説明

流体ディスペンサノズル、および該ノズルを含んだディスペンサ装置ならびにその製造方法

流体ディスペンサノズルはほぼ剛体のサポート(13)に取り付けられた弾性シールリップ(35)を含み、シールリップはサポート(13)に属したシャッター部材(15)に対して密封状態を形成するように支持されて取り付けられ、サポートは移動可能な接続部材(16)を介してシャッター部材(15)に接続されたファスナー部材(14)を含み、ファスナー部材(14)はシールリップ(35)を担持している。移動可能な接続部材は、シャッター部材(15)が、シールリップ(35)から離間された第1の位置から、シャッター部材がシールリップ(35)に対して支持されてシールリップを弾性的に変形させている第2の位置へと移動可能となるように取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体ディスペンサノズル、および該ノズルを含んだディスペンサ装置ならびにそのようなノズルの製造方法に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は流体ディスペンサノズルに関するものであり、そのノズルはほぼ剛体のサポート上に貼り付けられた弾性のシールリップを具備し、そのシールリップは、サポートに属するシャッター部材に対して漏れが無いように圧入して適合されており、シールリップはそのシャッター部材の自由端に対して弾性的に圧縮される。
【背景技術】
【0003】
特許文献1はそのようなディスペンサノズルを記載しており、支持部材は中央コアを具備し、そのコアはそれに対して支持されたシールリップを備えている。シールリップはコアにオーバーモールドされており、そのコアをほぼ完全に取り囲んでいる。
【0004】
その文献に記載されたディスペンサノズルには以下の欠点がある。
・シールリップがオーバーモールド成型の間に予期せずにコアに接着された場合、ノズルは作動されなくなる点、および
・シールリップがコアに対して密封を形成するように支持され、リップが予圧されること無く支持されて、モールド成型後にノズルの冷却の間、収縮が発生する可能性を与えていることが確実である点、である。
【特許文献1】国際公開第00/26007号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の特別な目的はそれらの欠点を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明によれば、問題の種類のディスペンサノズルは、
・前記サポートは、移動可能な接続部材を介して前記シャッター部材に接続されたファスナー部材をさらに具備し、該ファスナー部材は前記シールリップを担持し、該ファスナー部材は環状とされて、中心軸に沿って内側端と外則端との間で延在し、前記シャッター部材は前記ファスナー部材の内側で前記自由端へと軸方向に延在し、且つ
・前記移動可能な接続部材は、前記シャッター部材が、前記シールリップから離間された第1の位置から、前記シャッター部材が前記シールリップに対して支持されて前記シールリップを(少なくとも小さい範囲で)弾性的に変形させている第2の位置へと移動可能となるように取り付けられていることを特徴としている。
【0007】
これらの性質を利用して、ノズルのシールリップはファスナー部材上に形成され、または固定されることが可能であり、一方でシャッター部材は、前記シャッター部材が前記シールリップの形成または固定を妨害しない第1の位置に位置しており、これによって前記シールリップの前記シャッター部材への予期しない接着の危険性を回避している。
【0008】
一旦シールリップがファスナー部材上の所定の位置に配置されると、シャッター部材は第2の位置に移動され、その後ノズルは通常の使用形態をとるようになる。したがって、シールリップはノズルハウジング内でサポートの係合の間コアの自由端に対して弾性的に押圧され、リップにある量の弾性的な予圧が常に存在するようになる。これにより流体通路が、閉じられた場合に完全に密封状態を形成することを保証している。さらに、シャッター部材とシールリップとの間の相対位置は移動可能な接続部材のために完全にコントロール下に置かれる。これによってシールリップによる密封的な閉鎖効果を保証することに寄与している。
【0009】
本発明の様々な実施形態において、償還は以下に記載の1つ以上の特徴を付加的に備えていてもよい。
・前記移動可能な接続部材は二位置において安定であり、前記シャッター部材の前記第1および第2の位置は安定位置とされている。
・前記移動可能な接続部材は、前記シャッター部材の周囲に所定の角度で分散されて且つ前記シャッター部材を前記ファスナー部材に接続している複数のアームを具備し、該アームは、
