説明

洗濯機

【課題】衣類情報から洗浄方法を最適化するだけでなく、衣類の状態や使用する水量・電力も考慮してユーザーが意図する洗濯を簡単に行うことができる洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明は、それぞれの洗濯衣類情報を一旦格納し、格納された複数前記衣類情報に沿って前記洗浄情報格納部から最適な洗浄情報を選定する選定回路と、前記選定回路で選定された最適な洗浄情報に基づいて洗濯、すすぎ、脱水、乾燥などの洗濯行程を制御・実行すると共にその内容を音声報知する洗濯機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯に関する特定の情報を衣類そのもの、または衣類に付加されたラベルタグやメモリ回路に具備した情報付き衣類を洗濯する洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機においては洗濯を行う衣類の管理や洗浄方法、条件などの決定を行うため、衣類の内容や量を調べなければならないという課題があった。このため、洗濯に関する特定の情報を衣類そのもの、または衣類に付加されたラベルタグやメモリ回路に具備し、それぞれの衣類から得た洗濯方法・条件の情報を基に洗濯機の洗浄方法を自動的に決定する洗濯機が考案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
個々の情報付き衣類から得た衣類に関する情報から洗濯機の洗浄方法を自動的に決定する洗濯機では、ユーザーが投入した様々な衣類に応じて、予め制御回路に用意されている運転方法や水温、洗剤量、水量などの制御回路を前記個々の情報付き衣類から得た複数の情報により最適な制御回路の制御方法の組合せを選んで決定する必要がある。
【0004】
図10に、従来考案されている情報付き衣類から得た衣類情報により洗濯機の洗浄方法を自動的に決定する洗濯機のブロック図を示す。以下、図10を参照して従来の洗濯機の動作について簡単に説明する。
【0005】
図10において、情報付き衣類が洗濯機に入れられる際には洗濯機投入口または別途洗濯機に付属した読取用装置等に取り付けられている情報読取センサ部101にて衣類に付加された情報が読み込まれ、センサ信号aとして情報読取回路102に送られる。情報読取回路102はセンサ信号aから衣類情報信号bを抽出しメモリ回路103に送る。メモリ回路103は選定回路104からの要求により洗濯機に入れられた衣類群の情報である衣類群情報信号cを選定回路4に送出する。選定回路104はメモリ回路103から得た衣類群情報信号cに対応した情報を洗浄情報格納部105から洗浄情報信号dにより得て最適値を検索し制御回路部106に最適制御信号eとして送信する。制御回路部106は選定回路104から得た最適制御信号eから洗濯機制御部107の各制御要素用の制御情報を抽出して洗浄制御信号fとして送信することで投入された衣類に最適な洗浄制御方法で洗濯を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−195063号公報
【特許文献2】特開2007−130062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来の構成では、必ずしもユーザーが考える最適な洗濯工程を実現できない場合があった。すなわち、情報付き衣類から読み取った情報をそのまま使うだけでは最適な洗浄条件を選定できない場合があるのである。特に、衣類そのものの経年変化などは十分配慮されていなかった。また、従来の構成では、洗濯に使用する水量、または電力量はユーザーが投入した衣類の情報の組合せだけで選定されるため、環境への配慮を踏まえてユーザーが意図する使用水量、または使用電力量条件で、衣類を最適に洗濯することについては、十分配慮されていなかった。
【0008】
具体的には、従来の構成では、同じ衣類を何回洗濯しても洗濯条件は前記情報付き衣類の情報によって選定されるため常に同じであり、場合によっては経年劣化を加速する可能性がある。また、投入された衣類の組合せのみで選定された洗濯条件(洗濯、すすぎ、脱水、乾燥)は、環境に配慮したユーザーが望む環境にも配慮した水量、または電力量で最適に選択できるように調整することができない。
【0009】
