説明

浮遊溶解炉の使用方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナ

本発明は、浮遊溶解炉の使用方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナ(4)に関する。精鉱バーナ(4)は、第1のガス(5)を反応シャフト(2)に供給する第1のガス供給装置(12)、および第2のガス(16)を反応シャフト(2)に供給する第2のガス供給装置(18)を含んでいる。第1のガス供給装置(12)は、供給パイプ(7)の開口部(8)と同心状に配設された第1の環状放出口(14)を備え、第1の環状放出口(14)は供給パイプ(7)を取り囲んでいる。第2のガス供給装置(18)は、供給パイプ(7)の開口部(8)と同心状に配設された第2の環状放出口(17)を備え、第2の環状放出口(17)は、供給パイプ(7)開口部(14)を取り囲んでいる。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の浮遊溶解炉の使用方法を対象とする。
【0002】
本発明は、請求項17の前段に記載の浮遊溶解炉を他の対象とする。
【0003】
本発明は、請求項31の前段に記載の精鉱バーナを他の対象とする。
【0004】
また本発明は、本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナを様々に使用して、様々なタイプの浮遊溶解炉における処理問題を解決し、および/または処理の有効性を向上させることにも関する。
【0005】
本発明は、フラッシュ・スメルティング炉などの浮遊溶解炉で実行される方法、およびフラッシュ・スメルティング炉などの浮遊溶解炉に関するものである。
【0006】
フラッシュ・スメルティング炉は3つの主要部分で構成されている。すなわち、反応シャフト、下層炉および凸状シャフトから成る。フラッシュ製錬処理では、反応シャフト上部の精鉱バーナを使用して、硫化精鉱、スラグ形成剤および別の粉状構成材料を含む粉状固形物を反応ガスと混合させる。反応ガスは、空気、酸素または酸素富化空気でよい。精鉱バーナは、細粒固形物を反応シャフトに供給する供給パイプを備え、供給パイプの開口部は反応シャフト内に開口している。精鉱バーナはさらに散布装置を備えている。散布装置は、供給パイプの内側に同心状に配設され、供給パイプの開口部から反応シャフトの内側へある程度延伸している。散布装置は、散布装置の周りを流動する微細固形物の方へ散布ガスを送り出す散布ガス穴を含んでいる。精鉱バーナはまた、反応ガスを反応シャフトに供給するガス供給装置を備え、ガス供給装置は環状放出口を介して反応シャフト内部で開口している。環状放出口は供給パイプを同心状に取り囲んで、放出口から放出される反応ガスを、供給パイプの中央部から放出されて散布ガスによって横方向へ誘導される微細固形物と混合する。
【0007】
フラッシュ製錬方法は、微細固形物を反応シャフトに精鉱バーナの供給パイプの開口部から反応シャフトに供給する段階を含む。フラッシュ製錬方法はさらに、散布ガスを精鉱バーナの散布装置の散布ガス穴から反応シャフト内に供給して散布ガスを散布装置の周りを流動する微細固形物の方へ送る段階と、反応ガスを精鉱バーナのガス供給装置の環状放出口から反応シャフト内に供給して、反応ガスを、供給パイプの中央部から放出されて散布ガスによって横方向へ誘導された微細固形物に混合させる段階とを含む。
【0008】
たいていの場合、反応シャフトに投入される混合物の構成材料である粉末状固形物と反応ガスが互いに反応するのであれば、溶解に必要なエネルギーは混合物自体から得る。しかしながら、原料のなかには、反応が起きた際に十分なエネルギーを発生しないうえ、十分に溶解させるには燃料ガスも反応シャフトに供給して溶解用のエネルギーを発生させなければならないものもある。
【0009】
米国特許公報第5の,362,032号に精鉱バーナが提示されている。
【発明の簡単な説明】
【0010】
本発明は、浮遊溶解炉の使用方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナを供することを目的とし、これらは、フラッシュ・スメルティング処理などの浮遊製錬処理における種々の問題を解決し、および/またはフラッシュ・スメルティング処理などの浮遊製錬処理の向上に利用可能である。
【0011】
本発明の目的は、独立請求項1に記載の浮遊溶解炉の使用方法によって達成される。
【0012】
本発明に係る方法の好適な実施形態を従属請求項2ないし16に開示する。
【0013】
また本発明は、独立請求項17に記載の浮遊溶解炉を対象とする。
【0014】
本発明に係る浮遊溶解炉の好適な実施形態を従属請求項18ないし30に開示する。
【0015】
本発明はさらに、独立請求項31に記載の精鉱バーナを対象とする。
【0016】
本発明に係る精鉱バーナの好適な実施形態を従属請求項32ないし44に開示する。
【0017】
本発明の対象には、請求項45ないし51に記載の方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの使用も含まれる。
【0018】
本発明に係る浮遊溶解炉の使用方法は、次の事実に基づくものである。すなわち、本方法は、第1のガスを浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する第1のガス供給装置と第2のガスを浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する第2のガス供給装置とを備える精鉱バーナを使用し、第1のガス供給装置は、浮遊溶解炉の反応シャフト内で開口し供給パイプの開口部と同心状に配設されて供給パイプを取り囲む第1の環状放出口を備え、第2のガス供給装置は、浮遊溶解炉の反応シャフト内で開口し供給パイプの開口部と同心状に配設されて供給パイプを取り囲む第2の環状放出口を備えている。
【0019】
これに対応して、本発明に係る浮遊溶解炉は、第1のガスを浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する第1のガス供給装置と第2のガスを浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する第2のガス供給装置とを備える精鉱バーナを含み、第1のガス供給装置は、浮遊溶解炉の反応シャフト内で開口し供給パイプの開口部と同心状に配設されて供給パイプを取り囲む第1の環状放出口を備え、第2のガス供給装置は、浮遊溶解炉の反応シャフト内で開口し供給パイプの開口部と同心状に配設されて供給パイプを取り囲む第2の環状放出口を備えている。
【0020】
本発明に係る方式では、上述の第1のガスを浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する第1のガス供給装置と上述の第2のガスを浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する第2のガス供給装置とを備えた精鉱バーナを使用しているため、本発明に係る方法において同一の精鉱バーナを使用して、種々のガスを精鉱バーナのいろいろな場所に投入でき、また、様々な物質、流体および/もしくは流体混合物をガスと混ぜ合わせることで、様々な処理上の問題を解決でき、ならびに/または浮遊溶解炉の浮遊製錬処理を向上させることができる。それに加えて、あるいはそれに代わって、第1のガスおよび第2のガスの流動、例えば流速、流動パターンおよび/または流量などが互に関係なく制御可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
次に、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照しながら詳細に述べる。
【図1】本発明に係る浮遊溶解炉の好適な一実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る浮遊溶解炉において使用可能な精鉱バーナを示す図である。
【図3】本発明に係る方法および浮遊溶解炉の第3の実施形態において使用可能な第2の精鉱バーナを示す図である。
【図4】本発明に係る方法および浮遊溶解炉の第4の実施形態において使用可能な第3の精鉱バーナを示す図である。
【図5】本発明に係る方法および浮遊溶解炉の第5の実施形態において使用可能な第4の精鉱バーナを示す図である。
【図6】本発明に係る方法および浮遊溶解炉の第5の実施形態において使用可能な第5の精鉱バーナを示す図である。
【図7】本発明に係る方法および浮遊溶解炉の第5の実施形態において使用可能な第6の精鉱バーナを示す図である。
