説明

浴室設備

【課題】入浴者の身体の向きを正しく把握でき、ひいては入浴者の健康管理を適正に行うことができる浴室設備を提供すること。
【解決手段】浴室11には浴槽41が設けられており、その浴槽41は、平面視において長方形をなす形状に形成されており、その長手方向が、入浴者が身体を伸ばす方向となっている。浴槽41は、入浴者の生体情報を検出する浴槽用センサ47を有しており、その浴槽用センサ47は、浴槽41の側部44において、対向する短辺側の側面のそれぞれに第1浴槽用センサ47a及び第2浴槽用センサ47bとして配置されている。各浴槽用センサ47a,47bには浴室サーバ21が電気的に接続されており、浴室サーバ21は、各浴槽用センサ47a,47bの検出結果に基づいてそれぞれに対応した心電図波形を取得し、各心電図波形の振幅の大きさを比較することで入浴者の体位を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人が入浴者として浴槽内の湯水に浸かっている場合、身体が環境の温度変化を受けることで体調に異変が生じることがあると考えられる。これに対して、特許文献1には、入浴者の心電図波形及び心拍数を測定するための電極が、浴槽における内側面のうち3つの面にそれぞれ設けられている構成が記載されている。この構成によれば、入浴中に入浴者の心電図波形又は心拍数に異常が発生した場合、すなわち入浴者の体調に異変が生じた場合に、その体調異変を検出することができる。また、心電図波形又は心拍数が異常になった場合に湯水の温度を自動的に低下させるようになっているため、仮に心電図波形又は心拍数が異常になってもその異常の回復を促すことができる。
【特許文献1】特開平10−174678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている構成の場合、浴槽内において入浴者の心電図波形及び心拍数を正確に測定するには、各電極のそれぞれに手足のいずれかが接触している状態でなければならない。この場合、入浴者の身体の向きがあらかじめ想定した正規の向き出なければ、入浴者の心電図波形及び心拍数を正しく計測できない。つまり、入浴者の体調に異変が生じていても、その体調異変を正しく検出することができない。この結果、入浴中の健康管理を行う構成に関して改善の余地がある。
【0004】
そこで、本発明は、入浴者の身体の向きを正しく把握でき、ひいては入浴者の健康管理を適正に行うことができる浴室設備を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0006】
第1の発明は、浴槽と、前記浴槽内に入っている入浴者の身体の少なくとも一部が浴槽内側面と接触することで生体情報を検出する生体情報検出部と、前記生体情報検出部により検出された生体情報に基づいて、前記入浴者の健康状態に関しての健康状態判定を行う健康状態判定手段とを備える浴室設備において、前記生体情報検出部は、前記入浴者の身体の特定部位を検出対象として前記生体情報を検出し、前記生体情報検出部により検出された前記特定部位の生体情報に基づいて、前記浴槽内に入っている入浴者の体位を判定する体位判定手段を有することを特徴とする浴室設備である。
【0007】
第1の発明によれば、入浴者が浴槽内で湯水に浸かっている場合に、すなわち入浴者が入浴している場合に、生体情報が検出され、その生体情報に基づいて健康状態判定が行われる。このため、仮に入浴中に入浴者の体調に異変が生じてもその体調異変を検出することができる。また、入浴者の身体の特定部位を検出対象とした生体情報に基づいて入浴者の体位が判定されるため、入浴者の身体の向きを取得することができる。したがって、入浴者の身体の向きに合わせて、身体の各部位から健康状態判定に必要な生体情報を検出することが可能となる。以上の結果、入浴者の身体の向きを正しく把握でき、ひいては入浴者の健康管理を適正に行うことができる。
【0008】
第2の発明では、前記生体情報検出部は、前記生体情報を検出する検出位置を複数有し、前記体位判定手段は、前記生体情報検出部により検出された複数の前記検出位置での前記生体情報に基づいて前記入浴者の体位を判定する。
【0009】
第2の発明によれば、生体情報検出部は、複数の検出位置での生体情報に基づいて入浴者の体位判定が行われる。この場合、入浴者の身体における複数の部位から検出された各生体情報は、それぞれ異なる特徴を有しているため、生体情報検出部の検出位置により入浴者の特定部位の位置を取得することができる。この結果、入浴者の身体の向きを取得することができる。
【0010】
第3の発明では、前記浴槽は、平面視において長方形又は略長方形をなし、長手方向を入浴の向きとするものであり、前記生体情報検出部は、前記浴槽の長手方向で対向する内側面にそれぞれ配置されており、入浴状態で前記入浴者の背中及び足を特定部位として前記生体情報を検出し、前記体位判定手段は、前記生体情報検出部により検出された前記背中側の生体情報及び前記足側の生体情報に基づいて前記入浴者の体位を判定する。
【0011】
