説明

液体タンク及び貯水タンク

【課題】貯水タンクの着脱のし易さを考慮して、貯水タンクをタンク室の所定位置へ挿入したとき、落ち込みによって可動バルブが上昇して開閉バルブが開く形態とする場合、タンク室の上下寸法を小さくして、小型化するように制限した設計とする場合、可動バルブの上昇ストロークが小さくても、貯水タンク内の空気逃がしが良好に行える構成とする。
【解決手段】貯水タンクの底壁に取り付けられる開閉バルブは、上辺とその左右端部から垂下した左右辺を備えたバネホルダと、給水路を開閉する可動バルブと、バネホルダと可動バルブに支えられたバネが、貯水タンク内方へ立設されるバルブハウジング内に設けられ、バネホルダは左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ空間領域を形成し、貯水タンクの挿入と落ち込みにて可動バルブが上昇して給水路を開く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体タンクまたは貯水タンクを所定位置へ挿入したとき、落ち込みによって可動バルブが上昇して開き、タンク内の液体が外部へ供給される形態に関する。その一つとして、冷凍冷蔵庫の上面に除菌ユニットを設置し、その周辺の空気の除菌を行うようにする場合、この除菌ユニットへの給水用として適した液体タンクまたは貯水タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
次亜塩素酸を含有する電解水が除菌作用をすることは周知であり、冷蔵庫内の野菜室へ入る冷気中の雑菌を除菌するために、上水道を電気分解して次亜塩素酸を生成し、この次亜塩素酸を含有する電解水を超音波振動子によって霧化し、この霧化した霧を送風機によって循環する冷気と共に野菜室内に循環させて、野菜の除菌効果を図る技術がある。(特許文献1)。
【0003】
また、冷蔵庫本体の上面に冷蔵庫が設置された室内の空気を浄化する空気清浄機を取り付けたものがある。この空気清浄機は、ケースの中央部に送風装置が配置され、その左右両側にフィルタが配置され、空気清浄機の左右側面に形成した空気吸い込み口から室内の空気をこのフィルタを通して吸い込み、送風機の後方から送風機を通って空気清浄機の前面の吐出口から浄化した空気を送出するものである。(特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−214758号公報
【特許文献2】特開2006−23075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものは、霧化した電解水によって冷蔵庫内の所要の部分の除菌作用を行うもので効果がある。また、特許文献2のものは、冷蔵庫が設置された室内の空気をフィルタによって浄化するものである。しかし、冷蔵庫が設置されるキッチン(台所や調理場等)領域の空気中の除菌には関知していない。
【0005】
本発明は、液体タンクまたは貯水タンクを所定位置へ挿入したとき、落ち込みによって可動バルブが上昇して開き、タンク内の液体が外部へ供給される形態に関する。その一つとして、冷凍冷蔵庫の上面に除菌ユニットを設置し、その周辺の空気の除菌を行うようにする場合、この除菌ユニットへの給水用の液体タンクまたは貯水タンクを出し入れし易くするために、液体タンクまたは貯水タンクの厚さを薄くできる構成を提供する。
【0006】
この場合、液体タンクまたは貯水タンクの着脱のし易さを考慮して、液体タンクまたは貯水タンクを除菌ユニットのタンク室の所定位置へ挿入したとき、落ち込みによって可動バルブが上昇して開き、液体タンクまたは貯水タンク内の液体または水が下部の貯水部へ供給される形態とする。その場合、タンク室の上下寸法を小さくして、小型化するように制限した設計とする場合、液体タンクまたは貯水タンクの上下寸法も小さくなり、可動バルブの上昇ストロークが小さくなり、貯水部の空気の逃げが悪くなるが、本発明では、可動バルブの上昇ストロークが小さくても、液体タンクまたは貯水タンクの空気逃がしが良好に行える構成とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の液体タンクは、底部に開閉バルブを備え前記開閉バルブが開いて内部の液体が外部に供給される液体タンクにおいて、前記開閉バルブは、上辺とその左右端部から垂下した左右辺を備えた門状のバネホルダと、流路を開閉する可動バルブと、上端が前記バネホルダに支えられ下端が前記可動バルブに支えられたバネが、前記液体タンク内方へ立設されるバルブハウジング内に設けられて前記可動バルブの上昇にて流路を開く構成であり、前記バネホルダは前記左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ部分として機能する空間領域を形成したことを特徴とする。
【0008】
第2発明の貯水タンクは、底部に開閉バルブを備え前記開閉バルブが開いて内部の水が外部に供給される貯水タンクにおいて、前記開閉バルブは、上辺とその左右端部から垂下した左右辺を備えた門状のバネホルダと、給水路を開閉する可動バルブと、上端が前記バネホルダに支えられ下端が前記可動バルブに支えられたバネが、前記貯水タンク内方へ立設されるバルブハウジング内に設けられて前記可動バルブの上昇にて給水路を開く構成であり、前記バネホルダは前記左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ部分として機能する空間領域を形成し、前記バルブハウジングの外周部には雄ネジが形成され、前記貯水タンクの底壁には前記雄ネジと螺合する雌ネジを形成した取り付け部が前記貯水タンク内方へ立設され、前記雄ネジと前記雌ネジの螺合によって前記バルブハウジングが前記貯水タンクに取り付けられた状態で連通する通水孔を、前記バルブハウジングの外周部と前記取り付け部に形成し、前記貯水タンクが所定位置へ挿入されたときの落ち込みによって前記可動バルブが上昇して前記給水路を開くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明では、バルブハウジングに収納された状態で給水路を閉じるようにバネ付勢された可動バルブが、液体タンク内に配置されるため、液体タンクの厚さが薄くなり、液体タンクの収納部の高さが狭い箇所に適用するものに適する。また、バネホルダは左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ部分の空間領域が存在するため、液体タンクを所定位置へ挿入したとき、落ち込みによって可動バルブが上昇して開閉バルブが開く形態とする場合、タンク室の上下寸法を小さくして、可動バルブの上昇ストロークが小さくても、液体タンク内の空気は、このバネホルダの両側の空間領域から良好に逃げるようになり、逃がしが良好に行える構成となるものである。このため、冷凍冷蔵庫の上面に除菌ユニットを設置し、その周辺の空気の除菌を行うようにした場合、この除菌ユニットへの給水として、本発明の液体タンクを除菌ユニットに収納する場合、床から高い場所に設置した除菌ユニットへの液体タンクの挿入と取り出しがし易いものとなる。
【0010】
第2発明では、第1発明の効果に加えて、開閉バルブは貯水タンクとネジ結合されるため、開閉バルブを取り外すことによって、貯水タンク内への補給水の給水ができる構成となり、更に、開閉バルブ内の清掃や修理点検が容易な構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の液体タンクまたは貯水タンクは、底部に開閉バルブを備え前記開閉バルブが開いて内部の液体が外部に供給される液体タンクまたは貯水タンクであり、前記開閉バルブは、上辺とその左右端部から垂下した左右辺を備えた門状のバネホルダと、流路を開閉する可動バルブと、上端が前記バネホルダに支えられ下端が前記可動バルブに支えられたバネが、前記液体タンクまたは貯水タンクの内方へ立設されるバルブハウジング内に設けられて前記可動バルブの上昇にて流路を開く構成であり、前記バネホルダは前記左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ部分として機能する空間領域を形成したものである。以下に、本発明の液体タンクまたは貯水タンクの技術を除菌ユニットに適用した場合の構成を記載する。その場合、本発明の液体タンクまたは貯水タンクは、構成が共通するため、名称は貯水タンクとして記載することとする。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の貯蔵庫を冷凍冷蔵庫とした実施の形態について説明する。図1は除菌ユニット10を上面に載置した冷凍冷蔵庫1の正面図、図2は除菌ユニットを上面に載置した冷凍冷蔵庫の上面斜視図、図3は除菌ユニット10の制御部50の拡大正面図、図4は除菌ユニット10の制御部50の拡大底面図、図5は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを略45度開いた上面斜視図、図6は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを略全開した上面斜視図、図7は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを開いた状態で吸い込みフィルタと貯水タンクを前方へ引き出した状態を示す上面斜視図、図8は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の中央部縦断側面図、図9は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを略45度開いた状態の中央部縦断側面図、図10は除菌ユニット10からカセットを取り出した状態を示す上面斜視図、図11は回動カバーが開き貯水タンクと吸い込みフィルタを外し除菌ユニットからカセットを取り出した状態を示す上面斜視図、図12は除菌ユニット10前面の化粧パネル30の左右両側部を取り外した状態を示す上面斜視図、図13は除菌ユニット10前面の化粧パネル30の左側部を取り外した状態を示す拡大上面斜視図、図14は除菌ユニット10の上蓋とカセットの上蓋を外した状態の平面図、図15は除菌ユニット10の上蓋とカセットの上蓋を外した状態の上面斜視図、図16は除菌ユニット10の主要部を分解した分解上面斜視図、図17は除菌ユニット10を細部まで分解した分解上面斜視図、図18は除菌ユニット10のカセットの上面斜視図、図19は除菌ユニット10のカセットを分解した分解上面斜視図、図20は除菌ユニット10の上蓋とカセットの上蓋が外され貯水タンクを前方へ引き出した状態の左前方斜視図、図21は除菌ユニット10の上蓋とカセットの上蓋が外され貯水タンクを前方へ引き出した状態の右前方斜視図、図22は取り外した開閉バルブと貯水タンクの下方斜視図、図23は開閉バルブを取り付けた貯水タンクの下方斜視図、図24は開閉バルブのバルブハウジングの上面斜視図、図25は開閉バルブの上面斜視図、図26は開閉バルブの上面図、図27は開閉バルブの底面図、図28は開閉バルブの分解斜視図、図29は貯水タンクと開閉バルブの分解斜視図、図30は開閉バルブの内部構造と貯水タンクの開閉バルブ取り付け部の関係を示す縦断側面図、図31は図30の開閉バルブを貯水タンクに取り付けた状態の縦断側面図、図32は図31の状態の開閉バルブの可動バルブが貯水部の突起によって押上げられた状態を示す縦断側面図、図33は開閉バルブと貯水タンクの通水部の関係を示す貯水タンクと開閉バルブの縦断側面図、図34は図33の開閉バルブを貯水タンクに取り付けた状態の通水部の構造を示す縦断側面図、図35は図34の状態の開閉バルブの可動バルブが貯水部の突起によって押上げられた状態を示す縦断側面図、図36は貯水タンクに開閉バルブが取り付けられ状態での通水孔の連通状態を説明する平面図、図37は除菌ユニットのタンク室入口へ貯水タンクを臨ませた状態の縦断側面図、図38はタンク室入口へ貯水タンクを挿入し始めた状態の縦断側面図、図39はタンク室内へ貯水タンクが挿入され貯水タンクの突条がタンク室の落ち込み部へ差し掛かった状態の縦断側面図、図40は貯水タンクの突条がタンク室の落ち込み部へ落ち込んでタンク室内へ貯水タンクがセットされた状態の縦断側面図である。