【図8】本発明に係る浮遊溶解炉の第2の好適な実施形態を示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0022】
第一に、本発明は浮遊溶解炉1の使用方法を対象とする。
【0023】
図1に示す浮遊溶解炉1は、反応シャフト2、凸状シャフト3および下層炉20を含んでいる。
【0024】
本方法では、微細固形物供給装置27を含む精鉱バーナ4を使用し、微細固形物供給装置は、細粒固形物6を反応シャフト2に供給する供給パイプ7を備え、供給パイプの開口部8は反応シャフト2内で開口している。微細固形物は、例えばニッケル精鉱または銅精鉱、スラグ形成剤および/またはフライアッシュを含むものでよい。
【0025】
本方法で使用する精鉱バーナ4はさらに、供給パイプ7の内側に同心状に配設されて供給パイプの開口部8から反応シャフト2の内側へある長さだけ延伸した散布装置9を含んでいる。散布装置9は、散布装置9を取り巻く散布ガス11を、散布装置9の周りを流動する微細固形物6の方へ送り込む散布ガス穴10を備えている。
【0026】
本方法で使用する精鉱バーナ4はさらに、第1のガス5を反応シャフト2に供給する第1のガス供給装置12を含んでいる。第1のガス供給装置12は第1の環状放出口14を介して反応シャフト2内で開口し、環状放出口は供給パイプ7を同心状に取り囲み、上記第1の環状放出口14から放出される第1のガス5を、供給パイプ7の中央部から放出され散布ガス11によって横方向へ誘導される微細固形物6と混合させる。
【0027】
本方法で使用する精鉱バーナ4はさらに、第2のガス16を反応シャフト2に供給する第2のガス供給装置18を含み、第2のガス供給装置は、精鉱バーナの第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14と同軸で浮遊溶解炉の反応シャフト2中で開口している第2の環状放出口17を備えている。
【0028】
本方法は、反応シャフト2において、微細固形物6を精鉱バーナの供給パイプの開口部8から反応シャフト2に供給する段階を含む。
【0029】
本方法は、散布ガス11を精鉱バーナの散布装置9の散布ガス穴10から反応シャフト2に供給して、散布ガス11を散布装置9の周りを流動する微細固形物6の方へ誘導する段階を含む。
【0030】
本方法は、第1のガス5を精鉱バーナの第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から反応シャフト2に供給して、第1のガス5を、供給パイプ7の開口部8の中央部から放出され散布ガス11によって横方向へ誘導される微細固形物6と混合する段階を含む。
【0031】
本方法は、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から反応シャフト2に供給する段階を含む。本方法は、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から供給する前に、精鉱粒子22を第2のガス16に添加する段階を含んでいてもよい。
【0032】
本方法は、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から反応シャフト2に供給する前に、液体冷却剤25を噴霧して第1のガス5に加える段階を含んでいてもよい。
【0033】
本方法は、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から反応シャフト2に供給する前に、液体冷却剤25を噴霧して第2のガス16に加える段階を含んでいてもよい。
【0034】
本方法は、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から供給する前に、第1のガス5を旋流させる段階を含んでいてもよい。
【0035】
本方法は、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から供給する前に、第2のガス16を旋流させる段階を含んでいてもよい。
【0036】
本方法において、第1のガス5および第2のガス16の組成は異なっていてもよい。
【0037】
本方法において、第1のガス供給装置12は、必須ではないが好ましくは、第1の供給源28から供給を受け、第2のガス供給装置18は、必須ではないが好ましくは、図8に示すように、第1の供給源28とは別の第2の供給源29から供給を受ける。
【0038】
本方法では、図6に示すように、第1の環状放出口14と供給パイプの放出口8との間に配設された第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含むような精鉱バーナを使用してもよい。
【0039】
本方法では、図2ないし図6に示すように、第1の環状放出口14を囲繞する第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含むような精鉱バーナ4を使用してもよい。
【0040】
本方法では、図7に示すように、第2の環状放出口17が微細固形物供給装置27の供給パイプ7の内側に位置する第2のガス供給装置18を含むような精鉱バーナ4を使用してもよい。
【0041】
本方法では、図7に示すように、第2の環状放出口17が微細固形物供給装置27の供給パイプ7の内側に位置し、第2の環状放出口17が散布装置9を取り囲む一方で、散布装置9によって制限された第2のガス供給装置18を含むような精鉱バーナ4を使用してもよい。
【0042】
本発明は他に、反応シャフト2、アップテーク3、下層炉20および精鉱バーナ4を備える浮遊溶解炉1を対象とする。
【0043】
浮遊溶解炉の精鉱バーナ4は、微細固形物6を反応シャフト2に供給する供給パイプ7を備えた微細固形物供給創始27を含み、供給パイプの開口部8は反応シャフト2内に開口している。微細固形物は、例えばニッケル精鉱または銅精鉱、スラグ形成剤および/またはフライアッシュを含んでいてもよい。
【0044】
また、浮遊溶解炉の精鉱バーナ4は、供給パイプ7の内側に同心状に配設されて供給パイプの開口部8を介して反応シャフト2の内部にある程度延伸している散布装置9を含んでいる。散布装置9は、散布装置9を取り巻く散布ガス11を散布装置9の周りを流動する微細固形物6の方へ誘導する散布ガス穴10を備えている。
【0045】
さらに、浮遊溶解炉の精鉱バーナ4は、第1のガス5を反応シャフト2に供給する第1のガス供給装置12を含んでいる。第1のガス供給装置12は、供給パイプ7を同心状に取り囲む第1の環状放出口14を介して反応シャフト2中に開口し、上記第1の環状放出口14から放出される第1のガス5を、供給パイプ7の中央部から放出されて散布ガス11によって横方向に誘導される微細固形物と混合させる。
【0046】
浮遊溶解炉の精鉱バーナ4はさらに、第2のガス16を反応シャフト2に供給する第2のガス供給装置18を含んでいる。第2のガス供給装置18は第2の環状放出口17を含み、第2の環状放出口は精鉱バーナの第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14と同軸であり、浮遊溶解炉1の反応シャフト2中に開口して第2のガス16を反応シャフト2に供給する。本発明はこの他に、細粒固形物6およびガスを浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する精鉱バーナ4を対象とする。
【0047】
精鉱バーナ4は、細粒固形物6を反応シャフト2に供給する供給パイプ7を備えた微細固形物供給装置27を含んでいる。
【0048】
また、精鉱バーナ4は散布装置9も含み、散布装置は供給パイプ7の内側に同心状に配設され、供給パイプの開口部8から反応シャフト2の内側へある程度延伸して、散布装置9を取り巻く散布ガス11を、散布装置9の周りを流動する微細固形物の方へ誘導する散布ガス穴10を備えている。
【0049】
精鉱バーナ4はさらに、第1のガス5を反応シャフト2に供給する第1のガス供給装置12を含み、第1のガス供給装置12は供給パイプ7を同心状に取り囲む第1の環状放出口14を介して開口し、当該第1の環状放出口14から放出される第1のガスを、供給パイプ7の中央部から放出されて散布ガス11によって横方向へ誘導される微細固形物6と混合させる。
【0050】
精鉱バーナ4は、第2のガス16を反応シャフト2に供給する第2のガス供給装置18も含み、第2のガス供給装置18は第2の環状放出口17を備え、第2の環状放出口は精鉱バーナの第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14と同軸であって、第2のガス16を反応シャフト2に供給するものである。
【0051】
