説明

浮上搬送装置

【課題】本発明は、板状基体の形状や重量の影響を除き、板状基体に対して迅速な調芯をすることができる浮上搬送装置を提供する。
【解決手段】板状の搬送面(上面11)を具備し、この搬送面に沿って板状基体を送るための基部1と、搬送面から気体を噴出することによって、板状基体を搬送面から浮上させると共に浮上した板状基体を搬送面に沿って移動させる第1噴出手段と、第1噴出手段によって浮上した板状基体を搬送面の中心位置I2に保つために、気体を噴出する第2噴出手段(2F1〜2H1,2F2〜2H2)とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮上搬送装置に係わり、より詳細には、板状基体としてウエハやガラス板などを搬送するときに、板状基体を浮上させる浮上搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板状基体を浮上させ、この状態で板状基体を搬送するシステムとして、例えば、TFT型液晶ディスプレイ用のガラス板を搬送するものがある。この搬送システムを図20に示す。この搬送システムは、移送ユニット100と制御ユニット200との組み合わせで構成されたものである。移送ユニット100は、四角形状のガラス板300を浮上させて移動方向310に移動させる。制御ユニット200は、ガラス板300を浮上させた状態で停止、静止させると共に、転換方向311に方向転換させる。さらに、搬送システムは、図示を省略しているが、ガラス板300に対して各種の処理を行う処理ユニットを備えている。
【0003】
移送ユニット100は、ガラス板300を直線的に移動させるために、通常、連結されて用いられる。この移送ユニット100の一例を図21に示す。移送ユニット100は、基部110と囲い材120とを備えている。基部110には、ガラス板300を浮上させるための気体、例えば、ガラス板300に影響を与えない窒素ガス、アルゴンガス、乾燥空気やその他のガスを供給する供給系111が配管されている。
【0004】
囲い材120が覆う、基部110の上面112が搬送路の搬送面であり、上面112には、複数の噴出孔113が空けられている。図22に示すように、噴出孔113が上面112に対して傾斜して設けられ、噴出孔113の傾斜方向がガラス板300の移動方向310の中心112Aに向かって傾斜している。中心112Aは、上面112の中心でもある。
【0005】
また、噴出孔113とは別に、図23に示すように、推進用の噴出孔115が、ガラス板300の移動方向310と平行に並んで、かつ、上面112に対して傾斜して空けられている。
【0006】
噴出孔113,115は、上面112から補助穴114,116に至る間に空けられている。補助穴114,116は、供給系111にそれぞれ通じている。補助穴114,116は、噴出孔113,115の径が小さいので、噴出孔113,115の形成に際して前もって基部110に空けられる、径の大きな予備的な穴である。
【0007】
供給系111から供給される気体が、補助穴114,116を経て、噴出孔113,115から噴出する。噴出孔113,115からの気体の噴出方向は、上面112に対して斜め上方に傾斜している。かつ、移動方向310に対して、噴出孔113からの気体が直角になり、噴出孔115からの気体が平行になっている。このような気体の噴出が、図24の噴出方向113A,115Aによって、平面的に表されている。
【0008】
こうして、各噴出孔113,115から噴出方向113A,115Aに噴出された気体によって、ガラス板300が浮上して移動方向310に動くと同時に、ガラス板300の中心が上面112の中心112Aに沿って移動するので、ガラス板300の側面が囲い材120の側壁に接触することがない。つまり、各噴出孔113による調芯作用によって、ガラス板300の中心が上面112の中心112Aに移動する。ガラス板300に対する調芯によって、ガラス板300が囲い材120に対して非接触の状態で移動される。
【0009】
制御ユニット200は、移送ユニット100から送られてくるガラス板300を受け取り、このガラス板300の停止、静止および移動方向の変更や、ガラス板300自身の回転等を行う。制御ユニット200は、ガラス板300に対する停止、静止等の制御を気体の噴出によって行う。
【0010】
このような移送ユニット100および制御ユニット200で構成される搬送システムと、各種の処理ユニットとを組み合わせることによって、ガラス板300の処理システムが構築される。この搬送システムの一例が特願平3−328052号公報に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の浮上搬送装置には、以下の問題点があった。つまり、移送ユニットの噴出孔113は、ガラス板300の浮上とガラス板300に対する調芯との両方を、気体の噴出で行っている。このために、ガラス板300が重くなると、ガラス板300に対して噴出孔113による調芯作用が弱くなってくる。この結果、ガラス板300が蛇行して、移動時間が増加したり、また、ガラス板300が囲い材120に衝突するという課題が発生する。
【0012】