【0013】
本発明に係る除菌ユニット10を貯蔵庫として代表的な一つである冷凍冷蔵庫1の上に載置する実施例について説明する。冷凍冷蔵庫1は、前面開口の冷凍冷蔵庫本体(貯蔵庫本体)2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷凍冷蔵庫本体2は外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に発泡断熱材を充填した断熱構造である。冷凍冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、横並びの製氷室SHと補助冷凍室5H、冷凍室5、野菜室4が区画されて設けられている。冷蔵室3の前面開口は、冷凍冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置HJによって支持された左右の扉7A、7Bによって開閉可能であり、扉7A、7Bは、それぞれに備えた握り取っ手7A1、7B1によって横開き(通称、観音開き)できる構成である。
【0014】
製氷室SHは内部に自動製氷機(図示せず)が設置され、この自動製氷機で造られる氷を溜める貯氷容器を一緒に引き出す引き出し式扉SHAによって、製氷室SHの前面開口は開閉される。補助冷凍室5Hの前面開口は、補助冷凍室5H内の食品貯蔵容器(図示せず)を一緒に引き出す引き出し式扉5HAによって開閉される。野菜室4の前面開口は、レールとローラの組み合わせによる支持装置によって、野菜容器(図示せず)と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉8によって開閉される。冷凍室5の前面開口は、野菜室4と同様に、冷凍室5内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、冷凍室容器(図示せず)を一緒に引き出す引き出し式扉9によって開閉される。各前面扉7、8、9、SHA、5HAの裏面周縁には、冷凍冷蔵庫本体2の前面開口周縁に吸着する磁石入りガスケット42が設けられており、これら扉7、8、9、SHA、5HAと冷凍冷蔵庫本体2との間の冷気シール構造を形成している。
【0015】
除菌ユニット10は、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された周辺空気の除菌を行うのに適したものである。除菌ユニット10の基本構成は、上水道水を溜める貯水タンク12と、この貯水タンク12から供給される水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極14を備えた電解部15と、この電解部15で生成された電解水が導入される水受け部18と、この水受け部18の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部17B間に水平方向の空気通路17Aを形成した除菌エレメント17と、空気通路17Aを通過する強制風を発生させる送風機20がハウジング11に備えられた構成である。
【0016】
除菌ユニット10は、除菌ユニット10への給水のし易さを考慮して、貯水タンク20が前面から除菌ユニット10内に着脱できる構成である。また、除菌ユニット10内へ進入する空気中の塵埃を除去して、除菌エレメント17の空気通路17A等が塵埃で塞がらないようにして、除菌ユニット10の長時間稼動を良好に保つためには、空気吸い込み口に吸い込みフィルタを設ければよい。この場合、吸い込みフィルタは、前面から除菌ユニット10内に着脱できる構成でなくてもよいが、実施例では、除菌ユニット10への給水のし易さと吸い込みフィルタ21の清掃や交換のし易さ等を考慮して、貯水タンク20と吸い込みフィルタ21が、除菌ユニット10の前面から除菌ユニット10内に着脱できる構成を採用している。以下、その具体的な構成について説明する。
【0017】
除菌ユニット10は、機体となるハウジング11(又はユニットケース11ともいう)を備え、そのハウジング11は、周囲壁11Cで囲まれた上面開口のハウジング本体11Aと、ハウジング本体11Aの上面開口を塞ぐようにハウジング本体11Aに組み合わされる蓋11Bとで構成している。ハウジング11は、全体的に所定の厚さを有する平べったい形状、即ち扁平形状であり、ハウジング本体11Aには、左右一方側(図では前方に向かって左方側)に貯水タンク12を載置するタンク室13が形成され、中央部に次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極ユニット14Yを配置する電解室15(電解部)と、電解室15に電解水通路16Aで連通して除菌エレメント17を配置する水受け部18と、送風機20を配置する送風室19が形成され、左右他方側(図では前方に向かって右方側)に吸い込みフィルタ21を水平状態に配置するフィルタ室22が形成されている。また、周囲壁11Cの前面壁には、タンク室13に対応してタンク挿入口23が形成され、除菌エレメント17に対応して送風出口24が形成され、吸い込みフィルタ21に対応してフィルタ挿入口25が形成されている。また、周囲壁11Cの側壁には、フィルタ室22の側面に対応して空気吸い込み口26が形成されている。空気吸い込み口26を上面の蓋11Bに形成すれば、もしこの蓋11Bの上に何らかの物が置かれたとき、この蓋11Bの空気吸い込み口26が塞がれる虞があるが、空気吸い込み口26がフィルタ室22の側面であるため、その虞はない。
【0018】
水漏れ防止構造や、電極ユニット14Yの修理点検や、除菌ユニット10の清掃・交換や、水回り部分(水に接触する部分)の清掃を含むメンテナンスのし易さ等を考慮して、除菌ユニット10の一部を構成するカセット11Kが、除菌ユニット10のカセット収納部としてハウジング本体11Aに形成したカセット収納部10Aに着脱自在に設けられている。カセット11Kは、上面開口の合成樹脂製のカセット本体11K1と、この上面開口を塞ぐようにカセット本体11K1に着脱自在に取り付けられる合成樹脂製の蓋11K2とで構成される。カセット本体11K1は、貯水タンク12の水を受け入れる上面開口の貯水部13Aと、電極ユニット14Yを配置する電解室15と、除菌エレメント17を配置する水受け部18と、電解水を除菌エレメント17に供給する電解水通路16Aと、貯水タンク12の水を電解室15に供給する通水路16Bと、送風機20の送風を除菌エレメント17に導く送風路29を一体に形成している。
【0019】
カセット本体11K1とその蓋11K2とは、蓋11K2の弾性爪がカセット本体11K1の係止部に係合する構成でもよく、また、カセット本体11K1と蓋11K2とが、ネジによって結合される構成でもよい。
【0020】
カセット本体11K1と蓋11K2とが結合された状態で、除菌エレメント17の上面は蓋11K2に当接し、除菌エレメント17の前面がカセット本体11K1の前面に形成した前面開口11K4に臨む状態となる。水回り(水に接触する部分)はカセット11Kに形成されるため、カセット本体11K1が水溜めとならず、カセット11Kを取り外すことによって、水回り部分(水に接触する部分)すべてが清掃でき、また、電極ユニット14Yの修理点検や、除菌ユニット10の清掃・交換が容易となる。
【0021】
カセット11Kは、上面開口のカセット本体11K1と蓋11K2との間に、電極ユニット14Yと除菌エレメント17を配置した状態で、蓋11K2に設けた取っ手部11K3を持って除菌ユニット10の上面からカセット収納部10Aに取り付けと取り外しができる組み合わせである。このため、カセット11Kは、蓋11Bの窓11B1を通してハウジング本体11A内に着脱自在に挿入されて、カセット本体11K1内のカセット収納部10Aにセットされる。貯水部13Aがタンク室13の底部に形成されるように、このセット状態において、貯水部13Aがタンク室13の底部に形成した凹部13Bに収納配置され、カセット本体11K1の前面開口11K4が送風出口24に連通状態となって除菌エレメント17が送風出口24に対応配置される。そして、タンク挿入口23からタンク室13に貯水タンク12を挿入可能となる。
【0022】
貯水タンク12は、上面開口のタンク本体121と、タンク本体121に溶着されてこのタンク本体121を水密状態に完全に塞ぐ蓋122で構成し、タンク室13に挿入される先端寄り(挿入先側寄り)の底部に形成した給水口123に、常時閉じる方向へバネ付勢された開閉バルブ27を備えている。この開閉バルブ27は、このバネとバルブとこれらを取り付ける複数の部品で構成され、給水口123に組み付けられる。タンク本体121と蓋122とは、蓋122の弾性爪がタンク本体121の係止部に係合する構成でもよく、またタンク本体121と蓋122とが、ネジによって結合される構成でもよい。
【0023】
貯水部13Aは、その底から上方へ突出する突起28を備え、貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されたとき、突起28によって開閉バルブ27を押し上げて開き、貯水タンク12の水が貯水部13Aに入り、一定水位に保たれる。この一定水位は、密閉された貯水タンク12の水圧と貯水部13Aの水面に掛かる空気圧とのバランスによって保たれる。貯水タンク12は、タンク室13に挿入された状態で周囲壁11Cの高さ内に収まる低い高さ(薄い厚さ)を有した扁平状の直方形状をなし、タンク室13の所定位置に挿入された状態で、前端部がタンク挿入口23から前方へ突出した形状である。この突出した前端部が摘み取っ手部12Aを形成している。取っ手部12Aの前面には、装飾板12A1が取り付けられている。
【0024】
貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されたとき、貯水タンク12の側壁で押しされて外方へ移動するようにバネ付勢された作動レバー39によって作動する貯水スイッチ38をハウジング本体11Aに設けている。貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されて貯水スイッチ38が作動する(例えば、ONする)ことによって、制御部50が作動して除菌ユニット10が作動可能状態(例えば、送風機20と電極ユニット14Yへの通電可能状態)となり、貯水タンク12がタンク室13から引き出されて貯水スイッチ38が作動する(例えば、OFFする)ことによって、除菌ユニット10が作動停止状態(例えば、送風機20と電極ユニット14Yへの通電停止状態)となる。
【0025】
電極ユニット14Yは、電極ハウジング14Aに電解用電極14と水位検知電極141が支持されて、電解室15の側壁に支持される。具体的には、左右両側の合成樹脂製電極ハウジング部材14A1と14A2の間に、中間の合成樹脂製電極ハウジング部材14A3を介して、プラス(+)とマイナス(−)の一対の電解用電極14と、この電解用電極14の一方の電極と対をなして電解室15の水位検知電極141が、それぞれ電気的に分離した状態に保持されている。また、電極ユニット14Yは、電解用電極14と水位検知電極141へ給電するためのリード線が接続されるコネクタ142を備え、このコネクタ142は、合成樹脂製部材14A1の取り付け孔143に保持された構成である。電解室15の水位は、水位検知電極141が電解用電極14の一方の電極とプラス(+)とマイナス(−)の対をなすことによって電解室15の水位を検出し、制御部50によって、電解室15の水位が所定水位よりも低下したときは、後述の給水用LED40Kを点灯して、貯水タンク12が空になったことを報知する仕組みである。
【0026】
カセット11Kは、蓋11Bの窓11B1を通してハウジング本体11A内に挿入されてセットされることによって、電極ユニット14Y側のコネクタ142の下端部がハウジング本体11Aに設けたコネクタ(図10の142A)に接続され、また、カセット11Kをハウジング本体11Aから取り外すことによって、コネクタ142がハウジング本体11Aに設けたコネクタ142Aから外れる関係である。
【0027】
ハウジング本体11Aと蓋11Bとで構成したハウジング11と、カセット本体11K1と蓋11K2とで構成したカセット11Kは、合成樹脂製である。ハウジング本体11Aには、送風室19の後方に区画壁で区画された室内に制御部50の回路素子を含む電気回路基板37が水平状態に収納されている。電気回路基板37は、電極ユニット14Yと送風機20と貯水スイッチ38に電気的に接続されている。
【0028】
吸い込みフィルタ21は、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置される場所が、多くはキッチンであることを考慮して、空気中の塵埃の細くはもちろんのこと、空気中の油成分を積極的に付着する機能を備えたものである。吸い込みフィルタ21は、フィルタ挿入口25から水平状態でフィルタ室22の所定位置に挿入され、周囲壁11Cの高さの中間位置に支持されて、フィルタ室22の底面から浮いた状態に保たれ、フィルタ挿入口25から前方へ突出した形状である。吸い込みフィルタ21は、合成樹脂製のフィルタホルダ21Hの格子部21H1に、シート状のフィルタエレメント21Eを格子状押え板21H2で保持する構成である。吸い込みフィルタ21がフィルタ挿入口25から水平状態でフィルタ室22の所定位置に収納された状態で、フィルタ21の前部となるフィルタホルダ21Hの前端部が、フィルタ挿入口25から前方へ突出した形状である。この突出した前端部が摘み取っ手部21Aを形成している。取っ手部21Aの前面には、装飾板21A1が取り付けられている。空気吸い込み口26は、その外面が細い間隔の桟の間を空気吸い込み通路とする吸い込みカバー26Aで覆われている。
【0029】
吸い込みフィルタ21が挿入された水平状態において、送風機20の運転によって発生する強制風は、空気吸い込み口26から冷凍冷蔵庫1周辺の空気が吸い込まれ、この空気が、図14に矢印Wで示すように、吸い込みフィルタ21の上面から下面へ通過し、フィルタ室22の後部から送風室19へ流入して送風機20へ吸い込まれる。送風機20は、下面中央部に空気入口を備え側面の一部に強制風出口20Pを備えたファンケース20K内に電動機で回転する遠心ファンが収納された構成であり、この遠心ファンとしてシロッコファンを採用している。送風機20の強制風出口20Pから送出する強制風は、強制風出口20Pと連通状態に形成した送風室19の前壁とカセット本体11K1の後壁に形成した開口29Aから流出して、送風機20の前方に位置する除菌エレメント17へ向けて左右に広がった送風路29を通り、除菌エレメント17へ向けて送出され、除菌エレメント17の空気通路17Aを通過し、前面の送風出口24から前方へ送出される仕組みである。送風機20の高さは周囲壁11Cの高さ内に収まる高さである。
【0030】
送風機20は、運転中の振動による騒音抑制のために、そのファンケース20K全体が複数の防振ゴム20Gによって支持された構成である。具体的には、送風機20のファンケース20Kの下面は、ハウジング本体11Aの底壁に支持した防振ゴム20Gに載置され、送風機20のファンケース20Kの上面は、ハウジング本体11Aの蓋11Bに支持した防振ゴム20Gによって押えられ、送風機20の側面は、送風機20のファンケース20Kから外方へ突出した突起部201が、その両側に配置した防振ゴム20Gによって挟まれた支持状態である。これによって、送風機20は、除菌ユニット10内ではネジによる固定ではなく、周囲が防振ゴム20Gによって支持された状態であるため、運転中の振動は、この防振ゴム20Gによって減衰されて周囲に伝わり難い状態となる。
【0031】
除菌エレメント17は、吸い上げ要素部17B間に複数の並行した水平方向の空気通路17Aを形成する構成の横長直方形状であり、除菌エレメント17の下部が水受け部18の電解水に浸るようにカセット本体11K1内に配置された状態で、水平方向の空気通路17Aは前後方向に向いている。このため、除菌エレメント17は、吸い上げ要素部17Bが水受け部18の電解水を毛細管作用によって吸い上げ、送風機20で発生する強制風が、カセット本体11K1の後壁に形成した開口29Aから流入して、送風路29を通って除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する際に、除菌エレメント17で吸い上げた電解水に触れて除菌され、この除菌された空気が送風出口24から前方へ送出される仕組みである。除菌エレメント17の高さは周囲壁11Cの高さ内に収まる高さである。
【0032】
送風機20からの強制風が効果的に除菌エレメント17を通過するために、水受け部18の前後壁の高さは低く、除菌エレメント17の前後面及び側面が、水受け部18の前後壁及び側壁に当接している。水受け部18の側壁は、除菌エレメント17の高さよりも高いため、除菌エレメント17が当接していても、吸い上げ要素部17Bに吸い上げられた電解水がこの側壁から零れることはない。吸い上げ要素部17Bの前後面が水受け部18の前後壁に当接している場合は、吸い上げ要素部17Bに吸い上げられた電解水が、この水受け部18の前後壁をオーバーフローして、後方の送風路29へ流入し、また前方の送風出口24から零れる虞がある。これを防止するために、水受け部18の前壁の上面がカセット本体11K1の前面開口11K4の底壁に相当するため、この前壁の上面は、送風出口24側が高く水受け部18に向けて低くなる傾斜面17Pとしている。また、水受け部18の後壁の上面に相当する送風路29は、後方が高く水受け部18に向けて低くなる傾斜面としている。
【0033】
タンク室13の貯水部13Aに溜まった上水道水が、貯水部13Aの側壁の通水路16Bから電解室15へ供給される。電解室15には、プラス(+)とマイナス(−)の一対の電解用電極14と、この電解用電極14の一方の電極と対をなす水位検知電極141を配置しており、この電解用電極14への通電によって電解室15の水が電気分解されて、次亜塩素酸を含有する電解水を生成する。この電解水は、細い電解水通路16Aから水受け部18へ供給され、除菌エレメント17で毛細管作用によって吸い上げられる。電極14と141は、上記のように電極ハウジング14Aに支持されて電解室15に側壁に支持される。貯水タンク12の水は、開閉バルブ27から貯水部13Aへ入り、通水路16Bを通って電解室15へ入り、電解室15から通水路16Aを通って水受け部18へ供給されるが、その間に、これらの水が空気に触れて蒸発する量が少ないことが、貯水タンク12の水を有効利用できることとなる。このため、貯水部13A、電解室15及び水受け部18の水が空気に触れる表面積はなるだけ小さくしてある。
【0034】
上記のように、貯水タンク12、電極14、除菌エレメント17、送風機20、及び吸い込みフィルタ21が、周囲壁11Cの高さ内に収まるように、ハウジング本体11Aに組み込まれた状態で、平板状の蓋11Bがハウジング本体11Aに組み合わされて、ネジ等によって両者が結合され、これらがハウジング本体11A内に収まった状態である。カセット11Kは、蓋11K2に設けた取っ手部11K3を掴んで、カセット11Kの出し入れ用窓11B1を通してハウジング本体11A内に挿入されて、カセット本体11K1内のカセット収納部10Aにセットされる。このセット状態で、貯水部13Aがタンク室13の底部に形成した凹部13Bに収納配置され、除菌エレメント17が送風出口24に対応配置され、タンク挿入口23からタンク室13に貯水タンク12を挿入可能となる。また、このセット状態で、窓11B1に略いっぱいにカセット11Kの上部、即ち蓋11K2が嵌り合うため、この窓11B1から送風機20の送風が漏れる虞は殆んどない。
【0035】
このように、除菌ユニット10は、貯水タンク載置部であるタンク室13と、電解室15と、水受け部18の除菌エレメント17と、送風室19の送風機20と、フィルタ室22の吸い込みフィルタ21が平面的配置でもってハウジング11内に設けられ、貯水タンク12がハウジング11の前面のタンク挿入口23から着脱自在に挿入され、吸い込みフィルタ21がハウジング11の前面のフィルタ挿入口23から着脱自在に挿入され、除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する強制風が前方へ吹き出す送風出口24を前面に備え、除菌ユニット10の上面には、除菌エレメント17と電極ユニットを収納したカセット11Kの出し入れ用窓11B1が形成されている。
【0036】
