説明

活性化難燃剤およびそれらの適用

本発明は、窒素リン難燃剤および/またはスルホネート難燃剤の難燃性を高める方法、高められた(活性化された)窒素リン難燃剤および/またはスルホネート難燃剤ならびにそれらの適用に関する。活性化された難燃剤は、炭形成触媒、相間移動触媒またはその両方のいずれかで活性化される。本発明は、炭形成触媒および/または相間移動触媒の存在下で、窒素リンおよび/またはスルホネート成分を形成することによって、増強された難燃性を有する、活性化された窒素リンおよび/または窒素スルホネート難燃剤を形成する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2002年7月22日に出願された、米国出願番号10/200,036(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、難燃剤の難燃性を増強する方法、増強された(すなわち活性化された)難燃剤およびこれらの適用に関する。活性化難燃剤は、事実上無限の数および型の適用に対して、増強された難燃性を提供する。例えば、活性化難燃剤は、ポリマー(熱硬化性物質、熱可塑性物質、ポリマーマトリックス、ポリマーの混合物、コポリマー、ターポリマーなどが挙げられる)、コーティング、塗料、フィルム、樹脂、結合剤、繊維およびこれらから形成される物品において、改善された難燃性を提供する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
当該分野において、ポリマーの可燃性を減少または排除するための、いくつかの解決法が公知である。膨張物質が、産業において、40年以上にわたって使用されている。炭の形成によって防火を提供するために使用される、最初の市販の膨張剤の1つは、パラニトロアニリン(analine)オルトスルホン酸アンモニウム塩であった。現在、より通常の膨張剤は、一般に、系のポリマーおよび少なくとも3つの主な添加剤(本質的にリンを含有する添加剤(これの目的は、燃焼の間、非透過性の半固体のガラス層を形成することであり、本質的に、ポリリン酸からなり、そして膨張剤の形成のプロセスを活性化する);窒素を含有する第二の添加剤(これは、発泡剤の機能を果たす);および第三の炭素含有添加剤(これは、断熱性のセル状の炭素質層(「炭」)が、ポリマーと炎との間に形成されることを可能にする炭素供与体として作用する))によって構成される。高温でリン酸を放出するホスフェートが、頻繁に使用される。
【0004】
この型の膨張処方物の例としては、以下の特許によって報告されるものが挙げられる:米国特許第3,810,862号(Phillips Petroleum Co.)(メラミン、ペンタエリスリトールおよびポリリン酸アンモニウムに基づく);米国特許第4,727,102号(Vamp S.r.l.)(メラミンシアヌレート、イソシアヌル酸のヒドロキシアルキル誘導体およびポリリン酸アンモニウムに基づく);米国特許第6,015,510号(E.I.du Pont de Nemours and Company)(メラミンピロホスフェートおよび他の従来の化合物に基づく);ならびに公開された特許出願WO85/05626(Plascoat U.K.Limited)(種々のリン化合物および窒素化合物に基づき、これらのうちで、特に、メラミンホスフェートペンタエリスリトールおよびリン酸アンモニウムの組み合わせが記載される)。
【0005】
より近年の処方物において、有機リン化合物または無機リン化合物の使用と一緒に、窒素含有有機化合物が使用され、この化合物は、一般に、尿素、メラミンまたはジシアンジアミドの、ホルムアルデヒドとの縮合によって得られる、アミノプラスチック樹脂からなる。
【0006】
2つの添加剤を含有する処方物の例は、以下の特許に報告されるものである:米国特許第4,504,610号(Montedison S.p.A)(1,3,5−トリアジンのオリゴマー誘導体およびポリリン酸アンモニウムに基づく);ならびに欧州特許第14463号(Montedison S.p.A)(ベンジルグアナミンのうちから選択される有機化合物およびアルデヒドといくつかの窒素性環状化合物との間の反応生成物(特に、ベンジルグアナミン−ホルムアルデヒドコポリマー)およびポリリン酸アンモニウムに基づく)。
【0007】
自己消化組成物もまた、単一成分の添加剤を使用することによって得られ得、この添加剤は、米国特許第4,201,705号(Borg−Wagner Corp.)に開示されるように、それらの有機分子内に、窒素原子とリン原子との両方を含む。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの膨張難燃系は、この系が含むポリマーに、これらのポリマーが炎を受ける場合、または高温に曝露される場合に、炭素質残渣を形成する特性を与える。本発明は、現在および将来の、窒素リン(nitrogenous phosphorus)および/またはスルホネートの難燃剤を改善するための方法を提供する。本発明の活性化難燃剤は、以下の利点のうちの1つ以上を提供する:改善された炭の収量(炭のより迅速な生成および/または高品質の炭を含む)、炭の密度、自己消化特徴、断熱(活性化の際)ならびに/あるいは組成物に対するより低い煙放出。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、炭形成触媒および/または相間移動触媒の存在下で、窒素リンおよび/またはスルホネート成分を形成することによって、増強された難燃性を有する、活性化された窒素リン(nitrogenous phosphate)および/または窒素スルホネート難燃剤を形成する方法を提供する。