本発明は、このような課題を解決し、板状基体の形状や重量の影響を除き、板状基体に対して迅速な調芯をすることができる浮上搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の本発明は、板状の搬送面を具備し、この搬送面に沿って板状基体を送るための基部と、前記搬送面から気体を噴出することによって、板状基体を前記搬送面から浮上させると共に浮上した板状基体を前記搬送面に沿って移動させる第1噴出手段と、前記第1噴出手段によって浮上した板状基体を前記搬送面の中心位置に保つために、気体を噴出する第2噴出手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によって、基部の上面に送られて来た板状基体が第1噴出手段からの気体で浮上する。同時に、板状基体は、第2噴出手段からの気体によって、基部の上面の中心方向に迅速に移動される。これによって、板状基体は、蛇行して基部の上面からはみ出すことなく、この上面の上を直線的に移動する。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の浮上搬送装置において、前記第2噴出手段は、前記搬送面上の両側に沿って配置されている2つの側方噴出部と、これらの2つの側方噴出部に気体を供給する供給系とを備え、前記各側方噴出部は、前記搬送面の中心方向に気体を噴出する噴出孔を多数具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の浮上搬送装置において、前記各側方噴出部は、前記搬送面の中心方向に移動可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の浮上搬送装置において、前記第2噴出手段は、前記搬送面の中心を挟むように前記搬送面に配置されると共に前記搬送面の中心方向に気体を噴出する2つの面側噴出部と、これらの面側噴出部に気体を供給する供給系とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の浮上搬送装置において、前記各面側噴出部は、前記搬送面に沿って少なくとも1つの噴出孔列を具備し、前記噴出孔列は、前記搬送面の中心に向かって複数列設けられ、前記各噴出孔列は、前記搬送面の中心に向けて気体を噴出すると共に前記搬送面に沿って並んでいる多数の噴出孔を具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の本発明は、請求項4に記載の浮上搬送装置において、前記各面側噴出部は、前記搬送面に沿って少なくとも1つの噴出スリット列を具備し、前記噴出スリット列は、前記搬送面の中心に向かって複数列設けられ、前記各噴出スリット列は、前記搬送面の中心に向けて気体を噴出すると共に前記搬送面に沿って並んでいる複数の噴出スリットを具備したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態1に係わる浮上搬送装置の基部を示す平面図である。
【図2】図1のI―I断面を示す断面図である。
【図3】図1のII―II断面を示す断面図である。
【図4】気体の噴出の様子を説明するための説明図である。
【図5】噴出された気体による調芯の様子を説明するための説明図である。
【図6】実施の形態2に係わる浮上搬送装置の基部を示す断面図である。
【図7】実施の形態3に係わる浮上搬送装置の基部を示す平面図である。
【図8】図7のIII−III断面を示す断面図である。
【図9】実施の形態3に係わる噴出装置を示す斜視図である。
【図10】実施の形態4に係わる噴出装置を示す斜視図である。
【図11】実施の形態5に係わる基部の断面を示す断面図である。
【図12】実施の形態6に係わる浮上搬送装置の基部を示す平面図である。
【図13】図12のIV―IV断面を示す断面図である。
【図14】図12のスリットの部分を示す斜視図である。
【図15】実施の形態7に用いられている噴出スリット構造を示す平面図である。
【図16】図15のV−V断面を示す断面図である。
【図17】図16の溝を示す斜視図である。
【図18】図16の遮蔽板の断面を示す断面図である。
【図19】図16の遮蔽板の底面を示す底面図である。
【図20】従来の板状基体搬送システムを示す平面図である。
【図21】従来の移送ユニットを示す斜視図である。
【図22】図21のXI−XI断面を示す断面図である。
【図23】図21のXII−XII断面を示す断面図である。
【図24】従来の移送ユニットによる噴出方向を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施の形態1]
次に、図1〜5を参照して、本発明の実施の形態1について述ベる。図1は、実施の形態1に係わる浮上搬送装置の基部を示す平面図である。図2は、図1のI―I断面を示す断面図である。図3は、図1のII―II断面を示す断面図である。図4は、気体の噴出の様子を説明するための説明図である。図5は、噴出された気体による調芯の様子を説明するための説明図である。
【0022】
実施の形態1では、図21の基部110の代わりに、図1に示される基部1が用いられている。基部1は、移動方向310に対して長い長方形をしている。かつ、基部1は、上面11が平らな板状体である。
【0023】
基部1の上面11の端部付近には、設定ライン1A1,1A2が設定されている。さらに、設定ライン1A1,1A2の内側には、設定ライン1B1,1B2が設定され、その内側には、設定ライン1C1,1C2が設定されている。
【0024】
設定ライン1A1〜1C1,1A2〜1C2は、浮上用噴出孔を配置するためのものである。つまり、設定ライン1A1,1A2には、図2に示すように、多数の噴出孔2A11,2A21と多数の補助穴2A12,2A22とが設けられ、設定ライン1B1,1B2には、多数の噴出孔2B11,2B21と多数の補助穴2B12,2B22とがそれぞれ設けられている。さらに、設定ライン1C1,1C2には、多数の噴出孔2C11,2C21と多数の補助穴2C12,2C22とが設けられている。
【0025】