第3の発明によれば、浴槽において長手方向が入浴の向きとなるため、入浴者は、長手方向で対向する内側面(換言すれは短辺側の各内側面)のうち一方にもたれつつ他方側に足を伸ばした状態で入浴することになる。ここで、長手方向で対向する内側面には生体情報検出部がそれぞれ配置されているため、それら生体情報検出部のうち背中側に位置する検出部により背中側の生体情報が検出され、足側に位置する検出部により足側の生体情報が検出される。この場合、背中側の生体情報と足側の生体情報とが有する特徴はそれぞれ異なるため、それら情報を判別することができる。したがって、背中側の生体情報と足側の生体情報に基づいて体位判定が行われることで、入浴者の背中及び足の位置、すなわち入浴者の身体の向きを取得することができる。
【0012】
第4の発明では、前記背中側の生体情報及び前記足側の生体情報から心拍に関する心拍情報をそれぞれ取得する心拍情報取得手段を備え、前記体位判定手段は、前記心拍情報取得手段により取得された背中側の心拍情報と足側の心拍情報とに基づいて前記入浴者の体位を判定する。
【0013】
第4の発明によれば、背中側の心拍情報と足側の心拍情報とがそれぞれ取得され、それら心拍情報に基づいて体位判定が行われる。ここで、背中側の心拍情報と足側の心拍情報とを比べると、それら心拍情報が有する特徴はそれぞれ異なる。したがって、心拍情報に基づいて体位判定が行われることで、入浴者の身体の向きを取得することができる。
【0014】
第5の発明では、前記心拍情報取得手段は、前記背中側の生体情報及び前記足側の生体情報から前記心拍情報として心電図波形をそれぞれ取得し、前記体位判定手段は、前記心拍情報取得手段により取得された背中側の心電図波形及び足側の心電図波形のそれぞれの振幅の大きさに基づいて前記入浴者の体位を判定する。
【0015】
第5の発明によれば、心拍情報として、背中側の心電図波形と足側の心電図波形とがそれぞれ取得され、それら心電図波形に基づいて体位判定が行われる。ここで、背中の方が心臓に近いことなどに起因して、背中側の心電図波形の振幅は足側の心電図波形の振幅より大きくなっている。したがって、心電図波形の振幅の大きさに基づいて体位判定が行われることで、入浴者の身体の向きを取得することができる。
【0016】
第6の発明では、前記健康状態判定手段は、前記背中側の心拍情報及び前記足側の心拍情報の少なくとも一方に基づいて前記健康状態判定を行う。
【0017】
第6の発明によれば、背中側の心拍情報や足側の心拍情報が、体位判定だけでなく健康状態判定にも用いられている。この場合、それら心拍情報を有効に活用していることになる。また、入浴時には、衣服を脱いだり湯水に浸かったりすることで身体が環境の温度変化を受け、普段よりも心臓疾患が発生する可能性が高くなると考えられる。心臓疾患が発生した場合は心拍情報に異常が含まれるため、入浴中に心拍情報を取得し、それら心拍情報に基づいて健康状態判定を行うことが効果的である。
【0018】
第7の発明では、前記背中側の生体情報に基づいて身体における背中側の体表面温度を取得する体表面温度取得手段を備え、前記健康状態判定手段は、前記体表面温度取得手段により取得された背中側の体表面温度に基づいて前記健康状態判定を行う。
【0019】
第7の発明によれば、背中側の生体情報が、体位判定だけでなく健康状態判定にも用いられている。この場合、その背中側の生体情報を有効に活用していることになる。また、入浴者は入浴中に「のぼせ」状態になることがある。すなわちのぼせることがある。入浴者がのぼせた場合、背中側の体表面温度が正常値よりも著しく高くなっているため、入浴中に背中側の体表面温度を取得し、その背中側の体表面温度に基づいて健康状態判定を行うことが効果的である。
【0020】
第8の発明では、前記体表面温度取得手段は、前記足側の生体情報に基づいて身体における足側の体表面温度を取得し、前記健康状態判定手段は、前記体温情報取得手段により取得された足側の体表面温度と前記背中側の体表面温度との差異に基づいて前記健康状態判定を行う。
【0021】
第8の発明によれば、足側の生体情報が、体位判定だけでなく健康状態判定にも用いられている。この場合、その足側の生体情報を有効に活用していることになる。また、背中側の体表面温度と足側の体表面温度との差異に基づいて健康状態判定が行われる。入浴者がのぼせた場合、背中側の体表面温度と足側の体表面温度と温度差は、入浴者がのぼせていない場合に比べて小さくなる。したがって、入浴者がのぼせたことを検出するには、入浴中に前記温度差に基づいて健康状態判定を行うことが効果的である。
【0022】
第9の発明では、前記浴槽の長手方向で対向する内側面にそれぞれ配置され、反対側の内側面に向かって湯水を放出する放水装置と、前記体位判定手段の判定結果に基づいて、各放水装置のうち前記入浴者の足側にある方の放水装置を制御対象とし、その制御対象とした放水装置の動作制御を行う放水制御手段とを備える。
【0023】
