説明

浄化槽の薬筒取付け構造

【課題】被処理水に対する消毒剤の溶解量を容易に調節することができる浄化槽の薬筒取付け構造を提供すること。
【解決手段】薬剤を収容可能であり、且つ移流する被処理水Wが流入し得る流入口20と、被処理水Wが流出し得る流出口21とをその周部に備えて、流入した被処理水Wと収容された薬剤とを接触させ得る薬筒14を、被処理水Wが移流する移流部17に取り付ける浄化槽の薬筒取付け構造であって、薬筒14は、移流部17に設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、薬筒14を回転させて流入口20の向きを変更することによって流入口20に対する被処理水Wの流入量を調節可能な流入量調整手段を設けてある浄化槽の薬筒取付け構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を収容可能であり、且つ移流する被処理水が流入し得る流入口と、前記被処理水が流出し得る流出口とをその周部に備えて、流入した前記被処理水と収容された前記薬剤とを接触させ得る薬筒を、複数の処理槽間を前記被処理水が移流する移流部に取り付ける浄化槽の薬筒取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な浄化槽には、上流側から第1嫌気濾床槽、第2嫌気濾床槽、接触曝気槽、沈殿槽、及び消毒槽等が順に配置されている。
被処理水(し尿、生活雑排水等)は、原水流入部から流入し、以降、第1嫌気濾床槽、第2嫌気濾床槽、接触曝気槽において順次浄化処理された後、沈殿槽に流入する。
沈殿槽に流入した被処理水は、汚泥が沈殿分離され、その上澄み液がオーバフローして移流部を流れ、移流部に設置された薬筒内の消毒剤と接触して消毒された後、消毒槽を経て、放流口から放流される。
被処理水を消毒剤で消毒する際、消毒剤(例えば、塩素剤等)の溶解量が多過ぎると、被処理水中に残留する消毒剤量も多くなり、そのまま放流された場合、発癌性物質のトリハロメタン等が生成される危険性が増大して自然環境を害することとなる。また、消毒剤の溶解量が少なすぎても、被処理水の消毒が不十分となり、河川等を汚し、自然環境を害することとなる。
従って、浄化槽においては、被処理水中に適正な量の消毒剤を溶解させる必要がある。
一方、被処理水の汚れ度合いや、季節等(微生物が繁殖し易い夏場は、微生物の繁殖し難い冬場よりも、消毒剤を多めに溶解させる必要がある)によっても、消毒剤溶解量の適正値が変化し得るため、随時、その溶解量を調節し得るような構成であることが要求される。
そこで、従来の浄化槽においては、内筒と外筒の二重筒構造を有し、且つその下端部に、被処理水の流入口と流出口とが設けられており、内筒を外筒に対して周方向に回転させることにより流入口と流出口の開口面積を調節し得る薬筒(即ち、この薬筒は、薬筒内への被処理水の流入量を調節することによって、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節することができる)を、沈殿槽から消毒槽にわたる被処理水の移流部に設置する構成が提案されている。(特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】実開昭56−64798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の浄化槽においては、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節するたびに、作業者は、薬筒を、移流部からいちいち取り外さなければならなかった(即ち、薬筒を一旦取り外してからでなければ、その内筒を外筒に対して周方向に回転させることができなかった)。さらに、その際、手が消毒剤や被処理水で汚れるため、予めゴム手袋等をはめなければならず、非常に面倒な作業であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、被処理水に対する消毒剤の溶解量を、作業者の手等を汚すことなく容易に調節することができる浄化槽の薬筒取付け構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、薬剤を収容可能であり、且つ移流する被処理水が流入し得る流入口と、前記被処理水が流出し得る流出口とをその周部に備えて、流入した前記被処理水と収容された前記薬剤とを接触させ得る薬筒を、前記被処理水が移流する移流部に取り付ける浄化槽の薬筒取付け構造であって、前記薬筒は、前記移流部に設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、前記薬筒を回転させて前記流入口の向きを変更することによって前記流入口に対する前記被処理水の流入量を調節可能な流入量調整手段を設けてある点にある。
〔作用及び効果〕