除菌ユニット10は、単独でキッチン等の適当な場所へ設置して使用できるが、キッチンでは、一般的には、1800mm程度に背の高い冷凍冷蔵庫本体2の上面が利用されずにそのままである場合が多いため、この冷凍冷蔵庫本体2の上面を有効利用すれが好ましい。本発明では、電解水を生成するために必要な水を供給するための貯水タンク12を貯蔵庫1の前面側から着脱し易くすると共に、貯水タンク12の着脱の際等において除菌ユニット10内の通電部分へ手が触れる危険を回避できる技術を提供する。以下、その場合の構成について説明する。
【0037】
実施例では、貯水タンク12のみならず、吸い込みフィルタ21も前面側から挿入と取り出しが自在に構成している。冷凍冷蔵庫本体2の上面は略平坦であり、貯水タンク12の突出前端の取っ手部12Aと、吸い込みフィルタ21の突出前端の取っ手部21Aと、送風出口24とが前面に向く状態で、冷凍冷蔵庫本体2の上面に除菌ユニット10を取り付ける。冷凍冷蔵庫本体2の上面前部には、前記除菌ユニットの前面化粧パネルとして、略冷凍冷蔵庫本体2の横幅に渡る長さに化粧パネル30が設けられる。
【0038】
除菌ユニット10と化粧パネル30は一体化される構成として、一体化された状態でもって、冷凍冷蔵庫本体2の上面に取り付けられる構成でもよいが、実施例では、除菌ユニット10と化粧パネル30は別体構成とし、除菌ユニット10と化粧パネル30のそれぞれが、冷凍冷蔵庫本体2の上面に取り付けられる構成としている。このため、除菌ユニット10は、化粧パネル30の後面側に配置される。化粧パネル30には、前方に開口した送風出口31と、貯水タンク21の挿入部33Aと、吸い込みフィルタ21の挿入部32Aを形成している。送風出口31は、後端部が略送風出口24に連通し前端部に向けて左右側壁が後方から前方へ曲線又は直線で広がった形状をしており、除菌ユニット10の送風出口24が化粧パネル30の送風出口31の後端部に連通状態に取り付けられる。貯水タンク21の挿入部33Aと吸い込みフィルタ21の挿入部32Aは、送風出口31と仕切り壁で区画された状態でもよいが、実施例のものは、この送風出口31の左右の一方側(図示のものでは正面視で右側)が貯水タンク21の挿入部33Aを形成し、この送風出口31の左右の他方側(図示のものでは正面視で左側)が吸い込みフィルタ21の挿入部32Aを形成している。そして、後述のように、貯水タンク21の取っ手と吸い込みフィルタ21の取っ手が、送風出口31の左右側壁を構成したものである。
【0039】
除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する強制風を送風出口31から前方へ送出するように、除菌ユニット10が化粧パネル30の後方で冷凍冷蔵庫本体2の上面に設置され、送風出口扉を構成する化粧パネル30の上壁30Bは、貯水タンク12の取り出しと挿入時に開閉される回動構成であり、化粧パネル30の上壁には上方に開いた状態で除菌エレメント17の前面側を塞ぐ防護作用部30B3を設けた構成である。実施例では、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21を前面側から挿入と取り出しが自在である構成とするために、化粧パネル30の上壁30Bは、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の取り出しと挿入時に開閉される回動構成であり、化粧パネル30の上壁(送風出口扉)30Bには上方に開いた状態で除菌エレメント17の前面側を塞ぐ防護作用部30B3を設けている。
【0040】
化粧パネル30の上壁に相当する送風出口31の上壁は、貯水タンク21と吸い込みフィルタ21の挿入と取り出し時に上方へ回動可能な送風出口扉30Bを構成している。具体的構成として、化粧パネル30は冷凍冷蔵庫本体2の上面にネジ止めにて取り付けられる基板30Aと、この基板30Aの上方に位置して基板30Aの上面との間に送風出口31を形成するように基板30Aに回動可能に組み合わせた送風出口扉30Bとを備えている。
【0041】
基板30Aは化粧パネル30の下壁を構成する。送風出口31は、上壁である送風出口扉30Bと下壁である基板30Aとの間に左右に長い形状で形成される。また、化粧パネル30は、冷凍冷蔵庫本体2の横幅に渡る長さとすることによって、正面視での冷凍冷蔵庫1とのデザイン統一を図っている。このため、化粧パネル30の左右部分が、冷凍冷蔵庫本体2の上面にネジ固定されたヒンジ装置HJの取り付け基板部HJPを覆うようになる。図示の冷凍冷蔵庫1の前面扉は左右の扉7A、7Bであり、冷凍冷蔵庫本体2に対する扉7A、7Bの位置調整は、ネジを緩めて上部ヒンジ装置HJの取り付け位置を調整して行なうため、化粧パネル30の左右部分は、取り外し可能なカバー30C、30Cで構成される。カバー30C、30Cは、送風出口扉30Bの左右両側に配置されて基板30Aの上側に取り付けられている。
【0042】
図2、図5〜図12に示すように、化粧パネル30は、冷凍冷蔵庫本体2の上面に固定された状態で、冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面を覆うように、冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態にまで前方へ庇状に張り出している。図示の冷凍冷蔵庫1の前面扉は左右の扉7A、7Bであり、その前面は左右の扉7A、7Bに渡って連続する凸曲面形状をなしており、化粧パネル30の前端形状もこの凸曲面に沿う形状をなして、左右の扉7A、7Bの上面を覆うように冷凍冷蔵庫本体2から前方へ張り出している。このため、基板30Aが冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態にまで前方へ庇状に張り出している。
【0043】
基板30Aは左右両側に、冷凍冷蔵庫本体2の上面左右部に配置したヒンジ装置HJを覆うヒンジ対応部30A2を形成した下板30A1と、左右のヒンジ対応部30A2間に取り付けられて送風出口31の下側面を形成する上板30A3で構成している。また、送風出口扉30Bは、送風出口31の上面を形成する下板30B1と、下板30B1を覆う上板30B2で構成しており、上板30B2の左右後端に突出形成した回動支持部30B21が、基板30Aの下板30A1に形成した回動支持部30A11に軸支持されることによって、図2、図8、図10、及び図12に示すように、送風出口扉30Bが基板30Aに対して略水平な閉じた状態と、図5〜図7、図9、及び図11に示すように、送風出口扉30Bが基板30Aに対して上方に開いた状態に回動可能となる。
【0044】
除菌ユニット10の送風出口24から送出する浄化された空気が左右に広く送出されるようにするために、化粧パネル30の送風出口31は、後端部が送風出口24に連通し、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなしている。この送風出口31の左右側壁は、吸い込みフィルタ21の突出前端の摘み取っ手部21Aと、貯水タンク20の前部の摘み取っ手部12Aとで形成され、そのために、貯水タンク20と吸い込みフィルタ21が正規の位置へ収納した状態で、これらの取っ手部21Aと取っ手部12Aは、化粧パネル30内に収まった状態で、これらの取っ手部21Aと取っ手部12Aの送風出口31側の面は、図示のように、後方から前方へ向けて流線型等に傾斜する形状となっている。
【0045】
送風出口扉30Bの下板30B1の左右両側部には、上方へ窪むストッパ部30B11を形成している。送風出口扉30Bが基板30Aに対して略水平な閉じた状態において、基板30Aと送風出口扉30Bとの間に送風出口31の通路が形成されると共に、ストッパ部30B11に貯水タンク12の取っ手部12Aの先端上部と、吸い込みフィルタ21の取っ手部21Aの先端上部がそれぞれ当接するため、送風出口扉30Bによって、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21が振動等によって前方へ移動し脱落することが防止されると共に、送風出口31の左右側壁がそれぞれ取っ手部12Aと取っ手部21Aによって形成される。このため、ストッパ部30B11は、それぞれ取っ手部12Aと取っ手部21Aの形状に対応した形状に形成されている。
【0046】
送風出口扉30Bが開いた状態において、除菌エレメント17の前面側を塞ぐ防護作用部30B3が、送風出口扉30Bの中央部に後方へ延びた状態で形成されている。防護作用部30B3は、下板30B1と上板30B2の中央部にそれぞれ後方へ延びた防護作用部30B31と30B32によって構成される。図5乃至図7、及び図11に示すように、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21を前方へ引き出し可能状態となるように、送風出口扉30Bを開くことによって、即ち、図では送風出口扉30Bを略45度又はそれ以上開いた状態で、この防護作用部30B3が送風出口24の前方で送風出口31の奥側を塞ぐように回動するため、前方から送風出口31へ手先を差し入れたとき、その手先が水で濡れた除菌エレメント17に触れることが阻止される。
【0047】
これによって、除菌エレメント17に手先を触れることによる除菌エレメント17の損傷防止ができ、また、電極ユニット14Yの電解用電極14と水位検知電極141に通電されているため、水で濡れた除菌エレメント17に触れることによる万一の感電事故も防止できるものとなる。
【0048】
また、ストッパ部30B11から取っ手部12Aと取っ手部21Aが外れる状態にまで送風出口扉30Bを開いた状態で、それぞれ取っ手部12Aと取っ手部21A持って、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の出し入れが前面から可能となる。この場合、冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面を覆うように、基板30Aが冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態にまで前方へ庇状に張り出しているため、送風出口31の下壁を形成する基板30Aの上面を案内面として、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の出し入れができることとなり、この出し入れがし易くなる。
【0049】
基板30Aの下板30A1の左右両側には、ヒンジ装置HJを覆うヒンジ対応部30A2を形成しているが、ヒンジ対応部30A2は、ヒンジ装置HJを冷凍冷蔵庫本体2の上面に固定するネジHJ1が露出する孔30A21を形成してヒンジ装置HJの取り付け基板部HJPを覆う形状である。カバー30C、30Cは、基板30Aの下板30A1の左右両側に形成したヒンジ対応部30A2を覆うように、下板30A1に螺合するネジ30C1と、下板30A1の係止部に弾性係合する係合爪によって着脱自在に取り付けられる。このため、カバー30C、30Cは、ネジ30C1を緩め係合爪を係止部から外すことによって取り外され、この状態で、ヒンジ取り付けネジHJ1を緩めてヒンジ装置HJの固定位置を調整することによって、扉7A、7Bの取り付け位置が調整できる。
