説明

流量装置及び該流量装置を使用する方法及びシステム

【課題】リストリクタとして機能し、装置を含む流体システム内で過圧事象が生じた場合には圧力を逃がすこともできるように適合された、流量装置を提供する。
【解決手段】流量装置50は、外周62を有する拡張可能オリフィス64と、外周62によって包囲された複数の片持ちタブ58と、タブ58によって包囲及び画定された開口部54とを含む。タブ58は、外周62から開口部54に向かって突起しており、所定圧力レベル未満の圧力の、拡張可能オリフィス64を通る抽気の流れを制限するが、片持ちタブ58は、過圧状態によって偏向した結果、拡張して所定圧力レベルを超える圧力の抽気の過圧状態を緩和する。装置50は、防氷/除氷システムに使用する抽気の調整を含む、航空機用途での使用に適合可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に、流体システムに使用する流量装置に関し、より具体的には、システム内の流体の流れを制限するように適合されると共に、システム内の過圧状態に対応可能な、流体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において周知のように、ガスタービンエンジンのファン及び/又は圧縮機によって圧縮された空気の一部は通常、エンジン部品の冷却と、(航空機エンジンの場合には)防氷及び除氷システムの使用並びに客室与圧を含む、様々な目的のために使用される。図解目的のため、図1では、到来する空気14を圧縮するためにエンジン10の前に配置された大型ファン12を含むものとして、高バイパスターボファンエンジン10を概略的に示す。圧縮空気の塊が、エンジン10の後方に向かって流れ、推進力を増加させると共にエンジン10の特定燃料の消費を減少させる一方で、比較的少量の空気が、コアエンジン(ガスタービン)16に流入する。コアエンジン16は、空気を更に圧縮する低圧及び高圧圧縮機段を含む圧縮機部分18、燃料が圧縮空気と混ざり合って燃焼する燃焼チャンバ20、並びにタービン部分22を含むものとして示されており、タービン部分22では、高圧及び低圧タービンが燃焼ガスからエネルギーを抽出し、圧縮機部分18の高圧段、ファン12と、圧縮機部分18の低圧段とをそれぞれ駆動させる。ファン12は、コアエンジン16を包囲するコアカウリング26と共に、圧縮ファン空気がエンジン10の後方に向かって流れる際に通るバイパスダクト28を画定するナセル又はファンカウリング24によって包囲されている。
【0003】
図1は、抽気流を概略的に示しており、この抽気流は、圧縮機部分18から引き出され、ダクト32を通じて環状空洞34に向かって送達される。環状空洞34は、ファンカウリング24の入口リップ36とファンカウリング24内の隔壁部38との間に画定され、D−ダクトとも称される。高温抽気は、(図1に示すように)プレナム40を通じて入口リップ36の内面に向かって排出可能であり、その結果、リップ36を加熱して着氷を除去及び/又は防止する。使用済み抽気はその後、例えば1つ以上の通気孔(図示せず)を通じて、D−ダクト34を出る。上述のように、圧縮機部分18並びにファン12からの圧縮空気を様々なその他の目的のために流出させることもできるので、エンジン10の様々なその他の領域に使用可能である。例えば、ファンバイパスダクト28からの抽気を、コアカウリング26内のコア区画30に通して、エンジン制御部及び区画30内に位置する様々なその他の部品(図示せず)を冷却することが多い。そのため、ダクト32の位置及び構成は、航空機エンジン内の抽気を送達するように企図されたダクトの非限定的な例である。
【0004】
その最終用途によっては、弁又はブリードオリフィス等を用いて、ファン12又は圧縮機部分18から流出した空気の圧力又は流量を調整する必要があることもある。例えば、D−ダクト34への抽気の流量を制御するための流量リストリクタとして機能させるために、図1に示すプレナム40を、マニホルド又は複数のノズルのうちのいずれか(図示せず)として構成してもよい。加えて、例えばファンカウリング24の構造的性能等、いずれの圧力限界をも超えないことを保証する設備が抽気に必要なこともある。この目的のために、様々なタイプの圧力逃がし弁及び「ブローアウト」ドアが開発及び使用されてきた。例えば、米国特許第3571977号は、過圧事象が生じそうな場合に、ナセルの外板及びその他の主要な構造部品の故障を防止するために、航空機エンジンのナセル等の与圧区画の過圧を防止するための、圧力逃がしドアを開示している。