本発明は上記課題を解決するため、毎回の洗濯実行ごとに洗濯した衣類情報と前記選定回路が選定した洗浄情報、使用した水量または電力量を記憶しておく洗濯ログメモリ回路と、洗濯開始または終了後に前記メモリ回路に格納した複数の洗濯した衣類とその前記衣類情報と、前記選定回路が選定し実行した洗浄情報を前記洗濯ログメモリ回路に記憶し、ユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えたことを特徴とした洗濯機であって、前記洗濯ログメモリ回路に格納された情報を用いることによって前記情報付き衣類の情報だけで選定した洗浄条件よりもよりユーザーの意図に合致した洗浄条件で洗濯を実行することが可能な装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、毎回の洗濯実行ごとに洗濯した衣類情報と前記選定回路が選定した洗浄情報、使用した水量または電力量など複数の情報を記憶しておく洗濯ログメモリ回路と、前記洗濯ログメモリ回路に記憶した情報をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の洗濯機は、洗濯開始または終了後に前記メモリ回路に格納した複数の洗濯した衣類と、その衣類情報と、選定回路が選定し実行した洗浄情報を洗濯ログメモリ回路に記憶しておくことで、ユーザーに過去の洗濯情報を表示または音声にて再生伝達することができる。洗濯ログメモリ回路に格納されている過去の様々な情報を利用して、ユーザーが洗濯を始めるために情報付き衣類を洗濯機に投入していく際にそれぞれの衣類のダメージ判定結果をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。更にダメージ判定結果を用いて選定回路が選定した洗浄方法に補正を加えることにより投入された衣類のダメージ状態を考慮した洗浄方法での洗濯を実行することができる。
【0012】
また、水量センサや電力センサを具備することで、これらセンサから得た使用水量や電力量を衣類情報と、選定回路が選定した洗浄方法と共に洗濯ログメモリ回路に記憶させることができる。これにより、洗濯ログメモリ回路に記憶した使用水量、または使用電力量を洗濯終了時にユーザーに表示または音声にて再生伝達することでユーザーは環境を考慮した洗濯管理ができる。洗濯ログメモリ回路に記憶した使用水量、または使用電力量、衣類情報、洗浄条件などを用いると、洗濯を開始する際に投入された衣類情報の組合せからこれから開始する洗濯で使用する水量または電力量を推定することができユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。さらに、使用する水量や電力量をあらかじめ設定することで、投入された衣類が必要とする水量や電力量が多すぎる場合にユーザーに表示または音声にて再生伝達することや洗浄条件を補正することで設定された水量や電力量で洗濯ができるように制御することができる。
【0013】
こうしたユーザーのニーズに本発明の洗濯機およびその制御方法は有用である。その結果、単に洗浄方法を最適化するだけでなく、ユーザーが考える最適な洗濯を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における洗濯機のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における洗濯機のブロック図
【図3】本発明の実施の形態3における洗濯機のブロック図
【図4】本発明の実施の形態4における洗濯機のブロック図
【図5】本発明の実施の形態5における洗濯機のブロック図
【図6】本発明の実施の形態6における洗濯機のブロック図
【図7】本発明の実施の形態7における洗濯機のブロック図
【図8】本発明の実施の形態8における洗濯機のブロック図
【図9】同洗濯機のメモリ回路制御に関する補足についてのブロック図
【図10】従来の洗濯機のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯装置のブロック図である。なお、その他の構成は背景技術と同様であるため、背景技術の図10と同一機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0017】
図1において、メモリ回路3は洗濯を行う複数の情報付き衣類の情報を衣類群情報信号cとして選定回路4に送る。ここで、メモリ回路3は同時に衣類群情報信号cを洗濯ログメモリ回路101にも送る。また、選定回路4が選定した洗浄情報も最適制御信号eにより送られる。洗濯ログメモリ回路101は、メモリ回路3からの洗濯1回ごとの衣類群の内訳や選定回路4が選定した洗浄情報を関連付けて毎回記憶する。また、制御回路部6からのログ情報要求信号hに応じて関連づけされたログ情報をログ情報信号iによって伝達する。ログ情報を受けた制御回路部6は、過去のログ情報から得られた参照情報を表示・音声警告部8に再生信号gを送ってユーザーに示す。
【0018】
このように、本実施の形態1では、ユーザーは過去の洗濯情報を参照することで、現在投入している衣類の状態や洗濯条件の見直しができることで最適な洗濯を可能としている。
【0019】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における洗濯装置のブロック図である。
【0020】