第9の発明によれば、入浴者が、長手方向で対向する内側面のうち一方にもたれている場合に、入浴者の足側にある方の放水装置から湯水が放出される。ここで、放水装置からは、反対側の内側面に向かって湯水が放出される。このため、入浴者の背中側に位置する放水装置から湯水が放出されると、その湯水が背中等で遮られて全身にかからないおそれがあるが、足側に位置する放水装置から湯水が放出されると、その湯水が背中等の部位により遮られずに入浴者の全身に湯水を浴びせることができる。
【0024】
第10の発明では、前記浴室内の環境を調整するべく動作する浴室機器と、前記浴室機器の動作制御を行う浴室制御手段と、を備え、前記健康状態判定手段は、前記入浴者の健康状態が複数段階のいずれかに相当すると判定し、前記浴室制御手段は、前記浴室機器を制御対象として、前記入浴者の健康状態が相当する段階に応じて所定の規定処理を段階的に実行する。
【0025】
第10の発明によれば、入浴者の健康状態に応じて浴室機器の動作制御が段階的に行われる。このため、入浴者の都度の健康状態に合わせて浴室内の環境を段階的に調整することができる。例えば、入浴者の体調に異変が生じた場合、その異変の内容や程度に合わせて浴室内の環境を段階的に変化させ、体調の回復を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、住宅等の建物に設けられている浴室について具体化しており、建物には浴室用の浴室設備が設けられている。図1は、浴室11の構成を説明するための概略図である。図1では、浴室11内の浴槽41に人が入っている状態を示しており、(a)は平面図であり、(b)は電気的構成を含んだ正面透視図である。
【0027】
図1に示す浴室11において、浴槽41には、水道蛇口等の給水部(図示略)により給水が行われることで湯水が貯められる。浴槽41は、平面視において長方形をなす形状に形成されており、その長手方向が、入浴者が身体を伸ばす方向となっている。また、入浴者が長手方向に身体を伸ばすことで浴槽41の短辺側を向いて足を伸ばして座ることができる大きさ及び深さとなっている。
【0028】
浴槽41の側部44には、その短辺側の側面のそれぞれに放水部43が設けられている。放水部43は、前記側面の上部に配置されており、対向する短辺側の側面に向かって水平方向にそれぞれ湯水を放出する。放水部43は、浴槽41内で入浴者が座っている場合にその入浴者にとっての正面側から放水するようになっており、この場合は入浴者の全身(又は頭部を除く部位)を放水対象として湯水を放出する。したがって、浴槽41内に湯水が貯められていない状態であれば(又は浴槽41内の水位が低ければ)、入浴者は、浴槽41内においていずれの短辺側を向いていても、全身に湯水を浴びることが可能となっている。なお、放水部43は、湯水をシャワー状に噴射する構成であってもよく、湯水をミスト状に噴霧する構成であってもよい。
【0029】
浴槽41は、入浴者の生体情報を検出する生体情報検出部として浴槽用センサ47を有している。浴槽用センサ47は、入浴者の身体の一部が浴槽41の側部44と接触することでその入浴者の生体情報を検出するように、浴槽41の側部44に設けられており、例えば、電極を含んで構成されている生体インピーダンス検出部と、生体電位を検出する生体電位検出部と、圧電素子を含んで構成されている圧電センサ部と、身体の表面温度を体表面温度として検出する表面温度検出部とを有している。
【0030】
浴槽用センサ47は、シート状に形成されており、浴槽41の側部44において、長手方向で対向する内側面のそれぞれに第1浴槽用センサ47a及び第2浴槽用センサ47bとして配置されている。換言すれば、それら浴槽用センサ47a,47bは、浴槽41の対向する短辺側の各側面にそれぞれ配置されている。そして、それぞれが異なる検出位置となっている。また、各浴槽用センサ47a,47bは、浴槽41の内側における放水部43の下方に位置しており、入浴者が浴槽41内においていずれの短辺側の側面にもたれても、その入浴者の背中や腕の付け根(例えば上腕部の裏側)が各浴槽用センサ47a,47bのうち一方に接触するとともに、入浴者の足先(例えば足の裏)が各浴槽用センサ47a,47bのうち他方に接触するようになっている。したがって、入浴者が浴槽41内においていずれの短辺側を向いていても、その背中や足先から生体情報として生体インピーダンスや生体電位、呼吸数、体表面温度等が検出される。なお、各浴槽用センサ47a,47bは、浴槽41において側部44から底部48に跨るように配置されており、入浴者の背中や足先に加えて尻部から生体情報を検出するようになっている。
【0031】
また、浴槽41の底部48には、浴槽41内の湯水を排出する排水装置49が設けられている。排水装置49は、排水口と、その排水口を開閉する排水弁とを有しており、排水弁により排水口を閉鎖することで浴槽41での貯水を可能とし、排水弁により排水口を開放することで浴槽41からの湯水の排出を可能とする。
【0032】
次に、浴室11における電気的な構成について説明する。
【0033】
