説明

洗浄剤組成物、その製品および使用方法

洗浄剤組成物は界面活性剤、ナトリウム源、におい中和剤、芳香剤および殺生物剤を含み、におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれ、この洗浄剤組成物は、約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで安定である。スプレーディスペンサーは、洗浄剤組成物および噴射剤を含む。開示されている洗浄剤組成物を自動車内部に施用することによる、自動車内部の洗浄、脱臭またはその組合せの方法も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄剤組成物に関する。
(関連出願への相互参照)
本出願は、その内容が本明細書で参照により組み込まれている2005年7月22日出願の米国特許仮出願第60/701,899号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
様々な目的のために、多くの異なる洗浄組成物が開発されている。洗浄剤は、油脂および/または粒状の汚物を除去する作用、脱臭作用、消毒する(細菌およびウイルス両者の微生物体を殺すこと)作用、しみを除去する作用、白カビを除去する作用、漂白作用、ならびに洗浄する材料の色を保存する作用を含むことができる。一般的な布洗浄法では、比較的低レベルの悪臭を含む布からにおいを除去またはマスキングすることができる。しかし、布が比較的高レベルの悪臭気物を有するとき、あるいは布が例えば、ペット汚物、失禁のにおい、吐き戻された食品、一般食品のこぼれ、カビまたは白カビからのものなどのある種の悪臭を含むとき、一般的な布洗浄法によっては除去またはマスキングされない、容易に消えない悪臭が残ることがある。一般的な布洗浄過程の後にも悪臭が残存するような場合、消費者はカーペットの悪臭を含む部分を2度、または3度でも洗浄するであろう。このことは、特に悪臭を含む特定の部分において布の過度の磨耗を引き起こし、不均一な磨耗および損耗のために布の不均一な外観をもたらす可能性がある。
【0003】
シクロデキストリンは、脱臭剤および洗浄剤組成物においてにおいを制御するために用いられてきた。しかし、シクロデキストリンは洗剤組成物に組み込まれた場合、香料および界面活性剤と相互作用することがあり、また、悪臭制御のために必要とされるシクロデキストリンのレベルは非常に高い。他の組成物としては、におい遮断薬が用いられる。悪臭制御のために必要とされる高レベルで用いられる場合、一部のにおい遮断薬は悪臭だけでなく香料の望ましいにおいをも遮断する可能性がある。同様に、一部のマスキング化合物は望ましいにおいを遮断し、反応物質は望ましいにおいを破壊することもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、新しい洗浄剤および脱臭剤組成物、特に布に適したこれらのものの必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、洗浄剤組成物はにおい中和剤を含み、におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれる。
【0006】
例示的な一実施形態では、洗浄剤組成物は界面活性剤、ナトリウム源、におい中和剤、芳香剤および殺生物剤を含み、このにおい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれ、この洗浄剤組成物は、約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで安定である。
【0007】
他の実施形態では、前述の洗浄剤組成物および、任意選択で、噴射剤を含むスプレーディスペンサーが記載される。
【0008】
さらに他の実施形態では、自動車内部の洗浄、脱臭またはその組合せの方法は、前述の洗浄剤組成物を自動車内部に施用することを含む。
【0009】
上記の特徴および他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から当業者によって認識および理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
用語「汚染物」は、それらの清潔なまたは汚染されていない状態の布では通常発見されず、洗浄過程で一般に布から除去されるほとんどの物質を表す。例示的な汚染物には、脂肪、トリグリセリドなどの脂肪酸、脂肪様物質、塩、食品残がい(例えばコーヒー、ソーダ、ケチャップ、マスタード、チョコレートおよびミルク)、汗、血液、尿、煙、しみ、汚物、油および油脂ならびに清潔なテキスタイル中には通常発見されない他の多くの合成および天然もしくは生物的汚染物が含まれる。いくつかの一般的な汚染物としては、尿、酸乳および煙がある。
【0011】
用語「テキスタイル」および「布」は、衣料品(garments)、衣服(clothing)、カーペット、布カバーおよび布を含む関連品目を作製するために用いられる、天然および合成の繊維で構成される布および関連材料を記載するために用いられる。本組成物との使用に適合するテキスタイルとしては、天然および合成の繊維および糸、例えば、とりわけ、絹、綿、ウール、カポック、リネン、麻、ジュート、マニラ麻、アルファ、ココナッツ、エニシダ、ケナフ、ラミー、サイザル、ポリエステル類、アセテート、トリアセテート、レーヨン、レーヨン−アセテート、セルロース、ポリプロピレンセルロース、ポリオレフィン、アルギナート、キュプラ(再生セルロース)、モーダル、再生タンパク質繊維、ポリアクリル、ポリ塩化物、フッ素系繊維、モダクリル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(ナイロンを含む)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ビニラール、トリビニル、エラストジエン、エラスタン(elasthane)ならびにこれらの天然および合成の繊維の混合物などから作製されるテキスタイルがある。
【0012】
本発明者らは、本明細書で、様々な成分の間の相乗的相互作用のために、におい中和特性も有する洗浄剤組成物を見出した。例示的な一実施形態では、洗浄剤組成物は界面活性剤、ナトリウム源、におい中和剤、芳香剤および殺生物剤を含み、このにおい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれ、この洗浄剤組成物は、約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで安定である。
【0013】
本明細書で用いるように、安定という用語は、その組成物が保存安定性を有すること、すなわち、沈殿の形成、相分離、または加水開裂などの化学分解を実質的に全く示さないことを意味する。例えば、安定製剤においては、製剤の外観に実質的にいかなる変化も起こらない。
【0014】
