洗浄装置
【課題】洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を速やかに貯液タンクに戻して洗浄液の漏れを抑制することができる。
【解決手段】開口部Ｋが閉口して循環用ポンプ６の吸引圧により内部空間Ｒが負圧状態になったとき貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間に供給すると共に内部空間内の洗浄液を排液管５を経て貯液タンク内に戻し、開口部が開口して内部空間の圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき給液管から内部空間への洗浄液の供給を停止すると共に内部空間内の洗浄液を排液管を経て貯液タンク内に戻す液給排機構７を設けてなる。
【解決手段】開口部Ｋが閉口して循環用ポンプ６の吸引圧により内部空間Ｒが負圧状態になったとき貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間に供給すると共に内部空間内の洗浄液を排液管５を経て貯液タンク内に戻し、開口部が開口して内部空間の圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき給液管から内部空間への洗浄液の供給を停止すると共に内部空間内の洗浄液を排液管を経て貯液タンク内に戻す液給排機構７を設けてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は例えば顔や身体、床材や壁材の表面洗浄に用いられる洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の洗浄装置として、開口部及び内部空間をもつ洗浄ポットと、該洗浄液を収容する貯液タンクと、該貯液タンクと洗浄ポットの内部空間とを接続する給液管と、該貯液タンク内の洗浄液を洗浄ポットの内部空間に供給するポンプと、該洗浄ポットの内部空間に接続された排液管とを備えてなる構造のものが知られている。
【特許文献１】実開昭６１−６５９３８号公報
【特許文献２】特開２００６−２９６６７９
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら上記従来構造の場合、上記洗浄ポットの内部空間内への洗浄液の供給及び内部空間からの洗浄液の排出については、上記ポンプの入切により行う構造となっており、このため、使用の利便性が低下しているという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項１記載の発明は、開口部及び内部空間をもつ洗浄ポットと、該洗浄液を収容する貯液タンクと、該貯液タンクと該洗浄ポットの内部空間とを接続する給液管と、該洗浄ポットの内部空間に接続された排液管とを備えてなり、上記洗浄ポットに内部空間内の洗浄液に音波振動又は超音波振動を付与する振動子を設け、上記洗浄ポットの内部空間に接続された排液管を該貯液タンクに接続し、該排液管の管路に該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す循環用ポンプを設け、該開口部が閉口して該循環用ポンプの吸引圧により該内部空間が負圧状態になったとき該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻し、該開口部が開口して該内部空間の圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給を停止すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す液給排機構を設けてなることを特徴とする洗浄装置にある。
【０００５】
又、請求項２記載の発明は、上記液給排機構として、上記給液管の管路に上記内部空間が常圧に近い負圧状態又は常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間が負圧状態のとき該負圧により開口する逆止弁を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項３記載の発明は、上記液給排機構として、上記排液管の管路に上記内部空間内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサを設け、上記給液管の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサが負圧を検出したとき開口する開閉弁を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項４記載の発明は、上記液給排機構として、上記給液管の通過流量Ｑ1と上記排液管の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間が常圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が停止し、該内部空間が負圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が開始される構造にしてなることを特徴とするものである。
【０００６】
又、請求項５記載の発明は、上記内部空間と上記循環用ポンプとの間の管路に上記洗浄液を急速貯留可能な一次備蓄ユニットを設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項６記載の発明は、上記循環用ポンプの流量を可変とし、通常の負圧時の洗浄状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させることを特徴とするものであり、又、請求項７記載の発明は、上記洗浄ポットの内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項８記載の発明は、上記洗浄ポットと上記貯液タンクとの間の管路にフィルタを設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項９記載の発明は、上記排液管の上記フィルタの前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサを設け、該前後の目詰検出用圧力センサ間の圧力差が大きいときフィルタの交換時期を表示するフィルタ交換表示部を備えてなることを特徴とするものである。
【０００７】
又、請求項１０記載の発明は、上記洗浄液を加熱する加熱装置を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項１１記載の発明は、上記洗浄ポットの開口部はメッシュ状の複数個の開口孔からなることを特徴とするものである。
【０００８】
又、請求項１２記載の発明は、上記洗浄液の主成分が水又は水とエタノールとの混合液であることを特徴とするものであり、又、請求項１３記載の発明は、上記洗浄液の主成分がエタノール又はエタノールであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明は上述の如く、請求項１記載の発明にあっては、洗浄ポットを洗浄部位に添わせて移動させ、洗浄ポットの開口部を洗浄部位に接触させることにより開口部は閉口して内部空間は負圧状態となり、液給排機構により貯液タンク内の洗浄液は給液管を経て内部空間に供給されると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、振動子により洗浄液に音波振動や超音波振動が付与され、内部空間を流通する洗浄液の流水作用及び洗浄液の振動により洗浄部位を洗浄することができ、開口部を洗浄部位より離反させると開口部は開口して内部空間は常圧状態となり、液給排機構により貯液タンク内からの内部空間への洗浄液の供給が停止すると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、この洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を速やかに貯液タンクに戻して洗浄液の漏れを抑制することができる。
【００１０】