図1(b)において、浴室サーバ21は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを有しており、浴室機器の動作制御を行う。また、浴室サーバ21は、ユーザにより入浴操作が行われるサーバ操作部21aを有しており、ユーザは、サーバ操作部21aに対して入力操作を行うことで浴室機器の制御内容等を設定できるようになっている。浴室サーバ21は、通信機能を有しており、医療機関等の外部施設との間で通信可能となっている。
【0034】
浴室サーバ21には、上記の放水部43や排水装置49が浴室機器として接続されている。また、その他の浴室機器として、浴室11内の空間温度を調整する浴室用エアコン51と、入浴者の健康状態について表示する浴室用表示モニタ52と、入浴者の健康状態に異常があることを報知する表示ランプ53と、浴室11内の酸素濃度を調整する酸素供給装置54と、浴槽41に貯められている湯水の温度を調整する湯温調整装置55とが接続されている。
【0035】
浴室サーバ21、浴室用表示モニタ52及び表示ランプ53は、1つのケースに一体的に収容された状態で例えば浴室11の壁に設置されている。浴室サーバ21は、入浴時に入浴者によりサーバ操作部21aに対して入力操作が行われることで入浴者を特定するようになっている。また、浴室用表示モニタ52は、入浴者が浴槽41内で湯水に浸かった状態で表示画面を視認することができるようになっており、表示ランプ53は、その点灯や点滅を入浴者が視認できるようになっている。なお、浴室サーバ21、浴室用表示モニタ52及び表示ランプ53は個別に設置されていてもよく、設置場所は浴室11に隣接した脱衣室等であってもよい。また、浴室サーバ21には、報知手段として、浴室用表示モニタ52や表示ランプ53に加えてスピーカなどが接続されていてもよい。
【0036】
浴室サーバ21は、指令信号を出力することで浴室機器の動作制御を実行する。例えば、放水部43に対して指令信号を出力することで、複数の放水部43のうち湯水を放出させる放水部43を選択したり放水量を調整したりし、排水装置49に対して指令信号を出力することで、排水装置49から湯水を排出させて浴槽41の水位(水量)を低くする。また、浴室用エアコン51に対して指令信号を出力することで、浴室11の空間温度を調整し、酸素供給装置54に対して指令信号を出力することで、浴室11内に酸素を供給させる。さらに、浴室用表示モニタ52に対して指令信号を出力することで、浴室用表示モニタ52における表示内容を設定し、表示ランプ53に対して指令信号を出力することで、表示ランプ53を点灯又は点滅させる。
【0037】
浴室サーバ21には、第1浴槽用センサ47a及び第2浴槽用センサ47bが接続されており、各浴槽用センサ47a,47bから検出信号がそれぞれ入力される。浴室サーバ21は、それら浴槽用センサ47a,47bの検出信号に基づいて入浴者の生理データや行動データを取得し、それらデータを記憶する。
【0038】
生理データの取得について説明すると、浴室サーバ21は、浴槽用センサ47a,47bの検出信号に含まれている生体インピーダンス検出部の検出結果から生体インピーダンスを取得し、その生体インピーダンスと、身長や体重等といった個人情報とに基づいて、体脂肪率や筋肉量、推定骨量、内臓脂肪量、基礎代謝量といった体組成に関する生理データを算出する。なお、内臓脂肪については、内臓脂肪量ではなく、内臓脂肪量を複数段階で評価した内臓脂肪レベルを算出してもよい。また、浴室サーバ21は、生体電気検出部の検出結果から生体電位を取得し、その生体電位に基づいて、心拍数などの情報が含まれている心電図波形を生理データとして算出する。さらに、圧電センサ部の検出結果から、所定時間当たりの脈拍数や呼吸数、体動を生理データとして算出し、表面温度検出部の検出結果から体表面温度を生理データとして算出する。
【0039】
行動データの取得について説明すると、浴室サーバ21は、浴槽用センサ47a,47bの検出信号に基づいて、入浴者が浴槽41内で継続して湯水に浸かっていた経過時間を入浴時間として算出し、その入浴時間を行動データとして取得する。なお、入浴者が浴室11に滞在していた浴室滞在時間を行動データとして取得してもよい。
【0040】
さらに、浴室サーバ21は、生理データや行動データに基づいて、入浴者の体調に異変が発生したか否かを判定する。例えば、生理データについて、心拍数や脈拍数、体表面温度など数値で表される項目については、各種メモリに記憶している過去の数値と比較し、現在の数値が正常値の範囲より大きい又は小さい場合に異常であると判定する。同様に、行動データにおける入浴時間については、現在の入浴時間が正常時間の範囲より著しく長い場合に異常であると判定する。
【0041】
また、生理データにおいて、図2に示すような心電図波形については、その波形の形状や振幅の大きさに基づいて現在の状態を判定する。心臓疾患が発生していると、心電図波形に異常が発生する。例えば、心臓疾患が不整脈である場合、R波と次のR波との間の間隔が一定の間隔にならない。すなわち、間隔RR1と間隔RR2と間隔RR3とが一定の大きさにならない。また、心臓疾患が心筋梗塞である場合、心電図波形のうちT波を含んだ部分が上昇する。すなわち、周波数解析が行われるとその周波数分布に異常が生じる。これらの場合は、心電図波形の項目に異常があると判定する。さらに、人の背中側から取得された心電図波形の振幅Hは、心臓までの距離等に起因して、手足側から取得された心電図波形の振幅Hより大きくなっている。
