説明

洗浄剤組成物

【課題】低温洗濯を行う際に、洗浄剤粒子が凝集してゲル化することを防止し得る洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】洗浄剤粒子を含有する洗浄剤組成物であって、該洗浄剤粒子が、
(a)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を、洗浄剤粒子の全量に対して、0.1−5質量%;
(b)ノニオン界面活性剤を、洗浄剤粒子の全量に対して、2質量%超;及び
(c)硫酸ナトリウム;
を含有し、
(a)と(b)を含む界面活性剤合計量が該洗浄剤粒子の全量に対して30質量%以下であり、
(b)/(c)=0.3〜5(質量比)の範囲にある前記洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料等の繊維製品に使用できる洗浄剤組成物に関する。詳しくは、硫酸ナトリウムを配合することで低温溶解性を著しく向上させた洗浄剤粒子を含有する洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料用洗浄剤組成物に用いられる界面活性剤としては、通常アニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤が使用されている(例えば、特許文献1、2)。しかし、これらの界面活性剤を含有する洗浄剤粒子を含有する洗浄剤組成物を使用して低温で洗濯を行うと、洗浄剤粒子が凝集してゲル化してしまうという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】特開平9−87692号公報
【特許文献2】特開平8−302398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、低温洗濯を行う際に、洗浄剤粒子が凝集してゲル化することを防止し得る洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、洗浄剤粒子を含有する洗浄剤組成物であって、該洗浄剤粒子が、
(a)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を、洗浄剤粒子の全量に対して、0.1−5質量%;
(b)ノニオン界面活性剤を、洗浄剤粒子の全量に対して、2質量%超;及び
(c)硫酸ナトリウム;
を含有し、
(a)と(b)を含む界面活性剤合計量が該洗浄剤粒子の全量に対して30質量%以下であり、
(b)/(c)=0.3〜5(質量比)の範囲にある前記洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、洗浄剤組成物の低温溶解性を向上させることができる。本発明によれば、特定の漂白活性化剤と漂白剤とを併用することにより、低温溶解性をさらに向上させることができる。本発明によればまた、優れた洗浄力及び保存安定性を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<洗浄剤粒子>
(a)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)
本発明において使用するLASとしては、通常衣料用洗浄剤組成物に使用されているものであれば特に制限なく使用することができる。このようなLASとしては、炭素数8−18、好ましくは10−14のアルキル基を有するものがあげられる。塩を構成する対イオンとしては、Na、K等があげられる。LASは、1種を単独で使用することもできるし、炭素数の異なるものや、対イオンの異なるものを2種以上併用することもできる。
本発明の洗浄剤粒子中、LASは、洗浄剤粒子の全量に対して、0.1−5質量%、好ましくは1−3%含まれる。このような範囲で含まれると、製造性の観点から好ましい。
【0008】
(b)ノニオン界面活性剤
本発明において使用できるノニオン界面活性剤としては、通常衣料用洗浄剤組成物に使用されているものであれば特に制限なく使用することができる。このようなノニオン界面活性剤は、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した
、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート
R1CO(OA)nOR2 (I)
(式中、R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R2は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。)
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(8)グリセリン脂肪酸エステル
【0009】
上記のノニオン界面活性剤の中でも、上述した(1)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。(3)のノニオン界面活性剤もまた好ましい。特に、上記式(I)において、R1が炭素数16〜18の脂肪酸残基であり、OAがエチレンオキサイドであり、nが10−20の数であり、R2が炭素数1−4のアルキル基であるのが好ましい。融点が50℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。また、本発明における融点とは、JIS K0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
本発明の洗浄剤粒子中、ノニオン界面活性剤は、洗浄剤粒子の全量に対して、2質量%超、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4%以上であって、好ましくは20%未満、より好ましくは15%以下含まれる。洗剤粒子中のノニオン界面活性剤の下限量がこのような範囲であると、低温溶解性の観点から好ましく、上限量がこのような範囲であると、製造性及び低温溶解性の観点から好ましい。
【0010】
(c)硫酸ナトリウム
