説明

洗浄料

【課題】 容器から手に取った時に「手垂れ」がおこったり、「液だれ」をおこしたりすることがなく、使用性に優れた洗浄料を提供する。
【解決手段】 アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、カチオン性高分子とを少なくとも含み、20〜40℃で2相となり、外観上でも2層に分離した状態を呈する洗浄料であって、
前記2層のうちの下層が40℃において、G’(貯蔵弾性率)がG”(損失弾性率)と比べて、角速度が30〜100rad/sの範囲においてG’>G”となるような粘弾性特性を有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄料に関し、さらに詳しくは水に不溶の複合体であるコアセルベート層を多く含み、容器から手に取った時に「手垂れ」がおこったり、「液だれ」をおこしたりすることがなく、使用性に優れた洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シャンプー、メーク落としのような髪および肌のための洗浄料には、用途上から適当な粘性を有することが望まれる。
従来の洗浄料においては、適当な粘度をだす場合、電解質(塩類)の配合などにより活性剤ミセルに作用させて増粘していた。しかしこの時、低粘度だと容器から手に取った時に「手垂れ」がおこったり、「液だれ」をおこして使いにくかった。逆に高粘度だと容器から出し難くなる上にメークと馴染ませ難くなる問題があった。またオイル系メーク落としでは濡れた顔や2度洗いのときに充分なメーク落とし効果が得られない問題点があった。
【0003】
一方、一般にシャンプー中ではカチオン性高分子とアニオン性/両性混合界面活性剤ミセルが共存しており、シャンプーの希釈によってカチオン性高分子と混合活性剤ミセルが形成する水に不溶性の複合体(コアセルベート)が毛髪へのコンディショニング効果を与えている。このカチオン性高分子と活性剤ミセルからなるコアセルベートの質と量がシャンプーの使用感に大きく影響することが分かってきている。
コアセルベートの基礎研究(非特許文献1参照)から、その生成条件には少なくとも(1)ポリマーの種類、電荷密度(カチオン化度)、分子量、濃度、(2)界面活性剤ミセルの表面電荷密度(活性剤組成)、濃度、(3)イオン強度(塩濃度)が大きく関与することが知られているが、処方作成においては多くの場合、経験に基づいて使用性の調整が行われている。したがってシャンプーのすすぎ時におけるカチオン性高分子と活性剤ミセルの相互作用に焦点をおいたコアセルベートの基礎的物性を明らかにすることで、素材の能力を最大限に引き出すこと、ならびに新規の機能性を付与することが期待される。
また本発明者らは先にシャンプー原液とコアセルベート相の動的粘弾性について研究し、コアセルベート相はG’(貯蔵弾性率)がG”(損失弾性率)と比べて、G’>G”となるような粘弾性特性を有するものであることを見出している(非特許文献2参照)。
【0004】
【非特許文献1】Wang, Y.; Kimura, K.; Dubin, P. L.; Jaeger, W. Macromolecules 2000, 33, 3324.; Talberg, K.; Lindman, B.; Karlstrom, G. J. Phys. Chem. 1990, 94, 4289.
【非特許文献2】佐藤佳子、吉田克典、圷隆宏、藪桃、岩井滋、小松一男、木村朋子「高分子と活性剤のコアセルベートに関する研究」、日本化粧品技術者会(SCCJ)討論会、第53回、2003年11月18日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コアセルベートはその質や量をコントロールする手法が今までなく、経験的に知られているのみで、その現象を積極的に利用して優れた洗浄料を開発する試みは今までなされていなかった。
したがって本発明の目的は、コアセルベートの基礎的物性を明らかにしてコアセルベートを明確に定義すると共に、コアセルベートをより多く含む洗浄料を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、カチオン性高分子とを少なくとも含み、20〜40℃で2相となり、外観上でも2層に分離した状態を呈する洗浄料であって、
前記2層のうちの下層が40℃において、G’(貯蔵弾性率)がG”(損失弾性率)と比べて、角速度が30〜100rad/sの範囲においてG’>G”となるような粘弾性特性を有することを特徴とする洗浄料である。ここで前記2層のうちの下層が全体の10質量%以上を占めることが好ましく、また前記洗浄料としては、メイク落とし洗浄料であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗浄料は、コアセルベート層をより多く含み、容器から手に取った時に「手垂れ」がおこったり、「液だれ」をおこしたりすることがなく、使用性に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による洗浄料は、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、カチオン性高分子とを少なくとも含み、20〜40℃で2層に分離した状態を呈する洗浄料であって、
前記2層のうちの下層が40℃において、G’(貯蔵弾性率)がG”(損失弾性率)と比べて、角速度が30〜100rad/sの範囲においてG’>G”となるような粘弾性特性を有するものである。
【0009】
ここで、上記粘弾性特性は、使用機器がTA instruments社製 Rheometer AR 1000−N、測定温度が40℃、評価した角速度範囲が30〜100rad/sの条件で測定した値である。
【0010】