【0042】
次いで、浴室サーバ21により実行される浴室機器を制御対象とした浴室機器制御処理について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0043】
図3において、ステップS101では、入浴者を特定する個人認証処理を行う。例えば、入浴者が浴室サーバ21の操作部から入力した情報に基づいてその入浴者を特定する。また、浴室11の出入口周辺や脱衣室に入浴者の身体的特徴を検出する身体感知センサが設けられている構成であれば、その身体感知センサから入力される検出信号に基づいて入浴者を特定してもよい。
【0044】
ステップS102では、浴槽用センサ47a,47bから検出信号を受信したか否かを判定する。検出信号を受信していない場合は、そのまま本処理を終了し、検出信号を受信した場合は、ステップS103にて、その検出信号に基づいて生理データ及び行動データを取得する。例えば、入浴者の背中側及び足側の体表面温度や心拍数等を生理データとして取得したり、湯水に浸かっている時間、すなわち入浴時間等を行動データとして取得したりする。ステップS104では、浴室用表示モニタ52に対して指令信号を出力し、浴室用表示モニタ52に生理データを入浴者の健康状態として表示させたり、行動データを入浴状況として表示させたりする。
【0045】
ステップS105では、生理データに基づいて浴槽41内における入浴者の体位を判定する。より詳しくは、各浴槽用センサ47a,47bのそれぞれから検出された各検出信号に基づいて、第1浴槽用センサ47a側の心電図波形と第2浴槽用センサ47b側の心電図波形とを取得する。そして、これら心電図波形を比較し、振幅が大きい方の心電図波形を背中側の心電図波形として判定する。すなわち、各浴槽用センサ47a,47bのうちいずれに入浴者の背中が接触しているのかを判定し、入浴者の体位を判定する。本実施形態では、生理データとして、背中側の心電図波形を採用するが、足側の心電図波形を採用してもよい。なお、入浴中には、入浴者が浴槽41における短辺側の側面にもたれていると考えられるため、各浴槽用センサ47a,47bのうち一方の側だけしか心電図波形を取得することができなくても、その心電図波形を背中側の心電図波形として特定することができる。
【0046】
ステップS106では、入浴時間が正常であるか否かを判定する。なお、浴室滞在時間を取得した場合は、浴室滞在時間が正常であるか否かを判定してもよい。要は、入浴時における行動データが正常であるか否かを判定すればよい。入浴時間が正常でない場合、ステップS107に進み、入浴時間異常報知処理を行う。例えば、現在の入浴時間長さが通常の入浴時間長さより長くなった場合、浴室用表示モニタ52に対して指令信号を出力し、浴室用表示モニタ52に入浴時間が十分に確保されたことを表示させたり、表示ランプ53に対して指令信号を出力し、表示ランプ53を点灯又は点滅させたりする。一方、入浴時間が正常である場合、例えば、現在の入浴時間長さが通常の入浴時間長さより短い場合は、そのままステップS108に進む。
【0047】
ステップS108では、生理データに異常項目があるか否かを判定する。すなわち入浴者の体調に異変が発生しているか否かを判定する。例えば、心拍数や脈拍数、体表面温度、心電図波形について異常があるか否かを判定する。入浴時間が正常であって生理データに異常項目がない場合、そのまま本処理を終了し、生理データに異常項目がある場合、ステップS109にて、生理データにおける心電図波形及び心拍数が正常であるか否かを判定する。心電図波形及び心拍数が正常でない場合、ステップS110に進み、心拍異常報知処理を行う。例えば、浴室用表示モニタ52に心電図波形又は心拍数が正常でないことを表示させたり、表示ランプ53を点灯又は点滅させたりする。なお、心電図波形に異常がある場合、心臓疾患が発生したとして緊急通報を行ってもよい。例えば、通信機能を用いて病院等の医療機関に対して異常発生を報知する。
【0048】
心電図波形及び心拍数が正常である場合、ステップS111に進み、体表面温度が正常であるか否かを判定する。すなわち、入浴者が「のぼせ」状態にあるか否かを判定する。より詳しくは、各浴槽用センサ47a,47bの検出結果に基づいて、第1浴槽用センサ47a側の体表面温度と、第2浴槽用センサ47b側の体表面温度とを算出する。そして、体位判定の判定結果に基づいて、それら体表面温度の一方を背中側の体表面温度として取得し、他方を足側の体表面温度として取得する。なお、ステップS105の体位判定処理に基づいて、各浴槽用センサ47a,47bのうち背中側となる方と足側となる方とをそれぞれ特定するとよい。
【0049】
