流量調整装置
【課題】ダイヤフラムの取付作業が容易で、コストが低廉な流量調整装置を提供することである。
【解決手段】ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備する。
【解決手段】ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流量調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流量調整装置は多方面で用いられている。そして、様々なタイプの流量調整装置が提案されている。例えば、ダイヤフラムを用いた流量調整装置が提案(特開平10−288160号公報、特開2005−54954号公報、特開2008−232196号公報、特開2011−90381号公報)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−288160号公報
【特許文献2】特開2005−54954号公報
【特許文献3】特開2008−232196号公報
【特許文献3】特開2011−90381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記提案のダイヤフラム型流量調整装置において、流量制御は、ダイヤフラムの変形によって、行われている。ダイヤフラムの変形にはモータの力が用いられている。しかしながら、モータによるダイヤフラムの変形は応答性が良いとは言えない。
【0005】
そこで、エアを供給し、このエアの圧力によって、ダイヤフラムを変形させることが考えられた。
【0006】
しかしながら、ダイヤフラムの取付けに手間が掛るものであり、改善が求められた。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、ダイヤフラムの取付が容易で、コストが低廉な流量調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、
ダイヤフラムを具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備する
ことを特徴とする流量調整装置によって解決される。
【0009】
前記課題は、
ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、
前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、
前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、
前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備する
ことを特徴とする流量調整装置によって解決される。
【0010】
前記課題は、
ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、
前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、
前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、
前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備し、
前記凹部に嵌合された前記oリング部を押圧する押圧部材を具備する
ことを特徴とする流量調整装置によって解決される。
【発明の効果】
【0011】
ダイヤフラムが簡単に取り付けられ、流量調整装置が低廉なコストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態になる流量調整装置の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は流量調整装置である。特に、ダイヤフラムを具備する流量調整装置である。更には、ダイヤフラムが内装されるケース体を具備する流量調整装置である。前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備する。前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備する。前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成される。この室に対する流体の供給・排出を行う為、前記ケース体は、例えば孔を具備する。流量調整装置は、好ましくは、押圧部材を具備する。この押圧部材によって、前記凹部に嵌合された前記oリング部は押圧される。そして、前記室内に流体(液体または窒素ガスや空気などの気体。特に気体)が供給され(前記ダイヤフラムが膨張し)ても、前記oリング部が前記凹部から抜け取れることは無い。よって、ダイヤフラムは、その目的を奏する。