・前記第1の位置において径方向外側および軸方向に、前記ファスナー部材の内側端に向かって、且つ
・前記第1の位置において径方向外側および軸方向に、前記ファスナー部材の外側端に向かって、傾斜されて延在している。
・前記シールリップは環状であり且つ前記ファスナー部材に固定された外周を備え、環状の内側端は、前記シャッター部材が第2の位置にあるときに、前記シャッター部材の自由端に形成された環状シートに対して弾性的に支持されている。
・前記環状シートは略円錐台形であり、前記ノズルハウジングに向かって拡張されている。
・前記シャッター部材の自由端はスタッドを具備し、前記シャッター部材が第2の位置にあるときに、前記シールリップの環状の内側端によって形成された中心孔を少なくとも部分的に充填している。
・前記ファスナー部材の外側端は軸方向外側に面した端面を提供し、前記シールリップの外周は少なくとも前記端面に固定されている。
・前記ファスナー部材は内側環状面を含み、前記シールリップの外周は、前記ファスナー部材の外側端の少なくとも近傍において前記内側環状面に固定されている。
・前記シールリップは前記ファスナー部材にオーバーモールド成型されている。
・前記ファスナー部材は熱可塑性合成材料で形成されており、前記シールリップは前記熱可塑性材料に自然に接合される熱弾性材料で形成されている。
・前記ファスナー部材はポリブチレンテレフタレート(PBT)で形成されており、前記シールリップは液体シリコーンゴム(LSR)で形成されている。
・前記シャッター部材は軸方向の移動距離よりも短い距離によって前記ディスペンサヘッドから突出しており、前記移動距離は、前記シャッター部材を前記第2の位置から第1の位置へと移動させるのに必要とされている。
【0010】
本発明は流体ディスペンサ装置も提供しており、その装置は、
・外側に向かって開口したノズルハウジング内に開口した流体通路を含んだディスペンサヘッドと、
・上記に定義されたディスペンサノズルであって、前記ファスナー部材が前記ディスペンサヘッド内に係合され、前記サポートが前記ノズルハウジング内に係合され、前記シールリップが前記シャッター部材に対して密封状態を形成して支持されるように取り付けられ、それによって流体が前記流体通路から加圧されて到達しない限り、前記流体通路を外気から隔離しているディスペンサノズルと、
を具備している
【0011】
追加的に、前記ファスナー部材は外面を提供し、該外面は前記ディスペンサヘッドと直接的に接触して、前記ノズルハウジング内にぴったりと適合している。
【0012】
必要に応じて、前記ディスペンサヘッドは支持部材を含んでいてもよく、該支持部材はアバットメントに対して接触することによって前記シャッター部材と協働し、前記シャッター部材が第2の位置から第1の位置へと移動することを防止している。
【0013】
さらに、本発明は上記に定義された流体ディスペンサノズルを製造する方法も提供しており、その方法は、
a)前記サポートをモールド成型するステップと、
b)該サポートに前記シールリップを取り付けるステップと、および
c)前記シャッター部材を第1の位置から第2の位置へと前記ファスナー部材の内部で移動させるステップと、
を含んでいる。
【0014】
ステップb)はシールリップをオーバーモールド成型するステップであり、ステップc)は、まだ熱い状態において、ステップb)のあとすぐにサポートに作用される。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は以下の2つの実施形態の記載から表されており、その実施形態は限定的でなく、且つ添付図を参照するとともに与えられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
様々な図において、同一の参照符号は同一または類似の要素に指定されて使用されている。
【0017】
図1は例えば化粧品またはそのようなものを分配するための流体ディスペンサ装置1を示している。特に、液体または半液体の濃度を有する流体のためのディスペンサ装置である。
【0018】
ディスペンサ装置1は、状況に応じて圧力をかけられる流体を含んだ貯蔵容器2と、貯蔵容器2によって担持され且つ利用のために流体が放出されることが可能であるように適合されたノズル4を備えたディスペンサヘッド3と、を具備している。
【0019】
図2および5に示されたディスペンサヘッド3はボディ5を具備しており、そのボディは例えば熱可塑性合成材料、特にポリプロピレンまたはそのような材料の単一部品としてモールド成型されていてもよい。必要に応じて、ボディ5は金属または別の材質で形成された装飾的なカバーで覆われていてもよい。
【0020】