噴出孔2A11〜2C11,2A21〜2C21および補助穴2A12〜2C12,2A22〜2C22は、図22の噴出孔113および補助穴114とそれぞれ同じである。そして、噴出孔2A11と補助穴2A12、噴出孔2B11と補助穴2B12、噴出孔2C11と補助穴2C12、噴出孔2A21と補助穴2A22、噴出孔2B21と補助穴2B22および噴出孔2C21と補助穴2C22が、浮上用噴出部分2A1,2B1,2C1,2A2,2B2,2C2をそれぞれ構成する。さらに、すべての噴出孔2A11,2B11,2C11,2A21,2B21,2C21が、浮上用噴出孔列をそれぞれ形成する。
【0026】
設定ライン1C1と設定ライン1C2との間には、設定ライン1D1,1D2,1E1,1E2がそれぞれ設定されている。設定ライン1D1,1D2,1E1,1E2は、移動用噴出孔を配置するためのものである。つまり、設定ライン1D1,1D2には、多数の噴出孔2D11,2D21と多数の補助穴2D12,2D22とが設けられている。設定ライン1E1,1E2には、多数の噴出孔2E11,2E21と多数の補助穴2E12,2E22とが設けられている。
【0027】
各噴出孔2E11,2E21および各補助穴2E12,2E22は、図23の噴出孔115および補助穴116とそれぞれ同じであり、ガラス板を移動方向310に送る。各噴出孔2D11,2D21および各補助穴2D12,2D22は、ガラス板を移動方向310と反対方向に送る。そして、噴出孔2D11と補助穴2D12、噴出孔2D21と補助穴2D22が第1移動用噴出部分2D1,2D2をそれぞれ形成し、噴出孔2E11と補助穴2E12、噴出孔2E21と補助穴2E22が第2移動用噴出部分2E1,2E2をそれぞれ形成する。
【0028】
基部1の上面11の一方の端部と設定ライン1A1との間、および、上面11の他方の端部と設定ライン1A2との間には、設定ライン1F1,1F2がそれぞれ設定されている。設定ライン1A1,1B1,1C1の各間には、設定ライン1G1,1H1がそれぞれ設定され、設定ライン1A2,1B2,1C2の各間には、設定ライン1G2,1H2がそれぞれ設定されている。つまり、設定ライン1A1,1B1,1C1と設定ライン1F1,1G1,1H1とが交互に配置され、同様に、設定ライン1A2,1B2,1C2と設定ライン1F2,1G2,1H2とが交互に配置されている。この結果、設定ライン1F1,1G1,1H1が一定間隔で配置され、同じく、設定ライン1F2,1G2,1H2が一定間隔で配置されることになる。
【0029】
設定ライン1F1,1F2には、図3に示すように、多数の噴出孔2F11,2F21と多数の補助穴2F12,2F22とが設けられている。各噴出孔2F11,2F21が、基部1の上面11に対して上方向に、かつ、上面11の中心12に向けて気体を噴出する。
【0030】
設定ライン1F1に位置する噴出孔2F11と補助穴2F12とが、ガラス板300の調芯をするための調芯用噴出部分2F1を構成する。図4に示すように、調芯用噴出部分2F1の噴出孔2F11が、ガラス板300の側壁301に向けて、噴出方向θ1で気体を噴出する。このときの気体の噴出方向θ1は、浮上用噴出部分2A1の噴出孔2A11が噴出する気体の噴出方向がθ2であるとき、次のように設定されている。なお、噴出方向θ1,θ2は、上面11を基準にした角度である。
【0031】
0(ゼロ)<噴出方向θ1<噴出方向θ2
噴出方向θ1,θ2のこのような設定によって、気体の噴出で発生する力がガラス板300に働く。つまり、噴出方向θ1に噴出された気体によって、ガラス板300が受ける力W1は、上面11と平行な力である調芯力W11と、上面11に対して直角な力である浮上力W12とに分けられる。同じく、噴出方向θ2に噴出された気体によって、ガラス板300が受ける力W2は、調芯力W21と浮上力W22とに分けられる。
【0032】
噴出方向θ1が噴出方向θ2に比べて小さいので、推進力と浮上力との関係が次のようになる。
【0033】
調芯力W21<調芯力W11
浮上力W22>浮上力W12
これによって、浮上用噴出部分2A1の調芯力W21に比べて、調芯用噴出部分2F1の調芯力W11が大きくなるので、主に、噴出方向θ1の気体によって、ガラス板300が上面1の中心12に移動する。
【0034】
設定ライン1F1と同じようにして、設定ライン1F2には、多数の噴出孔2F21と多数の補助穴2F22とが設けられている。噴出孔2F21と補助穴2F22とが調芯用噴出部分2F2を構成する。調芯用噴出部分2F2が噴出する気体の噴出方向が、調芯用噴出部分2F1からの気体の噴出方向と向かい合うように、調芯用噴出部分2F2の噴出孔21と調芯用噴出部分2F1の噴出孔2F11とが配列されている。これによって、調芯用噴出部分2F2は、調芯用噴出部分2F1と対になって、ガラス板に対する調芯を行う。
【0035】
設定ライン1G1,1G2には、多数の噴出孔2G11,2G21と多数の補助穴2G12,2G22とが設けられている。噴出孔2G11と補助穴2G12とが調芯用噴出部分2G1を構成し、噴出孔2G21と補助穴2G22とが調芯用噴出部分2G2を構成する。調芯用噴出部分2G1,2G1は、調芯噴出部分2F1,2F2と同じであり、各噴出孔2G11,2G21が上面11の中心12に向けて、噴出方向θ1に気体をそれぞれ噴出する。
【0036】
設定ライン1H1,1H2には、多数の噴出孔2H11,2H21と多数の補助穴2H12,2H22とが設けられている。噴出孔2H11と補助穴2H12とが調芯用噴出部分2H1を構成し、噴出孔2H21と補助穴2H22とが調芯用噴出部分2H2を構成する。調芯用噴出部分2H1,2H1は、調芯噴出部分2F1,2F2と同じであり、各噴出孔2H11,2H21が上面11の中心12に向けて、噴出方向θ1に気体をそれぞれ噴出する。