例示的な一実施形態では、洗浄剤組成物は界面活性剤を含む。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、または前述の界面活性剤の1つもしくは複数を含む組合せを挙げることができる。理論に縛られることなく、界面活性剤は、例えば油、ほこり、食品、ペット臭、尿、嘔吐物、などの臭気のある物質を乳化すると考えられている。乳化はにおい中和のために表面積を増加させることができ、および/またはにおい中和のための環境をつくることができる。
【0015】
適当な非イオン性界面活性剤としては、それらに限定されないが、エトキシル化アルコール、エトキシル化フェノール、エトキシル化脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ココナッツモノエタノールアミドエトキシレート、エトキシル化トール油、エトキシル化ポリプロピレングリコール、ココナッツモノおよびジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、n−アルキルピロリドン、ショ糖エステルおよびアルキルポリグリコシドなどのアルキル多糖類、アルキルフェノールエトキシレート、エトキシル化ヒマシ油、脂肪酸エトキシレート、脂肪族アミンエトキシレート、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ならびにエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーのアルキル付加物、加えて前述の2つ以上の混合物がある。一実施形態では、非イオン性界面活性剤には、Tomah Products,Inc.から入手可能なC12〜C15エトキシル化アルコールであるTomadol(登録商標)25−7が含まれる。他の実施形態では、界面活性剤には、D−グルコピラノシドもしくは類似したC10〜C16アルキルオリゴマーおよびD−グルコースの混合物と考えられているGlucopon(登録商標)425、または、D−グルコピラノシドもしくは類似したC10〜C16アルキルオリゴマーを含むと考えられているGlucopon(登録商標)215などのアルキルポリグリコシドが含まれ、両方ともCognisから入手可能である。他の実施形態では、界面活性剤にはCognisから入手可能な、C10〜C16アルキルポリグリコシドおよびC〜C10アルコールエトキシレートプロポキシレートに加えてデセンエポキシドを含む混合物を含むと考えられている、Dehypound WO7などのアルキルポリグリコシドが含まれる。他の実施形態では、界面活性剤にはCognisから入手可能な、C10〜C16アルキルポリグリコシドならびにエピクロロヒドリンおよびイソデシルアルコール−4EOの反応生成物を含む混合物を含むと考えられている、Dehypound HSC 5515などのアルキルポリグリコシドが含まれる。さらなる他の実施形態では、非イオン性界面活性剤には、イソ−C10−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー付加物であるGenapol(登録商標)EP 1024(以前はSandoxylate(登録商標)SX−408として知られていた)が含まれる。他の適当な非イオン性界面活性剤は、Uniqemaから入手可能な、Monamulse DLEとして他の商標登録界面活性剤との混合物として入手できる、エトキシル化ノニルフェノールである。
【0016】
適当なアニオン性界面活性剤としては、それらに限定されないが、直鎖および/または分枝鎖のアルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート、エーテルスルフェート、二級アルキルスルフェート、α−オレフィンスルホネート、リン酸エステル、スルホスクシネート、イセチオネート、カルボキシレート、ならびに前述のアニオン界面活性剤の1つまたは複数を含む組合せがある。具体的なアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸マグネシウム、スルホスクシネートエステル、ラウリル硫酸アンモニウム、アルキルスルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルフェート、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノールエトキシレート、キシレンスルホン酸ナトリウム;アルキルベンゼンスルホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸;N−アルコイルサルコシネート、例えばラウロイルサルコシン酸ナトリウム;ジアルキルスルホスクシネート;N−アルコイルサルコシン、例えばラウロイルサルコシン;アルキルエーテルカルボキシレート;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルカノールアミンおよびアミン石鹸を含む石鹸;ならびに前述のアニオン性界面活性剤の1つまたは複数を含む組合せがある。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、AkzoからWITCOLATE(登録商標)WAC LAとして入手可能なラウリル硫酸ナトリウムである。
【0017】
両性界面活性剤には、それらに限定されないが、ベタイン、n−アルキルピロリドン、イミダゾリン、および前述の界面活性剤の1つまたは複数を含む組合せが含まれる。
【0018】
カチオン性界面活性剤には、それらに限定されないが、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化または臭化アルキルトリメチルアンモニウムを含む第四級アンモニウム化合物;脂肪族アミンを有する有機または無機の酸の塩;脂肪族アミンエトキシレート;および前述のカチオン性界面活性剤の1つまたは複数を含む組合せが含まれる。
【0019】
非イオン性およびアニオンの界面活性剤の混合物などの、数種類の界面活性剤の混合物を用いることができる。この種の商標登録混合物は、Mona Industries,Inc.から入手可能なMonamulse(登録商標)DLEである。
【0020】
一実施形態では、界面活性剤にはエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーのアルキル付加物、アルキルポリグリコシド、ラウリル硫酸ナトリウムおよびエトキシル化アルコールが含まれる。一実施形態では、アルキルポリグリコシドには、C〜C16のアルキル鎖長を有するアルキルポリグリコシドが含まれる。C〜C16のアルキル鎖長を有する適当なアルキルポリグリコシドを含む市販の適当な界面活性剤の例示的な例は、Cognisから販売されているDehypound HSC 5515である。他の実施形態では、アルキルポリグリコシドには、C〜C10のアルキル鎖長を有するアルキルポリグリコシドが含まれる。C〜C10のアルキル鎖長を有する適当なアルキルポリグリコシドを含む市販の界面活性剤の例は、Cognisから販売されているDehypound WO7である。
