説明

洗浄剤組成物

【課題】低刺激性で起泡力及び使用性に優れ、頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用として好適な洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の洗浄剤組成物粘は、下記成分(A)及び成分(B)を含む洗浄剤組成物であって、成分(A)と成分(B)の含有量の和が洗浄剤組成物全量(100重量%)の15〜35重量%であり、且つ、成分(A)と成分(B)の配合割合[前者:後者(重量比)]が1:1〜6:1であることを特徴とする。
成分(A):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
成分(B):下記式(1)
1O−(C362)n−H (1)
(式中、R1はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、2〜13の整数である)
で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテル

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低刺激性で起泡力に優れ、頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用として好適な洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食器洗浄用としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤を主な界面活性剤として含有する洗浄剤組成物が使用されてきた。しかし、これらの洗浄剤組成物は脱脂力及び刺激性が強く、さらにタンパク質変性作用を有するため、継続して使用した場合には、手指にかさつき、ひび割れ、炎症等を引き起こし、手荒れの原因となることが問題であった。また、同じ理由により、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤を主な界面活性剤として含有する洗浄剤組成物を頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用として使用することも困難であった。特に、理容室や美容室向けの頭髪洗浄剤組成物は、施用者が頻繁に使用するため手荒れは重要な問題である。
【0003】
手荒れの問題を解決するため、近年、食器洗浄用としては皮膚刺激性が低いポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤を主な界面活性剤として含有する洗浄剤組成物が使用されている。しかし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤は泡立ちが悪く、優れた起泡力を要する頭髪洗浄用や皮膚洗浄用には不向きであった。
【0004】
また、頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用洗浄剤組成物としては、適度の粘性を有することが好ましい。粘度が低すぎる場合は手に取った際に液だれし易く、使用性に劣るためである。適度な粘性を付与する方法としては、一般に、モノエタノールアミド類、ジエタノールアミド類、ソルビタンエステル類、カチオン化ポリマー、ヒドロキシエチルセルロース等の造粘剤が用いられる。しかし、これらの造粘剤を洗浄剤組成物に添加すると、起泡力が低下し、更に、水で濯いでもヌメリが残る等の問題が生じることが知られている。
【0005】
特許文献1には、ポリグリセリンモノアルキルエーテルを主な界面活性剤として含有する洗浄剤組成物が記載されている。前記洗浄剤組成物は、使用性には優れるが、起泡力及び洗浄力の点で不十分であり、食品や食器等の洗浄剤組成物としては有用であるが、頭髪洗浄用や皮膚洗浄用の洗浄剤組成物として使用することは困難であった。すなわち、低刺激性で起泡力及び使用性に優れ、頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用として好適な洗浄剤組成物が未だ見いだされていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−348084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、低刺激性で起泡力及び使用性に優れ、頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用として好適な洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、起泡力に優れるがタンパク質変性作用を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩と、特定のポリグリセリンモノアルキルエーテルを特定の割合で配合すると、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩のタンパク質変性作用及び過剰な脱脂力が抑制され、優れた起泡力を発揮することができ、洗浄後の皮膚や頭髪がかさつく(若しくはぱさつく)ことなくしっとりと洗い上げることができることを見いだした。また、前記ポリグリセリンモノアルキルエーテルは洗浄剤組成物に適度の粘性を付与することができ、ヌメリの原因となる造粘剤を添加することなく優れた使用性を付与することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0009】
すなわち、本発明は下記成分(A)及び成分(B)を含む洗浄剤組成物であって、成分(A)と成分(B)の含有量の和が洗浄剤組成物全量(100重量%)の15〜35重量%であり、且つ、成分(A)と成分(B)の配合割合[前者:後者(重量比)]が1:1〜6:1であることを特徴とする洗浄剤組成物を提供する。
成分(A):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
成分(B):下記式(1)
1O−(C362)n−H (1)
