説明

液体の改質装置、導電率管理装置、酸化還元電位管理装置。

【課題】本発明は液体の改質装置や導電率管理装置、酸化還元電位管理装置を効率良い装置にすることにある。
【解決手段】液体中に複数の電極を配置し電極間にパルス電圧又は位相電圧を印加または停止し、液体の導電率や酸化還元電位を計測制御して目的値とする。液体内(主に水)の不純物を集め廃棄機構を設けた。ポンプを設けて流速を上げ効率を上げる。磁石および/またはトルマリンやセラミック等の遠赤外線放射物質を設けて効率良く改質した流体を作れる。液体が凍結しないように温度検知制御機構を設けて温度警報を出し、ポンプで水流を起こし凍結防止する。水位センサーを設け水位警報も出力し必要な場合のみ装置を動かす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体の改質装置や導電率管理装置、酸化還元電位管理装置に関し、また前記装置のシステム化に関する。液体内不純物の廃棄方法と凍結防止方法、水位判断方法の装置にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第2611080号
【特許文献2】特許出願2002−327655:特許公開2004−160316
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の液体の改質装置(特許第2611080号)は、次のような不具合がある。
【0004】
導電率および/または酸化還元電位を計測する機構は無く液体を目的の酸化還元電位および/または導電率に制御することは出来なかった。電極に印加するパルス幅,パルス回数、パルス休止時間、電圧や流速、電極間隔を制御する機構を設けていなかった。電極間に理想的なパルス電圧又は位相電圧を印加出来ないので効率よく液体の改質が効率良く行えなかった。
【0005】
排水と給水機構も無く目的の導電率や酸化還元電位に制御することは出来なかった。よって無駄な電気が消費された。
【0006】
電極に付着または集められたスケール等の不純物を排水時に電気的および/または物理的に遊離させ廃棄する方法はなく、接地電極である第3の電極に改質する水に含まれているカルシウム分等のスケールが大量に付着して、第3の電極の交換やスケール落しの作業を頻繁に行なわなければ液体の改質が十分に行なえないという欠点があった。
【0007】
ポンプ等の液体の移動する機構は無く電極内部でのみ改質が行われ、大きな水槽等の液体を改質するには時間がかかった。磁石および/またはトルマリンやセラミック等の遠赤外線放射物質を設けていなかったので、電気代等は多く消費された。
【0008】
液体の温度センサーは無く、警報出力や、効率良い凍結防止の手段を持っていなかった。
【0009】
液体の水位を判断する機構は無く、水位低下時に警報出力や自動でパルス印加停止やポンプ停止をすることは出来なかった。
【0010】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、液体を効率良く改質できる液体の改質装置、導電率管理装置、酸化還元電位管理装置を提案することを目的としている。
【0011】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より明確となる。
ただし、図面は解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではありません。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、
請求項1発明の、液体中に複数の電極を配置し、導電率および/または酸化還元電位を計測し電極に印加するパルス幅,パルス回数、パルス休止時間、電圧や流速、電極間隔を制御する機構、排水と給水機構を付加した。
【0013】
請求項2発明の装置の電極に付着または集められたスケール等の不純物を排水時に電気的および/または物理的に遊離させる機構を設けた。
【0014】
請求項3発明の装置内部の液体が流速の無いあるいは遅い配管や水槽、タンクの場合にポンプを設けることおよび/または、磁石および/またはトルマリンやセラミック等の遠赤外線放射物質を設けた。
【0015】