【0037】
設定ライン1F1上の噴出孔2F11と設定ライン1G1上の噴出孔2G11と設定ライン1H1上の噴出孔2H11とが第1の面側噴出部を形成し、また、設定ライン1F2上の噴出孔2F21と設定ライン1G2上の噴出孔2G21と設定ライン1H2上の噴出孔2H21とが第2の面側噴出部を形成する。さらに、第1と第2の面側噴出部と供給系(図示を省略)とが第2噴出手段を構成する。
【0038】
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
【0039】
基部1に送り込まれたガラス板300は、浮上用噴出部分2A1〜2C1,2A2〜2C2から噴出される気体で浮上する。また、ガラス板300は、第1移動用噴出部分2D1,2D2から噴出される気体で移動方向310に送られる。
【0040】
同時に、ガラス板300の側壁301には、このガラス板300の幅に応じた調芯用噴出部分、例えば図5に示すように、調芯用噴出部分2F1,2F2からの気体が噴出される。噴出される気体によって、ガラス板300が中心12に移動し、ガラス板300に対する調芯が行われる。
【0041】
このように、実施の形態1によれば、浮上用噴出部分2A1〜2C1,2A2〜2C2、第1移動用噴出部分2D1,2D2、第2移動用噴出部分2E1,2E2とは別に、調芯用噴出部分2F1〜2H1,2F2〜2H2が設けられている。そして、調芯用噴出部分2F1〜2H1,2F2〜2H2が噴出する気体によって、ガラス板300に対する調芯が行われるので、ガラス板300が重くなっても、調芯用に強く噴出される気体によって、ガラス板300に対する調芯を行うことができる。
【0042】
また、調芯用噴出部分2F1〜2H1と調芯用噴出部分2F2〜2H2とが、上面11の中心12に向かって順に並んでいる。この結果、ガラス板の幅に応じて調芯用噴出部分2F1〜2H1と調芯用噴出部分2F2〜2H2との中から、最適な調芯用噴出部分を選択すれば、任意の幅のガラス板に対する調芯を行うことができる。つまり、ガラス板の搬送の後、このガラス板と幅が異なるガラス板の搬送(以下、ガラス板の混載搬送という)を可能にする。
【0043】
[実施の形態2]
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態2について述ベる。図6は、実施の形態2に係わる浮上搬送装置の基部を示す断面図である。
【0044】
実施の形態2では、実施の形態1で用いられた浮上用噴出部分2A1〜2C1,2A2〜2C2の代わりに、図6に示す浮上用噴出部分11A1〜11C1,11A2〜11C2が用いられている。つまり、実施の形態2の浮上用噴出部分11A1,11A2は、多数の噴出孔11A11,11A21と多数の補助穴11A12,11A22とを備えている。各補助穴11A12,11A22は、実施の形態1の補助穴2A12,2A22とそれぞれ同じである。
【0045】
各噴出孔11A11,11A21は、実施の形態1の噴出孔2A11,2A21と異なり、基部10の上面101に対して直角方向に気体を噴出する。つまり、実施の形態2では、図5の噴出方向θ2が90度であり、各噴出孔11A11,11A21は、ガラス板の浮上専用として用いられている。
【0046】
浮上用噴出部分11B1,11C1は、多数の噴出孔11B11,11C11と多数の補助穴11B12,11C12とを備え、浮上用噴出部分11B2,11C2は、多数の噴出孔11B21,11C21と多数の補助穴11B22,11C22とを備えている。
【0047】
噴出孔11B11,11C11および補助穴11B12,11C12は、噴出孔11A11および補助穴11A12とそれぞれ同じであり、噴出孔11B21,11C21および補助穴11B22,11C22は、噴出孔11A21および補助穴11A22とそれぞれ同じである。
【0048】
また、実施の形態2では、実施の形態1と同じ第1移動用噴出部分11D1,11D2と第2移動用噴出部分11E1,11E2とを備えている。
【0049】
さらに、実施の形態2では、図示を省略しているが、実施の形態1と同じ調芯用噴出部分を備えている。
【0050】
こうして、実施の形態2によって、浮上用噴出部分11A1〜11C1,11A2〜11C2が基部10の上面101に対して直角方向に気体を噴出するので、ガラス板が重くなっても、浮上用噴出部分11A1〜11C1,11A2〜11C2と調芯用噴出部分とによって、上面101の中心に沿ってガラス板を浮上させて、移動させることができる。
【0051】
また、浮上用噴出部分11A1〜11C1,11A2〜11C2が基部10の上面101に対して直角方向に気体を噴出するので、図4の噴出方向θ1を、
0<θ1<90
のように、広範囲に設定することができる。
【0052】
[実施の形態3]
次に、図7〜9を参照して、本発明の実施の形態3について述ベる。図7は、実施の形態3に係わる浮上搬送装置の基部を示す平面図である。図8は、図7のIII−III断面を示す断面図である。図9は、実施の形態3に係わる噴出装置を示す斜視図である。
【0053】
実施の形態3による浮上搬送装置は、浮上によって板状基体を搬送する搬送システムの中の移送ユニットであり、基部21、囲い材22および側方噴出部として調芯部23,24を備えている。
【0054】
囲い材22は、図21の囲い材120と同じである。基部21は、噴出孔21A11〜21A61と補助穴21A12〜21A62とをそれぞれ備えている浮上用噴出部分21A1〜21A6、噴出孔21B11,21B12と補助穴21B12,21B22とをそれぞれ備えている第1移動用噴出部分21B1,21B2、および、噴出孔21C11,21C12と補助穴21C12,21C22とをそれぞれ備えている第2移動用噴出部分21C1,21C2を備えている。