【0014】
前記流量調整装置は流体通路を具備する。この流体通路は、力が作用することによって変形する変形可能部を有する。例えば、シリコンゴムと言ったゴムの如きの軟質素材(あるいは軟質樹脂)で構成された管である。軟質樹脂製の管に力が印加されると、この印加個所において、管は押し潰される(管断面積が小さくなる)。従って、管内を流れる流体の量は少なくなる。印加された力が解放されると、管内を流れる流体の圧力や管自体が持つ復元力によって、管は復元する。すなわち、管の断面積は大きくなる。従って、管内を流れる流体の量は多くなる。すなわち、管の変形度によって、管内を流れる流量が制御される。この流量制御力は、前記ダイヤフラムから、直接的、又は、間接的に、力を受ける。従って、前記変形可能部は前記ケース体内に配設されている。前記ダイヤフラムは、好ましくは、前記菅(前記変形可能部)の両側に、配設されている。従って、前記菅は、その両側から、力を受ける。
【0015】
前記流量調整装置は、好ましくは、凸部を有するスペーサを具備する。このスペーサは、前記凸部が前記変形可能部に当接するよう、前記ダイヤフラムと前記流体通路との間に配設される。これによって、前記変形可能部にはピンポイント的に力が加わる。従って、流体通路(変形可能部)の変形が効果的である。すなわち、流量制御が効果的に行われる。
【0016】
以下、本発明が更に具体的に説明される。但し、本発明は以下の具体的な実施形態によって限定され無い。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態になる流量調整装置の要部断面図である。
【0018】
同図中、1a,1bはケース半体である。ケース半体1aとケース半体1bとの合体によって、ケース体1が構成される。ケース半体1a,1bの左右の側面部には、断面が半円状の孔が形成されている。そして、ケース半体1aとケース半体1bとを合体してケース体1を構成した際に出来る断面円形の孔には、硬質材からなる管2a,2bが配置されている。
【0019】
管2aと管2bとの間には、例えばシリコンゴム製の管3が接続されている。管3はケース体1の内部に配置されている。
【0020】
4,5,6,7は孔である。孔4,5は、ケース半体1aの上面部に設けられている。孔6,7は、ケース半体1bの下面部に設けられている。矢印で示す通り、孔4,6を介して、空気がケース体1内に供給される。又、矢印で示す通り、孔5,7を介して、ケース体1内の空気が排出される。尚、図1では、空気の供給装置や排気装置は省略されている。
【0021】
8は、ケース半体1aの上面部の内面側に形成された略円形状(平面視で略円形状)の凹溝である。9は膜(ダイヤフラム)である。膜(ダイヤフラム)9の周縁部には、一周に亘って、oリング部9aが一体的に設けられている。この膜9のoリング部9aが凹溝8に嵌め込まれている。膜9とケース半体1aの上面部とで、チャンバ10が構成される。
【0022】
11は、ケース半体1bの下面部の内面側に設けられた略円形状(平面視で略円形状)の凹溝である。12は膜(ダイヤフラム)である。膜(ダイヤフラム)12の周縁部には、一周に亘って、oリング部12aが一体的に設けられている。この膜12のoリング部12aが凹溝11に嵌め込まれている。膜12とケース半体1bの下面部とで、チャンバ13が構成される。
【0023】
14,15はスペーサである。このスペーサ14,15は、一面側に、略円錐台形状の凸部16,17を有する。スペーサ14,15は、膜9,12と管3との間に配設されている。スペーサ14,15の配設形態は次の通りである。スペーサ14,15の平坦面側が膜9,12に当接する。凸部16,17が管3に当接する。
【0024】
18,19は管3の脱落防止用の挟持リングである。
【0025】
20,21は、膜9,12のoリング部9a,12aの離脱防止用のリング状のカラーである。すなわち、カラー20,21の端面がoリング部9a,12aを押圧しているので、チャンバ10,13内に空気が供給され、膜(ダイヤフラム)9,12が膨張しても、oリング部9a,12aが凹溝8,11から抜け取れることは無い。
【0026】
上記構成の流量調整装置は次のようにして組立てられる。膜(ダイヤフラム)9,12の端部に一体的に設けられているoリング部9a,12aが、ケース半体1a,1bに形成された略円形状の凹溝8,11に嵌め込まれる。oリング部9a,12aは凹溝8,11にしっかりと嵌め込まれるので、チャンバ10,13の気密性は高い。すなわち、oリング部9a,12aと凹溝8,11との嵌合関係によって、チャンバ10,13は、孔4,5,6,7を除けば、気密性高く閉空間が構成される。又、シリコンゴム製の管3が管2a,2bに接続される。そして、挟持リング18,19が嵌め込まれる。更に、挟持リング18,19の所望位置にカラー20,21が挿入・配置される。これによって、流体通路が組み立てられる。この後、この組み立てられた流体通路が、膜(ダイヤフラム)9が取り付けられたケース半体1aと膜(ダイヤフラム)12が取り付けられたケース半体1bとの間に配置され、ケース半体同士が強固に一体化される。これにより、流量調整装置の組立ては完了する。極めて簡単に組み立てられ、その製造コストは低廉である。特に、膜(ダイヤフラム)9,12の取付作業性は良く、気密性高く簡単に取り付けられる。
