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活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
説明

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

【課題】 本発明の課題は、優れた耐熱性を有し、かつ、希アルカリ水溶液でのパターニングが可能で、しかも、溶剤として通常の有機溶剤を使用することもでき、さらに、アルカリ現像時の現像残渣を低減することが可能な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 カルボキシ基及び/又は酸無水物基と(メタ)アクリロイル基とを有する分岐ポリイミド樹脂(1)、エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物に、2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(2c)を反応させて得られたカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)及び有機溶剤(3)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、溶剤溶解性、低熱膨張性、高温下での耐湿性に優れ、希アルカリ水溶液による現像が可能な活性エネルギー線硬化型ポリイミド樹脂組成物に関するものである。さらに詳細には、各種のネガタイプレジスト、例えば、ソルダーレジスト、メッキレジスト、ビルドアップ法プリント基板や半導体素子の絶縁層用レジスト等のパターンニング材料等に最適に用いることができる活性エネルギー線硬化型ポリイミド樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線や電子線で硬化する活性エネルギー線硬化型樹脂は、その硬化速度が速く、環境保護の点で好ましいことから、従来の熱硬化型樹脂や熱可塑性樹脂からの代替が進んでいる。こうした中、各種分野において活性エネルギー線硬化型樹脂の耐熱性や電気特性の向上が要求されている。現在、活性エネルギー線硬化型樹脂は、エステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の多種多様にわたっているが、特に耐熱性の向上には限界があった。
【0003】
耐熱性の改善された活性エネルギー線硬化型樹脂としては、エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られたカルボキシル基を有する感光性樹脂にカルボキシル基を有する感光性ポリアミド樹脂及びカルボキシル基を有する感光性ポリアミドイミド樹脂を反応させる製法が知られている(特許文献)。しかし、当該感光性樹脂組成物はポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリカーボネート等の柔軟骨格を有するため熱膨張が大きい。
【0004】
また、耐熱性の改善された活性エネルギー線硬化型樹脂として、例えば、3官能以上の芳香族カルボン酸及び/又はその無水物と、ポリイソシアネート化合物と、重合性二重結合と水酸基及び/又はエポキシ基を有する化合物とを反応させる活性エネルギー線硬化型ポリイミド樹脂の製造方法が知られている(特許文献2)。この特許文献2には、耐熱性、溶剤溶解性、活性エネルギー線硬化性、現像性等に優れるポリイミド樹脂が得られること、この製造方法で用いるポリイソシアネート化合物としては、ビュレット体やヌレート体も使用可能であること、溶剤溶解性や硬化性に優れるイミド樹脂が得られることから脂肪族又は脂環式のポリイソシアネートが好ましいこと等の記載がある。また、この公報の実施例には、ポリイソシアネート化合物として環状脂肪族ジイソシアネートを用いたポリイミド樹脂の製造方法が記載されている。
【0005】
しかし、前記特許文献2の実施例で得られるポリイミド樹脂は、エステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等に比べて耐熱性が良好であるが、まだ充分ではなかった。
【0006】
そこで耐熱性を改善するためにイソシアヌレート環と環式脂肪族構造とイミド環と(メタ)アクリロイル基とを有し、希アルカリ水溶液でパターニングが可能な重合性ポリイミド樹脂(I)を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型ポリイミド樹脂組成物が提供された(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−288090号公報
【特許文献2】特開2000−344889号公報
【特許文献3】特開2003−221429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献3において実施例で得られるポリイミド樹脂は、エステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等に比べて耐熱性が良好であるが、現像時においては現像残りを発生していた。そこで、本発明が解決しようとする課題は、優れた耐熱性を有し、かつ、希アルカリ水溶液でのパターニングが可能で、しかも、溶剤として通常の有機溶剤を使用することもでき、さらに、アルカリ現像時の現像残渣を低減することが可能な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレートと分岐状ポリイミド樹脂とを併用することによって、優れた耐熱性を有し、かつ、希アルカリ水溶液でのパターニングが可能で、しかも、溶剤として通常の有機溶剤を使用することもでき、さらに、アルカリ現像時の現像残渣を低減することが可能な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
カルボキシ基及び/又は酸無水物基と(メタ)アクリロイル基とを有する分岐ポリイミド樹脂(1)、エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物に、2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(2c)を反応させて得られたカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)及び有機溶剤(3)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、希アルカリ現像によっても現像速度が速く良好であり、かつ、現像残渣を低減させることもできる。特に、銅基板上での現像残渣を好適に低減させることができる。また、耐熱性に優れ、機械的強度、特に破断強度と破断伸度に優れる硬化塗膜を形成することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、カルボキシ基及び/又はその無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1)、エポキシ化合物(a)と不飽和モノカルボン酸(b)とのエステル化物に、2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(c)を反応させて得られたカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)及び有機溶剤(3)を含有することを特徴とする。以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
■分岐ポリイミド樹脂(1)
本発明で用いる分岐ポリイミド樹脂(1)は、カルボキシ基及び/又は酸無水物基と(メタ)アクリロイル基とを有し、かつ分子中に分岐構造を有するものであればいずれのものでも良いが、好ましくは以下の分岐ポリイミド樹脂(1α)または(1β)に対して、当該分岐ポリイミド樹脂(1α)又は(1β)が有するカルボキシ基及び/又は酸無水物基に、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)及び/又は(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)を反応させて得られるカルボキシ基及び/又は酸無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1γ)を挙げることができる。
【0013】
◆分岐ポリイミド樹脂(1α)
本発明に用いる分岐ポリイミド樹脂(1)として、3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(1a)と、3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(1b)とを有機溶剤中で反応させて得られる、カルボキシ基及び/又は酸無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1α)が挙げられる。
【0014】