本発明の浄化槽の薬筒取付け構造によれば、薬筒が、移流部に設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、薬筒を回転させて流入口の向きを変更することによって前記流入口に対する被処理水の流入量を調節可能な流入量調整手段を設けてあるため、作業者は、薬筒を移流部に設置したまま、その筒軸心周りに回転させて薬筒内への被処理水の流入量を調節することによって、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節することができる。
即ち、作業者は、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節する際、薬筒を、移流部からいちいち取り外す必要がなく、さらに、作業者は、被処理水や消毒剤が付着する虞の少ない薬筒の上端部分を掴んで薬筒を回転させることも可能であるため、作業者の手が汚れ難く、特に手袋等をする必要もない。
【0006】
本発明の第2特徴構成は、前記流入量調整手段は、前記移流部に設けられ、前記流入口を閉塞し得る壁部からなる点にある。
〔作用及び効果〕
本発明の浄化槽の薬筒取付け構造によれば、薬筒が、移流部に設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、薬筒を回転させることによって、流入口を閉塞し得る壁部を移流部に設けてあるため、作業者は、薬筒を移流部に設置したまま、その筒軸心周りに回転させて薬筒内への被処理水の流入量を調節することによって、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節することができる。
即ち、作業者は、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節する際、薬筒を、移流部からいちいち取り外す必要がなく、さらに、作業者は、被処理水や消毒剤が付着する虞の少ない薬筒の上端部分を掴んで薬筒を回転させることも可能であるため、作業者の手が汚れ難く、特に手袋等をする必要もない。
【0007】
本発明の第3特徴構成は、前記流入量調整手段は、前記移流部における前記被処理水の流れに対する前記流入口の向きを変更可能とする構成からなる点にある。
〔作用及び効果〕
本発明の浄化槽の薬筒取付け構造によれば、薬筒が、移流部に設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、薬筒を回転させて前記移流部における前記被処理水の流れに対する前記流入口の向きを変更することによって、流入口に対する被処理水の流入量を調節自在に構成してあるため、作業者は、薬筒を移流部に設置したまま、その筒軸心周りに回転させるだけで、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節することができる。
即ち、作業者は、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節する際、薬筒を、移流部からいちいち取り外す必要がなく、さらに、作業者は、被処理水や消毒剤が付着する虞の少ない薬筒の上端部分を掴んで薬筒を回転させることも可能であるため、作業者の手が汚れ難く、特に手袋等をする必要もない。
【0008】
本発明の第4特徴構成は、前記薬筒の上部に、前記流入口への前記被処理水の流入度を表示する表示部を設けている点にある。
〔作用及び効果〕
前記薬筒の上部に、流入口への被処理水の流入度を表示する表示部を設けているため、作業者は、被処理水に対する消毒剤の溶解量を調節する際、消毒剤の溶解量を増加又は減少させるために、左右いずれの方向に薬筒を回転させるべきかを容易に判断することができる。
ここで、流入度とは、流入口の開度を表示するものであっても良く、また、被処理水の流れに対する流入口の向きを表示するものであっても良い。
【0009】
本発明の第5特徴構成は、前記薬筒の回転操作が一定の回転角位置で規制されるストッパー機構を設けてある点にある。
〔作用及び効果〕
薬筒の回転操作が一定の回転角位置で規制されるストッパー機構を設けてあるため、過剰な回転操作が防止され得ると共に、例えば、流入口の開度が全開若しくは全閉である位置(又は、流入口への被処理水の流入度が最大若しくはゼロである位置)で回転操作が規制されるように構成することによって、作業者は、流入口の開度が全開若しくは全閉であること(流入口への被処理水の流入度が最大若しくはゼロであること)を、容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の薬筒取付け構造を備えた浄化槽1の側断面を模式的に示したものである。浄化槽1には、上流側から第1嫌気濾床槽2、第2嫌気濾床槽3、接触曝気槽4、沈殿槽5、及び消毒槽6が順に配置されている。
