浸漬金属被覆槽の出口で被覆液体金属を脱液するための方法及び装置
本発明は浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップの両面から被覆液体金属を脱液する方法に関する。本発明の方法では、ストリップが槽から出るとき、被覆液体金属で覆われた前記ストリップは磁場にさらされていない領域から静磁場にさらされている別の領域へと移動させられる。ただし、前記静磁場は前記ストリップの両側に互いに向き合うように配置されている磁気部材の極の間に形成されており、前記静磁場の磁力線は、被覆液体金属が相関的に磁場変化にさらされ、この磁場変化によって液体金属のスクロール方向とは逆方向の力が前記液体金属上に生じるように、少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び12の冒頭に記載された、浸漬金属被覆槽の出口で被覆液体金属を脱液する方法及び装置に関する。
【0002】
本発明は連続浸漬コーティングラインにおいて鋼ストリップに塗布される液体金属コーティングとしての液体金属被膜の脱液に関する。ここで「液体金属被膜」とは、鋼ストリップに塗布できる任意の被覆、例えば亜鉛や、アルミニウムをベースとする合金を意味している。
【0003】
建築物、自動車用電気機器、及び家庭用電化製品のような特定の使用分野では、鋼ストリップの耐食性を高めるために、鋼ストリップの表面に亜鉛や亜鉛ベースの合金のような金属コーティングが塗布される。このコーティングは連続コーティングラインで行われる。一般に、これらの連続コーティングラインは以下のものを含む。
−1つ又は2つのストリップアンコイラと、ギロチンシャーと、一方のアンコイラから出てきたストリップの最後部を他方のアンコイラから出てきた次のストリップの先頭部に連結することでコーティングラインの連続動作を保証する突合せ溶接機と、突合せ溶接を行うために上流で巻出しが中断されている間に蓄積したストリップをコーティングラインに戻すストリップアキュムレータとを備えた入口セクション
−冷間圧延されたストリップを脱脂するセクション、又は熱間圧延されたストリップを酸洗いするエリア
−液体金属槽に入る前のストリップを管理された温度に保つ焼き鈍し炉
−ストリップを浸けるための液体金属槽と、液体金属脱液装置と、できれば誘導合金化炉と、冷却システムと、浸漬槽とを備えた実際のコーティングセクション
−スキンパスミルと、不動態化装置と、出口アキュムレータと、シャーと、1つ又は2つのリコイラとを備えた出口セクション。
【0004】
本発明の方法の第1の実施形態では、鋼ストリップは炉から出ると液体金属槽に斜めに沈められ、液体金属槽内に沈められているローラにより垂直に運ばれ、続いてボトムローラを通過することにより生じた横方向の湾曲を修正する「反り防止」ローラを通り、さらに垂直方向の軌道を調整する「パスライン」ローラを通る。本方法の第2の実施形態では、鋼ストリップは炉から出るとローラにより垂直方向に進路を変えられ、続いて磁気により保持された液体金属合金化槽を垂直に横切る。
【0005】
どちらの場合も、被覆槽から出たとき、ストリップは液体金属被膜で両面とも覆われている。液体金属被膜の厚さはストリップが液体を駆動する力と重力との間の均衡により決まる。被覆液体金属の厚さは、横方向においても縦方向においても、防食の分野における性能研究と使用する金属の量の最適化とを組み合わせた目標値にできるだけ近い値に均されなければならない。これを達成するために、確実に両面の液体被膜が脱液されるように、ストリップのどちら側にも装置が配置されている。
【0006】
このような脱液システムは例えば文献EP 0 566 497において十分に説明されている。脱液の原理は、ガス噴流を吹き付けて液体被膜にくびれ効果を生じさせることにより液体被膜の厚さを小さくし、脱液された余分な被膜は重力により被覆槽に戻るというものである。ストリップとそのような脱液機との間の距離、ガス圧、脱液機と被覆槽の表面との間の距離、及びストリップのスクロール速度が、脱液を制御する主要な変数である。これらの変数はストリップの両面に配置された計器、例えばX線ゲージ、によるコーティングの厚さの測定値に基づいて制御される。
【0007】
ガス噴流脱液法の限界として、ストリップのスクロール速度が高いときに「スプラッシュ」として知られる現象が起きることが久しく知られている。駆動される液体被膜の厚さがスクロール速度とともに増大することに関係しているこの現象は、ストリップの駆動力と、重力と、ガス噴流により被膜に剪断応力が生じている箇所における表面張力との間の均衡が失われることにより生じる。その結果、ガス噴流を妨げる飛沫が放出され、コーティングの品質に悪い影響を及ぼす。ほとんどの場合、意図した被膜まで破裂してしまう。したがって、ストリップのスクロール速度、ひいてはコーティングラインの生産性が、液体被膜の脱液能力により制限されてしまう。
【0008】
この現象を防止し、高いスクロール速度を実現するために、多くの試みが為されてきた。このような試みとして、特に、ストリップから液体コーティング被膜の一部を磁気により脱液し、さらに補足として下流で最終的にガス噴流による脱液を行うシステムが挙げられる。
【0009】
下記のように、磁気誘導を使用する方法のいくつかの系統が知られているが、これらの系統のすべては電流と磁界との結合した作用の下で液体導電性媒質の中に(ローレンツ)力を発生させることに基づいている。
−誘導コイルでストリップを囲み、誘導コイルに交流電流を供給する「縦磁束」法。このタイプの装置は前記ストリップの「縦方向」のスクロールにほぼ平行な磁力線を発生させ、金属コーティング被膜とストリップの中に交流電流を誘導する。このようにして誘導された電流と磁界との相互作用により、被膜を脱液する電磁力が半径方向及び軸方向に伸展する。高周波交流電流で給電されるこのような縦磁界システムは、例えば文献JP 5051719に記載されている。
−ストリップの2つの面それぞれに1つずつ配置された2つの別個の誘導コイルに交流電流を供給する「横磁束」法。このタイプの装置は前記ストリップの縦方向のスクロールに対してほぼ垂直な磁力線を発生させ、ストリップの面内にフーコー電流を誘導する。これらの電流と磁界との相互作用により、液体金属被膜を脱液する電磁剪断力が伸展する。適切な周波数の交流電流で給電されるこのような横磁界システムは、例えば文献DE 2023900及びJP 08134617に記載されている。
−多相交流電流で給電される多極ステータをストリップの両側に配する「移動磁界」法。このタイプの装置は上向きにスクロールするストリップの動きとは逆方向に移動する磁界を発生させ、液体被膜の下向きポンプ作用を生じさせる。多相交流電流で給電されるこのような移動磁界システムは、例えば文献US 3,518,109及びJP 08053742に記載されている。
−ストリップにより駆動される液体被膜と液体槽とを繋ぐメニスカスにステータを配する「メニスカス圧力」法。磁界は上記メニスカスに、したがって駆動される被膜の厚さに働きかける。このようなメニスカス制御システムは、例えばEP 1 138 799に記載されている。この方法は実施するのが非常に難しく、ワイヤのような小さな物の金属コーティングに限定される。
−上記方法のうちのいくつかに代わるものとして、永久磁石も使用されている。しかし、永久磁石はストリップにスライド接点又はローラを当てることによりストリップに給電する装置と組み合わせて使用しなければならないため、これらの方法は脱液にはほとんど適していない。このような方法の例は文献JP 61-227158及びJP 02-254147に記載されている。最後に、永久磁石の分野では、脱液に使用できる誘導効果を発生させるために、可変の磁界を発生させる目的で複数の磁石を回転ドラムに取り付けることが、JP 2000-212714において提案されている。
【0010】
これらの方法のどれも、その実施を少なからず複雑にするいくつかの欠点を有している。これらの欠点は以下のように分類できる。
−ストリップの加熱: 誘導コイルに交流電流を給電することにより発生するすべての縦磁界システム及び横磁界システムは、ストリップを100℃を超える温度にまで著しく加熱する。特に縦磁束は、脱液効果が同じだとしても、より大きな電力を必要とするので、ある状況下では温度を150〜200℃まで上げてしまう。この加熱は鋼とコーティング層の結合を妨げ、鉄分がコーティングへと拡散する不所望な現象を促進してしまう。さらに、この余分な熱は冷却塔内で放散されなければならない。そのため、冷却塔の高さ及び/又は送風設備の電力を増大させなければならない。
−ストリップの飽和: ストリップは磁力線から形成された空間の中で非常に急速に磁気飽和に達する。一旦ストリップが飽和すると、ストリップ自体が脱液能力を、したがってストリップのスクロール速度を制限してしまう。その危険性は特に縦磁束法において、また横磁束法においても存在している。
−ストリップの疵つき: スライド接点又はローラを用いるストリップ給電法はストリップに機械的摩擦の疵痕を残すので、高品質な亜鉛めっきストリップには使用できない。
【0011】
本発明の1つの課題は特に、縦方向に動く鋼ストリップが浸漬金属被覆槽から出たときに被覆液体金属が確実に効果的に脱液されるようにすることである。
【0012】
本発明はまた
−ストリップの加熱を最小化すること、
−ストリップ/被膜の機械的な疵を防止すること、
−「スプラッシュ」効果なしで磁気脱液を行うこと、
−意図したコーティングの厚さへと正確に制御できるようにすることも課題としている。
【0013】
上記課題は、請求項1及び12に記載された方法及び装置により解決される。
【0014】
浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップの両面から被覆液体金属を脱液するための方法を基礎として、本発明は、槽から出るときに、被覆液体金属で覆われたストリップが磁界にさらされていない領域を通って静磁界にさらされている別の領域へと移動するようにすることを提案する。前記静磁界はストリップの各面に互いに向き合うように配置されている磁気部材の極の間に形成され、その磁力線、又はその磁力線の少なくとも主包絡面は少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差するので、被覆液体金属は相関的に磁界変化にさらされ、この磁界変化が液体金属の動く方向とは逆方向の力を前記液体金属上に生じさせる。実際、交差の縦方向の長さはできるだけ小さく、しかし液体金属被膜の中に最小の大きさのフーコー電流を発生させるのには十分な程度に選定されている。そして、このフーコー電流が静電界中を循環することにより、前記液体金属のストリップに対する動きに適度に抵抗するのに必要なローレンツ力が発生する。
