説明

洗浄機構、自動分析装置および洗浄方法

【課題】洗浄液で洗浄した容器内を短時間で確実に乾燥すること。
【解決手段】洗浄位置では、洗浄液吐出ノズル353aが反応容器70内に洗浄液を吐出し、洗浄液吸引ノズル353bが反応容器70内の洗浄液を吸引して、その内部を洗浄する。この反応容器70は、反応テーブル29上を周回して吸引乾燥位置に搬送される。吸引乾燥位置では、吸引乾燥ノズル354aが反応容器70内に残存する洗浄液を吸引して吸引乾燥を行いつつ、同時に表面弾性波素子75の振動子753を駆動し、発生した超音波振動およびこの超音波振動の発生に伴う発熱によって反応容器70内の加熱乾燥を行う。吸引乾燥位置での吸引乾燥および加熱乾燥を終えた反応容器70は、反応テーブル29上を3/4周して第1試薬分注位置に搬送されて、次回の検体分析に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内部を洗浄する洗浄機構および洗浄方法、容器内部を洗浄する洗浄機構を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、反応容器に試薬と検体とを分注し、当該反応容器内で生じた反応を光学的に測定することによって検体の分析等を行う自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、分析に用いられた反応容器を洗浄する洗浄機構を具備しており、測定が終了した反応容器はその都度洗浄され、繰り返し使用される。具体的には、洗浄機構は、反応容器内の反応液を排出し、内部を洗浄液で洗浄した後、残存する洗浄液を吸引する吸引乾燥や自然乾燥等によって反応容器内の乾燥を行っている。なお、この自動分析装置において、反応容器内に分注された検体と試薬とを攪拌する攪拌手段として、音波を発生させて非接触の攪拌を行う攪拌機構を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−90791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の反応容器の洗浄機構で行われた吸引乾燥や自然乾燥では、反応容器内を十分に乾燥できない場合があった。このため、反応容器内に残存する洗浄液によって次回の検体分析にかかる分析精度が低下するという問題があった。
【0005】
また、吸引乾燥や自然乾燥による工程を必要とするため、洗浄に要する時間が長くなる上、洗浄が完了するまでの間反応容器を検体分析に使用することができず、反応容器の使用効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みて為されたものであって、洗浄液で洗浄した容器内を短時間で確実に乾燥することができる洗浄機構、自動分析装置および洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる洗浄機構は、液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄機構であって、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段と、前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥する吸引乾燥手段と、前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる洗浄機構は、上記の発明において、前記加熱手段は、前記吸引乾燥手段による吸引乾燥と同時に加熱を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる洗浄機構は、液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄機構であって、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段と、前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる洗浄機構は、上記の発明において、前記加熱手段は、前記洗浄液排出手段による洗浄液の排出と同時に加熱を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる洗浄機構は、上記の発明において、前記加熱手段は、超音波振動を発生させて前記容器を加熱することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる洗浄機構は、上記の発明において、前記加熱手段は、前記容器外部に配置されて電力を送電する送電手段と、前記容器の外側面に配置されて前記送電手段から送電される電力を受電し、該受電した電力を変換して超音波振動を発生させる超音波振動発生手段とで構成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる洗浄機構は、上記の発明において、前記加熱手段による加熱時における前記容器周辺の温度を監視し、所定の上限温度を超えたか否かを判定する温度監視手段を備え、前記温度監視手段によって前記所定の上限温度を超えたと判定された場合に、前記加熱手段による加熱を停止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明の洗浄機構を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる自動分析装置は、前記容器内に試薬を分注する試薬分注機構と、前記容器内に検体を分注する検体分注機構と、前記容器内に分注された試薬と検体とを反応させ、反応状況を測定する測定機構と、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段、前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段、前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥する吸引乾燥手段および前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段を有し、前記容器内部を洗浄する洗浄機構と、前記容器を、前記試薬分注機構による試薬分注位置、前記検体分注機構による検体分注位置、前記測定機構による測定位置、前記洗浄液供給手段による洗浄液供給位置、前記洗浄液排出手段による洗浄液排出位置および前記吸引乾燥手段による吸引乾燥位置を含む搬送経路上の各位置に搬送する容器搬送機構と、を備え、前記加熱手段は、前記吸引乾燥手段によって吸引乾燥された前記容器が、前記吸引乾燥位置から前記試薬分注位置または前記検体分注位置のうちの先に分注が行われるいずれか一方の位置に前記容器搬送機構によって搬送されるまでの搬送経路上の所定の加熱位置で加熱を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる自動分析装置は、前記容器内に試薬を分注する試薬分注機構と、前記容器内に検体を分注する検体分注機構と、前記容器内に分注された試薬と検体とを反応させ、反応状況を測定する測定機構と、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段、前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段および前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段を有し、