・3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(1a)
前記ポリイソシアネート化合物(1a)としては、3個以上のイソシアネート基を有する公知慣用のポリイソシアネート化合物であればいずれのものでもよいが、例えば、環式脂肪族ジイソシアネート化合物を含有するジイソシアネート化合物を第4級アンモニウム塩等のイソシアヌレート化触媒の存在下あるいは非存在下においてイソシアヌレート化することにより得られる、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート化合物、例えば、環式脂肪族ジイソシアネート化合物の3量体からなるイソシアヌレート、5量体からなるイソシアヌレート、7量体からなるイソシアヌレート等や、それらのイソシアヌレート混合物が耐熱性、耐湿性に優れる点で好ましい。これらポリイソシアネート化合物のなかでも、環式脂肪族ジイソシアネート化合物の3量体からなるイソシアヌレート、即ち、イソシアヌレート環を1個含有するトリイソシアネート化合物が好ましい。環式脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。この中で、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート成分に占める割合は30重量%以上が耐熱性、耐湿性の点で好ましく、さらに、ポリイミド樹脂の製造が容易で、硬化物の耐熱性や高温高圧下での耐湿性に優れる点から50重量%以上、例えば50〜95重量%含有するものが特に好ましく、また、硬化物の耐熱性と共に、溶剤溶解性に優れる分岐ポリイミド樹脂を得る場合には100重量%のものを用いることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物以外のイソシアネート成分としては公知慣用の芳香族ジイソシアネートや非環式脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0015】
さらに、前記ポリイソシアネート化合物(1a)としては、当該ポリイソシアネート化合物に対してイソシアネート基を5〜30重量%含有するものであることが、硬化性、溶剤溶解性が良好な分岐ポリイミド樹脂が得られることからより好ましく、なかでも、イソシアネート基を10〜20重量%含有するものであることが特に好ましい。
【0016】
・3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(1b)
前記分岐ポリイミド樹脂の製造方法で用いるポリカルボン酸の酸無水物(1b)としては、3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸由来の酸無水物であればよく、特に限定されないが、なかでもトリカルボン酸の酸無水物、テトラカルボン酸の酸無水物が好ましい。トリカルボン酸の酸無水物としては、例えば、無水トリメリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸無水物等が挙げられる。テトラカルボン酸の酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物;ベンゾフェノン−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4.3′,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,2′,3′−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物;2,6−ジクロロナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,8,4,5−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物等の分子内に芳香族有機基を有するテトラカルボン酸の無水物が挙げられる。さらに、テトラカルボン酸の無水物としては、これら二無水物以外に、一無水物があり、単独もしくは二無水物とを併用して使用することができる。一無水物としては、例えば、二無水物の無水基の1個をアルコール等で開環させたものが挙げられる。また、上記の芳香族環を有する酸無水物に水素添加したものを単独または、上記の芳香族環を有する酸無水物と併用することができる。このような化合物としては、例えば、シクロヘキサントリカルボン酸およびその無水物が挙げられる。前記ポリカルボン酸の酸無水物(1b)は、1種又は2種以上を用いることができる。必要により、本発明の効果を発揮する範囲内であれば、さらに芳香族ジカルボン酸化合物及び/又はその無水物を併用してもよい。これらの中でも、無水トリメリット酸を用いることがより好ましい。
【0017】
・製造方法
前記分岐ポリイミド樹脂(1α)の好ましい製造方法としては公知慣用の方法でよく、例えば、有機溶剤中で、前記ポリイソシアネート化合物(1a)と、前記酸無水物(1b)とを、温度50〜250℃で1〜30時間反応させてカルボキシ及び/又は酸無水基含有ポリイミド樹脂(Iα)を製造する方法等が挙げられる。
【0018】
前記製造方法においては、なかでも反応が制御しやすいことから、ポリカルボン酸の酸無水物(1b)としてカルボキシ基を有する酸無水物を含有するものを用いてポリイソシアネート化合物(1a)と反応させる方法が好ましい。
【0019】
さらに、前記製造方法において、十分な溶剤溶解性、耐熱性、アルカリ現像性を有する分岐ポリイミド樹脂を得るためには、前記酸無水物(1b)中のカルボン酸無水物基及びカルボキシ基の合計モル数(n)とポリイソシアネート化合物(1a)中のイソシアネート基のモル数(n)の比(n)/(n)が0.3〜2.0であることが好ましく、なかでも0.6〜1.8であることが特に好ましい。
【0020】
ここで有機溶剤としては、各種の極性有機溶剤が使用できるが、なかでも、本発明で用いる分岐ポリイミド樹脂(1)を溶解することができる溶剤であって、窒素原子及び硫黄原子を含有しない極性溶剤、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等が好ましく、エーテル系溶剤が特に好ましい。なお、後述する有機溶剤(3)と前記分岐ポリイミド樹脂の製造方法で用いる有機溶剤とは、同一又は同一の溶剤を主成分とするものであることが好ましい。
【0021】
前記エーテル系溶剤としては、各種のものが使用可能であるが、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールジメチルエーテル等のポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等が挙げられ、なかでも、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
【0022】
また、エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0023】
前記分岐ポリイミド樹脂の製造方法で用いる有機溶剤の使用量としては、系内が均一で好適な反応速度で反応させることができることから、反応終了後の系内における含有率が10〜70重量%となる範囲が好ましく、なかでも20〜60重量%となる範囲が特に好ましい。
【0024】
前記分岐ポリイミド樹脂の製造方法において、ポリイソシアネート化合物(1a)と、ポリカルボン酸の酸無水物(1b)とを反応させて、カルボキシ基及び/又は酸無水基を含有するポリイミド樹脂(1α)を得る際、該ポリイソシアネート化合物(1a)とポリカルボン酸の酸無水物(1b)との重量比を変えることによって、得られるポリイミド樹脂(1α)の分子量及び酸価を調整することができる。また、上記ポリイソシアネート化合物(1a)とポリカルボン酸の酸無水物(1b)との反応の際にイミド化触媒等を使用しても良く、さらに酸化防止剤や重合禁止剤等を併用してもよい。
【0025】
前記活分岐ポリイミド樹脂(1)の製造方法では、ポリカルボン酸の酸無水物(1b)中の酸無水基及び/又はカルボキシ基が分子末端に存在するが、酸無水物基が分子末端に存在する場合、水等を用いて開環してカルボン酸を生成させてもよい。
【0026】
◆分岐ポリイミド樹脂(1β)
本発明に用いる分岐ポリイミド樹脂(1)として、前記したポリイソシアネート化合物(1a)とポリオール化合物(1c)とから得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(1d)を含有するポリイソシアネート化合物(1e)と、前記した3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(1b)とを有機溶剤中で反応させて得られる、カルボキシ基及び/又は酸無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1β)が挙げられる。
【0027】
・ウレタンプレポリマー(1d)