ブローアウトドア及び圧力逃がし弁は、企図されるこれらの目的には有効であるものの、航空機エンジンが更に複雑になり重量が増すので、そのいずれもが航空機のコスト及び運用に不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7740075号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リストリクタとして機能するように適合された流量装置であって、この装置を含む流体システム内に過圧事象が生じた場合に圧力を逃がすこともできるように適合された流量装置を提供する。この装置は、防氷/除氷システムで使用する抽気の調整、客室与圧、及び部品冷却システムを含む、航空機用途での使用に適合可能である。
【0007】
本発明の第一の態様によると、この流量装置は、パネルの板厚方向の厚みを有するパネルと、パネル内に画定された拡張可能オリフィスとを含む。拡張可能オリフィスは、外周と、この外周によって包囲されて一平面内に存在する複数の片持ちタブと、パネルの厚みを貫通し、片持ちタブによって包囲及び画定される開口部とを有する。片持ちタブは、外周から開口部に向かって突起している。片持ちタブの隣接する対は、間隙によって互いに分離されていることによって、片持ちタブが互いに独立してその平面から偏向可能になっている。各片持ちタブは、その平面から偏向すると片持ちタブが曲がる接合部を外周上に画定する。開口部は、拡張可能オリフィスを流れる流体の圧力を、所定圧力レベル未満に制限するように動作可能であり、片持ちタブは、その平面から偏向することによって、所定圧力レベルを超える圧力の流体の過圧状態を緩和するように動作可能である。
【0008】
本発明の別の態様は、例えば航空機エンジンの防氷システム等、流量装置を含む流体システムと、流体システムを通る流体流を調整してシステム内の圧力を緩和する効果を提供する流量装置の使用方法とを含む。具体例として、航空機エンジンのファンカウリング上での着氷を抑制する目的のために、かかる方法は、航空機エンジンを作動させるステップと、航空機エンジンの圧縮機から抽気を引き出すステップと、流量装置を用いてファンカウリング内に抽気を導入するステップとを含み、この流量装置は、外周と、この外周によって包囲された複数の片持ちタブと、この片持ちタブによって包囲及び画定される開口部を有する拡張可能オリフィスとを備える。片持ちタブは、外周から開口部に向かって突起しており、拡張可能オリフィスを通る抽気の流れを所定圧力レベル未満の圧力に制限する。所定圧力レベルを超える圧力の抽気の過圧状態によって片持ちタブが偏向すると、タブが偏向するにつれて開口部が拡張し、過圧状態を緩和する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的効果は、流動流体システム内で流量リストリクタとしてほぼ従来通り機能すると共に、流体システム内の圧力が所定レベルを超過した場合に圧力を緩和する機能も提供する、流量装置の性能である。その上、この流量装置は、流体システムの複雑さ及び重量を著しく増加させることなく実施可能である。また、この流量装置は、従来の圧力逃がし装置に比べて少ない部品で実施可能であり、この部品には、航空機用途で一般的に使用される圧力逃がし弁及びブローアウトドアが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】高バイパスターボファンエンジンの概略断面図である。
【図2】壁部を通る流体を調整する流量装置を備えた、流路及び壁部の概略側面図である。
【図3】本発明の一実施例による拡張可能オリフィスを画定する際の流量装置を示す、図2の流量装置の平面図である。
【図4】過圧事象によって平面から偏向する図3の流量装置のタブを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明から、本発明のその他の態様及び利点の理解が深まるであろう。
【0012】
図2から4に、本発明の一実施例による流量装置50を概略的に示す。流量装置50は、図1に示すタイプの防氷(及び除氷)システムに使用可能であるが、便宜上、図1のエンジン10を参照しながら論じる。しかし、本発明は、流体の流量制限、並びに、過圧状態からの保護が望ましい様々なその他の用途での使用に適しており、これらの用途には、圧縮機18又はバイパスダクト28から引き出される、エンジン10の様々なその他の領域で使用される抽気を含むが、これに限定されない。