本発明によれば、下層が上記の粘弾性特性をもつことで、その下層はコアセルベーションによって粘調な溶液層(コアセルベート)が形成され、上層には、界面活性剤と水をより多く含む比較的粘性の低い層が形成されているものとする。このコアセルベートは毛髪や皮膚へのコンディショニング効果に優れ、使用感もよいことから、コアセルベートをより多く含むものを調製することが好ましく、本発明ではこのコアセルベートを全体の10質量%以上含むものが好ましく、より好ましくは50質量%以上含むものである。
本発明の洗浄料は、この下層を使用しようとするものであるので、使用に当たっては、例えば、シャンプー用のディスペンサー付き容器に充填して、ディスペンサーにより下部より洗浄剤を取り出すという方法を採用する。
【0011】
以下、本発明の構成成分について詳述する。二層構造とする条件、下層の割合を多くする条件は、界面活性剤の種類とその割合、カチオン性高分子の種類とその量、電解質の量によって左右され、それぞれが影響しあうので一律に規定することはできないが、おおよそ次のようである。
【0012】
(アニオン性界面活性剤)
本発明で用いられるアニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルイセチオン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−ラウロイル−N−メチルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などが挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤の例としては、アルキル硫酸塩およびポリオキシエチレンアルキル硫酸塩があり、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na、例えば商品名アルスコープ NS−230:東邦化学工業社製)が含まれる
【0013】
アニオン性界面活性剤の配合量は、1〜6質量%が好ましく、さらに好ましくは2〜5質量%である。1質量%未満では下層の生成量が少なくなり、6質量%を超えると、可溶化力が強まるために2層分離が起こり難くなる。
【0014】
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアミノカルボン酸、アルキルスルホベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルベタインなどが挙げられる。好適な両性界面活性剤の例には、ラウリルベタイン(ニッサンアノンBL−SF:日本油脂社製)、コカミドプロピルベタイン(レボン2000HG:三洋化成工業社製)、ココアンホ酢酸ナトリウム(オバゾリン662N−SF:東邦化学工業社製)が含まれる。
【0015】
アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤の配合比率は、アニオン性界面活性剤:両性界面活性剤=1:7〜3:1(質量比)であることが好ましく、より好ましくは、1:4〜3:2である。アニオン性界面活性剤の比率が少なすぎても、比率が大きすぎても下層の生成量が少なくなる。
【0016】
前記アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の合計配合量は3.0〜15.0質量%であることが好ましく、さらに好ましくは6〜12質量%である。3質量%未満では下層の生成量が少なくなり、15質量%を超えると、可溶化力が強まるために2層分離が起こり難くなる。
【0017】
(カチオン性高分子)
カチオン性高分子としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タマリンドガム、カチオン化フェヌクリークガム、塩化ジメチルジアリル・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体などが挙げられる。このうち特に、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース−2(カチナールHC−100:東邦化学工業社製)、カチオン化グアーガム(カチナールCTR−100:東邦化学工業社製)、カチオン化ローカストビーンガム(カチナールCLB−100:東邦化学工業社製)が好ましい。
【0018】
カチオン性高分子の配合量は、0.1〜5.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0.4〜3質量%である。0.1質量%未満では下層の生成量が少なくなり、5.0質量%を超えると、洗浄液が粘調となって使い難くなるためである。
【0019】
(その他の成分)
本発明の洗浄料に用いられる成分としては、電解質が挙げられる。電解質としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩が挙げられる。電解質は、従来の洗浄料においては系を増粘させるため必須の成分であったが、本発明においては、必ずしも配合する必要はない。
【0020】
電解質を配合する場合、その配合量は、3.0質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5質量%以下である。最も好ましいのは電解質を配合しないものである。
【0021】
本発明の皮膚洗浄料は上記成分に加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で、多価アルコール、多糖類、蛋白質誘導体、薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、香料など、皮膚洗浄料一般に配合される成分を添加してもよい。
【0022】
