説明

流動層熱処理装置と方法

【課題】
国内バイオマスの活用のために小型分散型の流動層ガス化乃至炭化、半炭化でタール・粉塵を含む発生ガスを現地熱源として活用し、一方 発生した比較的高熱量の炭化物を現地消費、収集運搬輸送可能にする。
【解決手段】
流動層装置内部の短絡路設置、ダスト分離機構内蔵でタール凝縮閉塞を防止し、複数流動層段又は複数の流動化ガス吹き込みにより部分的に低流速部分を構成し、微細粉粒の吹き飛びを抑制し単位据付面積あたり処理能力を維持又は増加する。小型装置の難点であった熱損失を減じ、流動室内部の温度分布制御によって運転を安定させ半炭化をも容易にする。複数機能の選択、兼用、組合せによって従来の大型流動化装置は勿論、小型装置を熱発生装置であると同時に炭化物生産装置とする。炭化物の自家消費も可能である。融通性増加によって物性、生産量変動が激しいバイオマスを均質炭化物に転換し燃焼、炭化物生産併用とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
炭素性可燃物の炭化、半炭化、ガス化、炭素活性化、燃焼等を行なう流動層装置と方法であって、バイオマス、石炭石油類、紙、廃プラスチック等の可燃有機物の熱処理に適した装置と方法に関する。しかも比較的小型の分散型熱源として温室、業務用、家庭用分散型熱源としてバイオマスの粉粒、チップ或は片状破砕物、紙片等を直接燃焼できる。乾留ガス、ガス化ガスは温水ボイラー、ボイラー、発電ボイラー、ガスタービン等の燃料に適し、同時に炭化物を生産でき経済性を向上できる。さらに流動層装置を熱源として伝熱壁又は有孔仕切り壁を介して固定層の燃料を断熱に使用し、或は予熱若しくは炭化等の加熱処理ができる。燃焼機との小型一体構造も可能である。
【背景技術】
【0002】
流動層による熱処理技術、特に粉粒状乃至細片状可燃物の熱分解、炭化、ガス化技術はガス状燃料と粉粒炭素燃料を発生させる高速大量処理に適している。しかも高価な塊状、ペレット状燃料の製造と使用を必須条件としない特徴がある。
【0003】
従来、化学装置、燃焼装置は大型であるほど経済性がよいものとされていた。比較的大型の装置は公知であるが。必要な原燃料としてのバイオマスの収集・運搬・大量集積費が嵩み大型製材所、チップ、石炭輸入基地、産炭地のように大量集積が可能な立地以外では国内では経済性がなかった。一方これを分散型熱源として温室、業務用、家庭用分散型熱源にバイオマスのペレット化工程なしでも活用可能にする発想はなかった。また炭化・ガス化によって発生したタール、粉塵を含む可燃性ガスを燃焼して小規模熱源とし、一方その際に発生する炭化物を粉粒燃料としてそのまま循環利用し或は家庭用、小規模事業用燃料、調湿材料、吸着浄化材料等に流通させ利用する発想もなかった。
【0004】
荒地や休耕地、山林、雑草地、住宅、公園等の剪定、田畑、道路などの法面手入れが容易になり収集運搬コストが下がれば、これらをバイオマスとして大量安価に入手し、現場での粉砕―高速自然乾燥装置を前提条件にできる。ここに低コスト小型化が可能な熱処理装置があれば国内バイオマスの大量経済的利用、炭酸ガス対策の道が開ける。
発明者の特願2007−317217、特願2007−105016、特願2009−009835、特願2009−106301等は関連する技術である。ここに小型装置分散型熱処理装置と組み合わせて経済的なバイオマス大量活用システムが可能になる。
【0005】
特許文献1乃至3は最近までの流動層技術であって、濃厚流動層の上部にはスプラッシュ部、フリーボード部が必要であることを示している。特許文献1は金属製品熱処理炉において、粉粒体の静止充填高に対するフリーボード高さが5倍以上であったのを2,5倍に低くして装置の屋内設置を可能にした。特許文献2,3は燃焼炉等においても流動層のスプラッシュゾーン、フリーボードの記述がある。特許文献4は水蒸気又は酸素濃度の低いガスでバイオマスを炭化しつつ生成物全量を発生ガスと共に燃焼室へと送って燃焼させる技術を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−293910号公報
【特許文献2】特開2000−18538号公報
【特許文献3】特開2007−217696号公報