入浴者が浴槽41内で湯水に浸かっている場合、のぼせていなくても体表面温度は高くなっているが、のぼせている時は体表面温度が著しく高くなっている。したがって、背中側及び足側の各体表面温度をそれぞれ正常値と比較することでのぼせ状態にあるか否かの判定を行うことができる。また、通常、人の背中側の体表面温度は足先側の体表面温度より高くなっているが、のぼせている時の温度差はのぼせていない時の温度差に比べて小さくなっている。したがって、背中側の体表面温度と足側の体表面温度とを比較することでのぼせ状態にあるか否かの判定を行うことができる。ちなみに、背中側の体表面温度と足側の体表面温度との温度差は、のぼせている時で0〜2℃程度であり、のぼせていない時で5℃程度である。
【0050】
体表面温度が正常でない場合、ステップS112に進み、のぼせ報知処理を行う。例えば、浴室用表示モニタ52にのぼせていることを表示して浴槽41から出るように促したり、表示ランプ53を点灯又は点滅させたりする。ステップS113では、のぼせ報知処理を行ったにもかかわらず入浴者が浴槽41から出ない場合に、のぼせ回復処理を行う。のぼせ回復処理は、入浴者がのぼせた場合に浴槽装置の動作制御を段階的に実行する処理であり、その詳細については後述する。
【0051】
一方、体表面温度が正常である場合(ステップS111がYES判定の場合)には、生理データにおいて、心電図波形、心拍数及び体表面温度以外の項目に異常があると考えられる。この場合、ステップS114に進み、異常報知処理を行う。例えば、浴室用表示モニタ52や表示ランプ53に対して指令信号を出力し、健康状態に異常があることを報知させる。
【0052】
ステップS113にて実行するのぼせ回復処理について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。図4では、のぼせ回復処理として、それぞれ処理内容が異なる多段階処理(本実施形態では、第1段階処理〜第4段階処理の4段階処理)を実行することとしている。
【0053】
図4において、ステップS201では、浴槽装置を制御対象とした段階的な処理のうち、第1段階処理が実行済みであるか否かを判定する。第1段階処理が実行済みでない場合、ステップS202に進み、第1段階処理を実行する。第1段階処理では、湯温調整装置55に対して指令信号を出力し、浴槽41に貯められている湯水の温度を低下させる。例えば、浴槽41内に冷水を供給する。これにより、体表面温度を低下させ、のぼせ状態の回復を図る。ステップS203では、第1段階処理を終了する。例えば、第1段階処理を開始してから所定時間が経過した場合に、湯温調整装置55に対して指令信号を出力し、浴槽41に貯められている湯水の温度を第1段階処理の実行前の温度に戻す。例えば、浴槽41内に高温の湯を供給する。
【0054】
第1段階処理が実行済みである場合、すなわち第1段階処理が実行されても入浴者がのぼせ状態から回復しない場合、ステップS204に進み、第2段階処理が実行済みであるか否かを判定する。第2段階処理が実行済みでない場合、ステップS205に進み、第2段階処理を実行する。第2段階処理では、排水装置49に対して指令信号を出力し、排水装置49から湯水を排出させて浴槽41内の水位を低くする。これにより、例えば入浴者の上半身等を湯面上に露出させ、体表面温度を低下させることでのぼせ状態の回復を図りつつ、入浴者の頭部が湯水に浸かってしまうことを回避する。
【0055】
ステップS206では、第2段階処理の実行に伴って、放水部43に対して指令信号を出力し、放水部43から湯水を放出させて入浴者の全身にシャワーを浴びせる。この場合、体位判定の判定結果に基づいて、入浴者の足側に位置する方の放水部43に放水を行わせる。これにより、入浴者の全身にシャワーを浴びせることができ、入浴者の身体が冷えることを回避できる。この結果、のぼせ状態の回復を図りつつ湯冷めを防止することができる。ちなみに、入浴者の背中側に位置する方の放水部43に放水を行わせると、背中に遮られて入浴者の全身にシャワーを浴びせることができず、入浴者に湯冷めが生じるおそれがある。
【0056】
ステップS207では、第2段階処理を終了する。第1段階処理と同様に、例えば第2段階処理を開始してから所定時間が経過した場合に、排水装置49に対して指令信号を出力して排水装置49からの排水を停止させるとともに、放水部43からの放水を継続させ、浴槽41内の水位を上昇させる。そして、浴槽41内の水位が第2段階処理の実行前の水位に戻ったら、放水部43に対して指令信号を出力し、浴槽41内への湯水の供給を停止させる。
【0057】
第2段階処理が実行済みである場合、すなわち第1段階処理及び第2段階処理が実行されても入浴者がのぼせ状態から回復しない場合、ステップS208に進み、第3段階処理が実行済みであるか否かを判定する。第3段階処理が実行済みでない場合、ステップS209に進み、第3段階処理を実行する。第3段階処理では、浴室用エアコン51及び酸素供給装置54に対して指令信号を出力し、空調制御を行う。例えば、浴室11内の空間温度を低くしたり浴室11内の酸素濃度を高くしたりする。これにより、のぼせ状態の回復をより一層促す。なお、入浴者に酸素を吹きつけてもよい。ステップS210では、第3段階処理を終了する。例えば、第3段階処理を開始してから所定時間が経過した場合に、浴室用エアコン51及び酸素供給装置54に対して指令信号を出力し、浴室11内の空間温度を第3段階処理の実行前の温度に戻すとともに、浴室11内への酸素供給を停止させる。