前記容器内部を洗浄する洗浄機構と、前記容器を、前記試薬分注機構による試薬分注位置、前記検体分注機構による検体分注位置、前記測定機構による測定位置、前記洗浄液供給手段による洗浄液供給位置および前記洗浄液排出手段による洗浄液排出位置を含む搬送経路上の各位置に搬送する容器搬送機構と、を備え、前記加熱手段は、前記洗浄液排出手段によって洗浄液が排出された前記容器が、前記洗浄液排出位置から前記試薬分注位置または前記検体分注位置のうちの先に分注が行われるいずれか一方の位置に前記容器搬送機構によって搬送されるまでの搬送経路上の所定の加熱位置で加熱を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記加熱位置は、前記先に分注が行われる前記試薬分注位置または前記検体分注位置であり、前記加熱手段は、前記試薬分注位置または前記検体分注位置で前記容器内に試薬または検体が分注される直前に加熱を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記加熱手段は、超音波振動を発生させて前記容器を加熱することを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記加熱手段は、前記容器外部に配置されて電力を送電する送電手段と、前記容器の外側面に配置されて前記送電手段から送電される電力を受電し、該受電した電力を変換して超音波振動を発生させる超音波振動発生手段とで構成されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記容器の外側面に配置された前記超音波振動発生手段に電力を送電する送電手段を有し、前記容器搬送機構による前記容器の搬送経路上の所定の攪拌位置で前記容器内部の液体を攪拌する攪拌機構を備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記洗浄機構は、前記加熱手段による加熱時における前記容器周辺の温度を監視し、所定の上限温度を超えたか否かを判定する温度監視手段を備え、前記温度監視手段によって前記所定の上限温度を超えたと判定された場合に、前記加熱手段による加熱を停止することを特徴とする。
【0022】
また、本発明にかかる洗浄方法は、液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出する洗浄液排出ステップと、前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥しつつ、同時に前記容器外側から前記容器を加熱する乾燥ステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明にかかる洗浄方法は、液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出する洗浄液排出ステップと、前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥する吸引乾燥ステップと、前記容器外側から前記容器を加熱する加熱ステップと、を含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明にかかる洗浄方法は、上記の発明において、前記加熱ステップは、前記容器内を吸引乾燥した後、前記容器内に新たに液体が分注されるまでの間に加熱を行うことを特徴とする。
【0025】
また、本発明にかかる洗浄方法は、液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出しつつ、同時に前記容器外側から前記容器を加熱する洗浄液排出乾燥ステップと、を含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明にかかる洗浄方法は、液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出する洗浄液排出ステップと、前記容器外側から前記容器を加熱する加熱ステップと、を含むことを特徴とする。
【0027】
また、本発明にかかる洗浄方法は、上記の発明において、前記加熱ステップは、前記容器内の洗浄液を前記容器外部に排出した後、前記容器内に新たに液体が分注されるまでの間に加熱を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、洗浄液で洗浄した容器内を確実に乾燥することができるので、次回の検体分析を、分析精度を低下させることなく行うことができる。また従来は、吸引乾燥による乾燥の後、自然乾燥による乾燥を行っていたが、加熱乾燥を行うことで自然乾燥による工程が不要となり、洗浄に要する時間を短縮できるとともに、容器の使用効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。図1は、本実施の形態にかかる自動分析装置1の内部構成の一例を示す概略斜視図であり、図2は、自動分析装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。この自動分析装置1は、複数の検体の生化学的な分析を自動的に行う装置であり、分析対象の検体と試薬とを反応容器(容器)70にそれぞれ分注し、分注した反応容器70内で生じる反応状況を光学的に測定する。自動分析装置1は、検体容器移送機構21と、検体分注機構23と、2つの試薬テーブル25(25−1,25−2)と、試薬分注機構27(27−1,27−2)と、反応テーブル29と、分析光学系31と、攪拌機構33と、洗浄機構35とを備える。
【0030】
検体容器移送機構21は、血液や尿等の検体を収容した複数の検体容器50が搭載された複数の検体ラック51を収納する。検体容器移送機構21は、後述する制御部4の制御のもと、図1中の矢印方向に検体ラック51を順次移送し、検体容器移送機構21上の所定位置に検体容器50を搬送する。そして、この所定位置に搬送された検体容器50内の検体が、検体分注機構23によって反応テーブル29上を配列して搬送される反応容器70に分注される。
【0031】
検体分注機構23は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム231を備え、このアーム231に、検体の吸引および吐出を行うプローブ233が取り付けられて構成されている。検体分注機構23は、制御部4の制御のもと、検体容器移送機構21上の所定位置に搬送された検体容器50からプローブ233によって検体を吸引する。そして、アーム231を回動させ、反応テーブル29上の検体分注位置に搬送された反応容器70に検体を吐出して分注を行う。検体分注機構23のプローブ231は、分注終了後、プローブ233の移動経路上に配設された図示しない洗浄槽で流水・洗浄される。
【0032】
試薬テーブル25(25−1,25−2)は、それぞれ同様の構成を有し、制御部4の制御のもと、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした間欠的な回動が可能に構成されており、所望の試薬容器60を所定の位置まで搬送する。各試薬容器60には、それぞれ分析項目に応じた所定の試薬が収容され、例えば、一方の試薬テーブル25−1には、第1試薬を収容した試薬容器60が収納され、他方の試薬テーブル25−2には、第2試薬を収容した試薬容器60が収納される。そして、通常の測定においては第1試薬のみが反応容器70に分注され、必要に応じて第2試薬が反応容器70に分注される。なお、各試薬テーブル25は、図示しない円盤状の蓋によって覆われている。また、各試薬テーブル25の下方にはそれぞれ不図示の恒温槽が設けられており、内部を覆う蓋とともに、各試薬容器60に収容された試薬を恒温状態に保つ保冷庫を構成している。これにより、試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0033】