請求項4発明のポンプを利用して液体が凍結しないようにポンプ内部および/または水槽内に温度センサーを取り付けて液温を判断しポンプで水流を起こし液体の凍結を防止する機構や水温の上下限の警報や水温の値を出力出来る機構を設けた。
【0016】
請求項5発明の液体の水位を判断する機構を設けた。
【発明の効果】
【0017】
液体の改質装置、導電率管理装置、酸化還元電位管理装置は効率よく目的の値に制御が出来る。また、従来の装置は単体の機能しか持っておらず、温度センサーや水位センサー等複数の装置が必要であった。例えば、冷却塔に使用している導電率管理装置には温度センサーを内臓しているが凍結や異常温度等の温度警報の出力はなかった。また、導電率検知電極で水位を判断することも可能でしたが、水位警報等の機能は持っていなかった。よって冷却塔では温度センサーや水位センサーを必要に応じて別に購入していた。本発明ではシステムとして設計することで大きなコストダウンと製作時の作業効率が改善された。
【0018】
請求項1発明の、液体中に複数の電極を配置し、導電率および/または酸化還元電位を計測し電極に印加するパルス幅,パルス回数、パルス休止時間、電圧や流速、電極間隔を制御する機構、排水と給水機構を付加して目的の導電率や酸化還元電位に制御することが出来る。
【0019】
請求項2発明の装置の電極に付着または集められたスケール等の不純物を排水時に電気的および/または物理的に遊離させ廃棄できるので目的の導電率や酸化還元電位に制御することが出来る。
【0020】
請求項3発明の装置内部の液体が流速の無いあるいは遅い配管や水槽、タンクの場合にポンプを設けることおよび/または、磁石および/またはトルマリンやセラミック等の遠赤外線放射物質を設け、ポンプで改質作用のある部位(電極、磁石、遠赤外線放射物質)に接する流速を上げて効率良く改質した流体をつくることが出来る。
【0021】
請求項4発明のポンプを利用して液体が凍結しないようにポンプ内部および/または水槽内に温度センサーを取り付けて液温を判断しポンプで水流を起こし液体の凍結を防止する。または必要に応じて水温の上下限の警報や水温の値を出力が出来る。
【0022】
請求項5発明の液体の水位を判断する機構を設けて水位低下時に警報出力や自動でパルス印加停止やポンプ停止をすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、図面を参照して、本発明の液体の改質装置、導電率管理装置、酸化還元電位管理装置の実施の形態を説明する。
最良の形態とは、目的に応じて必要最小限にセンサーや計測回路を選択したものである。例えば導電率管理のみが必要なら酸化還元電位関連のセンサーや回路は不要になる。
【実施例1】
【0024】
図1はブロック図で液体が入った水槽又はタンク30に本発明の装置を取り付けた図である。
本発明の装置は液体中に複数の電極21と導電率センサー16、酸化還元電位センサー17、ポンプ18、水位センサー19、温度センサー20が配置される。
【0025】
複数の電極21は基本装置では2極をペアで1(計2個)〜3組(計6個)用いるが、3極で順番に制御するや必要に応じてアース電極や低電圧電極を設けることもある。また、循環が行われている場合はその経路や出入口、出入口付近、ストレーナ内部、ストレーナ付近の流速がある効果的なところに設けることも考えられる。
【0026】
本発明の装置本体50はマイコン1、電源2、キーボード3、表示装置4、通信回路5、計測データ出力回路6、パルス発生回路7、導電率計測回路8、酸化還元電位計測回路9、ポンプ駆動回路10、水位計測回路11、温度計測回路12、電磁弁駆動回路13、水位警報回路20、温度警報回路21で構成される。それぞれの回路はマイコン1にはROMとRAMのメモリが内臓されている。ROMメモリ内のプログラムにて制御される。
水槽又はタンク30内に設置された各センサーは、図1に示す様に各計測回路に接続されている。各センサーや計測回路、警報回路、通信回路5、計測データ出力回路6、パルス発生回路7は目的に応じて装置本体50の構成から外すことも考えられる。
【0027】
キーボード3は複数のスイッチで構成されている。目的の導電率や酸化還元電位を設定するや温度や水位の警報の値を設定することや動作プログラムの設定に用いる。設定値はマイコン1のメモリに記憶される。動作プログラムとは導電率のみの制御や酸化還元電位のみの制御、両方の制御等が考えられる。