【0027】
次に、上記構成の流量調整装置の動作(流量制御方法)が説明される。
図示されないエア供給装置で、孔4,6を介して、チャンバ10,13内に、エアが吹き込まれている。例えば、第1コンプレッサからのエアが孔4を介してチャンバ10内に吹き込まれ、第2コンプレッサからのエアが孔6を介してチャンバ13内に吹き込まれる。吹き込まれたエアは、孔5,7を介して、外部に放出(排出)されている。{(エア供給量)−(エア放出量)}>0の場合、チャンバ10,13を構成する膜9,12が膨らむ。{(エア供給量)−(エア放出量)}≦0の場合、チャンバ10,13を構成する膜9,12は膨らまない。膜9,12が膨らむと、スペーサ14,15は菅3を押圧する。特に、凸部16,17が管3の壁面を押圧する。管3の壁面は、図1中、上下方向において、凹み、菅3の断面積は小さくなる。従って、菅3内を流れる流体の量は少なくなる。孔4,6を介して、チャンバ10,13内に吹き込まれるエアの量が少なくなると、膜9,12の膨張圧力は低下する。これに伴って、凸部16,17が管3の壁面を押圧する力は低下する。そうすると、管3自身の復元力や菅3内を流れる流体の圧力によって、菅3の断面積が大きくなる。従って、菅3内を流れる流体の量は多くなる。上記のようにして、流体の流量が制御される。
【0028】
上記実施形態では、複数枚(例えば、2枚)の膜9,12が用いられた。ここで、チャンバ10,13には、共に、圧力Pが掛っていると仮定する。この圧力Pによって、膜9,12は共に同様に変形する。膜9の変形によって、菅3は断面積がSだけ減少したとすると、膜12の変形によって、菅3は断面積がSだけ減少する。従って、断面積が、合計2S、減少する。これに対して、膜12が無かった場合、即ち、膜が一枚の場合を考える。チャンバ10に圧力Pが掛かったと仮定すると、菅3の断面積減少量はSである。そこで、断面積減少量を2Sにしようとすると、面積が2倍の大きさの膜が必要になる。このことは、それだけ、ケース体が大きくなることを意味する。すなわち、流量調整装置が大型化する。逆に言うと、上記実施形態の流量調整装置は小型化が可能になる。更に、2倍の大きさの膜になると、このことは、チャンバ10がそれだけ大きくなることを意味する。ところで、チャンバが小さいと、チャンバ内に供給される空気量が僅かでも、膜の変動(膨張)は顕著である。このことは、膜変形速度、即ち、応答速度が速いことを意味する。逆に、チャンバが大きくなると、チャンバ内に多量の空気が送り込まれても、圧力変動は小さい。このことは、膜変形速度、即ち、応答速度が遅いことを意味する。従って、上記実施形態の技術は流量制御の応答速度が速い。クイックリスポンスが可能である。
【0029】
本装置の設置個所は、これまで、流量調整装置が設置されて来た個所あるいは流量制御方法が実施されて来た個所である。例えば、特開2010−26576号公報の図1の装置の如くに組み込まれる。
【符号の説明】
【0030】
1 ケース体
1a,1b ケース半体
3 シリコンゴム製管
4,5,6,7 孔
8,11 凹溝(凹部)
9,12 膜(ダイヤフラム)
9a,12a oリング部
10,13 チャンバ
14,15 スペーサ
16,17 凸部
20,21 カラー(押圧部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は流量調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流量調整装置は多方面で用いられている。そして、様々なタイプの流量調整装置が提案されている。例えば、ダイヤフラムを用いた流量調整装置が提案(特開平10−288160号公報、特開2005−54954号公報、特開2008−232196号公報、特開2011−90381号公報)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−288160号公報
【特許文献2】特開2005−54954号公報
【特許文献3】特開2008−232196号公報
【特許文献3】特開2011−90381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記提案のダイヤフラム型流量調整装置において、流量制御は、ダイヤフラムの変形によって、行われている。ダイヤフラムの変形にはモータの力が用いられている。しかしながら、モータによるダイヤフラムの変形は応答性が良いとは言えない。