ここで多価アルコールとしては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、マルチトール、グルコース、スクロース等が挙げられる。
【0023】
多糖類としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸およびこれらの塩類があげられる。
【0024】
薬剤としては、ビタミンC類、ビタミンE類、アミノ酸類、生薬、抗炎症剤、殺菌剤等の化粧品に汎用される薬剤を配合することができる。
【実施例】
【0025】
次に、本発明を実施例および比較例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。配合量はすべて質量%である。
【0026】
試験例1
(1)組成
次の処方のモデルシャンプーを用い、これを希釈した時のモデルシャンプー希釈時に生成するコアセルベート相の量と組成を調べた。モデルシャンプーにイオン交換水を各希釈率(3〜7倍)になるように加えた時、コアセルベート相は全体の約4〜1.5質量%の割合で観察された。コアセルベート相は希薄相に比べて、いずれの希釈倍率においても3〜5倍の固形分濃度を示した。また3倍希釈時の各相の1H−NMR測定結果よりカチオン性高分子はコアセルベート相中に選択的に存在していることがわかった。
【0027】
(処方)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 7.5 質量%
(ラウレス硫酸Na)
コカミドプロピルベタイン 4.5
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース−2 0.5
塩化ナトリウム 1.0
精製水 残余
【0028】
(2)粘弾性挙動
コアセルベート相のレオロジー的な性質を知るために動的粘弾性測定を行なった。また比較のためにシャンプー原液も同様に測定した。その結果を図1に示す。
【0029】
図1から分かるように、シャンプー原液では、いずれの測定周波数範囲においても損失弾性率(G”)が貯蔵弾性率(G’)を上回り、粘性流体的挙動を示した。一方、コアセルベート相は希釈倍率に関わらず、いずれの周波数においてもG’>G”となり、ゲル状の粘弾性挙動を示すことが分かった。またシャンプー中の高分子のカチオン化度を変化させた時、高分子のカチオン化度が高くなるにつれて、コアセルベート相のG’の絶対値は大きくなることが分かった。これらの結果より、今回の系で得られるコアセルベート相は活性剤混合ミセルをカチオン性高分子が橋架けする形で構造を形成していると考えられる。そのため、高分子のカチオン化度が高くなることは、系の架橋点密度の増加または架橋点寿命を引き延ばす方向に働くと考えられる。その結果、粘弾性測定ではより高いカチオン化度の高分子で高い弾性率を示したものと考えられる。カチオン化度または混合ミセルのアニオン電荷密度を変化させた時の複合体形成については、三宅らの報告(三宅深雪 第19回コロイド・界面シンポジウム 要旨p44)がある。三宅らの報告によれば、ポリマー及びミセルが高電荷密度の場合の複合体は、緻密な構造を形成し、電荷が弱まるにつれてポーラスな構造(空隙を有する構造)を取ることをSEM観察から明らかにしている。
なお上記の粘弾性特性の測定結果は、コアセルベート層とされるものに一般的に適用されるものであった。
【0030】
試験例2
試験例1の処方のモデルシャンプーにおいて塩化ナトリウムを無配合とし、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との配合比(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na、LESと略)/コカミドプロピルベタイン(AMPBと略)=5/3、質量比)をそのままとして合計配合量を種々変化させ、かつカチオン性高分子の配合量を変化させてその状態を観察した。その結果を図2に示す。
図2中、測定点は、●が二相(カスミ〜濁り)であり、×が透明一層である。また測定線は、二相状態(透明〜濁り)と透明一層の境界線を示しており、斜線部分が二相状態(透明〜濁り、コアセルベート層)になったところ、斜線部分の外側が透明一層になったところである。
【0031】
試験例3
上記試験例2と同様にして、塩化ナトリウムの濃度を0.5質量%、1.0質量%、1.5質量%、2.0質量%、2.5質量%配合とし、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との配合比(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na、LESと略)/コカミドプロピルベタイン(AMPBと略)=5/3、質量比)をそのままとして合計配合量を種々変化させ、かつカチオン性高分子の配合量を変化させてその状態を観察した。その結果について、上記で定義した測定線のみを図3に示す。
【0032】
図3中、Aは塩化ナトリウム濃度が0質量%の場合を示し、Bは塩化ナトリウム濃度が0.5質量%の場合を示し、Cは塩化ナトリウム濃度が1.0質量%の場合を示し、Dは塩化ナトリウム濃度が1.5質量%の場合を示し、Eは塩化ナトリウム濃度が2.0質量%の場合を示す。いずれも測定線の内側が二相状態になったところである。なお、塩化ナトリウム濃度が2.5質量%の場合は、明確な測定線はとれず、測定点●は二相分離したものを×は透明一層を示す。
【0033】
図3においてS1は試験例1のモデルシャンプーに相当するものであり、Sは、S1を水で希釈した時に相当する。試験例1のモデルシャンプーは、塩化ナトリウム濃度が1.0質量%であるから、Sが線Cと交わる点S2で、コアセルベート層が形成された二相状態となる。
【0034】
試験例4
試験例2の処方である塩化ナトリウムを無配合とした時の状態図において、下層が10質量%以上を占める部分、および50質量%以上を占める部分を図4に示す。