【0013】
図2は、壁部46に設置されて通路48からの抽気を受け取る、流量装置50を概略的に示す。例えば、壁部46が、図1のプレナム40の壁部であって、通路48が図1のダクト32であってもよく、その場合には装置50は、図1の防氷システムの部品として機能する。こうして、圧縮機部分18から引き出された抽気は、装置50からD−ダクト(空洞)34に排出され、結果的に、入口リップ36が加熱され、ファンカウリング24(より具体的にはカウリング24の入口リップ36(図示せず))上の着氷を除去及び/又は防止する。D−ダクト34内に排出された抽気は、圧力又は流量調整を必要とすることがあるが、この目的のために、流量装置50は、D−ダクト34内に排出される高温抽気の流量を制御する任意の数の流量リストリクタのうちの1つとして機能するように構成されている。流量リストリクタ機能に加えて、流量装置50は、ダクト32又はプレナム40内の過圧状態を防止するための、圧力を緩和する機能を有するように構成されている。
【0014】
図2、3、及び4に示す実施例において、流量装置50は、開口部54が画定された平坦パネル52の形態である。パネル52は、非限定的な例としてステンレス鋼をはじめ、様々な材料で形成可能である。パネル52は好ましくは、図示のように平坦であるが、非平面形状も可能であることは想到されよう。パネル52は、開口部52を包囲する基部領域56、並びに基部領域56から一端が持ち上がって開口部52に向かって延在する複数のタブ58を画定し、これらが組み合わさって、タブ58の最も内側の端部60が開口部54を画定するようになっている。図2から明らかなように、基部領域56を用いて、内側壁部44に装置50を備え付けることができる。パネル52は平面構成なので、タブ58は全体的に、同じ平面内に存在する。図3及び4では、8つのタブ58を示しているが、これよりも多い(又は少ない)タブ58を使用してもよいことは想到されよう。タブ58は、拡張可能オリフィス64の外周62と称される場所において基部領域56に隣接し、開口部54、タブ58、及び外周62が組み合わさって画定され、オリフィス64は、タブ58が基部領域56に対して旋回又は湾曲可能な場所で、基部領域56とタブ58との間の接合部66を画定する。このように、パネル52又は少なくともパネル52の接合部66を画定する部分は、十分に高い力又は圧力を受けたときに基部領域56に対してタブ58が旋回可能な板厚を有し、この板厚によって、事実上、所定圧力レベルが定まり、この所定圧力レベルを超えると、図4に示すように、過圧状態によってタブ58が偏向した結果として開口部54が拡張する。そのため、寸法及び/又は材料を選択することで装置50を適合させることによって、並びにモデリング手法及び/又は僅かな実験によって、個々の用途に適した所定圧力レベルを得ることができる。
【0015】
図3及び4では、開口部54及び周縁部62が円形として示されているが、これらは周縁部62と一致するので、基部領域56とタブ58との間の接合部66は、弓形状である。しかし、拡張可能オリフィス64及びその要素がその他の幾何学的形状であってもよいことは、理解されたい。また、開口部54及び周縁部62が円形状である結果、タブ58は楔形であり、開口部54の中心軸に向かって半径方向内向きに延在するが、これはパネル52の板厚方向と平行であってもよい。図3も、間隙68によって互いに完全に分離された状態で円周方向に隣接するタブ58の対を示しているが、これによって、タブ58が基部領域56に対して平面から互いに独立して偏向可能になる。図3及び4の実施例において、間隙68は、開口部54の軸の半径上に位置している。最後に、図3及び4は更に、拡張可能オリフィス64の周縁部62上に設けられた周囲間隙70によって部分的に画定されるものとして、タブ58を示している。これら間隙70の各々は、各タブ58の接合部66が周方向に離間する周囲間隙70の対の間に存在するように、タブ58の隣接する対の間の半径方向間隙68のうちの1つと連接する。図3及び4に示すように、接合部66及び周囲間隙70は、ほぼ等しい円周長さを有する。実際には、接合部66の円周長さは周囲間隙70よりも大きくても小さくてもよいことは、想到されよう。
【0016】