精鉱バーナは、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から反応シャフト2に供給する前に、精鉱粒子を第2のガス16と混合させる精鉱粒子の供給手段24を含んでいてもよい。
【0052】
精鉱バーナは、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から反応シャフト2に供給する前に、液体冷却剤25を噴霧して第1のガス5と混合させる液体冷却剤の供給機構23を含んでいてもよい。
【0053】
精鉱バーナは、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から反応シャフト2に供給する前に、液体冷却剤25を噴霧して第2のガス16と混合させる液体冷却剤の供給機構23を含んでいてもよい。
【0054】
精鉱バーナは、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から反応シャフト2に供給する前に、第1のガス5を旋流させる旋流手段19を含んでいてもよい。
【0055】
精鉱バーナは、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から反応シャフト2に供給する前に、第2のガス16を旋流させる旋流手段19を含んでいてもよい。
【0056】
精鉱バーナは、第1の供給源28を第1のガス供給装置12に接続する第1の接続手段30と、第2の供給源29を第2のガス供給装置18に接続する第2の接続手段31とを含んでいてもよく、その場合、第2の供給源29は第1の供給源28とは別個である。
【0057】
精鉱バーナは、第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含んでいてもよく、第2の環状放出口は、図6に示すように、第1の環状放出口14と供給パイプの開口部8との間に位置する。
【0058】
精鉱バーナは、第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含んでいてもよく、第2の環状放出口は、図2ないし図5に示すように、第1の環状放出口14を取り囲んでいる。
【0059】
精鉱バーナは、第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含んでいてもよく、第2の環状放出口は、図7に示すように、微細固形物供給装置27の供給パイプ7の内側に位置する。
【0060】
精鉱バーナは、第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含んでいてもよく、第2の環状放出口は、図7に示すように、微細固形物供給装置27の供給パイプ7の内側に位置して、第2の環状放出口17は散布装置9を取り囲むとともに散布装置9によって制限されている。
【0061】
本発明に係る方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナを使用して、いろいろなタイプの浮遊溶解炉における処理問題を解消し、および/または浮遊製錬処理を向上させることができる。以下に、7つの異なった処理問題とその解決策を7つの異なった実施態様として開示する。
【0062】
第1の実施形態: 窒素酸化物発生の減少
本方法の第1の実施形態、浮遊溶解炉の第1の実施形態および精鉱バーナの第1の実施形態は、浮遊製錬処理で発生する窒素酸化物の削減に関する。
【0063】
窒素酸化物すなわちNOx排出物は、あらゆる種類の燃焼処理において問題を生じさせるものであり、自溶炉製錬では、硫酸工場で生成された酸の中に溶け込むと、例えば紙の漂白処理において紙に赤い斑点を発生させるという問題が起きる。窒素酸化物発生の主な発生メカニズムは、いわゆる熱NOx反応における窒素と酸素の化合と関係がある。精鉱粒子が燃焼し始めると、十分な酸素が存在し、且つ粒子が冷却要素に囲まれていなければ、粒子はすぐに2000℃超の最大温度に達するであろう。
【0064】
本方法の第1の実施形態では、第1のガス5として工業用酸素(O2)を使用し、工業用酸素は、精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を通じて浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。
【0065】
これに対応して、浮遊溶解炉の第1の実施形態において、精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12は、工業用酸素を第1のガス5として第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するよう構成されている。
【0066】
また別の方法として、本方法の第1の実施形態では、空気を第1のガス5として使用してもよく、空気を、精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を介して浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。
【0067】
これに応じて、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第1の実施形態におけるこの代替法では、精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12は、第1のガス5として空気を第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するよう構成されている。
【0068】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第1の実施形態は、炎が最も高温な領域には窒素(N2)が送り込まれず、よって、この点で窒素酸化物またはNOxの発生が防止されるという事実に基づくものである。これは、実際面では、工業用純酸素が精鉱バーナ4の第ガス供給装置12の内部放出口、つまり第1の環状放出口14から供給され、そのため、燃料ガスに関して、温度が最も高いゾーンでは窒素が検出されないことを意味するであろう。粒子が燃焼し始めると、その燃焼温度が燃焼開始後も上昇して熱NOxの発生が非常に激しくなるほど高くなることはない。その場合、最外側に配された放出口17を通じて酸素をふんだんに送り込んで燃焼を完了させるか、もしくは燃焼を所期のレベルまでもっていくことができる。あるいは、例えば窒素などの熱エネルギーを消費する不活性ガスを空気中で使用するか、または第2のガスに液体または溶液(水、酸、アンモニアなど)を噴霧して、燃焼開始後の燃焼温度を調整できる。
【0069】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第1の実施形態は、炎が最も高温の領域の温度が低下すると、それにより主なNOxの発生メカニズム、すなわちいわゆる熱NOxの発生が減少するという事実に基づくものである。これは実際面では、次のことを意味する。例えば、工業用純酸素を精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給し、第2のガス16を精鉱バーナ4の第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給し、第2のガスは空気、酸素富化空気または酸素でよく、第2のガスには吸熱性分解液、すなわち蒸発時に熱エネルギーを消費する液体を混合してもよい。第2の環状放出口17によって最大温度が制御され、炎が小さくなる。本方法および浮遊製錬の第1の実施形態は、本方法および浮遊溶解炉を使用して窒素酸化物の発生を減らすことにも関連する。
【0070】
本発明の使用に係る第1の実施形態では、窒素酸化物発生の減少方法を用いて、工業用酸素を第1のガス5として、浮遊溶解炉1の精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を介して、浮遊溶解炉1の反応シャフト4に供給する。
【0071】
あるいは、本発明の使用に係る第1の実施形態では窒素酸化物発生の減少方法を用いて、空気を第1のガス5として、浮遊溶解炉1の精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を介して、浮遊溶解炉1の反応シャフト4に供給してもよい。