図2では、洗濯ログメモリ回路のログ情報を用いて、投入された衣類のダメージを判定する。洗濯ログメモリ回路101は、メモリ回路3からの洗濯1回ごとの衣類群の内訳や選定回路4が選定した洗浄情報を関連付けて毎回記憶している。ここで、累積情報処理回路201は洗濯ログメモリ回路101にログ情報要求信号hを送ってログ情報信号iから、一連のログ情報を得る。得られたログ情報から同じ衣類が過去に何度、どのくらいの間隔で、またはどんな洗い方をされたか等の情報を分類・整理しその結果をダメージ判定回路202の累積結果要求信号jに応じて累積結果信号kにより送る。ダメージ判定回路202は、衣類が過去に何度、どのくらいの間隔で、またはどんな洗い方をされたか等の情報をもとに衣類のダメージを判定する。制御回路部6からのダメージ情報要求信号lに応じてダメージ判定回路202からダメージ情報信号mが制御回路部gに伝達される。情報を受けた制御回路部6は、ダメージ情報を表示・音声警告部8に再生信号gを送ってユーザーに示す。
【0021】
このように、本実施の形態2では、ユーザーが投入しようとしている衣類のダメージを判定・伝達をすることで、現在投入している衣類の状態や洗濯条件の見直しができることで最適な洗濯を可能としている。
【0022】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における洗濯装置のブロック図である。
【0023】
図3では、実施の形態2において判定された衣類のダメージ情報を用いて選定回路4が選定する洗浄条件に補正を加えるものである。ダメージ判定回路202は、衣類が過去に何度、どのくらいの間隔で、またはどんな洗い方をされたか等の情報をもとに衣類のダメージを判定する。制御回路部6からのダメージ情報要求信号lに応じてダメージ判定回路202からダメージ情報信号mが制御回路部gに伝達される。このとき同時に補正回路301にも情報は伝達され、これを受けた補正回路301は衣類のダメージが大きい場合には、モータ駆動方法を弱めに設定したり、洗剤量や水量・水温を調整したりするための補正情報を作成し補正信号nによって選定回路に洗浄条件の補正を指示する。
【0024】
このように、本実施の形態3では、ユーザーが投入しようとしている衣類のダメージを判定し、それによって洗浄条件の補正を行うことで、現在投入している衣類の状態に合った最適な洗濯を可能としている。
【0025】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における洗濯装置のブロック図である。
【0026】
図4では、水量センサ401や電力センサ402を具備することで、これらセンサから得た水量センサ信号oや電力センサ信号pを水量情報読取回路403や電力情報読取回路404により読んで水量情報信号qや電力情報信号rとしてメモリ回路3に伝達する。メモリ回路3は、これらの情報を衣類情報、選定回路4が選定した洗浄方法と共に洗濯ログメモリ回路101に記憶させる。制御回路部6は、タイミング回路405に洗濯ログメモリ回路に記憶した使用水量、または使用電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達するタイミング発生を開始信号sを送ることで開始し、タイミング回路405は開始信号sを受けて情報伝達するタイミングを制御回路部6に更新信号tによって伝える。更新信号tに基づいて制御回路部6は再生信号hを表示・警告音声部8に送ることで水量または電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。
【0027】
このように本実施の形態4では、時間経過に即した使用水量や電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することで、ユーザーが意図する環境を考慮した洗濯管理を実現可能としている。
【0028】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5における洗濯装置のブロック図である。
【0029】
図5では、図4におけるタイミング回路が洗濯終了時のタイミングにのみ更新されるものとなっている。制御回路部6は、終了検知回路501に洗濯ログメモリ回路101に記憶した使用水量、または使用電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達するタイミング発生を開始信号sを送ることで開始し、終了検知回路501は開始信号sを受けて終了検知を開始し、情報伝達するタイミングとして洗濯終了検知した際に制御回路部6に終了信号uを伝える。終了信号uに基づいて制御回路部6は再生信号hを表示・警告音声部8に送ることで水量または電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。
【0030】