本発明で用いることができるウレタンプレポリマー(1d)としては、前記ポリイソシアネート化合物(1a)と、ポリオール化合物(1c)とを、ポリイソシアネート化合物(1e)中のイソシアネート基が該ポリオール化合物(1c)中の水酸基に対して過剰となるモル比で反応させてから得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー等が挙げられる。
【0028】
ポリオール化合物(1c)は、ポリイソシアネート化合物(1a)とウレタン結合を介して樹脂中に導入されるが、このようにポリオール化合物(1c)をイミド樹脂骨格に導入することによって、ポリイミド樹脂の溶媒溶解性が改良され、さらに現像の際の現像スピードや現像安定性等性能が良好となる。
【0029】
一般にウレタン結合の導入は、耐熱特性の悪化を引き起こす原因とされるが、前記のようなポリオール化合物(1c)によるウレタン変性では、直接イソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物と結合することと、イミド結合を有することにより、イミド樹脂の耐熱性の悪化が防止され、良好な耐熱性を維持できる。
【0030】
・ポリオール化合物(1c)
本発明に用いる前記ポリオール化合物(1c)は、1分子中に水酸基を2個以上有するポリオール化合物であればよく、特に限定されないが、なかでも、水酸基を2〜6個有する化合物が好ましく、ジオール化合物であることが特に好ましい。かかるポリオール化合物(1c)としては、例えば、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ウレタンポリオール、シリコンポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール等が挙げられる。
【0031】
なかでも、ポリオール化合物(1c)として、カルボキシ基を有するポリオール化合物(1c−1)を含有するポリオール化合物、即ち、カルボキシ基を有するポリオール化合物(1c−1)の単独、又は該ポリオール化合物(1c−1)とこれ以外のポリオール化合物の混合物を用いると、現像性能の向上や、各種硬化剤等の他の配合成分との相溶性の向上があるため好ましい。
【0032】
前記カルボキシ基を有するポリオール化合物(1c−1)としては、下記一般式(1)に示される化合物がさらに好ましい。
【0033】
【化1】

(但し、式中のRは、直接結合又は炭素原子数1〜6の炭化水素鎖、RとRは、異なっていても同一であっても良く、炭素原子数1〜6の炭化水素鎖である。また、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)
【0034】
前記一般式(1)で示される化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロールヘキサン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0035】
さらに、ポリオール化合物(1c)としては、前記一般式(1)で示される化合物と、ε−カプロラクトンとを反応させて得られるエステル化合物、前記一般式(1)で示される化合物と前記ポリオール化合物(1c−1)以外のポリオール化合物(1c−2)やジカルボン酸化合物(1c−3)とを反応させて得られるエステル化合物、前記一般式(1)で示される化合物とアルキルエステル化合物(1c−4)とをエステル交換反応させて得られるエステル化合物、あるいは、前記一般式(1)で示される化合物と前記ポリオール化合物(1c−2)とアルキルエステル化合物(1c−4)とをエステル交換反応させて得られるエステル化合物、等の水酸基を2個以上有する化合物も使用することができる。
【0036】
前記ポリオール化合物(1c−2)としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジクロロネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノ−ルA、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセロール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、2,2,6,6−テトラメチロールシクロヘキサノール−1、トリス2ヒドロキシエチルイソシアヌレート、マンニット、ソルビトール、イノシトール、グルコース類等の3官能以上のポリオール化合物などが挙げられる。
【0037】
また、前記ジカルボン酸化合物(1c−3)としては、各種のジカルボン酸、又はそれらの酸無水物が使用でき、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸、クロレンディック酸、ダイマー酸、アジピン酸、こはく酸、アルケニルこはく酸、セバチン酸、アゼライン酸;2,2,4−トリメチルアジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸;オルソフタル酸、4−スルホフタル酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、ムコン酸、しゅう酸、マロン酸、グルタン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロムフタル酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、ピロメリット酸、又はこれらの酸無水物等が挙げられる。
【0038】
さらに、前記アルキルエステル化合物(1c−4)としては、例えば、前記ジカルボン酸化合物(1c−3)のメタノール、エタノール、ブタノール等のアルキルエステル化合物等が挙げられる。
【0039】
・有機溶剤中で反応
前記分岐ポリイミド樹脂(1β)の製造方法としては公知慣用の方法でよく、例えば、前記有機溶剤中で、前記ポリイソシアネート化合物(1a)と、前記ポリオール(1c)とを、温度50〜110℃で1〜20時間時間反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(1d)を含有するポリイソシアネート化合物(1e)を製造し、続いて、前記ポリイソシアネート化合物(1a)と前記酸無水物(1b)を有機溶媒中で反応させる場合と同様に、前記ポリイソシアネート化合物(1e)と前記酸無水物(1b)反応させてカルボキシ基及び/又は酸無水物基を含有するポリイミド樹脂(1β)を製造する方法が挙げられる。
【0040】
ただし、十分な溶剤溶解性、耐熱性、アルカリ現像性を有するイミド樹脂を得るためには、ポリカルボン酸の酸無水物(1b)中のカルボン酸無水物基及びカルボキシ基とポリイソシアネート化合物(1e)中のカルボキシ基の合計モル数(nbe)とポリイソシアネート化合物(1a)中のイソシアネート基のモル数(n)の比(nbe)/(n)が0.3〜3.0であることが好ましい。
【0041】
◆分岐ポリイミド樹脂(1γ)
本発明に用いる分岐ポリイミド樹脂(1)として、前記した分岐ポリイミド樹脂(1α)及び/又は(1β)が有するカルボキシ基及び/又は酸無水物基に、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)及び/又は(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)を有機溶媒中で反応させて得られるカルボキシ基及び/又は酸無水物基を含有する分岐ポリイミド樹脂(1γ)が挙げられる。該分岐ポリイミド樹脂(1γ)は分子中に(メタ)アクリロイル基を有するため重合性を有し、熱硬化型ないし活性エネルギー線硬化型ポリイミド樹脂として用いることができる。
【0042】
・(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)
本発明に用いる(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸付加物、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、あるいは前記した水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などが挙げられる。
【0043】
また、各種エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させ、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基が生成されたエポキシ(メタ)アクリレートを使用できる。なかでも、2〜5個の(メタ)アクリレート基と1個の水酸基を有する化合物が好ましい。
【0044】
・(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)
本発明に用いる(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、5−ヒドロキ3メチルペンチル(メタ)アクイリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられる。