本発明の洗浄剤粒子中、硫酸ナトリウムは、洗浄剤粒子の全量に対して、好ましくは2質量%以上、より好ましくは4質量%以上、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下含まれる。洗剤粒子中の硫酸ナトリウムの下限量がこのような範囲であると、低温溶解性の観点から好ましく、上限量がこのような範囲であると、洗浄力の観点から好ましい。
【0011】
本発明において、(b)/(c)=0.3〜5(質量比)、好ましくは0.6〜2である。このような範囲で洗浄剤粒子に含まれると、低温溶解性に優れるので好ましい。
【0012】
本発明で使用する洗浄剤粒子は、(a)〜(c)成分に加え、通常衣料用洗浄剤組成物に使用可能なアニオン界面活性剤、洗剤ビルダー、溶解促進剤、膨潤性水不溶性物質、蛍光剤、帯電防止剤、再汚染防止剤、増量剤、還元剤、香料、色素等を含有することができる。
任意のアニオン界面活性剤としては、
(1)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩(AS)又はアルケニル硫酸塩
(2)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)
(3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩
(4)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテル硫酸塩(AES)又はアルケニルエーテル硫酸塩
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩
(6)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩
(7)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩
(8)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル等。
アニオン界面活性剤としては、AOS、α−SF、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)が好ましい。
これら任意の界面活性剤を併用することにより、洗浄力が向上するので好ましい。
【0013】
洗浄ビルダー
(a)洗浄剤粒子中に配合され得る洗浄ビルダーとしては、無機及び有機ビルダーが挙げられる。
無機ビルダーとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウムが好ましい。(a)洗浄剤粒子中の無機ビルダーの配合量は、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%であるのが好ましい。無機ビルダーの配合量が少なすぎると流動性が劣化する場合があり、多すぎると粉の発塵が起こる場合がある。
有機ビルダーとしては、アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体が好ましく、特に、重量平均分子量が1,000〜80,000のアクリル酸/マレイン酸共重合体の塩、アクリル酸重合体の塩が好適である。(a)洗浄剤粒子中の有機ビルダーの配合量は、0.1〜20質量%、好ましくは0.5%〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。有機ビルダーの配合量が少なすぎると、洗浄性能の向上効果が得られない場合があり、多すぎると(a)洗浄剤粒子そのものの溶解性が劣化してしまう場合がある。
洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性を改善する目的から、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリアセタールカルボン酸塩等の有機ビルダーとゼオライト等の無機ビルダーとを併用するのが好ましい。
【0014】
(2)溶解促進剤
(a)洗浄剤粒子中に配合される溶解促進剤としては、例えば、炭酸カリウムや、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キュメンスルホン酸ナトリウム等の炭素数1〜5の短鎖アルキルを有するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、D−グルコース、尿素、蔗糖等の水溶性物質が挙げられる。このうち、炭酸カリウム、塩化ナトリウムが好ましく、溶解性向上効果とコストのバランスから、特に炭酸カリウムが好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、その配合量は溶解性向上効果の点から、(a)洗浄剤粒子中に好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。塩化ナトリウムを配合する場合、その配合量は溶解性向上効果の点から、(a)洗浄剤粒子中に好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
【0015】
(3)膨潤性水不溶性物質、例えば粉末セルロース、結晶性セルロース、ベントナイト等、
(4)蛍光剤:ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体(チノパールAMS−GX)、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩[チノパールCBS−X]等、
(5)帯電防止剤:ジアルキル型4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤等、
(6)再汚染防止剤:カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等、
(7)増量剤:硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等、
(8)還元剤:亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等、
(9)香料
(10)色素
【0016】