【0021】
一実施形態では、界面活性剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の0.0重量パーセント(重量%)〜約2重量%を構成する。他の実施形態では、界面活性剤は約0.2重量パーセント〜約1.0重量パーセントを構成する。例示的な一実施形態では、界面活性剤は洗浄剤組成物の約0.95重量パーセントを構成する。
【0022】
界面活性剤にエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーのアルキル付加物、アルキルポリグリコシド、ラウリル硫酸ナトリウムおよびエトキシル化アルコールが含まれる実施形態では、洗浄剤組成物の総重量に基づき、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーは洗浄剤組成物の約0.1重量%〜約0.3重量%を構成し、アルキルポリグリコシドは洗浄剤組成物の約0.05重量%〜約0.5重量%を構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは洗浄剤組成物の約0.125重量%〜約0.625重量%を構成し、エトキシル化アルコールは洗浄剤組成物の約0.05重量%〜約0.3重量%を構成する。
【0023】
例示的な一実施形態では、洗浄剤組成物はナトリウム源を含む。理論に縛られることなく、ナトリウム源のナトリウムは臭気の少ないまたは臭気の全くない分子を生成するために、臭気のある分子と相互作用して、例えば硫黄および/または有機基を置換すると考えられる。適当なナトリウム源としては、例えば、クエン酸ナトリウム、ナトリウム塩およびラウリル硫酸ナトリウムがある。
【0024】
洗浄剤組成物は、におい中和剤をさらに含む。一部のにおい中和剤は、悪臭を発生する化合物の量を低減することによって悪臭をマスキングする。本明細書で用いるように、におい中和剤は臭気のある分子と反応してにおいを低減または排除する化合物である。におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれる。ベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンと界面活性剤との相乗的相互作用は、多種多様なにおいの中和をもたらすと考えられている。
【0025】
におい中和剤にはベタイン化合物が含まれる。ベタイン化合物は、アンモニアまたはトリメチルアミン(TMA)などのアルカリ性の臭気ガス、ならびに硫化水素またはメチルメルカプタン(MeSH)などの酸性の臭気ガスの脱臭に効果を発揮することができる。適当なベタイン化合物には、例えば、エタナミニウム(ethanaminium)N−(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)クロリドなどのグリシンベタイン類が含まれる。ベタイン類を含む組成物は、例えばEpoleon社から販売されているEpoleon(登録商標)N−NZおよびEpoleon(登録商標)−100として入手可能である。
【0026】
におい中和剤には、アミノアルコールも含まれる。アセトアルデヒド、ブタナール(ブチルアルデヒド)、イソブタナール、2−メチルブタナール、3−メチルブタナール、ヘキサナール、などのアルデヒドは、尿臭などの不快なにおいを引き起こすことがある。例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよび前述のアミノアルコールの1つまたは複数を含む組合せなどのアミノアルコールは、アルデヒド臭を中和することができる。
【0027】
におい中和剤にはポリオールが含まれ、それは悪臭を放つ成分と複合体を形成することおよび/または気持ちの良い芳香性を洗浄剤組成物に付与することができる。適当なポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよび前述のグリコールの1つまたは複数を含む組合せがある。一実施形態では、ポリオールはトリエチレングリコールである。トリエチレングリコールは、Aire−Mate,Inc.から入手可能なT.O.C.Termiticide Odor Counteractantの形で製剤に加えることができる。
【0028】
におい中和剤には、イオノンも含まれる。イオノンは、においをマスキングする特性を有する可能性がある。適当なイオノンとしては、例えば、アルファイオノン、ベータイオノン、ガンマイオノンおよび前述のイオノンの1つまたは複数を含む組合せがある。
【0029】
におい中和剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.125重量%〜約0.5重量%を構成する。他の実施形態では、におい中和剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.25重量%〜約0.5重量%を構成する。さらなる他の実施形態では、におい中和剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.375重量%〜約0.5重量%を構成する。
【0030】
例示的な一実施形態では、洗浄剤組成物は芳香剤を含む。芳香剤は、支配的であるがより気持ちの良い香料を重ね合わせることによって、悪臭をより気持ちの良い性質に変えることができる。芳香剤の1つの利点は、それらが一般的に他の物質よりも低い沸点を有するので、これらの物質からの芳香が空気中に素早く拡散して、鼻の受容体部位に結合するのに悪臭と競合するということである。これらの芳香剤からの芳香はより揮発性であり悪臭より早くに鼻の受容体部位に到達するので、悪臭が最後に到着するときには鼻の受容体部位はすでに占領されており、したがって悪臭の認識を効果的にマスキングする。
【0031】
適当な芳香剤としては、例えば、アネトール、メチルヘプチンカーボネート、エチルアセトアセテート、パラシメン、ネロール、デシルアルデヒド、パラクレゾール、メチルフェニルカルビニルアセテート、ウンデシレンアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、2,6−ノナジエナル、ノニルアルデヒド、オクチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンジルアセトン、エチル−2−メチルブチレート、ダマセノン(damascenone)、ダマスコンアルファ、ダマスコンベータ、フロールアセテート、フルテン(frutene)、フラクトン(fructone)、ハーバベルト(herbavert)、イソシクロシトラール、メチルイソブテニルテトラヒドロピラン、イソプロピルキノリン、2,6−ノナジエン(nonadien)−1−オール、2−メトキシ−3−(2−メチルプロピル)−ピラジン、メチルオクチンカーボネート、トリデセン−2−ニトリル、アリルアミルグリコレート、シクロガルバネート、シクラルC、メロナル、ガンマノナラクトン、シス1,3−オキサチアン−2−メチル−4−プロピル、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、樟脳、カンフェン、カルボン、ボルネオール、酢酸ボルニル、デシルアルコール、オイカリプトール、リナロール、酢酸ヘキシル、酢酸イソアミル、チモール、カルバクロール、リモネン、メントール、イソアミルアルコール、フェニルエチルアルコール、アルファピネン、テルピネオール、シトロネロール、アルファツジョン(alpha