【0045】
また、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)として、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(1g−1)と(メタ)アクリル酸との反応で、エポキシ基当量をアクリロイル基当量より過剰にして反応して得られるエポキシ基が残存したエポキシアクリレートを使用することができる。
【0046】
かかるエポキシ化合物(1g−1)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンと各種フェノール類と反応させて得られる各種ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のエポキシ化物;2,2′,6,6′−テトラメチルビフェノールのエポキシ化物;ナフタレン骨格のエポキシ、フルオレン骨格のエポキシ等の芳香族エポキシ樹脂;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのごとき脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキヒシクロヘキシル)アジペートのごとき脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレートのごときヘテロ環含有のエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0047】
前記(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)及び/又は(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)は、それぞれ1種、又は2種以上を併用して使用することができる。
【0048】
・有機溶媒中で反応
前記本発明で用いる分岐ポリイミド樹脂(1γ)の製造方法としては公知慣用の方法でよく、例えば、前記有機溶媒中で、カルボキシ基及び/又は酸無水基を含有するポリイミド樹脂(Iα)及び/又は(1β)を合成した後、次いで、温度を50〜150℃に調整した後、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)及び/又は(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)を加え、1〜30時間反応させて、分子中にカルボキシル基及び/又は酸無水基を含有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有するポリイミド樹脂(Iγ)を製造する方法等が挙げられる。
【0049】
また、有機溶剤中で、前記ポリイソシアネート化合物(1a)乃至前記ポリイソシアネート化合物(1e)と、前記ポリカルボン酸の酸無水物(1b)と、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)及び/又は(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)とを加え、温度50〜160℃で1〜40時間反応させて、分岐ポリイミド樹脂(Iγ)を製造する方法が挙げられる。
【0050】
前記製造方法においては、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)や(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)は、前記ポリイソシアネート化合物(1a)と前記ポリカルボン酸の酸無水物(1b)の反応の途中又は終了後に添加して反応させても、同様の樹脂が得られる。
【0051】
前記ポリイソシアネート化合物(1a)乃至(1e)と前記ポリカルボン酸の酸無水物(1b)の反応終了後に(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)や(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)を添加して反応させる場合、ゲル化の危険を回避する必要がある。このため、前記ポリイソシアネート化合物(1a)と前記ポリカルボン酸の酸無水物(1b)とを、前記したモル比(n)/(n)又は(nbe)/(n)が0.9〜1.1とはならない範囲で用いることが好ましい。
【0052】
また、反応の途中で(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)や(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)を添加する場合、例えば、(i)イソシアネート基及び/又は酸無水基が残存している反応途中の系内に該化合物(1f)を添加して、該化合物(1f)中の水酸基とイソシアネート基及び/又は酸無水基とを反応させてウレタン結合及び/又はエステル結合を形成させ、反応性二重結合が導入されたポリイミド樹脂とする場合や、(ii)カルボキシ基が残存している反応途中の系内に該化合物(1g)を添加して、該化合物(1g)中のエポキシ基とカルボキシ基とを反応させてエポキシエステル結合を形成させ、反応性二重結合が導入されたポリイミド樹脂とする場合などが挙げられ、なかでも前記(i)の場合が好ましい。
【0053】
前記(i)の場合、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)は、該化合物(1f)中の水酸基のモル数(n)と反応系内に残存する酸無水基とイソシアネート基の合計モル数(nab)の比(n)/(nab)が0.5以上となる範囲、なかでも0.9〜2.0となる範囲で添加することが好ましい。また、前記(ii)の場合、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)は、反応系中に残存するカルボキシ基(nCOOH)のモル数と該化合物(1g)中のエポキシ基のモル数(n)との比(nCOOH)/(n)が1以上となる範囲、なかでも1.5〜20となる範囲で添加することが好ましい。
【0054】
前記カルボキシル基及び/又は酸無水基を含有する分岐ポリイミド樹脂(1α)乃至(1β)と、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)との反応としては、(イ)化合物(1f)中の水酸基とポリイミド樹脂(1α)中に残存する酸無水基との開環エステル化反応(半エステル化反応)、(ロ)化合物(1f)中の水酸基とポリイミド樹脂(1α)中のカルボキシ基とのエステル化反応、及び、(ハ)ポリイミド樹脂(1α)中に残存するイソシアネート基と化合物(1f)中の水酸基との反応が挙げられ、これらの反応により、ポリイミド樹脂(1α)に(メタ)アクリロイル基が導入され、分岐ポリイミド樹脂(1γ−1)が得られる。
【0055】
また、前記カルボキシ基及び/又は酸無水基を含有するポリイミド樹脂(1α)乃至(1β)と、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)との反応としては、(ニ)化合物(1g)中のエポキシ基とポリイミド樹脂(1α)乃至(1β)中に残存する酸無水物との開環エステル化反応、及び、(ホ)化合物(1g)中のエポキシ基とポリイミド樹脂(1α)乃至(1β)中のカルボキシ基とのエステル化反応が挙げられ、これらの反応によりポリイミド樹脂(1α)乃至(1β)に(メタ)アクリロイル基が導入され、分岐ポリイミド樹脂(1γ−2)が得られる。
【0056】
また、前記カルボキシ基及び/又は酸無水基を含有するポリイミド樹脂(1α)乃至(1β)と、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有する化合物(1g)とを反応させて得られる分岐ポリイミド樹脂(1γ−2)は、エポキシ基の開環に伴い水酸基が発生する。この水酸基に、さらに多塩基酸無水物を反応させて半エステル化することにより、レジスト用樹脂組成物として使用した場合の現像性の調整をすることが可能である。
【0057】
かかる多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及び、前記したポリカルボン酸の酸無水物(1b)等を挙げることができる。
【0058】
前記分岐ポリイミド樹脂(1)の製造方法では、ポリカルボン酸の酸無水物(1b)中の酸無水基及び/又はカルボキシ基が、当該ポリイミド樹脂の分子末端に存在するが、酸無水基が分子末端に存在する場合、水等を用いて開環してカルボン酸を生成させてもよい。
【0059】
・分子量調整
前記ポリイミド樹脂(1)の末端に残存するカルボキシ基や酸無水基を、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と反応させて分子量を調整することができる。かかるエポキシ樹脂としては、後述するエポキシ化合物(1g−1)が使用できる。
【0060】
・その他のポリイソシアネート化合物成分(1h)