【0072】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの使用に係る第1の実施形態は、浮遊溶解炉を使用して窒素酸化物発生を減らすものであり、浮遊溶解炉1の精鉱バーナ4は、工業用酸素を第1のガス5として、第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を介して、浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するよう構成されている。
【0073】
あるいは、浮遊溶解炉および精鉱バーナの使用に係る第1の実施形態は、浮遊溶解炉を使用して窒素酸化物発生を減らすものであり、浮遊溶解炉1の精鉱バーナ4は、空気を第1のガス5として、第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を介して、浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するよう構成されている。
【0074】
第2の実施形態: 精鉱の発火の向上
本方法の第2の実施形態、浮遊溶解炉の第2の実施形態および精鉱バーナの第2の実施形態は、精鉱の発火の向上に関するものである。
【0075】
自溶炉製錬処理では、浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給された微細固形物などの精鉱が精鉱バーナ4の散布装置9の散布ガス穴10の高さに達すると、なるべく速やかに温まって燃焼し始めることが好ましい。
【0076】
本方法の第1の実施形態では、第1のガス5として工業用酸素を使用し、工業用酸素を、精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14を通じて浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。
【0077】
これに対応して、浮遊溶解炉1および精鉱バーナの第2の実施形態において、精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12は、工業用酸素を第1のガス5として、第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するよう構成されている。
【0078】
本方法および浮遊溶解炉の第2の実施形態はまた、本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナを使用して、反応シャフト2内の精鉱の発火を向上させることにも関する。本方法および浮遊溶解炉を使用して、工業用酸素を第1のガス5として第1の環状放出口15を通じて供給し、反応シャフト2中の精鉱の燃焼開始を改善することができる。
【0079】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第2の実施形態では、酸素ポテンシャル(主要ガスにおける酸素分)は、精鉱バーナ4の供給パイプ7の開口部8の周辺で増加して、酸素が精鉱粒子の孔の中により効果的に拡散する。これは実際面では、工業用純酸素を精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト4に供給することで、より早期に燃焼を開始できることである。
【0080】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第2の実施形態は、次の事実に基づくものである。すなわち、流れの形成(例えば、乱流)に関して有利な方法を用いて、工業用純酸素を第1の環状放出口14から供給し、微細固形物6を効果的に酸素と混合させて、急速に燃焼を開始させる。ただし、燃焼に要する酸素をすべて第1の環状放出口14から投入する必要はなく、効果的な発火に必要な分だけを投入して、燃焼に必要となる残りの酸素は第2の環状放出口17から投入できる。
【0081】
第3の実施形態: 浮遊溶解炉への大きさの異なる粒子の供給
本方法の第3の実施形態、浮遊溶解炉の第3の実施形態および精鉱バーナの第3の実施形態は、大きさの異なる粒子を浮遊溶解炉の反応シャフトに供給することに関する。
【0082】
現存の精鉱バーナでは、精鉱粒子と酸素を混合して滑らかで均質な混合物にする作業は比較的良好に行われるものの、サイズの異なる精鉱粒子間の燃焼の条件は考慮されていない。そのため、最小サイズの粒子は多く酸化され、大きい粒子はあまり酸化されない。したがって、最終結果物の調整は、最終結果物全体、すなわちスラグの化学的性質に対して行われる。
【0083】
本方法の第3の実施形態において、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する前に、精鉱粒子を第2のガス16に添加する。本方法の第3の実施形態では、篩21を使って精鉱を、小さい精鉱粒子を含む群と大きな精鉱粒子を含む群とに分けることができる。
【0084】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの第3の実施形態は精鉱粒子用供給部材24を備え、これは、精鉱粒子を第2のガス16と混合してから、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するためのものである。
【0085】
浮遊溶解炉1に供給を行う前に、微細固形物は一般に、いわゆる乾燥機(図示せず)にかけて、余分な湿気を取らなければならない。通常、そのような乾燥機の後に篩(図示せず)が設けられ、微細固形物の流れを2本に分ける。すなわち、篩を通るより微小の破片、つまり通過物と、篩を通らない物質、つまり非通過物とに分ける。この方式の第3の実施形態では、このような非通過物はもう少し大きい篩目を持つ篩21によって再度篩い分けしてもよく、粒度分布が異なる2本の精鉱流、すなわち細粒群と粗粒群の流れが通過物によって得られる。細粒群は供給材6として精鉱バーナから流し込み、租流群22は第2のガス16と混合させて外部のガス導管17から投入する。これにより、粒子の酸化度を広範囲にわたってより適切に制御できる。このような方式を図3に示す。
【0086】
また、本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第3の実施形態は、本方法および浮遊溶解炉を使用して第1の精鉱粒子群および第2の精鉱粒子群を浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給することにも関する。ここで、第1の精鉱粒子群は第2の精鉱粒子群の精鉱粒子より粒径の小さい粒子を含んでいる。この第3の実施形態では、浮遊溶解炉を使用して第1の精鉱粒子群を供給パイプ7の開口部8から反応シャフト2に投入し、第2のガス16と混合させた第2の精鉱粒子群は第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から反応シャフト2に投入する。
【0087】
精鉱バーナは第1の環状放出口および第2の環状放出口を備えているので、様々な供給速度および酸素富化度を利用して、精鉱粒子の酸化度の差を均衡させることができる。
【0088】
第4の実施形態: 浮遊溶解炉の反応シャフトの温度調節
本方法の第4の実施形態、浮遊溶解炉の第4の実施形態および精鉱バーナの第4の実施形態は、浮遊溶解炉の反応シャフトの温度調節に関するものである。
【0089】
本方法の第4の実施形態では、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する前に、液体冷却剤25を噴霧して第1のガス5に添加する。これに代わって、もしくはこれに加えて、本方法の第4の実施形態では、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から供給する前に、液体冷却剤25を噴霧して第2のガス16に添加してもよい。
【0090】
浮遊溶解炉1および精鉱バーナの第4の実施形態では、精鉱バーナ4は液体冷却剤用供給機構23を含み、これは、液体冷却剤25を噴霧して第1のガス5に混ぜてから、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するためのものである。これに代わって、もしくはこれに加えて、浮遊溶解炉1の第4の実施形態では、精鉱バーナ4は液体冷却剤用供給機構23を含んでもよい。これは、液体冷却剤25を噴霧して第2のガス16に混ぜてから、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するためのものである。このような精鉱バーナ4を図3に示す。
【0091】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第4の実施形態では、第1のガス5に噴霧する液体冷却剤25の量によって、実際の浮遊製錬処理において、液体冷却剤25が蒸発および/または場合によっては拡散の際に吸収する熱エネルギーの量を調節することができる。