【特許文献4】特開2004−354030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの例示技術は前3つの特許文献は一般流動層に於いては、流動層の上に接して一定の無視できない高さの空間が必要であることを示し、流動層段を重ねると一定の高さを要することを意味する。即ち大幅な高さの節約は難しいと考えられていた。よって装置の能力増増設では装置を並べ据え付け面積を占有することになった。一定の反応達成度を要しない後者の場合には可燃性の熱処理生成物を分離せずに燃焼室へと送り燃焼させることを示している。一定品質の副生炭化物の取得は困難である。しかも過熱障害回避のために流動化に水蒸気か酸素濃度の低いガスを利用していると考えられる。これは小型装置の家庭用、温室用、小規模事業用には簡便とはいえず適していない。
【0008】
本発明は流動層上部の空間高さを低くして単段或は多段の流動構成を可能にしようとする。
しかも流動化ガスとして空気を利用でき、硅砂等の流動媒体を必須条件としない
簡略化された燃焼装置であって、炭化物を副生させるものである。従来の一般的な流動層炭化乃至ガス化装置、半炭化装置は小型化困難であった。実験装置は小型であるが、熱損失を補うために電熱加熱しあるいはやや大型の装置では熱損失を補うために流動化ガス或は水蒸気を予熱し若しくは過大な外熱を加えるので実用性が問題であった。比較的高温処理を行う熱装置の小型、分散型の装置は実用装置としては熱損失が大きく、そのためにタール閉塞障害が起き易く、しかも炭化物収率を上げるために比較的低温で炭化乃至半炭化しようとすると温度が不安定になり運転困難である。流動層を利用した流動炭化に於いて空気による部分燃焼は熱効率がよい。しかし炭化物収率を上げるために比較的低温で炭化しようとすると補助燃料を利用しない場合には安定な連続運転は難かしかった。
【0009】
装置に使う耐火材料、断熱材料、金属材料は比較的高価である。低温運転することによって節約したいものであった。このためにも運転の安定化は必要であった。
単位処理量当りの熱損失に関係する装置表面積を小にし、損失熱を回収し、しかもタール凝縮防止が必要であった。
固定床炉或は回転炉は処理速度が遅く、粉粒、不定形可燃物の大量処理には必ずしも適していなかった。自動化も困難であった。
木炭収率を上げるには低温で炭化し残留揮発分が多いのが好都合である。木質炭化の或例では250℃ 65%、300℃ 50%、400℃ 40%、500℃ 35%、600℃ 30%であったという。従って炭化物収得目的なら低温炭化ほどよいが、炭化炉の効率を上げようとすると低温部分燃焼反応では不安定になり、補助燃料利用が必要となり、それでも自燃部分燃焼の安定性の点から、連続炉では500℃付近の炭化温度が普通であり歩留向上には限界があった。
【0010】
流動層装置において装置高を低くすればコストダウンになり、可搬性小型装置も可能になるが、粉塵損失と未反応粒子飛び出しが増大する難点があった。さらに、コストを下げるためには装置は多機能、多用途であることも望ましい。従来の装置は専用、単機能が普通であり、固定床反応併用或は予熱等の機能は併用しないのが通例であった。
またバイオマスは品質形態が多様であって、原燃料として使う場合には化石燃料のように大量の一定品質のものを入手し、調整して一定条件で使うことは難かしい。よって多様なバイオマスを炭化物に加工すれば、炭化物は原料にかかわらず、ほぼ一定の形態粉粒として得られ収集輸送利用は自動化容易であり、より原燃料として適するものとなる。
一方、バイオマスは粉砕乾燥後の段階でなお粒度、性状は多様であって、特に粒度が大きく変わるならば炭化・ガス化条件と能力が変わり、現地で一定の熱所要量を得、或は負荷変動に対応するには大幅な融通性が必要である。その程度は2乃至10倍の範囲が望ましい。同一装置でこのような大幅能力変更は多数並列による増設以外には困難であった。
【0011】
バイオマスは伐採、刈取直後は水分が多く、嵩高である。本発明者の上記特許出願は発生場所或は近辺で簡易な粉砕、乾燥によって粉砕乾燥バイオマスを得、これをホッパーローダー、粉粒コンテナー、バルク輸送等で収集し或は分散型の小型炭化、ガス化装置で発生乾留ガス乃至、ガス化ガスを燃焼して温室用、家庭用燃料、業務用とし、一方副生する炭化物、ガス化残渣炭素を燃料として貯蔵し余剰炭素を燃料として販売する経済化が可能になる。炭化物は原料バイオマスより高発熱量で輸送、貯蔵、利用の自動化が容易である。
本発明は小型で分散配置、熱利用が容易で燃料油、ガスに近い使用性がある新しい炭化・ガス化・燃焼装置であり、粉粒炭化物の簡易な燃焼装置との組み合わせシステムによって自家消費と販売の一層の改善効果が期待できる。従来、このようなシステムと装置はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)能力の大幅増減を容易にするために本発明では流動層の段を上下或は段違いに重ねること。その着脱、バイパスを容易にすること。