【0015】
このようにして、この静電界中でのストリップのスクロールがストリップの中に、そしてまた何よりもストリップのスクロールとは逆方向に磁気減速効果が生じる液体金属中に、周知のように電流を誘導する。
【0016】
磁界の変化が小さいため、この磁気減速効果はストリップ中にほとんどフーコー電流を発生させない。表皮効果が存在しないため、磁界の連続性が液体被膜の効果的な脱液を実現する電力の散逸を制限するので、非常に有利なことに、ストリップの加熱は微々たるものである。
【0017】
ストリップとの接触が不要なので、有利なことに疵の問題は生じない。磁界の利用、特に、一連の脱液装置によって複数の相次ぐ段階で脱液を行うために磁界を利用することにより、「スプラッシュ」効果による欠点は回避される。
【0018】
本発明による方法を実行するために、浸漬金属被覆槽の出口で連続的に縦方向に動く鋼ストリップ(1)の両面から被覆液体金属を脱液する装置を基にした装置の実施形態が可能である。この装置では、槽の出口において、
−少なくとも1つの第1の磁気部材がストリップから所定の距離のところにストリップの2つの面の一方に対して横方向に配置されており、第2の磁気部材が前記ストリップから同じ距離のところに前記ストリップの他方の面に対して横方向に配置されている。
−前記磁気部材(A1、A2)の極は、これら極の間に少なくとも1つの最小の縦方向の長さにわたってストリップと交差する静磁場磁力線(主包絡面内に含まれている)を発生させるために、ストリップの両側に互いに向き合うように分布して配置されている。
【0019】
従属請求項にも本発明の利点が述べられている。
【0020】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】「縦磁束」による脱液装置を示す。
【図2】「横磁束」による脱液装置を示す。
【図3】「メニカス圧力」脱液装置を示す。
【図4】本発明の第1の実施形態による、磁気部材を備えた脱液装置を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態による、電磁部材を備えた脱液装置を示す。
【図6】本発明の第1の実施形態による脱液原理を示す。
【図7】本発明の第2の実施形態による距離安定化制御を伴う脱液原理を示す。
【0022】
図1には、垂直縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面の金属コーティング被膜を先行技術の説明において説明した「縦磁束」により脱液する装置が示されている。ストリップ(1)は両面を液体被膜(図示せず)で覆われており、速度(V)の垂直運動によって駆動される。ストリップを幅方向に包囲する導電体を1回又は複数回巻いた誘導コイル(2)には、脱液効果を生じさせる誘導に適した周波数の交流電流が流れる。図1には、この交流電流の1回の交番の電流経路が示されている。この電流はストリップの両側にも交流磁場を発生させる。図1では、この交流磁場は断面で示されており、コイルの2つの端部(21、22)にそれぞれ対応する2つのローブ(L1)及び(L2)として現れている。ストリップのごく近傍には、磁力線が生じており、スクロール方向に平行なルートを有している。それゆえに「縦磁束」と呼ばれる。これらの磁力線はストリップと交差しないが、ストリップの縦方向の大部分にわたって延びている。
【0023】
図2には、垂直縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面の金属コーティング被膜を先行技術の説明において説明した「横磁束」により脱液する装置が示されている。ストリップ(1)は両面を液体被膜(図示せず)で覆われており、速度(V)の縦方向の垂直運動によって駆動される。ストリップの一方の面上で幅方向に互いに向き合うように対照的に配置された2つの誘導コイル(2a、2b)には、脱液効果を生じさせる誘導に適した周波数の交流電流が流れる。図2には、この交流電流の1回の交番の電流経路が示されている。この電流は、ストリップの両側に、4つのローブ(L1、L2、L3、L4)として現れる交流磁場を発生させる。これら4つのローブはそれぞれコイル部(21a、22a、21b、22b)にそれぞれ対応している。ストリップのごく近傍には、磁力線が生じており、大域的にストリップのスクロール方向に対して垂直な経路を有している。これらの磁力線は少なくともストリップの幅部分にわたって延びているため、「横磁束」と呼ばれる。これらの磁力線はストリップのスクロールに対して垂直な方向に磁力線を発生させるコイル部上でループしている。したがって、これらの磁力線はストリップと交差しないが、少なくとも横方向にストリップに沿って延びている。
【0024】
図3には、液体コーティング被膜のために設計された「メニカス圧力」脱液装置が示されている。ストリップ(1)は液体被膜(3)で覆われており、速度(V)の縦方向の垂直運動によって駆動される。ストリップを幅方向に包囲する導電体を1回又は複数回巻いた誘導コイル(2)には、脱液効果に適した周波数の交流電流が流れる。図3には、この交流電流の1回の交番の電流経路が示されている。磁場はメニカスの曲線(R、R’)に、したがって駆動される被膜の厚さに作用する。
【0025】
図4a、4bには、本発明の第1の実施形態による磁気部材を備えた脱液装置、より具体的には、浸漬金属被覆槽の出口において縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面から液体金属を脱液する装置が示されている。この槽の出口において、装置は以下のものを含んでいる。
−少なくとも1つの第1の磁気部材(A1)が、ここでは少なくとも1つの永久磁石が、ストリップから所定の距離のところにストリップの一方の面に対して横方向に配置されており、第2の磁気部材(A2)が前記ストリップからほぼ同じ距離のところにストリップの他方の面に対して横方向に配置されている。
−前記磁気部材(A1、A2)の極(N、S)、ここではN/S磁石は、本発明に従って、極の間に少なくとも1つの最小の縦方向の長さにわたってストリップと交差する主包絡面に含まれた静磁場(B)の磁力線が発生するように、ストリップの両側に互いに向き合うように分布して配置されている。
【0026】
したがって、言い換えれば、図4a及び4bの装置の各磁気部材は、少なくとも1つの双極永久磁石部材(A1、A2)を含んでおり、これらの永久磁石部材の磁気容量は、静磁場(B)中のストリップの強制スクロールに対抗して、最初にストリップ上に置かれた金属コーティングの層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場を誘導するように設定されている。
【0027】
各磁気部材(A1、A2)の最も近い極はここでは逆の極性(N、S)を有している。したがって、これらの極の間にストリップを横切って磁力線を形成することが可能である。それゆえ、縦方向の長さはほぼ使用されている磁石の高さにまで短くされる。
【0028】
また、各磁気部材(A1、A2)のストリップに最も近い極が同じ極性を有するようにすることも可能である。
【0029】
図4aによれば、各磁気部材(A1、A2)のストリップ(永久磁石の外側の横面)から最も遠い極(S、N)も、ストリップの一部分を囲む磁気ガイドループを形成する強磁性フレームヨークのような外部磁場ガイド(C)によって接続されている。
【0030】
したがって、図4aによれば、ストリップの両側で互いに向き合う2つの磁気部材に最も近い磁極(N、S)は、第1の磁気部材の北極(N)と第2の磁気部材の南極(S)との間にストリップを横切って磁気回路を形成する静磁場(B)を発生させるように配置されている。磁気ループはストリップを包囲する強磁性ヨーク(C)を通って外部極の間で、すなわち、第2の磁気部材の北極(N)と第1の磁気部材の南極(S)の間で完結している。
【0031】
一方、図4bによれば、脱液装置の各磁気部材(A1、A2)は、ストリップのスクロール方向に相次いで配置された2つの異なる極を含んでいる。これら2つの極は、ストリップの両側に向き合うように配置された2つの半ループの端部における2つの極の間で磁力線のループが完結するように半ループ磁気ガイドを形成する少なくとも1つの強磁性ヨーク部のような磁場ガイド(C1、C2)によって少なくとも1つの磁石へと結合されている。言い換えれば、U字形の2つの永久磁石がストリップに関して対称に配置されている、すなわち、2つのU字の互いに極性の異なる底部がストリップの両側で互いに向き合うように配置されている。
【0032】
したがって、第1の強磁性ヨーク(C1)は第1の磁気部材(A1)の南極(S)から延びており、第2の強磁性ヨーク(C2)は第2の磁気部材(A2)の北極(N)から延びている。磁場(B)は第1の磁気部材の北極(N)と第2の磁気部材の南極(S)の間で初めてストリップを横切り、第2の強磁性ヨーク部(C2)を通って、その後2回目にストリップを横切り、第1の強磁性ヨーク部(C1)でループが完結する。
【0033】
2つの半ループがストリップを横切って磁場(B)の閉ループ磁気案内を誘発させるように、半ループの端部において極が互いに逆の極性を有することが推奨される。
【0034】
前に述べたように、半ループの端部において極が同じ磁気極性を有することも可能である。しかし、脱液は可能であるが、上記の逆極性の構成に比べて効率が低くなる。
【0035】
図4a、4bに限らず、以下の図に当てはまるが、各磁気部材は1つのストリップの幅に少なくとも等しい長さにわたって1ブロック又は複数ブロックだけ直線的に延びている。同様に、少なくとも1つのストリップに等しい長さにわたって直線的に延びているいくつかの磁気部材をストリップのスクロールの方向に沿ってストリップの両側に上下に分布させてもよい。このように磁場とストリップとの最小の長さにわたる一連の交差ゾーンを形成してストリップの磁気飽和を防ぐことにより、この構成は有利には脱液の効率を向上させることができる。同じ目的で、少なくとも1つの磁気部材を、ガスジェットのような補助的な脱液装置又は補助的なストリップ安定化装置に連結してもよい。
【0036】
図5a、5bには、図4a、4bの構成にそれぞれ関係する、本発明の第2の実施形態による(磁気部材として)電磁部材を備えた脱液装置の2つの構成が示されている。