このように本実施の形態5では、時間経過に即した使用水量や電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することで、ユーザーが意図する環境を考慮した洗濯管理を実現可能としている。
【0031】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6における洗濯装置のブロック図である。
【0032】
本発明の実施の形態6では、すでに記憶されている洗濯ログ情報メモリ回路101の使用水量情報や使用電力情報とこれから洗濯を行おうとしている衣類群情報cから、これから行う洗濯での使用水量や使用電力量を推定してユーザーに伝えようとするものである。
【0033】
図6において、洗濯に際して情報付き衣類が投入されるとき、または投入が完了したときに第1使用量推定回路601は、洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報をiログ情報信号から得る。またメモリ回路3から衣類群情報cによりこれから洗濯を行おうとしている衣類群の情報を得る。洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報はその使用量を要した衣類群情報と関連付けできているので、この衣類群情報とメモリ回路3から得たこれから洗濯を行おうとしている衣類群情報を比較し類似したものを検索することで、過去の実績から使用水量や使用電力が推定できる。このようにして推定した使用水量や使用電力の情報を第1使用量推定回路601は推定使用量情報信号vにより制御回路部6に伝える。推定使用量情報信号vの内容に基づいて制御回路部6は再生信号hを表示・警告音声部8に送ることで水量または電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。
【0034】
このように本実施の形態6では、これから洗濯を行おうとしている衣類群で要するであろう使用水量や電力量を推定しユーザーに表示または音声にて再生伝達することで、ユーザーが意図する環境を考慮した洗濯管理を実現可能としている。
【0035】
(実施の形態7)
図7は、本発明の実施の形態7における洗濯装置のブロック図である。
【0036】
本発明の実施の形態7は、実施の形態6ですでに記憶されている洗濯ログ情報メモリ回路101の使用水量情報や使用電力情報とこれから洗濯を行おうとしている衣類群情報cからこれから行う洗濯での使用水量や使用電力量を推定したのに対して、選定回路4がこれから洗濯を行おうとしている衣類群情報にて選定している洗浄条件を加味することで、より正確にこれから行う洗濯での使用水量や使用電力量を推定するものである。
【0037】
図7において、洗濯に際して情報付き衣類が投入されるとき、または投入が完了したときに第2使用量推定回路701は、洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報をiログ情報信号から得る。またメモリ回路3から衣類群情報cによりこれから洗濯を行おうとしている衣類群の情報を得る。洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報はその使用量を要した衣類群情報と関連付けできているので、この衣類群情報とメモリ回路3から得たこれから洗濯を行おうとしている衣類群情報を比較し類似したものを検索することで、過去の実績から使用水量や使用電力が推定できる。
【0038】
選定回路4から最適制御信号eによりこれから洗濯を行おうとしている洗浄条件の情報を得る。洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報はその使用量を要した洗浄条件とも関連付けできているので、この洗浄条件と選定回路4から得たこれから洗濯を行おうとしている洗浄条件を比較し類似したものを検索することで、過去の実績から使用水量や使用電力が推定できる。以上、2つの推定結果から最もこれから洗濯を行おうとしている条件に近いものを第2使用量推定回路701は推定し、このようにして推定した使用水量や使用電力の情報を推定使用量情報信号vにより制御回路部6に伝える。推定使用量情報信号vの内容に基づいて制御回路部6は再生信号hを表示・
警告音声部8に送ることで水量または電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。
このように本実施の形態では、これから洗濯を行おうとしている衣類群で要するであろう使用水量や電力量を推定しユーザーに表示または音声にて再生伝達することで、ユーザーが意図する環境を考慮した洗濯管理を実現可能としている。
【0039】
(実施の形態8)
図8は、本発明の実施の形態8における洗濯装置のブロック図である。
【0040】