流動層は多孔板分散板又は多孔管型流動層、スパウテッド流動層、噴流流動層、気流旋回吹き込み流動層の1つ又は組み合わせが使用できる。
(2)同一流動層段数でも流動化ガス流路、バイパスを設け段の使用、不使用でバイオマス粒度が細かい時には複数段を使用し、或は流動化ガスの段階吹き込みによって下部段の吹き込み空気量を減じて流動条件を維持することもできる。
これらによって、流動室流速を、流動層2段なら半分、4段なら1/4にできる。装置内径はそれぞれ30%減、及び半減の小型化が達成できる。即ち同一粒子条件ならば同一断面積で例えば2乃至4倍の能力増が可能になり相対的に小型化できる。
バイパス流路を使えば下部流動層は比較的低い流速で運転して比較的微細粒子に対して過大な流速を避け、上部で不足空気を吹込んで内熱部分燃焼の不足空気を補うことができる。
ここで発生する流動層全体の温度・物質分布制御の問題は流動層内、流動層間の流動化粒子の授受によって均一化、或は制御された不均一化を達成できる。
【0013】
流動層を独立段として運転するには各段の粉粒授受が安定でなければならない。
この粒子授受制御は公知の溢流管逆流制御、例えば公知のオリフィス等の抵抗、空気エゼクタ、逆止弁、回転弁、ダンパー等で制御できるが、本発明では撹拌機、供給機軸を駆動に使って作動を保障することができる。例えば撹拌機に付けた腕等でダンパーを蹴り、開閉はバネ、バランスで調整できる。或は図4のようにロータリー弁の軸を撹拌軸と共通軸又は駆動とし、或は図5のように供給機軸を撹拌機軸、ロータリー弁軸の共通軸に利用できる。かくして簡易、小型化、信頼性の向上が容易になる。
【0014】
(3)従来のガス化において、流動層上部に追加のガス化剤例えば空気、酸素を吹込むことは公知である。
しかし、上部吹き込みノズルだけで良好な流動層を形成するものではなかった。本発明では追加の流動化ガス、例えば空気は下部流動層の流動化ガスなしで上部だけ又は下部だけ流動化させる装置条件を設定し、しかも上下流動層の粒子交流を可能にする。このようにすれば上下方向に配置された流動層の温度均一化、或は制御された不均一化を可能にする。これによって半炭化も可能になる。しかも微粒燃料の場合の吹き飛びによる処理能力低下の難点を解決し、小型化ができる。
【0015】
請求項1の発明は有機物を流動室でガス化、炭化又はこれらの組合せ熱処理を行い、発生ガスを燃焼しつつ炭化物若くは炭素含有残渣を発生する流動層装置に於いて、流動室に流動化ガス又は発生ガスの短絡流路を設けたことを特徴とする流動層熱処理装置。
請求項2の発明は請求項2の発明において一段の流動層の場合には流動層の内部に短絡流路下端を置き上端はフリーボードに位置して余分の流動化ガスあるいは空気を短絡路に導入して該流動層の流速を上げずにもしくは流動条件を変えずに温度を調節できるものである。制御する流体量は少なくてすみ、制御弁も小型でよい利点がある。
【0016】
2段以上の流動層の場合、従来流動層と異なり流動層及びスプラッシュゾーン、フリーボードの流速を高さ方向、断面内流速分布を自由に設定変更でき、同一段流動層内でも温度、物質分布を自由にとることができる利点があり、流動層事態の安定性、熱処理条件の安定性、タール障害の防止に有効である。
「流動室に1段以上の流動層又は段差を有する流動層を設け、流動層は独立して流動化できる流動化ガス吹き込み機構を備え、各段の流動層と粉粒の溢流又は底部からの流出口若しくは短絡流路から選ばれた1つ又は組合せによって連絡賂を形成している流動層処理装置。」
【0017】
請求項3の発明は流動層への供給排出、複数の流動層間の粉粒、流動化ガスの授受、循環を自由に制御し安定化させるものである。
「流動層間の連絡路の流通制御機構である回転弁27又は逆止弁12の撹拌機軸或は供給機軸による駆動、若くは空気吹き込み機構を有する流動層熱処理装置。」
請求項4の発明は特に小型装置で据付け面積が限られる時には自家発生炭化物を安価な耐火断熱材として利用し、同時に自家用、出荷用燃料貯蔵空間(サイロ)として利用する意図を持つ。
「流動室を少なくとも部分的に包囲する炭化物燃料層又はバイオマス燃料層を設け該燃料の供給口又は排出口を有する流動層熱処理装置。
【0018】
請求項5の発明はできるだけ低温で炭化物収率を上げた運転を安定に流動層及び燃焼炉の温度変化、吹き消えなく熱処理燃焼するために
