洗浄槽5に希釈液を所定量だけ供給する希釈液供給処理を実行する(ステップ72)。この希釈液供給処理では、制御部10は、最初に、メモリ10eから殺菌剤についての混合液の液量M1を読み出す。次いで、制御部10は、この液量M1をポンプ4dの単位時間当たりの供給量(既知)で除算することにより、ポンプ4dの作動時間T1を算出する。続いて、制御部10は、算出した作動時間T1だけ制御信号Sp4をポンプ4dに出力する。これにより、ポンプ4dは作動時間T1だけ作動して停止し、この結果、希釈液タンク3から洗浄槽5に希釈液が液量M(本発明における所定量)だけ供給される。なお、各洗剤は希釈液によって多くても約数%程度の濃度で希釈されるため、洗剤および希釈液の混合液の液量は希釈液の液量Mとほぼ一致する。
【0038】
また、この希釈液供給処理において、希釈液タンク3への希釈液の未供給、ポンプ4dの故障、および送液パイプ21d,22dの少なくとも一方についてのパイプ詰まりなどの異常が発生していたときには、洗浄槽5に希釈液が供給されない事態が発生する。このため、希釈液供給処理において、制御部10は、A/D変換回路10dから出力されるディジタルデータDveに基づく電気伝導度Ecの検出を実行しつつ、ポンプ4dの作動開始からの経過時間Tdを検出して、この経過時間Tdが所定時間Tr1(算出した作動時間T1以下の任意の時間)以上となったときに、検出している電気伝導度Ecがポンプ4dの作動開始当初の電気伝導度Ec(この場合、洗浄槽5は空であるため、空気の電気伝導度Ec1)から変化して希釈液の電気伝導度Ec2に達したか否かを判別する。上記の異常が発生しているときには、検出している電気伝導度Ecが希釈液の電気伝導度Ec2に達しないため、制御部10は、異常が発生していると判別して、その旨を表示部12に表示させて報知する。これにより、作業者は、上記の異常の発生を認識することができる。
【0039】
次いで、制御部10は、撹拌機8に制御信号S2を出力して洗浄槽5内の液体の撹拌動作を開始させると共に、温度センサ7から出力される温度データD1に基づく洗浄槽5内の液体(希釈液、または洗剤と希釈液との混合液)の水温Twの検出を開始する。また、制御部10は、ディジタルデータDveに基づく洗浄槽5内の液体の電気伝導度Ecの検出を続行する(ステップ73)。続いて、制御部10は、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちのどの洗剤を洗浄槽5に供給させるかを示す命令が操作部11から出力されたか否かを繰り返し検出し(ステップ74)、この命令の出力を検出したときには、命令で指定された洗剤についての比例定数Kp、温度補正係数Kt、目標希釈濃度Deおよび液量Mをメモリ10eから読み出す。以下では、一例として、この命令において殺菌剤が指定され、制御部10が、殺菌剤についての比例定数Kp1、温度補正係数Kt1、目標希釈濃度De1および液量M1をメモリ10eから読み出したものとする。
【0040】
続いて、制御部10は、操作部11からの命令で指定された洗剤に対応するポンプ4に制御信号Spを出力することにより、命令で指定された洗剤の洗剤タンク2から洗浄槽5へのこの洗剤の供給を開始すると共に、希釈液の供給のときと同様にして、洗剤の供給開始からの経過時間Tdの計測を開始する(ステップ75)。本例では、制御部10は、ポンプ4aに制御信号Sp1を出力することにより、洗剤タンク2aから洗浄槽5への殺菌剤の供給を開始すると共に、殺菌剤の供給開始からの経過時間Tdの計測を開始する。この場合、洗浄槽5内に収容されている希釈液は撹拌機8によって撹拌されて、水流が発生した状態となっているため、洗浄槽5に供給された洗剤は希釈液と良好に混合される(混合状態が良好に促進される)。
【0041】
次いで、制御部10は、ディジタルデータDveに基づいて検出される洗浄槽5内の液体の電気伝導度Ecと、メモリ10eから読み出した比例定数Kp(本例では殺菌剤:Kp1)および温度補正係数Kt(本例では殺菌剤:Kt1)とに基づいて、洗浄槽5内の洗剤と希釈液との混合液の濃度Dを算出する(ステップ76)。具体的には、制御部10は、電気伝導度Ecに比例定数Kpを乗算し、その乗算値に温度補正係数Ktをさらに乗算して濃度Dを算出する。この場合、温度が上昇することで混合液の濃度D(電気伝導度Ec)も増加する。このため、電気伝導度Ecと比例定数Kpとの乗算値に温度補正係数Ktを乗算して温度補正(温度補償)することで、混合液の温度が変化したとしても、洗剤が所定濃度(目標希釈濃度De)に正確に希釈された混合液が調製される。この場合、目標希釈濃度De(所定濃度)に対して温度補正を行う構成を採用することもできる。また、この濃度Dの算出に際して、撹拌機8の撹拌によって発生する水流に起因して濃度センサ6の近傍の流速が大き過ぎると、濃度センサ6での混合液の電気伝導度Ecを正確に検出できない事態も発生するが、本例では、流速減速部13の存在により、濃度センサ6の周辺の流速が十分に減速されているため、濃度センサ6において正確な電気伝導度Ecの検出が可能となっている。また、制御部10は、濃度Dの算出と共に、計測している経過時間Tdが所定時間Tr2(本発明における所定時間であって、予め設定された任意の時間)以上となったか否かの検出を実行する(ステップ77)。