本発明の実施の形態8は、本発明の実施の形態6や実施の形態7で実施しているこれから行う洗濯での使用水量や使用電力量を推定した結果を基に、あらかじめユーザーが意図する環境を考慮した使用水量または使用電力量を比較し、これから洗濯を行おうとしている衣類群で要するであろう使用水量や電力量があらかじめユーザーが設定した条件に対してどうのようになっているかを表示または音声にて再生伝達するものである。
【0041】
図8において、使用量設定回路801にてユーザーは水量または電力量の使用する設定値を決めておく。洗濯に際して情報付き衣類が投入されるとき、または投入が完了したときに第2使用量推定回路701は、洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報をiログ情報信号から得る。またメモリ回路3から衣類群情報cによりこれから洗濯を行おうとしている衣類群の情報を得る。洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報はその使用量を要した衣類群情報と関連付けできているので、この衣類群情報とメモリ回路3から得たこれから洗濯を行おうとしている衣類群情報を比較し類似したものを検索することで、過去の実績から使用水量や使用電力が推定できる。
【0042】
選定回路4から最適制御信号eによりこれから洗濯を行おうとしている洗浄条件の情報を得る。洗濯ログ情報メモリ回路101に記憶されている使用水量情報や使用電力情報はその使用量を要した洗浄条件とも関連付けできているので、この洗浄条件と選定回路4から得たこれから洗濯を行おうとしている洗浄条件を比較し類似したものを検索することで、過去の実績から使用水量や使用電力が推定できる。以上、2つの推定結果から最もこれから洗濯を行おうとしている条件に近いものを第2使用量推定回路701は推定し、このようにして推定した使用水量や使用電力の情報を推定使用量情報信号vにより比較回路802に伝える。比較回路802は推定使用量情報と使用量設定回路801にてユーザーが設定している使用水量または使用電力量の設定値を比較してその結果を比較結果信号yにて制御回路部6に伝える。比較結果信号yの内容に基づいて制御回路部6は再生信号hを表示・警告音声部8に送ることで、ユーザーがあらかじめ設定した使用水量または使用電力量に対してこれから行う洗濯で要する水量や電力がどうなるのかをユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる。
【0043】
このように本実施の形態では、これから洗濯を行おうとしている衣類群で要するであろう使用水量や電力量を推定しユーザーに表示または音声にて再生伝達することで、ユーザーが意図する環境を考慮した洗濯管理を実現可能としている。
【0044】
また、図9は本発明の実施の形態7におけるメモリ回路制御の補足のブロック図である。
【0045】
図9のように本発明におけるメモリ回路3、洗浄情報格納部5、洗濯ログメモリ回路101などは図9のメモリ制御回路901のような回路を具備することで、1つのメモリを用いて領域と書込、読出のタイミング制御などを行うことで実現することも可能である。
【0046】
また、ユーザーが意図する環境を考慮した洗濯管理について、実施例では水量または電力量を管理するとしたが洗剤投入を自動で実現している洗濯機では、その洗剤量を洗濯ログメモリ回路部に記憶することで、同様に管理することが可能である。
【0047】
また、衣類に付与する情報は、衣類そのものに記述(例えば、バーコードやQRコード、電子透かし情報など)でも、ICタグなどの非接触情報素子でも構わない。同じく情報読取センサも衣類に付与する情報に対応したものを使用すればよく特に指定はされない。(例えば、光学的な情報の場合は、カメラやスキャナ、電波系ならばアンテナとなる)
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかる洗濯機は、衣類の洗濯回数やユーザーが行った過去の洗濯の条件を参照できる構成とすることで、衣類のダメージや環境を配慮した水量や電力量などによる洗濯をおこなえるように補正、判別、警告を行うことによって、ユーザーの意図した洗濯を行える装置が提供できる点で有用である。
【符号の説明】
【0049】
1 情報読取センサ
2 情報読取回路
3 メモリ回路
4 選択回路
5 洗浄情報格納部
6 制御回路部
7 洗濯機制御部
8 表示・警告音声部
