説明

流動層装置及び流動層装置におけるフィルタ洗浄方法

【課題】装置内に設置されたフィルタを装置から取り外すことなく、装置内にて容易に洗浄可能な流動層装置及び流動層装置におけるフィルタ洗浄方法を提供する。
【解決手段】筒状に形成された処理容器1内にカートリッジフィルタ7を上下方向に移動可能に設置する。処理容器1のスプレーケーシング側壁3aに、超音波洗浄装置55を取り付ける。処理容器1内に洗浄液56を注入し、カートリッジフィルタ7を下方に移動させ洗浄液56に浸漬させる。この状態で超音波洗浄装置55を作動させ、カートリッジフィルタ7を洗浄する。超音波洗浄装置55がカートリッジフィルタ7の近傍に配置されているため、超音波振動がカートリッジフィルタ7に伝わり易く、フィルタに付着した異物を効率良く除去できる。これにより、流動層装置からカートリッジフィルタ7を取り外すことなく、処理容器1内にてカートリッジフィルタ7を洗浄することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体の造粒、コーティング等に使用される流動層装置に関し、特に、装置内に設置された粉粒体分離用のフィルタを装置内にて効率良く洗浄可能な流動層装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品や化粧品、食品などの分野では、粉末や顆粒等の粉粒体を気体流によって流動化し、造粒、コーティング、混合、撹拌、乾燥等の処理を行う流動層装置が広く使用されている。流動層装置では、流動化した粉粒体にバインダ液やコーティング液等をスプレーノズルにて供給し、造粒やコーティング等の処理が実施される。図7はこのような流動層装置の構成を示す説明図である。図7に示すように、流動層装置101は、円筒状の処理容器102を備えており、その内部には粉末等の被処理物が投入され、造粒、コーティング等の処理が実施される。
【0003】
処理容器102の下部には、金網等にて形成された通気性の目皿板103が設けられている。目皿板103の下方からは処理気体が供給され、この処理気体により処理容器102内の被処理物が流動化される。処理容器102の略中央部には、バインダ液やコーティング液等を噴霧するためのスプレーノズル104が配置されている。また、処理容器102の上部には天板105が設置されており、天板105にはフィルタ106が取り付けられている。フィルタ106は、気体流から粉粒体を分離すると共に、微粉体や粉体が系外へ逸出するのを防止している。フィルタ106としては、例えば、ポリエステルやポリアミド等の不織布を濾過エレメントとしたカートリッジ式フィルタなどが使用される。フィルタ106の上方には、フィルタ逆洗用のジェットノズル107が配置されている。
【0004】
フィルタ106に付着した粉体は、ジェットノズル107からのパルスジェットによって操業中に適宜払い落とされる。しかし、この逆洗処理によっても、付着した粉体を完全に払い落とすことはできず、粉体が次第に蓄積されて空気の流通抵抗が増大する。このため、造粒等を行う場合、処理を所定時間以上行った段階で、フィルタ106を一旦流動層装置101から取り外して洗浄する必要がある。また、同一装置にて異なる種類の粉粒体を処理したり、異なるバインダ液やコーティング液を噴霧したりする場合には、異なる処理を行う際に、フィルタ106を洗浄する必要が生じる。その際、フィルタ106の洗浄は一般に、フィルタ106を流動層装置101から外して手作業によって行われているが、人手と時間を多く要するため、種々の自動洗浄装置が提案されている。
【0005】
例えば、実開昭60−176240号公報には、フィルタを流動層装置内で下降させ、待機している下部の固定式洗浄ノズルと下降する上部の洗浄ノズルとによってフィルタを洗浄する装置が記載されている。また、特開平8-309130号公報には、いわゆる溜め洗い方式のバグフィルタ洗浄方法が記載されており、そこでは、フィルタ用筒体と流動用筒体とを仕切り板によって相互に分離し、水密状態としたフィルタ室を洗浄室として使用する。そして、フィルタ室内に洗浄液を注入した後、フィルタに機械的な上下振動を加え(シェーキング動作)、容易かつ確実に短時間でフィルタを洗浄する。
【0006】
さらに、特開平6-262015号公報には、超音波洗浄に加えて、フィルタを回転洗浄するフィルタカートリッジの湿式洗浄法が記載されている。当該洗浄法にあっては、折襞を有するカートリッジフィルタを回転自在に設置し、その外周に洗浄液を斜め方向から噴射する。これにより、洗浄液を受けたフィルタが回転し、フィルタ全面に洗浄液が集中的かつ効率的に噴射される。
【0007】
一方、特表2005-530601号公報には、流動床室内にて選択的に移動可能な移動フィルタ群を備える流動床処理装置が記載されている。そこでは、プロセス空気濾過用のフィルタは、空気を濾過するための第1位置と、点検修理の際の第2位置との間で上下に移動自在に配置されている。当該装置には、いわゆる逆洗処理を行う清掃機構が設けられており、この清掃機構によってフィルタの微粉除去が行われるが、前述の第2位置ではさらに、フィルタを取り外して清掃、交換等する作業が行われる。
【0008】