【0005】
そこで、エアを供給し、このエアの圧力によって、ダイヤフラムを変形させることが考えられた。
【0006】
しかしながら、ダイヤフラムの取付けに手間が掛るものであり、改善が求められた。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、ダイヤフラムの取付が容易で、コストが低廉な流量調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、
ダイヤフラムを具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備する
ことを特徴とする流量調整装置によって解決される。
【0009】
前記課題は、
ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、
前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、
前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、
前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備する
ことを特徴とする流量調整装置によって解決される。
【0010】
前記課題は、
ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、
前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、
前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、
前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備し、
前記凹部に嵌合された前記oリング部を押圧する押圧部材を具備する
ことを特徴とする流量調整装置によって解決される。
【発明の効果】
【0011】
ダイヤフラムが簡単に取り付けられ、流量調整装置が低廉なコストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態になる流量調整装置の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は流量調整装置である。特に、ダイヤフラムを具備する流量調整装置である。更には、ダイヤフラムが内装されるケース体を具備する流量調整装置である。前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備する。前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備する。前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成される。この室に対する流体の供給・排出を行う為、前記ケース体は、例えば孔を具備する。流量調整装置は、好ましくは、押圧部材を具備する。この押圧部材によって、前記凹部に嵌合された前記oリング部は押圧される。そして、前記室内に流体(液体または窒素ガスや空気などの気体。特に気体)が供給され(前記ダイヤフラムが膨張し)ても、前記oリング部が前記凹部から抜け取れることは無い。よって、ダイヤフラムは、その目的を奏する。
【0014】
前記流量調整装置は流体通路を具備する。この流体通路は、力が作用することによって変形する変形可能部を有する。例えば、シリコンゴムと言ったゴムの如きの軟質素材(あるいは軟質樹脂)で構成された管である。軟質樹脂製の管に力が印加されると、この印加個所において、管は押し潰される(管断面積が小さくなる)。従って、管内を流れる流体の量は少なくなる。印加された力が解放されると、管内を流れる流体の圧力や管自体が持つ復元力によって、管は復元する。すなわち、管の断面積は大きくなる。従って、管内を流れる流体の量は多くなる。すなわち、管の変形度によって、管内を流れる流量が制御される。この流量制御力は、前記ダイヤフラムから、直接的、又は、間接的に、力を受ける。従って、前記変形可能部は前記ケース体内に配設されている。前記ダイヤフラムは、好ましくは、前記菅(前記変形可能部)の両側に、配設されている。従って、前記菅は、その両側から、力を受ける。
【0015】
前記流量調整装置は、好ましくは、凸部を有するスペーサを具備する。このスペーサは、前記凸部が前記変形可能部に当接するよう、前記ダイヤフラムと前記流体通路との間に配設される。これによって、前記変形可能部にはピンポイント的に力が加わる。従って、流体通路(変形可能部)の変形が効果的である。すなわち、流量制御が効果的に行われる。
【0016】