「部分燃焼条件が異なる流動室内部の熱処理流動層を、流動ガス化、炭化、半炭化条件から選ばれた1つ又は組合せの異なる温度条件で熱処理する流動層熱処理法。」である。
【0019】
請求項6の発明は請求項5の発明を補強するものである。
流動室内部の上記短絡流路を流動層又は気流層とし、周辺流動層で包囲するか若くは該短絡流路に空気を導入し部分燃焼して比較的高温に温度調節する請求項5記載の流動層熱処理法。」
【0020】
請求項7の発明は流動室の熱的安定性の保持と燃焼炉前のタール閉塞障害を防止する。
「ガス化乃至炭化によって可燃性ガスを発生し、該発生ガスを燃焼する場合に、燃焼室を流動室に隣接して上又横に設け、バーナータイルと燃焼用空気導入部を流動化室に密接させる請求項5又は6記載の流動層熱処理法。」
【0021】
請求項8の発明は「流動層熱処理装置を炭化物又はバイオマス粉粒層で少なくとも部分的に包囲して、断熱層とし又は熱回収し、この粉粒を流動層に供給し若しくは流動層に供給しない流動層熱処理法。」
【0022】
請求項9の発明は小型熱処理装置の経済性、利便性向上のために付加価値の高い黒炭、粗粒炭の製造を可能にするものである。
上記請求項4の断熱材としての生バイオマスを加熱処理することに相当する。
流動層の良好な熱伝達を利用して流動層で直立レトルト等を加熱する場合に縦長流動層を使用するとスラッギング現象で流動が不安定になる。本発明のように流動層を多段に重ねることによって流動層の安定性が確保される。さらにレトルト相当物が多孔板であれば流動化粒子が熱処理対象物に直接接触するので熱伝達が改善される。
「流動層に、固定層又は移動層の有孔であってもよい金属容器を挿入し又は流動層に接触させた金属容器内のバイオマス燃料を炭化処理し炭化物又は半炭化物を得て発生ガスの少なくとも1部を流動層からの発生ガスとともに燃焼する請求項6乃至8記載の流動層熱処理法。
【0023】
多段流動層の並列多段化では同じ装置断面積、据付面積面責で段数倍の能力が出せる。しかし外部配置配管ではタール凝縮障害があり、熱効率も低下する。本発明は流動室内に配管することに相当ししかも運転条件の融通性改善のために段間の連通路を形成できるものとした。そして、多段流動層形成で熱効率、反応効率を上げるためには溢流管による粉粒の流下が順調である必要がある。粉粒飛散損失を軽減し、乾留ガスへの粗粒混入を防止しタール、粉塵含有ガスを円滑に燃焼するには各段とガス化炉、炭化炉出口の粉粒分離装置、溢流管の閉塞があってはならない。ところが、バイオマス炭化物は比重が軽く、異物混入もタール凝縮も有り得るので閉塞が起き易い。そこで強制的に弁を作動し要すれば強制的に閉塞を除去するのが好ましい。これを独立の駆動機構にすれば複雑になるが撹拌機、供給機の運動を利用して簡素化できる。
請求項10の発明は撹拌機駆動を兼用するもので流動層底を円筒面にして該流動層底を撹拌するものである。
「流動層に、円筒形底の有孔板又は該流動層内の上位流動層を設け、撹拌機を付属したスクリュー供給挿で該上位流動層を撹拌する請求項5又は6記載の流動層熱処理法。」
【0024】
バイオマスはガス化、炭化とも石炭に比し低温で熱処理反応が達成できる。ガス化に相当する温度は石炭では例えば900℃以上のところ700℃程度、炭化温度は500乃至600℃に相当するのは400℃前後である。木材等の半炭化では250乃至300℃の程度であるが、低温では空気による部分酸化発熱反応が円滑でなく、半炭化に至っては補助燃料なしでは運転できない。
本発明は流動室内に高温部と低温部を同時に発生させて低温反応部に炭化所要熱を供給して全体として運転を安定させるのに成功したものである。
【0025】
装置材料は比較的低温で安定運転可能になることから、流動層内壁は耐火レンガ、キャスタブル耐火物、プラスチック耐火物の他、鉄鋼、耐熱鋼を使うことができる。断熱材料もセラミックウール、岩棉、珪カル板、パーライト、ガラスウールも使える。その他本発明のように炭化物特に本発明による流動炭化による膨張炭化物の粒子が断熱性が高く好適である。
【0026】
従来の流動層装置と異なる利点も発生する。即ち、可燃性有機物を自然乾燥してバイオマスとしての広域収集を乾燥粉粒、チップ炭化物としてホッパーローダー等で機械化収集できる。自然乾燥は乾燥装置の設置に場所をとるが、バイオマス発生源近くにサイロを分散配置することによって敷地問題を回避できる。熱源を使い強制乾燥する場合でもバイオマス発生源近くでこの一部を燃焼して熱源とするシステムが有利になる。個々に分散配置された炭化装置等で製造、或は副生した炭化物は均一性が高く自然発火のおそれが少ないのでサイロ貯蔵、バルク貯蔵場所から同じく容易にホッパーローダーで荷役、貯蔵できる。コンテナー車、コンテナーバッグも使える。