また、特開2003-200014号公報は、自動車の排ガスラインにて使用されるフィルタに関するものであるが、フィルタを洗浄溶液内に浸漬、洗浄する微粒子フィルタの洗浄方法が記載されている。この場合、フィルタは、排ガスラインから分離、分解された後、洗浄溶液が収容されたタンク内にて浸漬洗浄され、フィルタを詰まらせる鉱物質残留物が除去される。
【特許文献1】実開昭60−176240号公報
【特許文献2】特開平8-309130号公報
【特許文献3】特開平6-262015号公報
【特許文献4】特表2005-530601号公報
【特許文献5】特開2003-200014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、流動層装置に使用されるフィルタの洗浄方式として、特開平8-309130号公報のような溜め洗い方式は、洗浄力が十分とは言えず、結局のところ、フィルタを取り外して装置外にて別途洗浄する必要が生じる。また、特開平6-262015号公報のような洗浄水による回転洗浄方式は、粗洗浄に留まり、これも装置内洗浄だけでは完結せず、装置外でのフィルタ洗浄が必要となる。このため、従来の流動層装置では、フィルタ洗浄に時間と手間を要し、生産性向上を妨げる一因となるという問題があった。また、装置外での処理を余儀なくされる洗浄方式では、洗浄液や残留微粉末が装置外に曝露(飛散)し、装置周囲が汚染されるおそれがあり、特に、医薬品製造設備では、封じ込め(コンテインメント)対策上好ましくないという問題もあった。
【0010】
これに対して、近年、超音波洗浄装置やバブリング洗浄装置を装置内に取り付け、装置内に洗浄水を満たした状態でフィルタと装置内部を同時に洗浄する方式も検討されている。しかしながら、かかる方式においても、流動層装置の底部に超音波装置等を設置すると、超音波やバブリング液流の到達範囲の関係から、装置上方に位置するフィルタを十分に洗浄できないという問題が生じる。特に、大型機ではその傾向が著しく、超音波装置等を用いた洗浄方式は大型機には適用できないという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、流動層装置内に設置されたフィルタを装置から取り外すことなく、装置内にて容易に洗浄可能な流動層装置及び流動層装置におけるフィルタ洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の流動層装置は、筒状に形成された処理容器と、前記処理容器内に配置され、前記処理容器内に洗浄液が注入・保持された状態で前記洗浄液中に浸漬可能に設けられたフィルタ部材と、前記処理容器の側壁に取り付けられ、前記洗浄液中に浸漬された状態の前記フィルタ部材を洗浄可能な洗浄装置とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、処理容器内に洗浄液を満たした状態でその中にフィルタ部材を浸漬し、処理容器の側壁に取り付けた洗浄装置によってフィルタ部材の洗浄処理を実施する。当該流動層装置では、洗浄処理の際、フィルタ部材をその近傍に配した洗浄装置によって洗浄でき、フィルタ部材を装置内にて効率良く洗浄することが可能となる。このため、装置からフィルタを取り外すことなくフィルタ部材を洗浄でき、洗浄工数の削減が図られる。また、装置内でフィルタ部材の洗浄を行うため、洗浄時に作業員が薬液に接触することがなく、作業環境も改善される。
【0014】
前記流動層装置において、前記洗浄装置として、前記洗浄液中に超音波振動を付与する超音波洗浄装置を使用しても良い。また、前記洗浄装置として、前記洗浄液中に気泡流又は気泡を含む液体を供給するバブリング洗浄装置を使用することも可能であり、この場合、前記フィルタを前記処理容器内に回転自在に設置し、前記気泡流又は気泡を含む液体によって前記洗浄液中にて回転させるようにしても良い。さらに、前記フィルタ部材を前記処理容器内に上下方向に移動可能に設置しても良い。
【0015】
加えて、前記流動層装置において、前記処理容器を、前記フィルタが配置されたフィルタケーシングと、被処理物に対し液体を噴霧するスプレーノズルが配置されたスプレーケーシングと、被処理物が収容される原料容器と、前記原料容器に対し処理気体を供給する給気ユニットとを備える構成とし、前記洗浄装置を、前記スプレーケーシングの側壁に設置しても良い。
【0016】
また、前記流動層装置において、前記処理容器内に、略水平方向に配置される第1位置と、前記第1位置に対し所定角度傾斜した第2位置との間で変位可能に設けられた目皿板を設けても良い。このように目皿板を傾斜状態にして洗浄処理を行うと、目皿板上に洗浄液不溶成分が堆積していてもそれらを除去することができ、目皿板上に洗浄液不溶成分が堆積してしまうのを防止できる。
【0017】
一方、本発明の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法は、筒状に形成された処理容器と、前記処理容器内に配置されたフィルタ部材とを備えてなる流動層装置におけるフィルタ洗浄方法であって、前記処理容器内に洗浄液を注入し、前記処理容器内に前記洗浄液が保持された状態で、前記フィルタ部材を前記洗浄液中に浸漬し、前記処理容器の側壁に設置された洗浄装置により、前記洗浄液中に浸漬された前記フィルタ部材を洗浄することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、処理容器内に洗浄液を満たした状態でその中にフィルタ部材を浸漬し、処理容器の側壁に取り付けた洗浄装置によってフィルタ部材の洗浄処理を実施する。当該フィルタ洗浄方法では、洗浄処理の際、フィルタ部材をその近傍に配した洗浄装置によって洗浄でき、フィルタ部材を装置内にて効率良く洗浄することが可能となる。このため、装置からフィルタを取り外すことなくフィルタ部材を洗浄でき、洗浄工数の削減が図られる。また、装置内でフィルタ部材の洗浄を行うため、洗浄時に作業員が薬液に接触することがなく、作業環境も改善される。