101 洗濯ログメモリ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類または洗濯可能な製品そのもの、または衣類または洗濯可能な製品に付加されたラベルタグやメモリにその衣類または洗濯可能な製品の衣類情報を具備した情報付き衣類に付加された衣類情報を読み取る情報読取装置と、前記衣類情報を格納するメモリ回路と、前記衣類情報に対応して当該洗濯機で適切に洗浄を行うための洗浄情報を格納した洗浄情報格納部と、前記メモリ回路に格納された複数の前記衣類情報に沿って前記洗浄情報格納部から最適な洗浄情報を選定する選定回路と、前記選定回路で選定された最適な洗浄情報に基づいて洗濯、すすぎ、脱水、乾燥などの洗濯行程を制御・実行する洗濯制御部と、毎回の洗濯実行ごとに洗濯した衣類とその前記衣類情報および前記選定回路が選定した洗浄情報を記憶しておく洗濯ログメモリ回路と、前記メモリ回路および前記洗濯ログメモリ回路の情報を基に、表示または音声・警告音等の伝達手段にてユーザーに伝達できる表示・音声・警告回路とを備え、前記メモリ回路に格納した複数の前記衣類情報と、前記選定回路が選定した洗浄情報を前記洗濯ログメモリ回路に記憶し、ユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた洗濯機。
【請求項2】
前記洗濯ログメモリ回路に記憶した前記衣類情報の累積結果を処理・算出する累積情報処理部と、投入しようとしている衣類の前記衣類情報と前記累積情報処理部からの累積情報を比較・抽出し、前記累積情報から衣類のダメージ情報を判定するダメージ判定回路とを備え、ユーザーが前記情報付き衣類を当該洗濯機に投入していく際に前記ダメージ判定回路の判定結果をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記洗濯ログメモリ回路に記憶した前記衣類情報の累積結果を処理・算出する累積情報処理部と、投入しようとしている衣類の前記衣類情報と前記累積情報処理部の持つ累積情報を比較・抽出することで洗濯回数など衣類のダメージ情報を判定するダメージ判定回路と、前記ダメージ判定回路の判定結果に基づいて洗浄条件の補正情報を生成する補正回路とを備え、当該洗濯機に投入された前記情報付き衣類のダメージの状態に合わせて前記選定回路が選定した洗浄条件に補正を加えることで、投入された衣類の状態に最適な洗浄方法で洗濯を実行することができる制御回路を備えた請求項1記載の洗濯機。
【請求項4】
使用した水量を検知できる水量センサと、使用した電力量を検知できる電力センサと、前記水量センサからの水量情報を読み出す水量情報読出回路と、前記電力センサからの電力情報を読み出す電力情報読出回路と、ユーザーに洗濯情報を伝えるタイミングを発生するタイミング回路とを備え、前記水量センサから得た使用水量と前記電力センサから得た使用電力量を前記洗濯ログメモリ回路に複数の前記衣類情報と、前記選定回路が選定した洗浄方法と共に記憶させ、前記タイミング回路が指示するタイミングでユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた請求項1記載の洗濯機。
【請求項5】
前記洗濯ログメモリ回路に記憶した使用水量、または使用電力量を洗濯終了時に、ユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた請求項4記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯ログメモリ回路に記憶した前記情報付き衣類とそれを洗濯したときの使用水量、または使用電力量の情報を基に、前記情報付き衣類の洗濯で要した水量、または電力量を推定する使用量推定部とを備え、前記使用量推定部で推定した水量、または電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた請求項4記載の洗濯機。
【請求項7】
前記洗濯ログメモリ回路に記憶した前記情報付き衣類とそれを洗濯したときの使用水量、
または使用電力量の情報と、前記選定回路が選定している洗浄条件を基に、前記情報付き衣類の洗濯で要した水量、または電力量を推定する使用量推定部とを備え、
前記使用量推定部で推定した水量、または電力量をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた請求項6記載の洗濯機。
【請求項8】
ユーザーが洗濯を始める前に目安とする使用水量、または使用電力量を設定できる使用量設定回路と、前記使用量推定回路が推定した使用水量、または使用電力量を比較することができる比較回路とを備え、ユーザーが洗濯を始めるにあたって前記情報付き衣類を当該洗濯機に投入した際に、投入された前記情報付き衣類が洗濯で使用する水量、または電力量を前記使用量推定回路により前記洗濯ログメモリ回路に記憶した情報のなかから抽出し積算して、前記使用量設定回路で設定した使用水量、または使用電力量と比較した結果をユーザーに表示または音声にて再生伝達することができる制御回路を備えた請求項7または8記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−24851(P2011−24851A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174954(P2009−174954)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】