又、請求項２記載の発明にあっては、上記液給排機構として、上記給液管の管路に上記内部空間が常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間が負圧のときこの負圧により開口する逆止弁を設けているから、内部空間への洗浄液の供給及び内部空間からの洗浄液の排出が良好になされ、液給排機構を簡素な構造とすることができると共に容易に製作することができ、又、請求項３記載の発明にあっては、上記液給排機構として、上記排液管の管路に上記内部空間内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサを設け、上記給液管の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサが負圧を検出したとき開口する開閉弁を設けてなるから、洗浄ポットの開口部を洗浄部位に接触させることにより開口部は閉口して内部空間は負圧状態となり、この負圧を液給排機構の負圧検出用圧力センサが検出して開閉弁が開口し、貯液タンク内の洗浄液は給液管を経て内部空間に供給されると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、洗浄部位を内部空間を流通する洗浄液の流水作用及び振動子による洗浄液の音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部を洗浄部位より離反させると開口部は開口して内部空間は常圧状態となり、液給排機構により貯液タンク内からの内部空間への洗浄液の供給が停止すると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、この洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を漏らすことを抑制して貯液タンクに良好に戻すことができ、又、請求項４記載の発明にあっては、上記液給排機構として、上記給液管の通過流量Ｑ1と上記排液管の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間が常圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が停止し、該内部空間が負圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が開始される構造にしてなるから、洗浄ポットの開口部を洗浄部位に接触させることにより開口部は閉口して内部空間は負圧状態となり、内部空間が負圧になることにより給液管から内部空間への洗浄液の供給が開始され、貯液タンク内の洗浄液は給液管を経て内部空間に供給されると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、洗浄部位を内部空間を流通する洗浄液の流水作用及び振動子による洗浄液の音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部を洗浄部位より離反させると開口部は開口して内部空間は常圧状態となり、内部空間が常圧になると給液管から内部空間への洗浄液の供給が停止すると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、この洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を漏らすことを抑制して良好に戻すことができる。
【００１１】
又、請求項５記載の発明にあっては、上記内部空間と上記循環用ポンプとの間の管路に上記洗浄液を急速貯留可能な一次備蓄ユニットを設けてなるから、内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態になって排液管の管路の圧力が上昇すると、一次備蓄ユニットが作動して内部空間内の洗浄液を急速に貯溜することができ、洗浄液を速やかに排出することができて洗浄液の漏れを抑制することができ、又、請求項６記載の発明にあっては、上記循環用ポンプの流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させるように構成しているから、洗浄液を速やかに排出することができて洗浄液の漏れを抑制することができ、又、請求項７記載の発明にあっては、上記洗浄ポットの内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けてなるから、超音波による液飛散漏れを防止することができ、又、請求項８記載の発明にあっては、上記排液管の上記洗浄ポットと上記貯液タンクとの間の管路にフィルタを設けてなるから、洗浄に使用された洗浄液を浄化することができ、又、請求項９記載の発明にあっては、上記排液管の上記フィルタの前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサを設け、該前後の目詰検出用圧力センサ間の圧力差が大きいときフィルタの交換時期を表示するフィルタ交換表示部を備えてなるから、フィルタの交換時期を知ることができ、洗浄を良好に行うことができる。
【００１２】
又、請求項１０記載の発明にあっては、上記洗浄液を加熱する加熱装置を設けているから、洗浄作用を良好に行うことができ、又、請求項１１記載の発明にあっては、上記洗浄ポットの開口部はメッシュ状の複数個の開口孔からなるので、洗浄液の漏れを防ぐと共に洗浄部位での洗浄ポットの移動を円滑に行うことができる。
【００１３】
又、請求項１２記載の発明にあっては、上記洗浄液の主成分が水又は水とエタノールとの混合液であることを特徴とするものであり、このような混合液は顔や身体の皮膚洗浄に適しているので、皮膚の洗浄を良好に行うことができ、又、請求項１３記載の発明にあっては、上記洗浄液の主成分がメタノール又はエタノールであるから、このような洗浄液は布や合成樹脂などの壁材表面の洗浄に適しているので、壁材表面の洗浄を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
図１乃至図１０は本発明の実施の形態例を示し、図１乃至図４は第一形態例、図５は第二形態例、図６は第三形態例、図７乃至図１０は第四形態例である。
【００１５】
図１乃至図４の第一形態例は顔や身体の皮膚洗浄具に適用したものであり、１は洗浄ポットであり、二個の底部１ａ・１ａ、筒部１ｂ、開口部Ｋ及び内部空間Ｒからなる有底円筒状に形成され、底部１ａ・１ａは金属又は剛性樹脂により製作され、筒部１ｂは金属又は剛性樹脂により製作され、筒部１ｂの頂部１ｄは洗浄部位Ｆの角隅部分に接触し易いように山状に形成され、開口部Ｋとしてメッシュ状の複数個の丸孔や角孔状の開口孔１ｃからなり、開口部Ｋは顔Ｓや身体の皮膚たる洗浄部位Ｆにより閉口可能に設けられ、メッシュ状の複数個の丸孔や角孔状の開口孔１ｃとすることにより、洗浄液Ｗの漏れを防ぐと共に洗浄部位Ｆでの洗浄ポット１の移動を円滑に行うようにしている。
【００１６】
２は振動子であって、上記洗浄ポット１に設けられ、図示省略の振動制御部の発振回路により内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗに音波振動又は超音波振動を付与する構造となっている。例えば、上記振動制御部内の発振回路により２５ＫＨｚ〜１００ＫＨｚの振動数が選択して設定され、この場合、４０ＫＨｚの振動数が用いられている。尚、２００Ｈｚ程度の周波数に設定することによりマッサージ効果を得ることができ、また、２００Ｈｚ程度の周波数に２５ＫＨｚ〜１００ＫＨｚの周波数を重合し、洗浄及びマッサージ効果を併有する構造とすることもある。尚、上記図示省略の振動制御部に上記洗浄ポット１の内部空間Ｒが常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子２による音波振動又は超音波振動を停止する回路を設けている。これは、非洗浄時には振動子２の振動を停止させることにより超音波による液飛散漏れを防止するためである。
【００１７】
３は貯液タンクであって、この場合、貯液タンク３内に主成分が水又は水とエタノールとの混合液からなる洗浄液Ｗを収容している。この貯液タンク３として家庭用の洗面槽を用いることもある。
【００１８】
４は給液管であって、この場合、可撓性樹脂パイプが用いられ、上記貯液タンク３と上記洗浄ポット１の内部空間Ｒとを管路接続している。
【００１９】
５は排液管であって、この場合、可撓性樹脂パイプが用いられ、上記洗浄ポット１の内部空間Ｒと上記貯液タンクとを管路接続している。
【００２０】
６は循環用ポンプであって、上記排液管５の管路に設けられ、上記貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間Ｒに供給すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻すように構成されている。
【００２１】
７は液給排機構であって、開口部Ｋが閉口して循環用ポンプ６の吸引圧により内部空間Ｒが負圧状態になったとき貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間Ｒに供給すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻し、逆に、開口部Ｋが開口して内部空間Ｒの圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給を停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻すように構成されている。
【００２２】
この場合、液給排機構７として、上記給液管４の管路に上記内部空間Ｒが常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間の圧力が負圧のとき負圧により開口する逆止弁８を設けて構成され、しかして、この逆止弁８の存在により、開口部Ｋが閉口して循環用ポンプ６の吸引圧により該内部空間Ｒが負圧状態になったとき、貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間Ｒに供給すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻すように構成している。
【００２３】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、洗浄部位Ｆとしての顔や身体の皮膚の表面に洗浄ポット１の開口部Ｋを接触させると皮膚の表面などの洗浄部位Ｆにより開口部Ｋは閉口し、洗浄ポット１の内部空間Ｒに接続された排液管５に循環用ポンプ６が接続されているので、開口部Ｋの閉口により内部空間Ｒは負圧状態となり、内部空間Ｒが負圧状態になることにより液給排機構７により貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻されることになり、しかして、上記開口部Ｋを閉口している洗浄部位Ｆを内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び振動子２による洗浄液Ｗの音波振動や超音波振動作用により洗浄することができ、また、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口し、開口部Ｋの開口により内部空間Ｒは常圧状態となり、内部空間Ｒが常圧状態になることにより液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻されることになる。
【００２４】
そして、逆に、上記開口部Ｋが開口して内部空間Ｒの圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を介して貯液タンク３内に戻すことになる。
【００２５】
従って、洗浄ポット１を洗浄部位Ｆに添わせて移動させ、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、振動子２により洗浄液Ｗに音波振動や超音波振動が付与され、内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び洗浄液Ｗの振動により洗浄部位Ｆを洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを速やかに貯液タンク３に戻して洗浄液Ｗの漏れを抑制することができる。
【００２６】
この場合、上記液給排機構７として、上記給液管４の管路に上記内部空間Ｒが常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間Ｒが負圧のときこの負圧により開口する逆止弁８を設けているから、内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給及び内部空間Ｒからの洗浄液Ｗの排出が良好になされ、かつ、液給排機構７を簡素な構造とすることができると共に容易に製作することができる。
【００２７】
又、この場合、上記洗浄ポット１の内部空間Ｒが常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子２による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けているから、超音波による液飛散漏れを防止することができる。
【００２８】
図５の第二形態例は別例構造を示し、この場合、上記液給排機構７として、排液管５の管路に上記内部空間Ｒ内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサ９を設け、上記第一形態例の逆止弁８に代えて、上記給液管４の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサ９が負圧を検出したとき開口する開閉弁１０を設けて構成している。
【００２９】
又、この場合、上記排液管５の上記内部空間Ｒと上記循環用ポンプ６との間の管路に上記洗浄液Ｗを急速貯留可能な一次備蓄ユニット１１を設け、排液管５の上記内部空間Ｒと一次備蓄ユニット１１との間及び一次備蓄ユニット１１と循環用ポンプとの間の管路に逆止弁１２ａ・１２ｂを設けており、この一次備蓄ユニット１１は例えばピストン構造の電気式アクチュエータが用いられ、内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを急速に貯溜可能な構造となっている。
【００３０】
又、この場合、上記循環用ポンプ６の流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させるように構成している。
【００３１】
又、この場合、上記排液管５の上記洗浄ポット１と上記貯液タンク３との間の管路にフィルタ１３・１３を設けており、例えば、フィルタ１３として、中空円筒の糸巻きフィルタや袋状のフェルトフィルタ、ポリプロピレンフィルタ、コットンマットなどが用いられ、更に、この場合、上記排液管５の上記フィルタ１３・１３の前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサ１４・１４を設け、前後の目詰検出用圧力センサ１４・１４間の圧力差が大きいとき、フィルタ１３の交換時期を表示する図示省略のフィルタ交換表示部を備えている。
【００３２】
又、この場合、上記洗浄液Ｗを例えば常温から５０℃程度の温水に加熱するヒータなどからなる加熱装置１５を設けている。
【００３３】
この第二形態例にあっては、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、この負圧を液給排機構７の負圧検出用圧力センサ９が検出して開閉弁１０が開口し、貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、洗浄部位Ｆを内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び振動子２による洗浄液Ｗの音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを漏らすことを抑制して貯液タンク３に良好に戻すことができる。
【００３４】
又、この場合、上記内部空間Ｒと上記循環用ポンプ６との間の管路に上記洗浄液Ｗを急速貯留可能な一次備蓄ユニット１１を設けているから、内部空間Ｒが常圧に近い負圧又は常圧状態になって排液管５の圧力上昇を負圧検出用圧力センサ９が検出したとき、一次備蓄ユニット１１が作動して内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを急速に貯溜することができ、貯溜した洗浄液Ｗも内部空間Ｒが負圧のときに負圧検出用センサ９が検出し、逆止弁１２ａ・１２ｂが逆流を防ぎながら負圧を妨げない範囲で排出して洗浄液にＷの漏れを抑制することができ、又、同様な作用をするものとして、この場合、上記循環用ポンプ６の流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させるように構成することにより洗浄液Ｗを速やかに排出することができて洗浄液の漏れを抑制することができる。
【００３５】
又、この場合、上記排液管５の上記洗浄ポット１と上記貯液タンク３との間の管路にフィルタ１３・１３を設けているから、洗浄に使用された洗浄液Ｗを浄化することができ、又、この場合、上記排液管５の上記フィルタ１３・１３の前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサ１４・１４を設け、前後の目詰検出用圧力センサ１４・１４間の圧力差が大きいとき、フィルタ１３の交換時期を表示する図示省略のフィルタ交換表示部を備えて構成しているから、フィルタ１３の交換時期を知ることができ、洗浄を良好に行うことができ、更に、この場合、上記洗浄液Ｗを加熱する加熱装置１５を設けているから、洗浄作用を良好に行うことができる。
【００３６】
図６の第三形態例は別例構造を示し、この場合、上記液給排機構７として、上記給液管４の通過流量Ｑ1と上記排液管５の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間Ｒが常圧状態のとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が停止し、内部空間Ｒが負圧状態のとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が開始される構造としている。