被処理水W(し尿、生活雑排水等)は、原水流入部7から流入し、以降、第1嫌気濾床槽2、第2嫌気濾床槽3、接触曝気槽4において順次浄化処理された後、沈殿槽5に流入する。
沈殿槽5の上方には、図1及び図2に示すように、沈殿槽5からの被処理水Wが越流する開口部12を設けた第1越流堰10と、被処理水Wが下流側に越流する越流部13を設けた第2越流堰11とを備えた上方開放型の集水箱9が設けられている。
【0011】
図2〜図5は、図1における集水箱9とその周辺部分(以下、要部と略称する)を拡大して、より詳細に示したものである。図2は、第1越流堰10を記載した要部の斜視図であり、図3は要部の平面図であり、図4は、図3の矢視線X−Xにおける要部の側断面図であり、図5は、図3の矢視線Y−Yにおける要部の側断面図であり、各矢印は被処理水Wが流れる方向を示している。
図2及び図4に示されるように、第1越流堰10には、沈殿槽5からの被処理水Wが越流し得る開口部12が、浄化槽本体の幅方向に複数設けられており、開口部12は、その上端の幅と下端の幅とが略同じ長さを有するスリット形状に構成されている。
図2〜図5に示されるように、沈殿槽5に流入し、汚泥が沈殿分離された被処理水Wは、集水箱9の第1越流堰10における開口部12を越流して集水箱9内に流入する。
次いで、集水箱9内に流入した被処理水Wは、集水箱9の第2越流堰11における越流部13を越流して、エアリフト槽15内に流入し、エアリフトポンプ16によって、薬筒14が設置されている設置台17(移流部)に揚水されて、薬筒14内の消毒剤と接触して消毒された後、消毒槽6を経て、放流口8から放流される。
【0012】
図6〜図9は、薬筒14の詳細を示したものである。図6は、薬筒14を設置台17に設置するときの様子を示す斜視図であり、図7は、薬筒14の側断面図であり、図8は、図7の矢視線Z−Zにおける平断面図であり、図9は、薬筒14の蓋部19の平面図である。
図7に示されるように、薬筒14は、薬剤(塩素剤、リン除去剤、釘等)をその開口部分18aから収容することができる筒本体部18を備え、その上部に蓋部19が設けられている。尚、蓋部19は、開口部分18aを自在に開閉することができるように取り付けられている。
図6〜図8に示されるように、筒本体部18の下部(周部)には、移流する被処理水Wが流入し得る流入口20と、被処理水Wが流出し得る流出口21とを備えており、筒本体部18に流入した被処理水Wと収容された薬剤とが接触し得る構成となっている。
また、図9に示されるように、蓋部19には、流入口20の開度を表示する(即ち、流入口20への被処理水Wの流入度を表示する)表示部19aが設けられており、作業者は、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量を調節する際、消毒剤の溶解量を増加又は減少させるために、左右いずれの方向に薬筒14を回転させるべきかを容易に判断することができる。
【0013】
図10は、薬筒14を設置した設置台17(移流部)の平面図である。
図10に示されるように、設置台17(移流部)は、エアリフトポンプ16によって揚水された被処理水Wが移流し得る導入部17a、薬筒14を設置する設置部17b、薬筒14内の消毒剤と接触して消毒された後の被処理水Wが排水される排水部17c(消毒された非処理水Wは、開口する排水部17cから消毒槽6に落水する)、並びに、壁部22(流入量調整手段)を備えている。
薬筒14は、設置部17bに設置された状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており(薬筒14は、壁部22に囲まれた設置部17bに嵌入装着し得る構成となっている)、薬筒14を回転させることによって、流入口20及び流出口21と、壁部22とが重なり合い、その重なり度合いによって、流入口20及び流出口21の開度を調節することができる。
【0014】
図11〜図13は、薬筒14を、設置部17bに設置した状態で、その筒軸心周りに回転させ、流入口20及び流出口21の開度を調節している様子を示している。尚、図11〜図13において、(イ)は、薬筒14及び設置部17の斜視図であり、(ロ)は、薬筒14及び設置部17の平断面図である。
図11は、流入口20及び流出口21の開度を全開としたときの様子である。このとき、エアリフトポンプ16によって揚水される被処理水Wのほとんどが、薬筒14内に流入し得るため(薬筒14内に流入する被処理水量が最大となる)、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量も最大となる。
図12は、流入口20及び流出口21の開度を半開としたときの様子である。このとき、エアリフトポンプ16によって揚水される被処理水Wの一部が、薬筒14内に流入し、残りは、壁部22に設けられた落水口22bより落水して消毒槽6内に流入するため、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量も、上記図11の全開の場合と比べて小さくなる。