thujone)、ベンジルアルコール、ベータガンマヘキセノール、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルエチルジメチルカルビノール、アドキサル(adoxal)、アリルシクロヘキサンプロピオネート、ベータピネン、シトラール、酢酸シトロネリル、シトロネラールニトリル、ジヒドロミルセノール(myrcenol)、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、ヒドロキノンジメチルエーテル、ヒドロキシシトロネラール、酢酸リナリル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルプロピルアルコール、酢酸プレニル、トリプラール、テトラヒドロリナロール、ベルドックス(verdox)、シス−3−ヘキセニルアセテート、エチルメチルフェニルグリシデート(glycidate)、エチルバニリン、ヘリオトロピン、インドール、アントラニル酸メチル、バニリン、サリチル酸アミル、クマリン、アムブロックス(ambrox)、バクダノール(bacdanol)、サリチル酸ベンジル、アントラニル酸ブチル、セタロックス(cetalox)、エバノール(ebanol)、シス−3−ヘキセニルサリチレート、リリアル(lilial)、ガンマウンデカラクトン、ガンマドデカラクトン、ガンマデカラクトン、カロン(calone)、シマル(cymal)、ジヒドロイソジャスモネート、イソオイゲノール、リラル(lyral)、メチルベータナフチルケトン、ベータナフトールメチルエーテル、パラヒドロキシルフェニルブタノン、8−シクロヘキサデセン−1−オン、オキソシクロヘキサデセン−2−オン/ハバノリド(habanolide)、フロルヒドラル(florhydral)、イントレレブン(intreleven)アルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、サリチル酸ヘキシル、メチルジヒドロジャスモネート、サンダロール(sandalore)、ベルートン(veloutone)、ウンデカベルトール(undecavertol)、エクサルトリド(exaltolide)/シクロペンタデカノリド(cyclopentadecanolide)、ジンゲロン、メチルセドリロン(cedrylone)、サンデラ(sandela)、ジメチルベンジルカルビニルブチレート、ジメチルベンジルカルビニルイソブチレート、トリエチルシトレート、カシメラン(cashmeran)、フェノキシエチルイソブチレート、イソオイゲノールアセテート、ヘリオナール(helional)、イソEスーパー(iso E super)、イオノンガンマメチル、ペンタリド、ガラクソリド(galaxolide)、フェノキシエチルプロピオネートおよび前述の芳香剤の1つまたは複数を含む組合せがある。一実施形態では、芳香剤には、樟脳、カンフェン、サリチル酸アミル、テルピネオールまたは前述の芳香剤の1つまたは複数を含む組合せが含まれる。
【0032】
一実施形態では、芳香剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、0.0重量%〜約0.325重量%を構成する。他の実施形態では、芳香剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.01重量%〜約0.125重量%を構成する。他の実施形態では、芳香剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.01重量%〜約0.25重量%を構成する。さらなる他の実施形態では、芳香剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.01重量%〜約0.325重量%を構成する。
【0033】
一実施形態では、洗浄剤組成物は殺生物剤を含む。適当な殺生物剤としては、例えば、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン;4,4−ジメチル−オキサゾリジン;3,4,4−トリメチルオキサゾリジン;5−ヒドロキシ−メチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0.]オクタン;2−(ヒドロキシメチル)−アミノエタノール;2−(ヒドロキシメチル)−アミノ−2−メチル−1−プロパノール;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−5−トリアジン;1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニア−アダマンタンクロリド;1−メチル−3,5,7−トリアザ−1−アゾニア−アダマンタンクロリド;p−クロロ−m−クレゾール;塩酸アルキルアミン;6−アセトキシ−2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン;5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン;2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン;1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン;ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントイン;2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール;N−トリクロロメチル−チオ−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド;2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン;2,4,5,6−テトラクロロ−イソフタロニトリル;3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート;N−(トリクロロメチル−チオ)フタルイミド;テトラクロロイソフタロニトリル;N−ヒドロキシ−メチル−N−メチル−ジチオカルバミン酸カリウム;2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム;パラヒドロキシ安息香酸ブチル;パラヒドロキシ安息香酸エチル;パラヒドロキシ安息香酸メチル;パラヒドロキシ安息香酸プロピル;2−メルカプトベンゾ−チアゾール;5−クロロ−2−メチル−3(2H)−イソチアゾリン;2−メチル−3(2H)−イソチアゾロン;4−(2−ニトロブチル)−モルホリン;4,4’−(2−エチルニトロトリメチレン)ジモルホリン;テトラヒドロ−3,5−ジメチル−2H−1,3,5−チアジアジン−2−チオン;ジメチルジチオカルバミン酸カリウム;ジヨードメチル−p−トリスルホン;グルタルアルデヒド;メチレンビス(チオシアネート);1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン;1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン;2−(チオシアノメチル−チオ)ベンゾチアゾール;2−(チオシアノメチル−チオ)ベンゾチアゾール;メチレンビス(チオシアネート);および前述の殺生物剤の1つまたは複数を含む組合せがある。