ボディ5は例えば(実施例の記載ではわずかにドーム形状となった)上面6と、略垂直軸Z上にセンタリングされた略円筒形のスカート7とを含んでいてもよい。スカート7の中心において、ディスペンサヘッドのボディ5は円筒壁8を含んでいてもよく、その壁はZ軸に沿って上面から自由端へと下向きに延在し、内部泉9を形成している。例えば、その内部泉はポンプまたはバルブ(図示略)の中空のアクチュエータロッドと係合することが可能である。
【0021】
内部泉9は流体通路10を通じてノズルハウジング11と連通しており、ノズルハウジングは中心軸Xに沿って外側に開口している。例えば、軸Xは軸Zと略直交状態であってもよい(軸Xは傾斜していてもよい)。ノズルハウジング11は、例えば軸Xを中心として略環状に円筒形状であってもよい。円筒壁8に隣接したその内部端において、ノズルハウジング11は、以下に記載している目的のための少なくとも1つのアバットメントを形成している肩部12を提供していてもよい。
【0022】
図2、3および4に示されているように、ノズル4はサポート13とシールリップ35とを具備している。
【0023】
サポート13はプラスチック材料、特に、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)のような熱可塑性材料の単一部品としてモールド成型されている。一例として、サポート13はファスナー部材14と、例えば二安定の移動可能な機械的接続部材16を通じてファスナー部材14に接続されたシャッター部材15とを具備していてもよい。
【0024】
ファスナー部材14は環状の形状であってもよく、より具体的には、軸Xを中心とした全体的に円筒形のスリーブで、内側端17と外則端18との間に延在していてもよい。ファスナー部材の円筒形の外面19は内側端17の近傍において環状リブ20を提供していてもよく、そのリブは径方向外側に突出していてもよい。このリブ20は、例えば、径方向の内向き且つ内部泉9に向かって収束した後面21と、軸Xに略直交した(図3参照)前面22とを含んでいてもよい。ファスナー部材14の外側端18は軸Xに略直交した端面23を提供していてもよく、その端面23の近傍において、ファスナー部材の円筒形の内側面24は拡大された角部25を提供していてもよい。
【0025】
シャッター部材15はプラスチック材料のコアの形式であってもよく、軸Xに関して対称な円形を提供しており、ベース26と自由端27との間で軸方向に延在している。例えば、それは環状シート28を提供し、特に円錐台面によって好適に形成されている。環状シート28はスタッド29によって軸方向外側に延伸されている。
【0026】
ファスナー部材14をシャッター部材15に接続している二安定の機械的接続部材はトグル接続部材16であってもよく、その接続部材はシャッター部材にファスナー部材を接続した複数のアーム30を具備している。アーム30はシャッター部材およびファスナー部材と一体にモールド成型されていてもよく、そのアームはシャッター部材15の周囲にある角度を持って分散されている(互いに120°の角度で分散された3つのアーム30が例示されている)。
【0027】
二安定の接続部材16は、シャッター部材15が第1および第2の安定位置の間で移動することを可能にしており、第1および第2の安定位置は以下の通りである。
・図7に示された第1の位置はリップ14が以下に記載された規則でモールド成型されている:この位置において、それぞれのアーム30は、径方向外側且つファスナー部材の外側端18に向かって傾斜したシャッター部材のベース26から、そのシャッター部材の内側面24まで、略半径面内において延在することが可能である。
・第2の位置または利用位置は、特に図3において見られるように、それぞれのアーム30が、径方向外側且つファスナー部材の内側端17に軸方向に向かったシャッター部材のベース26から、ファスナー部材の内側面24まで、略半径面内において延在することが可能である。
【0028】
第2の位置において、シャッター部材15は、(図2に見られるように)ディスペンサヘッド3から突出することが可能であり、それは、軸方向の変位よりも短い距離によるものであることが観察される。その変位は、二安定の接続部材16がヘッドの外側からシャッター部材に対して押圧されることによって第2の位置から第1の位置まで移動させることを必要とするものであり、これによってシャッター部材が装置の寿命を通じて所定の位置に残留することを保証している。
【0029】
図2および3に見られるように、シールリップ35はファスナー部材の内側面の端面23および拡大された角部25にオーバーモールド成型されてもよい。シールリップ35はエラストマ(熱可塑性材料)で形成されていてもよく、その材料は、シールリップ35がサポート13の材料に自然に接着し、単に結果としてそこにモールド成型されたようになるものが選択されてもよい。例示すると、リップ35は液体シリコーンゴム(LSR)で形成されていてもよい。
