説明

海藻抽出物、特にトチャカを含む化粧品

【課題】既知のゼリー状化粧品を改善すること。
【解決手段】本発明は、界面活性剤と、グリセリンと、モノプロピレングリコールと、海藻抽出物とを含む化粧品に属する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品、特にゼリーの形状をした化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
界面活性剤を海藻抽出物と混合することによって化粧用ゼリーを製造することが知られている。このような製品は市販されているが、少なくとも1部はゼリーの持つ特性のために広く受け入れられていない。即ち、既知化粧用ゼリーは半液体状であり、例えば水と一緒に人体に塗布すると塊の多いペースト状に変化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、既知の化粧用ゼリーの改良を探るものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の局面によれば、界面活性剤と、グリセリンと、モノプロピレングリコールとを含む化粧品が提供される。好適には、製品はトチャカのような海藻抽出物も含有する。
【0005】
本発明の第2の局面によれば、界面活性剤と、グリセリンと、モノプロピレングリコールとを含むように製品の構成要素を選択するステップを含む化粧品を形成する方法が提供される。好適には、方法はトチャカのような海藻抽出物を含むように製品の構成要素を選択するステップも含む。
【0006】
本発明者らは、モノプロピレングリコールをグリセリンと混合して含めることがゼリーの状態に顕著な効果を有しており、ゼリーが耐久性の高い、且つゴムに極めて近いテキスチャーを持つようになることを発見した。前記ゼリーは通常のゼリーよりも遙かに固く、付与された形態を、例えば成形によって付与された形態を容易に維持する。これらの効果は全て、ゼリーが海藻抽出物を含有すると更に顕著となるが、それはこの種の抽出物がグリセリンおよびモノプロピレングリコールの存在によって不安定化するためだと考えられている。
【0007】
本発明のゼリーは、通常の化粧用ゼリーの様に簡単には変化しないため、化粧品として特に有用である。それ故にそれは、通常の固形石鹸と同じ様式で使用可能な、シャワーゲルまたはボディーウォッシュとしての使用に特に好適である。製品はまた、例えばシャンプーとしての使用にも好適である。本発明のゼリーのテキスチャーは、通常の化粧用ゼリーおよび通常の固形石鹸とは異なりちぎりとることを可能にしている。そのため、1回の使用に合わせた小片を容易に得ることができる。実際ゼリーは、このような1回使用分に分割しやすい形に成形できる。
【0008】
本発明のゼリーは、室温では記載の半固体形状を有している。それは、低温においてもその形状が維持されるという利点も持っている。換言すれば、通常の化粧ゼリーを家庭用冷凍庫に入れて、温度を表示温度の−18〜−20℃にまで下げると凍結固体となるが、本発明のゼリーはそうならない。勿論グリコールは凍結防止剤であることが知られているが、それでも、それが−20℃付近の温度においても本発明のゼリーを耐久性のあるゴム様テキスチャーに保つことは驚くべきことである。この特徴は、それにより「凍結」シャワーゲルの提供が可能となることから、シャワーゲルのような化粧品の属性として非常に興味深い。シャワーのような温水が存在する状態で人体に冷たいゼリーを塗布することには強く刺激して活性化させる効果がある。通常のゼリーは、−20℃まで冷やすと凍結した固体となり、その結果人体に塗布した時に多少研磨性でザラザラした感じになる。これに対し本発明のゼリーは、その温度でもそのゴム様のテキスチャーを維持するために、このような欠点がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の態様を、更なる例示のみの意味で記載する。
【0010】
本発明のある態様による化粧用ゼリーは、重量%で示した次の成分;
水 35%
界面活性剤 30%
グリセリン 25%
モノプロピレングリコール 7%
海藻抽出物 1.5%
その他(例えば芳香剤、保存剤) 1.5%
から形成される。
【0011】
本発明のゼリーの形成に使用する成分中の水の好適な範囲は、15〜45重量%である。
【0012】
本発明のゼリーの形成に使用する成分中の界面活性剤の好適な範囲は、20〜40重量%である。
【0013】
本発明のゼリーの形成に使用する成分中のグリセリンの好適な範囲は、10〜35重量%である。
【0014】
本発明のゼリーの形成に使用する成分中のモノプロピレングリコールの好適な範囲は、3〜35重量%である。
【0015】
本発明のゼリーの形成に使用する成分中の海藻抽出物の好適な範囲は、1〜3重量%である。
【0016】
本発明の別の態様による化粧用ゼリーは、重量%で示した次の成分;
水 35.3%
界面活性剤 30.0%
グリセリン 25.0%
モノプロピレングリコール 7.0%
海藻抽出物 1.5%
芳香剤 1.0%
保存剤 0.2%
から形成される。
【0017】
上記の態様では、水は任意の好適な浸出液、例えばハーブおよび果汁の浸出液と置換できる。
【0018】
具体例としては、態様で参照される海藻抽出物はトチャカがよく、また界面活性剤は、商標名マネック(mannec)として販売されているラウリル硫酸ナトリウムがよい。商標名ニパジン(nipagin)として販売されているメチルパラベンは保存剤として用いることができる。かくして、本発明の具体的な態様は、重量%で示した次のグループ;
グループA
水を基剤とする浸出液 37.5%
グループB
モノプロピレングリコール 10.0%
ニパジン 0.2%
グループC
マネック 31.2%
グループD
グリセリン 17.4%
トチャカ 1.7%
グループE
芳香剤 2.0%
から形成される。
【0019】
グループAの浸出液は、例えば(重量%で)31.5%の水、1%のハーブ、および5%の果汁から成ってもよい。
【0020】
本発明に従った、上記の成分グループに基づくゼリーの形成方法は次の通り;
(1)グループA浸出液を形成する
(2)1つにしたグループBの成分を暖めニパジンを溶解する
(3)続いてグループAと、Bと、Cの成分を加えて1つにする
(4)80℃まで加熱する
(5)事前に混合してペーストにしておいたグループDの成分を加える
(6)熱を取り除き、グループEの成分を加える
である。
【0021】
上記の方法は1つの例示でしかない。方法は、特に使用する具体的な成分に応じて変わることがある。例えば、80℃まで加熱するステップは、トチャカを混入するために必要と考えられる。別の形状の海藻抽出物を使用する場合には、室温を超える加熱を全く必要としないこともある。
【0022】
最終製品に関して、本発明の特に有益な化粧用ゼリーは、最終製品の約17重量%のグリセリンおよび最終製品の10重量%のモノプロピレングリコールを含む。
【0023】
最終製品に関して、本発明の化粧用ゼリーは、好適には、最終製品の10〜35重量%のグリセリンおよび最終製品の3〜35重量%のモノプロピレングリコールを含む。