【0037】
特に図5aでは、2つの電磁部材(B1、B2)はストリップのスクロールに対して横方向にストリップの2つの面の両側に配置されており、前記ストリップを囲む強磁性ヨーク(C)によって接続されている。
【0038】
図5c、5dには、本発明のこの第2の実施形態による(磁気部材として)電磁部材を備えた脱液装置の別の2つの構成が示されている。
【0039】
特に図5b、5c及び5dでは、ストリップの両側にストリップのスクロールに対して横方向に配置された2つの半ループ(C1、C2)における強磁性ヨークの構成に従って、前記電磁部材(B1、B2、B3、B4)のいくつかの可能な配置が示されている。これらの例では、図4bに示されているように、磁場(B)がストリップを2回横切り、強磁性半ヨークによって磁場が補助的にチャネリングされることによって、磁場ループが形成される。
【0040】
電磁部材(B1、B2、B3、B4)はここでは1つ又は複数のヨーク(C、C1、C2)に属する誘導コイルであり、前記磁場を発生させ、磁力線を特にストリップとの最小の長さの交差を介してストリップの周りにチャネリングする。前記誘導コイルのうちの少なくとも1つへの供給電流を調節することにより、静磁場の強さは脱液の種類に応じて選ばれたパラメータに従って制御可能である。
【0041】
図5bでは、2つの誘導コイル(B1、B2)の各々がU字形の各半ヨーク(C1、C2)の中央に配置されている。図5cでは、2つの誘導コイル(B1、B2)の各々は、ストリップの両側で互いに向き合うU字形の各半ヨーク(C1、C2)の端部にある磁極(N、S)の近傍に配置されている。図5dでは、4つの誘導コイル(B1、B2、B3、B4)が図5bのモデルに従って2つの半ヨークの4つの端部に配置されている。
【0042】
各電磁部材(B1、B2)の最も近い極はここで互いに逆の磁気極性を有している。したがって、ストリップを横切ってこれらの極の間に磁力線を形成することが可能である。(「適切な極性」を有する図5a〜5d)。
【0043】
また、各電磁部材(B1、B2)のストリップに最も近い極が同じ磁気極性を有するようにすることも可能である。しかし、この構成では、磁力線とストリップとの交差の長さを最小化することがより難しくなる。しかし、このような構成にすれば、2つの電磁部材の少なくとも一方への直流電流の供給に影響を与えることで、極の間のストリップの位置を制御することが可能になる。したがって、ストリップの脱液と安定化の目的で、これら2つの構成(逆極性と同極性)のそれぞれをスクロールの方向に相次いで配置すると有利である。脱液は可能であるが、上記の逆極性の構成に比べて効率性が低くなる。
【0044】
図6には、本発明の第1の実施形態(図4b)の、磁気減速による液体金属コーティング被膜の脱液原理が示されている。ストリップ(1)は両面を液体被膜(図示せず)で覆われており、速度(V)の縦方向の垂直スクロールによって駆動される。2つの磁気部材(A1、A2)とそれらのヨーク(C1、C2)は、ストリップのそれぞれの側にストリップから所定の距離(e)だけ離れて幅方向に配置されている。なお、図示されているヨーク(C1、C2)の形状は純粋に例示のためのものである。これらの磁気部材とヨークは、磁場(B)がストリップ(1)を2回横切って2つの磁気部材内をループするように、一方の磁気部材(A1、A2)の北極(N)が他方の磁気部材の南極(S)の反対側に配置されている。静磁場(B)内でのストリップのスクロールは互いに逆極性の極の間に起電場(E)を、したがってまたストリップと液体被膜に電流を誘導し、そこにストリップのスクロールとは逆方向の磁気減速力(F)が生じる。
【0045】
図7には、本発明の第2の実施形態(図5b)の、距離安定化制御(又はストリップのセンタリング)を伴う磁気減速脱液原理が示されている。
【0046】
ここで、磁気部材の少なくとも1つは少なくとも1つの電磁部材(B1、B2)を含んでおり、この電磁部材の磁気容量は、
−ストリップの強制スクロールに対抗して、最初にストリップ上に置かれた金属コーティングの層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場を誘導する静電場(B)内に誘導するため、ならびに、
−有利には各磁気部材とストリップとの間の距離を等しくするために、
理想的にはここでは磁界を案内する電磁部材(C2)を含めた少なくとも1つの誘導コイル(B2)を制御する制御信号(Cc)を介してコマンドモジュール(MC)によって調節することができる。
【0047】
コマンドモジュール(MC)は誘導コイルの電流設定を調整するために下記の2つの信号、すなわち、
−ストリップと電磁部材(B1、B2)のうちの一方との間の距離を非接触測定する測定システム(ME)からの距離測定信号(Si)と、
−少なくとも1つの電磁部材の極における磁場測定器(MB)からの磁場測定信号
の少なくとも一方を受信する処理ユニットによって制御される。なお、上記磁場測定信号は距離値(e)と相関させることができる。
この相関に応じて、コマンドユニットは、鋼ストリップを極の間の決まった位置に保持し、コーティングをストリップの両面に可能な限り最良に分布させることができるように、少なくとも1つの電磁部材の誘導コイルにおける電流を設定する。
【0048】
電磁石の使用によって永久磁石よりも強い電磁場が得られるという事実に加えて、正確な制御も可能になる。特に、ストリップを2つの電磁部材の間の所定の位置に動的に保持することが可能になる。
【0049】
したがって、図4、5、6及び7で提示されているすべての装置が本発明による脱液方法、すなわち、浸漬金属被覆槽の出口で連続的にスクロールされるストリップの両面から被覆液体金属を脱液する方法を実行することができる。本発明による脱液方法において、ストリップは、槽から出ると、磁場にさらされていない領域を通って静磁場にさらされている別の領域へと移動する。この静磁場はストリップの各面に互いに向き合うように配置されている磁気部材(A1、A2、B1、B2)の極の間に形成され、その磁力線は、被覆液体金属が相関的に磁場変化にさらされ、この磁場変化によって液体金属のスクロール方向とは逆方向の力が前記液体金属上に生じるように、少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差する。静磁場とスクロールされるストリップとの相互作用がストリップと被覆液体金属の中にフーコー電流を発生させ、このフーコー電流が静磁場中を循環することで液体金属のストリップに対するスクロールに適度に抵抗するのに必要なローレンツ力が発生し、(強制)スクロールされるストリップに対する磁気減速効果が生じる。
【0050】
この磁気減速効果はストリップ内にほぼフーコー電流を生じさせず、表皮効果が存在しないため、磁場の連続的な性質によって液体被膜の効果的な脱液作用を実現するための電力の散逸が制限される。そのため、ストリップの加熱は非常に有利なことに無視できる。
【0051】
上記のように本発明の方法では、ストリップの両側に最も近く配置されている極は理想的には逆の極性を有している。この点が磁力線とストリップの交差の長さの最小化を促進し、有利にはストリップの磁気飽和効果の防止が可能になり、ストリップが極の下を通過するときの著しい磁場変化のおかげで高い脱液効率が実現される。近接する極の極性が同じである構成も可能であるが、望んだような脱液には効率が悪い。しかし、この構成は、誘導コイルへの直流電流の供給に影響を与えることにより、極の間のストリップの位置を制御できるという利点を有している。
【0052】
所望の脱液効果に関係する磁場(B)の強さは、単純に極とストリップの間の距離(e)を変化させることによって制御される。単純な独立型の磁気部材の場合、極は理想的には永久磁石の極である。
【0053】
また、この方法は有利には、
磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされるストリップと磁気的に制御可能な磁気部材として誘導コイルを備えた2つの電磁部材(B1、B2)(例えば電磁石)の少なくとも1つとの間の距離(e)を、理想的には非接触の直接的な測定によって求め、
2つの電磁部材の間にストリップをセンタリングしておくために、誘導コイルのうちの少なくとも1つへの直流電流の供給を制御する。このようにして、ストリップを横切る全磁束(図4〜7の実施例を参照)を定常的に保ち、この定常値の周りで微調整することができる。
【0054】
所望の脱液効果に関係する磁場(B)の強さを調節するために、誘導コイル(B1、B2)のうちの少なくとも1つへの直流電流の供給を制御される。これは方法を異なるストリップ及び/又はコーティングを適応させるために重要であり、また脱液システムをX線厚さゲージのような測定機器によるコーティング厚さ測定に従属させることができる。
【0055】
またこの方法において、
A)磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされるストリップと2つの電磁部材(B1、B2)の少なくとも1つとの間の距離(e)を、ストリップと2つの電磁部材の少なくとも1つとの間の空隙の効果により生じる変化に起因する磁場変化を測定することによって求める。上記の間接的な磁場測定の代わり又は補助として、距離(e)の直接的な測定も可能である。
B)少なくとも2つのグループの磁気部材がストリップの少なくとも一方の側の幅にわたって横方向に分布して配置されている。
磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合、誘導コイルの各給電電流は別々に制御される。よって、磁気部材間におけるストリップの位置制御が著しく容易になる。
C)少なくとも2つグループの磁気部材がストリップの両側においてストリップのスクロールの方向に沿って上下に分布して配置されている。
磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合、誘導コイルの各給電電流は別々に制御される。
【0056】
この磁気部材又は電磁部材の一連のグループにより、脱液効果を効果的に分布させることができ、ストリップ位置を制御することができる。
【0057】