【発明の効果】
【0027】
この発明は農林業、園芸、家庭菜園、家庭等の冷暖房給湯に小型分散型燃焼機として石油ガス燃焼機に近い利便性を持つ燃焼機である。しかも固体燃料の形態、粒度に関する融通性が高い。通常流動層では処理困難な粗大物も流動層内或は必要に応じて設けることができるレトルト、囲い容器を利用して炭化処理でき、多様な条件の炭焼も可能である。辺地、農林業の熱源として少量の未利用資源も混合利用できる。
農林業、水草の水辺発生源又はその近傍に分散配置可能である。本発明は、潅木刈、間伐、現場粉砕、現場自然乾燥する場所に装置を分散配置でき又は集積したバイオマスを移動装置で熱処理して粉体燃料としてその場に蓄積すること、そしてその場で消費し余剰炭化物の収集搬出コストを下げることができ、経済性を大幅に改善し未利用資源開発、環境問題の解決に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】短絡路を持つ2段流動炭化装置側面断面図
【図2】短絡路に軸流サイクロンを持つ2段流動炭化装置側面断面図
【図3】粉粒通過可能の流動化ガス吹き込み部平面図、
【図4】粒子還流路に回転弁を持つ流動炭化装置側面断面図
【図5】2つの回転弁が撹拌機と連動する流動炭化装置側面断面図
【図6】供給機軸が粒子還流路回転弁駆動軸を兼ねた装置の側面図流動層内の撹拌流動層
【図7】供給機が撹拌機を兼ね該撹拌面が曲面の目皿または流動層である装置側面図
【図8】非多孔板流動層を有する炭化装置側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は有機物の熱分解温度以上の高温で運転し、大型装置の融通性向上に有用である上に、主として分散的に発生するバイオマスを小口消費の石油、石炭の代替の準流体燃料として便利に使うことを可能にする。一般に熱処理装置を小型化すると装置表面からの熱損失が相対的に大になり運転が不安定になる。しかし暖房や温室熱源としては放熱量が大なことは寧ろ望ましい。そこで運転を安定化し、経済性を高めるためには、多様な燃料で燃焼加熱目的か、炭化物収率向上目的かを立地、季節、原料量、炭化物市場に応じて多様な運転が可能であるとも望ましい。本発明はこれを小型化装置であっても可能にできる。バイオマスは高温で焼くと条件によって粉粒が凝結性を示すことがある。いわゆるコークボタンを作ることがある。これは運転不能や灰溶融によるクリンカ障害の原因になりやすい。このような障害の防止のために砂媒体などを使うことがあるが、本発明は撹拌機によって障害を防止できることに着目し、砂媒体を必須条件としない。しかも小型装置を纏めるために供給機、撹拌機、溢流管、流動層間連絡路、粒子分離、分級装置の逆流防止、閉塞防止に必要に応じての兼用を可能にした。
【0030】
多段流動層間の溢流管は必ずしも安定ではなく、日常燃焼装置としては簡単に保証する必要があった。
また本発明では、流動層多段化によって限定された据付面積に、より大型装置相当の装置を持たせ、各種形態のサイクロン、邪魔板等の粉粒分離機構は流動層内に置くことができる。通常必要なフリーボードを低くして従って装置高を低く小型に纏めることができる。
【0031】
断熱材料として全部又は部分的に炭化物を使えば寧ろ燃料のサイロとしての機能価値を発生し、厚い断熱材として炭化装置を包囲すればサイロ或は装置への燃料ホッパになり、やや薄く構成すれば必要時には空にして、空気ジャケットとして温風発生に使える。装置外壁の過熱防止、火傷防止にも利用できるものである。さらに炭化物断熱材兼用ホッパは発明者の特願2009−106301の技術を利用して着火して空気と接触させる機能を組み込めば、それ自体が熱発生装置になり暖冷房熱源として本体装置と独立に利用できる。このような多様な構成と利用法を与える構成を本発明は可能にするもので、バイオマス装置として利便性、経済性提供に好適である。
【実施例1】
【0032】
図1は短絡路を持つ2段流動炭化装置側面断面図である。
(装置の構成例)
(1)流動層内に流動化ガス、発生ガス短絡路を有する。
(2)複数段の流動層と前記短絡路の組み合わせになっている。
(3)流動層間の連絡路の流通制御機構である回転弁27又は逆止弁機能12を有する。撹拌機はクリンカ、異物沈積防止に有用である。
(4)図1は本発明に適した前記短絡路は流動層状部からの発生ガスの方向変換分離機23を径由して上位動層へ入る。