【0010】
本発明のさらなる局面は、少なくとも1つの窒素リンおよび/またはスルホネート、ならびに少なくとも1つの活性剤を含有する、活性化難燃剤である。活性剤は、炭形成触媒および相間移動触媒を含む。
【0011】
本発明の別の局面は、活性化難燃剤の組み込みによって、改善された難燃性を有する物品を提供する。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本願において、以下の用語は、以下の意味を有すると理解される:
「活性化難燃剤」とは、例えば、本明細書中に議論されるChar Yield Value試験によって測定される場合に、本発明の少なくとも1つの活性剤、炭形成触媒および/または相間移動触媒を組み込んで、活性剤なしでよりも改善された難燃性を提供する難燃剤を意味する。好ましくは、活性剤は、活性化難燃剤中に少量で、例えば、5重量%未満、または2重量%未満でさえ、そして好ましくは0.01〜1.8重量%で存在する。
【0013】
「ハロゲンを含まない」とは、難燃剤の総重量に基づいて、Cl、Fなどとして元素の基礎で計算されるハロゲンを本質的に含まない[すなわち、0.25重量%未満(好ましくは、0.1重量%未満、より好ましくは、0.01重量%未満)のハロゲンを含む]ことを意味する。
【0014】
「ヘテロ」とは、炭素原子および水素原子に加えて別の型の原子(好ましくは、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子)を含有する成分または化合物をいう。
【0015】
「金属を含まない」とは、難燃剤の総重量に基づいて、元素の基礎で計算される金属を本質的に含まない[すなわち、0.25重量%未満(好ましくは、0.1重量%未満、より好ましくは、0.01重量%未満)の金属を含む]ことを意味する。
【0016】
「膨張剤」とは、約100°より高温、好ましくは、190℃またはさらに250℃より高温に加熱する場合に膨張するが、特定の膨張材料が膨張する温度がその材料の組成に依存する、材料をいう。
【0017】
本発明の活性化難燃剤は、現在使用されるかまたは将来使用されるようになる「非活性化」難燃剤と同じ適用において使用され得る。活性化難燃剤の使用は、増強された難燃性を付与する。具体的には、活性化難燃剤は、改善された炭収量(より迅速な炭の生成および/またはより高品質の炭を含む)、炭の密度、自己消化特徴、断熱性(活性化の際)、および/または組成に対して低下した煙放出を付与する。さらに、本発明の好ましい難燃剤は、ハロゲンを含まないものおよび/または金属を含まないものであり、これらは、難燃性の利点を超えた公知の利点を系に付与する。
【0018】
その結果として、活性化難燃剤は、増加した難燃性を付与するために使用されてもよいし、またはより少ない(負荷)量で匹敵する難燃性を付与するために使用されてもよい。特定の系における活性化難燃剤の型および負荷レベルは、特定の設計基準に依存する。活性化難燃剤の負荷レベルは、例えば、系の総重量に対して、1重量%、5重量%、または8重量%程度に低く、そして20重量%、30重量%、またはさらに50重量%程度に高くあり得る。
【0019】
活性化難燃剤が使用され得る代表的な系としては、合成材料および/またはポリマー(エポキシ、ポリアミド(ナイロン6,6およびナイロン4,6が挙げられる)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリウレタン、これらのポリマーの誘導体、コポリマー、これらのポリマーの混合物、ならびにこれらのポリマーと他の成分とを含有する混合物が挙げられる)を含む化合物が挙げられる。このような組成物に組み込まれ得る適切な熱可塑性ポリマーとしては、例えば、オレフィンポリマーまたはオレフィンコポリマー、直鎖ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー(SAN)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー(ABS)、およびSBRゴムが挙げられ、そして熱硬化性ポリマーとしては、ゴム、ポリエステル、ポリアルキド、ポリウレタンおよびエポキシが挙げられる。
【0020】
本発明の活性化難燃剤を使用する組成物は、種々の適用において使用され得、この適用としては、例えば、物品、成分、コーティング、結合剤、塗料、繊維、エマルジョン(ビニルエマルジョンを含む)、接着剤、フィルム、ケーシング、構築材料、ゴムまたはゴム化成分、調理器具(cookware)、医療デバイス、複合材料、航空構成要素、パテ、封止剤、填隙剤、および防火材料の形成が挙げられる。
【0021】
本発明は、多くの通常の材料(例えば、プラスチック、繊維、および天然物質)の難燃性を増強する、顕著な能力を有するので、本発明は、これらの物質からなる物品、物体または組成物の難燃性を増強するという利点を有する。これらの材料に対する有用な適用は、構築材料またはハウジング材料の市場において使用される材料および物体において見出され得る。
【0022】
活性化難燃剤は、プレハブユニット内の任意の好都合な場所に組み込まれ得、例えば、そのユニットの断熱、ベニヤ、または接着剤を構成するポリマー材料に組み込まれ得る。あるいは、活性化難燃剤は、このようなユニットの層または要素を、例えば、スプレーまたは浸漬によって、コーティングするかまたは貫通するために直接適用され得る。
【0023】