【0019】
前記フィルタ洗浄方法において、前記洗浄装置により、前記洗浄液中に超音波振動を付与して前記フィルタ部材を洗浄するようにしても良い。また、前記洗浄装置より、前記洗浄液中に気泡流を供給して前記フィルタ部材を洗浄するようにしても良く、この場合、前記気泡流によって、前記フィルタを前記洗浄液中にて回転させるようにしても良い。さらに、前記フィルタ部材を前記処理容器内に上下方向に移動可能に設置し、前記処理容器内に前記洗浄液が注入・保持された状態で前記処理容器内の下方側の位置に移動させ、前記フィルタを前記洗浄液中に浸漬させるようにしても良い。
【0020】
加えて、前記フィルタ洗浄方法において、前記処理容器内に、略水平方向に配置される第1位置と、前記第1位置に対し所定角度傾斜した第2位置との間で変位可能に設けられた目皿板を設置し、前記目皿板を前記第2位置に変位させた状態で前記フィルタ部材の洗浄を行うようにしても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明の流動層装置によれば、筒状に形成された処理容器と、この処理容器内に配置され処理容器内に洗浄液が注入・保持された状態で洗浄液中に浸漬可能に設けられたフィルタ部材と、処理容器の側壁に取り付けられ洗浄液中に浸漬された状態のフィルタ部材を洗浄可能な洗浄装置とを設けたので、洗浄処理の際、フィルタ部材をその近傍に配した洗浄装置によって洗浄でき、フィルタ部材を装置内にて効率良く洗浄することが可能となる。このため、装置からフィルタ部材を取り外すことなく、装置内にてフィルタ部材を洗浄でき、洗浄工数の削減を図ることが可能となる。また、装置内でフィルタ部材の洗浄が可能なため、洗浄時に作業員が薬液に接触することがなく、作業環境の改善も図られる。
【0022】
本発明の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法によれば、筒状に形成された処理容器と、処理容器内に配置されたフィルタ部材とを備えてなる流動層装置にて、処理容器内に洗浄液を注入し、処理容器内に洗浄液が保持された状態でフィルタ部材を洗浄液中に浸漬し、処理容器の側壁に設置された洗浄装置により、洗浄液中に浸漬されたこのフィルタ部材を洗浄するようにしたので、洗浄処理の際、フィルタ部材をその近傍に配した洗浄装置によって洗浄でき、フィルタ部材を装置内にて効率良く洗浄することが可能となる。このため、装置からフィルタ部材を取り外すことなく、装置内にてフィルタ部材を洗浄でき、洗浄工数の削減を図ることが可能となる。また、装置内でフィルタ部材の洗浄が可能なため、洗浄時に作業員が薬液に接触することがなく、作業環境の改善も図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は本発明の実施例1である流動層装置の構成を示す説明図である。図1の流動層装置は円筒形状の処理容器1を備えており、例えば、粉粒体の表面にコーティング処理を行うために使用される。図1に示すように、処理容器1は、上から順に、フィルタケーシング2、スプレーケーシング3、原料容器4及び給気ユニット5を重ねて配置した形態となっている。
【0025】
フィルタケーシング2とスプレーケーシング3、スプレーケーシング3と原料容器4はそれぞれ、クランプ10a、10bにて締結されている。各ケーシング間は、シール等により気密状態で接合されている。なお、下方よりケーシングを押し上げ、シールによりケーシング間を気密に締結しても良い。フィルタケーシング2内には天板6が配置されており、天板6にはカートリッジフィルタ(フィルタ部材)7が取り付けられている。スプレーケーシング3内には、粉粒体にバインダ液やコーティング液を噴霧するためのスプレーノズル8が配置されている。原料容器4内には被処理物となる粉粒体が投入され、底部には目皿板9が設置されている。
【0026】
フィルタケーシング2の上端は天蓋11によって閉塞されており、内部にはフィルタ室12が形成されている。フィルタ室12には排気ダクト13が接続されている一方、側壁部には洗浄水の供給管14が設けられている。フィルタ室12内には、円板状に形成された天板6が収容されている。天板6の周縁はフィルタケーシング2の内面に接触しており、その上面にはワイヤ15の一端が取り付けられている。ワイヤ15は、プーリ16a,16bを介して装置外に引き出されており、その他端側は、モータにて駆動される図示しないプーリに接続されている。このワイヤ15により、天板6はフィルタケーシング2及びスプレーケーシング3内を上下方向に移動可能となっており、モータが作動し、ワイヤ15が上方に引かれると、天板6はケーシング2,3内を上方向に移動する。一方、それとは逆にモータが作動すると、ワイヤ15の張力が緩み、天板6はケーシング2,3内を自重にて下方向に移動する。