【0050】
上記のように化粧パネル30を設けることによって、ヒンジ装置HJのカバーも含めた除菌ユニット10の前面側の装飾効果が得られる。また、各種の貯蔵庫1に適用できる大きさの小型の除菌ユニット10を用意しておき、貯蔵庫1の種類ごとに貯蔵庫1の左右幅に合わせた化粧パネル30を容易すれば、貯蔵庫1の種類ごとに除菌ユニット10を製造する必要がなく、化粧パネル30の交換のみで各種の貯蔵庫1に適用できることとなり、除菌ユニット10のコストも抑えることができるものとなる。
【0051】
除菌ユニット10の制御部50は、電気回路基板37の他に、除菌ユニット10の運転制御スイッチとそれによって作動する制御回路46と、更にこの作動状態を表示する表示部40を備えている。この運転制御スイッチは、除菌ユニット10の作動状態を制御する作動制御切替スイッチ35と、除菌ユニット10の電源スイッチ43と、リセットスイッチ44を備えており、制御回路46はカバー30C、30Cの一方の中に収納されている。また、表示部40は、給水用LED40Kと、除菌エレメント17の交換を促す表示用LED40Eと、吸い込みフィルタ21の交換を促す表示用LED40Fと、自動運転の表示用LED40Gと、弱運転状態の表示用LED40Hを備えている。電源スイッチ43は、正面視で右側のカバー30Cの前面から操作可能にカバー30Cに配置され、表示部40は、正面視で右側のカバー30Cの前面から目視可能に配置されている。
【0052】
表示部40は、図3に示すように、給水用LED40Kに対応して「給水」の文字を記し、除菌エレメント17の交換を促す表示用LED40Eに対応して「エレメント」の文字を記し、吸い込みフィルタ21の交換を促す表示用LED40Fに対応して「フィルタ」の文字を記し、自動運転の表示用LED40Gに対応して「自動」の文字を記し、弱運転状態の表示用LED40Hに対応して「強制(1H)」の文字を記している。また、電源スイッチ43に対応して「モード/電源」の文字を記している。また、図4に示すように、作動制御切替スイッチ35に対応して「切替SW」の文字を記し、リセットスイッチ44に対応して「リセットSW」の文字を記している。
【0053】
また化粧パネル30は、上記のように冷凍冷蔵庫本体2の上面に固定された状態では、冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面に近接してこの前面扉の上面を覆うように、庇状に張り出している。また、外観デザインを考慮して、化粧パネル30の庇状部分の張り出し長さは、冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態に庇状に張り出した形状をなしており、作動制御切替スイッチ35とリセットスイッチ44は、この庇状に張り出した部分に対応配置されるように、正面視で右側の閉じた扉7Bの上面に対応して、正面視で右側の基板30Aの下板30A1の孔又は切り欠きを通して下側から操作可能にカバー30C内に配置されている。
【0054】
このため、特定スイッチである作動制御切替スイッチ35とリセットスイッチ44は、扉7Bが閉じた状態では操作不可能であり、扉7Bを開いた状態で下方から上方に向けて操作可能となる。これによって、特定スイッチである作動制御切替スイッチ35とリセットスイッチ44の操作の安定化を図っている。このような化粧パネル30の庇状張り出し構成と特定スイッチの配置は、実施例1の冷凍冷蔵庫1においても同様に採用できる。また、電源スイッチ43のON状態は、電源スイッチ43の押し圧ボタンをその中に収納したLEDで照明することにより、電源ONが分かる構成である。
【0055】
右側のカバー30C内には、前後のホルダ45A、45Bによって支持された制御回路46を裏側に備えた回路基板46Aが支持され、この回路基板46Aに、給水用LED40Kと、除菌エレメント17の交換を促す表示用LED40Eと、吸い込みフィルタ21の交換を促す表示用LED40Fと、自動運転の表示用LED40Gと、強運転状態の表示用LED40Hと、電源スイッチ43と、作動制御切替スイッチ35と、リセットスイッチ44が取り付けられている。
【0056】
回路基板46Aと電気回路基板37や冷凍冷蔵庫1側の電気回路との接続は、除菌ユニット10側のコネクタである電気回路基板37に接続したコネクタ47Aに、回路基板46A側のコネクタ47Bと、冷凍冷蔵庫1側のコネクタ47Cを結合することによって行なわれている。このため、冷凍冷蔵庫本体2に除菌ユニット10を着脱する場合や、ヒンジ装置HJの調整のために右側のカバー30Cを取り外す場合等では、これらのコネクタの結合を着脱操作することにより、作業がし易くなる。結合したコネクタ47A、47B、47Cは、右側のカバー30C内に収納することによって、外部に露出せず塵埃が付着し難く、また見栄えもよい。
【0057】
除菌ユニット10が使用される地域によって、上水道水等に含まれる遊離塩素濃度が異なるため、除菌ユニット10の運転時間が一定であると、遊離塩素濃度が高い場合は、除菌ユニット10から送出される塩素臭が気になり、不快感を受ける場合がある。このため、遊離塩素濃度が高い場合と低い場合には、除菌ユニット10の運転時間を可変できるようにし、遊離塩素濃度が高い場合は除菌ユニット10の運転時間を短くし、遊離塩素濃度が低い場合は除菌ユニット10の運転時間を長くするように、スイッチ35で除菌ユニット10の運転時間、即ち送風機20の運転時間、又は電極14と送風機20の通電時間を制御するようにしている。
【0058】
遊離塩素濃度が高い場合と低い場合には、除菌ユニット10の運転時間を可変できるようにし、遊離塩素濃度が高い場合は除菌ユニット10の運転時間を短くし、遊離塩素濃度が低い場合は除菌ユニット10の運転時間を長くするように、作動制御切替スイッチ35で除菌ユニット10の運転時間、即ち送風機20の運転時間、又は電極14と送風機20の運転時間を可変するようにしている。
【0059】
作動制御切替スイッチ35は、強、中、弱の運転状態に切り替える切り替えスイッチ構成である。電源スイッチ43をONした状態で、遊離塩素濃度が低い場合(この場合が標準的な状態とする)は、作動制御切替スイッチ35を強(自動)位置に切り替えることにより、強運転(自動運転)状態となって表示用LED40Gが点灯する。
【0060】
冷凍冷蔵庫1の出荷時は、作動制御切替スイッチ35を標準運転状態である自動運転モードとなる強運転位置に設定している。この設定において電源スイッチ43をONした状態で、制御部50のタイマによって、所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行う。このような除菌ユニット10の作動を所定時間に制限することができる。例えば、電極14と送風機20への通電の積算時間が3時間になれば、この繰り返す動作を停止するように制御してもよい。これによって、除菌された空気が貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された領域(室)を循環して、この領域(室)の空気を浄化する。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、電源スイッチ43をOFFさせればよい。
【0061】
遊離塩素濃度が高い場合は、電源スイッチ43をONした状態で作動制御切替スイッチ35を弱運転に切り替えることにより、弱運転状態となって表示用LED40Hが点灯する。この弱運転が制御部50のタイマによって所定時間(例えば、1時間)経過したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わる。この切り替わりによって、LED40Hが消灯しLED40Gが点灯する。また、作動制御切替スイッチ35を弱運転にセットした状態において、制御部50のタイマによって、所定時間(例えば、10分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、10分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行い、電極14と送風機20へ通電積算時間が所定時間(例えば、1時間)に達したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わるようにしてもよい。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、電源スイッチ43をOFFさせればよい。
【0062】
また、遊離塩素濃度が中濃度の場合は、電源スイッチ43をONした状態で、作動制御切替スイッチ35を中運転に切り替えることにより、中運転状態となって表示用LED40Hが点灯する。この中運転が制御部50のタイマによって所定時間(例えば1時間)経過したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わる。この切り替わりによって、LED40Hが消灯しLED40Gが点灯する。また、作動制御切替スイッチ35を中運転にセットした状態において、制御部50のタイマによって、所定時間(例えば、20分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、20分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行い、電極14と送風機20へ通電積算時間が所定時間(例えば、1時間)に達したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わるようにしてもよい。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、電源スイッチ43をOFFさせればよい。
【0063】
電源スイッチ43の操作によっても、上記のような弱運転と強運転(自動運転モード)に切り替えできるように構成している。即ち、電源スイッチ43はプッシュ式スイッチ構成としており、最初のプッシュONで電源がONして強運転モード(自動運転モード)となり、LED40Gと電源スイッチ43のLEDが点灯する。そして、2回目のONによって強運転モード(自動運転モード)から弱運転モードに切り替わり、LED40Gが消灯してLED40Hが点灯する。そして、3回目のONによって弱運転モードを終了すると共に電源OFFとなり、LED40Hと電源スイッチ43のLEDが消灯する。
【0064】
なお、密閉した6畳の室において、送風機20の運転時間が略3時間でもって、この密閉した6畳の室の空気が全量循環することができるような送風機20の容量とすれば、この6畳の室の除菌効果は略99%達成できるものが構成でき、通常使用可能な小型化の除菌ユニット10として適用可能である。
【0065】
また、除菌ユニット10に人が近づいたことを検知するスイッチを設け、このようなスイッチによって、除菌ユニット10が作動し(電極14と送風機20へ通電され)、上記のような強運転の標準動作モードとなるようにすることもできる。