試薬分注機構27(27−1,27−2)は、検体分注機構23と同様に、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム271を備え、このアーム271に、それぞれ試薬の吸引および吐出を行うプローブ273が取り付けられて構成されている。一方の試薬分注機構27−1は、制御部4の制御のもと、試薬テーブル25−1上の所定位置に搬送された試薬容器60からプローブ273によって第1試薬を吸引する。そして、アーム271を回動させ、反応テーブル29上の第1試薬分注位置に搬送された反応容器70に第1試薬を吐出して分注を行う。同様にして、他方の試薬分注機構27−2は、制御部4の制御のもと、試薬テーブル25−2上の所定位置に搬送された試薬容器60からプローブ273によって第2試薬を吸引する。そして、アーム271を回動させ、反応テーブル29上の第2試薬分注位置に搬送された反応容器70に第2試薬を吐出して分注を行う。各試薬分注機構27のプローブ273は、分注終了後、各プローブ273の移動経路上に配設された図示しない洗浄槽で流水・洗浄される。
【0034】
反応テーブル29には、検体および試薬が分注される複数の反応容器70が載置され、分析光学系31と対応する位置に測光用の開口291が形成されている。なお、図1では、攪拌位置近傍の反応テーブル29の側面の一部を切り欠いて内部に載置される反応容器70の外側面を示している。図3は、この反応容器70の構成を示す図である。図3に示すように、反応容器70は、液体を保持する保持部71を有する四角筒状の容器であり、外側面73に表面弾性波素子75が一体に取り付けられている。この反応容器70は、光学的に透明な素材で成形される。反応容器70を成形する素材としては、分析光学系31から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。そして、反応容器70の外側面73の表面弾性波素子75を取り付けた部分に隣接する下部側の点線によって囲まれた部分が、分析光学系31からの分析光を透過させる測光用の窓77として利用される。この反応容器70は、表面弾性波素子75を外側に向けて反応テーブル29に載置される。
【0035】
反応テーブル29は、制御部4の制御のもと、不図示の駆動機構によって反応テーブル29の中心を回転軸として回転自在に構成されており、一周期で(1周−1反応容器)/4分回転し、四周期で1反応容器分回転する。この回転によって、反応テーブル29は、反応容器70を検体分注位置や試薬分注位置、攪拌機構33近傍の攪拌位置、測定位置、洗浄機構35下方の廃液排出位置や洗浄位置、吸引乾燥位置等の各位置に搬送し、容器搬送機構として機能する。なお、この反応テーブル29は、図示しない円盤状の蓋によって覆われている。また、反応テーブル29の下方には不図示の恒温槽が設けられており、蓋とともに内部の温度を体温程度の温度に保温する保温槽を構成している。
【0036】
分析光学系31は、測定機構に相当するものであり、制御部4の制御のもと、測定位置に搬送された反応容器70に分析光を照射し、反応容器70内の反応液を透過した光を受光して分光強度測定を行う。例えば、白色光を照射する光源311と、反応容器70を透過した白色光を分光する分光光学系313と、この分光光学系313で分光した光を成分毎に受光する受光素子315とを備える。この分析光学系31による測定結果は、制御部4に出力され、後述の分析部41において分析される。
【0037】
攪拌機構33は、攪拌位置に搬送された反応容器70内に分注された検体と試薬との攪拌を行い、反応を促進させる。この攪拌機構33は、攪拌位置近傍の反応テーブル29の外周側に配設された送電体331および配置決定部材333と、反応容器70の外側面73に取り付けられた表面弾性波素子75とで構成される。図4は、送電体331が反応容器70の表面弾性波素子75に当接した状態を示す図である。攪拌位置の反応容器70は、その外側面73の表面弾性波素子75が反応テーブル29の外部に露出するようになっており、送電体331は、反応テーブル29の外周側において反応容器70の外側面73と対向配置される。この送電体331は、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源から供給される電力を表面弾性波素子75に送電する送電手段であって、表面弾性波素子75の電気端子755と接触するブラシ状の接触子332や、不図示の駆動回路、コントローラ等を備える。この送電体331は、配置決定部材333に支持されており、制御部4の制御のもと、反応テーブル29の回転が停止したときに接触子332から電気端子755に電力を送電する。
【0038】
配置決定部材333は、制御部4の制御のもと、送電体331から電気端子755に電力を送電する送電時に送電体331を移動させて、送電体331と電気端子755との反応テーブル29の周方向並びに半径方向における相対配置を調整するもので、例えば、2軸ステージが使用される。具体的には、配置決定部材333は、制御部4の制御のもと、反応テーブル29が回転して送電体331から電気端子755に電力を送電していない非送電時は、送電体331と電気端子755とを一定の距離に保つように支持する。そして、配置決定部材333は、反応テーブル29が停止して送電体331から電気端子755に電力を送電する送電時には、送電体331を移動させ、接触子332と電気端子755とが対向するように反応テーブル29の周方向に沿った送電体331の位置を調整するとともに、送電体331を電気端子755に近接させて接触子332と電気端子755とを接触させることで送電体331と電気端子755との相対配置を決定する。送電体331と電気端子755との相対配置は、例えば、送電体331側に反射センサを設け、反応容器70或いは表面弾性波素子75の特定個所に設けた反射体からの反射を利用する等して検出する。
【0039】
図5は、反応容器70の外側面73を表面弾性波素子75とともに示す側面図である。図5に示すように、表面弾性波素子75は、基板751の表面に櫛型電極(IDT)からなる振動子753が設けられて構成される。振動子753は、電気端子755を介して送電体331から送電された電力を表面弾性波(超音波)に変換するものであり、櫛型電極が反応容器70の外側面73に配列されている。換言すると、表面弾性波素子75は、自動分析装置1に反応容器70を載置したときに振動子753を構成する複数の櫛型電極が鉛直方向に配列されるように、反応容器70の外側面73に取り付けられる。また、振動子753は、導体回路757によって電気端子755と接続されている。表面弾性波素子75は、振動子753、電気端子755および導体回路757を外側に向け、エポキシ樹脂等の不図示の音響整合層を介して反応容器70の外側面73に取り付けられる。表面弾性波素子75は、振動子753として櫛型電極(IDT)を使用するので、構造が簡単で小型な構成とすることができる。なお、振動子753は、櫛型電極(IDT)に代えてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を使用してもよい。
【0040】
洗浄機構35は、廃液排出部352、洗浄液吸引吐出部353および吸引乾燥部354を含む洗浄乾燥機構351と、加熱乾燥機構355とを備える。