図13は、流入口20及び流出口21の開度を全閉としたときの様子である。このとき、薬筒14に流入する被処理水量がゼロとなり、被処理水Wは、壁部22に設けられた落水口22bより落水して消毒槽6内に流入するため、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量はゼロとなる。
【0015】
尚、図6〜図8、図10〜図13に示されるように、筒本体部18の下部外周面には、その直径方向の相対する位置に、2つの突起部23が設けられており、壁部の被係止部22aと共に、ストッパー機構を構成している。即ち、薬筒14を回転操作する際、筒本体部の突起部23が、壁部の被係止部22aにて係止することによって、薬筒14の回転操作が、流入口20の開度が全開(図11)若しくは全閉(図13)である位置(一定の回転角位置)で規制されるように構成されている。
【0016】
〔別実施形態〕
図14〜図16は、本発明の別実施形態を模式的に示したものである。尚、上記実施形態と同じ符号をもつものは、上記実施形態と同様の構成部材であることを示しており、上記実施形態と同じ構成については、その説明を省略し、異なる構成についてのみ記載する。
図14〜図16に示されるように、本発明の別実施形態は、上記実施形態と異なり、薬筒14の設置台17(移流部)に、壁部22を備えていない。また、筒本体部18の下部(周部)の流入口20と流出口21との間に、移流部における被処理水の流れに対して、被処理水が薬筒14内へ流入するのを阻止し得る領域を設けてある。
即ち、薬筒14は、設置台17(移流部)の設置部17bに設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、薬筒14を回転させて、被処理水Wの移流方向に対する流入口20の向きを変更調節することによって、流入口20に対する被処理水Wの流入量を調節することができる構成(流入量調整手段)となっている。尚、薬筒の蓋部19には、被処理水Wの流れに対する流入口20の向きを表示する(即ち、流入口20への被処理水Wの流入度を表示する)表示部19aが設けられている。
図14((イ):斜視図、(ロ):平断面図)に示される別実施形態においては、薬筒14を、薬筒支え24によって、その筒軸心周りに回転可能に設置部17bに設置している。図14(ロ)に示されるように、流入口20及び流出口21の位置を、被処理水Wの移流方向に対して横方向に向けることによって、被処理水Wが、薬筒14内に流入し難くなる。即ち、薬筒14内に流入する被処理水量が最小であり、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量も最小となる。
図15に示される別実施形態においては、薬筒14を、薬筒支え24によって、その筒軸心周りに回転可能に設置部17bに設置し、その設置部17bに薬筒14の外周面に略沿うような段差25を設けている。尚、図15は、薬筒14内に流入する被処理水量が最小であり、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量も最小となるときの様子を示している。
また、図16に示される別実施形態においては、設置部17bに、薬筒14の外周面に略沿うような段差25を設け、その段差25の高さSと、流入口20及び流出口21の下端の高さTとが同じである(S=T)薬筒14を、その筒軸心周りに回転可能に設置する。尚、図16は、薬筒14内に流入する被処理水量が最小であり、被処理水Wに対する消毒剤の溶解量も最小となるときの様子を示している。
【0017】
〔その他の実施形態〕
1.薬筒の設置場所は、沈殿槽から消毒槽にわたる被処理水の移流部に限られず、各処理槽間の移流部(嫌気処理槽(嫌気濾床槽等)から好気処理槽(接触曝気槽等)にわたる被処理水の移流部、好気処理槽から沈殿槽にわたる被処理水の移流部等)、又は、汚泥返送菅や処理水循環配管等の被処理水の移流配管に設ける構成としても良い。また、薬筒に収容する薬剤は、消毒剤に限らず、リン除去剤や凝集剤等でも良い。
2.移流部17の導入部17a及び排水部17cの配置関係や設置数、並びに、薬筒14の流入口20及び流出口21の配置関係や設置数は、上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、図17に示されるように、移流部17が、複数(2つ)の導入部17aを備えるものであり、且つ薬筒14が、それらの各導入部17aに対応するような複数(2つ)の流入口20を備える構成を有するものであっても良い。また、薬筒の流入口と流出口は、1つの開口であっても良い。
尚、図17(イ)〜(ハ)はそれぞれ、流入口20及び流出口21の開度を全開(イ)、半開(ロ)、全閉(ハ)としたときの様子を示している。