【0042】
制御部10は、算出した濃度Dをメモリ10eから読み出した目標希釈濃度De(本例では殺菌剤:De1)と比較しつつ(ステップ78)、ステップ76,77を繰り返し実行し、ステップ78での比較の結果、算出した濃度Dが目標希釈濃度De以上となったときに、操作部11からの命令で指定された洗剤に対応するポンプ4への制御信号Spの出力を停止して、洗剤タンク2から洗浄槽5への洗剤の供給を停止する(ステップ79)。本例では、制御部10は、ポンプ4aへの制御信号Sp1の出力を停止してポンプ4aの作動を停止させることで、洗剤タンク2aから洗浄槽5への殺菌剤の供給を停止する。これにより、洗剤と希釈液との混合液(目標希釈濃度Deで洗剤が希釈された混合液)の調製が完了する。
【0043】
次いで、制御部10は、撹拌機8に対する制御信号S2の出力を停止して撹拌機8の作動を停止させると共に(ステップ80)、電磁弁9に対して制御信号S3を一定時間出力する。これにより、洗浄槽5から送液パイプ23を介して搾乳機のパイプラインに液量M(殺菌剤ではM1)の混合液が供給されて(ステップ81)、この洗剤供給処理が完了する。
【0044】
一方、洗浄槽5に供給しようとする洗剤の洗剤タンク2内での収容量の不足、この洗剤タンク2に対応するポンプ4a〜4cの故障、およびこの洗剤タンク2と洗浄槽5との間の送液パイプ21a〜21c,22a〜22cの少なくとも一方でのパイプ詰まりの発生などの異常が発生していたときには、この洗剤の供給開始からの経過時間Tdが所定時間Tr2に達しても、ステップ76において算出している混合液の濃度Dが目標希釈濃度Deに達しない。このため、制御部10は、ステップ76〜78を繰り返し実行している際に、ステップ77において経過時間Tdが所定時間Tr2以上となったことを検出したときには、上記の異常が発生したと判別して、その旨を表示部12に表示させるなどの報知処理を実行して(ステップ82)、この洗剤供給処理を終了させる。これにより、作業者は、洗剤の洗浄槽5への供給処理において何らかの異常が発生したことを認識することができる。
【0045】
また、ステップ74において、アルカリ洗剤や酸性洗剤が指定されたときにも、制御部10が、上記した殺菌剤が指定されたときと同様にして洗剤供給処理を実行して、異常の発生しないときには、アルカリ洗剤や酸性洗剤が希釈液によって目標希釈濃度Deに希釈された液量M(アルカリ洗剤では液量M2、酸性洗剤では液量M3)の混合液が洗浄槽5から送液パイプ23を介して搾乳機のパイプラインに供給され、一方、異常の発生したときには、混合液の供給が行われることなく、異常の発生の旨が表示部12に表示される。
【0046】
このように、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、制御部10が、所定量の希釈液(希釈する洗剤に対応する液量M)が供給された状態の洗浄槽5に対応するポンプ4で洗剤を供給し、濃度センサ6で検出している洗剤および希釈液の混合液の濃度Dが所定濃度(目標希釈濃度De)となったときにポンプ4の作動を停止させることにより、洗剤シリンダを使用することなく、所望の液量Mの混合液を調製することができるため、洗剤シリンダを不要にできる分だけ、洗剤供給装置の構成を簡単にすることができる。また、操作部11による操作によってメモリ10eに記憶されている各洗剤についての液量Mを書き換えるだけで、洗浄槽5に供給する希釈液の液量を変更することができるため、洗浄槽5において調製する混合液の液量を自由に変更することができる結果、装置構成を手動で調整する必要のある従来の洗剤供給装置と比較して、洗剤および希釈液の混合液についての液量の変更作業を容易に行うことができる。
【0047】
また、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、種類の異なる洗剤(上記例では、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤)毎に洗剤タンク2(上記例では洗剤タンク2a〜2c)が複数配設され、制御部10が、洗剤および希釈液の混合液の濃度が洗剤毎に予め規定された所定濃度(目標希釈濃度De)となったときに洗剤に対応するポンプ4の作動を停止させることにより、複数の洗剤のうちの任意の1種の洗剤をこの洗剤に規定された所定濃度(目標希釈濃度De)に希釈して混合液を調製し、かつ供給することができる。