【0041】
廃液排出部352は、廃液吸引ノズルを備え、廃液を貯留するタンクや吸引ポンプと接続されている。この廃液吸引ノズルは、廃液排出位置上方に設けられ、制御部4の制御のもと、その駆動機構によって廃液排出位置の反応容器70の内部に対して昇降動作を行い、反応容器70内の反応液(廃液)を吸引して排出する。
【0042】
洗浄液吸引吐出部353は、反応容器70内に洗浄液を供給するための洗浄液吐出ノズルと、この洗浄液吐出ノズルによって反応容器70内に供給された洗浄液を排出するための洗浄液吸引ノズルとを組み合わせた洗浄ノズルを備える。洗浄液吐出ノズルは、例えば純水等の洗浄液を貯留したタンクやポンプと接続されている。また、洗浄液吸引ノズルは、洗浄廃液を貯留するタンクやポンプと接続されている。本実施の形態では、洗浄液吸引吐出部353は、3組の洗浄ノズルを備えており、それぞれ第1,第2,第3の各洗浄位置上方に設けられる。各洗浄位置は、洗浄液供給位置および洗浄液排出位置に相当する位置である。各洗浄ノズルは、制御部4の制御のもと、その駆動機構によって洗浄位置の反応容器70の内部に対して昇降動作を行い、洗浄液吐出ノズルによってこの反応容器70内に洗浄液を吐出して供給するとともに、洗浄液吸引ノズルによって反応容器70内の洗浄液を吸引して排出する。
【0043】
吸引乾燥部354は、吸引乾燥ノズルを備え、廃液を貯留するタンクや吸引ポンプと接続されている。この吸引乾燥ノズルは、吸引乾燥位置上方に設けられ、制御部4の制御のもと、その駆動機構によって吸引乾燥位置の反応容器70の内部に対して昇降動作を行い、この反応容器70内に残存する洗浄液を吸引する。
【0044】
加熱乾燥機構355は、吸引乾燥位置近傍の反応テーブル29の外周側に配設された送電体358および配置決定部材359と、これらの各部を制御する乾燥制御部356と、反応容器70の外側面73に取り付けられた表面弾性波素子75とで構成される。吸引乾燥位置の反応容器70は、その外側面73の表面弾性波素子75が反応テーブル29の外部に露出するようになっており、送電体358は、吸引乾燥位置に搬送された反応容器70の外側面73と対向配置される。送電体358および配置決定部材359は、図4を参照して説明した攪拌機構33を構成する送電体331および配置決定部材333と同様に構成されるものであり、乾燥制御部356の制御のもと、反応テーブル29が停止したとき、配置決定部材359が送電体358と吸引乾燥位置に搬送された反応容器70の表面弾性波素子75の電気端子755との相対位置を調整し、送電体358が電気端子755に電力を送電する。そして、表面弾性波素子75の振動子753が送電体358によって送電された電力を超音波に変換し、超音波振動を発生させる。
【0045】
乾燥制御部356は、送電体358による電力の送電を制御して表面弾性波素子75の振動子753を駆動し、振動子753が発する超音波の特性(周波数や強度等)や、変調(周波数変調や振幅変調等)を制御する。このとき、印加した電力の一部が振動子753によって反射される反射現象が発生するが、例えば送電体358と電気端子755の接触不良や表面弾性波素子75が反応容器70から剥離している場合等の異常時には、反射波の変化量が著しく大きくなる。乾燥制御部356は、この反射波を検出して異常を検知する。また、乾燥制御部356は、送電体358から電気端子755への電力の送電時における反応容器70周辺の温度を監視する温度監視部357を含む。温度監視部357は、乾燥制御部356によって検出される反射波や送電を開始してからの経過時間、送電体358による送電電力量の各値をもとに反応容器70に実際に送電された電力量を算定し、反応容器70の周辺温度を推定する。そして、所定の上限温度を超えた場合には、異常温度として制御部4に出力する。
【0046】
以上のようにして加熱乾燥機構355は、表面弾性波素子75の振動子753によって発生させた超音波振動およびこの超音波振動の発生に伴う発熱を利用して、この反応容器70内の乾燥を促進する。
【0047】
この洗浄機構35は、分析光学系31による測定が終了して廃液排出位置、洗浄位置および吸引乾燥位置に順次搬送される反応容器70を洗浄・乾燥する。図6は、洗浄機構35による洗浄・乾燥対象の反応容器70の反応テーブル29上の搬送経路を示す図である。洗浄機構35によって洗浄される反応容器70は、図6に示すように、先ず、廃液排出位置P11に搬送される。廃液排出位置P11では、廃液排出部352の廃液吸引ノズルが反応容器70内の反応液を吸引する。この反応容器70は、反応テーブル29の回転によって1周して隣接する第1の洗浄位置P12に搬送され、同様にして順次第2の洗浄位置P13および第3の洗浄位置P14に搬送される。各洗浄位置P12〜P14では、洗浄液吸引吐出部353の洗浄ノズルが対応する洗浄位置の反応容器70内に洗浄液を吐出して吸引する。そして、反応容器70は、吸引乾燥位置P15に搬送される。この吸引乾燥位置P15では、吸引乾燥部354の吸引乾燥ノズルが反応容器70内を吸引乾燥しつつ、同時に吸引乾燥位置P15近傍の送電体358および配置決定部材359とこの反応容器70に取り付けられた表面弾性波素子75とを含む加熱乾燥機構355が反応容器70内を加熱乾燥する。このようにして洗浄機構35によって洗浄された反応容器70は、反応テーブル29の三周期分の回転によって3/4周し、第1試薬分注位置P16に搬送され、分析工程に移る。
【0048】
また、自動分析装置1は、図1に示すように、装置を構成する各部を制御し、各部への動作タイミングの指示やデータの転送等を行って装置全体の動作を統括的に制御する制御部4を備える。制御部4は、分析結果の他、自動分析装置1の動作に必要な各種データを保持するメモリを内蔵したマイクロコンピュータ等で構成され、図1では便宜上装置外に示しているが、装置内の適所に収められるものである。この制御部4は、分析部41と接続されており、分析光学系31による測定結果が適宜出力されるようになっている。分析部41は、分析光学系31による測定結果に基づいて検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部4に出力する。また、制御部4は、検体数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部43や、分析結果の出力や警告表示等するためのディスプレイやプリンタ等の出力装置で構成される出力部45と接続されている。
【0049】
上記構成の自動分析装置1では、順次搬送される複数の反応容器70に対して、試薬分注機構27が試薬容器60中の試薬(第1試薬)を分注し、検体分注機構23が検体容器50中の検体を分注する。また、必要に応じて試薬分注機構27が試薬容器60中の試薬(第2試薬)を分注する。続いて、攪拌機構33が反応容器70内の試薬と検体とを攪拌して反応させる。具体的には、攪拌機構33において、反応テーブル29の停止時に送電体331が接触子を介して表面弾性波素子75の電気端子755に電力を送電する。これによって、表面弾性波素子75の振動子753が駆動され、超音波を誘起する。この誘起された超音波が反応容器70の外側面73内へと伝搬し、さらに液体試料中へと伝搬してゆく。この結果、反応容器70内に分注された試薬と検体とが攪拌される。続いて、分析光学系31が、反応させた状態の試料の分光強度測定を行い、分析部41が測定結果を分析し、検体の成分分析等を自動的に行う。また、洗浄機構35が分析光学系31による測定が終了した反応容器70の洗浄・乾燥を行い、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0050】