【0066】
また、除菌ユニット10の制御部50に24時間タイマを設け、この24時間タイマによって、例えば夜中などに、上記のような強運転の標準動作モードでもって、所定時間、除菌ユニット10が作動(電極14と送風機20へ通電が間歇的に行われる制御)するようにして、朝にはキッチン等の領域(室)の空気の除菌が終わっているようにすることもできる。
【0067】
上記において、貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されて貯水スイッチ38がONすることによって、LED40Kが点灯すると共に、制御部50が作動して除菌ユニット10が作動可能状態となり、電源スイッチ43をONすることによって、送風機20と電極ユニット14Yが通電状態となる。給水等のために貯水タンク12がタンク室13から引き出されると、貯水スイッチ38がOFFしてLED40Kが点灯すると共に、制御部50が作動して送風機20と電極ユニット14Yへの通電を停止する。そして、再び貯水タンク12を所定位置に挿入して貯水スイッチ38がONすることによって、上記同様に除菌ユニット10が作動可能状態となる。なお、貯水タンク12を引き出して貯水スイッチ38がOFFしたとき、制御部50の作動によって電源供給がOFFするようにし、再び貯水タンク12を所定位置に挿入して貯水スイッチ38がONしたとき、電源スイッチ43をONすることによって、送風機20と電極ユニット14Yが通電状態となるように構成してもよい。
【0068】
また上記において、電源スイッチ43をONしたとき、LED40Eと40Fが点灯するため、リセットスイッチ44をONすることによって、これらを消灯できる。
【0069】
除菌ユニット10は、除菌エレメント17の交換時期を表示するようにしている。即ち、除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、一定期間(例えば、1年6ヶ月)になったとき、又は除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、除菌ユニット10の作動時間の積算時間が一定期間(例えば、1年6ヶ月)になったとき、除菌エレメント17の交換時期が到来したことを報知するために、制御部50の作動によってLED40Eを点灯させる。除菌エレメント17を交換した状態で、リセットスイッチ44をONすることによって、LED40Eを消灯できる。
【0070】
また、除菌ユニット10は、吸い込みフィルタ21の交換時期を表示するようにしている。即ち、除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、一定期間(例えば、1ヶ月)になったとき、又は除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、除菌ユニット10の作動時間の積算時間が一定期間(例えば、1ヶ月の時間)になったとき、吸い込みフィルタ21の交換時期が到来したことを報知するために、制御部50の作動によってLED40Fを点灯させる。吸い込みフィルタ21を交換した状態で、リセットスイッチ44をONすることによって、LED40Fを消灯できる。
【0071】
上記のように、除菌ユニット10は、送風出口扉30Bを開いた状態で、それぞれ取っ手部12Aと取っ手部21A持って、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の出し入れが前面から可能となる。貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の出し入れは、それぞれ
タンク室13とフィルタ室22へスライドにて行なわれる。
【0072】
本発明では、特に、貯水タンク12をタンク室13へスライドにて出し入れする構成、及び開閉バルブ27との関係に特徴がある。以下、この構成について説明する。タンク室13の略平坦な底面131をスライドするように、開閉バルブ27の左右両側箇所において、貯水タンク12の左右両側部分から下方に突出し前後方向へ延びたリブ形状の突条12Tを備えている。タンク室13の底面131に沿って貯水タンク12が安定にスライドするためと、冷凍冷蔵庫1の上面にある除菌ユニット10内に向けた貯水タンク12の挿入のし易さを考慮して、左右の突条12Tは、左右後部の突条12T1と左右前部の突条12T2とを貯水タンク12に一体成形している。
【0073】
上記のように、貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されたとき、突起28によって開閉バルブ27を押し上げて開き、貯水タンク12の水が貯水部13Aに入り、一定水位に保たれる構成である。このため、タンク室13の底面131の左右両側部分には、左右後部の突条12T1と左右前部の突条12T2がそれぞれ落ち込む落ち込み部132が設けられている。落ち込み部132は、左右後部の突条12T1が落ち込む落ち込み部132Gが左右に窪み形成され、左右前部の突条12T2が落ち込む落ち込み部132Hが左右に窪み形成されている。
【0074】
そして、左右後部の突条12T1は、貯水タンク挿入口23側(前側)の端部が、上部から下部へ向けて貯水タンク12の挿入方向(後方)へ傾斜した傾斜面12T11を形成し、また、左右前部の突条12T2は、貯水タンク挿入口23側(前側)の端部が、上部から下部へ向けて貯水タンク12の挿入方向(後方)へ傾斜した傾斜面12T21を形成している。
【0075】
開閉バルブ27を含めた貯水タンク12の上下方向の厚さを薄くするために、開閉バルブ27が貯水タンク12内に納まるように構成している。この構成について説明する。貯水タンク12の先端寄り(挿入先側寄り)の底部に形成した給水口123には、内面に開閉バルブ27を取り付ける雌ネジ124Aを形成した環状の取り付け部124が立設されている。
【0076】
本発明の特徴である開閉バルブ27は、図28と図29に分解斜視図としてその構成を示している。これにおいて、給水路27Aを閉じるようにバネホルダ274で保持されたコイルバネ273によって下方に向けて付勢された可動バルブ272が、バルブハウジング271内に収納されている。バルブハウジング271は、液体の流路を構成する複数の給水路27Aを略等角度間隔で円形配置した基板部271Aから一体に突出した環状に形成され、円形配置の給水路27Aを開閉する可動バルブ272が、基板部271Aに支持されている。即ち、可動バルブ272と一体化された作動部272Aが、円形配置の給水路27Aの内側において、基板部271Aの中央部の孔271AKを通って下方へ延びており、作動部272Aが基板部271Aを上下動可能に貫通し、可動バルブ272が基板部271Aに上下動可能に支持されている。バルブハウジング271の外周部には、取り付け部124の雌ネジ124Aに螺合する雄ネジ271Bが形成されている。
【0077】
基板部271Aの外周には、雄ネジ271Bと雌ネジ124Aの螺合によって、貯水タンク12の底壁12Bの下面に密着する環状フランジ271A1を形成している。貯水タンク12の底壁12Bと環状フランジ271A1との密着は、その両者間に介在した環状のシールパッキン275によって達成している。
【0078】
バネホルダ274は、可動バルブ272を上方から覆う門状をなし、その上辺274Uと、上辺274Uの左右端部から垂下した左右辺274L、274Rを一体に合成樹脂で形成し、左右辺274L、274Rの下端部には、外向きの係止部274Aがそれぞれ形成されている。左右辺274L、274Rの係止部274Aが、バルブハウジング271に形成した後述の通水孔279の上側で内方に突出形成した保持片276の下側に係止することによって、バネホルダ274は、バルブハウジング271内に取り付けられた状態である。また、可動バルブ272は、その外周縁部に形成した係止部272Bが、バネホルダ274の左右辺274L、274Rに形成したガイド溝274B内を上下動する関係に嵌合している。そして、バネホルダ274の上辺274Uがバネ273の上端を支え、バネ273の下端が可動バルブ272によって支えられ、可動バルブ272が給水路27Aを閉じるようにバネ273によって付勢されている。
【0079】
この状態で、図30及び図34に示すように、可動バルブ272とバネ273とバネホルダ274が貯水タンク12内方へ立設されるバルブハウジング271内に収納された状態であり、可動バルブ272によって給水路27Aが閉じている。
【0080】
なお、係止部274Aの左右幅は通水孔279の左右幅よりも十分短いので、係止部274Aが通水孔279を塞ぐことはない。なお、係止部274Aは通水孔279から離れた位置でバルブハウジング271の内面に形成することでもよい。
【0081】
このように、バネホルダ274は、上辺274Uとその左右端部から垂下した左右辺274L、274Rを形成した門状をなした形状であり、左右辺274L、274Rと90度隔たった両側の箇所(90度の位相差の部分)は、垂下辺が存在しない空間領域SPを形成した形状である。この構成によって、バネ273の上端はバネホルダ274の上辺274Uで支えられ、バネ273の下端は可動バルブ272で支えられており、これによって、可動バルブ272はバネ273のバネ力によって給水路27Aを閉じるように下方へ付勢された状態である。
【0082】
開閉バルブ27は、このような関係でもって、図30乃至図35に示す組み合わせ構成である。図30乃至図35に示す組み合わせ構成の開閉バルブ27は、貯水タンク12内への水の給水(補給)は、開閉バルブ27を雌ネジ124Aから取り外した状態で、給水口123から貯水タンク12内に水道水を給水(補給)することができる。この給水(補給)後、開閉バルブ27を雌ネジ124Aに螺合にて取り付ける。即ち、図30乃至図35に示すように、雄ネジ271Bと雌ネジ124Aの螺合によって、円環状のシールパッキン275を介して、貯水タンク12の底壁12Bに形成した取り付け凹部12B1に、基板部271Aの環状フランジ271A1が底壁12Bと面一状態で密着し、開閉バルブ27が貯水タンク12の底壁12Bに形成した給水口123に取り付けられる。
【0083】
可動バルブ272が給水路27Aを確実に閉じるようにするために、可動バルブ272の下側には、円盤状のシールパッキン277が取り付けられ、このシールパッキン277が、給水路27Aを取り囲むように基板部271Aの上面に形成した円形状突起部に密着するようにしている。
【0084】
上記のように、貯水タンク12をタンク室13に挿入することによって、左右後部の突条12T1が落ち込み部132Gに落ち込み、且つ、左右前部の突条12T2が落ち込み部132Hに落ち込むことによって、貯水タンク12がタンク室13の所定位置に保持される。この状態で、図32と図35に示すように、開閉バルブ27が開く。即ち、突起28によって作動部272Aを介して可動バルブ272がバネ273に抗して押し上げられ、可動バルブ272が給水路27Aを開く。