上述のように、拡張可能オリフィス64の開口部54は、流体の圧力が所定圧力レベル未満に保たれている間は、オリフィス64を流れる流体を制限するようになっており、タブ58は、流体圧力が所定圧力レベルを超えそうな場合に、パネル52の平面から偏向することによって、開口部54の断面積(及び直径)を増加させ、過圧状態を緩和するようになっている。パネル52の厚みに加えて、タブ58が偏向する所定圧力レベルは、開口部54及びタブ58の相対断面積、各タブ58の表面積、並びに接合部66及び周囲間隙70の相対円周長さ等の要因に依存する。図1の防氷システム等の用途では、オリフィス64が拡張することが望ましい圧力レベルは様々であってよいが、約0.1から約40psi(約700Paから約0.3MPa)の範囲内の閾値圧力が一般的であろう。これらの条件の下で、パネル52がステンレス鋼、例えばAISIタイプ321のステンレス鋼で形成される場合、パネル52に適した厚みは通常、約0.04から約0.15インチ(約1から約4ミリメートル)、より好ましくは0.08から約0.1インチ(約2から約2.5ミリメートル)の範囲内となり、開口部54に適した直径は通常、約0.02から約1.5インチ(約0.5ミリメートルから約4センチメートル)の範囲内、例えば約0.5インチとなり、周縁部62に適した直径は通常、約0.05から約4インチ(約1.25ミリメートルから約10センチメートル)の範囲内、例えば約1.5インチ(約4センチメートル)となる。タブ58を相互に基部領域56に対して自由に移動させるためには、半径方向及び周囲間隙68及び70は好ましくは、約0.005から約0.045インチ(約125マイクロメートルから約1.1ミリメートル)程度の幅を有する。
【0017】
開口部54を図1に示すタイプの防氷システムに設置すると、航空機エンジン10の動作の結果、圧縮機部分18からダクト32を通じて抽気が引き出され、その時点で抽気が流量装置50を通じてファンカウリング24のD−ダクト34内に排出される。エンジン10の通常運転時、抽気の圧力がオリフィス64の設計によって定まる所定圧力レベル未満を維持している間、開口部54は、拡張可能オリフィス64を通る抽気の流れを制限する一助となる。例えば、防氷システム内の弁の故障又はプレナムの閉塞により、圧力が所定レベルを超過した場合には、タブ58が基部領域56に対して偏向する結果、開口部54が拡張して過圧状態を緩和する。上述のように、半径方向間隙68によって、タブ58が互いに独立して偏向可能になる。タブ58が偏向すると、通常、基部領域56との接合部66が塑性変形するので、開口部54が、流量リストリクタの役割を果たすように意図されていた当初の断面積に戻ることはない。そのため、過圧状態が生じた場合には、通常であれば、流量装置50の交換が必要になる。設計と構造が複雑ではないので、流量装置50を交換するコストの負担は、最小限で済む。
【0018】
特定の実施例に関して本発明を記載したが、当業者にはその他の形態も採用可能であろう。例えば、流量装置50を、航空宇宙産業以外の用途に採用可能であり、流量装置50の物理的構成及びそれを設置する構造が、図示のものと異なっていてもよく、記載した以外の材料及びプロセスを使用して、装置50を製造してもよい。更に、装置50を、基本的にはどのタイプの流体(気体及び液体)を含むどの高圧流体システムに使用してもよく、これによって、圧力を緩和することで、上流の圧力調整装置の故障からシステムを保護し、破裂事象を回避することができる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
【符号の説明】
【0019】
10 エンジン
12 ファン
14 空気
16 エンジン
18 圧縮機
20 チャンバ
22 部分
24 カウリング
26 カウリング
28 ダクト
30 区画
32 ダクト
34 空洞
36 リップ
38 隔壁部
40 プレナム
44 壁部
46 壁部
48 通路
50 流量装置
52 開口部
54 開口部
56 領域
58 タブ
60 端部
62 周縁部
64 オリフィス
66 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量装置(50)であって、
板厚方向の厚みを有するパネル(52)と、