次に、洗浄機構35による反応容器70の洗浄手順について説明する。図7は、洗浄機構35の各部の動作フローを示す図である。また、図8は、洗浄機構35の洗浄動作を説明する説明図である。
【0051】
図7に示すように、制御部4は、廃液排出部352の動作制御を行い、廃液吸引ノズルを廃液排出位置P11の反応容器70の内部に下降させるとともに、その吸引を制御する(ステップS11)。これにより、廃液吸引ノズルは、廃液排出位置P11の反応容器70内に保持されている反応液を吸引する。廃液排出位置P11で反応液が吸引された反応容器70は、反応テーブル29上を周回して第1の洗浄位置P12、第2の洗浄位置P13および第3の洗浄位置P14に順次搬送され、各洗浄位置においてステップS13の制御によって内部が洗浄される。
【0052】
すなわち、制御部4は、洗浄液吸引吐出部353の動作制御を行い、洗浄ノズルを洗浄位置の反応容器70の内部に下降させるとともに、その洗浄液の吐出および吸引を制御する(ステップS13)。例えば、図8(a)に示すように、第3の洗浄位置P14の洗浄ノズル353cを構成する洗浄液吐出ノズル353aによって反応容器70内に洗浄液が吐出され、図8(b)に示すように、洗浄液吸引ノズル353bによって反応容器70内の洗浄液が吸引される。各洗浄位置で洗浄された反応容器70は、反応テーブル29上を周回して吸引乾燥位置P15に搬送され、反応テーブル29の停止時にステップS15の制御によって内部が乾燥される。
【0053】
すなわち、制御部4は、図7に示すように、吸引乾燥部354の動作制御を行い、吸引乾燥ノズルを吸引乾燥位置の反応容器70の内部に下降させるとともに、その吸引制御を開始する(ステップS15)。
【0054】
そして、制御部4の制御のもと、乾燥制御部356が、加熱乾燥機構355の動作制御を行い、温度監視部357による温度監視を開始させるとともに(ステップS17)、表面弾性波素子75の振動子753の駆動を開始させる(ステップS19)。振動子753の駆動によって誘起された超音波は、反応容器70の外側面73内へと伝搬して超音波振動を発生させる。この超音波振動の発生に伴う発熱によって反応容器70内に残存する洗浄液を蒸発させることができ、反応容器70内の乾燥が促進される。また、超音波振動の発生によって吸引乾燥ノズルによる吸引乾燥も促進される。すなわち、発生した超音波振動によって反応容器70自体も振動する。この振動によって反応容器70内に残存する洗浄液が弾かれるため残液の吸引がし易くなり、効率的な吸引が実現できる。またこのとき、後述するように吸引乾燥ノズル354aの吸引力によって反応容器70内に空気流が生じるため、残液の吸引がより一層効率的に行える。
【0055】
また、乾燥制御部356は、温度監視部357によって監視される反応容器70の周辺温度が上限温度を超えた場合には(ステップS21:Yes)、送電体358による電力の送電を停止させて振動子753の駆動を停止する(ステップS23)。ここで振動子753の駆動を停止した場合には、ステップS29に移行する。なお、上限温度の値は、適宜の値を設定できる。また、乾燥制御部356が、温度監視部357が監視している反応容器70の周辺温度をもとに送電体358の送電電力量を制御して振動子753の動作状態を制御し、上限温度を超過しないように発熱量を調整するようにしてもよい。より具体的には、乾燥制御部356は、周波数を変調させることで超音波の変換効率を変化させ、音響エネルギーと熱エネルギーの配分を調整して発熱量を調整する。
【0056】
そして、乾燥制御部356は、所定の加熱乾燥時間が経過したならば、加熱乾燥を終了すると判定し(ステップS25:Yes)、振動子753の駆動を停止する(ステップS27)。加熱時間には、反応容器70内に残存する洗浄液を十分に蒸発・乾燥可能な時間が予め設定される。そして、制御部4が、吸引乾燥ノズルの吸引制御を停止する(ステップS29)。
【0057】
これにより、図8(c)に示すように、吸引乾燥ノズル354aによって反応容器70内に残存する洗浄液が吸引されて反応容器70内が吸引乾燥され、同時に表面弾性波素子75の振動子753が駆動され、この結果発生した超音波振動およびこの超音波振動の発生に伴う発熱によって反応容器70内が加熱乾燥される。なお、吸引乾燥ノズル354aは、先端部分に角柱状の部材が配置されており、吸引乾燥ノズル354aの吸引力によって反応容器70内に空気流を作り、内壁に残存する洗浄液が吸引され易いように構成されている。
【0058】
ここで、吸引乾燥位置における反応容器内の乾燥にかかる部分について、従来と比較して説明する。図9は、従来の洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。従来の洗浄機構は、廃液排出位置で反応容器内の反応液を吸引する廃液吸引ノズルと、第1〜第3の各洗浄位置で反応容器内に洗浄液を吸引して吐出する3組の洗浄ノズルと、第1の吸引乾燥位置および第2の吸引乾燥位置で反応容器内を吸引乾燥する2組の吸引乾燥ノズルとを備えて構成され、本実施の形態の洗浄機構と同様に、先ず廃液排出位置で反応容器70b内の反応液が廃液吸引ノズルによって吸引される。
【0059】
続いて反応容器は、反応テーブル上を周回して第1の洗浄位置、第2の洗浄位置および第3の洗浄位置に順次搬送され、各洗浄位置で洗浄ノズルによって洗浄される。例えば、図9(a)に示すように、第3の洗浄位置の洗浄ノズル81cを構成する洗浄液吐出ノズル81aによって反応容器70b内に洗浄液が吐出され、図9(b)に示すように、洗浄液吸引ノズル81bによって反応容器70b内の洗浄液が吸引される。
【0060】
続いて反応容器70bは、図9(c)に示すように、反応テーブル上を周回して第1の吸引乾燥位置に搬送され、吸引乾燥ノズル83によって反応容器70b内が吸引乾燥される。同様にして反応容器70bは、図9(d)に示すように、反応テーブル上を周回して第2の吸引乾燥位置に搬送され、吸引乾燥ノズル85によって反応容器70b内が吸引乾燥される。さらに反応容器70bは、図9(e)に示すように、自然乾燥のために反応テーブル上を1周した後、3/4周して第1試薬分注位置に搬送され、新たな分析工程に移る。第1試薬分注位置では、図9(f)に示すように、試薬分注機構のプローブ87によって反応容器70b内に第1試薬が吐出される。
【0061】
このように従来では、反応容器70b内を十分に乾燥するため、反応テーブル上を周回して第1および第2の吸引乾燥位置に順次搬送され、2箇所で吸引乾燥された後、さらに、自然乾燥のために反応テーブル上を1周する。このため、反応容器70bの乾燥に要する時間が長くなり、結果として洗浄を完了するまでの時間が長くなる。一方で、反応容器70b内の乾燥が十分に行われないと、その残液が分析精度に影響を与える。特に近年では、1回の分析に用いる検体の微量化が進んでおり、反応容器70b内の残液の低減が求められている。このため、2回の吸引乾燥と1回の自然乾燥で反応容器70b内の乾燥が不十分の場合には、自然乾燥の回数(吸引乾燥位置から第1試薬分注位置へ移送されるまでの周回数)を増やす等の対策が必要であった。しかしながら、自然乾燥の回数を増やしてしまうと、反応テーブル上で反応容器70bを空の状態で周回させることになり、洗浄に要する時間が長くなるだけでなく、洗浄が完了するまでの間この反応容器70bを検体分析に使用することができず、反応容器70bの使用効率が低下してしまう。また、自然乾燥の回数を増やせば、反応テーブル上を空の状態で周回する反応容器70bの数が増大するため、その分反応テーブル上の反応容器70bの載置数を増やさなければならず、装置が大型化してしまう。