(5)装置材料は短絡路材料も鋼、耐熱鋼、耐火物、断熱材料から選ぶことができる。
(6)この例の流動層装置は継手41で短絡路、発生ガス排出路である、流動化空気送入管34とも上下流動層が分離可能に接続されている。多段に重ねる場合も同様である。小型装置ではこの作業が容易であることを利用している。
(図1では34管は取り外し自在の挿し込み接続になっている)
等の特徴がある。
【0033】
(装置の寸法例)
内径200mmの2段流動層を構成した。下位流動層の分配多孔板から排気口までの流動室高さは1.8mであった。
【0034】
乾燥バイオマスはホッパからスクリュー供給機9によって流動炭化層5に入る。炭化温度は自燃温度以上で運転されるが、300℃。以上650℃以下の程度である。燃料粉粒の性質と処理条件によって異なる。
炭化時間は約1乃至10分程度が適当である。無煙燃料目的か否かで実験、目視等によって判断する。
炭化が終了した粒子は溢流管15から溢流する。粒子の一部は短絡路25から上位の流動層へと移動する。微粉とタールを含む乾留ガスガス化ガス、部分燃焼生成ガスを含む流動化ガスは短絡路25の流動化ガス流路入り口23で方向転換して粗粒子を分離し微粉と共に上位流動層に入る。上位流動層は分離した微粉を含み、炭化に必要な滞在時間(炭化時間)で熱処理を終えて溢流管14から排出される。単一流動層炭化では滞在時間が比較的短くなる飛散微粉の乾留が終了するように炭化温度が定められるが、本発明では上位流動層が存在することによって下位流動層の租粒子を必要以上に温度を上げ、或は滞在時間(炭化時間)を延長する必要がないので過度の炭化をすることなく、従って炭化収率を改善できる。
【0035】
流動層短絡路25の空気吹込部44から空気を吹込み、部分燃焼し温度を上げることができる。流動層粒子の上下流動層の循環を促進できるとともに部分的に流動層に高温部を形成して低温に起因する炭化温度変動を抑制できる。
これによって流動層に高低温度差を与え、比較的低温で安定して炭化を進行させ、収率向上できる。
短絡路上縁の高さは溢流口14と運転条件により調整してよい。
撹拌機はクリンカ障害になる粗粒、凝結塊、異物等の沈積防止、排出補助用である。層底沈積物排出室13へと移動させる。
【0036】
流動室11の温度は下位流動層5より高温に調節できるので微粉の炭化調節とともに微粉分離用のサイクロン16へのタール凝縮防止が容易である。サイクロンで分離された微粉はその下部の弁27から排出されて結局溢流口14から排出される。分離されなかった微粒子は管17から燃焼炉20に入り石油、ガス同様に良好に燃焼する。管17は保温断熱又は保温加熱用燃焼室18で保温されている。
19は2次空気導入口である。スワーリング、回転空気流導入としてもよい。
状況によってサイクロン、邪魔板等の微粉分離機は省略できる。その時には微粉炭の混焼になるが燃焼自体には差し支えない。
【0037】
粒度5mm以下の木材チップ、鋸屑の混合物を空気を流動化ガスとして部分燃焼で補助燃料なし硅砂等の流動媒体なしで炭化できた。
下位流動層温度は300℃乃至600℃、上位流動層も同様温度でいずれかの流動層を400乃至600℃で運転すれば他の流動層の低温運転が運転できた。乾燥物基準収率は35乃至50%であった。
クリンカ障害、タール障害とも認められなかった。
(対照例)
【0038】
単一流動層では330℃の炭化温度では不安定で自動運転困難であった。
手動で450乃至550℃で運転し、炭化物収率は25乃至30%であった。
内径200mmの在来型流動層の流動層の分配多孔板から排気口までの流動室高さは1.8mであった。従来の1段流動層では内径200mm流動層では70kg/時の熱処理能力の時に、本発明は同じ装置高さと据え付け面積で130kg/時と処理能力増になった。
【0039】
燃焼炉の発生熱量を多くとる時には炭化装置は高温で運転して、炭化物収率を下げることになる。この場合にはガス化に近い条件乃至ガス化条件になる。ガス化はバイオマスの場合には比較的低温でよく、700℃乃至750℃程度で実用性がある。
【実施例2】
【0040】
図2は実施例1に於いて、短絡路25の出口に軸流サイクロンを置き、燃焼炉前に邪魔板型粉塵分離機16を置いたものである
実施例1同様に安定な運転ができた。
【実施例3】
【0041】
図3は図2の多孔板構造3を多孔管3の構造物(下位流動層5と管間隔26で連通する)、或は下位流動層5と連通する孔、スリット26を持つ多孔板に構成できるものである。単一流動層に類似した簡易な多段流動層を構成できる。短絡流路25を設けることもできる。下位流動層の流速を抑制できるので装置能力増になる利点があり、構造も簡易である。この構造を複数重ねてもよい。