前記分岐ポリイミド樹脂(1)においては、ポリイソシアネート化合物成分として、前記ポリイソシアネート化合物(1a)や、前記ポリイソシアネート化合物(1a)及びウレタンプレポリマー(1c)が用いられるが、必要に応じて、これら以外のポリイソシアネート化合物(1h)の1種又は2種以上を併用してもよい。
【0061】
前記ポリイソシアネート化合物(1h)としては、なかでも、ジイソシアネート化合物が好ましく、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボヌレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。これらのなかでも、脂肪族ジイソシアネートが特に好ましい。
【0062】
ポリイソシアネート成分として前記ポリイソシアネート化合物(1h)を併用する場合、前記ポリイソシアネート化合物(1a)及び/又はウレタンプレポリマー(1c)中のイソシアネート基のモル数(nac)と、前記ポリイソシアネート化合物(1h)中のイソシアネート基のモル数(n)の比(nac)/(n)が、1.0以上となる範囲でポリイソシアネート化合物(1h)を併用するが、なかでも1.5〜10.5となる範囲で用いることが好ましい。
【0063】
本発明で用いる分岐ポリイミド樹脂(1)は、イソシアヌレート環の濃度が0.6〜1.1mmol/g(樹脂固形分換算)であるものを用いることが好ましい。また、(メタ)アクリロイル基の濃度が0.7〜3mmol/g(樹脂固形分換算)であるものを用いることが好ましい。さらに、酸価が50〜180(樹脂固形分換算)であるものを用いることが好ましい。さらに、数平均分子量が1,500〜6,000で、かつ、重量平均分子量が3,000〜15,000のポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
上記の範囲で有機溶剤溶解性や耐熱性が良好で、レジスト用として用いた場合に希アルカリ水溶液でのパターニングが容易にできる。
【0064】
ただし、上記した分岐ポリイミド樹脂(1)のイソシアヌレート環の濃度、(メタ)アクリロイル基の濃度、酸価、数平均分子量、および、重量平均分子量の好ましい範囲の数値は、以下の方法で測定したものである。
【0065】
1.イソシアヌレート環の濃度:13C−NMR分析〔溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を行い、149ppmにあるイソシアヌレート環に起因する炭素原子のスペクトル強度から検量線を用いて分岐ポリイミド樹脂(1)1g当たりのイソシアヌレート環の濃度(mmol)を求める。なお、13C−NMR分析により169ppmにあるイミド環に起因する炭素原子のスペクトル強度から同様にイミド環の濃度を求めることもできる。
【0066】
2.(メタ)アクリレート基の濃度:理論的に不飽和結合1モルに対して160gの臭素が付加される関係を利用し、ポリイミド樹脂(1)中の臭素価を測定することで分岐ポリイミド樹脂(1)1g当たりの(メタ)アクリロイル基の濃度(mmol)を算出する。臭素価は、JIS K−2605に記載された方法で測定し、一般的には試料100g中の不飽和結合に付加された臭素のグラム数で表記されるため、得られた臭素価の値を16で割ることにより(メタ)アクリレート基の濃度(mmol/g)を求める。
【0067】
3.酸価:JIS K−5601−2−1に準じて測定する。尚、試料の希釈溶剤としては、無水酸の酸価も測定できるようにアセトン/水(9/1体積比)の混合溶剤で酸価0のものを使用する。
【0068】
4.数平均分子量と重量平均分子量:ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量と重量平均分子量を求める。
【0069】
■重合性樹脂(2)
本発明で用いるカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)は、エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物に、2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(2c)を反応させて得られる。
【0070】
・エポキシ化合物(a)
本発明で用いるエポキシ化合物(2a)としては、例えばフェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール又はアルキルフェノール類とホルムアルデヒド類とを酸性触媒下で反応させて得られるノボラック類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるノボラック型エポキシ化合物があり、東都化成社製YDCN−701、704、YDPN−638、602、ダウケミカル社製DEN−431、439、チバ・ガイギ社製EPN−1299、大日本インキ化学工業社製N−730、770、865、665、673、VH−4150、4240、日本化薬社製EOCN−120、BREN等が挙げられる。またノボラック型エポキシ化合物以外にも、例えばサリチルアルデヒドとフェノール又はクレゾールとの反応物にエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物(日本化薬社製EPPN502H、FAE2500等)が好適に用いられる。また、例えば油化シェル社製エピコート828、1007、807、DIC製エピクロン840、860、3050、ダウ・ケミカル社製DER−330、337、361、ダイセル化学工業社製セロキサイド2021、三菱ガス化学社製TETRAD−X、C、日本曹達社製EPB−13、27、チバ・ガイギ社製GY−260、255、XB−2615等のビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、アミノ基含有型、脂環式のグリシジルエーテル型等のエポキシ化合物も用いられる。またゴム変性エポキシ化合物、例えばエポキシ化ポリブタジエンPB3600、PB4700(ダイセル化学工業社製)、エポキシ化ブタジエン−スチレン エポブレンドΑT014等(ダイセル化学工業社製)、あるいはポリジメチルシロキサンのエポキシ化合物 X22−163B、KF100T(信越シリコン社製)等が挙げられる。また、Α,Ω−ポリブタジエンジカルボン酸に上記のようなエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ化合物、両末端カルボン酸のアクリロニトリル−ブタジエンゴムに上述のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールΑ型エポキシ樹脂の一部を反応させることにより得られるエポキシ化合物も用いられる。これらの中で屈曲性、ソリ等の機械的特性の点からゴム変性エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
【0071】
・不飽和モノカルボン酸(2b)
本発明で用いる不飽和モノカルボン酸(2b)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸が挙げられる。また飽和又は不飽和多塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類や、あるいは飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和モノグリシジル化合物との半エステル化合物類との反応物、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとを常法により等モル比で反応させて得られる反応物が挙げられる。これらの不飽和モノカルボン酸は単独又は混合して用いることができる。これらの中でアクリル酸が好ましい。
【0072】
・エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物
エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物は公知慣用の製造方法でよく、例えば、上掲のエポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とをエポキシ基とカルボキシ基のモル比が1:0.9〜1:1.1のほぼ当量近辺で触媒存在下、100℃〜160℃の温度で1時間から20時間程度反応させ目的とするエステル化合物(エポキシアクリレート)を得ることができる。このとき溶剤中で反応を行ってもよいし、重合禁止剤を併用してもよい。エポキシ基とカルボキシ基との反応触媒としては、公知慣用のものが使用でき、例えば3級アミン触媒、4級アンモニュウム塩触媒、イミダゾール類、トリフェニルフォスフィンなどのフォスフィン系触媒、有機金属塩など使用できる。
【0073】
・酸無水物(2c)
2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(2c)としてはフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸等の無水物が用いられる。