【0030】
ここに記載された実施例において、シールリップ35はX軸に関して回転された環状ボディの形状であり、そのリップの外周31は上述の端面23および拡大された角部25にオーバーモールド成型されており、シールリップの環状の内側端32は、シャッター部材が第2の位置にあるときに、シャッター部材15の環状シート28に対して弾性的に押圧している。この位置において、シールリップ32の環状の内側端32の中心にある空洞とされた中心孔33は、シャッター部材のスタッド29によってほぼ充填されており、これによって稼動と稼動との間で孔内において流体がよどむことおよび乾燥することを防止している。
【0031】
ノズル4の製造工程の間、サポート13は、図6に示しているように、第1の位置において二安定の接続部材16とともに初期的にモールド成型される。
【0032】
その後、シールリップ35はサポート13にモールド成型され、好適には従来型のデュアルインジェクション方式を利用した、サポート13をモールド成型するために使用される装置と同一のモールド成型装置内で成型される。型から取り外す間、シャッター部材のベース26は矢印34の方向(図7参照)に押圧され、図3に示しているように、シャッター部材15を第1の位置から第2の位置へと移動させる。その後、シャッター部材15はリップの外周の内側端32は弾性的に変形させてわずかに広げ、それによって上述の環状シート28に対してリップの弾性的な予圧を与えるとともに、密封的な接触を提供している。
【0033】
第1の位置と第2の位置との間での二安定の接続部材16を伴ったシャッター部材15のこの移動は、サポート13の構成材料となるプラスチック材料が(特にリップ35の熱弾性材料が全体的に熱間モールド成型されるので)まだ熱いことによってより容易にすることが可能である。二安定の接続部材16を形成しているアーム30は、したがって、この移動の間に塑性変形することになる。
【0034】
シールリップ35をモールド成型するために使用されるモールド型は内部インサート(図示略)を含んでいてもよく、そのインサートは孔33を貫通している中央ロッドと、シールリップ35の内側形状に一致した拡大されたヘッドとを備えていてもよい。型から取外す間、インサートはシールリップの中心孔33を通して回収され、したがって、そこを貫通するインサートの拡大されたヘッドとして弾性的に拡大されている。
【0035】
ノズル4が完全に形成された後、サポート13はノズルハウジング11内にぴったりとはまるように係合され、ファスナー部材14の外側面19はヘッドのボディ5と直接接触するようになる。この係合の間、環状リブ20はヘッドのボディ5の材料を部分的に変形させる。それはその材料がサポート13の材料よりもより柔らかいからである。この係合の動作はリブ20の後面21のプロファイルを傾けることによって、より容易になる。
【0036】
サポート部材13の後端17がハウジング11の肩部12に対して隣接するようになったとき、リブ20はボディ5の材料内に固定されるようになり、これによってノズル4が動くことを完全に防止されることを保証している。
【0037】
上述の装置の作動は以下の通りである:休止時、シールリップ35はノズルハウジング11、流体通路10および内部泉9を密封して閉鎖しており、これによって流体がディスペンサヘッド3の内部で乾燥することを防止している。使用者が手動でヘッド3を押圧した場合、ヘッドは貯蔵容器2に組み付けられたポンプまたはバルブの中空ロッドを動かし、これによって流体を内部泉9、通路10およびノズルハウジング11内に圧力をかけて放出させる。シールリップの環状の内側端32は弾性的に移動してシャッター部材のシート28から離間され、これによって流体の通過が可能になる。流体の放出の最後に、シールリップ35はすぐにシャッター部材15に対して再度押し付けられる。
【0038】
図8に示された本発明の第2の実施形態において、ディスペンサ装置は上述された装置と類似しており、したがってここでは詳細に記載されていない。このディスペンサ装置は上述の装置とは異なり、ディスペンサヘッド3は支持部材36を含んでいる。その支持部材は例えば円筒形または円錐ロッド形であってよく、ノズルハウジングの内側端から端面17まで軸Xに沿って延在し、シャッター部材15のベース26、またはその近傍と接触している。その支持部材は、一旦ノズルがディスペンサヘッドの所定の位置に配置されると、シャッター部材15が第2の位置から第1の位置へと移動可能となることを防止している。さらに、適切な位置で、支持部材36は、ノズル4がヘッド3に組みつけられる間、シャッター部材15を第1の位置から第2の位置へと移動させるようにすることを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるディスペンサ装置の例の斜視図を示している。