本発明による脱液方法は、必要ならば、ストリップの表面へのガス噴流のような補助的な脱液方法と組み合わせて実行及び制御してもよい。また、ストリップのスクロールを安定させる補助的な方法と組み合わせて実行及び制御してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び12の冒頭に記載された、浸漬金属被覆槽の出口で被覆液体金属を脱液する方法及び装置に関する。
【0002】
本発明は連続浸漬コーティングラインにおいて鋼ストリップに塗布される液体金属コーティングとしての液体金属被膜の脱液に関する。ここで「液体金属被膜」とは、鋼ストリップに塗布できる任意の被覆、例えば亜鉛や、アルミニウムをベースとする合金を意味している。
【0003】
建築物、自動車用電気機器、及び家庭用電化製品のような特定の使用分野では、鋼ストリップの耐食性を高めるために、鋼ストリップの表面に亜鉛や亜鉛ベースの合金のような金属コーティングが塗布される。このコーティングは連続コーティングラインで行われる。一般に、これらの連続コーティングラインは以下のものを含む。
−1つ又は2つのストリップアンコイラと、ギロチンシャーと、一方のアンコイラから出てきたストリップの最後部を他方のアンコイラから出てきた次のストリップの先頭部に連結することでコーティングラインの連続動作を保証する突合せ溶接機と、突合せ溶接を行うために上流で巻出しが中断されている間に蓄積したストリップをコーティングラインに戻すストリップアキュムレータとを備えた入口セクション
−冷間圧延されたストリップを脱脂するセクション、又は熱間圧延されたストリップを酸洗いするエリア
−液体金属槽に入る前のストリップを管理された温度に保つ焼き鈍し炉
−ストリップを浸けるための液体金属槽と、液体金属脱液装置と、できれば誘導合金化炉と、冷却システムと、浸漬槽とを備えた実際のコーティングセクション
−スキンパスミルと、不動態化装置と、出口アキュムレータと、シャーと、1つ又は2つのリコイラとを備えた出口セクション。
【0004】
本発明の方法の第1の実施形態では、鋼ストリップは炉から出ると液体金属槽に斜めに沈められ、液体金属槽内に沈められているローラにより垂直に運ばれ、続いてボトムローラを通過することにより生じた横方向の湾曲を修正する「反り防止」ローラを通り、さらに垂直方向の軌道を調整する「パスライン」ローラを通る。本方法の第2の実施形態では、鋼ストリップは炉から出るとローラにより垂直方向に進路を変えられ、続いて磁気により保持された液体金属合金化槽を垂直に横切る。
【0005】
どちらの場合も、被覆槽から出たとき、ストリップは液体金属被膜で両面とも覆われている。液体金属被膜の厚さはストリップが液体を駆動する力と重力との間の均衡により決まる。被覆液体金属の厚さは、横方向においても縦方向においても、防食の分野における性能研究と使用する金属の量の最適化とを組み合わせた目標値にできるだけ近い値に均されなければならない。これを達成するために、確実に両面の液体被膜が脱液されるように、ストリップのどちら側にも装置が配置されている。
【0006】
このような脱液システムは例えば文献EP 0 566 497において十分に説明されている。脱液の原理は、ガス噴流を吹き付けて液体被膜にくびれ効果を生じさせることにより液体被膜の厚さを小さくし、脱液された余分な被膜は重力により被覆槽に戻るというものである。ストリップとそのような脱液機との間の距離、ガス圧、脱液機と被覆槽の表面との間の距離、及びストリップのスクロール速度が、脱液を制御する主要な変数である。これらの変数はストリップの両面に配置された計器、例えばX線ゲージ、によるコーティングの厚さの測定値に基づいて制御される。
【0007】
ガス噴流脱液法の限界として、ストリップのスクロール速度が高いときに「スプラッシュ」として知られる現象が起きることが久しく知られている。駆動される液体被膜の厚さがスクロール速度とともに増大することに関係しているこの現象は、ストリップの駆動力と、重力と、ガス噴流により被膜に剪断応力が生じている箇所における表面張力との間の均衡が失われることにより生じる。その結果、ガス噴流を妨げる飛沫が放出され、コーティングの品質に悪い影響を及ぼす。ほとんどの場合、意図した被膜まで破裂してしまう。したがって、ストリップのスクロール速度、ひいてはコーティングラインの生産性が、液体被膜の脱液能力により制限されてしまう。
【0008】
この現象を防止し、高いスクロール速度を実現するために、多くの試みが為されてきた。このような試みとして、特に、ストリップから液体コーティング被膜の一部を磁気により脱液し、さらに補足として下流で最終的にガス噴流による脱液を行うシステムが挙げられる。
【0009】
下記のように、磁気誘導を使用する方法のいくつかの系統が知られているが、これらの系統のすべては電流と磁界との結合した作用の下で液体導電性媒質の中に(ローレンツ)力を発生させることに基づいている。
−誘導コイルでストリップを囲み、誘導コイルに交流電流を供給する「縦磁束」法。このタイプの装置は前記ストリップの「縦方向」のスクロールにほぼ平行な磁力線を発生させ、金属コーティング被膜とストリップの中に交流電流を誘導する。このようにして誘導された電流と磁界との相互作用により、被膜を脱液する電磁力が半径方向及び軸方向に伸展する。高周波交流電流で給電されるこのような縦磁界システムは、例えば文献JP 5051719に記載されている。
−ストリップの2つの面それぞれに1つずつ配置された2つの別個の誘導コイルに交流電流を供給する「横磁束」法。このタイプの装置は前記ストリップの縦方向のスクロールに対してほぼ垂直な磁力線を発生させ、ストリップの面内にフーコー電流を誘導する。これらの電流と磁界との相互作用により、液体金属被膜を脱液する電磁剪断力が伸展する。適切な周波数の交流電流で給電されるこのような横磁界システムは、例えば文献DE 2023900及びJP 08134617に記載されている。
−多相交流電流で給電される多極ステータをストリップの両側に配する「移動磁界」法。このタイプの装置は上向きにスクロールするストリップの動きとは逆方向に移動する磁界を発生させ、液体被膜の下向きポンプ作用を生じさせる。多相交流電流で給電されるこのような移動磁界システムは、例えば文献US 3,518,109及びJP 08053742に記載されている。
−ストリップにより駆動される液体被膜と液体槽とを繋ぐメニスカスにステータを配する「メニスカス圧力」法。磁界は上記メニスカスに、したがって駆動される被膜の厚さに働きかける。このようなメニスカス制御システムは、例えばEP 1 138 799に記載されている。この方法は実施するのが非常に難しく、ワイヤのような小さな物の金属コーティングに限定される。
−上記方法のうちのいくつかに代わるものとして、永久磁石も使用されている。しかし、永久磁石はストリップにスライド接点又はローラを当てることによりストリップに給電する装置と組み合わせて使用しなければならないため、これらの方法は脱液にはほとんど適していない。このような方法の例は文献JP 61-227158及びJP 02-254147に記載されている。最後に、永久磁石の分野では、脱液に使用できる誘導効果を発生させるために、可変の磁界を発生させる目的で複数の磁石を回転ドラムに取り付けることが、JP 2000-212714において提案されている。
【0010】
これらの方法のどれも、その実施を少なからず複雑にするいくつかの欠点を有している。これらの欠点は以下のように分類できる。
−ストリップの加熱: 誘導コイルに交流電流を給電することにより発生するすべての縦磁界システム及び横磁界システムは、ストリップを100℃を超える温度にまで著しく加熱する。特に縦磁束は、脱液効果が同じだとしても、より大きな電力を必要とするので、ある状況下では温度を150〜200℃まで上げてしまう。この加熱は鋼とコーティング層の結合を妨げ、鉄分がコーティングへと拡散する不所望な現象を促進してしまう。さらに、この余分な熱は冷却塔内で放散されなければならない。そのため、冷却塔の高さ及び/又は送風設備の電力を増大させなければならない。
−ストリップの飽和: ストリップは磁力線から形成された空間の中で非常に急速に磁気飽和に達する。一旦ストリップが飽和すると、ストリップ自体が脱液能力を、したがってストリップのスクロール速度を制限してしまう。その危険性は特に縦磁束法において、また横磁束法においても存在している。
−ストリップの疵つき: スライド接点又はローラを用いるストリップ給電法はストリップに機械的摩擦の疵痕を残すので、高品質な亜鉛めっきストリップには使用できない。
【0011】
本発明の1つの課題は特に、縦方向に動く鋼ストリップが浸漬金属被覆槽から出たときに被覆液体金属が確実に効果的に脱液されるようにすることである。
【0012】
本発明はまた
−ストリップの加熱を最小化すること、
−ストリップ/被膜の機械的な疵を防止すること、
−「スプラッシュ」効果なしで磁気脱液を行うこと、
−意図したコーティングの厚さへと正確に制御できるようにすることも課題としている。
【0013】
上記課題は、請求項1及び12に記載された方法及び装置により解決される。
【0014】
浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップの両面から被覆液体金属を脱液するための方法を基礎として、本発明は、槽から出るときに、被覆液体金属で覆われたストリップが磁界にさらされていない領域を通って静磁界にさらされている別の領域へと移動するようにすることを提案する。前記静磁界はストリップの各面に互いに向き合うように配置されている磁気部材の極の間に形成され、その磁力線、又はその磁力線の少なくとも主包絡面は少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差するので、被覆液体金属は相関的に磁界変化にさらされ、この磁界変化が液体金属の動く方向とは逆方向の力を前記液体金属上に生じさせる。実際、交差の縦方向の長さはできるだけ小さく、しかし液体金属被膜の中に最小の大きさのフーコー電流を発生させるのには十分な程度に選定されている。そして、このフーコー電流が静電界中を循環することにより、前記液体金属のストリップに対する動きに適度に抵抗するのに必要なローレンツ力が発生する。
【0015】
このようにして、この静電界中でのストリップのスクロールがストリップの中に、そしてまた何よりもストリップのスクロールとは逆方向に磁気減速効果が生じる液体金属中に、周知のように電流を誘導する。
【0016】
磁界の変化が小さいため、この磁気減速効果はストリップ中にほとんどフーコー電流を発生させない。表皮効果が存在しないため、磁界の連続性が液体被膜の効果的な脱液を実現する電力の散逸を制限するので、非常に有利なことに、ストリップの加熱は微々たるものである。