【0055】
浮上用噴出部分21A1〜21A3,21A4〜21A6は、実施の形態1の浮上用噴出部分2A1〜2C1,2A2〜2C2とそれぞれ同じであり、第1移動用噴出部分21B1,21B2は、実施の形態1の第1移動用噴出部分2D1,2D2と同じである。また、第2移動用噴出部分21C1,21C2は、実施の形態1の第2移動用噴出部分2E1,2E2と同じである。
【0056】
調芯部23,24は、駆動装置23A,24A、4つの伸縮装置23B,24Bおよび4つの噴出装置23C,24Cをそれぞれ備えている。
【0057】
伸縮装置23B,24Bは、囲い材22に空けられた貫通穴22Aを通り、4つの噴出装置23C,24Cを駆動装置23A,24Aにそれぞれ接続する。伸縮装置23B,24Bは、移動方向310と直角な方向に、かつ、基部21の中心に向かって、駆動装置23A,24Aの制御でそれぞれ伸縮する。また、伸縮装置23B,24Bは、駆動装置23A,24Aからの気体を噴出装置23C,24Cにそれぞれ送る。
【0058】
駆動装置23A,24Aは、4つの伸縮装置23B,24Bをそれぞれ駆動する。つまり、駆動装置23A,24Aは、送られてくるガラス板300の幅に応じて、4つの伸縮装置23B,24Bを基部21の中心に向かってそれぞれ伸縮させる。これによって、駆動装置23A,24Aは、噴出装置23C,24Cをガラス板300の側壁付近に位置するようにする。同時に、駆動装置23A,24Aは、伸縮装置23B,24Bを経て、噴出装置23C,24Cにそれぞれ気体を送る。
【0059】
噴出装置23Cは、図9に示すように、直方体の形状であり、ガラス板300の送り方向に長くなっている。噴出装置23Cの内部が中空である。噴出装置23Cの正面23C1、つまり、噴出装置24Cと向かい合う面には、複数の噴出孔23C2が空けられている。噴出孔23C2は、浮上したガラス板300の側面の下部に位置するように、正面23C1に空けられている。かつ、噴出孔23C2は、噴出装置23Cの長手方向に一列に並んで空けられている。これによって、噴出孔23C2は、基部21の上面に対して水平方向に、つまり、この上面に対して傾斜角度0(ゼロ)で気体を噴出する。各噴出装置24Cは、噴出装置23Cとそれぞれ同じであるので、説明を省略する。
【0060】
4つの噴出装置23C,24Cは、駆動装置23A,24Aから送られてくる気体を、基部21の中心に向けて噴出孔23C2からそれぞれ噴出する。このとき、噴出装置23C,24Cは、ガラス板300の側面の下部に気体を噴出する。この結果、実施の形態3によって、噴出装置23C,24Cは、ガラス板300の中心が基部21の中心に位置するように、ガラス板300を気体の噴出で動かすことができる。
【0061】
また、噴出装置23C,24Cは、浮上したガラス板300の下部の側面に気体を噴出するので、ガラス板300の厚さが異なっても、ガラス板300を基部21の中心に動かすことができる。
【0062】
さらに、ガラス板300の側面近くから傾斜角度0(ゼロ)で気体が噴出されるので、ガラス板300に作用する調芯用の力を大きくすることができる。この結果、ガラス板300の中心を短時間で基部21の中心に移動させることができる。
【0063】
[実施の形態4]
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態4について述ベる。図10は、実施の形態4の噴出装置を示す斜視図である。
【0064】
実施の形態4では、実施の形態3の噴出装置23C,24Cの代わりに、図10に示す噴出装置25が用いられている。噴出装置25は、噴出装置23C,24Cを分割型にしたものである。つまり、噴出装置25は、上部25Aと下部25Bとで構成されている。上部25Aと下部25Bとは、同じ箱型の形状をしている。下部25Bの開口25B1には、四角形状の複数の切り欠き25B2が設けられている。下部25Bの開口25B1に上部25Aの開口が覆うように、上部25Aが下部25Bに取り付け可能である。上部25Aが下部25Bに取り付けられたとき、切り欠き25B2が噴出孔になる。
【0065】
実施の形態4によって、噴出装置25の内部に塵等が付着して、気体の流れが悪くなったとき、上部25Aと下部25Bとを分離して、噴出装置25の内部を簡単に清掃することを可能にする。つまり、実施の形態4によって、噴出装置25に対する日常の保守点検が簡単化することを可能にする。
【0066】
[実施の形態5]
次に、図11を参照して、本発明の実施の形態5について述ベる。図11は、実施の形態5に係わる基部の断面を示す断面図である。
【0067】
実施の形態5では、次の点が実施の形態3と異なる。つまり、実施の形態3では、噴出装置23C,24Cに対する気体供給が駆動装置23A,24Aで行われていた。実施の形態5では、基部30から気体供給が行われている。実施の形態5の基部30は、実施の形態3と同じように、浮上噴出部分31A1〜31A6、第1移動用噴出部分31B1,31B2および第2移動用噴出部分31C1,31C2を内部に備えている。
【0068】
また、実施の形態5の基部30は、供給装置32,33を内部に備えている。供給装置32,33は、基部30の上面30bに沿うように、かつ、基部30の両側に設けられている。供給装置32,33は、供給系(図示を省略)から気体の供給を受ける。そして、供給装置32,33は、供給された気体を上方に向けて流す。
【0069】