【００３７】
この第三形態例にあっては、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、内部空間Ｒが負圧になることにより給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が開始され、貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、洗浄部位Ｆを内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び振動子２による洗浄液Ｗの音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、内部空間Ｒが常圧になると給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを漏らすことを抑制して良好に戻すことができる。
【００３８】
図７乃至図１０の第四形態例は別例構造を示し、この場合、建物の壁の洗浄装置に適用したものであり、洗浄部位Ｆが建物の壁材Ｔの表面となっている。
【００３９】
この場合、上記第一形態例と同様な構造となっており、同符号を付して説明すると、この場合、洗浄液Ｗとして、主成分がエタノール又はエタノールが用いられ、かつ、洗浄ポット１として、二個の底部１ａ・１ａ、筒部１ｂ、開口部Ｋ及び内部空間Ｒからなる有底筒状に形成され、底部１ａ・１ａは金属又は剛性樹脂により製作され、筒部１ｂはゴム又は弾性樹脂により製作され、筒部１ｂの頂部１ｄはなだらかな凸面に形成され、開口部Ｋとしてメッシュ状の複数個の丸孔や角孔状の開口孔１ｃからなり、開口部Ｋは壁材の表面たる洗浄部位Ｆにより閉口可能に設けられ、しかして、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより頂部１ｄが撓み開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用により洗浄部位Ｆを洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを戻して洗浄液Ｗが漏れを抑制することができる。
【００４０】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、洗浄ポット１の形態や構造、振動子２、貯液タンク３、給液管４、排液管５、循環用ポンプ６の構造や形態は適宜変更して設計される。また、洗浄対象物として、顔や身体、壁材の表面の他にガラス、布、皮、合成樹脂などのシート材の表面や凹凸の少ない表面の洗浄にも使用することができる。
【００４１】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】本発明の実施の第一形態例の説明図である。
【図２】本発明の実施の第一形態例の洗浄ポットの斜視図である。
【図３】本発明の実施の第一形態例の洗浄ポットの平面図である。
【図４】本発明の実施の第一形態例の洗浄ポットの断面図である。
【図５】本発明の実施の第二形態例の説明図である。
【図６】本発明の実施の第三形態例の説明図である。
【図７】本発明の実施の第四形態例の説明図である。
【図８】本発明の実施の第四形態例の洗浄ポットの斜視図である。
【図９】本発明の実施の第四形態例の洗浄ポットの平面図である。
【図１０】本発明の実施の第四形態例の洗浄ポットの断面図である。
【符号の説明】
【００４３】
Ｋ 開口部
Ｒ 内部空間
Ｗ 洗浄液
Ｆ 洗浄部位
Ｑ1 通過流量
Ｑ2 通過流量
１ 洗浄ポット
２ 振動子
３ 貯液タンク
４ 給液管
５ 排液管
６ 循環用ポンプ
７ 液給排機構
８ 逆止弁
９ 負圧検出用圧力センサ
１１ 一次備蓄ユニット
１３ フィルタ
１４ 目詰検出用圧力センサ
１５ 加熱装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は例えば顔や身体、床材や壁材の表面洗浄に用いられる洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の洗浄装置として、開口部及び内部空間をもつ洗浄ポットと、該洗浄液を収容する貯液タンクと、該貯液タンクと洗浄ポットの内部空間とを接続する給液管と、該貯液タンク内の洗浄液を洗浄ポットの内部空間に供給するポンプと、該洗浄ポットの内部空間に接続された排液管とを備えてなる構造のものが知られている。
【特許文献１】実開昭６１−６５９３８号公報
【特許文献２】特開２００６−２９６６７９
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら上記従来構造の場合、上記洗浄ポットの内部空間内への洗浄液の供給及び内部空間からの洗浄液の排出については、上記ポンプの入切により行う構造となっており、このため、使用の利便性が低下しているという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項１記載の発明は、開口部及び内部空間をもつ洗浄ポットと、該洗浄液を収容する貯液タンクと、該貯液タンクと該洗浄ポットの内部空間とを接続する給液管と、該洗浄ポットの内部空間に接続された排液管とを備えてなり、上記洗浄ポットに内部空間内の洗浄液に音波振動又は超音波振動を付与する振動子を設け、上記洗浄ポットの内部空間に接続された排液管を該貯液タンクに接続し、該排液管の管路に該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す循環用ポンプを設け、該開口部が閉口して該循環用ポンプの吸引圧により該内部空間が負圧状態になったとき該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻し、該開口部が開口して該内部空間の圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給を停止すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す液給排機構を設けてなることを特徴とする洗浄装置にある。
【０００５】
又、請求項２記載の発明は、上記液給排機構として、上記給液管の管路に上記内部空間が常圧に近い負圧状態又は常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間が負圧状態のとき該負圧により開口する逆止弁を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項３記載の発明は、上記液給排機構として、上記排液管の管路に上記内部空間内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサを設け、上記給液管の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサが負圧を検出したとき開口する開閉弁を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項４記載の発明は、上記液給排機構として、上記給液管の通過流量Ｑ1と上記排液管の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間が常圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が停止し、該内部空間が負圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が開始される構造にしてなることを特徴とするものである。
【０００６】
又、請求項５記載の発明は、上記内部空間と上記循環用ポンプとの間の管路に上記洗浄液を急速貯留可能な一次備蓄ユニットを設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項６記載の発明は、上記循環用ポンプの流量を可変とし、通常の負圧時の洗浄状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させることを特徴とするものであり、又、請求項７記載の発明は、上記洗浄ポットの内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項８記載の発明は、上記洗浄ポットと上記貯液タンクとの間の管路にフィルタを設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項９記載の発明は、上記排液管の上記フィルタの前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサを設け、該前後の目詰検出用圧力センサ間の圧力差が大きいときフィルタの交換時期を表示するフィルタ交換表示部を備えてなることを特徴とするものである。