【0024】
更に好適には、本発明の化粧用ゼリーは最終製品に関して、最終製品の20〜40重量%の界面活性剤を含む。
【0025】
基本的には、本発明の化粧用ゼリーは最終製品に関して、最終製品の1〜3重量%の海藻抽出物を含む。
【0026】
トチャカのような海藻抽出物の使用を上述しているが、必ずしも海藻抽出物でない、他の天然ゴムも同一の結果を達成できると思われることは注目に値する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤と、グリセリンと、モノプロピレングリコールとを含む化粧品。
【請求項2】
海藻抽出物を更に含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項3】
界面活性剤が20〜40重量%である、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項4】
グリセリンが10〜35重量%である、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項5】
モノプロピレングリコールが3〜35重量%である、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項6】
海藻抽出物が1〜3重量%である、請求項2に記載の化粧品。
【請求項7】
最終製品のグリセリン約17重量%、および最終製品のモノプロピレングリコール10重量%を含む、請求項1または2に記載の化粧品。
【請求項8】
芳香剤を更に含む、先行請求項のいずれか1項に記載の化粧品。
【請求項9】
保存剤を更に含む、先行請求項のいずれか1項に記載の化粧品。
【請求項10】
界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、先行請求項のいずれか1項に記載の化粧品。
【請求項11】
海藻抽出物がトチャカである、請求項2に記載の化粧品。
【請求項12】
保存剤がメチルパラベンである、請求項9に記載の化粧品。
【請求項13】
1種類または複数のハーブと、果汁とを更に含む、先行請求項のいずれか1項に記載の化粧品。
【請求項14】
界面活性剤と、グリセリンと、モノプロピレングリコールとを含むように製品の成分を選択するステップを含む、化粧品を形成する方法。
【請求項15】
製品の成分として海藻抽出物を選択するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
製品を形成するために選択した成分に15〜45重量%の量の水を含むステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
製品を形成するために選択した成分に20〜40重量%の量の界面活性剤を含むステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
製品を形成するために選択した成分に10〜35重量%の量のグリセリンを含むステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
製品を形成するために選択した成分に3〜35重量%の量のモノプロピレングリコールを含むステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
製品を形成するために選択した成分に1〜3重量%の量の海藻抽出物を含むステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムとなるように選択するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
海藻抽出物がトチャカとなるように選択するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
製品の成分が、重量%として
水 35%
界面活性剤 30%
グリセリン 25%
モノプロピレングリコール 7%
海藻抽出物 1.5%
その他成分 1.5%
となるように選択するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記その他成分を、少なくとも1つの芳香剤および1つの保存剤を含むように選択するステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
製品の成分が、重量%として
水 35.3%
界面活性剤 30.0%
グリセリン 25.0%
モノプロピレングリコール 7.0%
海藻抽出物 1.5%
芳香剤 1.0%
保存剤 0.2%
となるように選択するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記水を、水を基剤とした浸出液に置換することを更に含む、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
製品の成分が、重量%で表した次の成分グループ;
グループA
水を基剤とする浸出液 37.5%
グループB
モノプロピレングリコール 10.0%
メチルパラベン 0.2%
グループC
ラウリル硫酸ナトリウム 31.2%
グループD
グリセリン 17.4%
トチャカ 1.7%
グループE
芳香剤 2.0%
になるように選択するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項28】
ハーブと、果汁と、水とを含有する浸出液を選択するステップを更に含む、請求項26または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
次のステップ;
(1)グループA浸出液を形成するステップと、
(2)1つにしたグループBの成分を暖めメチルパラベンを溶解するステップと、
(3)続いてグループA、B、およびCの成分を加えて1つにするステップと、
(4)加えて1つにしたグループA、B、およびCの成分を加熱するステップと、
(5)事前に混合してペーストにしておいたグループDの成分を加えるステップと、
(6)熱を取り除き、グループEの成分を加えるステップと、
を更に含む、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2008−525396(P2008−525396A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547620(P2007−547620)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004893
【国際公開番号】WO2006/067400
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(504265400)コズメティック,ウォリアーズ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】COSMETIC WARRIORS LIMITED
【Fターム(参考)】