本発明の活性化難燃剤は、リグノセルロース材料、セルロース材料、または複合材料を含有する板に組み込まれ得るか、またはこの板に適用され得る。本発明によって製造され得るリグノセルロース板としては、パーティクルボード、中密度ファイバーボード(MDF)農業繊維(agrifiber)ボード(例えば、黄板紙またはバガスなど)、配向ストランド板などが挙げられる。これらの板は、一般に、リグノセルロース粒子を結合剤樹脂でコーティングするか、または接触させて、リグノセルロース混合物を形成し、必要に応じて、他の添加剤(離型剤または木材用防腐剤が挙げられる)を添加し、そしてこの混合物を、高い温度および圧力で、板のような市場で有用な物品を作製するために十分な時間にわたって圧縮することによって、調製される。
【0024】
本発明の難燃剤によって処理され得る他の適切な複合板は、セッコウ(例えば、硫酸カルシウム半水和物または硫酸カルシウム二水和物)、あるいは強化剤および充填剤と混合されたセッコウを含み得る。
【0025】
活性化難燃剤組成物は、建物または壁の構築において使用される、プレハブ建築ユニットに組み込まれ得る。このようなプレハブユニットは、例えば、米国特許第5,642,594号;同第5,715,637号;および同第6,240,691号(これらの全開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0026】
通常、壁の中に位置する、電気、電話、通信または他の類似の型のインターフェース(本明細書中以下で、「インターフェース」)のための、建築材料(例えば、乾式壁体)における穴またはカットアウトは、炎の侵入のための脆弱な領域を提供し、従って、その建物の難燃性の一体性を損なう。本発明は、インターフェースを、増強された難燃特性で収容するためのカバープレートを提供する。
【0027】
本発明の組成物は、カバープレートに形成され得る。カバープレートとは、インターフェース(例えば、電気、電話、通信、または他の類似の型のインターフェース)を覆って設置される物品である。いくつかの実施形態において、カバープレートは、このインターフェースが位置する壁と同一面内にあるか、またはこの壁の表面にある。このようなカバープレートの非限定的な例としては、電気のコンセントまたはスイッチを覆って嵌合するプレート、電話のジャックのためのカバー、情報ポータル(例えば、イーサネット(登録商標)ジャック)、温度計のカバーなどが挙げられる。この実施形態において、本発明は、カバープレートの表面に防火性を与えることによって、構造体に改善された難燃性の一体性を提供する。
【0028】
繊維、糸、布、または繊維、糸、もしくは布から作製される製品の難燃性は、本明細書中に記載される活性化難燃剤の組み込み、処理、および/またはコーティングによって増大されるか、または改善される。繊維、糸または布は、天然製品(例えば、綿、亜麻、麻、羊毛、または大麻)あるいは合成製品(例えば、ポリマー(例えば、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリアルカン、ポリエーテル、およびポリアクリレートまたはフッ素化もしくは過フッ化ポリアルカン、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリアミドおよびマルチポリマー(multi−polymer)(すなわち、コポリマー、ターポリマーなど)、ならびにこれらの組み合わせ))のいずれかから作製され得る。その結果として、これらの材料から作製される製品または物品(例えば、絨毯、布、家具の材料、衣服または他の布製品、キャンプおよび他の屋外用の耐水性の布製品、合成皮革、縄など)の難燃性が、本発明によって改善され得る。
【0029】
好ましくは、本発明において使用される合成繊維は、ナイロン6,6;ナイロン6;ナイロン6,9;ナイロン6,10;ナイロン6IA;およびナイロン6TAのようなナイロンである。コポリマー(例えば、ナイロン6,6およびナイロン6;ナイロン6,6およびナイロン6,9;ナイロン6,6およびナイロン6,10;ナイロン6,6およびナイロン6IA);ならびにターポリマー(例えば、ナイロン6,6、ナイロン6,9およびナイロン6TA;ナイロン6,6、ナイロン6,10およびナイロン6TA;ならびにナイロン6,6、ナイロン6TA、およびナイロン6IA)もまた、適切である。
【0030】
本発明の難燃剤はまた、エポキシ樹脂に組み込まれて、改善された難燃性を付与し得る。このようなエポキシ樹脂は、例えば、コーティング組成物、半導体カプセル材、接着剤において、ならびに騒音および振動を減衰する材料として有用である。一般に、エポキシ樹脂は、エーテル型またはエステル型のいずれかであり、これらの両方が、本発明における使用に適切である。
【0031】
本発明の難燃剤はまた、ワイヤの組み継ぎ、絶縁、保護ジャケット、ワイヤの接続、および他の電気的適用のために使用され得る、電気テープに組み込まれ得る。このようなテープは、当業者によって認識されるような、任意の適切な型および構成のものであり得る。代表的に、これらのテープは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンまたはポリエチレン製の、少なくとも1つのポリマーまたはポリマー層を含む。
【0032】
本発明の難燃剤はまた、改善された難燃性を有する導体(例えば、導電体および/または光伝導体)のための絶縁を提供する。絶縁は、導体の周りの不導体または半導体の覆い、カバリングまたはコーティングを包含すると理解される。例えば、ジャケットは、1つ以上の絶縁された導体を囲む絶縁の1つの型である。
【0033】