(式中、R1はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、2〜13の整数である)
で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテル
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る洗浄剤組成物によれば、界面活性剤として上記成分(A)と成分(B)とを特定の割合で組み合わせて含有するため、成分(A)の有するタンパク質変性作用及び過度の脱脂力を抑制しつつ、極めて優れた起泡力を発揮することができ、皮膚や頭髪をしっとりと洗い上げることができる。また、成分(B)により洗浄剤組成物に適度の粘性を付与することができ使用性に優れ、且つ、水で濯ぐことにより、ヌメリを残さずに洗い流すことができる。本発明に係る洗浄剤組成物は上記効果を有するため、特に、頭髪洗浄用及び皮膚洗浄用として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る洗浄剤組成物は、下記成分(A)及び成分(B)を含む洗浄剤組成物であって、成分(A)と成分(B)の含有量の和が洗浄剤組成物全量(100重量%)の15〜35重量%であり、且つ、成分(A)と成分(B)の配合割合[前者:後者(重量比)]が1:1〜6:1であることを特徴とする。
成分(A):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
成分(B):下記式(1)
1O−(C362)n−H (1)
(式中、R1はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、2〜13の整数である)
で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテル
【0012】
[成分(A)]
本発明の成分(A)はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩であり、例えば、下記式(2)
2O−(C24O)n’−SO3M (2)
(式中、R2は炭素数8〜18の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。n’は酸化エチレンの重合度を示し、1〜3の整数である。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、塩基性アミノ酸、又はアルカノールアミンのカチオン性残基を示す)
で表される。
【0013】
式(2)中、R2は炭素数8〜18の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。炭素数8〜18の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル(ラウリル)、n−トリデシル、n−テトラデシル(ミリスチル)、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−ステアリル基等の直鎖アルキル基;n−オクテニル、n−ノネニル、n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−トリデセニル、n−テトラデセニル、n−ペンタデセニル、n−ヘキサデセニル、n−ヘプタデセニル、n−オレイル基等の直鎖アルケニル基等を挙げることができる。
【0014】
炭素数8〜18の分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、イソオクチル、s−オクチル、t−オクチル、イソノニル、s−ノニル、t−ノニル、イソデシル、s−デシル、t−デシル、イソウンデシル、s−ウンデシル、t−ウンデシル、イソドデシル、s−ドデシル、t−ドデシル、トリデシル、s−トリデシル、t−トリデシル、イソテトラデシル、s−イソテトラデシル、t−イソテトラデシル、イソペンタデシル、s−ペンタデシル、t−ペンタデシル、ヘキシルデシル、イソヘキサデシル、s−ヘキサデシル、t−ヘキサデシル、イソヘプタデシル、s−ヘプタデシル、t−ヘプタデシル、イソステアリル基等の分岐アルキル基;イソオクテニル、s−オクテニル、t−オクテニル、イソノネニル、s−ノネニル、t−ノネニル、イソデセニル、s−デセニル、t−デセニル、イソウンデセニル、s−ウンデセニル、t−ウンデセニル、イソドデセニル、s−ドデセニル、t−ドデセニル、イソトリデセニル、s−トリデセニル、t−トリデセニル、イソテトラデセニル、s−テトラデセニル、t−テトラデセニル、イソペンタデセニル、s−ペンタデセニル、t−ペンタデセニル、イソヘキサデセニル、s−ヘキサデセニル、t−ヘキサデセニル、イソヘプタデセニル、s−ヘプタデセニル、t−ヘプタデセニル、イソオレイル基等の分岐アルケニル基等を挙げることができる。
【0015】
本発明のR2としては、なかでも洗浄性能、及び起泡性に優れ、且つ、低刺激性の点で、炭素数8〜18(特に、炭素数8〜14)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましい。
【0016】
式(2)中のMにおけるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等を挙げることができる。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等を挙げることができる。アルカノールアミンとしては、炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基を有するアミンを挙げることができ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
【0017】
本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
[成分(B)]
本発明の成分(B)は、下記式(1)
1O−(C362)n−H (1)
(式中、R1はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、2〜13の整数である)