本発明の洗浄剤粒子は、以下の造粒方法によって得ることができる。原料粉末及び必要によりバインダー成分(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押し出して造粒する押し出し造粒法、捏和・混練した後、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法、原料粉末にバインダー成分を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法、原料粉末を転動させつつバインダー成分を噴霧して造粒する転動造粒法、原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法等が挙げられる。これら造粒方法で使用可能な具体的装置や条件等は特開2003−105400号公報、特開2003−238998号公報、日本粉体技術協会編及び造粒ハンドブック第一版等に記載の通りである。
【0017】
本発明の洗浄剤組成物は、上記洗浄剤粒子に加え、特定の漂白活性化剤及び漂白剤を含有するのが好ましい。
(d)漂白活性化剤
本発明で使用する漂白活性化剤としては、以下の式(I)又は(II)で表されるものが好ましい。
RCOO−C64−COOM (I)
RCOO−C64−SO3M (II)
式(I)及び(II)において、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数9〜11のアルキル基またはアルケニル基を表し、Mは水素又は塩形成カチオン、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミンなどのアミン類等の塩形成カチオンを表す。
式(I)の漂白活性化剤としては、具体的には、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸;オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等が挙げられる。
式(II)の漂白活性化剤としては、具体的には、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等があげられる。
とりわけ、4-デカノイルオキシ安息香酸、4-デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、又は4-ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用するのが好ましい。
本発明において、(d)漂白活性化剤は、貯蔵時の保存安定性の点から、造粒物又は成型物として配合されることが好ましい。造粒物又は成型物中に漂白活性化剤の含有量は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%であるのが好ましい。含有量がこの範囲外では造粒した効果が充分に得られ難くなる場合がある。
これらはポリエチレングリコールや炭素数12〜20の飽和脂肪酸や重量平均分子量1000〜1000000のポリアクリル酸やその塩から選ばれるバインダー化合物を用いて造粒物又は成型物にすることが好ましい。ポリエチレングリコールとしては好ましくはポリエチレングリコール1000〜20000(平均分子量500〜25000)で、より好ましくは平均分子量2600〜9300、特に好ましくは平均分子量5000〜9300のものが良好である。また、炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、好ましくは炭素数14〜20、より好ましくは炭素数14〜18の飽和脂肪酸である。なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。また、ポリアクリル酸やその塩の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。このようなバインダー物質は造粒物中に好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜20質量%使用する。
【0018】
また、該造粒物には漂白活性化剤の洗濯浴中での溶解性を改善するためにポリオキシアルキレンアルキルエーテル、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩あるいはこれらの混合物等の界面活性剤と併用するのが好ましく、造粒物中の含有量は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数は10〜15が好ましく、好ましくはエチレンオキサイド(以下EOと略す)及び/又はプロピレンオキサイド(以下POと略す)の付加体である。平均付加モル数はEO、PO、あるいはEOとPOの混合の何れも場合も、合計で好ましくは4〜30、より好ましくは5〜15であり、EO/POのモル比は、好ましくは5/0〜1/5、より好ましくは5/0〜1/2である。オレフィンスルホン酸塩としてはアルキル基の炭素数が14〜18であるα−オレフィンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩としてはアルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。また、アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18であり、しかもナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、特にラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムが好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、またナトリウム塩が良好である。ここでオキシエチレン基の平均重合度(以下、平均重合度をPOEで示す)は1〜10、好ましくは1〜5が良好であり、特にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)が良好である。
【0019】