【図2】図1の装置のディスペンサヘッドの垂直断面を示した図である。
【図3】図2のディスペンサヘッドの一部を形成しているノズルの詳細な軸方向断面を示した図である。
【図4】図3の矢印IVに沿った視線方向におけるノズルの端面を示した図である。
【図5】ノズルが無い状態のディスペンサヘッドを示した図であり、図2と類似している。
【図6】図3と類似したシールリップをモールド成型する前のノズルを示した図であり、ノズルのシャッター部材は最終的な位置とは異なった第1の位置にある状態を示した図である。
【図7】図3と類似したシールリップをモールド成型した後のノズルを示した図であり、ノズルのシャッター部材は最終的な位置とは異なった第1の位置にある状態を示した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における図2に類似した図を示している。
【符号の説明】
【0040】
1 流体ディスペンサ装置
2 貯蔵容器
3 ディスペンサヘッド
4 ノズル
5 ボディ
7 スカート
8 円筒壁
9 内部泉
10 流体通路
11 ノズルハウジング
12 肩部
13 サポート
14 ファスナー部材
15 シャッター部材
16 接続部材
20 リブ
28 環状シート
30 アーム
33 中心孔
35 シールリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ剛体のサポート(13)に取り付けられた弾性シールリップ(35)を具備し、該シールリップは前記サポート(13)に属したシャッター部材(15)に対して密封状態を形成するように押圧されて取り付けられ、該シールリップ(35)は前記シャッター部材の自由端に対して弾性的に押圧されている流体ディスペンサノズルにおいて、
前記サポート(13)は、移動可能な接続部材(16)を介して前記シャッター部材(15)に接続されたファスナー部材(14)をさらに具備し、該ファスナー部材(14)は前記シールリップ(35)を担持し、該ファスナー部材(14)は環状とされて、中心軸(X)に沿って内側端(17)と外則端(18)との間で延在し、前記シャッター部材(15)は前記ファスナー部材(14)の内側で前記自由端へと軸方向に延在し、且つ
前記移動可能な接続部材は、前記シャッター部材(15)が、前記シールリップ(35)から離間された第1の位置から、前記シャッター部材が前記シールリップ(35)に対して支持されて前記シールリップを弾性的に変形させている第2の位置へと移動可能となるように取り付けられていることを特徴とする流体ディスペンサノズル。
【請求項2】
前記移動可能な接続部材(16)は二位置において安定であり、前記シャッター部材の前記第1および第2の位置は安定位置とされていることを特徴とする、請求項1に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項3】
前記移動可能な接続部材(16)は、前記シャッター部材(15)の周囲に所定の角度で分散されて且つ前記シャッター部材(15)を前記ファスナー部材(14)に接続している複数のアーム(30)を具備し、該アームは、
・前記第1の位置において径方向外側および軸方向に、前記ファスナー部材の内側端(17)に向かって、且つ
・前記第1の位置において径方向外側および軸方向に、前記ファスナー部材の外側端(18)に向かって、傾斜されて延在していることを特徴とする、請求項1または2に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項4】
前記シールリップ(35)は環状であり且つ前記ファスナー部材(14)に固定された外周(31)を備え、環状の内側端(32)は、前記シャッター部材が第2の位置にあるときに、前記シャッター部材の自由端(27)に形成された環状シート(28)に対して弾性的に支持されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項5】
前記環状シート(28)は略円錐台形であり、前記ノズルハウジング(11)に向かって拡張されていることを特徴とする、請求項4に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項6】
前記シャッター部材の自由端(27)はスタッド(29)を具備し、前記シャッター部材(15)が第2の位置にあるときに、前記シールリップの環状の内側端(32)によって形成された中心孔(33)を少なくとも部分的に充填していることを特徴とする、請求項4または5に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項7】