【0085】
図32と図35に示すように、開閉バルブ27が開いたとき、貯水タンク12内の水が給水路27Aを通って下方の貯水部13Bへ供給されなければならない。このため、雄ネジ271Bと雌ネジ124Aの螺合によって、バルブハウジング271が貯水タンク12に取り付けられた状態で連通する通水孔を、バルブハウジング271の外周部と取り付け部124に形成している。具体的には、取り付け部124の雌ネジ124Aの下部と、バルブハウジング271の雄ネジ271Bの下部を貫通して、複数の通水孔278と279を形成している。特に、雌ネジ124Aと雄ネジ271Bの部分を貫通するように通水孔278と279を設けることによって、貯水タンク12と開閉バルブ27との結合範囲内に通水孔278と279が位置するため、雌ネジ124Aと雄ネジ271Bの部分以外の部分に設けた場合に比して、貯水タンク12と開閉バルブ27との結合範囲の高さを低くできるものとなる。
【0086】
通水孔278のピッチ(略均等角度間隔)と、通水孔279のピッチ(略均等角度間隔)とは、少なくとも一箇所で通水孔278と279が連通する関係のピッチで配置されている。実施例では、通水孔278のピッチ(略均等角度間隔)と、通水孔279のピッチ(略均等角度間隔)とは、異なるピッチであり、通水孔278は72度ピッチで5個配置され、通水孔279は、120度ピッチで4個配置された構成であり、これによって、図36に示すように、少なくとも一箇所で通水孔278と279が連通する関係となる。このように、開閉バルブ27を貯水タンク12に取り付けたとき、少なくとも一箇所で通水孔278と279が連通する関係となるように、通水孔278と通水孔279のうち、一方の通水孔を奇数個として略均等角度間隔に配置し、他方の通水孔を偶数個として略均等角度間隔に配置した構成とすればよい。
【0087】
貯水タンク12をタンク室13に出し入れする途上において、開閉バルブ27が開くことがないようにするために、可動バルブ272の作動部272Aが押し上げられないようにしている。このため、貯水タンク12の底面には、作動部272Aの周囲部に、作動部272Aよりも下方への突出長さが長い環状の防護壁280を一体形成にて設けている。これによって、貯水タンク12の底面から下方への作動部272Aの突出長さは、貯水タンク12の底面から下方への防護壁280の突出長さよりも若干短いため、図31と図34図に示すように両者間に若干の差S1が生じ、貯水タンク12をタンク室13に出し入れする際に、作動部272Aの下端がタンク室13の底面131に接触する前に、防護壁280の下端がタンク室13の底面131に接触するため、可動バルブ272が給水路27Aを開くことがない。この防護壁280は、上記のように貯水タンク12内に水道水を給水(補給)する際に、開閉バルブ27を取り外し操作するための握り部となるように、6面形状の外観をなしている。
【0088】
また、上記のように、開閉バルブ27は貯水タンク12内の挿入先側(前端側)寄りの位置に配置されているため、防護壁280もそれに対応した配置である。この状態において、左右後部の突条12T1は、防護壁280の左右両側を挟んで貯水タンク12の挿入先側(前端側)へ延び、貯水タンク12の底面から下方への防護壁280の突出長さよりも、それに対応する左右後部の突条12T1の貯水タンク12の底面から下方への突出長さが若干長い。このため、図31と図34に示すように両者間に若干の差S2が生じ、貯水タンク12をタンク室13に出し入れする際に、防護壁280の下端がタンク室13の底面131に接触する前に、左右後部の突条12T1の下端がタンク室13の底面131に接触するため、防護壁280が邪魔になって貯水タンク12をタンク室13に出し入れし難くなることがない。
【0089】
このような構成において、除菌ユニット10を冷凍冷蔵庫1の上面に取り付けた状態で、貯水タンク12をタンク室13にスライドにて出し入れする場合について説明する。上記のように、ストッパ部30B11から取っ手部12Aが外れる状態にまで送風出口扉30Bを開いた状態で、図37に示すように、取っ手部12Aを持って、貯水タンク12の左右後部の突条12T1を基板30Aの上面に載せ、貯水タンク12をタンク挿入口23に臨ませる。
【0090】
この状態から、図38に示すように、取っ手部12Aを持って、貯水タンク12を略水平状態に持ち上げた状態で、基板30Aの上面を案内面として左右後部の突条12T1を基板30Aの上面にスライドさせつつ、貯水タンク12をタンク室13へ挿入する。この挿入によって、左右後部の突条12T1がタンク室13の底面131をスライドし、次いで左右前部の突条12T2がタンク室13の底面131をスライドすることによって、貯水タンク12が略水平状態でタンク室13の奥側へ達する。この場合、左右後部の突条12T1と防護壁280と作動部272Aの貯水タンク12の底面からの突出長さが、上記のような関係によって、作動部272Aがタンク室13の底面131に接触することなく、左右後部の突条12T1とスムースに貯水タンク12をタンク室13へ挿入することができる。
【0091】
この挿入によって、図39に示すように、貯水タンク12がタンク室13の奥側へ達したとき、貯水タンク12の先端部がタンク室13の奥上部に形成した下方奥側に向かう傾斜面281に近接する。この状態で、左右後部の突条12T1の傾斜面12T11が落ち込み部132Gの前端に当接し、また、左右前部の突条12T2の傾斜面12T21が落ち込み部132Hの前端に当接し、水を入れた貯水タンク12の重量によって、この状態から左右後部の突条12T1が落ち込み部132Gに落ち込むと共に、左右前部の突条12T2が落ち込み部132Hに落ち込む。そして、貯水タンク12がタンク室13の所定位置へ収納された状態、即ち、最終落ち込み状態において、図40に示すように、貯水部13Aに防護壁280と作動部272Aが落ち込み、作動部272Aが突起28に当接してバネ273に抗して押し上げられるため、これに伴って可動バルブ272が押し上げられて給水路27Aを開く。これによって、貯水タンク12内の水は、通水孔278と通水孔279の連通部分を通って、バルブハウジング271内に入り、そこから給水路27Aを通って貯水部13Aへ供給され、一定水位に保たれる。
【0092】
また、この最終落ち込み状態において、貯水タンク12の挿入先側(前端側)の上部が、傾斜面281の下側に形成される凹部282に潜り込むため、冷凍冷蔵庫1の運転による振動や扉の開閉に伴う振動等によって、貯水タンク12が飛び上がることが防止され、開閉バルブ27の状態を安定に維持できるものとなる。
【0093】
貯水タンク12をタンク室13から引き出す場合は、上記とは逆の動きによって、左右後部の突条12T1の傾斜面12T11が落ち込み部132Gの前端に当接し、また、左右前部の突条12T2の傾斜面12T21が落ち込み部132Hの前端に当接しつつ、貯水タンク12の挿入先側(前端側)の上部が凹部282から脱して、貯水タンク12が上昇し、図39の状態に達した後、貯水タンク12をタンク室13から引き出すことができる。この引き出しの場合も、左右後部の突条12T1と防護壁280と作動部272Aの貯水タンク12の底面からの突出長さが、上記のような関係によって、作動部272Aがタンク室13の底面131に接触することなく、左右後部の突条12T1とスムースに貯水タンク12をタンク室13へ挿入することができる。
【0094】
また、左右後部の突条12T1に傾斜面12T11を形成する代わりに、落ち込み部132Gの前端を傾斜面とし、また、左右前部の突条12T2に傾斜面12T21を形成する代わりに、落ち込み部132Hの前端を傾斜面とする構成でも、上記同様の動作が得られる。更に、左右後部の突条12T1の挿入先側に傾斜面12T11とは逆向きの傾斜面12T12を形成すれば、図37のように、貯水タンク12の左右後部の突条12T1を基板30Aの上面に載せる際に、左右後部の突条12T1が基板30Aの前端部に衝突しても、傾斜面12T12によって衝突抵抗が減じられ、基板30Aの前端部と傾斜面12T12との相互スライドによって、貯水タンク12を図39の状態に挿入し易くなる。
【0095】
また、左右前部の突条12T2の挿入先側に傾斜面12T21とは逆向きの傾斜面12T22を形成すれば、図38の状態から図39の状態に至る際に、左右前部の突条12T2が基板30Aの前端部に衝突しても、傾斜面12T22によって衝突抵抗が減じられ、基板30Aの前端部と傾斜面12T22との相互スライドによって、貯水タンク12をタンク室13の奥側へ挿入し易くなる。
【0096】
上記のように、貯水タンク12は、挿入によって落ち込むことによって、開閉バルブ27は、突起28によって作動部272Aが押し上げられることによって、その可動バルブ272が上昇して開くタイプであるため、貯水タンク12を挿入するタンク室13の上下寸法を小さくして、小型化するように制限した設計とする場合は、可動バルブ272の上昇ストロークを大きく取れない。
【0097】
上記のように開閉バルブ27が開いた状態で、貯水タンク12内の水は、通水孔278と279の連通部分を通って、バルブハウジング271内に入り、そこから給水路27Aを通って貯水部13Aへ供給される。また、基板部271Aの中央部の孔271AKと作動部272Aは、実施例のように、上方に行くに従って直径が大きくなっている場合は、突起28に当接して作動部272Aが押し上げられて開閉バルブ27が開いた状態で、基板部271Aの中央部の孔271AKと作動部272Aとの間に隙間が生じるため、バルブハウジング271内の水は、この隙間からも若干貯水部13Aへ供給される。
【0098】
上記のように、貯水タンク12が挿入と落ち込みによって、開閉バルブ27が開いて貯水部13Aへ給水される構成の場合、貯水部13Aに溜まっていた空気は、貯水タンク12から貯水部13Aへの給水に伴って逃げなければ、この給水がスムースに行なわれないが、この空気は、貯水部13Aの上方に位置する給水路27Aを通って上方のバルブハウジング271内へ逃げる。また、実施例の構成では、孔271AKと作動部272Aとの間の隙間からもバルブハウジング271内へ逃げる。このように、貯水タンク12内の水が貯水部13Aへ供給される通路と、貯水部13Aの空気の逃げる通路が同じである。
【0099】
このように、バルブハウジング271内へ逃げた空気は、バルブハウジング271内の可動バルブ272の周縁から上方へ移動し、コイルバネ273とバネホルダ274を通って、貯水タンク12内の上方へ逃げることとなるが、上記のように、貯水タンク12の挿入と落ち込みによって開閉バルブ27が開くタイプにおいて、可動バルブ272の上昇ストロークを大きく取れない場合は、バルブハウジング271内の空気の逃げ道が狭くなって、空気が逃げ難くなる。
【0100】