【0028】
表示装置4は液晶やLEDで構成されてキーボード3でマイコン1のメモリに記憶設定した値や計測したデータや警報等を表示することに用いる。
【0029】
導電率センサー16は導電率計測回路8に接続される。導電率計測回路8は主に電流/電圧変換器とA/Dコンバターで構成されており電流値データとしてマイコン1に内のメモリのプログラムで温度データにより補正計算して、導電率としてメモリに記憶する。また、A/Dコンバターはマイコン1に内臓されている場合もある。
酸化還元電位センサー17は酸化還元電位計測回路9に接続される。酸化還元電位計測回路8は主にA/Dコンバターで構成されておりマイコン1で計算補正して、酸化還元電位としてメモリに記憶する。酸化還元電位計や導電率計は1つの方式を代表して記したものであり、他の方式とすることも考えられる。
【0030】
電極21に印加するパルス幅,パルス回数、パルス休止時間、電圧や流速、電極間隔はキーボード3で設定された導電率や酸化還元電位の値と測定した値をマイコン1で判断してトランジスタまたはFET、GPIB等で構成されたパルス発生回路7を制御する。一般的に導電率と酸化還元電位を低くする時は、パルス幅は小さく、パルス回数は多く、パルスは休止せず連続的に、電圧は高い方へ、流速は速くなる方向へ、電極間隔は狭い方向へ制御される。導電率と酸化還元電位を高くする場合は逆に制御する。周波数は停止から100kHz。電圧は0から200Vの範囲としている。電極21はステンレスやチタン、リチウム、アルミニウム等の金属としている。
【0031】
導電率が高い場合は、マイコン1が判断して電磁弁駆動回路13のリレーや電子スイッチ等が働き給水電磁弁14が働きバルブ15を開き給水が行われる。給水が行われると液面33が上昇しオバーフロー菅23より排水35される。よって導電率は低い方へ誘導される。給水電磁弁14は電動弁にすることも考えられる。導電率は0から999mS/mの範囲で制御する。
酸化還元電位はタンクに薬剤を入れポンプで注入して制御することも考えられる。酸化還元電位は−999mVから+999mVの範囲で制御する。
【0032】
水位センサー19は水位計測回路11に接続される。水位は電極21の電流値で判断することやリードスイッチ型のセンサーを使用することが考えられる。
水位が低いとマイコン1が判断したらリレーや電子スイッチ等を駆動して警報を出す。また、電極への出力を停止することも考えられる。
【0033】
温度センサー20はサーミスターやIC温度センサー等が考えられ、温度計測回路12に接続される。温度データは導電率等の計測値の補正や高温低温等の警報出力に使用されます。警報はマイコン1が判断してリレーや電子スイッチ等を駆動して警報を出す。
【0034】
ポンプ18はポンプ駆動回路10に接続される。ポンプ駆動回路10はリレーや電子スイッチで構成される。ポンプ18の水流34が当る所(液体の入口または出口等)に磁石/遠赤放射物質22を設ける。また、水流34を電極21にも当てて液体の改質を効果的に行うことも考えられる。水流を発生させることで凍結防止にもなるが、寒冷地ではヒータと併用することもある。凍結防止時のポンプの起動は温度センサー20を使うことやポンプ内のサーモスイッチにて自動起動することも考えられる。
【0035】
通信回路5は主に導電率や等の計測データや各設定値データをパソコン等送受信するものである。計測データ出力回路6は導電率や酸化還元電位等の計測データをアナログ値で出力するものであり、データロガ−等に接続されデータを収集出来る。通信回路5と計測データ出力回路6は必要に応じて取り付く。
【0036】
本発明を飲用とする場合は、水槽の中間よりやや下の位置に蛇口を取り付け使用する。又は出口菅を取り付けてバルブで制御することも考えられる。
【実施例2】
【0037】
図2は、請求項2の項目を主に説明したものである。
オバーフロー菅23の途中に液体が排水35されるときは必ず、電極21の経路を通過する構造とする。過導電率が高い場合は、マイコン1が判断して電磁弁駆動回路13のリレーや電子スイッチ等が働き給水電磁弁14が働きバルブ15を開き給水が行われ液面33が上昇する。電極21にパルスを印加することで電極21付近に集められたスケール等の不純物はオバーフロー菅23の上部より排水35される。これにより電極21にスケールが付着すること無く効率的に廃棄され、導電率は下がる。排水時はオバーフロー菅23側の電極21をグランド付近するか、低電位の交流とし、循環水の出入口の電極B24を高電圧高周波にすることも考えられる。