このような絶縁体は、この目的に適切な任意の材料から形成され得る。例えば、ポリオレフィン、好ましくは、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。本発明の、絶縁されたかまたはジャケットを付けられた導体の構築は、任意の従来の技術(例えば、押し出し)により得、そして絶縁材料またはジャケット材料は、任意の添加剤(例えば、開始剤、安定化剤、可塑剤、および/または色素)をさらに含有し得る。
【0034】
一般に、活性化難燃剤は、任意の従来の技術(全てまたは多くの成分の、タンブルミキサー内での乾式混合、引き続いて融解ミキサー(例えば、Brabenderミキサー)および/または押し出し器内での融解、成分およびポリマーの同時の成形、粉末形態での全ての成分の一緒のブレンドおよびその後の所望の製品の形成が挙げられる)によって、組成物に添加され得る。活性化難燃剤はまた、組成物の1つ以上の成分の反応段階の間に、活性化難燃剤を導入することによって、系に組み込まれ得る。活性化難燃剤を、ポリマーの形成の前にモノマーと一緒に組み込むことは、活性化難燃剤の有効性をさらに増強し得る。
【0035】
活性化難燃剤は、活性剤の存在下で形成される、窒素リン成分またはスルホネート成分を含有する。窒素リン成分またはスルホネート成分は、活性剤が少なくとも部分的に、最終生成物の形成の前に導入されて、従来の技術のいずれかを使用して形成され得る。例えば、活性剤は、窒素含有化合物の1つ以上と一緒に、全てまたは一部のいずれかが導入され得、次いで、リンまたは硫黄を含有する化合物が、内部で反応する。これらの窒素リン成分またはスルホネート成分はまた、工程における1つ以上の反応物の部分を導入することによって、形成され得る。例えば、窒素含有反応物の全量の一部が、活性剤の一部に添加され得、続いて、リンまたは硫黄を含有する反応物の一部が添加され得、次いで、最終の活性化難燃剤を得るために望ましい任意の順序および多数の工程で、繰り返される。
【0036】
使用される窒素含有反応物およびリンまたは硫黄を含有する反応物の選択は、設計の選択事項である。適切な反応物としては、窒素リン難燃剤またはスルホネート難燃剤を形成する際に使用されることが公知のものが挙げられ、例えば、リン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、エチレン−ジアミンホスフェート、ピペラジンホスフェート、ピペラジン−ピロホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、グアニジンホスフェート、ジシアノジアミドホスフェート尿素ホスフェート、硫酸アンモニウム、ピロ硫酸アンモニウム、エチレンジアミンスルホネート、ジメラミンスルホネート、グアニジン(quanidine)スルホネート、およびジシアノジアミドスルホネートである。例えば、適切な窒素含有反応物としては、アンモニウム、アルキレンアミン(ジアミンを含む)、トリアジン、メラミン、メラム(melam)、メレム(melelm)、メロン(melon)、アメリン(ammeline)、アメリド(ammelide)、2−ウレイドメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、グアニジン、ジシアノジアミド、ジアミンフェニルトリアジンまたはこれらの混合物が挙げられる。好ましい窒素含有反応物としては、メラミン、アンモニウムおよびエチレンジアミンが挙げられる。適切なリン含有反応物または硫黄含有反応物の例としては、リン酸およびスルホン酸が挙げられる。
【0037】
活性剤は、窒素リン成分および/またはスルホネート成分の性能を増強する成分であり、そして好ましくは、炭形成触媒または相間移動剤、あるいは両方の組み合わせである。活性剤は、認容可能な増強された難燃性を提供する任意の量(例えば、5重量%、8重量%、または10重量%まで、ならびに0.01重量%、0.1重量%、および0.2重量%程度の少量)で、難燃剤中に存在し得る。炭形成触媒と相間移動触媒との両方を一緒に使用することが好ましく、これらは、難燃剤の総重量に基づいて、0.1重量%、好ましくは、0.3重量%と、3.0重量%、好ましくは、2.5重量%との間の量で、難燃剤中に存在し得る。
【0038】
いずれの特定の理論にも適用されることを望まないが、炭形成触媒は、系の一部の分解の時点で、分解する分子に固着するように働き得、これによって、低分子量の成分の生成を最小にし、そして迅速な炭の発生を可能にするといえる。同様に、この組換えプロセスは、炭形成触媒によって補助され、天然において螺旋DNAが果たす組換えの役割を模倣することが理論付けられる。その結果として、本発明の例示的な炭形成触媒として、少なくとも2つの環の各々に少なくとも1つの反応性基を有する多環式化合物が挙げられ、ここで、これらの環は、両方の環に共通の原子によって一緒に接合される。これらとしては、両方の環に共通の少なくとも1つの炭素原子によって接合された、少なくとも2つの複素環式環構造を含む、スピロ化合物が挙げられ得る。
【0039】
好ましい炭形成触媒は、以下の式Iによって表されるスピロ化合物が挙げられる:
−R−(R)m−R−R
ここで、
mは、1と8との間の数を表し、例えば、3未満または2未満であり;
は、独立して、2つの複素環式環構造を含む二価、三価、または四価のラジカルを表し、これらの複素環式環構造は、独立して、置換または非置換であり、飽和または不飽和であり、少なくとも1つの共通の炭素原子、そして好ましくは、これらの複素環式環構造に共通の2つ以下、例えば、1個の炭素原子によって、接合されており;