【0092】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第4の実施形態はまた、本方法および浮遊溶解炉を使用して浮遊溶解炉の反応シャフトの温度を調節することにも関する。
【0093】
本方法の使用に係る第4の実施形態では、浮遊溶解炉を使用して液体冷却剤25を第2の環状放出口から噴霧して浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する。
【0094】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの使用に係る第4の実施形態では、浮遊溶解炉を使用して液体冷却剤25を第2の環状放出口から噴霧して、浮遊溶解炉の反応シャフトに供給する。
【0095】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第4の実施形態は精鉱バーナも利用して反応シャフトを冷却するものであり、これは従来の型に対してまったく新しい発想である。言い換えると、本方法および浮遊溶解炉の第4の実施形態では、液体冷却剤25は液体状の吸熱性物質であり、精鉱バーナを介して浮遊溶解炉の反応シャフトに供給される。液体冷却剤25は、例えば、水、弱硫酸または強硫酸などの酸、および硫酸銅溶液などの種々の金属塩溶液のうちの少なくとも1つを含むものでよい。
【0096】
第5の実施形態: 残留酸素の発生防止
本方法の第5の実施形態、浮遊溶解炉の第5の実施形態および精鉱バーナの第5の実施形態は、残留酸素の発生防止に関するものである。
【0097】
ボイラの前部における余剰酸素、すなわち、いわゆる残留酸素は、特定の温度範囲においてSO2を酸化させてSO3にする。SO3は酸プラントで洗浄されて、不要な洗浄酸となる。
【0098】
本方法の第5の実施形態では、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する前に、第1のガス5を旋流させる。
【0099】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの第5の実施形態において、精鉱バーナは旋流手段19を含み、これは、第1のガス5を旋流させてから、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するためのものである。このような精鉱バーナ4を図5に示す。
【0100】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの第5の実施形態において、精鉱バーナ4は、必須ではないが好ましくはパイプ26を含み、パイプは垂直方向に調整可能であり、第1のガス5を浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する前に、第1のガス5と精鉱粒子との予混合を可能にするものである。このような精鉱バーナ4を図5に示す。
【0101】
これに代わって、またはこれに加えて、本方法の第5の実施形態において、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する前に、第2のガス16を旋流させてもよい。
【0102】
これに対応して、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第5の実施形態において、精鉱バーナは旋流手段を含んでもよく、これは、第2のガス16を旋流させてから、第2のガス16を第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するためのものである。
【0103】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナに係る第5の実施形態はまた、本方法および浮遊溶解炉を使用して、浮遊溶解炉の反応シャフト2中の残留酸素を削減することにも関する。
【0104】
本方法の使用に係る第5の実施形態において、浮遊溶解炉を使用して第1のガス5を旋流させてから、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。
【0105】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの使用に係る第5の実施形態において、浮遊溶解炉を使用して第1のガス5を旋流させてから、第1のガス5を第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14より浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。
【0106】
本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第5の実施形態は、次の事実に基づくものである。すなわち、内側放出口、すなわち精鉱バーナ4の第1のガス供給装置12の第1の環状放出口14から出る第1のガス5を旋流させることで、精鉱と酸素の混合を改善する。このようにして発生した乱流によって、精鉱粒子がシャフトに滞留する時間が増し、精鉱粒子と酸素の混合が改善する。こういった要因が相まって、粒子は、それに供給される酸素をより効果的に消費できる。
【0107】
第6の実施形態: フライアッシュ量およびバーナ副産物の削減
本方法の第6の実施形態、浮遊溶解炉の第6の実施形態および精鉱バーナの第6の実施形態は、フライアッシュの量およびバーナ副産物の削減に関する。
【0108】
本方法の第6の実施形態において、第2のガス16は、流速10〜200m/sで、第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。浮遊溶解炉の第6の実施形態では、浮遊溶解炉1の精鉱バーナ4は、第2のガス16を速度10〜200m/sで第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する手段を含んでいる。リターンフローが精鉱バーナ4付近に接近するのを防止するためには10〜50m/sの低速で行い、そうすればリターンフローによって運ばれてくるリターンフロー塵が精鉱バーナ4の周辺に付着しない。その一方で、より高速の50〜200m/sにすることで、全体的には、上述のように、浮遊懸濁物から塵が吹き払われるのを防止できる。
【0109】
また、本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第6の実施形態は、本方法および浮遊溶解炉を使用して、浮遊溶解炉の反応シャフト内のフライアッシュの量およびバーナ副産物を低減させることにも関する。
【0110】
本方法の使用に係る第6の実施形態では、第2のガス16は、流速10〜200m/sで、第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給する。
【0111】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの使用に係る第6の実施形態では、精鉱バーナ4は、第2のガス16を速度10〜200m/sで第2のガス供給装置18の第2の環状放出口17から浮遊溶解炉1の反応シャフト2に供給するよう構成されている。
【0112】
言い換えると、本方法、浮遊溶解炉および精鉱バーナの第6の実施形態において、ガスを十分に速い流速で外側放出口から流し込むことで、粒子がいわゆるフライアッシュとなって懸濁浮遊物の中央部の排ガス流に向かって吹き払われるのを防ぐ。それと同時に、吹き払われた粒子がリターンフローとなって精鉱バーナ4に逆戻りするのを防ぎ、こうして精鉱バーナ4内に、またはそのすぐ近くに副産物が生成されるのを防止する。
【0113】
第7の実施形態: 酸素と細粒固形物の混合の改善
本方法の第7の実施形態、浮遊溶解炉の第7の実施形態および精鉱バーナの第7の実施形態は、酸素と細粒固形物の混合の改善に関するものである。
【0114】
本方法の第7の実施形態では、微細固形物供給装置27の供給パイプ7内に配設された第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含む精鉱バーナ4を使用し、第2のガス16として酸素、工業用酸素または酸素富化空気を使用する。
【0115】
本方法の第7の実施形態では、微細固形物供給装置27の供給パイプ7内に配設された第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含む精鉱バーナ4を使用することが好ましく、第2の環状放出口17は散布装置9を取り囲むとともに散布装置9によって制限を受けるものであり、第2のガスとして酸素、工業用酸素または酸素富化空気を使用する。このような精鉱バーナ4を図7に示す。