【0034】
一実施形態では、殺生物剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、0.0重量%〜約0.3重量%を構成する。他の実施形態では、殺生物剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.01重量%〜約0.3重量%を構成する。他の実施形態では、殺生物剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.01重量%〜約0.15重量%を構成する。
【0035】
洗浄剤組成物は、界面活性剤の懸濁を助けるためのヒドロトロープ(hydrotrope)を任意選択で含む。1つの適当なヒドロトロープは、DeForest Enterprisesから入手できる修飾されたカルボキシレートである、DeTrope CA−100である。DeTrope CA−100は、腐食抑制特性も有するので有利である。
【0036】
一実施形態では、ヒドロトロープは洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の0.0重量%〜約0.5重量%を構成する。他の実施形態では、ヒドロトロープは洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.3重量%〜約0.4重量%を構成する。さらなる他の実施形態では、ヒドロトロープは洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.3重量%を構成する。
【0037】
洗浄剤組成物は、腐食抑制剤を任意選択で含む。適当な腐食抑制剤としては、例えば、トリアゾール、亜硝酸塩(例えば亜硝酸ナトリウム)、モリブデン酸塩(例えばモリブデン酸ナトリウム)、ベンゾエート(例えば1,2,3−ベンゾトリアゾール)、グルコネートおよび前述の腐食抑制剤の1つまたは複数を含む組合せがある。一実施形態では、腐食抑制剤には亜硝酸ナトリウムが含まれる。
【0038】
一実施形態では、腐食抑制剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の0.0重量%〜約0.58重量%を構成する。他の実施形態では、腐食抑制剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、腐食洗浄剤組成物の約0.03重量%〜約0.05重量%を構成する。他の実施形態では、腐食抑制剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.08重量%〜約0.03重量%を構成する。さらなる他の実施形態では、腐食抑制剤は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.03重量%〜約0.58重量%を構成する。
【0039】
洗浄剤組成物は、ビルダー(builder)として水溶性アルカリ炭酸ナトリウム塩を任意選択で含む。ビルダーは、界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)を低下させる化合物である。用語「カーボネート」は、本明細書で用いるように、CO2−またはHCOアニオンを含む塩を意味する。炭酸塩は、1つまたは複数の炭酸ナトリウム塩または重炭酸ナトリウムによって提供することができる。炭酸ナトリウム塩としては、それらに限定されないが、炭酸ナトリウム自体、炭酸ナトリウム十水和物、炭酸ナトリウム七水和物、炭酸ナトリウム一水和物、セスキ炭酸ナトリウム、ならびにそれらの二重塩および混合物がある。上述の炭酸ナトリウム塩および重炭酸ナトリウムの混合物も、特に役立つ。
【0040】
一実施形態では、炭酸ナトリウム塩は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の0.0重量%〜約1.0重量%を構成する。他の実施形態では、炭酸ナトリウム塩は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.05重量%〜約1.0重量%を構成する。他の実施形態では、炭酸ナトリウム塩は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.05重量%〜約0.5重量%を構成する。さらなる他の実施形態では、炭酸ナトリウム塩は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の約0.01重量%〜約0.05重量%を構成する。
【0041】
洗浄剤組成物は、テルペン化合物を任意選択で含む。本明細書で用いられるように、用語「テルペン化合物」は、少なくとも10個の炭素原子を有する天然の精油および樹脂に由来する、非環式および環式の不飽和化合物類を指す。テルペンには、不飽和炭化水素だけでなく、アルコールおよびアルデヒドが含まれる。これらのテルペンの組合せを含む、いくつかのテルペン化合物を使用することができる。適当なテルペン化合物には、例えば、とりわけ、α−テルピネン、α−ピネン、β−ピネン、δ−3−カレン、シトロネラール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネラール、d−リモネン、リナロール、γ−テルピネン、テトラヒドロリナロールおよびテルピネオールが含まれる。一実施形態では、テルペン化合物は、d−リモネンである。
【0042】
テルペン化合物は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の0.0重量%〜約0.02重量%を構成する。他の実施形態では、テルペン化合物は洗浄剤組成物の総重量に基づき、洗浄剤組成物の0.0重量%〜約2.0重量%を構成する。
【0043】
視覚的アピールのためおよび性能を印象づけるために、着色剤および色素を洗浄剤組成物に任意選択で加えることができる。着色剤を用いる場合、それらは、洗浄剤組成物を着色するのに十分なレベルであるが、布の着色をもたらすものよりも低いレベルで使用することができる。