は、独立して、結合;または置換もしくは非置換の、飽和または不飽和の、ヒドロカルビル連結基またはヘテロカルビル連結基(好ましくは、C1〜C6のアルキル連結基、例えば、C3アルキル)を表し;そして
は、独立して、末端基(好ましくは、末端アミンであり、例えば、第一級アミン)を表す。
【0040】
例示的な化合物としては、複素環式環構造が、少なくとも2つの複素環式環構造中に、少なくとも2つのヘテロ原子を含み、そして/またはRが独立して、好ましくは少なくとも1つ、例えば2つの(隣接する2つを含む)6員の複素環式環構造を有する、二価のラジカルを表す化合物が挙げられる。これらの化合物としてはまた、複素環式環におけるヘテロ原子が優先的に酸素である化合物が挙げられ得る。
【0041】
好ましい炭触媒としては、少なくとも180、好ましくは少なくとも200の分子量、および/または200℃より高い引火点を有する触媒が挙げられる。好ましい炭形成触媒としては、テトラオキサスピロウンデカンの誘導体(例えば、アミン誘導体であり、例えば、2,4,8,10−テトラオキサスピロ−5,5−ウンデカン−3,9−ジプロパミン)が挙げられる。炭形成触媒成分はまた、添加剤(例えば、アミン添加剤、ニトリル添加剤(2−プロペンニトリルが挙げられる)および/またはオキシラン添加剤(ブトキシメチルオキシランが挙げられる))を含有し得る。
【0042】
相間移動剤は、このような目的で公知の任意の成分であり得る。適切な相間移動触媒としては、テトラヒドロカルビルアンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、および/またはアリールトリアルキルアンモニウム塩)が挙げられ、ここで、この塩は、臭化物塩、塩化物塩、水酸化物塩、および/または硫酸水素アンモニウム塩である。好ましくは、相間移動触媒としては、リン酸エステル、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素、および/またはベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0043】
本発明の組成物は、従来の添加剤(例えば、強化充填剤、顔料(例えば、カーボンブラックおよび二酸化チタン)、色素、紫外光安定剤、可塑剤、殺菌剤、増量剤、蝋、酸化防止剤など)を、当業者に公知の量でさらに含有し得る。
【0044】
他の有用な充填剤としては、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、硫酸カルシウムおよび硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられ、これらは、必要とされる物理的特性を妨害しないような少量で含有され得る。
【実施例】
【0045】
本発明の目的および利点は、以下の実施例からさらに説明されるが、これらの実施例に記載される特定の材料およびその量、ならびに条件および細部は、本発明を過度に限定すると解釈されるべきではない。
【0046】
(試験方法:炭収量値)
コーティングサンプルについての炭収量値を、約10グラムのコーティングをアルミニウム実験皿(lab pan)に注ぎ、そしてこのコーティングを、一晩、または80℃で約1時間オーブン内でのいずれかで硬化させることによって、測定した。硬化後、コーティングされた基板を秤量し(初期重量。実験皿の重量を含まない)、次いで、1000℃に維持されたマッフル炉に一晩入れた。炭化したコーティングされた基板を冷却し、そして再度秤量した(最終重量。実験皿の重量を含まない)。
【0047】
炭収量値=(最終重量/初期重量)×100。
【0048】
炭収量値が高いほど、コーティングの難燃性は良好である。
【0049】
(物質の用語解説:)
BTEAC 塩化ベンジルトリエチルアンモニウム
B−001 商標YSE−CURE B−001の下でAjinomoto Inc.から市販されている2−プロペンニトリルとの2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン−3,9−ジプロパンアミン付加生成物
B−002 商標YSE−CURE B−002の下でAjinomoto Inc.から市販されているアミン付加生成物を含む2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン−3,9−ジプロパンアミン
D−230 商標Jeffamine D−230の下でHuntsman Corp.,から市販されているポリオキシプロピレンジアミン
Epoxy 商標EPON 828の下でShellから市販されているビスフェノールA/エピクロロヒドリンに基づくエポキシ樹脂
Fyrol CEF AKZO Nobelから市販されているトリ(2−クロロエチル)ホスフェート
Fyrol DMMP AKZO Nobelから市販されているジメチルメチルホスホネート
NYAD NYAD−Wollastoniteは、NYCO Minerals Inc.から市販されている天然に存在するミネラルである。
【0050】
Paint 20 Vista Paintsから市販されているビニルアクリル屋外用半光沢ラテックス塗料
TBABr 臭化テトラブチルアンモニウム
TBAHS 硫化水素テトラブチルアンモニウム
(実施例1:アンモニウムポリホスフェート難燃剤の調製)
撹拌しながら、900グラムの水に、240グラムのアンモニウムおよびある量でB−001、炭触媒を加え、その結果、最終の、乾燥したアンモニウムポリホスフェート生成物が以下の表1に示される重量パーセントからなる。この混合物を、170°Fに温め、そして温度を保ちながら、リン酸をpHが7.0に達するまでゆっくりと加えた。この混合物を冷却し、乾燥し、すりつぶして難燃剤を回収した。