【0116】
浮遊溶解炉および精鉱バーナの第7の実施形態において、精鉱バーナ4は、微細固形物供給装置27の供給パイプ7内に配設された第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を含んでいる。第7の実施形態では、第2の環状放出口17は、必須ではないが好ましくは、散布装置9を取り囲む一方で、散布装置9によって制限を受ける。
【0117】
第2の環状放出口17を通じて酸素または酸素富化空気を第2のガス16として供給して、酸素および細粒固形物6の反応シャフトへの投入前に酸素を細粒固形物6と混合させることで、燃焼が迅速に開始する。
【0118】
また、第7の実施形態ではより安定した炎を実現できるが、これは酸素と細粒固形物が十分に混ざり合った結果である。
【0119】
第7の実施形態が奏する別の効果として次のことが挙げられる。すなわち、通常、浮遊製錬処理時に反応シャフト2の中央部では酸素不足が起こるが、第7の実施形態で提案する微細固形物供給装置27の供給パイプ7内に配設された第2の環状放出口17を有する第2のガス供給装置18を設け、この第2の環状放出口17を介して酸素または酸素富化空気を供給することで、反応シャフト2中央部の酸素量を増やすことができる。
【0120】
当業者には明白なことであるが、技術の向上にともなって、本発明の基本的な発想をさまざまな態様で実現できる。したがって、本発明ならびにその実施形態は上述の例に限定されるものでなく、本願特許請求の範囲内において変更してもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
精鉱バーナ(4)を使用し、該精鉱バーナは、
細粒固形物(6)を反応シャフト(2)に供給する供給パイプ(7)を含み該供給パイプの開口部(8)が前記反応シャフト(2)内で開口している微細固形物供給装置(27)と、
前記供給パイプ(7)内に同心状に配設されて、該供給パイプの開口部(8)から前記反応シャフト(2)の内側へある長さだけ延伸している散布装置(9)とを含み、該散布装置は、該散布装置(9)を取り巻く散布ガス(11)を該散布装置(9)の周りを流動する微細固形物(6)の方へ送り込む散布ガス穴(10)を含み、
前記精鉱バーナはさらに、第1のガス(5)を前記反応シャフト(2)に供給する第1のガス供給装置(12)を含み、第1のガス供給装置(12)は、前記供給パイプ(7)を同心状に取り囲む第1の環状放出口(14)を介して前記反応シャフト(2)内で開口し、該第1の環状放出口(14)から放出される第1のガス(5)を、前記供給パイプ(7)の中央部から放出されて散布ガス(11)によって横方向へ誘導される微細固形物(6)と混合させ、さらに、
微細固形物(6)を前記精鉱バーナの供給パイプの開口部(8)から前記反応シャフト(2)に供給し、
散布ガス(11)を前記精鉱バーナの散布装置(9)の散布ガス穴(10)から前記反応シャフト(2)に投入して、散布ガス(11)を該散布装置(9)の周りを流動する微細固形物(6)の方へ誘導し、
第1のガス(5)を前記精鉱バーナの第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から前記反応シャフト(2)に投入して、第1のガス(5)を、前記供給パイプ(7)の中央部から放出されて散布ガス(11)によって横方向へ誘導される微細固形物(6)と混合させることを含む、反応シャフト(2)を備えた浮遊溶解炉(1)の使用方法において、
該方法は、第2のガス供給装置(18)を含む精鉱バーナ(4)を使用し、第2のガス供給装置は第2の環状放出口(17)を備え、第2の環状放出口は、前記精鉱バーナの第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)と同軸であって、前記浮遊溶解炉(1)の反応シャフト(2)内で開口し、
第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)を介して第2のガス(16)を前記反応シャフト(2)に供給することを特徴とする浮遊溶解炉の使用方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、第1のガス(5)として工業用酸素を使用することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、第1のガス(5)として空気を使用することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、精鉱粒子(22)を第2のガス(16)に添加することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、第1のガス(5)を第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、液体冷却剤(25)を噴霧して第1のガス(5)に添加することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、液体冷却剤(25)を噴霧して第2のガス(16)に添加することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、第1のガス(5)を第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、第1のガス(5)を旋流させることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、第2のガス(16)を旋流させることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の方法において、第2のガス(16)は、第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から10〜200m/sの速度で前記反応シャフト(2)に供給することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の方法において、第1のガス(5)および第2のガス(16)は組成が異なることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の方法において、第1のガス供給装置(12)は第1の供給源(28)から供給を受け、第2のガス供給装置(18)は第1の供給源(28)とは別の第2の供給源(29)から供給を受けることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の方法において、第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を備え、第2の環状放出口は第1の環状放出口(14)と前記供給パイプの開口部(8)との間に配設されている精鉱バーナ(4)を使用することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の方法において、第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を備え、第2の環状放出口が第1の環状放出口(14)を取り囲んでいる精鉱バーナ(4)を使用することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の方法において、第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を備え、第2の環状放出口は前記微細固形物供給装置(27)の供給パイプ(7)の内側に配設されている精鉱バーナ(4)を使用することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の方法において、前記微細固形物供給装置(27)の供給パイプ(7)の内側に配設された第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を備え、第2の環状放出口(17)は前記散布装置(9)を取り囲む一方で前記散布装置(9)によって制限を受ける精鉱バーナ(4)を使用することを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1ないし14のいずれかに記載の方法において、第2のガス(16)として酸素、工業用酸素または酸素富化空気を使用することを特徴とする方法。
【請求項17】
反応シャフト(2)、アップテーク(3)、下層炉(20)および精鉱バーナ(4)を含み、該精鉱バーナ(4)は、