【0062】
一方、本実施の形態の洗浄機構35では、図8(c)に示して説明したように、1箇所の吸引乾燥位置にて、反応容器70内を吸引乾燥しつつ同時に加熱乾燥を行う。そして、吸引乾燥位置での吸引乾燥および加熱乾燥を終えた反応容器70(図8(d))は、反応テーブル29上を3/4周して第1試薬分注位置に搬送され、次回の検体分析に使用される。この第1試薬分注位置では、図8(e)に示すように、試薬分注機構27−1のプローブ273によって反応容器70内に第1試薬が吐出される。
【0063】
このように、本実施の形態によれば、吸引乾燥位置での加熱乾燥によって乾燥を促進し、反応容器70内を短時間で確実に乾燥させることができる。またこの結果、従来2箇所で行っていた吸引乾燥を1箇所で行えばよい。これによれば、洗浄に要する時間が短縮できるだけでなく、洗浄機構35が具備する吸引乾燥ノズルが1本でよいため、装置コストを削減できる。また、自然乾燥のために反応テーブル29上で反応容器70を周回させる必要がなく、反応容器70をすぐに次回の分析工程で使用することができる。このため、反応容器70の使用効率を向上させることができ、装置の小型化が実現できる。具体的には、本実施の形態のように反応テーブル29が4周期で1反応容器分回転する場合であれば、吸引乾燥を1回にしたことによって3個の反応容器70を削減でき、さらに自然乾燥を行わない構成としたことで合計7個の反応容器70を削減することができる。
【0064】
なお、上記した実施の形態では、吸引乾燥位置で吸引乾燥と加熱乾燥とを同時に行う場合について説明したが、反応容器内の加熱乾燥を、吸引乾燥位置から反応テーブル29上を3/4周して第1試薬分注位置に搬送されるまでの搬送経路上のいずれかの停止位置で、第1試薬が分注されるまでの間に行う構成としてもよい。具体的には、反応容器が第3の洗浄位置から1/4周した位置、2/4周した位置および3/4周した位置(第1試薬分注位置)のいずれかの位置で反応容器内を加熱乾燥することとしてもよい。
【0065】
例えば、加熱位置を第1試薬分注位置として、第1試薬の分注直前に反応容器内を加熱乾燥することとしてもよい。この場合には、反応テーブルの停止によって反応容器が第1試薬分注位置で停止している時間内で、先ず加熱乾燥が行われ、続いて第1試薬の分注が行われる。図10は、本変形例にかかる洗浄機構による洗浄・乾燥対象の反応容器70の反応テーブル29上の搬送経路を示す図である。また、図11は、本変形例にかかる洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。なお、上記した実施の形態と同様の部分については、同一の符号を付する。
【0066】
本変形例にかかる洗浄機構によって洗浄される反応容器70は、図10に示すように、先ず、廃液排出位置P21に搬送され、廃液吸引ノズルによって反応容器70内の反応液が吸引される。この反応容器70は、反応テーブル29の回転によって第1の洗浄位置P22,第2の洗浄位置P23,第3の洗浄位置P24に順次搬送され、洗浄ノズルによって対応する洗浄位置の反応容器70内が洗浄液で洗浄される。例えば、図11(a)に示すように、第3の洗浄位置の洗浄ノズル353cを構成する洗浄液吐出ノズル353aによって反応容器70内に洗浄液が吐出され、図11(b)に示すように、洗浄液吸引ノズル353bによって反応容器70内の洗浄液が吸引される。
【0067】
続いて、反応容器70は、図10に示すように吸引乾燥位置P25に搬送され、図11(c)に示すように吸引乾燥ノズル354aによって反応容器70内が吸引乾燥される。そして、反応容器70は、図10に示すように、反応テーブル29上を3/4周して第1試薬分注位置P26に搬送される。本変形例では、この第1試薬分注位置P26近傍に送電体358bおよび配置決定部材359b等が配置され、第1試薬分注位置P26の反応容器70に取り付けられた表面弾性波素子75とともに加熱乾燥機構355bを構成する。そして、送電体358bによる電力の送電によって反応容器70に取り付けられた表面弾性波素子75の振動子が駆動され、発生した超音波振動およびこの超音波振動の発生に伴う発熱によって反応容器70内が加熱乾燥される(図11(d))。このように第1試薬分注位置P26で加熱乾燥された反応容器70(図11(e))は、次回の検体分析に使用される。すなわち、第1試薬分注位置P26において、試薬分注機構のプローブ273によって反応容器70内に第1試薬が分注される(図11(f))。本変形例によれば、上記した実施形態と同様に吸引乾燥を1箇所で行えばよく、洗浄に要する時間が短縮でき、装置コストも削減できる。また、自然乾燥のために反応テーブル29上で反応容器70を周回させる必要がなく、反応容器70をすぐに次回の分析工程で使用することができるので、反応容器70の使用効率を向上させることができ、装置の小型化が実現できる。
【0068】
また、洗浄ノズルによる洗浄時に反応容器内を加熱乾燥することとしてもよい。具体的には、第3の洗浄位置近傍に送電体や配置決定部材等を配置し、この第3の洗浄位置において、反応容器内の洗浄液の吸引を行いつつ同時に表面弾性波素子がこの反応容器内を加熱乾燥することとしてもよい。
【0069】
図12は、本変形例にかかる洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。なお、上記した実施の形態と同様の部分については、同一の符号を付する。本変形例にかかる洗浄機構によって洗浄される反応容器70は、第3の洗浄位置の洗浄ノズル353cを構成する洗浄液吐出ノズル353aによって反応容器70内に洗浄液が吐出された後(図12(a))、洗浄液吸引ノズル353bによって反応容器70内の洗浄液の吸引が行われ、同時に表面弾性波素子75の振動子が駆動されて、発生した超音波振動およびこの超音波振動の発生に伴う発熱によって反応容器70内が加熱乾燥される(図12(b))。そして、この加熱乾燥された反応容器70(図12(c))は、反応テーブル上を3/4周して第1試薬分注位置に搬送され、次回の検体分析に使用される。この第1試薬分注位置では、試薬分注機構のプローブ273によって反応容器70内に第1試薬が吐出される(図12(d))。
【0070】
本変形例では、上記した実施形態と異なり、吸引乾燥ノズルによる吸引乾燥を行わない。このため、本変形例では、上記した実施の形態よりも発熱量が高くなるように送電体による電力の送電を制御し、振動子を駆動することで、反応容器70内を十分乾燥する。本変形例によれば、吸引乾燥を行う必要がなく、洗浄に要する時間がさらに短縮でき、装置コストも削減できる。そして、自然乾燥のために反応テーブル上で反応容器70を周回させる必要がなく、反応容器70をすぐに次回の分析工程で使用することができるので、反応容器70の使用効率を向上させることができ、装置の小型化が実現できる。
【0071】
またこのように吸引乾燥ノズルを具備しない構成とした場合の加熱乾燥は、洗浄液の吸引と同時に行う場合に限定されるものではなく、反応容器内の加熱乾燥を、第3の洗浄位置から反応テーブル上を3/4周して第1試薬分注位置に搬送されるまでの搬送経路上のいずれかの停止位置で、第1試薬が分注されるまでの間に行う構成としてもよい。例えば、加熱位置を第1試薬分注位置として、第1試薬の分注直前に反応容器内を加熱乾燥することとしてもよい。
【0072】