【0051】
(炭収量試験)
種々のアンモニウムポリホスフェート難燃剤の難燃性が、種々の難燃剤をそれぞれ表1−Aおよび1−Cに示されるような組成物から形成される透明なエポキシ樹脂中およびラテックス塗料組成物に混合することによりコーティングサンプルを調製することにより、そして本明細書中に示される方法に従って炭収量値について試験することにより、確立した。これらの結果を、表1−Bおよび表1−Dにそれぞれ報告する。
【0052】
【表1A】

【0053】
【表1B】

【0054】
【表1C】

【0055】
【表1D】

(実施例2:メラミンピロリン酸難燃剤の調製)
1200グラムの水を、130°Fに温めた。これに、撹拌しながら、100グラムのメラミン(2,4,6−トリアミン−1,3,5−トリアジン)ならびに下の表2−Bに示されるように炭および/または相間移動触媒を加えた。次いで、この混合物を、150°Fに温め、そして104.5グラムのピロリン酸四ナトリウムを加えた。この混合物を、170°Fに加熱し、200グラムの20度のボーメ塩酸のゆっくりな添加を開始した。加温を200°Fまで続け、このとき冷却を開始した。70°Fまで冷却した場合、混合物を濾過、乾燥およびすりつぶして、難燃剤を回収した。
【0056】
(炭収量値試験)
種々のピロリン酸アンモニウム難燃剤の難燃性を、種々の難燃剤を表2−Aに示される成分から形成されるエポキシ樹脂組成物中に混合することによりエポキシ樹脂コーティングサンプルを調製し、そして本明細書中に示される方法に従って炭収量値について試験することにより、確立した。これらの結果を、表2−Bに報告する。
【0057】
【表2−A】

【0058】
【表2−B】

(実施例3:エチレンジアミン難燃剤の調製)
900グラムの水に、撹拌しながら、240グラムのエチレンジアミンならびに下の表3に示されるようなTBAHS、相間移動触媒を加えた。この混合物を170°Fに温め、そして温度を維持しながら、pHが7.0に達するまでリン酸をゆっくりと加えた。この混合物を、冷却し、濾過し、乾燥し、そしてすりつぶして、難燃剤を回収した。
【0059】
(炭収量値試験)
種々のエチレンジアミンホスフェート難燃剤の難燃性を、種々の難燃剤を実施例2、表2−Aに示すようなエポキシ樹脂組成物中に混合することによりエポキシ樹脂コーティングサンプルを調製し、そして本明細書中に示される方法に従って炭収量値について試験することにより確立した。これらの結果を、表3に報告する。
【0060】
【表3】

(実施例4:エチレンジアミンホスフェート/メラミンホスフェートの調製)
900グラムの水に、撹拌下で、180グラムのエチレンジアミン、60グラムのメラミンおよび下の表4に示されるような炭および/または相間移動触媒を加えた。この混合物を、170°Fに温め、温度を維持しながら、pHが7.0に達するまでリン酸をゆっくりと加えた。この混合物を、冷却し、濾過し、乾燥し、すりつぶして、難燃剤を回収した。
【0061】
(炭収量値試験)
種々のエチレンジアミンホスフェート/メラミンホスフェート難燃剤の難燃性を、種々の難燃剤を実施例2、表2−Aに示されるようなエポキシ樹脂組成物中に混合することによりエポキシ樹脂コーティングサンプルを調製するか、または種々の難燃剤をCote−L Industriesから市販されているDurbak 16、ポリウレタンコーティング中に混合することによりポリウレタンコーティングサンプルを調製し、そして本明細書中に示される方法に従って炭収量値について試験することにより、確立した。これらの結果を表4に報告する。
【0062】
【表4】

本発明の種々の改変および変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者に明らかとなり、そして本発明が本明細書中に示される例示的な実施形態に過度に限定されないことが、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
少なくとも1つの窒素ホスフェート成分および/またはスルホネート成分、および
少なくとも1つの炭形成触媒および/または相間移動触媒
を含む、活性化難燃剤。
【請求項2】
前記炭形成触媒が、少なくとも1つの共通の炭素原子により連結される少なくとも2つの複素環式環構造を含むスピロ化合物を含む、請求項1に記載の難燃剤。
【請求項3】
前記炭形成触媒スピロ化合物が、以下の式I:
−R−(R)m−R−R (I)
により表され、ここで
mは、1と8との間の数を表し;
は、少なくとも1つの共有の炭素原子により連結される2つの独立して置換されたかまたは置換されていない、飽和または不飽和の複素環式環構造を含む二価ラジカル、三価ラジカルまたは四価ラジカルを独立して表し;
は、独立して、結合を表し;または置換されたかもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和のヒドロカルビル連結基もしくはヘテロカルビル連結基を表し;そして
は、独立して末端基を表す、請求項1〜2のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項4】
前記炭形成触媒が、前記少なくとも2つの複素環式環構造に共通である2つ以下の炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項5】
前記炭形成触媒が、前記少なくとも2つの複素環式環構造に共通である1つの炭素原子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項6】