細粒固形物(6)を前記反応シャフト(2)に供給する供給パイプ(7)を含み該供給パイプの開口部(8)が前記反応シャフト(2)内で開口している微細固形物供給装置(27)と、
前記供給パイプ(7)内に同心状に配設されて、該供給パイプの開口部(8)から前記反応シャフト(2)の内側へある長さだけ延伸している散布装置(9)とを含み、該散布装置は、該散布装置(9)を取り巻く散布ガス(11)を該散布装置(9)の周りを流動する微細固形物(6)の方へ送り込む散布ガス穴(10)を含み、
前記精鉱バーナはさらに、第1のガス(5)を前記反応シャフト(2)に供給する第1のガス供給装置(12)を含み、第1のガス供給装置(12)は、前記供給パイプ(7)を同心状に取り囲む第1の環状放出口(14)を介して前記反応シャフト(2)内で開口し、該第1の環状放出口(14)から放出される第1のガス(5)を、前記供給パイプ(7)の中央部から放出されて散布ガス(11)によって横方向へ誘導される微細固形物(6)と混合させる浮遊溶解炉(1)において、
前記精鉱バーナ(4)は、第2のガス(16)を前記反応シャフト(2)に供給する第2のガス供給装置(18)を含み、第2のガス供給装置(18)は第2の環状放出口(17)を備え、第2の環状放出口は、前記精鉱バーナの第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)と同軸であって、該浮遊溶解炉(1)の反応シャフト(2)内で開口し、第2のガス(16)を該反応シャフト(2)に投入することを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項18】
請求項17に記載の浮遊溶解炉において、第1のガス供給装置(12)は、第1のガス(5)として工業用酸素を第1の環状放出口(15)から供給するよう構成されていることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項19】
請求項17または18に記載の浮遊溶解炉において、第1のガス供給装置(12)は、第1のガス(5)として空気を第1の環状放出口(14)から供給するよう構成されていることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項20】
請求項17ないし19のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は精鉱粒子用の供給手段(24)を含み、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、精鉱粒子を第2のガス(16)と混合させることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項21】
請求項17ないし20のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は液体冷却剤用の供給機構(23)を含み、第1のガス(5)を第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、液体冷却剤(25)を噴霧して第1のガス(5)と混合させることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項22】
請求項17ないし21のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は液体冷却剤用の供給機構(23)を含み、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、液体冷却剤(25)を噴霧して第2のガス(16)と混合させることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項23】
請求項17ないし22のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は、第1のガス(5)を第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、第1のガス(5)を旋流させる旋流手段(19)を含むことを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項24】
請求項17ないし23のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給する前に、第2のガス(16)を旋流させる旋流手段(19)を含むことを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項25】
請求項17ないし24のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から10〜200m/sの速度で前記反応シャフト(2)に供給する手段を含むことを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項26】
請求項17ないし25のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、該溶解炉は、
第1のガス供給装置(12)に供給を行う第1の供給源(28)と、
第2のガス供給装置(18)に供給を行う第2の供給源(29)とを含み、第2の供給源(29)は第1の供給源(28)とは別であることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項27】
請求項17ないし26のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、前記精鉱バーナ(4)は、第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を含み、第2の環状放出口は第1の環状放出口(14)と前記供給パイプの開口部(8)との間に配設されていることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項28】
請求項17ないし27のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、前記精鉱バーナ(4)は、第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を含み、第2の環状放出口は第1の環状放出口(14)を取り囲んでいることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項29】
請求項17ないし28のいずれかに記載の浮遊溶解炉において、前記精鉱バーナ(4)は、第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を含み、第2の環状放出口は前記微細固形物供給装置(27)の供給パイプ(7)の内側に配設されていることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項30】
請求項29に記載の浮遊溶解炉において、第2の環状放出口(17)は前記散布装置(9)を取り囲み、その一方で該散布装置(9)によって制限を受けることを特徴とする浮遊溶解炉。
【請求項31】
細粒固形物(6)を反応シャフト(2)に供給する供給パイプ(7)を備えた微細固形物供給装置(27)と、
前記供給パイプ(7)の内側に同心状に配設されて、該供給パイプの開口部(8)からある長さだけ延伸している散布装置(9)とを含み、該散布装置は、該散布装置(9)を取り巻く散布ガス(11)を該散布装置(9)の周りで流動する微細固形物(6)の方へ送る散布ガス穴(10)を備え、さらに、
第1のガス(5)を前記反応シャフト(2)に供給する第1のガス供給装置(12)を含み、第1のガス供給装置(12)は、前記供給パイプ(7)を同心状に取り囲む第1の環状放出口(14)を介して開口し、該第1の環状放出口(14)から放出される第1のガス(5)を、前記供給パイプ(7)の中央部から放出されて散布ガス(11)によって横方向に誘導される微細固形物(6)と混合させる、細粒固形物(6)およびガスを浮遊溶解炉(1)の反応シャフト(2)に供給する精鉱バーナ(4)において、
該精鉱バーナ(4)は、第2のガス(16)を前記反応シャフト(2)に供給する第2のガス供給装置(18)を含み、第2のガス供給装置(18)は前記精鉱バーナの第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)と同軸である第2の環状放出口(17)を備え、第2のガス(16)を前記反応シャフト(2)に供給することを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項32】