【0044】
一実施形態では、開示されている洗浄剤組成物の作製方法は、ヒドロトロープおよび水を組み合わせて第1の混合物を形成する段階、界面活性剤を加えて第2の混合物を形成する段階、ならびに、におい中和剤および芳香剤を加えて洗浄剤組成物を形成する段階を含む。
【0045】
洗浄剤組成物は、布の上に散布するために、スプレーディスペンサーに保管することができる。スプレーディスペンサーは、当技術分野で公知の液滴のスプレーを形成するための手動で行う手段、例えばトリガー型、ポンプ型、非エアゾール自己加圧型、エアゾール型のスプレー手段、などでよい。スプレーディスペンサーとしては、洗浄剤組成物を実質的に泡立たせることのないものを挙げることができる。スプレーディスペンサーは、汚物除去を容易にするためのブラシを任意選択で含む。
【0046】
スプレーディスペンサーは、エアゾールディスペンサーでよい。エアゾールディスペンサーは、エアゾール容器を作る際に使用される、従来の材料で構築することができる容器を含む。ディスペンサーは、約20〜約110p.s.i.g.または約20〜約70p.s.i.g.の内圧に耐えることができる。スプレーディスペンサーには、ディスペンサーに含まれる洗浄剤組成物が微細なまたは微細に分割された粒子または液滴のスプレーの形で一定量排出されることを可能にする、バルブ部分が備えられる。エアゾールディスペンサーは、加圧下でそこから洗浄剤組成物がアクチュエータ/バルブアセンブリーを通して一定量排出される、加圧密封容器を利用する。エアゾールディスペンサーは、一般に噴射剤(propellant)として知られるガス状成分をその中に組み込むことによって加圧される。適当なエアゾール噴射剤としては、例えば、イソブタン、プロパン、混合ハロゲン化炭化水素、圧縮空気、窒素、不活性ガス、二酸化炭素、などの気体炭化水素、および、前述の噴射剤の1つまたは複数を含む組合せがある。例示的な噴射剤は、Diversified CPC Internationalから入手可能な、プロパンおよびn−ブタンの混合物であるAeron NP−46である。
【0047】
スプレーディスペンサーは、回旋状のライナーおよびエラストマースリーブを有する、自己加圧式の非エアゾール型の容器でよい。自己加圧式のディスペンサーは、基本的に円筒形のエラストマースリーブ内に、例えば厚さ約0.0254cm(0.010インチ)〜約0.0508cm(0.020インチ)の薄く、柔軟で放射状に拡張可能な回旋状のプラスチックライナーを含む、ライナー/スリーブアセンブリーを含むことができる。ライナー/スリーブは、かなりの量の洗浄剤組成物を保持することができ、製品が一定量排出されるようにすることができる。他の型のエアゾールスプレーディスペンサーは、障壁が洗浄剤組成物を噴射剤(例えば圧縮空気または窒素)から分離するものである。
【0048】
スプレーディスペンサーは、非エアゾール型、手動のポンプスプレーディスペンサーでよい。ポンプスプレーディスペンサーは、容器および、容器に確実にねじ込まれるかまたはカチッとはまる、ポンプ機構を含むことができる。容器は、排出する洗浄剤組成物を含むための容器を含む。ポンプ機構は、その内端部に開口部を有する、実質的に固定された容積のポンプ室を含む。ポンプ室内には、その末端にポンプ室内での往復運動のために配置されているピストンを有するポンプステム(pump stem)が位置している。ポンプステムは、通路の外端の排出口およびその内部に位置する軸面の吸込口を有する通路を、それに沿って有する。容器およびポンプ機構は、ポンプスプレーディスペンサーの製造で使用される従来の材料、例えば、それらに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ならびにポリエチレン、酢酸ビニルおよびゴムエラストマーのブレンドで構築することができる。
【0049】
スプレーディスペンサーは、手動のトリガースプレーディスペンサーでよい。トリガースプレーディスペンサーは、容器およびトリガーを含み、これらの両方はトリガースプレーディスペンサーの製造で使用される従来の材料、例えば、それらに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ならびにポリエチレン、酢酸ビニルおよびゴムエラストマーのブレンドで構築することができる。他の材料としては、ステンレス鋼およびガラスを挙げることができる。トリガースプレーディスペンサーは、洗浄剤組成物に噴射剤ガスを組み込まない。トリガースプレーディスペンサーは、個別の量の洗浄剤組成物自体に対して、一般的に、ノズルを通して組成物を排出して薄い液体のスプレーを形成する、ピストンまたは折りたたみ式のベローズ(bellows)によって作用するものでよい。トリガースプレーディスペンサーは、ポンプ室の容積を変えるために、トリガーに対する限られたストローク応答を通して動かすことができる、ピストンまたはベローズを有するポンプ室を含むことができる。このポンプ室またはベローズ室は、排出する洗浄剤組成物をまとめて保持する。トリガースプレーディスペンサーはノズルを通した流体の連通および流れを遮断するための排出口チェックバルブを有することができ、ポンプ室内の圧力に応答性である。ピストン形式のトリガー噴霧器については、トリガーはそれが圧縮されるにつれてポンプ室内の流体およびスプリングに作用し、流体に対する圧力を増加させる。ベローズスプレーディスペンサーについては、ベローズが圧縮されるにつれて、流体に対する圧力が上昇する。いずれのトリガースプレーディスペンサー内の液圧の上昇も、上部排出口チェックバルブを開放する働きをする。上部バルブは、洗浄剤組成物に対して強制的に渦流室を通過させ、ノズルから排出させて、排出パターンを形成することを可能にする。排出する流体のパターンを変えるために、調節可能なノズルキャップを用いることができる。ピストンスプレーディスペンサーについては、トリガーが解放されるとスプリングがピストンに作用し、元の位置にそれを戻す。ベローズスプレーディスペンサーについては、ベローズはスプリングの働きをしてその元の位置に戻す。この作用は、ポンプ室内を真空にする。応答する流体は、排出口バルブを閉じ、一方、吸込バルブを開放してリザーバからポンプ室まで物品を吸い込む働きをする。
【0050】
洗浄剤組成物は、散布により、例えば洗浄剤組成物をスプレーディスペンサーなどの排出手段に入れ、所望の表面または製品の上へ有効量をスプレーすることにより用いることができる。有効量は、本明細書で定義されるように、悪臭を、それがヒトの嗅覚によって識別できない点まで洗浄および/または吸収するのに十分な量であるものの、物品または表面上に液体を飽和させるかまたはそのプールを形成するほどの量ではなく、したがって乾燥しても容易に識別できる視覚的沈着物がない量を意味する。散布は、スプレー装置、ローラー、パッド、などを用いて達成することができる。
【0051】