前記炭形成触媒が、前記少なくとも2つの複素環式環構造の各々において少なくとも1つの酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項7】
前記炭形成触媒が、前記少なくとも2つの複素環式環構造の各々において少なくとも2つのヘテロ原子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項8】
が、独立して二価のラジカルを表す、請求項3に記載の難燃剤。
【請求項9】
が、独立して二価のラジカルを表し、ここで前記複素環式環構造の少なくとも1つが、6員環である、請求項3に記載の難燃剤。
【請求項10】
が、独立して二価のラジカルを表し、ここで少なくとも2つの隣接する複素環式環構造が、6員環である、請求項3に記載の難燃剤。
【請求項11】
が、独立して二価のラジカルを表し、ここで前記少なくとも2つの複素環式環構造におけるヘテロ原子が、大部分酸素である、請求項3に記載の難燃剤。
【請求項12】
前記炭形成触媒が、少なくとも1つの末端アミンを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項13】
前記炭形成触媒が、少なくとも1つの第一級アミンを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項14】
前記炭形成触媒が、少なくとも180の分子量を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項15】
前記炭形成触媒が、200℃より高い引火点を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項16】
前記炭形成触媒が、2つの複素環式環を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項17】
前記炭形成触媒が、各々が2つのヘテロ原子を含む2つの複素環式環を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項18】
前記炭形成触媒が、2つの末端アミンを含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項19】
が、独立して置換されたか置換されていない、飽和ヒドロカルビル連結基を表す、請求項3〜18のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項20】
が、独立してC1〜C6アルキル連結基を表す、請求項3〜19のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項21】
が、独立してC3アルキル二価連結基を表す、請求項3〜20のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項22】
が、独立してアミンを表す、請求項3〜21のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項23】
が、独立して第一級アミンを表す、請求項3〜22のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項24】
mが、3より少ない数を表す、請求項3〜23のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項25】
少なくとも2つのRが同じであり、少なくとも2つのRが同じであり、そしてmが1である、請求項3〜24のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項26】
前記相間移動触媒が、テトラヒドロカルビルアンモニウム塩を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項27】
前記相間移動触媒が、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、および/またはアリールトリアルキルアンモニウム基を含む、請求項1〜26のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項28】
前記相間移動触媒が、臭化アンモニウム塩、塩化アンモニウム塩、水酸化アンモニウム塩、および/または硫酸水素アンモニウム塩を含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項29】
前記相間移動触媒が、臭化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウムおよび/または塩化ベンジルトリエチルアンモニウムを含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項30】
前記難燃剤が、ハロゲンを含まない、請求項1〜29のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項31】
前記難燃剤が、金属を含まない、請求項1〜30のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項32】
前記難燃剤が、5.0重量%未満の炭形成触媒を含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項33】
前記難燃剤が、2.0重量%未満の炭形成触媒を含む、請求項1〜32のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項34】