【0027】
カートリッジフィルタ7には、ポリエステル製の不織布を用いたフィルタ材17が使用される。フィルタ材17は、不織布製の濾布をプリーツ加工し、それを円筒形状に成形したものであり、長手方向の寸法は、小型の装置では130〜550mm、大型の装置では220〜1200mm程度である。また、フィルタ材17の外径は、小型の装置では75〜120mm、大型の装置では200〜325mm程度に形成される。フィルタ材17の上下には、ステンレス製のエンドキャップ18a,18bが取り付けられ、その中央にはステンレス製のリテーナ19が挿通される。リテーナ19の上端は天板6に固定され、下端にはフィルタ固定ノブ20が取り付けられる。フィルタ材17は、このフィルタ固定ノブ20を締め込むことにより、リテーナ19をガイドにして天板6に固定される。エンドキャップ18aと天板6との間にはゴムパッキン21が介設される。
【0028】
フィルタケーシング2にはさらに、逆洗用のパルスエアを噴出するパルスジェットノズル22が設置されている。天板6には、フィルタ材17の中央に臨んで開口部23が形成されており、この開口部23の上方にパルスジェットノズル22が配置される。パルスジェットノズル22は、図示しないパルスエア供給源に接続されており、カートリッジフィルタ7の内側にパルスエアを噴射する。これにより、いわゆる逆洗処理が実施され、フィルタ材17に付着した粉粒体が払い落とされる。
【0029】
スプレーケーシング3内には、噴霧室つまり流動室24が形成されており、スプレーノズル8が配置されている。スプレーノズル8は、スプレーアーム25に取り付けられており、図示しないチューブによって、装置外に設けられたポンプからバインダ液やコーティング液が供給される。スプレーアーム25は、図示しない支柱に摺動自在に取り付けられており、スプレーノズル8は、スプレーケーシング3内にて上下方向に適宜移動可能となっている。なお、スプレーアーム25やスプレーノズル8は、天板6を下降させるときなどは、下降の邪魔にならない場所に移動可能であったり、図示しない開口窓等から適宜装置外に取り外すことができるようになっている。さらに、スプレーノズル8がスプレーケーシング3側面に設置され、天板の移動の邪魔にならないようにすることもできる。
【0030】
スプレーケーシング3の側壁3aには、超音波洗浄装置55が取り付けられている。超音波洗浄装置55は超音波振動子を備えており、装置外に設けられた発信器58に接続されている。超音波振動子としては、電気的な入力を機械振動に変換する振動子、例えば、電気−機械変換素子の一つである圧電セラミック素子などが使用される。超音波振動子には、発信器58から15〜50kHz程度の高周波信号が入力され、この電気的な振動が機械的な振動に変換され出力される。スプレーケーシング3内に洗浄液を注入し、超音波洗浄装置55を作動させると、そこから発せられる高周波の超音波により、洗浄液が振動し、キャビテーションや洗浄液の微小振動等により、洗浄液内の対象物が洗浄される。特に、プリーツ加工されたカートリッジフィルタ7のような複雑な形状物では、この超音波洗浄によって襞の奥まで効果的に洗浄でき好適である。
【0031】
原料容器4は、コンテナケーシング31と、コンテナケーシング31の下端部に取り付けられたスクリーンユニット32とから構成されている。コンテナケーシング31は、下方に向けて小径となった逆円錐台形状の円筒となっており、その内部には原料収容室33が形成されている。スクリーンユニット32は、環状のフレーム34と、フレーム34内に配置された目皿板9とから構成されている。目皿板9は通気性を有しており、原料収容室33内に投入された粉粒体はこの目皿板9上にて支持される。図2は、原料容器4をスクリーンユニット32側(下方側)から見た構成を示す斜視図、図3は、スクリーンユニット32の構成を示す説明図である。図2に示すように、スクリーンユニット32は、コンテナケーシング31の下端部に形成されたフランジ部35に、トグルクランプ36によって固定される。
【0032】
目皿板9は、通常、42×175メッシュ、32×132メッシュ、24×110メッシュ等の畳織金網が使用され、また目皿板補強用にパンチング板や平織金網を重ねせて形成された多孔板37と、多孔板37を支持するステンレス製のサポートブラケット38とから構成されている。サポートブラケット38は、円形に形成された外周部38aと、外周部38aの内側に複数個平行に配置されたリブ部38bとから構成されている。このサポートブラケット38の上面側に、通気性を有する多孔板37が載置されている。図3に示すように、ブラケット外周部38aの外周側には、スクリーンシール39が全周に亘って取り付けられている。スクリーンシール39がフレーム34の内周面と接触することにより、目皿板9の外周がシールされ、原料である粉粒体の落下や目皿板外側からのエア漏れを防止している。
【0033】
図3に示すように、サポートブラケット38の中央部には、回転軸41が取り付けられている。回転軸41の図3において右端側(図2において手前側)は、ブッシュ42を介してフレーム34に回転自在に支持されている。ブッシュ42と回転軸41との間には、合成樹脂製のスリーブ43が介設されている。スリーブ43の外端部にはスラストベアリング44が取り付けられており、スラストベアリング44の外側にはエンドキャップ45が取り付けられている。