図4中、斜線の部分が10質量%以上を占める部分、格子部分が50質量%以上を占める部分である。
【0035】
実施例1〜21、比較例1〜9
次の表1〜表4に示す処方で後記する方法で洗浄料を調製し、その外観、粘弾性測定、使用性(使いやすさ(手取り)、メーク落ち(口紅)、メーク落ち(マスカラ)、タオルドライ後の唇、タオルドライ後の目の周り)を後記する方法で評価した。また、コアセルベート層比(外観上の下層/全体)について測定したものについては、その値を記載した。その結果を併せて表1〜表4に示す。
【0036】
(製造方法)
水にカチオン性高分子を分散させてから70℃に加温し、次いで塩類、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などを添加し、冷却して洗浄料を得た。
【0037】
(評価方法)
(1)外観
洗浄料を静置し、その外観を次の方法で評価した。
◎:製造直後より二層分離(上層が透明層)
○:濁り状態(液−液二相分離)
×:溶解していて分離なし
【0038】
(2)粘弾性測定結果
試料が二層分離している場合は下層物を取り出し、二層分離してない場合は均一層よりサンプリングし、TA instruments社製 Rheometer AR 1000−Nを用いて、測定温度:40℃、評価した角速度範囲:30〜100rad/sの条件でG’(貯蔵弾性率)およびG”(損失弾性率)を測定した。その結果を次の方法で評価した。
【0039】
(評価方法)
○:G’>G”またはG’=G”
×:G’<G”
【0040】
(3)使用性(使いやすさ(手取り)、メーク落ち(口紅)、メーク落ち(マスカラ)、タオルドライ後の唇、タオルドライ後の目の周り)
使用性に関する上記5項目について、専門パネル20名によって、次の1〜4の4段階評価を行い、その平均値を示した。なお、試料が二層分離している場合は下層物を取り出し、二層分離してない場合は均一層よりサンプリングして用いた。下層物の取り出し方法としては、シャンプー用のディスペンサー付き容器に充填して、ディスペンサーにより下部より洗浄剤を取り出すという方法で行った。
(評価方法)
1:不満である。
2:やや不満である。
3:やや満足である。
4:満足である。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
次に、本発明による洗浄料の処方例を示す。
実施例22
ポリオキシエチレンラウリルエーテル
硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na)液(30%) 17.5 質量%
コカミドプロピルベタイン液(30%) 10.5
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース−2 2.1
コカミドモノエタノールアミド(MEA) 0.4
イソプレングリコール 3.5
クエン酸 0.1
安息香酸ナトリウム 0.2
水 65.7
【0046】
(製法)
水にカチオン性高分子を分散させてから70℃に加温した。次いで、塩類、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などを添加し、冷却して製造した。
(粘弾性測定結果)
30rad/s:G’=451Pa、G”=173Pa
100rad/s:G’=681Pa、G”=245Pa
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】試験例1における粘弾性特性の測定結果を示す図である。
【図2】試験例2における系の状態図である。
【図3】試験例3における系の状態図である。
【図4】試験例2における状態図において、下層が10質量%以上および50質量%以上を占める部分を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、カチオン性高分子とを少なくとも含み、20〜40℃で2相となり、外観上でも2層に分離した状態を呈する洗浄料であって、
前記2層のうちの下層が40℃において、G’(貯蔵弾性率)がG”(損失弾性率)と比べて、角速度が30〜100rad/sの範囲においてG’>G”となるような粘弾性特性を有することを特徴とする洗浄料。
【請求項2】
前記2層のうちの下層が全体の10質量%以上を占めることを特徴とする請求項1に記載の洗浄料。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤と、前記両性界面活性剤の配合比率が、アニオン性界面活性剤:両性界面活性剤=1:7〜3:1(質量比)であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄料。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤と前記両性界面活性剤との合計配合量が3.0〜15.0質量%であり、前記カチオン性高分子の配合量が0.1〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄料。
【請求項5】
電解質は含まないか、あるいは含む場合は3.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄料。
【請求項6】
メイク落とし洗浄料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−274016(P2006−274016A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94701(P2005−94701)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】