【0058】
第3段階処理が実行済みである場合、すなわち第1段階処理〜第3段階処理が実行されても入浴者がのぼせ状態から回復しない場合、ステップS211に進み、第4段階処理を実行する。第4段階処理では、緊急通報を行う。例えば、通信機能を用いて病院等の医療機関に対して異常発生を報知する。
【0059】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0060】
入浴者が浴槽41内で湯水に浸かっている場合、入浴者が浴槽41内において短辺側の各側面のいずれにもたれても、第1浴槽用センサ47a及び第2浴槽用センサ47bの少なくとも一方により入浴者の背中側の生体情報が検出される。そして、その背中側の生体情報に基づいて、それら浴槽用センサ47a,47bのいずれに入浴者の背中が接触しているのか判定される。すなわち、入浴者の身体の向きが判定される。この場合、例えば、各浴槽用センサ47a,47b背中側の体表面温度と足側の体表面温度とを取得することができるため、入浴者がのぼせ状態になってもそれを検出することができる。以上の結果、入浴者の身体の向きを正しく把握でき、ひいては入浴者の健康管理を適正に行うことができる。
【0061】
浴室サーバ21により、心電図波形の振幅の大きさに基づいて、第1浴槽用センサ47a側の心電図波形及び第2浴槽用センサ47b側の心電図波形のうちいずれが背中側の心電図波形であるかが判定される。これにより、各浴槽用センサ47a,47bのうちいずれに入浴者の背中が接触しているのかを判定することができる。すなわち、入浴者の身体の向きを判定することができる。
【0062】
入浴者がのぼせ状態にある場合、第1段階処理〜第4段階処理が段階的に実行される。このため、のぼせ状態の内容や程度に合わせて浴槽41内や浴室11内の環境を段階的に調整することができる。したがって、のぼせ状態の回復を好適に図ることができる。また、第2段階処理として浴槽41内の水位が低くされた場合、放水部43から湯水が放水される。この場合、入浴者の足側に位置する方の放水部43から放水が行われるため、入浴者の全身にシャワーを浴びせることができる。したがって、のぼせ状態の回復を図りつつ湯冷めを防止することができる。
【0063】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0064】
(1)上記実施形態では、浴槽用センサ47a,47bが、浴槽41の長手方向で対向する内側面にそれぞれ配置されているが、それら長手方向の内側面に加えて又は代えて、浴槽41の短手方向で対向する内側面にそれぞれ配置されていてもよい。例えば、浴槽用センサ47a,47bが、浴槽41の内周面に沿って延びるように設けられている構成とする。この場合、仮に入浴者が長辺側の各側面のうち一方にもたれていても、入浴者の背中の位置を判定することで、その入浴者の身体の向きを取得することができる。
【0065】
(2)上記実施形態では、浴槽41が平面視において長方形をなす形状に形成されているが、平面視において正方形をなす形状に形成されていてもよく、楕円形状に形成されていてもよい。平面視において正方形をなす形状に形成されている場合、(1)のように、浴槽用センサ47a,47bは浴槽41の内周面に沿って延びるように設けられているとよい。これにより、入浴者が浴槽41の各内側面のうちいずれにもたれていても、その入浴者の身体の向きを取得することができる。
【0066】
(3)上記実施形態では、浴室サーバ21により、心拍情報として心電図波形が取得される構成としたが、心拍を示す心拍波形が取得される構成としてもよい。例えば、心拍波形が、圧電センサ部により検出された検出信号に基づいて取得される構成とする。この場合でも、心臓疾患として不整脈が発生していると、心拍波形の心拍を示す波の間隔が一定の間隔とならない。したがって、心拍波形が取得される構成でも、心臓疾患を検出することができる。
【0067】
(4)上記実施形態では、浴槽用センサ47a,47bの検出結果に基づいて入浴者の体位が特定される構成としたが、画像取得手段により取得された画像に基づいて入浴者の体位が特定される構成としてもよい。例えば、画像取得手段として赤外線サーモグラフィが浴室11内に設けられている構成とする。この場合、赤外線サーモグラフィにより取得された画像に基づいて入浴者の背中及び足の位置を特定することができる。すなわち、体位を特定することができる。また、その画像に基づいて入浴者の体表面温度を取得することができるため、入浴者がのぼせた場合でもそれを容易に検出することができる。なお、浴室11に、浴槽用センサ47a,47bと画像取得手段とが両方とも設けられていてもよい。この場合、入浴者の体位を正確に特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】浴室の構成を説明するための概略図。