炭化炉の運転条件は実施例1及び2と同様であった。
【実施例4】
【0042】
図4は撹拌機10の軸を上位段流動層4の底部からの粒子還流路26の回転弁12の駆動に利用したものである。短絡路25は別に設けている。スクリュー供給機を上下位の流動層それぞれに設け、それぞれ別の運転条件の設定を容易にしている。
【実施例5】
【0043】
図5は実施例4にサイクロン下の回転弁32の駆動も兼ねたものである。軽量で閉塞し易い炭化物微粉の閉塞を防止できる。サイクロン内部の掻き取り撹拌棒の駆動にも使える。
【実施例6】
【0044】
図6は、図4、図5に於いて短絡路25と還流路26を入れ替え、回転弁駆動をスクリューの延長軸で駆動できることを示す。
【実施例7】
【0045】
図7はスクリュー供給機の軸で撹拌機45を駆動し撹拌機10と併用する装置を示す。この場合には目皿39と共に下位流動層の追加の撹拌機を構成している。目皿の代りに独立の流動化ガス吹込板或は多孔管群を使用して独立の円筒底の流動層を構成してもよい。原燃料の性状によっては撹拌機10を省略できる。
【実施例8】
【0046】
図8は下位流動層5が多孔板、目皿、分散管等がない旋回吹込流動層25の場合である。粒子還流路26も兼ねている。スパウテッド流動層であってもよい。撹拌機が必要な場合には吹込室44からさしこむことができる。
流動層5の下部側壁は断熱材38として通常断熱材、耐火断熱材である。炭化物を断熱材兼貯蔵燃料炭化物としてよい。
回転弁12は粒子還流路26を兼ねている。ここに形成される下位の流動層は比較的高温の炭化、ガス化に適し、耐熱材料の選択によって600℃付近以上1000℃の高温運転及び燃焼に近い高温運転も可能であった。高温処理炭化物を得ることもできた。バイオマス原料は比較的低温の賦活で活性炭相当品も得られた。
下位流動層上部を絞っている。絞った短絡路25の場合には、上部流動層の断面積を増加させ能力増できる。また溢流管15から高温加熱処理炭化物だけを分離して取り出すこともできる。このとき上位流動層は静止層として運転し、炭化物粉塵の沈降及び断熱保温層とし、粉塵取り出し時に空気、燃焼排ガス、蒸気等を送入して一時的に流動化するのが便利である。また、上位流動層を600℃付近で運転し下位流動層の保温加熱ができる。
さらに上位流動層を半炭化温度付近から500℃で揮発分を多く残す運転を行ない、下位流動層の発生ガスで流動室11の出口付近を加熱してタール凝縮障害を回避することもできる。
【0047】
下位流動層流動層上部を絞らない構造で上位流動層との混合運転もできる。空気によるバイオマスあるいはその炭化物の低温部分燃焼温度が不安定な場合には、本例のように大幅な温度差がある複数の流動層の制御された相互混合によって装置全体としての温度を安定し、製品品質、燃焼の安定性、安全性を保持できた。
上下加減可能の邪魔板(図示せず)等の設置、高さ調整、溢流弁14,15の調整、流動化空気の増減、分配等で実現できた。
また、別の多孔板流動層をさらに下位に置いて下位流動層の発生ガス又は炭化物を上位の上記旋回吹込流動層内に短絡供給することもできる。この場合には図8の38の固定層は流動炭化層になり、図1の短絡路構造に相当するものが上位の旋回吹込流動層になる。
下位流動層をSUS304ステンレス鋼で製作し、運転温度750℃、木材チップ細片水分15%、粒度10mm以下を空気を流動化ガスとしてガス化した。下位流動層の最大断面に対する炉内流速1.5m/sとした。タール障害は認められず燃焼炉20の火炎は安定していた。炭化物粉粒2mm以下の収率7%、その総発熱量は5300kal/kgであった。
なお、大型装置で炭化物を耐熱鋼と直接静的に接触させて保温材料として使用する時には浸炭による脆化を考慮した安全策を考慮しなければならない。無機耐火物被覆による絶縁が適当である。
【実施例9】
【0048】
図3を除く装置は燃焼炉20を上部横に付けているが、小型装置では流動層の上部に例えば同軸に付けてもよい。これは小型では装置分解が容易になるためである。燃焼炉を並立させてもよい。いずれの姿勢での接続でも一体に近い密接構造をとることができ、熱損失を低減できる。しかもフリーボード高さを高くしてタール分解すること必要はなく、或は触媒分解の必要もなくタール障害を防止できた。
【実施例10】
【0049】
請求項10の発明は撹拌機駆動を兼用するもので流動層底を部分円筒面にして該流動層底を撹拌するものである。