【0034】
回転軸41の左端側も右端側と同様に、ブッシュ46を介してフレーム34に回転自在に支持されている。ブッシュ46と回転軸41との間には、合成樹脂製のスリーブ47が介設されている。スリーブ47の外端部にはカラー48が取り付けられており、カラー48の外側にはスペーサチューブ49が取り付けられている。スペーサチューブ49の図中左側には、モータユニット51が取り付けられている。回転軸41の左端部は、モータユニット51内に収容されたモータ(駆動装置)52に接続されている。目皿板9は、このモータ52によって回転軸41を中心として回転可能に構成されており、コーティング処理時には図1の実線の状態で使用し、フィルタ洗浄時には同図の一点鎖線の状態に変位させることができる。
【0035】
原料容器4の下方には、内部に給気室53を有する給気ユニット5が据え付けられている。給気ユニット5は、給気室53に連通する給気ダクト54に接続されている。給気ダクト54は、装置外に設けられた図示しないエア供給源に接続されている。なお、給気室53内に空気圧シリンダを配置し、この空気圧シリンダにより給気ユニット5を上方に押し上げ、原料容器4と密接させるようにしても良い。また、この際、原料容器4とスプレーケーシング3の間、スプレーケーシング3とフィルタケーシング2の間も、給気ユニット5の上昇に伴って密接するようにしても良い。
【0036】
このような流動層装置では、給気ダクト54から給気室53に流動エアを供給すると、このエアが目皿板9を通って原料収容室33に流入する。これにより、原料収容室33内の粉粒体が吹き上げられ、原料収容室33や流動室24内にて流動状態となる。この状態にてスプレーノズル8から適宜バインダ液やコーティング液をスプレー状に噴霧することにより、粉粒体のコーティング処理が実行される。また、粉粒体のコーティング処理の後、スプレーノズル8からの噴霧を停止させ、処理品の乾燥処理を行うこともできる。
【0037】
一方、粉粒体を流動状態とした気体は、微細な固体粒子がカートリッジフィルタ7によって除去されて清浄化された後、排気ダクト13を通って排出される。カートリッジフィルタ7に付着した微細粒子は、パルスジェットノズル22によって適宜逆洗処理されるが、逆洗処理のみでは付着した粉体を完全に払い落とすのは難しい。このため、流動層装置においても、コーティング処理を所定時間行った後、カートリッジフィルタ7の洗浄を行う。その際、従来の流動層装置では、カートリッジフィルタ7を一旦流動層装置から取り外して洗浄する必要がある。これに対して、当該流動層装置では、供給管14から洗浄水をケーシング内に供給し、カートリッジフィルタ7を装置内にて洗浄することができる。
【0038】
そこで、図1の流動層装置におけるカートリッジフィルタ7の洗浄処理について説明する。図4は、当該流動層装置の洗浄工程を示す説明図である。流動層装置では、コーティング処理を所定時間行い、製品を取り出した後、供給管14から装置内に洗浄液56を注入する。この際、洗浄液56の注入に先立って、まず、目皿板9を図4(a)から(b)の状態に回転させる。すなわち、モータ52を作動させ、回転軸41を90°回転させることにより、目皿板9の状態を、図4(a)の水平位置(第1位置)から図4(b)の鉛直位置(第2位置)に変更する。これにより、原料容器4の内壁と目皿板9の外周部との間に隙間が形成され、原料容器4の底に開口57が形成される。この開口57により、流動層装置内の流動室24と原料収容室33、給気室53が連通状態となる。そして、この状態にて、供給管14から装置内に洗浄液56を注入する。
【0039】
洗浄液56としては、温水や清浄水、洗剤が投入された水などが用いられ、図4(c)に示すように、所定の液位Lまで装置内に注入される。洗浄液56注入後、カートリッジフィルタ7を洗浄液56内に浸漬する(図4(d))。カートリッジフィルタ7は、ワイヤ15の動作により天板6と共に下降する。天板6は、洗浄液56内に没する位置まで降ろされる。洗浄液56内にカートリッジフィルタ7を浸漬した後、図4(e)に示すように、超音波洗浄装置55を作動させる。この際、超音波洗浄装置55は、洗浄液56内に浸漬されたカートリッジフィルタ7の近傍に配置されているため、超音波振動がカートリッジフィルタ7に伝わり易く、フィルタに付着した微細な粒子などの異物が効率良く除去される。
【0040】
また、図4(e)に示すように、洗浄処理の際、目皿板9が処理容器1内に鉛直状態で配置されるため、水平状態のまま洗浄処理を行う場合に比して、目皿板9の洗浄性が向上する。例えば、目皿板9上に洗浄液に溶けない粉末など(洗浄液不溶成分)が堆積している場合、目皿板9を水平状態のまま洗浄処理を行っても、それらを十分に除去することができない。これに対し、図1の流動層装置では、目皿板9を鉛直状態として洗浄処理を行うため、目皿板9上に洗浄液不溶成分が堆積していても、超音波振動によりそれらが払い落とされ、目皿板9から除去される。従って、目皿板9上に洗浄液不溶成分が堆積してしまうことを防止でき、装置内部を効果的に洗浄することが可能となる。
【0041】