本開示は、布および/または布製品の上へ、洗浄剤組成物の有効量の霧をスプレーする方法を含む。布および/または布製品には、それらに限定されないが、車用インテリア製品、例えば自動車カーペット、布製自動車シートなど、および前述の製品の1つまたは複数を含む組合せが含まれる。
本発明を、以下のそれには限定されない実施例でさらに説明する。
【実施例】
【0052】
実施例1
洗浄剤組成物を、表1および2に従って形成した。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
【表3】

【0056】
洗浄剤組成物を形成するために、水およびヒドロトロープを混合して第1の混合物を形成した。次いで第1の混合物に界面活性剤を加えて、第2の混合物を形成した。次いで残りの成分を混合して、最終洗浄剤組成物を形成した。表3に示す対照製剤(コントロール)は、約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで保存安定性を欠いた。
【0057】
実施例2−洗浄についての客観的データ
実施例1の本発明の洗浄剤/におい中和剤を、洗浄剤アッセイおよびにおい除去アッセイで試験した。布(カーペットおよびヘッドライナー)の試料を、汚物で処理した。熟練技術者が布試料を洗浄し(技術者はどの洗浄剤製剤が用いられているか知らない)、訓練された評価者が洗浄を評価した。洗浄による結果の差を排除するために、洗浄は機械により実施した。主観的試験は、好ましい洗浄能力をランク付けした、訓練された評価者が実施した。評価した汚物には、コーヒー、自動車廃油、マスタード、ケチャップ、チョコレートシロップ、グレープジュース、ソーダ水(コーラ)およびミルクが含まれている。
【0058】
洗浄剤アッセイについては、拡散反射を用いて洗浄を客観的に判定するために、比色計を使用する。これは、業界基準の試験用計測器である。しみ除去は、洗浄による布色の変化で測定する。各しみについて、元の布の色と、しみを塗布し、乾燥し、洗浄した後に測定される色との差の合計を測定する。元の色により近いほど、その洗浄剤はより良く、より安全である。色はASTM D4265に基づいて、青色、黄色および赤色に対応する3本の軸、L、AおよびBで測定される。
結果は、2群の分散が同等であることを確認する、分散の均一性(HOV;homogeneity of variance)について最初に確認した。不均等な分散は評価手順の可能な欠陥を示唆するであろうし、ANOVA分析をより不適切にすることがある。HOVは、特に同等なnの場合、母平均の差については、ANOVAまたはt検定での他の条件ほどには決定的でない。また、HOVは、その検定それ自体も、必ずしもそれほど骨がおれるものではない。
【0059】
次に、ANOVAを実施して平均の差を求め、平均の差がどこで起こったのか示すために、その結果にチューキー検定を適用した。ANOVAのp値が0.05近辺であったところの差を強調するために、2試料のT検定も実施した。
洗浄剤アッセイについては、2つの市販洗浄剤を本発明の製剤1と比較した。
A.Blue Coral Upholstery and Carpet Cleaner(Blue Coral)
B.Turtle Wax Power Out Interior Cleaner(Turtle Wax)
【0060】
【表4】

本発明の製剤1で洗浄された大多数のしみは、競合品よりも改善された結果を実証したが、一部のしみは洗浄後に同等の結果だけを示した。この種の洗浄性能は結果のより広い分布をもたらし、したがって、正規分布に適合しない。
【0061】
【表5】

本発明の製剤1で洗浄された大多数のしみは、競合品よりも改善された結果を実証したが、一部のしみは洗浄後に同等の結果だけを示した。この種の洗浄性能は結果のより広い分布をもたらし、したがって、正規分布に適合しない。
【0062】
実施例3−洗浄主観的データ−布製家具(家具地)
実験室試験はAS−345pカーペット洗浄手順に基づき行なわれ、主観的、二重盲検であった。この結果に対してANOVA(Pはその事象が偶然に起こる信頼限界を決定する値である。この統計分析の有意水準は95%であり、それは0.05以下のp値である)を実施した。MSE(measurement system analysis;ANOVA分析ゲージR&R(繰返し精度および再現精度)に基づく測定システム分析)により、異なるカテゴリーの数は6であり、用いた7ポイントリカート尺度(Likert scale)に許容されると判定された。
布製家具(家具地)に対する客観的比色計試験は、布の疎な織り目のために不成功であった。比色計は布の後のバックグラウンドによって影響され、大きな測定値標準偏差をもたらした。MSEは、異なるカテゴリー数が0であり、その試験法では試料間を区別することができないことを示した(MSE比色計/布製家具(家具地)を参照)。
【0063】
【表6】

ゆえに、布製家具(家具地)上のしみの主観的試験において、本発明の実施例1の製剤は、市販の洗浄剤に同等であった。
【0064】
実施例4−洗浄主観的データ−カーペット
試験プロトコルは、オリジナルのカーペット洗浄手順に基づいて、比色計を、従業員評価者による社内の主観的な実験室試験からの裏付データとともに用いた。試験は、二重盲検であった。結果に対してANOVAを実施した。MSEにより、異なるカテゴリーの数は6であり、用いた7ポイントリカート尺度に許容されると判定された。添付したMSE、試験手順、データおよび分析結果を参照のこと。
【0065】
【表7】

ゆえに、布製家具(家具地)上のしみの主観的試験において、本発明の実施例1の製剤は、市販の洗浄剤に同等であった。
【0066】
実施例5−におい除去データ
用いた試験プロトコルは、主観的、二重盲検であった。材料源は、におい中和剤のいずれのにおい除去能力にも影響を及ぼさなかった。したがって、布製家具(家具地)およびカーペット両方の試料を用いた。
【0067】
【表8】

【0068】
【表9】

全体的に、実施例1の製剤のにおい除去性能は、市販の洗浄剤よりも改善されている。
【0069】
本明細書で開示されている全ての範囲は包含的であり、組合せが自由である。用語「第1」、「第2」、などは、本明細書でいかなる順序、量または重要性も表さず、むしろ、一要素を他と識別するために用いられ、用語「a」および「an」は、本明細書で量の限定を表すものではなく、むしろ、言及した事項の少なくとも1つの存在を表す。
【0070】
本発明は好ましい実施形態に関して記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、その要素に様々な変更を加えることおよび同等物で置換することができることは、当業者によって理解されよう。加えて、その基本的範囲から逸脱することなく特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるために、多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示されている特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲内の全ての実施形態を含むものとする。