【0074】
・エステル化物と酸無水物(2c)との反応
エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物に、2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(2c)を反応させる。例えば、エポキシ化合物と不飽和カルボン酸の反応で生成した水酸基に対して、上記酸無水物(2c)を水酸基に1モルに対して0.1〜1の割合で反応させて得ることがきでる。 このときの反応温度としては50〜150℃が好ましく、反応時間は、1時間から10時間程度反応させ目的物を得ることができる。またこの時、エステル化触媒や重合禁止剤を併用してもよく、各種溶剤中で反応を行うこともできる。
【0075】
・その他
上記のカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)に更に、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、あるいはトリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートと1分子中に水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレート類、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの等モル反応物を反応させてウレタン結合を介して不飽和結合を導入して得られる化合物もカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)として用いることができる。
【0076】
カルボキシ基を有する重合性樹脂(2)は、その酸価(KOH mg/g)が、アルカリ現像性と電気特性他の特性バランス上、40〜250、好ましくは50〜150であることが好ましい。
【0077】
本発明の樹脂組成物には、カルボキシ基を有する重合性樹脂(2)以外に、他にカルボキシ基と(メタ)アクリレート基を有する特公平7−92603号公報あるいは特開昭63−205649号公報に示されるアクリル系、スチレン系樹脂を配合してもよい。
【0078】
上記に示したカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)としては日本化薬社からZFER1179が市販されている。
【0079】
前記分岐ポリイミド樹脂(1)と、前記重合性樹脂(2)との組成比は重量基準で樹脂(1)/樹脂(2)=2/98〜98/2、好ましくは2/98〜60/40、より好ましくは2/98〜50/50、さらに好ましくは2/98〜40/60、の範囲である。
【0080】
■有機溶剤(3)
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中に含有される有機溶剤(II)としては、前記分岐ポリイミド樹脂の製造方法で用いる有機溶剤と同様のものを用いることができる。
【0081】
前記有機溶剤(3)の使用量としては、塗装適性等に優れる組成物が得られることから、本発明の活性エネルギー線硬化型ポリイミド樹脂組成物中での含有率が10〜80重量%となる範囲が好ましく、なかでも20〜70重量%となる範囲が特に好ましい。
■その他成分
・エポキシ樹脂
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、分岐ポリイミド樹脂(1)、重合性樹脂(2)および有機溶剤(3)の他に、上掲のエポキシ樹脂を配合して熱硬化性成分として使用することができる。該エポキシ樹脂を熱硬化性成分として使用する場合、塗装→プレ乾燥→UV露光→現像→熱硬化でこの最終工程の硬化剤として作用する。熱硬化反応は、前記重合性樹脂(2)のカルボキシ基と、当該エポキシ樹脂のエポキシ基が反応して、UV露光時の反応以外でさらに熱架橋をするもので、これにより、より信頼性の向上を行うことができる。また重合性樹脂(2)のカルボン酸が反応することで耐水性向上等の面で効果がある。使用することができるエポキシ樹脂は上掲列挙した各種エポキシ樹脂が使用できる。好ましくは、分子中に2個以上のエポキシ基を有する芳香族系エポキシ樹脂が耐熱性等の面で好ましい。
【0082】
・硬化剤あるいは硬化促進剤
前記重合性樹脂(2)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、硬化剤あるいは硬化促進剤を使用することができ、例えば、メラミン、ジシアンジアミド、グアナミン樹脂やその誘導体、アミン類、フェノール類、有機フォスフィン類、ホスホニュウム塩類、4級アンモニュウム塩類、多塩基酸無水物、光カチオン触媒、シアネート化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0083】
・光開始剤
また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を光照射により硬化させるには、光開始剤を使用することができる。光開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン誘導体、ミヒラーズケトン、ベンジン、ベンジル誘導体、ベンゾイン誘導体、ベンゾインメチルエ−テル類、α−アシロキシムエステル、チオキサントン類、アンスラキノン類及びそれらの各種誘導体等が挙げられる。
【0084】
光開始剤の具体例としては、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル、ベンゾイン;ベンゾインベンゾエート、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェノイルフォスフィンオキシド、ビス(2,6)−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、メタロセン化合物等が挙げられる。
【0085】
さらに、これらの光開始剤に各種の光増感剤を併用することができ、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物又はニトリル類もしくはその他の含窒素化合物などが挙げられる。
【0086】
光開始剤の使用量としては、組成物中の樹脂固形分100重量部に対して 0.5〜25重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲内である。
【0087】
・反応性希釈剤
さらに、反応性希釈剤を、活性エネルギー線による硬化性の調整を目的として使用でき、例えば、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物、アクリルアミド化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。なかでも、レジスト組成物の現像性を向上させる点から、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物が好ましい。
【0088】
前記(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸付加物、2ーヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;あるいは前記した水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などが挙げられる。
【0089】
また、前記(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物として、各種エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートも使用できる。エポキシ基と(メタ)アクリル酸との反応によりエポキシ環が開環し、この時(メタ)アクリル酸エステルと水酸基が生成される。
【0090】
前記反応性希釈剤の使用量としては、光硬化性等に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られることから、ポリイミド樹脂(1)100重量部に対して、10〜200重量部となる範囲が好ましく、なかでも10〜100重量部となる範囲が特に好ましい。
【0091】
・フィラー
また、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、各種の無機充填材を添加することができ、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化けい素酸粉、微粒状酸化けい素、シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルムニウム、雲母等が挙げられる。
【0092】
・顔料