オバーフロー菅23側の電極21の上側を水槽又はタン30の下限警報位置として電流値の変化で警報することも出来る。
【0038】
図2は、また2組の電極を配置した例であり、循環水の出入口に電極B24を設けている。電極21や電極B24を循環水経路の他の部分に取り付けることも考えられる。
また、アース電極を設け排水時に電極21に付着したスケール等の不純物をブラシ等で物理的に遊離させ廃棄することも考えられる。
図2は代表例であり、特許範囲を制約するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本出願の発明は、液体の改質装置または導電率管理装置や酸化還元電位管理装置に関するものである。
【0040】
冷却塔の循環水の導電率管理に用いることが出来る。
【0041】
凍結防止ポンプに応用出来る。
【0042】
ポンプ流速向上機能の液体の改質装置は燃料の改質に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】請求項1から5の発明を示す全体構成図である。
【0044】
【図2】請求項2の構造を示す図である。(電気廃棄方式の代表例)
【符号の説明】
【0045】
1 マイコン
2 電源
3 キーボード
4 表示機構
5 通信回路
6 計測データ出力回路
7 パルス発生回路
10 ポンプ駆動回路
11 水位計測回路
12 温度計測回路
13 電磁弁駆動回路
14 給水電磁弁
15 バルブ
16 導電率センサー
17 酸化還元電位センサー
18 ポンプ
19 水位センサー
20 温度センサー(ICセンサー、サーミスター)
21 電極
22 磁石/遠赤放射物質
23 オバーフロー菅
24 電極B
30 水槽 又は タンク
31 給水
32 電極
33 液面
34 水流
35 排水
50 装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中に複数の電極を配置し、導電率電位および/または酸化還元電位を計測し電極に印加するパルス幅,パルス回数、パルス休止時間、電圧や流速、電極間隔を制御する機構、排水と給水機構を付加して目的の導電率や酸化還元電位に制御することを特徴とする液体の改質装置または導電率管理装置や酸化還元電位管理装置のシステムや1部機能。
【請求項2】
請求項1の装置の電極に付着または集められたスケール等の不純物を排水時に電気的および/または物理的に遊離させ廃棄する方法。
【請求項3】
請求項1から請求項2の装置内部の液体が流速の無いあるいは遅い配管や水槽、タンクの場合にポンプを設けることおよび/または、磁石および/またはトルマリンやセラミック等の遠赤外線放射物質を設け、ポンプで改質作用のある部位(電極、磁石、遠赤外線放射物質)に接する流速を上げて効率良く改質した流体をつくる方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の効率よく改質する為のポンプを利用して液体が凍結しないようにポンプ内部および/または水槽内に温度センサーを取り付けて液温を判断しポンプで水流を起こし液体の凍結を防止する。または必要に応じて水温の上下限の警報や水温の値を出力する方法。温度計測に関しては、導電率計を設けた場合は導電率計の温度計測機能を用いる。
【請求項5】
請求項1から請求項4の装置に水位をセンサーや電極の電流値や導電率管理装置や酸化還元電位管理装置の計測値で判断する。液体の水位を判断する機構を設けて水位低下時に警報出力や自動でパルス印加停止やポンプ停止をする方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−326374(P2006−326374A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148858(P2005−148858)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(399013225)
【Fターム(参考)】