で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテルである。
【0019】
式(1)中の括弧内のC362は、下記式(3)及び(4)で示される両方の構造を有する。
−CH2−CHOH−CH2O− (3)
−CH(CH2OH)CH2O− (4)
【0020】
式(1)中、R1はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。炭素数10〜14の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル(ラウリル)、n−トリデシル、n−テトラデシル(ミリスチル)基等の直鎖アルキル基;前記直鎖アルキル基に1個以上のヒドロキシル基を有する直鎖ヒドロキシアルキル基;n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−トリデセニル、n−テトラデセニル基等の直鎖アルケニル基;前記直鎖アルケニル基に1個以上のヒドロキシル基を有する直鎖ヒドロキシアルケニル基等を挙げることができる。
【0021】
ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、イソデシル、s−デシル、t−デシル、イソウンデシル、s−ウンデシル、t−ウンデシル、イソドデシル、s−ドデシル、t−ドデシル、トリデシル、s−トリデシル、t−トリデシル、イソテトラデシル、s−イソテトラデシル、t−イソテトラデシル基等の分岐アルキル基;前記分岐アルキル基に1個以上のヒドロキシル基を有する分岐ヒドロキシアルキル基;イソデセニル、s−デセニル、t−デセニル、イソウンデセニル、s−ウンデセニル、t−ウンデセニル、イソドデセニル、s−ドデセニル、t−ドデセニル、イソトリデセニル、s−トリデセニル、t−トリデセニル、イソテトラデセニル、s−テトラデセニル、t−テトラデセニル基等の分岐アルケニル基;前記分岐アルケニル基に1個以上のヒドロキシル基を有する分岐ヒドロキシアルケニル基等を挙げることができる。
【0022】
本発明のR1としては、なかでも起泡性、及び洗浄性に優れる点で、炭素数10〜14の直鎖状脂肪族炭化水素基(特に、炭素数10〜12の直鎖状アルキル基)が好ましい。
【0023】
nはグリセリンの重合度を示し、2〜13(好ましくは3〜12、特に好ましくは4〜10)の整数である。
【0024】
本発明における式(1)で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテルの具体例としては、例えば、テトラグリセリンモノラウリルエーテル、テトラグリセリンモノミリスチルエーテル、デカグリセリンモノラウリルエーテル、デカグリセリンモノミリスチルエーテル等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0025】
ポリグリセリンモノアルキルエーテルの製造方法としては、特に限定されることがなく、例えば、(1)塩基性触媒の存在下、脂肪族アルコールに、該脂肪族アルコール/グリシドール(モル比)が特定の値となるような割合でグリシドールを添加して反応させる方法、(2)ポリグリセリンにα−オレフィンエポキシドを反応させる方法、(3)酸触媒若しくはアルカリ触媒の存在下、アルキルグリシジルエーテルをポリグリセリンを使用して開環させる方法等を挙げることができる。
【0026】
[洗浄剤組成物]
本発明に係る洗浄剤組成物は、上記成分(A)及び成分(B)を含み、成分(A)と成分(B)の含有量の和は洗浄剤組成物全量(100重量%)の15〜35重量%であり、且つ、成分(A)と成分(B)の配合割合[前者:後者(重量比)]が1:1〜6:1(好ましくは2:1〜6:1、特に好ましくは2.5:1〜6:1、更に好ましくは3:1〜6:1、最も好ましくは3:1〜5:1)であることを特徴とする。成分(A)と成分(B)とを上記範囲で配合することにより、成分(A)のタンパク質変性作用を抑制しつつ、優れた起泡力を発揮することができるとともに、適度な粘性を付与することができ使用性が向上する。成分(A)の含有量が上記範囲を上回り、成分(B)の含有量が上記範囲を下回ると、成分(A)のタンパク質変性作用を抑制することが困難となり、刺激性が強くなる傾向がある。また、粘度が低くなり、手に取った際に液だれ等し易くなる。一方、成分(A)の含有量が上記範囲を下回り、成分(B)の含有量が上記範囲を上回ると、起泡力が低下し、洗浄力が低下する傾向がある。また、粘度が高くなりすぎ、使用し難くなる傾向がある。
【0027】
従って、洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量としては、7.5〜30重量%程度、好ましくは10〜30重量%程度、特に好ましくは13〜30重量%程度、最も好ましくは10〜20重量%程度である。成分(A)の含有量が上記範囲を上回ると、タンパク質変性作用が発現し、刺激性が強くなる傾向がある。一方、成分(A)の含有量が上記範囲を下回ると、起泡力が低下し、洗浄力が低下する傾向がある。
【0028】
また、洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量としては、2.1〜17.5重量%程度、好ましくは5〜17.5重量%程度、特に好ましくは5重量%以上、10重量%未満程度である。成分(B)の含有量が上記範囲を上回ると、粘度が高くなりすぎ、組成物の調製が困難となる傾向がある。一方、成分(B)の含有量が上記範囲を下回ると、成分(A)のタンパク質変性作用を抑制することが困難となり、刺激性が強くなる傾向がある。
【0029】
本発明に係る洗浄剤組成物は上記成分(A)、成分(B)以外にも更に成分(C)として、上記ポリグリセリンモノアルキルエーテル以外の非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を添加してもよい。成分(C)を添加することにより起泡力をより向上させることができる。
【0030】