さらに、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、無機顔料、有機顔料等を添加することができる。無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデート・オレンジの如きクロム酸塩;紺青の如きフェロシアン化物、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、酸化鉄;炭化クロムグリーンの如き金属酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッド;硫化水銀の如き金属硫化物、セレン化物;硫酸鉛の如き硫酸塩;群青の如き珪酸塩;炭酸塩、コバルト・バイオレッド;マンガン紫の如き燐酸塩;アルミニウム粉、亜鉛末、真鍮粉、マグネシウム粉、鉄粉、銅粉、ニッケル粉の如き金属粉;カーボンブラック等が挙げられる。
【0093】
有機顔料としては、アゾ顔料;フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーンの如き銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
【0094】
・その他
さらに、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、更に、防錆剤、体質顔料等を添加することができる。これらは単独でも2種以上を併用してもよいが、紫外線を活性エネルギー線源として使用する場合は、硬化に必要な透明性を有する範囲で使用する必要がある。
【0095】
さらに、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、光硬化の特性や物性を改良するために各種(メタ)アクリレート化合物やビニル化合物を含有してもよい。
【0096】
■用途(レジスト材料)
・使用法
前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物はレジスト用組成物として好適に使用され、基板上に、スクリーン印刷方、スプレー法、静電スプレー法、エアレススプレー法、カーテンコータ法、ロールコート法などの従来公知の方法にて膜厚60〜160μmで塗布され、溶剤を60〜110℃で乾燥した後に、所望のネガパターンのマスクを透して紫外線等の活性エネルギー線の照射を行い、未露光部分を希アルカリ水溶液にて溶解除去(現像)することでパターンを形成し、更に、通常活性エネルギー線の照射及び/又は100〜200℃程度の加熱を0.5〜1時間程度行って、十分な硬化を行い、硬化塗膜を得ることができる。
【0097】
前記希アルカリ水溶液としては、公知慣用のアルカリ水溶液を使用することが可能であり、その代表例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液や、テトラメチルアンモニュウムヒドロキシドや、テトラエチルアンモニュウムヒドロキシド、テトラメチルホスホニュウムハイドロオキサイド等の水溶液を使用することができる。かかるアルカリ水溶液の濃度としては、0.2〜5重量%のものが挙げられる。現像方法は、塗装試料を現像液にディッピングして振とうする方法や、スプレーにて現像液を試料に吹き付ける方法等で行うことができる。また、現像液の温度は、10〜50℃である。
【0098】
前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化に用いる活性エネルギー線としては、電子線、α線、γ線、X線、中性子線又は、紫外線のごとき、電離放射線や光などが挙げられる。
【実施例】
【0099】
次に、本発明を実施例及び比較例により。具体的に説明するが、以下において部及び%は、特に断りのない限り、全て重量基準である。
【0100】
(合成例1)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた4口フラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート4332.0gと、IPDI−N 2772g(イソシアネート基のモル数12mol)と、無水トリメリット酸1536.0g(8mol)を仕込み、攪拌を行いながら160℃まで昇温した。60℃付近から激しく発泡しはじめ、フラスコ内容物は徐々に透明となった。160℃で4時間反応を行い、系内のイソシアネート基含有率が2.0%になった時点で80℃まで冷却した。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート935.0gと、メチルハイドロキノン3.51gを加え、さらに、その中にペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基価120)935.0g(2mol)を加え、発熱に注意しながら80℃で反応させた。80℃で4時間反応させた後、IRにて2270cm−1のイソシアネート基の吸収が消失していることを確認して、薄黄色透明の分岐ポリイミド樹脂溶液(1γ−1)を得た。
【0101】
(合成例2)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた4口フラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート4332.0gと、イソホロンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート化合物(以下、IPDI−Nと略記する。イソシアネート基含有率18.2%、イソシアヌレート環含有トリイソシアネート化合物の含有率95%)2772g(イソシアネート基のモル数12mol)と、無水トリメリット酸1536.0g(8mol)を仕込み、攪拌を行いながら160℃まで昇温した。60℃付近から激しく発泡しはじめ、フラスコ内容物は徐々に透明となった。160℃で4時間反応を行い、系内のイソシアネート基含有率が2.0%になった時点で80℃まで冷却した。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート935.0gと、メチルハイドロキノン3.51gを加え、さらに、その中にグリシジルメタクリレート284.3g(2mol)を加え、発熱に注意しながら80℃で反応させた。80℃で4時間反応させた後、IRにて2270cm−1のイソシアネート基の吸収が消失していることを確認して、薄黄色透明の分岐ポリイミド樹脂溶液(1γ−2)を得た。
【0102】
(合成例3)
温度計、攪拌器及びコンデンサーを備えたフラスコに、エチルカルビトールアセテート322.2gを仕込み、これにオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂EPICLON N−680〔DIC株式会社製、エポキシ当量212g/eq〕954.0g(エポキシ基4.5モル)を溶解させた。次いで、ハイドロキノン1.3gを加えた後、攪拌を行いながらアクリル酸325.8g(カルボキシ基4.5モル)と、トリフェニルフォスフィン 2.1gを添加し、空気を吹き込みながら130℃でエステル化反応を行った。反応終点は、酸価が1mgKOH/g以下になった点とした。その後、エチルビカルビトールアセテート611.2gと、テトラヒドロ無水フタル酸444.6gを加え、90℃で5時間反応させて、酸価82.4で、アクリロイル基の濃度が2.61mmolの淡黄色の酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂溶液(2)を得た。
【0103】
(実施例/比較例)
ポリイミド樹脂(1)成分として、合成例1、2で得られた分岐ポリイミド樹脂溶液を、重合性樹脂(2)成分として合成例3で得られた酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂溶液(2)を、その他、エポキシ樹脂としてオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量212g/eq 軟化点80℃をEDGAで不揮発分60%に希釈したもの(但し、表中の数値は固形分値)、光開始剤(イルガキュア907(チバスペシャルティケミカル社製))、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、熱硬化触媒(2−エチル−4−メチル−イミダゾール)を、表1、2に記載された配合比率(重量部)にて配合し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。各硬化型樹脂組成物を後述する試験方法に従って、各種測定を行った。それらの結果も表1、2に記載した。
【0104】
(評価方法)
■現像速度
実施例、比較例で得られた硬化型樹脂組成物をガラス基板にアプリケーターを用いて乾燥後30μmの膜厚になるように塗布し、得られたテストピースを80℃の乾燥器中に30分間放置して溶剤を揮散させ重量を測定した(W)。このテストピースを、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として、30秒間浸漬振とうし、水道水で洗浄した後再度重量測定を行った(W)。現像による重量減少量(W−W)、樹脂比重(1.2g/cm)、塗布面積(S)をもちいた下記で示される式より現像速度(t)を算出した。