【０００７】
又、請求項１０記載の発明は、上記洗浄液を加熱する加熱装置を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項１１記載の発明は、上記洗浄ポットの開口部はメッシュ状の複数個の開口孔からなることを特徴とするものである。
【０００８】
又、請求項１２記載の発明は、上記洗浄液の主成分が水又は水とエタノールとの混合液であることを特徴とするものであり、又、請求項１３記載の発明は、上記洗浄液の主成分がエタノール又はエタノールであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明は上述の如く、請求項１記載の発明にあっては、洗浄ポットを洗浄部位に添わせて移動させ、洗浄ポットの開口部を洗浄部位に接触させることにより開口部は閉口して内部空間は負圧状態となり、液給排機構により貯液タンク内の洗浄液は給液管を経て内部空間に供給されると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、振動子により洗浄液に音波振動や超音波振動が付与され、内部空間を流通する洗浄液の流水作用及び洗浄液の振動により洗浄部位を洗浄することができ、開口部を洗浄部位より離反させると開口部は開口して内部空間は常圧状態となり、液給排機構により貯液タンク内からの内部空間への洗浄液の供給が停止すると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、この洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を速やかに貯液タンクに戻して洗浄液の漏れを抑制することができる。
【００１０】
又、請求項２記載の発明にあっては、上記液給排機構として、上記給液管の管路に上記内部空間が常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間が負圧のときこの負圧により開口する逆止弁を設けているから、内部空間への洗浄液の供給及び内部空間からの洗浄液の排出が良好になされ、液給排機構を簡素な構造とすることができると共に容易に製作することができ、又、請求項３記載の発明にあっては、上記液給排機構として、上記排液管の管路に上記内部空間内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサを設け、上記給液管の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサが負圧を検出したとき開口する開閉弁を設けてなるから、洗浄ポットの開口部を洗浄部位に接触させることにより開口部は閉口して内部空間は負圧状態となり、この負圧を液給排機構の負圧検出用圧力センサが検出して開閉弁が開口し、貯液タンク内の洗浄液は給液管を経て内部空間に供給されると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、洗浄部位を内部空間を流通する洗浄液の流水作用及び振動子による洗浄液の音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部を洗浄部位より離反させると開口部は開口して内部空間は常圧状態となり、液給排機構により貯液タンク内からの内部空間への洗浄液の供給が停止すると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、この洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を漏らすことを抑制して貯液タンクに良好に戻すことができ、又、請求項４記載の発明にあっては、上記液給排機構として、上記給液管の通過流量Ｑ1と上記排液管の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間が常圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が停止し、該内部空間が負圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が開始される構造にしてなるから、洗浄ポットの開口部を洗浄部位に接触させることにより開口部は閉口して内部空間は負圧状態となり、内部空間が負圧になることにより給液管から内部空間への洗浄液の供給が開始され、貯液タンク内の洗浄液は給液管を経て内部空間に供給されると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、洗浄部位を内部空間を流通する洗浄液の流水作用及び振動子による洗浄液の音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部を洗浄部位より離反させると開口部は開口して内部空間は常圧状態となり、内部空間が常圧になると給液管から内部空間への洗浄液の供給が停止すると共に内部空間内の洗浄液は排液管を経て貯液タンク内に戻され、この洗浄液の流水及び振動により洗浄部位を良好に洗浄することができると共に内部空間内の洗浄液を漏らすことを抑制して良好に戻すことができる。
【００１１】
又、請求項５記載の発明にあっては、上記内部空間と上記循環用ポンプとの間の管路に上記洗浄液を急速貯留可能な一次備蓄ユニットを設けてなるから、内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態になって排液管の管路の圧力が上昇すると、一次備蓄ユニットが作動して内部空間内の洗浄液を急速に貯溜することができ、洗浄液を速やかに排出することができて洗浄液の漏れを抑制することができ、又、請求項６記載の発明にあっては、上記循環用ポンプの流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させるように構成しているから、洗浄液を速やかに排出することができて洗浄液の漏れを抑制することができ、又、請求項７記載の発明にあっては、上記洗浄ポットの内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けてなるから、超音波による液飛散漏れを防止することができ、又、請求項８記載の発明にあっては、上記排液管の上記洗浄ポットと上記貯液タンクとの間の管路にフィルタを設けてなるから、洗浄に使用された洗浄液を浄化することができ、又、請求項９記載の発明にあっては、上記排液管の上記フィルタの前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサを設け、該前後の目詰検出用圧力センサ間の圧力差が大きいときフィルタの交換時期を表示するフィルタ交換表示部を備えてなるから、フィルタの交換時期を知ることができ、洗浄を良好に行うことができる。
【００１２】
又、請求項１０記載の発明にあっては、上記洗浄液を加熱する加熱装置を設けているから、洗浄作用を良好に行うことができ、又、請求項１１記載の発明にあっては、上記洗浄ポットの開口部はメッシュ状の複数個の開口孔からなるので、洗浄液の漏れを防ぐと共に洗浄部位での洗浄ポットの移動を円滑に行うことができる。
【００１３】
又、請求項１２記載の発明にあっては、上記洗浄液の主成分が水又は水とエタノールとの混合液であることを特徴とするものであり、このような混合液は顔や身体の皮膚洗浄に適しているので、皮膚の洗浄を良好に行うことができ、又、請求項１３記載の発明にあっては、上記洗浄液の主成分がメタノール又はエタノールであるから、このような洗浄液は布や合成樹脂などの壁材表面の洗浄に適しているので、壁材表面の洗浄を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
図１乃至図１０は本発明の実施の形態例を示し、図１乃至図４は第一形態例、図５は第二形態例、図６は第三形態例、図７乃至図１０は第四形態例である。
【００１５】
図１乃至図４の第一形態例は顔や身体の皮膚洗浄具に適用したものであり、１は洗浄ポットであり、二個の底部１ａ・１ａ、筒部１ｂ、開口部Ｋ及び内部空間Ｒからなる有底円筒状に形成され、底部１ａ・１ａは金属又は剛性樹脂により製作され、筒部１ｂは金属又は剛性樹脂により製作され、筒部１ｂの頂部１ｄは洗浄部位Ｆの角隅部分に接触し易いように山状に形成され、開口部Ｋとしてメッシュ状の複数個の丸孔や角孔状の開口孔１ｃからなり、開口部Ｋは顔Ｓや身体の皮膚たる洗浄部位Ｆにより閉口可能に設けられ、メッシュ状の複数個の丸孔や角孔状の開口孔１ｃとすることにより、洗浄液Ｗの漏れを防ぐと共に洗浄部位Ｆでの洗浄ポット１の移動を円滑に行うようにしている。
【００１６】