【0048】
また、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、制御部10が、温度センサ7で検出された温度(水温Tw)に基づいて温度補正して混合液の濃度Dを算出することにより、混合液の温度が変化したとしても、洗剤が所定濃度(目標希釈濃度De)に正確に希釈された混合液を調製して供給することができる。
【0049】
さらに、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、計測部として機能する制御部10が洗剤の供給開始からの経過時間Tdを計測し、この経過時間Tdが予め規定された所定時間Tr2以上となり、かつ混合液の濃度Dが目標希釈濃度Deに達しないときに、その旨を表示部12を使用して報知することにより、作業者は、ポンプ4a〜4cの故障や送液パイプ21a〜21c,22a〜22cのパイプ詰まりなどの異常の発生を確実かつ容易に確認することができる。
【0050】
また、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、計測部として機能する制御部10が希釈液の供給開始からの経過時間Tdを計測し、この経過時間Tdが予め規定された所定時間Tr1以上となり、かつ濃度センサ6で検出された電気伝導度Ecが所定の電気伝導度(希釈液の電気伝導度Ec2)に達しないときに、その旨を表示部12を使用して報知することにより、作業者は、ポンプ4dの故障や送液パイプ21d,22dのパイプ詰まりなどの異常の発生を確実かつ容易に確認することができる。
【0051】
また、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、撹拌機8が混合液に水流を発生させて洗剤と希釈液との混合状態を促進させることにより、混合液の濃度Dを濃度センサ6によって正確に検出することができるため、洗剤が目標希釈濃度Deに正確に希釈された混合液を調製して供給することができる。
【0052】
また、この洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1によれば、濃度センサ6近傍に配設された流速減速部13が、濃度センサ6付近における水流の流速を減速させることにより、混合液の濃度Dを濃度センサ6によって正確に検出することができるため、洗剤が目標希釈濃度Deに一層正確に希釈された混合液を調製して供給することができる。
【0053】
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、洗浄槽5に希釈液を供給し、その後に洗浄槽5に所望の洗剤を供給する構成を採用しているが、逆に、洗浄槽5に所望の洗剤を供給し、その後に洗浄槽5に希釈液を供給する構成を採用することもできる。また、洗剤として3種類の洗剤(殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤)を使用する構成を採用しているが、1種類、2種類または4種類以上の洗剤を使用する構成を採用することもできる。また、上記の洗剤供給装置1では、洗剤の混合液を洗浄槽5から搾乳機のパイプラインに供給しているが、搾乳機の一部を構成するバルククーラーに供給できるのは勿論である。
【0054】
また、流速減速部13を一例として図2〜図4に示す構成、すなわち濃度センサ6を4つの壁部13a,13b,13c,13dで囲む構成としたが、混合液の水流の向きに応じて、下方に位置する壁部13dに代えて濃度センサ6の上方に壁部を設けたり、左右の壁部13b,13cの一方を省いたり、壁部13aを省いたりするなど、種々の壁部で流速減速部13を構成することができる。また、このような壁部の少なくとも1つに挿通孔を1つまたは複数の形成して流速減速部13を構成することもできる。また、撹拌機8によって混合液に発生する水流が、濃度センサ6での電気伝導度の検出の妨げにならない程度の流速のときには、流速減速部13の配設を省略することもできる。
【0055】
また、混合促進部の一例として撹拌羽根8bを備えた撹拌機8を採用しているが、撹拌羽根8b以外の撹拌手段を備えた撹拌機8を採用してもよいのは勿論である。例えば、混合液の吸引・吐出動作を繰り返して撹拌する構成の撹拌機8を採用することもできる。また、希釈液に対する拡散性の高い洗剤を使用するときには、撹拌機8を使用しない構成を採用することもできる。また、温度変化に影響されることなく所定濃度の混合液を供給し得るように、温度センサ7を使用して濃度Dを温度補正する構成を採用しているが、温度変化の少ない環境下での使用が前提とされるときには、温度センサ7の配設を省いた構成を採用することもできる。また、表示部12としてディスプレイ装置を使用した例について上記したが、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、LEDおよびランプなどの表示装置を使用して報知することもできるし、ブザーやスピーカーなどの鳴動装置を使用または併用して報知することもできる。また、制御部10(詳細にはCPU10a)が本発明における計測部として機能する構成を採用している、計測部としてタイマICなどを別途配設する構成を採用することもできる。