このように、当該流動層装置では、超音波洗浄装置55をスプレーケーシング3の側壁3aに取り付けると共に、スプレーケーシング3内に満たされた洗浄液中にカートリッジフィルタ7を浸漬し、その状態でカートリッジフィルタ7を超音波洗浄するので、カートリッジフィルタ7を装置内にて効率良く洗浄することができる。このため、装置からフィルタを取り外すことなくカートリッジフィルタ7を自動洗浄でき、洗浄工数を大幅に削減することが可能となる。また、装置内でフィルタの洗浄を行うため、洗浄時に作業員が薬液に接触することがなく、作業環境も改善される。さらに、本発明による装置は、従来の流動層装置に超音波洗浄装置55を設置すれば足りるため、大きな設計変更や装置の交換を伴うことなく、従来機にも容易に適用可能である。
【0042】
超音波洗浄装置55を所定時間作動させ、カートリッジフィルタ7を洗浄した後、図4(f)に示すように、図示しないコックを開いて洗浄液56を排出する。これにより、一回の洗浄処理が終了する。但し、必要に応じて、図4(c)〜(f)の工程を所定の回数だけ繰り返しても良く、常時、給水・排水を行いつつ洗浄を行っても良い。なお、カートリッジフィルタ7を清浄化した後、給気ダクト54から乾燥用気体を装置内に流すことにより、カートリッジフィルタ7の乾燥を行うことも可能である。
【実施例2】
【0043】
次に、本発明の実施例2として、洗浄装置として、超音波洗浄装置55に代えて、バブリング洗浄装置61を用いたものについて説明する。図5は、本発明の実施例2である流動層装置の構成を示す説明図である。なお、実施例2では、実施例1と同様の部材、部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
図5に示すように、当該流動層装置では、スプレーケーシング3の側壁3aにバブリング洗浄装置61が取り付けられている。バブリング洗浄装置61は、気泡を含む液流を噴射するノズル(気泡流噴射ノズル)を備えており、装置外に設けられたポンプ62に接続されている。ポンプ62は、洗浄液を貯留したタンク63と接続されている。気泡流噴射ノズルとしては、液流の力で外気を吸い込み微細な気泡をジェット噴射するノズル、例えば、スプレーイング システムス ジャパン株式会社製「バブリング・ジェット・ノズル」などが使用される。気泡流噴射ノズルには、ポンプ62から0.1〜0.5MPa程度の液圧にて洗浄液が供給され、この液流の力によって大気開放された空気取入口68から空気が取り込まれ、気泡を含む液流(気泡流)が噴射される。
【0045】
一方、実施例2の流動層装置では、カートリッジフィルタ7が回転自在に取り付けられている。図5に示すように、リテーナ19の下端部には回転ジョイント64が取り付けられている。回転ジョイント64にはフィルタ回転軸65が取り付けられており、フィルタ回転軸65は回転ジョイント64を介してリテーナ19に対し回転自在となっている。フィルタ回転軸65の下端部にはフィルタ固定ノブ20が取り付けられる。このように、カートリッジフィルタ7は、リテーナ19、回転ジョイント64、フィルタ回転軸65及びフィルタ固定ノブ20によって、天板6に回転自在な状態で吊設される。
【0046】
また、天板6の下面側には、エアシリンダ66が固定されている。エアシリンダ66に対しては、図示しないコンプレッサから圧縮エアが供給される。図5に示すように、エアシリンダ66は天板6から下方に向かって延伸し、その下側部分はカートリッジフィルタ7内に収容されている。エアシリンダ66の下端部からはピストンロッド67が下方に向かって突出している。ピストンロッド67の下端部には回転ジョイント64が取り付けられている。図5は、エアシリンダ66のピストンロッド67が縮み、フィルタ回転軸65が上方に引き上げられた状態を示している。これに対し、エアシリンダ66が作動すると、ピストンロッド67がエアシリンダ66から突出し、フィルタ回転軸65が下方に移動する。これにより、カートリッジフィルタ7が下方に移動し、ゴムパッキン21が天板6から離れ、カートリッジフィルタ7は回転自在な状態となる。なお、その他の部位は実施例1の流動層装置と同様の構成となっている。
【0047】
一方、図5の流動層装置では、バブリング洗浄装置61の気泡流噴射ノズルが側壁3aに対して傾いた状態で配設されており、フィルタ洗浄処理時にはカートリッジフィルタ7に対し接線方向から気泡流が当たるようになっている。図6は、当該流動層装置におけるフィルタ洗浄処理の様子を示す説明図である。実施例2の流動層装置では、洗浄処理の際に天板6を下降させると共に、エアシリンダ66を作動させてカートリッジフィルタ7を天板6から離し、回転自在な状態とする。そして、図6に示すように、スプレーケーシング3内に洗浄液を注入し、バブリング洗浄装置61を作動させると、そこから発せられる気泡流により、カートリッジフィルタ7は、回転ジョイント64に軸支されつつ、フィルタ回転軸65を中心として回転する。カートリッジフィルタ7が回転すると、その回転に伴う遠心力によって、カートリッジフィルタ7のプリーツ奥部に溜まった微粉が外周側へと送られる。すなわち、カートリッジフィルタ7は、プリーツ部に噴射された気泡流による洗浄に加え、フィルタの回転による遠心力によっても洗浄される。
【0048】