図13は、本変形例にかかる洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。なお、上記した実施の形態と同様の部分については、同一の符号を付する。本変形例にかかる洗浄機構によって洗浄される反応容器70は、第3の洗浄位置の洗浄ノズル353cを構成する洗浄液吐出ノズル353aによって反応容器70内に洗浄液が吐出された後(図13(a))、洗浄液吸引ノズル353bによって反応容器70内の洗浄液が吸引される(図13(b))。この反応容器70は、反応テーブル上を3/4周して第1試薬分注位置に搬送される。本変形例では、この第1試薬分注位置近傍に送電体および配置決定部材が配置され、第1試薬分注位置の反応容器70に取り付けられた表面弾性波素子75とともに加熱乾燥機構を構成する。そして、送電体による電力の送電によって反応容器70に取り付けられた表面弾性波素子75の振動子が駆動され、発生した超音波振動およびこの超音波振動の発生に伴う発熱によって反応容器70内が加熱乾燥される(図13(c))。このように第1試薬分注位置で加熱乾燥された反応容器70(図13(d))は、次回の検体分析に使用される。すなわち、第1試薬分注位置において、試薬分注機構のプローブ273によって反応容器70内に第1試薬が分注される(図13(e))。
【0073】
また、上記した実施の形態では、超音波振動の発生およびこの発生に伴う発熱によって反応容器内を乾燥する場合について説明したが、反応容器の外側に給電によって発熱する発熱体を配置し、この発熱体によって反応容器内を加熱乾燥する構成としてもよい。この場合の発熱体の配置場所は、特に限定されず、側面側から加熱することとしてもよいし、底面側から加熱してもよい。
【0074】
また、表面弾性波素子を反応容器の外側面に取り付けることとして説明したが、底面や反応テーブルの内周側の側面等、他の側面に取り付けることとしてもよい。また、反応テーブルの外周側に設けた送電体と、反応容器に取り付けた表面弾性波素子の電気端子とをブラシ状の接触子によって接触させ、表面弾性波素子の振動子を駆動する構成について説明したが、外部から電気的な接触によって振動子に電力を供給するものであればよく、結合の仕方は限定されない。例えば、切替スイッチ、電波や電磁波等を使用した電気的な結合を利用して振動子に電力を供給することとしてもよい。
【0075】
また、振動子を備えた表面弾性波素子を反応容器に取り付けることとしたが、反応容器の外部に配置する構成も可能である。例えば、吸引乾燥位置に搬送された反応容器の下側となる位置に超音波振動子を配置し、この超音波振動子から超音波ビームを発生させて反応容器内の乾燥を促進する構成としてもよい。
【0076】
また、上記した実施の形態では、反応容器70内に洗浄液を吐出して吸引する洗浄ノズルを3組備えた場合を例にとって説明したが、1組または2組、あるいは4組以上の洗浄ノズルを備えた構成であっても構わない。
【0077】
また、上記した実施の形態では、洗浄後の反応容器70は、第1試薬分注位置に搬送されて分析工程に移り、最初に第1試薬が分注されることとして説明したが、洗浄後の反応容器が検体分注位置に搬送されて分析工程に移り、最初に検体が分注される場合にも同様に適用できる。また、この場合に、加熱位置を検体分注位置とすることとしてもよい。すなわち、検体分注位置の近傍に送電体や配置決定部材等を配置し、反応テーブルの停止によって反応容器が検体分注位置で停止している時間内で、先ず加熱乾燥を行い、続いて検体の分注を行うように構成してもよい。
【0078】
また、上記した各実施の形態では、自動分析装置1に具備される試薬テーブルが2つの場合について説明したが、試薬テーブルは1つであってもよい。また、この場合に、加熱位置を試薬分注位置または検体分注位置のうちの先に分注が行われるいずれか一方の位置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】自動分析装置の内部構成の一例を示す概略斜視図である。
【図2】自動分析装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】反応テーブル上に載置される反応容器の構成を示す図である。
【図4】送電体が反応容器の表面弾性波素子に当接した状態を示す図である。
【図5】反応容器の外側面を表面弾性波素子とともに示す側面図である。
【図6】洗浄・乾燥対象の反応容器の反応テーブル上の搬送経路を示す図である。
【図7】洗浄機構の各部の動作フローを示す図である。
【図8】洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。
【図9】従来の洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。
【図10】一の変形例にかかる洗浄・乾燥対象の反応容器の反応テーブル上の搬送経路を示す図である。
【図11】一の変形例にかかる洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。
【図12】他の変形例にかかる洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。
【図13】他の変形例にかかる洗浄機構の洗浄動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1 自動分析装置
21 検体容器移送機構
23 検体分注機構
25 試薬テーブル
27 試薬分注機構
29 反応テーブル
31 分析光学系
33 攪拌機構
331 送電体
333 配置決定部材
35 洗浄機構
351 洗浄乾燥機構
352 廃液排出部
353 洗浄液吸引吐出部
354 吸引乾燥部
355 加熱乾燥機構
356 乾燥制御部
357 温度監視部
358 送電体
359 配置決定部材
4 制御部
41 分析部
43 入力部
45 出力部
50 検体容器
51 検体ラック
60 試薬容器
70 反応容器
75 表面弾性波素子
753 振動子
755 電気端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄機構であって、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段と、
前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥する吸引乾燥手段と、
前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段と、
を備えることを特徴とする洗浄機構。
【請求項2】
前記加熱手段は、前記吸引乾燥手段による吸引乾燥と同時に加熱を行うことを特徴とする請求項1に記載の洗浄機構。
【請求項3】
液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄機構であって、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段と、
前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段と、
を備えることを特徴とする洗浄機構。
【請求項4】
前記加熱手段は、前記洗浄液排出手段による洗浄液の排出と同時に加熱を行うことを特徴とする請求項3に記載の洗浄機構。
【請求項5】
前記加熱手段は、超音波振動を発生させて前記容器を加熱することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の洗浄機構。
【請求項6】
前記加熱手段は、前記容器外部に配置されて電力を送電する送電手段と、前記容器の外側面に配置されて前記送電手段から送電される電力を受電し、該受電した電力を変換して超音波振動を発生させる超音波振動発生手段とで構成されることを特徴とする請求項5に記載の洗浄機構。