２は振動子であって、上記洗浄ポット１に設けられ、図示省略の振動制御部の発振回路により内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗに音波振動又は超音波振動を付与する構造となっている。例えば、上記振動制御部内の発振回路により２５ＫＨｚ〜１００ＫＨｚの振動数が選択して設定され、この場合、４０ＫＨｚの振動数が用いられている。尚、２００Ｈｚ程度の周波数に設定することによりマッサージ効果を得ることができ、また、２００Ｈｚ程度の周波数に２５ＫＨｚ〜１００ＫＨｚの周波数を重合し、洗浄及びマッサージ効果を併有する構造とすることもある。尚、上記図示省略の振動制御部に上記洗浄ポット１の内部空間Ｒが常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子２による音波振動又は超音波振動を停止する回路を設けている。これは、非洗浄時には振動子２の振動を停止させることにより超音波による液飛散漏れを防止するためである。
【００１７】
３は貯液タンクであって、この場合、貯液タンク３内に主成分が水又は水とエタノールとの混合液からなる洗浄液Ｗを収容している。この貯液タンク３として家庭用の洗面槽を用いることもある。
【００１８】
４は給液管であって、この場合、可撓性樹脂パイプが用いられ、上記貯液タンク３と上記洗浄ポット１の内部空間Ｒとを管路接続している。
【００１９】
５は排液管であって、この場合、可撓性樹脂パイプが用いられ、上記洗浄ポット１の内部空間Ｒと上記貯液タンクとを管路接続している。
【００２０】
６は循環用ポンプであって、上記排液管５の管路に設けられ、上記貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間Ｒに供給すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻すように構成されている。
【００２１】
７は液給排機構であって、開口部Ｋが閉口して循環用ポンプ６の吸引圧により内部空間Ｒが負圧状態になったとき貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間Ｒに供給すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻し、逆に、開口部Ｋが開口して内部空間Ｒの圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給を停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻すように構成されている。
【００２２】
この場合、液給排機構７として、上記給液管４の管路に上記内部空間Ｒが常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間の圧力が負圧のとき負圧により開口する逆止弁８を設けて構成され、しかして、この逆止弁８の存在により、開口部Ｋが閉口して循環用ポンプ６の吸引圧により該内部空間Ｒが負圧状態になったとき、貯液タンク３内の洗浄液Ｗを給液管４を経て内部空間Ｒに供給すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を経て貯液タンク３内に戻すように構成している。
【００２３】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、洗浄部位Ｆとしての顔や身体の皮膚の表面に洗浄ポット１の開口部Ｋを接触させると皮膚の表面などの洗浄部位Ｆにより開口部Ｋは閉口し、洗浄ポット１の内部空間Ｒに接続された排液管５に循環用ポンプ６が接続されているので、開口部Ｋの閉口により内部空間Ｒは負圧状態となり、内部空間Ｒが負圧状態になることにより液給排機構７により貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻されることになり、しかして、上記開口部Ｋを閉口している洗浄部位Ｆを内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び振動子２による洗浄液Ｗの音波振動や超音波振動作用により洗浄することができ、また、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口し、開口部Ｋの開口により内部空間Ｒは常圧状態となり、内部空間Ｒが常圧状態になることにより液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻されることになる。
【００２４】
そして、逆に、上記開口部Ｋが開口して内部空間Ｒの圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを排液管５を介して貯液タンク３内に戻すことになる。
【００２５】
従って、洗浄ポット１を洗浄部位Ｆに添わせて移動させ、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、振動子２により洗浄液Ｗに音波振動や超音波振動が付与され、内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び洗浄液Ｗの振動により洗浄部位Ｆを洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを速やかに貯液タンク３に戻して洗浄液Ｗの漏れを抑制することができる。
【００２６】
この場合、上記液給排機構７として、上記給液管４の管路に上記内部空間Ｒが常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間Ｒが負圧のときこの負圧により開口する逆止弁８を設けているから、内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給及び内部空間Ｒからの洗浄液Ｗの排出が良好になされ、かつ、液給排機構７を簡素な構造とすることができると共に容易に製作することができる。
【００２７】
又、この場合、上記洗浄ポット１の内部空間Ｒが常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子２による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けているから、超音波による液飛散漏れを防止することができる。
【００２８】
図５の第二形態例は別例構造を示し、この場合、上記液給排機構７として、排液管５の管路に上記内部空間Ｒ内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサ９を設け、上記第一形態例の逆止弁８に代えて、上記給液管４の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサ９が負圧を検出したとき開口する開閉弁１０を設けて構成している。
【００２９】
又、この場合、上記排液管５の上記内部空間Ｒと上記循環用ポンプ６との間の管路に上記洗浄液Ｗを急速貯留可能な一次備蓄ユニット１１を設け、排液管５の上記内部空間Ｒと一次備蓄ユニット１１との間及び一次備蓄ユニット１１と循環用ポンプとの間の管路に逆止弁１２ａ・１２ｂを設けており、この一次備蓄ユニット１１は例えばピストン構造の電気式アクチュエータが用いられ、内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを急速に貯溜可能な構造となっている。
【００３０】
又、この場合、上記循環用ポンプ６の流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させるように構成している。
【００３１】
又、この場合、上記排液管５の上記洗浄ポット１と上記貯液タンク３との間の管路にフィルタ１３・１３を設けており、例えば、フィルタ１３として、中空円筒の糸巻きフィルタや袋状のフェルトフィルタ、ポリプロピレンフィルタ、コットンマットなどが用いられ、更に、この場合、上記排液管５の上記フィルタ１３・１３の前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサ１４・１４を設け、前後の目詰検出用圧力センサ１４・１４間の圧力差が大きいとき、フィルタ１３の交換時期を表示する図示省略のフィルタ交換表示部を備えている。
【００３２】
又、この場合、上記洗浄液Ｗを例えば常温から５０℃程度の温水に加熱するヒータなどからなる加熱装置１５を設けている。
【００３３】