【図2】心電図波形について説明するための図。
【図3】浴室サーバにより実行される浴室機器制御処理を示すフローチャート。
【図4】のぼせ回復処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0069】
11…浴室、21…浴室サーバ、41…浴槽、43…放水部、44…側部、47a…第1浴槽内センサ、47b…第2浴槽内センサ、49…排水装置、51…浴室用エアコン、52…浴室用表示モニタ、54…酸素供給装置、55…湯温調整装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽内に入っている入浴者の身体の少なくとも一部が浴槽内側面と接触することで生体情報を検出する生体情報検出部と、
前記生体情報検出部により検出された生体情報に基づいて、前記入浴者の健康状態に関しての健康状態判定を行う健康状態判定手段と
を備える浴室設備において、
前記生体情報検出部は、前記入浴者の身体の特定部位を検出対象として前記生体情報を検出し、
前記生体情報検出部により検出された前記特定部位の生体情報に基づいて、前記浴槽内に入っている入浴者の体位を判定する体位判定手段を有することを特徴とする浴室設備。
【請求項2】
前記生体情報検出部は、前記生体情報を検出する検出位置を複数有し、
前記体位判定手段は、前記生体情報検出部により検出された複数の前記検出位置での前記生体情報に基づいて前記入浴者の体位を判定する請求項1に記載の浴室装置。
【請求項3】
前記浴槽は、平面視において長方形又は略長方形をなし、長手方向を入浴の向きとするものであり、
前記生体情報検出部は、前記浴槽の長手方向で対向する内側面にそれぞれ配置されており、入浴状態で前記入浴者の背中及び足を特定部位として前記生体情報を検出し、
前記体位判定手段は、前記生体情報検出部により検出された背中側の生体情報及び足側の生体情報に基づいて前記入浴者の体位を判定する請求項1又は2に記載の浴室設備。
【請求項4】
前記背中側の生体情報及び前記足側の生体情報から心拍に関する心拍情報をそれぞれ取得する心拍情報取得手段を備え、
前記体位判定手段は、前記心拍情報取得手段により取得された背中側の心拍情報と足側の心拍情報とに基づいて前記入浴者の体位を判定する請求項3に記載の浴室設備。
【請求項5】
前記心拍情報取得手段は、前記背中側の生体情報及び前記足側の生体情報から前記心拍情報として心電図波形をそれぞれ取得し、
前記体位判定手段は、前記心拍情報取得手段により取得された背中側の心電図波形及び足側の心電図波形のそれぞれの振幅の大きさに基づいて前記入浴者の体位を判定する請求項4に記載の浴室設備。
【請求項6】
前記健康状態判定手段は、前記背中側の心拍情報及び前記足側の心拍情報の少なくとも一方に基づいて前記健康状態判定を行う請求項4又は5に記載の浴室設備。
【請求項7】
前記背中側の生体情報に基づいて身体における背中側の体表面温度を取得する体表面温度取得手段を備え、
前記健康状態判定手段は、前記体表面温度取得手段により取得された背中側の体表面温度に基づいて前記健康状態判定を行う請求項3乃至6のいずれか1項に記載の浴室設備。
【請求項8】
前記体表面温度取得手段は、前記足側の生体情報に基づいて身体における足側の体表面温度を取得し、
前記健康状態判定手段は、前記体温情報取得手段により取得された足側の体表面温度と前記背中側の体表面温度との差異に基づいて前記健康状態判定を行う請求項7に記載の浴室設備。
【請求項9】
前記浴槽の長手方向で対向する内側面にそれぞれ配置され、反対側の内側面に向かって湯水を放出する放水装置と、
前記体位判定手段の判定結果に基づいて、各放水装置のうち前記入浴者の足側にある方の放水装置を制御対象とし、その制御対象とした放水装置の動作制御を行う放水制御手段と
を備える請求項7又は8に記載の浴室設備。
【請求項10】
前記浴室内の環境を調整するべく動作する浴室機器と、前記浴室機器の動作制御を行う浴室制御手段と、を備え、
前記健康状態判定手段は、前記入浴者の健康状態が複数段階のいずれかに相当すると判定し、
前記浴室制御手段は、前記浴室機器を制御対象として、前記入浴者の健康状態が相当する段階に応じて所定の規定処理を段階的に実行する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の浴室設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−240662(P2009−240662A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93114(P2008−93114)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】