本発明では上記漂白活性化剤の造粒物を任意の方法で製造することができる。また、バインダー物質は予め融解して添加することで好ましい結果を得ることができる。バインダー物質は40〜100℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは50〜90℃で融解させて添加する。これらは均一になるまで撹拌混合された後、通常の造粒機により製剤化される。好ましい造粒法として押し出し造粒を挙げることができ、平均粒径が500〜5000μm、好ましくは500〜3000μmの造粒物にすることが好ましい。また、その他の造粒法としてはブリケット機による錠剤形状にすることも好ましい造粒法として挙げることができる。
ここで、上記漂白活性化剤は、貯蔵中に漂白剤又は漂白洗浄剤中のアルカリ成分と水分の存在により加水分解を生じ、漂白及び殺菌効果が失われることが知られている。そこで、本発明において、上記漂白活性化剤は、このような分解を防ぐために、上記バインダーや界面活性剤に加えて、フィルム形成性重合体、ゼオライト等と混合して造粒物として配合することがより好ましい。
漂白剤組成物中における漂白活性化剤を含有する造粒物の配合は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%、漂白洗浄剤組成物中における(d)成分の含有量は、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。上記範囲を超えても漂白効果がこれ以上高まらない場合があり、上記範囲未満では十分な漂白効果が得られない場合がある。
【0020】
(e)漂白剤
本発明において使用できる漂白剤としては、衣料用漂白剤として通常使用されているものであれば特に制限なく使用することができ、具体的には、過酸化水素、過炭酸ナトリウム等の過炭酸塩といった酸素系漂白剤と、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化チオ尿素といった塩素系漂白剤とを使用することができる。このうち、酸素系漂白剤が好ましく、過炭酸塩がより好ましく、過炭酸ナトリウムが最も好ましい。
本発明における(e)成分の配合量は、特に制限されるものではないが、本発明の組成物中に1質量%以上20質量%未満が好ましく、より好ましくは2質量%以上10質量%未満である。
【0021】
本発明の組成物は、さらに被覆無機粒子を含有することができる。被覆無機粒子は、核となる無機化合物を、有機水溶性高分子化合物と水難溶性化合物とで表面処理してなり、無機化合物の含有量が50〜98質量%である粒子である。
無機化合物としては、一般にアルカリ洗浄ビルダーとして用いられているものが挙げられる。具体的には、炭酸塩類、重炭酸塩類及びセスキ炭酸塩類、亜硫酸塩類、リン酸塩及び重縮合リン酸塩類、珪酸塩類等が挙げられる。この中でも、炭酸塩類、重縮合リン酸塩類等がさらに好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が特に好ましい。無機化合物は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。平均粒子径は、100〜1500μmが好ましく、より好ましくは、200〜1000μmである。なお、平均粒子径は後述する実施例に記載の測定法による。
【0022】
有機水溶性高分子化合物としては、ビニル系高分子化合物、多糖類、その誘導体及びポリエステル系高分子化合物から選ばれる1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることが好ましい。なかでも、ポリアクリル酸塩、アクリル酸/マレイン酸共重合体塩、アクリル酸/イタコン酸共重合体塩、アクリル酸アルキル共重合体塩、及びこれらの誘導体等が最適である。
本発明の有機水溶性高分子化合物の重量平均分子量は500以上であり、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは1,000〜200,000である。この値は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
【0023】
水難溶性化合物としては、高級脂肪酸、具体的には、炭素数12〜18の飽和脂肪酸が好ましく、中でもパルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等を好適に使用できる。とりわけ、保存安定性の点からラウリン酸が好ましい。
【0024】
無機化合物は、被覆無機粒子中に50〜98質量%用いることが好ましく、70〜95質量%がより好ましい。有機水溶性高分子化合物は、無機化合物に対して0.1〜10質量%、特に0.5〜8質量%で用いることが好ましい。水難溶性化合物は、有機水溶性高分子化合物で被覆した無機化合物核粒子に対して、0.1〜10質量%、特に2〜8質量%で用いることが好ましい。
本発明の組成物において、被覆無機粒子は、組成物の全量を基準として、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%の量で含まれるのが好ましい。このような範囲内にあると、低水温中での分散性が大きく改善できるので好ましい。
被覆無機粒子と(a)洗浄剤粒子の配合比率は、被覆無機粒子:洗浄剤粒子(質量比)が、好ましくは5/95〜50/50、より好ましくは10/90〜25/75である。質量比が50/50を超えると洗浄性能が低下する場合がある。
【0025】
被覆無機粒子は、以下の工程:
第1工程:水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性アルカリ無機化合物核粒子を表面処理する工程:
第2工程:第1工程で処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理する工程:
により製造することができる。
【0026】