さらに、基部30の上面30Bに、かつ、供給装置32,33の上端に、噴出装置34,35が置かれている。噴出装置34,35は、噴出装置23C,24Cと同じように、内部が中空の直方体である。噴出装置34,35が互いに向かい合う面である正面には、複数の噴出孔が噴出装置23C,24Cと同じように設けられている。このような噴出装置34,35は、実施の形態3の噴出装置23C,24Cと同じように、ガラス板300の側面の下部に向けて気体を噴出する。
【0070】
こうして、実施の形態5によって、基部30や囲い材30Aの外側に気体供給をする装置を不要にすることができる。
【0071】
[実施の形態6]
次に、図12〜14を参照して、本発明の実施の形態6について述ベる。図12は、実施の形態6に係わる浮上搬送装置の基部を示す平面図である。図13は、図12のIV―IV断面を示す断面図である。図14は、図12のスリットの部分を示す斜視図である。
【0072】
実施の形態6による浮上搬送装置は、浮上によって板状基体を搬送する搬送システムの中の移送ユニットである。実施の形態6では、実施の形態1の基部1の代わりに、図12に示す基部40が用いられている。基部40の上面401には、調芯用スリット列411〜41n,421〜42n、浮上用スリット列431〜43n,441〜44n、多数の噴出孔4511,4521を具備する第1移動用噴出孔列451,452、および、多数の噴出孔4531,4541を具備する第2移動用噴出孔列452,454が設けられている。第1移動用噴出孔列451,452と第2移動用噴出孔列452,454とは、図1の第1移動用噴出孔列2D11,2D21と第2移動用噴出孔列2E11,2E21とそれぞれ同じであるので、これらの説明を省略する。調芯用スリット列411〜41nと調芯用スリット列421〜42nとが面側噴出部をそれぞれ形成し、これらの2つの面側噴出部が第2噴出手段を形成する。
【0073】
調芯用スリット列411〜41nは、上面401の中心に向かって等間隔に並んで設けられている。調芯用スリット列411〜41nは、複数の噴出スリット4111〜41n1をそれぞれ備える。噴出スリット4111は、次のように形成されている。つまり、図14に示すように、噴出スリット4111は、基部40の内部の補助穴4112に設けられている。補助穴4112は、基部40の長手方向に延びた中空の穴であり、供給系(図示を省略)から気体の供給を受ける。基部40の上面401に向かい合う補助穴4112の部分が、三角柱の形状をしている。補助穴4112の三角柱の部分から基部40の上面401までの間に設けられたスリットが、噴出スリット4111である。
【0074】
噴出スリット4111は、上面401に対して、角度θ3の方向に空けられている。角度θ3は、実施の形態1の噴出方向θ1と同じである。これによって、噴出スリット4111は、上面401から角度θ3つまり噴出方向θ1で、かつ、上面401の中心に向かって、調芯用の気体を噴出する。
【0075】
噴出スリット4111〜41n1の中の他のものも、噴出スリット4111と同様である。
【0076】
調芯用スリット列421〜42nは、調芯用スリット列411〜41nと同じように、上面401の中心向かって等間隔に並んで設けられている。調芯用スリット列421〜42nは、調芯用スリット列411〜41nと同じように、複数の噴出スリット4211〜42n1をそれぞれ備える。そして、噴出スリット4211は、補助穴4212〜42n2と上面401との間に設けられている。噴出スリット4211〜42n1は、調芯用スリット列411〜41nと同じように、上面401から角度θ3つまり噴出方向θ1に、かつ、上面401の中心に向かって、調芯用の気体を噴出する。
【0077】
これらの調芯用スリット列411〜41nと調芯用スリット列421〜42nとによって、搬送されるガラス板の中心を基部40の上面401の中心に合うようにする。
【0078】
浮上用スリット列431〜43nは、噴出スリット4311〜43n1と補助穴4312〜43n2とをそれぞれ備える。また、浮上用スリット列441〜44nは、噴出スリット4411〜44n1と補助穴4412〜44n2とをそれぞれ備える。浮上用スリット列431〜43nおよび浮上用スリット列441〜44nは、次の点を除いて、調芯用スリット列411〜41nおよび調芯用スリット列421〜42nとそれぞれ同じような構造をしている。つまり、浮上用スリット列431〜43nの噴出スリット4311〜43n1と、浮上用スリット列441〜44nの噴出スリット4411〜44n1とが空けられている角度が、実施の形態1の噴出方向θ2と同じである。これによって、浮上用スリット列431〜43n,441〜44nは、実施の形態1と同じようにガラス板を浮上させる。
【0079】
こうして、実施の形態6によれば、浮上用と調芯用とに用いられる噴出スリットが細長形状であるので、上面401を斜めに切る加工だけで、噴出スリットを形成することができる。また、1つの噴出スリットが複数の噴出孔に対応するので、調芯用や浮上用の気体を噴出するための構造を、少ない工数で形成することができる。
【0080】
[実施の形態7]
次に、図15〜19を参照して、本発明の実施の形態7について説明する。図15は、実施の形態7に用いられている噴出スリット構造を示す平面図である。図16は、図15のV−V断面を示す断面図である。図17は、図16の溝を示す斜視図である。図18は、図16の遮蔽板の断面を示す断面図である。図19は、図16の遮蔽板の底面を示す底面図である。
【0081】
実施の形態7では、実施の形態6の噴出スリットが異なる構造をしている。つまり、図15,16に示すように、実施の形態7の噴出スリットを形成するための噴出スリット構造50は、遮蔽板51、溝52および供給穴53によって形成される。