前記難燃剤が、2.0重量%未満の相間移動触媒を含む、請求項1〜33のいずれか1項に記載の難燃剤。
【請求項35】
窒素リン酸の難燃剤および/またはスルホネートの難燃剤を形成する方法であって、以下:
アンモニウム含有化合物を少なくとも1つの炭形成触媒および/または相関移動触媒と混合する工程、および
該混合物を、ホスフェート含有化合物および/または硫黄含有化合物と反応させる工程
を包含する、方法。
【請求項36】
前記アンモニウム含有化合物が、アンモニウム、トリアジン、メラミン、メラム、メレム、メロン、アメリン、アメリド、2−ウレイドメラミン、アセトグアナミン、ベルンゾグアナミン、ジアミンフェニルトリアジンまたはこれらの混合物から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ホスフェート含有化合物および/または硫黄含有化合物が、リン酸および/またはスルホン酸から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項38】
請求項1〜34のいずれか1項に従う、活性化難燃剤を含む物品。
【請求項39】
前記物品が、コーティング、結合剤、塗料、繊維、エマルジョン、接着剤、フィルム、ケーシング、構築物品、ゴム化成分、調理器具、医療デバイス、複合材料、航空構成要素、パテ、封止剤、填隙材または防火材料である、請求項38に記載の物品。
【請求項40】
請求項35〜37のいずれか1項に記載の方法から形成される物品。
【請求項41】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の活性化難燃剤を含む、カバープレート。
【請求項42】
前記カバープレートが、コンセントカバープレートである、請求項41に記載のカバープレート。
【請求項43】
前記カバープレートが、電気スイッチカバープレートである、請求項41に記載のカバープレート。
【請求項44】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の活性化難燃剤を含む基材。
【請求項45】
リグノセルロース物質をさらに含む、請求項44に記載の基材。
【請求項46】
複合材料をさらに含む、請求項44に記載の基材。
【請求項47】
前記基材が、パーティクルボードである、請求項44に記載の基材。
【請求項48】
前記基材が、中密度ファイバーボードである、請求項44に記載の基材。
【請求項49】
セッコウをさらに含む、請求項44に記載の基材。
【請求項50】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の前記難燃剤を組み込み、該難燃剤で処理され、そして/またはコーティングされる、繊維。
【請求項51】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の前記難燃剤を組み込み、該難燃剤で処理され、そして/またはコーティングされる、糸。
【請求項52】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の前記難燃剤を組み込み、該難燃剤で処理され、そして/またはコーティングされる、繊維。
【請求項53】
前記繊維が、防水剤である、請求項52に記載の繊維。
【請求項54】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の活性化難燃剤を含む、エポキシ樹脂。
【請求項55】
ポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルをさらに含む、請求項54に記載のエポキシ樹脂。
【請求項56】
前記ポリエポキシドが、エピクロロヒドリンと脂肪族ポリカルボン酸、脂環式ポリカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸により得られる、請求項54に記載のエポキシ樹脂。
【請求項57】
前記ポリカルボン酸が、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、2,6−ナフテレンジカルボン酸および二量体化リノレン酸からなる群から選択される、請求項56に記載のエポキシ樹脂。
【請求項58】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の活性化難燃剤を含む、電気テープ。
【請求項59】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の活性化難燃剤を含む、絶縁体。
【請求項60】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の活性化難燃剤を含む、導体ジャケット。

【公表番号】特表2006−508199(P2006−508199A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523159(P2004−523159)
【出願日】平成15年7月21日(2003.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/022625
【国際公開番号】WO2004/009691
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(505024992)
【出願人】(505025003)
【出願人】(505025025)
【Fターム(参考)】