【0017】
ストリップとの接触が不要なので、有利なことに疵の問題は生じない。磁界の利用、特に、一連の脱液装置によって複数の相次ぐ段階で脱液を行うために磁界を利用することにより、「スプラッシュ」効果による欠点は回避される。
【0018】
本発明による方法を実行するために、浸漬金属被覆槽の出口で連続的に縦方向に動く鋼ストリップ(1)の両面から被覆液体金属を脱液する装置を基にした装置の実施形態が可能である。この装置では、槽の出口において、
−少なくとも1つの第1の磁気部材がストリップから所定の距離のところにストリップの2つの面の一方に対して横方向に配置されており、第2の磁気部材が前記ストリップから同じ距離のところに前記ストリップの他方の面に対して横方向に配置されている。
−前記磁気部材(A1、A2)の極は、これら極の間に少なくとも1つの最小の縦方向の長さにわたってストリップと交差する静磁場磁力線(主包絡面内に含まれている)を発生させるために、ストリップの両側に互いに向き合うように分布して配置されている。
【0019】
従属請求項にも本発明の利点が述べられている。
【0020】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】「縦磁束」による脱液装置を示す。
【図2】「横磁束」による脱液装置を示す。
【図3】「メニカス圧力」脱液装置を示す。
【図4】本発明の第1の実施形態による、磁気部材を備えた脱液装置を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態による、電磁部材を備えた脱液装置を示す。
【図6】本発明の第1の実施形態による脱液原理を示す。
【図7】本発明の第2の実施形態による距離安定化制御を伴う脱液原理を示す。
【0022】
図1には、垂直縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面の金属コーティング被膜を先行技術の説明において説明した「縦磁束」により脱液する装置が示されている。ストリップ(1)は両面を液体被膜(図示せず)で覆われており、速度(V)の垂直運動によって駆動される。ストリップを幅方向に包囲する導電体を1回又は複数回巻いた誘導コイル(2)には、脱液効果を生じさせる誘導に適した周波数の交流電流が流れる。図1には、この交流電流の1回の交番の電流経路が示されている。この電流はストリップの両側にも交流磁場を発生させる。図1では、この交流磁場は断面で示されており、コイルの2つの端部(21、22)にそれぞれ対応する2つのローブ(L1)及び(L2)として現れている。ストリップのごく近傍には、磁力線が生じており、スクロール方向に平行なルートを有している。それゆえに「縦磁束」と呼ばれる。これらの磁力線はストリップと交差しないが、ストリップの縦方向の大部分にわたって延びている。
【0023】
図2には、垂直縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面の金属コーティング被膜を先行技術の説明において説明した「横磁束」により脱液する装置が示されている。ストリップ(1)は両面を液体被膜(図示せず)で覆われており、速度(V)の縦方向の垂直運動によって駆動される。ストリップの一方の面上で幅方向に互いに向き合うように対照的に配置された2つの誘導コイル(2a、2b)には、脱液効果を生じさせる誘導に適した周波数の交流電流が流れる。図2には、この交流電流の1回の交番の電流経路が示されている。この電流は、ストリップの両側に、4つのローブ(L1、L2、L3、L4)として現れる交流磁場を発生させる。これら4つのローブはそれぞれコイル部(21a、22a、21b、22b)にそれぞれ対応している。ストリップのごく近傍には、磁力線が生じており、大域的にストリップのスクロール方向に対して垂直な経路を有している。これらの磁力線は少なくともストリップの幅部分にわたって延びているため、「横磁束」と呼ばれる。これらの磁力線はストリップのスクロールに対して垂直な方向に磁力線を発生させるコイル部上でループしている。したがって、これらの磁力線はストリップと交差しないが、少なくとも横方向にストリップに沿って延びている。
【0024】
図3には、液体コーティング被膜のために設計された「メニカス圧力」脱液装置が示されている。ストリップ(1)は液体被膜(3)で覆われており、速度(V)の縦方向の垂直運動によって駆動される。ストリップを幅方向に包囲する導電体を1回又は複数回巻いた誘導コイル(2)には、脱液効果に適した周波数の交流電流が流れる。図3には、この交流電流の1回の交番の電流経路が示されている。磁場はメニカスの曲線(R、R’)に、したがって駆動される被膜の厚さに作用する。
【0025】
図4a、4bには、本発明の第1の実施形態による磁気部材を備えた脱液装置、より具体的には、浸漬金属被覆槽の出口において縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面から液体金属を脱液する装置が示されている。この槽の出口において、装置は以下のものを含んでいる。
−少なくとも1つの第1の磁気部材(A1)が、ここでは少なくとも1つの永久磁石が、ストリップから所定の距離のところにストリップの一方の面に対して横方向に配置されており、第2の磁気部材(A2)が前記ストリップからほぼ同じ距離のところにストリップの他方の面に対して横方向に配置されている。
−前記磁気部材(A1、A2)の極(N、S)、ここではN/S磁石は、本発明に従って、極の間に少なくとも1つの最小の縦方向の長さにわたってストリップと交差する主包絡面に含まれた静磁場(B)の磁力線が発生するように、ストリップの両側に互いに向き合うように分布して配置されている。
【0026】
したがって、言い換えれば、図4a及び4bの装置の各磁気部材は、少なくとも1つの双極永久磁石部材(A1、A2)を含んでおり、これらの永久磁石部材の磁気容量は、静磁場(B)中のストリップの強制スクロールに対抗して、最初にストリップ上に置かれた金属コーティングの層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場を誘導するように設定されている。
【0027】
各磁気部材(A1、A2)の最も近い極はここでは逆の極性(N、S)を有している。したがって、これらの極の間にストリップを横切って磁力線を形成することが可能である。それゆえ、縦方向の長さはほぼ使用されている磁石の高さにまで短くされる。
【0028】
また、各磁気部材(A1、A2)のストリップに最も近い極が同じ極性を有するようにすることも可能である。
【0029】
図4aによれば、各磁気部材(A1、A2)のストリップ(永久磁石の外側の横面)から最も遠い極(S、N)も、ストリップの一部分を囲む磁気ガイドループを形成する強磁性フレームヨークのような外部磁場ガイド(C)によって接続されている。
【0030】
したがって、図4aによれば、ストリップの両側で互いに向き合う2つの磁気部材に最も近い磁極(N、S)は、第1の磁気部材の北極(N)と第2の磁気部材の南極(S)との間にストリップを横切って磁気回路を形成する静磁場(B)を発生させるように配置されている。磁気ループはストリップを包囲する強磁性ヨーク(C)を通って外部極の間で、すなわち、第2の磁気部材の北極(N)と第1の磁気部材の南極(S)の間で完結している。
【0031】
一方、図4bによれば、脱液装置の各磁気部材(A1、A2)は、ストリップのスクロール方向に相次いで配置された2つの異なる極を含んでいる。これら2つの極は、ストリップの両側に向き合うように配置された2つの半ループの端部における2つの極の間で磁力線のループが完結するように半ループ磁気ガイドを形成する少なくとも1つの強磁性ヨーク部のような磁場ガイド(C1、C2)によって少なくとも1つの磁石へと結合されている。言い換えれば、U字形の2つの永久磁石がストリップに関して対称に配置されている、すなわち、2つのU字の互いに極性の異なる底部がストリップの両側で互いに向き合うように配置されている。
【0032】
したがって、第1の強磁性ヨーク(C1)は第1の磁気部材(A1)の南極(S)から延びており、第2の強磁性ヨーク(C2)は第2の磁気部材(A2)の北極(N)から延びている。磁場(B)は第1の磁気部材の北極(N)と第2の磁気部材の南極(S)の間で初めてストリップを横切り、第2の強磁性ヨーク部(C2)を通って、その後2回目にストリップを横切り、第1の強磁性ヨーク部(C1)でループが完結する。
【0033】
2つの半ループがストリップを横切って磁場(B)の閉ループ磁気案内を誘発させるように、半ループの端部において極が互いに逆の極性を有することが推奨される。
【0034】
前に述べたように、半ループの端部において極が同じ磁気極性を有することも可能である。しかし、脱液は可能であるが、上記の逆極性の構成に比べて効率が低くなる。
【0035】
図4a、4bに限らず、以下の図に当てはまるが、各磁気部材は1つのストリップの幅に少なくとも等しい長さにわたって1ブロック又は複数ブロックだけ直線的に延びている。同様に、少なくとも1つのストリップに等しい長さにわたって直線的に延びているいくつかの磁気部材をストリップのスクロールの方向に沿ってストリップの両側に上下に分布させてもよい。このように磁場とストリップとの最小の長さにわたる一連の交差ゾーンを形成してストリップの磁気飽和を防ぐことにより、この構成は有利には脱液の効率を向上させることができる。同じ目的で、少なくとも1つの磁気部材を、ガスジェットのような補助的な脱液装置又は補助的なストリップ安定化装置に連結してもよい。
【0036】
図5a、5bには、図4a、4bの構成にそれぞれ関係する、本発明の第2の実施形態による(磁気部材として)電磁部材を備えた脱液装置の2つの構成が示されている。
【0037】
特に図5aでは、2つの電磁部材(B1、B2)はストリップのスクロールに対して横方向にストリップの2つの面の両側に配置されており、前記ストリップを囲む強磁性ヨーク(C)によって接続されている。
【0038】
図5c、5dには、本発明のこの第2の実施形態による(磁気部材として)電磁部材を備えた脱液装置の別の2つの構成が示されている。
【0039】
特に図5b、5c及び5dでは、ストリップの両側にストリップのスクロールに対して横方向に配置された2つの半ループ(C1、C2)における強磁性ヨークの構成に従って、前記電磁部材(B1、B2、B3、B4)のいくつかの可能な配置が示されている。これらの例では、図4bに示されているように、磁場(B)がストリップを2回横切り、強磁性半ヨークによって磁場が補助的にチャネリングされることによって、磁場ループが形成される。