被覆無機粒子の物性は特に制限されるものではないが、嵩密度は、通常、0.3g/mL以上、好ましくは0.5〜1.4g/mL、より好ましくは0.6〜1.3g/mLである。嵩密度が小さ過ぎても大き過ぎても他の粒子と混合して使用する際に分級しやすくなる場合がある。また、平均粒子径は、好ましくは200〜2,000μm、より好ましくは300〜1,500μm、特に好ましくは300〜500μmである。平均粒子径が200μm未満になると、比表面積が大き過ぎ、酵素活性低下抑制効果が得られにくくなる可能性があり、一方、2,000μmを超えると表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子そのものの溶解性が劣化する場合がある。さらに、安息角は70°以下が好ましく、より好ましくは50°以下である。安息角が70°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。なお、本発明における平均粒子径、嵩密度の測定は実施例に記載の測定法により、安息角の測定は、筒井理化学器械(株)製、ターンテーブル形安息角測定器を用いて測定する。
【0027】
本発明の洗浄剤組成物は、通常衣料用洗浄剤組成物に含まれている成分を、本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。このような成分の具体例としては、酵素、香料、色素等があげられる。前述の(a)洗浄剤粒子に配合してもよい任意成分と同様の任意成分もまた含むことができる。
【0028】
酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等を使用することができる。
プロテアーゼとしては、市販品のサビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工(株)製)、マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム(ジェネンコア社製)、KAP(花王(株)製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14、K−16等が挙げられる。このうち、サビナーゼが好ましい。
リパーゼとしては、市販品のリポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工(株)製)等が挙げられる。このうち、ライペックスが好ましい。
アミラーゼとしては、市販品のターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、ノボザイムズ社製)、マキサミル(Maxamyl)(ジェネンコア社製)、天野製薬社のプルラナーゼアマノ、DB−250、Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ(クルードまたは結晶化品が生化学工業社より発売)等があげられる。このうち、ターマミルが好ましい。
セルラーゼとしては、市販品のセルザイム(ノボザイムズ社製)、KAC500(花王(株)製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等が挙げられる。このうち、セルザイムが好ましい。
酵素としては、これらを1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼを混合して使用するのが好ましい。
【0029】
本発明の(a)〜(c)成分を含有する洗浄剤粒子は以下の造粒方法によって得ることができる。洗剤成分の原料粉末及びバインダー成分(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押し出して造粒する押し出し造粒法、捏和・混練した後、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法、原料粉末にバインダー成分を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法、原料粉末を転動させつつバインダー成分を噴霧して造粒する転動造粒法、原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法等が挙げられる。これら造粒方法で使用可能な具体的装置や条件等は特開2003−105400号公報、日本粉体技術協会編及び造粒ハンドブック第一版等に記載の通りである。
また、本発明の(a)〜(c)成分を含有する洗浄剤粒子とは別の粒子から組成に配合されることもあるが、その組成物に対する配合量は(a)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を、組成物に対して0.1−5質量%;(b)ノニオン界面活性剤を、組成物に対して、2質量%超であることが望ましい。
本発明の組成物の剤型としては、粒状、タブレット状等特に問わない。
【実施例】
【0030】
下記の例において特に明記のない場合の組成は、「%」は質量%、表中の各成分の量は表1の組成については、純分としての配合量を示し、表2は記載成分の配合量で示した。
下記製造方法により、洗浄剤粒子A1〜A7を得た。
【0031】
洗浄剤粒子の調製方法1
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で洗浄剤粒子A1を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Naとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA1(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)と蛍光剤とを添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0%相当量(対各粒子、以下同じ)の捏和時添加用、3.2%相当量の粉砕助剤用、1.5%相当量の表面被覆用の各A型ゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm3、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたα−SF−Naの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
【0032】