流動層に、円筒形底の有孔板又は該流動層内の上位流動層を設け、撹拌機を付属したスクリュー供給挿で該上位流動層を撹拌し従来の平面或は円錐底流動層の撹拌機同様に凝結性、粘着性原燃料の熱処理に於る流動層の凍結現象回避できた。これはクリンカ障害防止に有用であった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は固体乃至液体の化石燃料、紙、プラスチックだけでなく有機可燃物であれば多くは固体燃料とともに処理可能で可燃性ガスを発生させることができる。有機有害ガスを含む空気、ガス等も分解処理でき環境装置としても有用である。
また、有害物含有土、汚泥を処理しながら可燃ガスを発生できる。この時内部の粉粒分離装置が便利に多様に使える。
【符号の説明】
【0051】
1 装置側面視断面図、2 流動化ガス分散機構(多孔板等)、3 追加流動化ガス分散機構、4 上位の追加流動層、5 下位又は単独の流動層、6 第2ホッパ、7 主ホッパ、8、9 粉粒供給機(スクリュー等)、10 撹拌機、11 流動室、12 回転弁、13 層底排出室、14、15 溢流口、16 粉塵分離機、17 発生ガス排出路、18 保温筒又は燃焼管、19 2次空気口、20 燃焼炉、ボイラーバーナ、
21 燃料供給機駆動モーターと減速機、22 撹拌機駆動機構、23 方向変換分離機、24 邪魔板、粉粒分離機、25 流動化ガス短絡路、29 撹拌機を付属したスクリュー供給機、26 粒子還流路、32 逆止弁、33、34 流動化ガス、空気吹込管、36、37 燃料、自家利用炭化物、38 断熱材、炭化物、39 目皿、40 耐熱材料、断熱材料、41 接続フランジ、ネジ継ぎ手等、43 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物を流動室でガス化、炭化又はこれらの組合せ熱処理を行い、発生ガスを燃焼しつつ炭化物若くは炭素含有残渣を発生する流動層装置に於いて、流動室に流動化ガス又は発生ガスの短絡流路を設けたことを特徴とする流動層熱処理装置。
【請求項2】
流動室に1段以上の流動層又は段差を有する流動層を設け、流動層は独立して流動化できる流動化ガス吹き込み機構を備え、各段の流動層と粉粒の溢流又は底部からの流出口若しくは短絡流路から選ばれた1つ又は組合せによって連絡賂を形成している請求項1記載の流動層処理装置。
【請求項3】
流動層間の連絡路の流通制御機構である回転弁27又は逆止弁12の撹拌機軸或は供給機軸による駆動、若くは空気吹き込み機構を有する流動層熱処理装置。
【請求項4】
流動室を少なくとも部分的に包囲する炭化物燃料層又はバイオマス燃料層を設け該燃料の供給口又は排出口を有する流動層熱処理装置。
【請求項5】
部分燃焼条件が異なる流動室内部の熱処理流動層を、流動ガス化、炭化、半炭化条件から選ばれた1つ又は組合せの異なる温度条件で熱処理する流動層熱処理法。
【請求項6】
流動室内部の短絡流路を流動層又は気流層とし、周辺流動層で包囲するか若くは該短絡流路に空気を導入し部分燃焼して比較的高温に温度調節する請求項5記載の流動層熱処理法。
【請求項7】
ガス化乃至炭化によって可燃性ガスを発生し、該発生ガスを燃焼する場合に、燃焼室を流動室に上又は横に隣接して設け、バーナータイルと燃焼用空気導入部を流動室に密接させる請求項5又は6記載の流動層熱処理法。
【請求項8】
流動層熱処理装置を炭化物又はバイオマス粉粒層で少なくとも部分的に包囲して、断熱層とし又は熱回収し、この粉粒を流動層に供給し若しくは流動層に供給しない請求項5又は6記載の流動層熱処理法。
【請求項9】
流動層に、固定層又は移動層の有孔であってもよい金属容器を挿入し又は流動層に接触させた金属容器内のバイオマス燃料を炭化処理し炭化物又は半炭化物を得て発生ガスの少なくとも1部を流動層からの発生ガスとともに燃焼する請求項6乃至8記載の流動層熱処理法。
【請求項10】
流動層に、円筒形底の有孔板又は該流動層内の上位流動層を設け、撹拌機を付属したスクリュー供給機で該上位流動層を撹拌する請求項5又は6記載の流動層熱処理法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−38695(P2011−38695A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186239(P2009−186239)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(391004816)
【Fターム(参考)】