【0082】
溝52は、基部40の上面401に設けられている。溝52は、図17に示すように、底面52Aを備えている。底面52Aは、幅がL1である長方形であり、基部の上面401に沿って長くなっている。底面52Aの一方の端には、この底面52Aと直交するように、側面52Bが形成されている。側面52Bの上端が上面401と直角に交差し、側面52Bの幅が溝52の深さになっている。底面52Aの他方の端には、斜面52Cが形成されている。斜面52Cは、上面401に対して角度がθ4になるように、傾斜している。斜面52Cの上端は、上面401と交差している。このように、溝52は、角度θ4で傾斜した斜面52Cを持ち、開口の最大が幅L2である台形をしている。
【0083】
供給穴53は、基部40に空けられた丸穴であり、底面52Aが斜面52Cと交差する部分に一定間隔で設けられている。供給穴53には、供給系(図示を省略)から気体が供給される。
【0084】
遮蔽板51は、溝52内に置かれるものである。遮蔽板51は、図18に示すように、断面形状が台形をした板である。つまり、遮蔽板51の側面51Aが溝52の側面52Bと同じ形状をしている。遮蔽板51が溝52に置かれたとき、側面51Aが側面52Bに接触する。遮蔽板51の上面51Bおよび下面51Cの一方の端が、側面51Aの上下の両端になっている。そして、上面51Bおよび下面51Cは、側面51Aに対して直角になっている。上面51Bの幅が遮蔽板51の幅L2より所定長だけ短く、同じく、下面51Cの幅が遮蔽板51の幅L1より所定長だけ短くなっている。遮蔽板51が溝52に置かれたとき、下面51Cが溝52の底面52Aに接触する。
【0085】
上面51Bおよび下面51Cの他方の端間に形成される面が、斜面51Dである。斜面51Dは、溝52の斜面52Cと同じ形状をしている。上面51Bの幅が幅L2より所定長だけ短く、下面51Cの幅が幅L1より所定長だけ短くなっているので、遮蔽板51が溝52に置かれたとき、斜面51Dが溝52の斜面52Cから離れる。このとき、斜面51Dは、斜面52Cと向かい合うように、かつ、斜面52Cに対して一定の間隔を保つ。この結果、気体を噴出する角度がθ4である噴出スリット50Aが形成される。
【0086】
遮蔽板51の斜面51Dには、スペーサ51Eが設けられている。スペーサ51Eの厚さは、斜面51Dと斜面52Cとの距離に等しい。また、スペーサ51Eは、図19に示すように、供給穴53を覆わないように、かつ、気体の流れを良好に保つために等間隔で斜面51Dに配置されている。スペーサ51Eによって、遮蔽板51が溝52に置かれたときに、側面51Aが側面52Bに密着する。つまり、スペーサ51Eによって、遮蔽板51を溝52に置くだけで、位置決め等を不要にして、確実に噴出スリット50Aを形成することができる。
【0087】
こうして形成された噴出スリット50Aは、実施の形態6と同じように、浮上用と調芯用とに用いることができる。このとき、浮上用と調芯用とでは、角度θ4を変えればよい。
【0088】
また、噴出スリット50Aを形成する場合、カッター等を用いて基部40の上面401に対する加工が不要になる。この結果、噴出スリット50Aの形成を簡単化することができ、かつ、角度θ4の設定を簡単にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上、説明したように、本発明は、板状の搬送面を具備し、この搬送面に沿って板状基体を送るための基部と、前記搬送面から気体を噴出することによって、板状基体を前記搬送面から浮上させると共に浮上した板状基体を前記搬送面に沿って移動させる第1噴出手段と、前記第1噴出手段によって浮上した板状基体を前記搬送面の中心位置に保つために、気体を噴出する第2噴出手段とを備えたことを特徴とする。
【0090】
これによって、第2噴出手段がガイド用および調芯専用として設けられているので、板状基体が重くなっても、気体の噴出による調芯のための強い力を板状基体に加えることができる。これによって、板状基体の蛇行を防いで、板状基体を基部の中心位置に迅速に移動させることができ、板状基体の非接触による搬送を可能にする。
【0091】
本発明では、前記第2噴出手段は、前記搬送面上の両側に沿って配置されている2つの側方噴出部と、これらの2つの側方噴出部に気体を供給する供給系とを備え、前記各側方噴出部は、前記搬送面の中心方向に気体を噴出する噴出孔を多数具備したことを特徴とする。また、本発明では、前記各側方噴出部は、前記搬送面の中心方向に移動可能であることを特徴とする。
【0092】
これによって、各側方噴出部として例えば管状のものを用いると、各側方噴出部を簡単な材料を用いて形成することができる。さらに、各側方噴出部を移動可能にすることによって、幅の異なる板状基体に対応することができる。
【0093】
本発明では、前記第2噴出手段は、前記搬送面の中心を挟むように前記搬送面に配置されると共に前記搬送面の中心方向に気体を噴出する2つの面側噴出部と、これらの面側噴出部に気体を供給する供給系とを備えたことを特徴とする。また、本発明では、前記各面側噴出部は、前記搬送面に沿って少なくとも1つの噴出孔列を具備し、前記噴出孔列は、前記搬送面の中心に向かって複数列設けられ、前記各噴出孔列は、前記搬送面の中心に向けて気体を噴出すると共に前記搬送面に沿って並んでいる多数の噴出孔を具備したことを特徴とする。
【0094】
これによって、第2噴出手段が搬送面に設けられているので、気体を噴出するための機構を搬送面上に設けることを不要にすることができる。また、ガラス板の幅に応じて第2噴出手段が自動的に選択されるから、任意の幅のガラス板の混載搬送を可能にする。この結果、装置が簡単になるので、装置の信頼性を向上させることができる。