3.ストッパー機構は、上述の実施形態に限定されるものではなく、図18に示されるように、薬筒14の下面に円弧状の2つの凹部26を設け、設置部17bに2つの被係止突部27を設け、薬筒14を設置部17bに取り付ける際、各被係止突起に各凹部28をそれぞれ嵌め込んで設置し、凹部の内側面部26aが、被係止突部27に当接することによって、薬筒14の回転操作が、一定の回転角位置で規制されるように構成しても良い。あるいは、図19に示されるように、薬筒14の下端に流入口20として切り欠き部28を設け、設置部17bに被係止突部27を設けており、切り欠き部の内側面部28aが、被係止突部27に当接することによって、薬筒14の回転操作が、一定の回転角位置で規制されるように構成しても良い。
4.上述の実施形態においては、エアリフトポンプを着脱自在に設ける構成としても良い。また、エアリフトポンプを設ける構成とせず、自然移流によって被処理水を消毒槽に流入させる構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の薬筒取付け構造を備えた浄化槽の側断面を模式的に示した図
【図2】本発明の薬筒取付け構造を備えた浄化槽の要部を拡大した斜視図
【図3】本発明の薬筒取付け構造を備えた浄化槽の要部を拡大した平面図
【図4】本発明の薬筒取付け構造を備えた浄化槽の要部を拡大した側断面図
【図5】本発明の薬筒取付け構造を備えた浄化槽の要部を拡大した側断面図
【図6】薬筒を設置台に設置するときの様子を示す斜視図
【図7】薬筒の側断面図
【図8】図7の矢視線Z−Zにおける平断面図
【図9】薬筒の蓋部の平面図
【図10】薬筒を設置した設置台(移流部)の平面図
【図11】薬筒の流入口及び流出口の開度を全開としたときの様子を示す図
【図12】薬筒の流入口及び流出口の開度を半開としたときの様子を示す図
【図13】薬筒の流入口及び流出口の開度を全閉としたときの様子を示す図
【図14】本発明の別実施形態を模式的に示した図
【図15】本発明の別実施形態を模式的に示した図
【図16】本発明の別実施形態を模式的に示した図
【図17】本発明のその他の実施形態を模式的に示した図
【図18】ストッパー機構のその他の実施形態を模式的に示した図
【図19】ストッパー機構のその他の実施形態を模式的に示した図
【符号の説明】
【0019】
1 浄化槽
2 第1嫌気濾床槽
3 第2嫌気濾床槽
4 接触曝気槽
5 沈殿槽
6 消毒槽
7 原水流入部
8 放流口
9 集水箱
10 第1越流堰
11 第2越流堰
12 開口部
13 越流部
14 薬筒
15 エアリフト槽
16 エアリフトポンプ
17 設置台
17a 導入部
17b 設置部
17c 排水部
18 筒本体部
18a 開口部分
19 蓋部
20 流入口
21 流出口
22 壁部
22a 壁部の被係止部
22b 落水口
23 突起部
24 薬筒支え
25 段差
26 凹部
26a 凹部の内側面部
27 被係止突部
28 切り欠き部
28a 切り欠き部の内側面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を収容可能であり、且つ移流する被処理水が流入し得る流入口と、前記被処理水が流出し得る流出口とをその周部に備えて、流入した前記被処理水と収容された前記薬剤とを接触させ得る薬筒を、前記被処理水が移流する移流部に取り付ける浄化槽の薬筒取付け構造であって、
前記薬筒は、前記移流部に設置した状態で、その筒軸心周りに回転可能に取り付けられており、前記薬筒を回転させて前記流入口の向きを変更することによって前記流入口に対する前記被処理水の流入量を調節可能な流入量調整手段を設けてある浄化槽の薬筒取付け構造。
【請求項2】
前記流入量調整手段は、前記移流部に設けられ、前記流入口を閉塞し得る壁部からなる請求項1に記載の浄化槽の薬筒取付け構造。
【請求項3】
前記流入量調整手段は、前記移流部における前記被処理水の流れに対する前記流入口の向きを変更可能とする構成からなる請求項1に記載の浄化槽の薬筒取付け構造。
【請求項4】
前記薬筒の上部に、前記流入口への前記被処理水の流入度を表示する表示部を設けている請求項1〜3のいずれか1項に記載の浄化槽の薬筒取付け構造。
【請求項5】
前記薬筒の回転操作が一定の回転角位置で規制されるストッパー機構を設けてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の浄化槽の薬筒取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−246330(P2008−246330A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89106(P2007−89106)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】