請求項31に記載の精鉱バーナにおいて、第1のガス供給装置(12)は、工業用酸素を第1のガス(5)として第1の環状放出口(15)から供給するよう構成されていることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項33】
請求項31または32に記載の精鉱バーナにおいて、第1のガス供給装置(12)は、空気を第1のガス(5)として第1の環状放出口(14)から供給するよう構成されていることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項34】
請求項31ないし33のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは精鉱粒子用の供給手段(24)を含み、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から供給する前に、精鉱粒子を第2のガス(16)と混合させることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項35】
請求項31ないし34のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは液体冷却剤用の供給機構(23)を含み、第1のガス(5)を第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から供給する前に、液体冷却剤(25)を噴霧して第1のガス(5)と混合させることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項36】
請求項31ないし35のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは液体冷却剤用の供給機構(23)を含み、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から供給する前に、液体冷却剤(25)を噴霧して第2のガス(16)と混合させることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項37】
請求項31ないし36のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは旋流手段(19)を含み、第1のガス(5)を第1のガス供給装置(12)の第1の環状放出口(14)から供給する前に、第1のガス(5)を旋流させることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項38】
請求項31ないし37のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは旋流手段(19)を含み、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から供給する前に、第2のガス(16)を旋流させることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項39】
請求項31ないし38のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは、第2のガス(16)を第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から10〜200m/sの速度で供給する手段を含むことを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項40】
請求項31ないし39のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナは、
第1の供給源(28)を第1のガス供給装置(12)に接続する第1の接続手段(30)と、
第2の供給源(29)を第2のガス供給装置(18)に接続する第2の接続手段(31)とを含み、第2の供給源(29)は第1の供給源(28)とは別であることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項41】
請求項31ないし40のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナ(4)は第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を含み、第2の環状放出口は第1の環状放出口(14)と前記供給パイプの開口部(8)との間に配設されていることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項42】
請求項31ないし40のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナ(4)は第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を含み、第2の環状放出口は第1の環状放出口(14)を取り囲んでいることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項43】
請求項31ないし42のいずれかに記載の精鉱バーナにおいて、該精鉱バーナ(4)は第2の環状放出口(17)を有する第2のガス供給装置(18)を含み、第2の環状放出口は前記微細固形物供給装置(27)の供給パイプ(7)の内側に配設されていることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項44】
請求項43に記載の精鉱バーナにおいて、第2の環状放出口(17)は前記散布装置(9)を取り囲み、その一方で該散布装置(9)によって制限を受けることを特徴とする精鉱バーナ。
【請求項45】
窒素酸化物の発生を減らす、請求項2もしくは3に記載の方法、または請求項18もしくは19に記載の浮遊溶解炉、または請求項32もしくは33に記載の精鉱バーナの使用。
【請求項46】
反応シャフト(2)における精鉱の発火を向上させる、請求項2に記載の方法、または請求項18に記載の浮遊溶解炉、または請求項32に記載の精鉱バーナの使用。
【請求項47】
第1の精鉱粒子群および第2の精鉱粒子群を浮遊溶解炉(1)の反応シャフト(2)に供給し、第1の精鉱粒子群の精鉱粒子が第2の精鉱粒子群の精鉱粒子より小さい、請求項4に記載の方法、または請求項29に記載の浮遊溶解炉、または請求項34に記載の精鉱バーナの使用において、
第1の精鉱粒子群は第2のガス(16)と混合させて、第2のガス供給装置(18)の第2の環状放出口(17)から前記反応シャフト(2)に供給し、
第2の精鉱粒子群は、前記供給パイプ(7)の開口部(8)から前記反応シャフト(2)に供給することを特徴とする使用。
【請求項48】
浮遊溶解炉の反応シャフトの温度を調節する、請求項5または6に記載の方法、または請求項21もしくは22に記載の浮遊溶解炉、または請求項35もしくは36に記載の精鉱バーナの使用。
【請求項49】
浮遊溶解炉の反応シャフト(2)内の残留酸素を削減する、請求項7もしくは8に記載の方法、または請求項23もしくは24に記載の浮遊溶解炉、または請求項37もしくは38に記載の精鉱バーナの使用。
【請求項50】
浮遊溶解炉の反応シャフト内のフライアッシュの量およびバーナ副産物を削減する、請求項9に記載の方法、または請求項25に記載の浮遊溶解炉、または請求項39に記載の精鉱バーナの使用。
【請求項51】
酸素と細粒固形物(6)の混合を向上させる、請求項16に記載の方法、または請求項39もしくは30に記載の浮遊溶解炉、または請求項43もしくは44に記載の精鉱バーナの使用において、第2のガス(16)として酸素または酸素富化空気を使用することを特徴とする使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−508548(P2013−508548A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534732(P2012−534732)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/FI2010/050811
【国際公開番号】WO2011/048264
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(507221324)オウトテック オサケイティオ ユルキネン (33)
【氏名又は名称原語表記】OUTOTEC OYJ
【Fターム(参考)】