【0040】
電磁部材(B1、B2、B3、B4)はここでは1つ又は複数のヨーク(C、C1、C2)に属する誘導コイルであり、前記磁場を発生させ、磁力線を特にストリップとの最小の長さの交差を介してストリップの周りにチャネリングする。前記誘導コイルのうちの少なくとも1つへの供給電流を調節することにより、静磁場の強さは脱液の種類に応じて選ばれたパラメータに従って制御可能である。
【0041】
図5bでは、2つの誘導コイル(B1、B2)の各々がU字形の各半ヨーク(C1、C2)の中央に配置されている。図5cでは、2つの誘導コイル(B1、B2)の各々は、ストリップの両側で互いに向き合うU字形の各半ヨーク(C1、C2)の端部にある磁極(N、S)の近傍に配置されている。図5dでは、4つの誘導コイル(B1、B2、B3、B4)が図5bのモデルに従って2つの半ヨークの4つの端部に配置されている。
【0042】
各電磁部材(B1、B2)の最も近い極はここで互いに逆の磁気極性を有している。したがって、ストリップを横切ってこれらの極の間に磁力線を形成することが可能である。(「適切な極性」を有する図5a〜5d)。
【0043】
また、各電磁部材(B1、B2)のストリップに最も近い極が同じ磁気極性を有するようにすることも可能である。しかし、この構成では、磁力線とストリップとの交差の長さを最小化することがより難しくなる。しかし、このような構成にすれば、2つの電磁部材の少なくとも一方への直流電流の供給に影響を与えることで、極の間のストリップの位置を制御することが可能になる。したがって、ストリップの脱液と安定化の目的で、これら2つの構成(逆極性と同極性)のそれぞれをスクロールの方向に相次いで配置すると有利である。脱液は可能であるが、上記の逆極性の構成に比べて効率性が低くなる。
【0044】
図6には、本発明の第1の実施形態(図4b)の、磁気減速による液体金属コーティング被膜の脱液原理が示されている。ストリップ(1)は両面を液体被膜(図示せず)で覆われており、速度(V)の縦方向の垂直スクロールによって駆動される。2つの磁気部材(A1、A2)とそれらのヨーク(C1、C2)は、ストリップのそれぞれの側にストリップから所定の距離(e)だけ離れて幅方向に配置されている。なお、図示されているヨーク(C1、C2)の形状は純粋に例示のためのものである。これらの磁気部材とヨークは、磁場(B)がストリップ(1)を2回横切って2つの磁気部材内をループするように、一方の磁気部材(A1、A2)の北極(N)が他方の磁気部材の南極(S)の反対側に配置されている。静磁場(B)内でのストリップのスクロールは互いに逆極性の極の間に起電場(E)を、したがってまたストリップと液体被膜に電流を誘導し、そこにストリップのスクロールとは逆方向の磁気減速力(F)が生じる。
【0045】
図7には、本発明の第2の実施形態(図5b)の、距離安定化制御(又はストリップのセンタリング)を伴う磁気減速脱液原理が示されている。
【0046】
ここで、磁気部材の少なくとも1つは少なくとも1つの電磁部材(B1、B2)を含んでおり、この電磁部材の磁気容量は、
−ストリップの強制スクロールに対抗して、最初にストリップ上に置かれた金属コーティングの層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場を誘導する静電場(B)内に誘導するため、ならびに、
−有利には各磁気部材とストリップとの間の距離を等しくするために、
理想的にはここでは磁界を案内する電磁部材(C2)を含めた少なくとも1つの誘導コイル(B2)を制御する制御信号(Cc)を介してコマンドモジュール(MC)によって調節することができる。
【0047】
コマンドモジュール(MC)は誘導コイルの電流設定を調整するために下記の2つの信号、すなわち、
−ストリップと電磁部材(B1、B2)のうちの一方との間の距離を非接触測定する測定システム(ME)からの距離測定信号(Si)と、
−少なくとも1つの電磁部材の極における磁場測定器(MB)からの磁場測定信号
の少なくとも一方を受信する処理ユニットによって制御される。なお、上記磁場測定信号は距離値(e)と相関させることができる。
この相関に応じて、コマンドユニットは、鋼ストリップを極の間の決まった位置に保持し、コーティングをストリップの両面に可能な限り最良に分布させることができるように、少なくとも1つの電磁部材の誘導コイルにおける電流を設定する。
【0048】
電磁石の使用によって永久磁石よりも強い電磁場が得られるという事実に加えて、正確な制御も可能になる。特に、ストリップを2つの電磁部材の間の所定の位置に動的に保持することが可能になる。
【0049】
したがって、図4、5、6及び7で提示されているすべての装置が本発明による脱液方法、すなわち、浸漬金属被覆槽の出口で連続的にスクロールされるストリップの両面から被覆液体金属を脱液する方法を実行することができる。本発明による脱液方法において、ストリップは、槽から出ると、磁場にさらされていない領域を通って静磁場にさらされている別の領域へと移動する。この静磁場はストリップの各面に互いに向き合うように配置されている磁気部材(A1、A2、B1、B2)の極の間に形成され、その磁力線は、被覆液体金属が相関的に磁場変化にさらされ、この磁場変化によって液体金属のスクロール方向とは逆方向の力が前記液体金属上に生じるように、少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差する。静磁場とスクロールされるストリップとの相互作用がストリップと被覆液体金属の中にフーコー電流を発生させ、このフーコー電流が静磁場中を循環することで液体金属のストリップに対するスクロールに適度に抵抗するのに必要なローレンツ力が発生し、(強制)スクロールされるストリップに対する磁気減速効果が生じる。
【0050】
この磁気減速効果はストリップ内にほぼフーコー電流を生じさせず、表皮効果が存在しないため、磁場の連続的な性質によって液体被膜の効果的な脱液作用を実現するための電力の散逸が制限される。そのため、ストリップの加熱は非常に有利なことに無視できる。
【0051】
上記のように本発明の方法では、ストリップの両側に最も近く配置されている極は理想的には逆の極性を有している。この点が磁力線とストリップの交差の長さの最小化を促進し、有利にはストリップの磁気飽和効果の防止が可能になり、ストリップが極の下を通過するときの著しい磁場変化のおかげで高い脱液効率が実現される。近接する極の極性が同じである構成も可能であるが、望んだような脱液には効率が悪い。しかし、この構成は、誘導コイルへの直流電流の供給に影響を与えることにより、極の間のストリップの位置を制御できるという利点を有している。
【0052】
所望の脱液効果に関係する磁場(B)の強さは、単純に極とストリップの間の距離(e)を変化させることによって制御される。単純な独立型の磁気部材の場合、極は理想的には永久磁石の極である。
【0053】
また、この方法は有利には、
磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされるストリップと磁気的に制御可能な磁気部材として誘導コイルを備えた2つの電磁部材(B1、B2)(例えば電磁石)の少なくとも1つとの間の距離(e)を、理想的には非接触の直接的な測定によって求め、
2つの電磁部材の間にストリップをセンタリングしておくために、誘導コイルのうちの少なくとも1つへの直流電流の供給を制御する。このようにして、ストリップを横切る全磁束(図4〜7の実施例を参照)を定常的に保ち、この定常値の周りで微調整することができる。
【0054】
所望の脱液効果に関係する磁場(B)の強さを調節するために、誘導コイル(B1、B2)のうちの少なくとも1つへの直流電流の供給を制御される。これは方法を異なるストリップ及び/又はコーティングを適応させるために重要であり、また脱液システムをX線厚さゲージのような測定機器によるコーティング厚さ測定に従属させることができる。
【0055】
またこの方法において、
A)磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされるストリップと2つの電磁部材(B1、B2)の少なくとも1つとの間の距離(e)を、ストリップと2つの電磁部材の少なくとも1つとの間の空隙の効果により生じる変化に起因する磁場変化を測定することによって求める。上記の間接的な磁場測定の代わり又は補助として、距離(e)の直接的な測定も可能である。
B)少なくとも2つのグループの磁気部材がストリップの少なくとも一方の側の幅にわたって横方向に分布して配置されている。
磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合、誘導コイルの各給電電流は別々に制御される。よって、磁気部材間におけるストリップの位置制御が著しく容易になる。
C)少なくとも2つグループの磁気部材がストリップの両側においてストリップのスクロールの方向に沿って上下に分布して配置されている。
磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合、誘導コイルの各給電電流は別々に制御される。
【0056】
この磁気部材又は電磁部材の一連のグループにより、脱液効果を効果的に分布させることができ、ストリップ位置を制御することができる。
【0057】
本発明による脱液方法は、必要ならば、ストリップの表面へのガス噴流のような補助的な脱液方法と組み合わせて実行及び制御してもよい。また、ストリップのスクロールを安定させる補助的な方法と組み合わせて実行及び制御してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面から被覆液体金属を脱液する方法において、
前記ストリップが槽から出るとき、被覆液体金属で覆われた前記ストリップを磁場にさらされていない領域から静磁場にさらされている別の領域へと移動させる、ただし、前記静磁場は前記ストリップの両側に互いに向き合うように配置されている磁気部材(A1、A2、B1、B2)の極(N、S)の間に形成されており、前記静磁場の磁力線は、被覆液体金属が相関的に磁場変化にさらされ、この磁場変化によって液体金属のスクロール方向とは逆方向の力が前記液体金属上に生じるように、少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差している