以下、本発明が更に具体的に説明される。但し、本発明は以下の具体的な実施形態によって限定され無い。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態になる流量調整装置の要部断面図である。
【0018】
同図中、1a,1bはケース半体である。ケース半体1aとケース半体1bとの合体によって、ケース体1が構成される。ケース半体1a,1bの左右の側面部には、断面が半円状の孔が形成されている。そして、ケース半体1aとケース半体1bとを合体してケース体1を構成した際に出来る断面円形の孔には、硬質材からなる管2a,2bが配置されている。
【0019】
管2aと管2bとの間には、例えばシリコンゴム製の管3が接続されている。管3はケース体1の内部に配置されている。
【0020】
4,5,6,7は孔である。孔4,5は、ケース半体1aの上面部に設けられている。孔6,7は、ケース半体1bの下面部に設けられている。矢印で示す通り、孔4,6を介して、空気がケース体1内に供給される。又、矢印で示す通り、孔5,7を介して、ケース体1内の空気が排出される。尚、図1では、空気の供給装置や排気装置は省略されている。
【0021】
8は、ケース半体1aの上面部の内面側に形成された略円形状(平面視で略円形状)の凹溝である。9は膜(ダイヤフラム)である。膜(ダイヤフラム)9の周縁部には、一周に亘って、oリング部9aが一体的に設けられている。この膜9のoリング部9aが凹溝8に嵌め込まれている。膜9とケース半体1aの上面部とで、チャンバ10が構成される。
【0022】
11は、ケース半体1bの下面部の内面側に設けられた略円形状(平面視で略円形状)の凹溝である。12は膜(ダイヤフラム)である。膜(ダイヤフラム)12の周縁部には、一周に亘って、oリング部12aが一体的に設けられている。この膜12のoリング部12aが凹溝11に嵌め込まれている。膜12とケース半体1bの下面部とで、チャンバ13が構成される。
【0023】
14,15はスペーサである。このスペーサ14,15は、一面側に、略円錐台形状の凸部16,17を有する。スペーサ14,15は、膜9,12と管3との間に配設されている。スペーサ14,15の配設形態は次の通りである。スペーサ14,15の平坦面側が膜9,12に当接する。凸部16,17が管3に当接する。
【0024】
18,19は管3の脱落防止用の挟持リングである。
【0025】
20,21は、膜9,12のoリング部9a,12aの離脱防止用のリング状のカラーである。すなわち、カラー20,21の端面がoリング部9a,12aを押圧しているので、チャンバ10,13内に空気が供給され、膜(ダイヤフラム)9,12が膨張しても、oリング部9a,12aが凹溝8,11から抜け取れることは無い。
【0026】
上記構成の流量調整装置は次のようにして組立てられる。膜(ダイヤフラム)9,12の端部に一体的に設けられているoリング部9a,12aが、ケース半体1a,1bに形成された略円形状の凹溝8,11に嵌め込まれる。oリング部9a,12aは凹溝8,11にしっかりと嵌め込まれるので、チャンバ10,13の気密性は高い。すなわち、oリング部9a,12aと凹溝8,11との嵌合関係によって、チャンバ10,13は、孔4,5,6,7を除けば、気密性高く閉空間が構成される。又、シリコンゴム製の管3が管2a,2bに接続される。そして、挟持リング18,19が嵌め込まれる。更に、挟持リング18,19の所望位置にカラー20,21が挿入・配置される。これによって、流体通路が組み立てられる。この後、この組み立てられた流体通路が、膜(ダイヤフラム)9が取り付けられたケース半体1aと膜(ダイヤフラム)12が取り付けられたケース半体1bとの間に配置され、ケース半体同士が強固に一体化される。これにより、流量調整装置の組立ては完了する。極めて簡単に組み立てられ、その製造コストは低廉である。特に、膜(ダイヤフラム)9,12の取付作業性は良く、気密性高く簡単に取り付けられる。
【0027】
次に、上記構成の流量調整装置の動作(流量制御方法)が説明される。
図示されないエア供給装置で、孔4,6を介して、チャンバ10,13内に、エアが吹き込まれている。例えば、第1コンプレッサからのエアが孔4を介してチャンバ10内に吹き込まれ、第2コンプレッサからのエアが孔6を介してチャンバ13内に吹き込まれる。吹き込まれたエアは、孔5,7を介して、外部に放出(排出)されている。{(エア供給量)−(エア放出量)}>0の場合、チャンバ10,13を構成する膜9,12が膨らむ。{(エア供給量)−(エア放出量)}≦0の場合、チャンバ10,13を構成する膜9,12は膨らまない。膜9,12が膨らむと、スペーサ14,15は菅3を押圧する。特に、凸部16,17が管3の壁面を押圧する。管3の壁面は、図1中、上下方向において、凹み、菅3の断面積は小さくなる。従って、菅3内を流れる流体の量は少なくなる。孔4,6を介して、チャンバ10,13内に吹き込まれるエアの量が少なくなると、膜9,12の膨張圧力は低下する。これに伴って、凸部16,17が管3の壁面を押圧する力は低下する。そうすると、管3自身の復元力や菅3内を流れる流体の圧力によって、菅3の断面積が大きくなる。従って、菅3内を流れる流体の量は多くなる。上記のようにして、流体の流量が制御される。