この第二形態例にあっては、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、この負圧を液給排機構７の負圧検出用圧力センサ９が検出して開閉弁１０が開口し、貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、洗浄部位Ｆを内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び振動子２による洗浄液Ｗの音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを漏らすことを抑制して貯液タンク３に良好に戻すことができる。
【００３４】
又、この場合、上記内部空間Ｒと上記循環用ポンプ６との間の管路に上記洗浄液Ｗを急速貯留可能な一次備蓄ユニット１１を設けているから、内部空間Ｒが常圧に近い負圧又は常圧状態になって排液管５の圧力上昇を負圧検出用圧力センサ９が検出したとき、一次備蓄ユニット１１が作動して内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを急速に貯溜することができ、貯溜した洗浄液Ｗも内部空間Ｒが負圧のときに負圧検出用センサ９が検出し、逆止弁１２ａ・１２ｂが逆流を防ぎながら負圧を妨げない範囲で排出して洗浄液にＷの漏れを抑制することができ、又、同様な作用をするものとして、この場合、上記循環用ポンプ６の流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させるように構成することにより洗浄液Ｗを速やかに排出することができて洗浄液の漏れを抑制することができる。
【００３５】
又、この場合、上記排液管５の上記洗浄ポット１と上記貯液タンク３との間の管路にフィルタ１３・１３を設けているから、洗浄に使用された洗浄液Ｗを浄化することができ、又、この場合、上記排液管５の上記フィルタ１３・１３の前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサ１４・１４を設け、前後の目詰検出用圧力センサ１４・１４間の圧力差が大きいとき、フィルタ１３の交換時期を表示する図示省略のフィルタ交換表示部を備えて構成しているから、フィルタ１３の交換時期を知ることができ、洗浄を良好に行うことができ、更に、この場合、上記洗浄液Ｗを加熱する加熱装置１５を設けているから、洗浄作用を良好に行うことができる。
【００３６】
図６の第三形態例は別例構造を示し、この場合、上記液給排機構７として、上記給液管４の通過流量Ｑ1と上記排液管５の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間Ｒが常圧状態のとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が停止し、内部空間Ｒが負圧状態のとき給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が開始される構造としている。
【００３７】
この第三形態例にあっては、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、内部空間Ｒが負圧になることにより給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が開始され、貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、洗浄部位Ｆを内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用及び振動子２による洗浄液Ｗの音波振動や超音波振動により洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、内部空間Ｒが常圧になると給液管４から内部空間Ｒへの洗浄液の供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを漏らすことを抑制して良好に戻すことができる。
【００３８】
図７乃至図１０の第四形態例は別例構造を示し、この場合、建物の壁の洗浄装置に適用したものであり、洗浄部位Ｆが建物の壁材Ｔの表面となっている。
【００３９】
この場合、上記第一形態例と同様な構造となっており、同符号を付して説明すると、この場合、洗浄液Ｗとして、主成分がエタノール又はエタノールが用いられ、かつ、洗浄ポット１として、二個の底部１ａ・１ａ、筒部１ｂ、開口部Ｋ及び内部空間Ｒからなる有底筒状に形成され、底部１ａ・１ａは金属又は剛性樹脂により製作され、筒部１ｂはゴム又は弾性樹脂により製作され、筒部１ｂの頂部１ｄはなだらかな凸面に形成され、開口部Ｋとしてメッシュ状の複数個の丸孔や角孔状の開口孔１ｃからなり、開口部Ｋは壁材の表面たる洗浄部位Ｆにより閉口可能に設けられ、しかして、洗浄ポット１の開口部Ｋを洗浄部位Ｆに接触させることにより頂部１ｄが撓み開口部Ｋは閉口して内部空間Ｒは負圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内の洗浄液Ｗは給液管４を経て内部空間Ｒに供給されると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、内部空間Ｒを流通する洗浄液Ｗの流水作用により洗浄部位Ｆを洗浄することができ、開口部Ｋを洗浄部位Ｆより離反させると開口部Ｋは開口して内部空間Ｒは常圧状態となり、液給排機構７により貯液タンク３内からの内部空間Ｒへの洗浄液Ｗの供給が停止すると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗは排液管５を経て貯液タンク３内に戻され、この洗浄液Ｗの流水及び振動により洗浄部位Ｆを良好に洗浄することができると共に内部空間Ｒ内の洗浄液Ｗを戻して洗浄液Ｗが漏れを抑制することができる。
【００４０】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、洗浄ポット１の形態や構造、振動子２、貯液タンク３、給液管４、排液管５、循環用ポンプ６の構造や形態は適宜変更して設計される。また、洗浄対象物として、顔や身体、壁材の表面の他にガラス、布、皮、合成樹脂などのシート材の表面や凹凸の少ない表面の洗浄にも使用することができる。
【００４１】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】本発明の実施の第一形態例の説明図である。
【図２】本発明の実施の第一形態例の洗浄ポットの斜視図である。
【図３】本発明の実施の第一形態例の洗浄ポットの平面図である。
【図４】本発明の実施の第一形態例の洗浄ポットの断面図である。
【図５】本発明の実施の第二形態例の説明図である。
【図６】本発明の実施の第三形態例の説明図である。
【図７】本発明の実施の第四形態例の説明図である。
【図８】本発明の実施の第四形態例の洗浄ポットの斜視図である。
【図９】本発明の実施の第四形態例の洗浄ポットの平面図である。
【図１０】本発明の実施の第四形態例の洗浄ポットの断面図である。
【符号の説明】
【００４３】
Ｋ 開口部
Ｒ 内部空間
Ｗ 洗浄液
Ｆ 洗浄部位
Ｑ1 通過流量
Ｑ2 通過流量
１ 洗浄ポット
２ 振動子
３ 貯液タンク
４ 給液管
５ 排液管
６ 循環用ポンプ
７ 液給排機構
８ 逆止弁
９ 負圧検出用圧力センサ
１１ 一次備蓄ユニット
１３ フィルタ
１４ 目詰検出用圧力センサ
１５ 加熱装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
開口部及び内部空間をもつ洗浄ポットと、該洗浄液を収容する貯液タンクと、該貯液タンクと該洗浄ポットの内部空間とを接続する給液管と、該洗浄ポットの内部空間に接続された排液管とを備えてなり、上記洗浄ポットに内部空間内の洗浄液に音波振動又は超音波振動を付与する振動子を設け、上記洗浄ポットの内部空間に接続された排液管を該貯液タンクに接続し、該排液管の管路に該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す循環用ポンプを設け、該開口部が閉口して該循環用ポンプの吸引圧により該内部空間が負圧状態になったとき該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻し、該開口部が開口して該内部空間の圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給を停止すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す液給排機構を設けてなることを特徴とする洗浄装置。
【請求項２】
上記液給排機構として、上記給液管の管路に上記内部空間が常圧に近い負圧状態又は常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間が負圧状態のとき該負圧により開口する逆止弁を設けてなることを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項３】