上述の噴霧乾燥粒子、この混合濃縮物、2.0%相当量のA型ゼオライト、0.5%相当量の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を3.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5%相当量の微粉A型ゼオライトを加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して粒子を得た。
得られた粒子の一部を着色するために、界面活性剤含有粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)その表面に色素の20%水分散液を噴霧し、洗浄剤粒子A1(平均粒子径550μm、嵩密度0.84g/cm3)を得た。
洗浄剤粒子A1の調製方法と同様にして、洗浄剤粒子A2,A5、A6(平均粒子径550μm、嵩密度0.85g/cm3)を得た。
【0033】
洗浄剤粒子の調製方法2
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で洗浄剤粒子A3を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を50℃に調整した。これに硫酸ナトリウム及び蛍光剤を添加し、10分間撹拌した。続いて、炭酸ナトリウムを添加した後に、PAS(ポリアクリル酸ナトリウム塩)を添加し、さらに10分間撹拌した後、塩化ナトリウム及び粉末A型ゼオライトの一部を添加した。さらに、30分間撹拌して噴霧乾燥用スラリーを調製した。
得られた噴霧乾燥用スラリーの温度は50℃であった。このスラリーを、圧力噴霧ノズルを具備した向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥を行い、水分3%、嵩密度が0.50g/cm3、平均粒子径が250μmの噴霧乾燥粒子を得た。
これとは別に、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤を、80℃の温度条件で混合して、含水量10%の界面活性剤組成物を調製した。LAS−Naは水酸化ナトリウム水溶液で中和した溶液状で使用した。
そして、得られた噴霧乾燥粒子を、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、ジャケットには80℃の温水を10L/分の流量で流しながら、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。そこに上記で調製した界面活性剤組成物を2分間かけて投入し、その後に5分間撹拌した後、層状珪酸塩(SKS−6、平均粒子径5μm)及び粉末A型ゼオライトの一部(10%相当量)を投入して2分間撹拌することによって粒子を得た。
得られた粒子と、粉末A型ゼオライトの一部(2%相当量)をVブレンダーで混合し、香料を噴霧した後、界面活性剤含有粒子の一部を着色するために、洗浄剤粒子の調製方法1と同様の方法で色素の20%水分散液を噴霧し、界面活性剤含有粒子A3(平均粒子径300μm、嵩密度0.78g/cm3)を得た。
洗浄剤粒子A3の調製方法と同様にして、洗浄剤粒子A4(平均粒子径300μm、嵩密度0.78g/cm3)を得た。
【0034】
洗浄剤粒子の調製方法3
以下の手順で洗浄剤粒子A7を調製した。粉末A型ゼオライト47重量部、炭酸ナトリウム15重量部、セルロース3重量部(すべて温度25℃)を鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、主軸200rpm、チョッパー200rpmの撹拌を開始した。撹拌開始後30秒後にノニオン界面活性剤A23重量部を予め60℃に加熱して均一混合したもの)及び水(温度60℃)を2分で添加して、ジャケット温度30℃の条件で撹拌造粒を平均粒子径1000μmになるまで継続して洗浄剤粒子A7を得た。
【0035】
【表1】

【0036】
下記製造方法により、漂白活性化剤造粒物を得た。
漂白活性化剤造粒物Aの調製方法
漂白活性化剤として4−デカノイルオキシ安息香酸(三井化学(株)製)を70質量部、PEG#6000を20質量部、AOS−Na粉末品を5質量部の割合になるようにホソカワミクロン(株)製エクストルード・オーミックスEM−6型に供給し、混練押し出し(混練温度60℃)し、径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(冷風により20℃に冷却)を、ホソカワミクロン(株)製フィッツミルDKA−3型に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒子径約700μmの漂白活性化剤造粒物Aを得た。
漂白活性化剤造粒物Bの調製方法
漂白活性化剤として4−デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた他は、上述の漂白活性化剤造粒物Aの調製方法に従って調製し漂白活性化剤造粒物Bを得た。
漂白活性化剤造粒物Cの調製方法
漂白活性化剤として4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた他は、漂白活性化剤Aと同様にして漂白活性化剤造粒物Bを調製した。
【0037】
下記製造方法により、被覆無機粒子を得た。
被覆無機粒子の調製方法
炭酸ナトリウム85重量部を、鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容積%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後10秒後にMA剤3重量部を30秒で添加し、造粒・被覆操作を行った。
引き続きレ−ディゲミキサーの撹拌を継続しつつ、ラウリン酸7重量部を30秒で添加し被覆した。
粒径は、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μm、の9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1,680μmの篩の上から100g/回のベースサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式により平均粒子径(重量50%)を求めた。
【0038】
【数1】

【0039】
嵩密度はJIS K3362−1998に準じて測定した。