【請求項7】
前記加熱手段による加熱時における前記容器周辺の温度を監視し、所定の上限温度を超えたか否かを判定する温度監視手段を備え、前記温度監視手段によって前記所定の上限温度を超えたと判定された場合に、前記加熱手段による加熱を停止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の洗浄機構。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載の洗浄機構を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
前記容器内に試薬を分注する試薬分注機構と、
前記容器内に検体を分注する検体分注機構と、
前記容器内に分注された試薬と検体とを反応させ、反応状況を測定する測定機構と、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段、前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段、前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥する吸引乾燥手段および前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段を有し、前記容器内部を洗浄する洗浄機構と、
前記容器を、前記試薬分注機構による試薬分注位置、前記検体分注機構による検体分注位置、前記測定機構による測定位置、前記洗浄液供給手段による洗浄液供給位置、前記洗浄液排出手段による洗浄液排出位置および前記吸引乾燥手段による吸引乾燥位置を含む搬送経路上の各位置に搬送する容器搬送機構と、
を備え、
前記加熱手段は、前記吸引乾燥手段によって吸引乾燥された前記容器が、前記吸引乾燥位置から前記試薬分注位置または前記検体分注位置のうちの先に分注が行われるいずれか一方の位置に前記容器搬送機構によって搬送されるまでの搬送経路上の所定の加熱位置で加熱を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
前記容器内に試薬を分注する試薬分注機構と、
前記容器内に検体を分注する検体分注機構と、
前記容器内に分注された試薬と検体とを反応させ、反応状況を測定する測定機構と、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給手段、前記洗浄液供給手段によって前記容器内に供給された洗浄液を、前記容器外部に排出する洗浄液排出手段および前記容器外側に設けられて前記容器を加熱する加熱手段を有し、前記容器内部を洗浄する洗浄機構と、
前記容器を、前記試薬分注機構による試薬分注位置、前記検体分注機構による検体分注位置、前記測定機構による測定位置、前記洗浄液供給手段による洗浄液供給位置および前記洗浄液排出手段による洗浄液排出位置を含む搬送経路上の各位置に搬送する容器搬送機構と、
を備え、
前記加熱手段は、前記洗浄液排出手段によって洗浄液が排出された前記容器が、前記洗浄液排出位置から前記試薬分注位置または前記検体分注位置のうちの先に分注が行われるいずれか一方の位置に前記容器搬送機構によって搬送されるまでの搬送経路上の所定の加熱位置で加熱を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
前記加熱位置は、前記先に分注が行われる前記試薬分注位置または前記検体分注位置であり、
前記加熱手段は、前記試薬分注位置または前記検体分注位置で前記容器内に試薬または検体が分注される直前に加熱を行うことを特徴とする請求項9または10に記載の自動分析装置。
【請求項12】
前記加熱手段は、超音波振動を発生させて前記容器を加熱することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項13】
前記加熱手段は、前記容器外部に配置されて電力を送電する送電手段と、前記容器の外側面に配置されて前記送電手段から送電される電力を受電し、該受電した電力を変換して超音波振動を発生させる超音波振動発生手段とで構成されることを特徴とする請求項12に記載の自動分析装置。
【請求項14】
前記容器の外側面に配置された前記超音波振動発生手段に電力を送電する送電手段を有し、前記容器搬送機構による前記容器の搬送経路上の所定の攪拌位置で前記容器内部の液体を攪拌する攪拌機構を備えることを特徴とする請求項13に記載の自動分析装置。
【請求項15】
前記洗浄機構は、
前記加熱手段による加熱時における前記容器周辺の温度を監視し、所定の上限温度を超えたか否かを判定する温度監視手段を備え、前記温度監視手段によって前記所定の上限温度を超えたと判定された場合に、前記加熱手段による加熱を停止することを特徴とする請求項9〜14のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項16】
液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、
前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出する洗浄液排出ステップと、
前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥しつつ、同時に前記容器外側から前記容器を加熱する乾燥ステップと、
を含むことを特徴とする洗浄方法。
【請求項17】
液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、
前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出する洗浄液排出ステップと、
前記容器内に残存する洗浄液を吸引して前記容器内を吸引乾燥する吸引乾燥ステップと、
前記容器外側から前記容器を加熱する加熱ステップと、
を含むことを特徴とする洗浄方法。
【請求項18】
前記加熱ステップは、前記容器内を吸引乾燥した後、前記容器内に新たに液体が分注されるまでの間に加熱を行うことを特徴とする請求項17に記載の洗浄方法。
【請求項19】
液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、
前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出しつつ、同時に前記容器外側から前記容器を加熱する洗浄液排出乾燥ステップと、
を含むことを特徴とする洗浄方法。
【請求項20】
液体が分注される容器内部を洗浄する洗浄方法であって、
前記容器内に洗浄液を供給する洗浄液供給ステップと、
前記容器内に供給された洗浄液を前記容器外部に排出する洗浄液排出ステップと、
前記容器外側から前記容器を加熱する加熱ステップと、
を含むことを特徴とする洗浄方法。
【請求項21】
前記加熱ステップは、前記容器内の洗浄液を前記容器外部に排出した後、前記容器内に新たに液体が分注されるまでの間に加熱を行うことを特徴とする請求項20に記載の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−74872(P2009−74872A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243069(P2007−243069)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】