前記ファスナー部材の外側端(18)は軸方向外側に面した端面(23)を提供し、前記シールリップの外周(31)は少なくとも前記端面(23)に固定されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項8】
前記ファスナー部材(14)は内側環状面(24)を含み、前記シールリップの外周(31)は、前記ファスナー部材の外側端(18)の少なくとも近傍において前記内側環状面(24)に固定されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項9】
前記シールリップ(35)は前記ファスナー部材(14)にオーバーモールド成型されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項10】
前記ファスナー部材(14)は熱可塑性合成材料で形成されており、前記シールリップ(35)は前記熱可塑性材料に自然に接合された熱弾性材料で形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項11】
前記ファスナー部材(14)はポリブチレンテレフタレート(PBT)で形成されており、前記シールリップ(35)は液体シリコーンゴム(LSR)で形成されていることを特徴とする、請求項10に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項12】
前記シャッター部材(15)は軸方向の移動距離よりも短い距離によって前記ディスペンサヘッド(3)から突出しており、前記移動距離は、前記シャッター部材(15)を前記第2の位置から第1の位置へと移動させるのに必要とされていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の流体ディスペンサノズル。
【請求項13】
・外側に向かって開口したノズルハウジング(11)内に開口した流体通路(10)を含んだディスペンサヘッド(3)と、
・請求項1〜12のいずれか一項に記載のディスペンサノズル(4)であって、前記ファスナー部材(14)が前記ディスペンサヘッド内に係合され、前記サポート(13)が前記ノズルハウジング(11)内に係合され、前記シールリップが前記シャッター部材(15)に対して密封状態を形成して支持されるように取り付けられ、それによって、流体が前記流体通路から加圧されて到達しない限り、前記流体通路(10)を外気から隔離しているディスペンサノズル(4)と、
を具備していることを特徴とする流体ディスペンサ装置。
【請求項14】
前記ファスナー部材(14)は外面(19)を提供し、該外面は前記ディスペンサヘッド(3)と直接的に接触して、前記ノズルハウジング(11)内にぴったりと適合していることを特徴とする、請求項13に記載の流体ディスペンサ装置。
【請求項15】
前記ディスペンサヘッド(3)は支持部材(36)を含み、該支持部材はアバットメントに対して接触することによって前記シャッター部材(15)と協働し、前記シャッター部材が第2の位置から第1の位置へと移動することを防止していることを特徴とする、請求項13または14に記載の流体ディスペンサ装置。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体ディスペンサノズルを製造する方法において、
a)前記サポート(13)をモールド成型するステップと、
b)該サポート(13)に前記シールリップ(35)を取り付けるステップと、および
c)前記シャッター部材(15)を第1の位置から第2の位置へと前記ファスナー部材(14)の内部で移動させるステップと、
を含んでいることを特徴とする製造方法。
【請求項17】
前記ステップb)はシールリップ(35)をオーバーモールド成型するステップであり、前記ステップc)は、まだ熱い状態において、前記ステップb)のあとすぐに前記サポート(13)に作用されることを特徴とする、請求項16に記載の流体ディスペンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−522174(P2009−522174A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548010(P2008−548010)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002864
【国際公開番号】WO2007/077361
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)
【Fターム(参考)】