安息角は、筒井理化学器械(株)製、ターンテーブル形安息角測定器を用いて測定した。
粒状洗剤組成物の調製
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、表1に記載の(a)洗浄剤粒子及びその他の成分を表2に示す組成に従って5分間混合し粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物の溶解性を表2に記載した。










【0040】
【表2】

【0041】
(1)溶解性(低温凝集率)の評価
粒状洗剤組成物5gを5℃の水80mLの入ったシャーレ(直径95mm、深さ15mm)中に静かに注ぎ5分間静置した。静置後、シャーレごと水を目開き3360μmの篩を通し、篩上に残った洗剤組成物を60℃で2時間乾燥する。乾燥後の質量を測定し下記式を用いて低温凝集率%を求めた。
上記で求めた低温凝集率と使用性の関係を以下に示す。家庭における使用性を考慮すると、洗剤組成物としては低温凝集率20%未満が好ましい。
A:低温凝集率が5%未満
B:低温凝集率が5〜10%未満
C:低温凝集率が10〜20%未満
D:低温凝集率が20〜40%未満
E:低温凝集率が40%以上


【0042】
【数2】

【0043】
実施例中で用いた原料を下記に示す。
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm3
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm3
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)
・亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
・MA1:アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・MA2:アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa塩:Sokalan CP45(BASF社製)を純分40%となるように水で希釈したもの
・ラウリン酸:日本油脂(株)製、NAA−122、融点43℃
・A型ゼオライト:シルトンB(水澤化学(株)製、純分80%)
・α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表5中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。表5中の配合量は、LAS−Naとしての質量%を示す。
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
・ノニオン界面活性剤A:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
・ノニオン界面活性剤B:パステルM−181(ライオンオレオケミカル(株)社製)の酸化エチレン平均15モル付加体
・色素A:群青(大日精化工業(株)製、Ultramarine Blue)
・色素B:Pigment Green 7(大日精化工業(株)製)
・香料A:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・香料B:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物B
・香料C:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物C
・香料D:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物D
・酵素粒子:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物
・蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)/チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ)=3/1(質量比)の混合物
・過炭酸ナトリウム:三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D、有効酸素量13.2%、平均粒子径760μm
・ホワイトカーボン:トクシールN((株)トクヤマ製)
・セルロース:J.RETTENMIER&SOEHNE社製、ARBOCEL FD-600/30、平均繊維長:45μm、平均繊維厚(直径):25μm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄剤粒子を含有する洗浄剤組成物であって、該洗浄剤粒子が、
(a)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を、洗浄剤粒子の全量に対して、0.1−5質量%;
(b)ノニオン界面活性剤を、洗浄剤粒子の全量に対して、2質量%超;及び
(c)硫酸ナトリウム;
を含有し、
(a)と(b)を含む界面活性剤合計量が該洗浄剤粒子の全量に対して30質量%以下であり、
(b)/(c)=0.3〜5(質量比)の範囲にある前記洗浄剤組成物。
【請求項2】
さらに、(d)下記式(I)または(II)で表される漂白活性化剤を含有する漂白活性化剤粒子;及び
RCOO−C64−COOM (I)
RCOO−C64−SO3M (II)
(式(I)及び(II)において、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数9〜11のアルキル基またはアルケニル基を表し、Mは水素又は塩形成カチオンを表す。)
(e)漂白剤
を含有する請求項1に記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2007−161761(P2007−161761A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356236(P2005−356236)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】