前記パネル(52)内に画定された拡張可能オリフィス(64)であって、前記拡張可能オリフィス(64)は、外周(62)と、前記外周(62)によって包囲されて一平面内に存在する複数の片持ちタブ(58)と、前記パネル(52)の厚みを貫通し、前記片持ちタブ(58)によって包囲及び画定される開口部(54)とを含み、前記片持ちタブ(58)は、前記外周(62)から前記開口部(54)に向かって突起しており、前記片持ちタブ(58)の隣接する対は、間隙(68)によって互いに分離されており、前記間隙(68)によって、前記片持ちタブ(58)が互いに独立して前記平面から偏向可能になり、前記片持ちタブ(58)の各々は、前記平面から偏向すると前記片持ちタブ(58)が曲がる前記外周(62)における接合部(66)を画定する、拡張可能オリフィス(64)とを特徴とし、前記開口部(54)は、所定圧力レベル未満の圧力に前記拡張可能オリフィス(64)を流れる流体を制限するように動作可能であり、前記片持ちタブ(58)は、前記平面から偏向することによって、前記所定圧力レベルを超える圧力の前記流体の過圧状態を緩和するように動作可能である、流量装置(50)。
【請求項2】
前記開口部(54)は、前記パネル(52)の板厚方向と平行な軸を有する、請求項1に記載の流量装置(50)。
【請求項3】
前記片持ちタブ(58)は、前記開口部(54)の中心軸に向かって前記外周(62)から半径方向内向きに突起する、請求項1又は2に記載の流量装置(50)。
【請求項4】
前記片持ちタブ(58)の隣接する対の間の前記空隙(68)は、前記開口部(54)の軸の半径上に位置する、請求項1から3のいずれか1項に記載の流量装置(50)。
【請求項5】
前記拡張可能オリフィス(64)の前記外周(62)は円形状を有し、前記片持ちタブ(58)の各々と前記外周(62)との前記接合部(66)は、前記外周(62)の円形状と一致する弓形状を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の流量装置(50)。
【請求項6】
前記拡張可能オリフィス(64)の前記外周(62)上に設けられた周囲間隙(70)を更に含み、前記周囲間隙(70)の各々が、前記片持ちタブ(58)の隣接する対の間の前記空隙(68)のうちの1つと連接しており、前記片持ちタブ(58)の前記接合部(66)の各々が、前記周囲間隙(70)の隣接する対の間にある、請求項1から5のいずれか1項に記載の流量装置(50)。
【請求項7】
前記流量装置(50)は、航空機エンジン(10)に取り付けられた防氷システムの部品であり、前記流量装置(50)は、前記航空機エンジン(10)のダクト(32)と流体的に結合されており、前記航空機エンジン(10)の圧縮機(18)から引き出された抽気を排出して前記航空機エンジン(10)のファンカウリング(24)を加熱する、請求項1から6のいずれか1項に記載の流量装置(50)。
【請求項8】
航空機エンジン(10)のファンカウリング(24)上の着氷を抑制する方法であって、
前記航空機エンジン(10)を作動させるステップと、
前記航空機エンジン(10)の圧縮機(18)から抽気を引き出すステップと、
流量装置(50)を通じて前記ファンカウリング(24)内に前記抽気を導入するステップであって、前記流量装置(50)は外周(62)と、前記外周(62)によって包囲された複数の片持ちタブ(58)と、前記片持ちタブ(58)によって包囲及び画定された開口部(54)とを有する拡張可能オリフィス(64)を含み、前記片持ちタブ(58)は前記外周(62)から前記開口部(54)に向かって突起している、ステップとを含み、
前記開口部(54)は、所定圧力レベル未満の圧力に前記拡張可能オリフィス(64)を通る抽気の流れを制限し、
前記開口部(54)は、前記片持ちタブ(58)が過圧状態によって偏向した結果、拡張して前記所定圧力レベルを超える圧力の抽気の過圧状態を緩和する、方法。
【請求項9】
前記片持ちタブ(58)は、一平面内に存在し、前記平面から偏向することによって前記過圧状態を緩和する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記片持ちタブ(58)の隣接する対が互いに独立して偏向することを可能にする、前記片持ちタブ(58)の隣接する対の間の間隙(68)を、前記拡張可能オリフィス(64)が更に含む、請求項8又は9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−229690(P2012−229690A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−84401(P2012−84401)
【出願日】平成24年4月3日(2012.4.3)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】