上記液給排機構として、上記排液管の管路に上記内部空間内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサを設け、上記給液管の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサが負圧を検出したとき開口する開閉弁を設けてなることを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項４】
上記液給排機構として、上記給液管の通過流量Ｑ1と上記排液管の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間が常圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が停止し、該内部空間が負圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が開始される構造にしてなることを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項５】
上記内部空間と循環用ポンプとの間の管路に上記洗浄液を急速貯留可能な一次備蓄ユニットを設けてなることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項６】
上記循環用ポンプの流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項７】
上記洗浄ポットの内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けてなることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項８】
上記洗浄ポットと上記貯液タンクとの間の管路にフィルタを設けてなることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項９】
上記排液管の上記フィルタの前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサを設け、該前後の目詰検出用圧力センサ間の圧力差が大きいときフィルタの交換時期を表示するフィルタ交換表示部を備えてなることを特徴とする請求項８記載の洗浄装置。
【請求項１０】
上記洗浄液を加熱する加熱装置を設けてなることを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１１】
上記洗浄ポットの開口部はメッシュ状の複数個の開口孔からなることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１２】
上記洗浄液の主成分が水又は水とエタノールとの混合液であることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１３】
上記洗浄液の主成分がメタノール又はエタノールであることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１】
開口部及び内部空間をもつ洗浄ポットと、該洗浄液を収容する貯液タンクと、該貯液タンクと該洗浄ポットの内部空間とを接続する給液管と、該洗浄ポットの内部空間に接続された排液管とを備えてなり、上記洗浄ポットに内部空間内の洗浄液に音波振動又は超音波振動を付与する振動子を設け、上記洗浄ポットの内部空間に接続された排液管を該貯液タンクに接続し、該排液管の管路に該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す循環用ポンプを設け、該開口部が閉口して該循環用ポンプの吸引圧により該内部空間が負圧状態になったとき該貯液タンク内の洗浄液を該給液管を経て該内部空間に供給すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻し、該開口部が開口して該内部空間の圧力が常圧に近い負圧又は常圧状態になったとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給を停止すると共に該内部空間内の洗浄液を該排液管を経て該貯液タンク内に戻す液給排機構を設けてなることを特徴とする洗浄装置。
【請求項２】
上記液給排機構として、上記給液管の管路に上記内部空間が常圧に近い負圧状態又は常圧状態のとき閉口状態を保持すると共に上記内部空間が負圧状態のとき該負圧により開口する逆止弁を設けてなることを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項３】
上記液給排機構として、上記排液管の管路に上記内部空間内の負圧を検出する負圧検出用圧力センサを設け、上記給液管の管路に常時閉口して該負圧検出用圧力センサが負圧を検出したとき開口する開閉弁を設けてなることを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項４】
上記液給排機構として、上記給液管の通過流量Ｑ1と上記排液管の通過流量Ｑ2との関係をＱ1＜Ｑ2に設定し、上記内部空間が常圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が停止し、該内部空間が負圧状態のとき該給液管から該内部空間への洗浄液の供給が開始される構造にしてなることを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項５】
上記内部空間と循環用ポンプとの間の管路に上記洗浄液を急速貯留可能な一次備蓄ユニットを設けてなることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項６】
上記循環用ポンプの流量を可変とし、通常の負圧状態の流量に対し、常圧に近い負圧時又は常圧時に流量を増加させることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項７】
上記洗浄ポットの内部空間が常圧に近い負圧又は常圧状態のとき上記振動子による音波振動又は超音波振動を停止する振動制御部を設けてなることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項８】
上記洗浄ポットと上記貯液タンクとの間の管路にフィルタを設けてなることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項９】
上記排液管の上記フィルタの前後の管路にそれぞれ目詰検出用圧力センサを設け、該前後の目詰検出用圧力センサ間の圧力差が大きいときフィルタの交換時期を表示するフィルタ交換表示部を備えてなることを特徴とする請求項８記載の洗浄装置。
【請求項１０】
上記洗浄液を加熱する加熱装置を設けてなることを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１１】
上記洗浄ポットの開口部はメッシュ状の複数個の開口孔からなることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１２】
上記洗浄液の主成分が水又は水とエタノールとの混合液であることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【請求項１３】
上記洗浄液の主成分がメタノール又はエタノールであることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１項に記載の洗浄装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１０−１３１５１８（Ｐ２０１０−１３１５１８Ａ）
【公開日】平成２２年６月１７日（２０１０．６．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−３０９５９８（Ｐ２００８−３０９５９８）
【出願日】平成２０年１２月４日（２００８．１２．４）
【特許番号】特許第４３３７１２７号（Ｐ４３３７１２７）
【特許公報発行日】平成２１年９月３０日（２００９．９．３０）
【出願人】（５９５０２００１２）柳下技研株式会社 (3)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年６月１７日（２０１０．６．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１２月４日（２００８．１２．４）
【特許番号】特許第４３３７１２７号（Ｐ４３３７１２７）
【特許公報発行日】平成２１年９月３０日（２００９．９．３０）
【出願人】（５９５０２００１２）柳下技研株式会社 (3)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]