【0028】
上記実施形態では、複数枚(例えば、2枚)の膜9,12が用いられた。ここで、チャンバ10,13には、共に、圧力Pが掛っていると仮定する。この圧力Pによって、膜9,12は共に同様に変形する。膜9の変形によって、菅3は断面積がSだけ減少したとすると、膜12の変形によって、菅3は断面積がSだけ減少する。従って、断面積が、合計2S、減少する。これに対して、膜12が無かった場合、即ち、膜が一枚の場合を考える。チャンバ10に圧力Pが掛かったと仮定すると、菅3の断面積減少量はSである。そこで、断面積減少量を2Sにしようとすると、面積が2倍の大きさの膜が必要になる。このことは、それだけ、ケース体が大きくなることを意味する。すなわち、流量調整装置が大型化する。逆に言うと、上記実施形態の流量調整装置は小型化が可能になる。更に、2倍の大きさの膜になると、このことは、チャンバ10がそれだけ大きくなることを意味する。ところで、チャンバが小さいと、チャンバ内に供給される空気量が僅かでも、膜の変動(膨張)は顕著である。このことは、膜変形速度、即ち、応答速度が速いことを意味する。逆に、チャンバが大きくなると、チャンバ内に多量の空気が送り込まれても、圧力変動は小さい。このことは、膜変形速度、即ち、応答速度が遅いことを意味する。従って、上記実施形態の技術は流量制御の応答速度が速い。クイックリスポンスが可能である。
【0029】
本装置の設置個所は、これまで、流量調整装置が設置されて来た個所あるいは流量制御方法が実施されて来た個所である。例えば、特開2010−26576号公報の図1の装置の如くに組み込まれる。
【符号の説明】
【0030】
1 ケース体
1a,1b ケース半体
3 シリコンゴム製管
4,5,6,7 孔
8,11 凹溝(凹部)
9,12 膜(ダイヤフラム)
9a,12a oリング部
10,13 チャンバ
14,15 スペーサ
16,17 凸部
20,21 カラー(押圧部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤフラムを具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備する
ことを特徴とする流量調整装置。
【請求項2】
ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、
前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、
前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、
前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備する
ことを特徴とする流量調整装置。
【請求項3】
前記凹部に嵌合された前記oリング部を押圧する押圧部材が設けられてなる
ことを特徴とする請求項2の流量調整装置。
【請求項1】
ダイヤフラムを具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備する
ことを特徴とする流量調整装置。
【請求項2】
ダイヤフラム及びケース体を具備する流量調整装置であって、
前記ダイヤフラムは、その端部に、oリング部を具備し、
前記ケース体は、その内壁部に、前記oリング部が嵌合する凹部を具備し、
前記凹部に前記oリング部が嵌合され、前記ダイヤフラムと前記ケース体内壁とによって室が構成されてなり、
前記ケース体は、前記室に対する流体の供給・排出を行う為の孔を具備する
ことを特徴とする流量調整装置。
【請求項3】
前記凹部に嵌合された前記oリング部を押圧する押圧部材が設けられてなる
ことを特徴とする請求項2の流量調整装置。
【図1】
【公開番号】特開2013−36396(P2013−36396A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173434(P2011−173434)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(390026996)東京計装株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(390026996)東京計装株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
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