◇現像速度[μm/min]:〔{(W−W)/1.2}/(S)〕/0.5
【0105】
■現像残渣
実施例、比較例で得られた硬化型樹脂組成物をガラス基板にアプリケーターを用いて乾燥後30μmの膜厚になるように塗布し、得られたテストピースを80℃の乾燥器中に30分間放置して溶剤を揮散させた。このテストピースを、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として、120秒間浸漬振とうし、水道水で洗浄した。現像跡を目視にて確認し現像残渣(現像できなかった樹脂組成物の残り)が確認されたテストピースは、残渣領域をトレーシングペーパーに転写し残渣分の形に切り取ったものの重量(W2)を、初期に塗布した面積(S)と同面積のトレーシングペーパーの重量(W3)と比較し、初期塗装面積に対する残渣面積として算出し評価を行った。
◇現像残渣[%]:W2/W3
【0106】
■タック性(指触乾燥性)
実施例、比較例で得られた硬化型樹脂組成物をガラス基板にアプリケーターを用いて乾燥後50μmの膜厚になるように塗布し、得られたテストピースを80℃の乾燥器中に30分間放置して溶剤を揮散させた。室温(25±2℃)まで冷却した後、指で表面を押してタック性を以下で評価した。
○: まったくタック性なし、かつ指の跡が残らない。
△: べたつきはないが指の跡が残る。
×: べたつきがある。
【0107】
■機械的強度
〈測定用試験片の作製〉
実施例、比較例で得られた硬化型樹脂組成物を硬化後の膜厚が25μmになるように鏡面アルミ基板上に塗装し、50℃の乾燥機で30分間、さらに100℃に昇温し30分間乾燥させた後、乾燥機を170℃に昇温し60分間硬化させて硬化塗膜を作製した。室温まで冷却した後、硬化塗膜を所定の大きさに切り出し、基板から単離して測定用試料とした。
〈引張試験測定方法〉
測定用試料を4枚作成し、下記の条件で引張試験を行い、破断強度と破断伸度を求めた。破断強度と破断伸度の値が高いほど機械物性に優れる塗膜であることを表す。
測定機器 :A&D社製 テンシロン1210A
サンプル形状:10mm×100mm
チャック間 :20mm
引張速度 :10mm/min
測定雰囲気 :23℃、50%RH
【0108】
■耐熱性
〈測定用試験片の作製〉
実施例、比較例で得られた硬化型樹脂組成物を硬化後の膜厚が25μmになるように鏡面アルミ基板上に塗装し、50℃の乾燥機で30分間、さらに100℃に昇温し30分間乾燥させた後、乾燥機を170℃に昇温し60分間硬化させて硬化塗膜を作製した。室温まで冷却した後、硬化塗膜を所定の大きさに切り出し、基板から単離して測定用試料とした。
〈耐熱試験方法〉
TG−DTA示差熱熱量重量同時測定装置を用い測定を行った。深型のアルミパン容器に樹脂塗膜を秤量し、室温から500℃まで昇温し重量変化により耐熱性を評価した。重量減少が小さいほど耐熱性に優れる塗膜であることを表す。
測定装置:SIINT TG/DTA6200
測定温度:RT〜500℃
昇温速度:10℃/min
【0109】
■熱膨張係数
〈測定用試験片の作製〉
実施例、比較例で得られた硬化型樹脂組成物を硬化後の膜厚が25μmになるように鏡面アルミ基板上に塗装し、50℃の乾燥機で30分間、さらに100℃に昇温し30分間乾燥させた後、乾燥機を170℃に昇温し60分間硬化させて硬化塗膜を作製した。室温まで冷却した後、硬化塗膜を所定の大きさに切りだし、基板から単離して測定用試料片とした。
〈熱膨張試験方法〉
セイコー電子株式会社製熱分析システムTMA−SS6000を用いて、試験長10mm、昇温速度10℃/分、荷重6mNの条件でTMA(Thermal Mechanical Analysis)法により測定した。なお、線膨張係数に使用した温度領域は20〜100℃の試験長の変位より求めた。なお、線膨張係数はその値が小さいほど熱膨張係数が小さく、優れることを意味する。単位はppm/K。
【0110】
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
本発明のレジスト組成物は、希アルカリ現像によっても現像速度が速く良好であり、かつ、現像残渣を低減させることができた。特に、実施例1〜8のものでは比較例2,3よりも現像残さを無くすことができた。また、本発明のレジスト組成物の硬化物は、耐熱性に優れ、機械的強度、特に破断強度と破断伸度に優れる硬化塗膜を形成した。また、接触式UV露光工程でのフォトマスクとのタック性も良好で、特に、分岐ポリイミド樹脂(1)の割合が少量であっても良好なタック性を呈した。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、各種のネガタイプレジスト、例えば、ソルダーレジスト、メッキレジスト、ビルドアップ法プリント基板や半導体素子の絶縁層用レジスト等のパターンニング材料等に最適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシ基及び/又は酸無水物基と(メタ)アクリロイル基とを有する分岐ポリイミド樹脂(1)、エポキシ化合物(2a)と不飽和モノカルボン酸(2b)とのエステル化物に、2個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(2c)を反応させて得られたカルボキシ基を有する重合性樹脂(2)及び有機溶剤(3)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項2】
前記分岐ポリイミド樹脂(1)と、前記重合性樹脂(2)との組成比が重量基準で樹脂(1)/樹脂(2)=2/98〜60/40の範囲である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
前記分岐ポリイミド樹脂(1)が、
3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(1a)と、3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸由来の酸無水物(1b)とを有機溶剤中で反応させて得られる、カルボキシ基及び/又は酸無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1α)
または、
該ポリイソシアネート化合物(1a)とポリオール化合物(1c)とから得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(1d)を含有するポリイソシアネート化合物(1e)と、3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸の酸無水物(1b)とを有機溶剤中で反応させて得られる、カルボキシ基及び/又は酸無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1β)
が有するカルボキシ基及び/又は酸無水物基に、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(1f)及び/又は(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(1g)を反応させて得られるカルボキシ基及び/又は酸無水物基を有する分岐ポリイミド樹脂(1γ)である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
前記酸無水物(1b)がカルボキシ基を有する酸無水物を含むものである請求項3記載の活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート化合物(1a)が、環式脂肪族イソシアネート化合物をイソシアヌレート化して得られるイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート化合物である請求項3記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
前記環式脂肪族イソシアネート化合物がイソホロンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートである請求項5記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
前記酸無水物(1b)が、無水トリメリット酸又は水添トリメリット酸である請求項3記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
エポキシ化合物(2a)が、ビスフェノール型エポキシ化合物またはノボラック型エポキシ化合物である請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。

【公開番号】特開2011−186042(P2011−186042A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49061(P2010−49061)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】