ことを特徴とする被覆液体金属を脱液する方法。
【請求項2】
前記ストリップの両側で最も近くに配置されている極は理想的には互い逆の極性を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ストリップの両側で最も近くに配置されている極は理想的には互いに同じ極性を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記極と前記ストリップとの間の距離(e)を変化させることにより、所望の脱液効果に相応する前記磁場(B)の強さを制御する、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされる前記ストリップと前記磁気部材として誘導コイルを備えた2つの電磁部材(B1、B2)の少なくとも一方との間の距離(e)を理想的には非接触式の直接測定によって推定し、
前記2つの電磁部材の間における前記ストリップの位置を保持するために、前記誘導コイルのうちの少なくとも1つへの直流電流の供給を制御する、
請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
所望の脱液効果に相応する前記磁場(B)の強さを調節するために、前記誘導コイル(B1、B2)の少なくとも1つへの直流電流の供給を制御する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされる前記ストリップと前記2つの電磁部材(B1、B2)の少なくとも一方との間の距離(e)を、前記ストリップと前記2つの電磁部材の少なくとも一方との間の空隙の効果により生じる変化に起因する磁場変化を測定することによって求める、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
前記磁気部材の少なくとも2つのグループが前記ストリップの少なくとも一方の側の幅にわたって横方向に分布して配置されており、
前記磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合には、前記誘導コイルの各給電電流を別々に制御する、
請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記磁気部材の少なくとも2つグループが前記ストリップの両側において前記ストリップのスクロールの方向に沿って上下に分布して配置されており、
前記磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合には、前記誘導コイルの各給電電流を別々に制御する、
請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
例えば前記ストリップの表面へのガス噴流による補助的な脱液方法と組み合わせて実行及び制御される、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ストリップのスクロールを安定させる補助的な方法と組み合わせて実行及び制御される、請求項1から10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面から被覆液体金属を脱液する装置であって、前記槽の出口に、
少なくとも1つの第1の磁気部材(A1)が前記ストリップから所定の距離のところに前記ストリップの2つの面のうちの第1の面に対して横方向に配置されており、第2の磁気部材(A2)が前記ストリップからほぼ同じ距離のところに前記ストリップの2つの面のうちの第2の面に対して横方向に配置されており、
前記磁気部材(A1、A2)の極(N、S)は、当該極の間に少なくとも1つの最小の縦方向の長さにわたって前記ストリップと交差する主包絡面内に含まれた静磁場磁力線(B)が発生するように、前記ストリップの両側に互いに向き合うように分布して配置されている、
ことを特徴とする被覆液体金属を脱液する装置。
【請求項13】
前記各磁気部材(A1、A2)の最も近い極は互いに逆の極性(N、S)を有している、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記各磁気部材(A1、A2)の前記ストリップに最も近い極は互いに同じ極性を有している、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記各磁気部材(A1、A2)の前記ストリップから最も遠い極は、強磁性フレームヨークのような、前記ストリップの一部の周りに磁気案内ループを形成する外部磁場ガイド(C)によって結合されている、請求項13又は14記載の装置。
【請求項16】
前記各磁気部材(A1、A2、B1、B2)は前記ストリップのスクロールの方向に相次いで配置された2つの異なる極を含んでおり、これら2つの極は、磁場案内半ループを形成する強磁性フレームヨークの少なくとも一部分のような磁場ガイド(C1、C2)によって、少なくとも1つの磁石へと結合されており、前記半ループは前記ストリップの両側に互いに向き合うようにして配置されており、前記2つの極の各々はこれら2つの半ループの端部に配置されている、請求項13又は14記載の装置。
【請求項17】
前記2つの半ループが前記ストリップを横切って磁場(B)の閉ループ磁気案内を生じさせるように、前記半ループの端部において前記極は互いに逆の極性を有している、請求項13及び16に記載の装置。
【請求項18】
前記2つの半ループが前記ストリップを横切って磁場(B)の横方向の閉ループ磁気案内を生じさせるように、前記半ループの端部において前記極は互いに同じ極性を有している、請求項14及び16に記載の装置。
【請求項19】
前記各磁気部材は1つのストリップの幅に少なくとも等しい長さにわたって1ブロック又は複数ブロックだけ直線的に延びている、請求項12から18のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
1つのストリップの幅に少なくとも等しい長さにわたって直線的に延びているいくつかの磁気部材は前記ストリップのスクロール方向に沿って前記ストリップの両側に上下に分布して配置されている、請求項12から19のいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
前記磁気部材はガス噴流脱液装置のような補助器的な装置と結合されている、請求項12から20のいずれか1項記載の装置。
【請求項22】
前記磁気部材は補助的なストリップ安定化装置と結合されている、請求項12から21のいずれか1項記載の装置。
【請求項23】
前記各磁気部材は少なくとも1つの双極永久磁石部材(A1、A2)を含んでおり、該永久磁石部材の磁気容量は、前記ストリップの静磁場(B)内での強制スクロールに対抗して、最初に前記ストリップ上に置かれた金属被覆層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場(E)を誘導するように設定されている、請求項12から22のいずれか1項記載の装置。
【請求項24】
前記磁気部材の少なくとも1つは少なくとも1つの電磁部材(B1、B2)を含んでおり、該電磁部材の磁気容量は、
前記ストリップの強制スクロールに対抗して、最初にストリップ上に置かれた金属コーティング層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場を誘導する静電場(B)内に誘導するため、ならびに、
前記各磁気部材とストリップとの間の距離を等しくするために、
理想的には電磁部材(C2)を含めた少なくとも1つの誘導コイル(B2)を制御するコマンドモジュール(MC)によって調節可能である、請求項12から23のいずれか1項記載の装置。
【請求項25】
前記コマンドモジュール(MC)は前記誘導コイルの電流設定を調整するために下記の2つの信号の少なくとも一方、すなわち、
前記ストリップと前記電磁部材(B1、B2)のうちの1つとの間の距離(e)を非接触式に測定する測定システム(ME)からの距離測定信号(Si)と、
前記電磁部材の少なくとも1つの極における磁場測定器(MB)からの磁場測定信号
の少なくとも一方を受信する処理ユニットによって制御される、ただし前記磁場測定信号は距離値(e)と相関させることができる、請求項24記載の装置。
【請求項1】
浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面から被覆液体金属を脱液する方法において、
前記ストリップが槽から出るとき、被覆液体金属で覆われた前記ストリップを磁場にさらされていない領域から静磁場にさらされている別の領域へと移動させる、ただし、前記静磁場は前記ストリップの両側に互いに向き合うように配置されている磁気部材(A1、A2、B1、B2)の極(N、S)の間に形成されており、前記静磁場の磁力線は、被覆液体金属が相関的に磁場変化にさらされ、この磁場変化によって液体金属のスクロール方向とは逆方向の力が前記液体金属上に生じるように、少なくとも前記ストリップの縦方向の最小の長さにわたって交差している
ことを特徴とする被覆液体金属を脱液する方法。
【請求項2】
前記ストリップの両側で最も近くに配置されている極は理想的には互い逆の極性を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ストリップの両側で最も近くに配置されている極は理想的には互いに同じ極性を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記極と前記ストリップとの間の距離(e)を変化させることにより、所望の脱液効果に相応する前記磁場(B)の強さを制御する、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされる前記ストリップと前記磁気部材として誘導コイルを備えた2つの電磁部材(B1、B2)の少なくとも一方との間の距離(e)を理想的には非接触式の直接測定によって推定し、
前記2つの電磁部材の間における前記ストリップの位置を保持するために、前記誘導コイルのうちの少なくとも1つへの直流電流の供給を制御する、
請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