このように、当該流動層装置では、バブリング洗浄装置61による気泡流によってカートリッジフィルタ7を回転させつつ洗浄を行うので、フィルタ全体に気泡流が直接当たることにより、プリーツの奥まで十分に洗浄できる。従って、装置からフィルタを取り外すことなくカートリッジフィルタ7を自動洗浄でき、洗浄工数を大幅に削減することが可能となる。また、装置内でフィルタの洗浄を行うため、洗浄時に作業員が薬液に接触することがなく、作業環境も改善される。さらに、本発明による装置は、従来の流動層装置にバブリング洗浄装置61を設置すれば足りるため、大きな設計変更や装置の交換を伴うことなく、従来機にも容易に適用可能である。
【0049】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例は、粉粒体にコーティング処理を施すための流動層装置を示したが、粉粒体を造粒する装置あるいは乾燥する装置にも本発明を適用することができる。また、前述の実施例では、超音波洗浄装置55とバブリング洗浄装置61を用いた形態をそれぞれ説明したが、それらの装置を両方設置し、両装置を併用することも可能である。すなわち、バブリング洗浄装置61の気泡流によってカートリッジフィルタ7を回転させつつ、超音波洗浄装置55の超音波振動によってカートリッジフィルタ7を洗浄するなどの処理も可能である。また、洗浄装置は、超音波洗浄装置とバブリング洗浄装置には限定されず、例えば、気泡を含まない洗浄液のみを強力に噴射する槽内撹拌用ノズルのようなものを用いることも可能である。
【0050】
さらに、前述の実施例では、モータを用いて天板6を上下させたり、目皿板9を回転させたりしているが、空気圧シリンダ等を用いたアクチュエータなど、種々の駆動手段を用いることが可能である。また、実施例2では、カートリッジフィルタ7の上下移動をフィルタ内蔵型のエアシリンダによって行っているが、上下移動機構はこれには限定されず、例えば、カートリッジフィルタ7を処理容器1の天井部から吊り下げ、処理容器1の天井部に配置した昇降装置によって上下移動させる構成や、処理容器1外に設けたウインチ装置によってカートリッジフィルタ7を上下移動させる構成など、種々の機構を採用することができる。なお、目皿板9の回転を外付けハンドルなどにより手動にて行うようにしても良い。
【0051】
加えて、流動層装置に使用するカートリッジフィルタ7としては、前述のような円筒形状以外に、角板形状や角筒形状などの種々のタイプのものを使用することが可能である。その材質は、ポリエステル、ポリアミド不織布やステンレス製の金属フィルタも使用することが可能である。
【0052】
また、カートリッジフィルタ7を装置内で上下方向に移動させる手段としては、前述のように天板6と共に移動させる方式の他、カートリッジフィルタ7を単独で上下させる方式も採用し得る。この場合、カートリッジフィルタ7をワイヤにて上下移動可能に吊設する構成や、カートリッジフィルタ7を支持ロッドに取り付け、この支持ロッドをエアシリンダ等のアクチュエータにて上下させる構成など、種々の形態が適用可能である。
【0053】
一方、前述の流動層装置では、洗浄効果を高めるために、天板6を上下動させながら超音波洗浄装置55による洗浄処理を行うことも可能である。また、流動室24等の内壁の洗浄は、別途洗浄ノズルを設け、そこから洗浄液を噴射して行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1である流動層装置の構成を示す説明図である。
【図2】原料容器をスクリーンユニット側(下方側)から見た構成を示す斜視図である。
【図3】スクリーンユニットの構成を示す説明図である。
【図4】図1の流動層装置の洗浄工程を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例2である流動層装置の構成を示す説明図である。
【図6】図5の流動層装置におけるフィルタ洗浄処理の様子を示す説明図である。
【図7】従来の流動層装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1 処理容器
2 フィルタケーシング
3 スプレーケーシング
3a 側壁
4 原料容器
5 給気ユニット
6 天板
7 カートリッジフィルタ
8 スプレーノズル
9 目皿板
10a,10b クランプ
11 天蓋
12 フィルタ室
13 排気ダクト
14 供給管
15 ワイヤ
16a,16b プーリ
17 フィルタ材
18a,18b エンドキャップ
19 リテーナ
20 フィルタ固定ノブ
21 ゴムパッキン
22 パルスジェットノズル
23 開口部
24 流動室
25 スプレーアーム
31 コンテナケーシング
32 スクリーンユニット
33 原料収容室
34 フレーム
35 フランジ部
36 トグルクランプ
37 多孔板
38 サポートブラケット
38a ブラケット外周部
38b リブ部
39 スクリーンシール
41 回転軸
42 ブッシュ
43 スリーブ
44 スラストベアリング
45 エンドキャップ
46 ブッシュ
47 スリーブ
48 カラー
49 スペーサチューブ
51 モータユニット
52 モータ
53 給気室
54 給気ダクト
55 超音波洗浄装置
56 洗浄液
57 開口
58 発信器
61 バブリング洗浄装置
62 ポンプ
63 タンク