【0071】
全ての引用されている特許、特許出願および他の参考文献は、それらの全体が本明細書で参照により組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤、ナトリウム源、におい中和剤、芳香剤、および殺生物剤を含み、
前記におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれる、洗浄剤組成物であって、
約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで安定である、前記洗浄剤組成物。
【請求項2】
界面活性剤にはエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーのアルキル付加物、アルキルポリグリコシド、アルキル硫酸およびエトキシル化アルコールが含まれる、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
アルキルポリグリコシドが少なくとも8個の炭素および16個以下の炭素のアルキル炭素鎖を含む、請求項2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
アルキルポリグリコシドがC〜C10アルコールエトキシレートプロポキシレートに加えてデセンオキシドをさらに含む、請求項2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
芳香剤が、樟脳、カンフェン、サリチル酸アミル、テルピネオールまたは前記芳香剤の1つまたは複数を含む組合せである、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
ナトリウム源がクエン酸ナトリウムである、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
ポリオールがトリエチレングリコールを含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項8】
ベタイン化合物には、エタナミニウム N−(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)クロリドが含まれる、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項9】
アミノアルコールにはジエタノールアミンが含まれる、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項10】
腐食抑制剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項11】
水溶性アルカリ炭酸ナトリウムをさらに含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項12】
ヒドロトロープをさらに含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項13】
ビルダーをさらに含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項14】
洗浄剤組成物および任意選択で噴射剤を含むスプレーディスペンサーであって、
前記洗浄剤組成物が、界面活性剤、ナトリウム源、におい中和剤、芳香剤、および殺生物剤を含み、
前記におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれ、
前記洗浄剤組成物は、約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで安定である、前記スプレーディスペンサー。
【請求項15】
界面活性剤にはエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーのアルキル付加物、アルキルポリグリコシド、アルキル硫酸およびエトキシル化アルコールが含まれる、請求項14に記載のスプレーディスペンサー。
【請求項16】
界面活性剤がアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸、エトキシル化アルコール、アルキルポリグリコシドまたは前記界面活性剤の1つもしくは複数を含む組合せである、請求項14に記載のスプレーディスペンサー。
【請求項17】
芳香剤が、樟脳、カンフェン、サリチル酸アミル、テルピネオールまたは前記芳香剤の1つもしくは複数を含む組合せである、請求項14に記載のスプレーディスペンサー。
【請求項18】
腐食抑制剤をさらに含む、請求項14に記載のスプレーディスペンサー。
【請求項19】
水溶性アルカリ炭酸ナトリウムをさらに含む、請求項14に記載のスプレーディスペンサー。
【請求項20】
ヒドロトロープをさらに含む、請求項14に記載のスプレーディスペンサー。
【請求項21】
自動車内部の洗浄、脱臭またはその組合せの方法であって、
界面活性剤、ナトリウム源、におい中和剤、芳香剤、および殺生物剤を含む洗浄剤組成物を汚れた自動車内部に施用することを含み、
前記におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれ、
前記洗浄剤組成物は、約25℃の温度で24ヵ月間保存したとき、約9.5〜約11.5のpHで安定である、前記方法。
【請求項22】
界面活性剤にはエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーのアルキル付加物、アルキルポリグリコシド、ラウリル硫酸ナトリウムおよびエトキシル化アルコールが含まれる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
芳香剤が、樟脳、カンフェン、サリチル酸アミル、テルピネオールまたは前記芳香剤の1つまたは複数を含む組合せである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
におい中和剤を含む洗浄剤組成物であって、
前記におい中和剤にはベタイン化合物、アミノアルコール、ポリオールおよびイオノンが含まれる、前記洗浄剤組成物。
【請求項25】
界面活性剤、ナトリウム源、芳香剤、殺生物剤、ビルダーまたはそれらの混合物の1つまたは複数をさらに含む、請求項24に記載の洗浄剤組成物。

【公表番号】特表2009−503153(P2009−503153A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523039(P2008−523039)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/028661
【国際公開番号】WO2007/014152
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】