【0056】
また、濃度センサ6、温度センサ7、混合促進部(撹拌機)8、制御部10、操作部11、表示部12および流速減速部13で洗剤濃度検知装置31を構成した例について上記したが、必須な構成要素である濃度センサ6および制御部10以外の構成要素については必要とする機能に応じて適宜設けることができる。また、既に構築されている洗剤供給装置に洗剤濃度検知装置31を組み込んで洗剤供給装置1を構築することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】洗剤濃度検知装置31および洗剤供給装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図1における濃度センサ6および流速減速部13近傍の要部斜視図である。
【図3】図2の上方側から見た平面図である。
【図4】図2の下方側から見た底面図である(底壁W2を一部切り欠いた状態)。
【図5】制御部10の構成を示すブロック図である。
【図6】洗剤供給装置1のメイン処理のフローチャートである。
【図7】図6の書換処理のフローチャートである。
【図8】図6の洗剤供給処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 洗剤供給装置
2a,2b,2c 洗剤タンク
3 希釈液タンク
4a,4b,4c,4d ポンプ
5 洗浄槽
6 濃度センサ
7 温度センサ
8 撹拌機
10 制御部
13 流速減速部
31 洗剤濃度検知装置
D 濃度
De 目標希釈濃度
Td 経過時間
Tr2 所定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤用容器内に供給された洗剤および希釈液のうちのいずれか一方の液体に対して当該洗剤および当該希釈液のうちのいずれか他方の液体を混合した混合液の濃度を検出する濃度センサと、
前記濃度センサで検出された前記濃度が所定濃度となったときに、前記他方の液体を前記洗剤用容器内に供給する第1ポンプの作動を停止させる制御部とを備えている洗剤濃度検知装置。
【請求項2】
前記洗剤用容器内の液体の温度を検出する温度センサを備え、
前記制御部は、前記温度センサで検出された前記温度に基づいて、前記濃度センサで検出された前記濃度または前記所定濃度に対する温度補正を実行する請求項1記載の洗剤濃度検知装置。
【請求項3】
前記第1ポンプの作動開始からの経過時間を計測する第1計測部を備え、
前記制御部は、前記第1計測部で計測された経過時間が予め規定された所定時間以上となり、かつ前記濃度が前記所定濃度に達しないときに、その旨を報知する請求項1または2記載の洗剤濃度検知装置。
【請求項4】
前記一方の液体を前記洗剤用容器に供給する第2ポンプの作動開始からの経過時間を計測する第2計測部とを備え、
前記濃度センサは、電気伝導度センサで構成され、
前記制御部は、前記第2計測部で計測された経過時間が予め規定された所定時間以上となり、かつ前記電気伝導度センサで検出された電気伝導度が所定の電気伝導度に達しないときに、その旨を報知する請求項1から3のいずれかに記載の洗剤濃度検知装置。
【請求項5】
水流を発生させて前記洗剤と前記希釈液との混合状態を促進させる混合促進部を備えている請求項1から4のいずれかに記載の洗剤濃度検知装置。
【請求項6】
前記濃度センサ付近における前記水流の流速を減速させる流速減速部を備えている請求項5記載の洗剤濃度検知装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の洗剤濃度検知装置と、
前記混合液を収容する前記洗剤用容器と、
前記他方の液体を前記洗剤用容器内に供給する前記第1ポンプとを備え、
前記所定濃度の前記混合液を前記洗剤用容器内で調製して供給する洗剤供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−95275(P2009−95275A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269617(P2007−269617)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】