64 回転ジョイント
65 フィルタ回転軸
66 エアシリンダ
67 ピストンロッド
68 空気取入口
101 流動層装置
102 処理容器
103 目皿板
104 スプレーノズル
105 天板
106 フィルタ
107 ジェットノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成された処理容器と、
前記処理容器内に配置され、前記処理容器内に洗浄液が注入・保持された状態で前記洗浄液中に浸漬可能に設けられたフィルタ部材と、
前記処理容器の側壁に取り付けられ、前記洗浄液中に浸漬された状態の前記フィルタ部材を洗浄可能な洗浄装置とを有することを特徴とする流動層装置。
【請求項2】
請求項1記載の流動層装置において、前記洗浄装置は、前記洗浄液中に超音波振動を付与する超音波洗浄装置であることを特徴とする流動層装置。
【請求項3】
請求項1記載の流動層装置において、前記洗浄装置は、前記洗浄液中に気泡流又は気泡を含む液体を供給するバブリング洗浄装置であることを特徴とする流動層装置。
【請求項4】
請求項3記載の流動層装置において、前記フィルタは、前記処理容器内に回転自在に設置され、前記気泡流又は気泡を含む液体によって前記洗浄液中にて回転することを特徴とする流動層装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の流動層装置において、前記フィルタ部材は、前記処理容器内を上下方向に移動可能に設置されてなることを特徴とする流動層装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の流動層装置において、前記処理容器は、前記フィルタが配置されたフィルタケーシングと、被処理物に対し液体を噴霧するスプレーノズルが配置されたスプレーケーシングと、被処理物が収容される原料容器と、前記原料容器に対し処理気体を供給する給気ユニットとを備え、前記洗浄装置は、前記スプレーケーシングの側壁に設置されることを特徴とする流動層装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の流動層装置において、前記流動層装置は、前記処理容器内に設置され、略水平方向に配置される第1位置と、前記第1位置に対し所定角度傾斜した第2位置との間で変位可能に設けられた目皿板をさらに有することを特徴とする流動層装置。
【請求項8】
筒状に形成された処理容器と、前記処理容器内に配置されたフィルタ部材とを備えてなる流動層装置におけるフィルタ洗浄方法であって、
前記処理容器内に洗浄液を注入し、
前記処理容器内に前記洗浄液が保持された状態で、前記フィルタ部材を前記洗浄液中に浸漬し、
前記処理容器の側壁に設置された洗浄装置により、前記洗浄液中に浸漬された前記フィルタ部材を洗浄することを特徴とする流動層装置におけるフィルタ洗浄方法。
【請求項9】
請求項8記載の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法において、前記洗浄装置は、前記洗浄液中に超音波振動を付与して前記フィルタ部材を洗浄することを特徴とする流動層装置におけるフィルタ洗浄方法。
【請求項10】
請求項8記載の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法において、前記洗浄装置は、前記洗浄液中に気泡流を供給して前記フィルタ部材を洗浄することを特徴とする流動層装置におけるフィルタ洗浄方法。
【請求項11】
請求項10記載の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法において、前記気泡流によって、前記フィルタを前記洗浄液中にて回転させることを特徴とする流動層装置おけるフィルタ洗浄方法。
【請求項12】
請求項8〜11の何れか1項に記載の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法において、前記フィルタ部材は、前記処理容器内を上下方向に移動可能に設置され、前記処理容器内に前記洗浄液が注入・保持された状態で前記処理容器内の下方側の位置に移動し、前記洗浄液中に浸漬されることを特徴とする流動層装置におけるフィルタ洗浄方法。
【請求項13】
請求項8〜12の何れか1項に記載の流動層装置におけるフィルタ洗浄方法において、前記流動層装置は、前記処理容器内に設置され、略水平方向に配置される第1位置と、前記第1位置に対し所定角度傾斜した第2位置との間で変位可能に設けられた目皿板をさらに有し、前記目皿板を前記第2位置に変位させた状態で前記フィルタ部材の洗浄を行うことを特徴とする流動層装置におけるフィルタ洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−18297(P2008−18297A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189529(P2006−189529)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000112912)フロイント産業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】