所望の脱液効果に相応する前記磁場(B)の強さを調節するために、前記誘導コイル(B1、B2)の少なくとも1つへの直流電流の供給を制御する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記磁力線内の少なくとも1点において、スクロールされる前記ストリップと前記2つの電磁部材(B1、B2)の少なくとも一方との間の距離(e)を、前記ストリップと前記2つの電磁部材の少なくとも一方との間の空隙の効果により生じる変化に起因する磁場変化を測定することによって求める、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
前記磁気部材の少なくとも2つのグループが前記ストリップの少なくとも一方の側の幅にわたって横方向に分布して配置されており、
前記磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合には、前記誘導コイルの各給電電流を別々に制御する、
請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記磁気部材の少なくとも2つグループが前記ストリップの両側において前記ストリップのスクロールの方向に沿って上下に分布して配置されており、
前記磁気部材が誘導コイルを備えた電磁部材である場合には、前記誘導コイルの各給電電流を別々に制御する、
請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
例えば前記ストリップの表面へのガス噴流による補助的な脱液方法と組み合わせて実行及び制御される、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ストリップのスクロールを安定させる補助的な方法と組み合わせて実行及び制御される、請求項1から10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
浸漬金属被覆槽の出口で縦方向に連続的にスクロールされる鋼ストリップ(1)の両面から被覆液体金属を脱液する装置であって、前記槽の出口に、
少なくとも1つの第1の磁気部材(A1)が前記ストリップから所定の距離のところに前記ストリップの2つの面のうちの第1の面に対して横方向に配置されており、第2の磁気部材(A2)が前記ストリップからほぼ同じ距離のところに前記ストリップの2つの面のうちの第2の面に対して横方向に配置されており、
前記磁気部材(A1、A2)の極(N、S)は、当該極の間に少なくとも1つの最小の縦方向の長さにわたって前記ストリップと交差する主包絡面内に含まれた静磁場磁力線(B)が発生するように、前記ストリップの両側に互いに向き合うように分布して配置されている、
ことを特徴とする被覆液体金属を脱液する装置。
【請求項13】
前記各磁気部材(A1、A2)の最も近い極は互いに逆の極性(N、S)を有している、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記各磁気部材(A1、A2)の前記ストリップに最も近い極は互いに同じ極性を有している、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記各磁気部材(A1、A2)の前記ストリップから最も遠い極は、強磁性フレームヨークのような、前記ストリップの一部の周りに磁気案内ループを形成する外部磁場ガイド(C)によって結合されている、請求項13又は14記載の装置。
【請求項16】
前記各磁気部材(A1、A2、B1、B2)は前記ストリップのスクロールの方向に相次いで配置された2つの異なる極を含んでおり、これら2つの極は、磁場案内半ループを形成する強磁性フレームヨークの少なくとも一部分のような磁場ガイド(C1、C2)によって、少なくとも1つの磁石へと結合されており、前記半ループは前記ストリップの両側に互いに向き合うようにして配置されており、前記2つの極の各々はこれら2つの半ループの端部に配置されている、請求項13又は14記載の装置。
【請求項17】
前記2つの半ループが前記ストリップを横切って磁場(B)の閉ループ磁気案内を生じさせるように、前記半ループの端部において前記極は互いに逆の極性を有している、請求項13及び16に記載の装置。
【請求項18】
前記2つの半ループが前記ストリップを横切って磁場(B)の横方向の閉ループ磁気案内を生じさせるように、前記半ループの端部において前記極は互いに同じ極性を有している、請求項14及び16に記載の装置。
【請求項19】
前記各磁気部材は1つのストリップの幅に少なくとも等しい長さにわたって1ブロック又は複数ブロックだけ直線的に延びている、請求項12から18のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
1つのストリップの幅に少なくとも等しい長さにわたって直線的に延びているいくつかの磁気部材は前記ストリップのスクロール方向に沿って前記ストリップの両側に上下に分布して配置されている、請求項12から19のいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
前記磁気部材はガス噴流脱液装置のような補助器的な装置と結合されている、請求項12から20のいずれか1項記載の装置。
【請求項22】
前記磁気部材は補助的なストリップ安定化装置と結合されている、請求項12から21のいずれか1項記載の装置。
【請求項23】
前記各磁気部材は少なくとも1つの双極永久磁石部材(A1、A2)を含んでおり、該永久磁石部材の磁気容量は、前記ストリップの静磁場(B)内での強制スクロールに対抗して、最初に前記ストリップ上に置かれた金属被覆層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場(E)を誘導するように設定されている、請求項12から22のいずれか1項記載の装置。
【請求項24】
前記磁気部材の少なくとも1つは少なくとも1つの電磁部材(B1、B2)を含んでおり、該電磁部材の磁気容量は、
前記ストリップの強制スクロールに対抗して、最初にストリップ上に置かれた金属コーティング層に合わせた脱液減速を生じさせることのできる少なくとも1つの起電場を誘導する静電場(B)内に誘導するため、ならびに、
前記各磁気部材とストリップとの間の距離を等しくするために、
理想的には電磁部材(C2)を含めた少なくとも1つの誘導コイル(B2)を制御するコマンドモジュール(MC)によって調節可能である、請求項12から23のいずれか1項記載の装置。
【請求項25】
前記コマンドモジュール(MC)は前記誘導コイルの電流設定を調整するために下記の2つの信号の少なくとも一方、すなわち、
前記ストリップと前記電磁部材(B1、B2)のうちの1つとの間の距離(e)を非接触式に測定する測定システム(ME)からの距離測定信号(Si)と、
前記電磁部材の少なくとも1つの極における磁場測定器(MB)からの磁場測定信号
の少なくとも一方を受信する処理ユニットによって制御される、ただし前記磁場測定信号は距離値(e)と相関させることができる、請求項24記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−503101(P2012−503101A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528382(P2011−528382)
【出願日】平成20年9月23日(2008.9.23)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001322
【国際公開番号】WO2010/034892
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(503087245)シーメンス ヴェ メタルス テクノロジーズ エスアーエス (19)
【氏名又は名称原語表記】Siemens VAI Metals Technologies SAS
【住所又は居所原語表記】51 rue Sibert, F−42400 Saint−Chamond, France
【出願人】(500379381)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシャルシュ シアンティフィク (17)
【氏名又は名称原語表記】Centre National de la Recherche Scientifique
【住所又は居所原語表記】3 rue Michel Ange, FR−75016 Paris, France
【出願人】(511074280)
【氏名又は名称原語表記】L’Institut polytechnique de Grenoble
【住所又は居所原語表記】46, avenue Felix Viallet, F−38031 Grenoble Cedex, France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月23日(2008.9.23)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001322
【国際公開番号】WO2010/034892
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(503087245)シーメンス ヴェ メタルス テクノロジーズ エスアーエス (19)
【氏名又は名称原語表記】Siemens VAI Metals Technologies SAS
【住所又は居所原語表記】51 rue Sibert, F−42400 Saint−Chamond, France
【出願人】(500379381)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシャルシュ シアンティフィク (17)
【氏名又は名称原語表記】Centre National de la Recherche Scientifique
【住所又は居所原語表記】3 rue Michel Ange, FR−75016 Paris, France
【出願人】(511074280)
【氏名又は名称原語表記】L’Institut polytechnique de Grenoble
【住所又は居所原語表記】46, avenue Felix Viallet, F−38031 Grenoble Cedex, France
【Fターム(参考)】
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