ポリグリセリンモノアルキルエーテル以外の非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸モノグリセリド、グリセリンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、C6-24脂肪酸ジエタノールアミド、C6-24脂肪酸モノエタノールアミド、グリセリン脂肪酸C6-24エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤等を挙げることができる。
【0031】
両性界面活性剤としては、特に限定されることがなく、例えば、カルボベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリウムベタイン系活性剤、アミンオキサイド系活性剤等を挙げることができる。なかでも、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシホスホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシアルキル−N−ヒドロキシアルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイドが好ましく、特に、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルヒドロキシホスホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシアルキル−N−ヒドロキシアルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
【0032】
成分(C)としては、上記ポリグリセリンモノアルキルエーテル以外の非イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選択される1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量としては、0.1〜30重量%程度、好ましくは0.5〜25重量%程度、特に好ましくは0.8〜20重量%程度である。成分(C)を上記範囲で添加すると、洗浄剤組成物の起泡力及び肌感触をより向上させることができる。
【0034】
本願発明に係る洗浄剤組成物は、通常の方法に従って製造することができ、例えば、上記成分と水とを混合することにより製造することができる。ここで、水としては、硬水、軟水の何れでもよく、例えば、工業用水、水道水、イオン交換水、精製水、蒸留水等を使用することができる。洗浄剤組成物中の水の配合量としては、用途に応じて適宜調整することができ、例えば、45〜95重量%程度、好ましくは60〜90重量%程度である。
【0035】
本発明に係る洗浄剤組成物のpHとしては、例えば4〜11程度、好ましくは5〜10である。
【0036】
本発明に係る洗浄剤組成物は、起泡力に優れ、低刺激性であり、適度な粘性を有して使用性に優れる。更に、水で洗い流すことにより、ヌメリを残さずさっぱりと洗い流すことができる。その上、洗いあがりにつっぱらず、しっとりして良好な肌感触が得られる。従って、本発明に係る洗浄剤組成物は、頭髪洗浄用、及び皮膚洗浄用(例えば、手指用、顔用、身体用)として好適であり、特に、低刺激性で手荒れの原因となりにくいため、理容室や美容室向けの頭髪洗浄剤組成物として有用である。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0038】
実施例及び比較例
下記表1に示す配合組成(重量部)により洗浄剤組成物を常法により製造し、得られた洗浄剤組成物について起泡力、及びタンパク質変性作用を下記方法で評価した。
【0039】
[起泡力評価」
実施例及び比較例で得られた各洗浄剤組成物について、5倍希釈水溶液を調製した。得られた5倍希釈水溶液 100mL(液温:25℃)を二枚メッシュを備えたポンプフォーマーに仕込み、起泡後の泡の平均粒径を確認し、下記基準に従って評価した。尚、泡の平均粒径は光学顕微鏡で無作為に選択した泡100個の粒径を平均して求めた。
評価基準
○:平均粒径が125μm以下
×:平均粒径が125μmを超える
【0040】
[タンパク質変性作用評価]
実施例及び比較例で得られた各洗浄剤組成物について、100倍希釈水溶液を調製した。文献(粧技誌、'84 18(2) p96-105)に従って、得られた100倍希釈水溶液と卵由来アルブミンとを、緩衝液中、25℃において24時間共存させた。その後、GPC(Gel Permeation Chromatography)を使用してアルブミン量を測定し、100倍希釈水溶液と共存させる前のアルブミン量と比較したアルブミンの減少割合をタンパク質変性率とし、下記基準に従って評価した。
評価基準
◎:タンパク質変性率が10%未満
○:タンパク質変性率が10%以上、15%未満
×:タンパク質変性率が15%以上
【0041】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)及び成分(B)を含む洗浄剤組成物であって、成分(A)と成分(B)の含有量の和が洗浄剤組成物全量(100重量%)の15〜35重量%であり、且つ、成分(A)と成分(B)の配合割合[前者:後者(重量比)]が1:1〜6:1であることを特徴とする洗浄剤組成物。
成分(A):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
成分(B):下記式(1)
1O−(C362)n−H (1)
(式中、R1はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数10〜14の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、2〜13の整数である)
で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテル

【公開番号】特開2012−251115(P2012−251115A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126909(P2011−126909)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】