【0095】
本発明では、前記各面側噴出部は、前記搬送面に沿って少なくとも1つの噴出スリット列を具備し、前記噴出スリット列は、前記搬送面の中心に向かって複数列設けられ、前記各噴出スリット列は、前記搬送面の中心に向けて気体を噴出すると共に前記搬送面に沿って並んでいる複数の噴出スリットを具備したことを特徴とする。
【0096】
これによって、1つの噴出スリットが複数の噴出孔に対応するので、第2噴出手段の形成を簡単化することができる。
【符号の説明】
【0097】
1,10,21,30,40,110 基部
1,101,30B,401,112,51B, 上面
2 中心
1A1〜1H1,1A2〜1H2 設定ライン
2A1〜2C1,2A2〜2C2,11A1〜11C1,11A2〜11C2
21A1〜21A6,31A1〜31A6 浮上用噴出部分
2D1,2D2,11D1,11D2,21B1,21B2,31B1
31B2 第1移動用噴出部分
2E1,2E2,11E1,11E2,21C1,21C2,31C1
31C2 第2移動用噴出部分
2F1〜2H1,2F2〜2H2 調芯用噴出部分
2A11〜2H11,2A21〜2H21,11A11〜11E11
11A21〜11E21,21A11〜21A61,21B11,21C11
23C2,4511〜4541,113,115 噴出孔
2A12〜2H12,2A22〜2H22,11A12〜11E12
11A22〜11E22,21A12〜21A62,21B12,21B22
21C12,21C22,114,116,4112〜41n2
4212〜42n2,4312〜43n2,4412〜44n2 補助穴
22,120,30A 囲い材
22A 貫通穴
23,24 調芯部
23C1 正面
23A,24A 駆動装置
23B,24B 伸縮装置
23C,24C,25,34,35 噴出装置
23C1 正面
25A 上部
25B 下部
25B1 開口
25B2 切り欠き
32,33 供給装置
411〜41n 調芯用スリット列
4111〜41n1,4211〜42n1,4311〜43n1,4411〜44n1
50A 噴出スリット
421〜42n 調芯用スリット列
431〜43n,441〜44n 浮上用スリット列
451,452 第1移動用噴出孔列
453,454 第2移動用噴出孔列
50 噴出スリット構造
51 遮蔽板
51A 側面
51C 下面
51D 斜面
51E スペーサ
52 溝
52A 底面
52B 側面
52C 斜面
53 供給穴
130 加工板
100 移送ユニット
111 供給系
112A 中心
113A,115A 噴出方向
140 封止板
200 制御ユニット
300 ガラス板
310 移動方向
311 転換方向
L1,L2 幅
11,W21 調芯力
12,W22 浮上力
θ1,θ2 噴出方向
θ3,θ4 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の搬送面を具備し、この搬送面に沿って板状基体を送るための基部と、
前記搬送面から気体を噴出することによって、板状基体を前記搬送面から浮上させると共に浮上した板状基体を前記搬送面に沿って移動させる第1噴出手段と、
前記第1噴出手段によって浮上した板状基体を前記搬送面の中心位置に保つために、気体を噴出する第2噴出手段とを備えたことを特徴とする浮上搬送装置。
【請求項2】
前記第2噴出手段は、前記搬送面上の両側に沿って配置されている2つの側方噴出部と、これらの2つの側方噴出部に気体を供給する供給系とを備え、前記各側方噴出部は、前記搬送面の中心方向に気体を噴出する噴出孔を多数具備したことを特徴とする請求項1に記載の浮上搬送装置。
【請求項3】
前記各側方噴出部は、前記搬送面の中心方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の浮上搬送装置。
【請求項4】
前記第2噴出手段は、前記搬送面の中心を挟むように前記搬送面に配置されると共に前記搬送面の中心方向に気体を噴出する2つの面側噴出部と、これらの面側噴出部に気体を供給する供給系とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の浮上搬送装置。
【請求項5】
前記各面側噴出部は、前記搬送面に沿って少なくとも1つの噴出孔列を具備し、前記噴出孔列は、前記搬送面の中心に向かって複数列設けられ、前記各噴出孔列は、前記搬送面の中心に向けて気体を噴出すると共に前記搬送面に沿って並んでいる多数の噴出孔を具備したことを特徴とする請求項4に記載の浮上搬送装置。
【請求項6】
前記各面側噴出部は、前記搬送面に沿って少なくとも1つの噴出スリット列を具備し、前記噴出スリット列は、前記搬送面の中心に向かって複数列設けられ、前記各噴出スリット列は、前記搬送面の中心に向けて気体を噴出すると共に前記搬送面に沿って並んでいる複数の噴出スリットを具備したことを特徴とする請求項4に記載の浮上搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−173857(P2010−173857A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59402(P2010−59402)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【分割の表示】特願平11−182492の分割
【原出願日】平成11年6月28日(1999.6.28)
【出願人】(591277382)株式会社渡辺商行 (34)
【Fターム(参考)】