特に、バルブハウジング271に存在するバネホルダ274によって、その逃げ道を塞がれて、貯水タンク12内の上方へ逃げ難い状態となる。そこで、この空気の逃げがスムースに行なわれるようにするために、本発明の開閉バルブ27は、上記のように、バネホルダ274は、必要部分であるバネ273を支える上辺274Uと、バネホルダ274を取り付ける左右辺274L、274Rを残して、左右辺274L、274Rと90度の部分に、大きく開口する空間領域SPを形成した門形状に形成している。
【0101】
これによって、可動バルブ272の上昇ストロークが大きく取れなくても、通水孔278と279の連通部分から移動する空気は、バネホルダ274内に溜まらずに速やかに左右の空間領域SPから上方へ逃げ、通水孔278と279の連通部分から給水路27Aへの水の流れがスムースに行われることとなる。これによって、貯水タンク12の挿入によって落ち込むことによって、可動バルブ272が上昇して開閉バルブ27が開くタイプとして、好ましいものとなる。
【0102】
給水路27Aは、バネホルダ274の左右辺274L、274Rの中心を通る軸線GPに対して、その一方側の数と他方側の数が異なるように、アンバランスに配置した複数の孔で構成して、貯水部13Aへの水の供給と、貯水部13Aからの空気の逃げがスムースに行なえるようにしている。
【0103】
実施例では、図27に示すように、給水路27Aは、略等角度間隔配置の3個の孔で形成し、バネホルダ274の左右辺274L、274Rの中心を通る軸線GPに対して、そのうちの一つ27A(イ)が一方側に位置し、他の2個27A(ロ)と27A(ハ)が他方側に位置した配置であり、27A(イ)が大きな孔であり、27A(ロ)と27A(ハ)が小さい孔としている。これによって、主として大きな孔の27A(イ)から貯水部13Aの空気が上方へ逃げ、バルブハウジング271内の水は、小さい孔の27A(ロ)と27A(ハ)から貯水部13Aへ供給され、空気の逃げと水の供給がスムースに行なえるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の除菌ユニット及びそれに係る構成、更には、開閉バルブ27の各部品の形状等は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の形態に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明に係る除菌ユニットを上面に載置した冷凍冷蔵庫の正面図(実施例1)
【図2】本発明に係る除菌ユニットを上面に載置した冷凍冷蔵庫の上面斜視図(実施例1)
【図3】本発明に係る除菌ユニットの作動制御部の拡大正面図(実施例1)
【図4】本発明に係る除菌ユニットの作動制御部の拡大底面図(実施例1)
【図5】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを略45度開いた上面斜視図(実施例1)
【図6】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを略全開した上面斜視図(実施例1)
【図7】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを開いた状態で吸い込みフィルタと貯水タンクを前方へ引き出した状態を示す上面斜視図(実施例1)
【図8】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの中央部縦断側面図(実施例1)
【図9】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを略45度開いた状態の中央部縦断側面図(実施例1)
【図10】本発明に係る除菌ユニットからカセットを取り出した状態を示す上面斜視図(実施例1)
【図11】本発明に係る回動カバーが開き貯水タンクと吸い込みフィルタを外し除菌ユニットからカセットを取り出した状態を示す上面斜視図である。(実施例1)
【図12】本発明に係る除菌ユニット前面の化粧パネルの左右両側部を取り外した状態を示す上面斜視図である。(実施例1)
【図13】本発明に係る除菌ユニット前面の化粧パネルの左側部を取り外した状態を示す拡大上面斜視図である。(実施例1)
【図14】本発明に係る除菌ユニットの上蓋とカセットの上蓋を外した状態の平面図である。(実施例1)
【図15】本発明に係る除菌ユニットの上蓋とカセットの上蓋を外した状態の上面斜視図である。(実施例1)
【図16】本発明に係る除菌ユニットの主要部を分解した分解上面斜視図である。(実施例1)
【図17】本発明に係る除菌ユニットを細部まで分解した分解上面斜視図である。(実施例1)
【図18】本発明に係る除菌ユニットのカセットの上面斜視図である。(実施例1)
【図19】本発明に係る除菌ユニットのカセットを分解した分解上面斜視図である。(実施例1)
【図20】本発明に係る除菌ユニットの上蓋とカセットの上蓋が外され貯水タンクを前方へ引き出した状態の左前方斜視図である。(実施例1)
【図21】本発明に係る除菌ユニットの上蓋とカセットの上蓋が外され貯水タンクを前方へ引き出した状態の右前方斜視図である。(実施例1)
【図22】本発明に係る取り外した開閉バルブと貯水タンクの下方斜視図である。(実施例1)
【図23】本発明に係る開閉バルブを取り付けた貯水タンクの下方斜視図である。(実施例1)
【図24】本発明に係る開閉バルブのバルブハウジングの上面斜視図である。(実施例1)
【図25】本発明に係る開閉バルブの上面斜視図である。(実施例1)
【図26】本発明に係る開閉バルブの上面図である。(実施例1)
【図27】本発明に係る開閉バルブの底面図である。(実施例1)
【図28】本発明に係る開閉バルブの分解斜視図である。(実施例1)
【図29】本発明に係る貯水タンクと開閉バルブの分解斜視図である。(実施例1)
【図30】本発明に係る開閉バルブの内部構造と貯水タンクの開閉バルブ取り付け部の関係を示す縦断側面図である。(実施例1)
【図31】図30の開閉バルブを貯水タンクに取り付けた状態の縦断側面図である。(実施例1)
【図32】図31の状態の開閉バルブの可動バルブが貯水部の突起によって押上げられて開いた状態を示す縦断側面図である。(実施例1)
【図33】本発明に係る開閉バルブと貯水タンクの通水部の関係を示す貯水タンクと開閉バルブの縦断側面図である。(実施例1)
【図34】図33の開閉バルブを貯水タンクに取り付けた状態の通水部の構造を示す縦断側面図である。(実施例1)
【図35】図34の状態の開閉バルブの可動バルブが貯水部の突起によって押上げられて開いた状態を示す縦断側面図である。(実施例1)
【図36】本発明に係る貯水タンクに開閉バルブが取り付けられ状態での通水孔の連通状態を説明する平面図である。(実施例1)
【図37】本発明に係る除菌ユニットのタンク室入口へ貯水タンクを臨ませた状態の縦断側面図である。(実施例1)
【図38】本発明に係るタンク室入口へ貯水タンクを挿入し始めた状態の縦断側面図である。(実施例1)
【図39】本発明に係るタンク室内へ貯水タンクが挿入され貯水タンクの突条がタンク室の落ち込み部へ差し掛かった状態の縦断側面図である。(実施例1)
【図40】本発明に係る貯水タンクの突条がタンク室の落ち込み部へ落ち込んでタンク室内へ貯水タンクがセットされた状態の縦断側面図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0106】
1・・・・・冷凍冷蔵庫(貯蔵庫)
2・・・・・冷凍冷蔵庫本体(貯蔵本体)
3・・・・・冷蔵室
4・・・・・野菜室
5・・・・・冷凍室
7、7A、7B・・・・冷蔵室扉
8・・・・・野菜室扉
9・・・・・冷凍室扉
10・・・・除菌ユニット
11・・・・ハウジング
11A・・・ハウジング本体
11B・・・ハウジング本体の蓋
11B1・・カセット出し入れ用窓
11C・・・周囲壁
11K・・・カセット
11K1・・カセット本体
11K2・・カセット本体の蓋
11K3・・取っ手部
11K4・・前面開口
12・・・・貯水タンク
12A・・・摘み取っ手部
12T1・・左右後部の突条
12T11・・突条12T1の傾斜面
12T2・・左右前部の突条
12T21・・突条12T2の傾斜面
123・・・給水口
124・・・・取り付け部
124A・・・雌ネジ
13・・・・タンク室
13A・・・貯水部
13B・・・凹部
132G・・落ち込み部
132H・・落ち込み部
14・・・・電極
14Y・・・電極ユニット
15・・・・電解室(電解部)
16A、16B・・・通水路
17・・・・除菌エレメント
17A・・・空気通路
17B・・・吸い上げ要素部
18・・・・水受け部
19・・・・送風室
20・・・・送風機
20G・・・防振ゴム
21・・・・吸い込みフィルタ
21A・・・取っ手部
21E・・・フィルタエレメント
21H1・・フィルタホルダ
21H2・・格子状押え板
22・・・・フィルタ室
23・・・・タンク挿入口
24・・・・送風出口
25・・・・フィルタ挿入口
26・・・・空気吸い込み口
27・・・・開閉バルブ
27A・・・給水路
271・・・バルブハウジング
271A・・基板部
271B・・雄ネジ
272・・・可動バルブ
272A・・作動部
273・・・コイルバネ
274・・・バネホルダ
274U・・バネホルダの上辺
274L・・バネホルダの左右辺、
274R・・バネホルダの左右辺
278・・・通水孔
279・・・通水孔
28・・・・突起
280・・・防護壁
30・・・・化粧パネル
30A・・・基板
30B・・・送風出口扉(化粧パネルの上壁)
30B3・・防護作用部
30C・・・カバー
31・・・・送風出口
32A・・・吸い込みフィルタの挿入部
33A・・・貯水タンクの挿入部
35・・・・除菌ユニットの作動制御切替スイッチ
35A・・・強運転スイッチ
35B・・・中運転スイッチ
35C・・・弱運転スイッチ
36・・・・除菌エレメント出し入れ用窓
37・・・・電気回路基板
40・・・・表示部
40E・・・除菌エレメント交換表示用LED
40F・・・吸い込みフィルタ交換表示用LED
40G・・・自動運転表示用LED
40H・・・弱運転状態表示用LED
40K・・・給水用LED
43・・・・電源スイッチ
44・・・・リセットスイッチ
46・・・・制御回路部
47A・・・コネクタ
47B・・・コネクタ
47C・・・コネクタ
50・・・・制御部
HJ・・・・ヒンジ装置
HJ1・・・ヒンジ取り付けネジ
SP・・・・空間領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に開閉バルブを備え前記開閉バルブが開いて内部の液体が外部に供給される液体タンクにおいて、前記開閉バルブは、上辺とその左右端部から垂下した左右辺を備えた門状のバネホルダと、流路を開閉する可動バルブと、上端が前記バネホルダに支えられ下端が前記可動バルブに支えられたバネが、前記液体タンク内方へ立設されるバルブハウジング内に設けられて前記可動バルブの上昇にて流路を開く構成であり、前記バネホルダは前記左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ部分として機能する空間領域を形成したことを特徴とする液体タンク。
【請求項2】
底部に開閉バルブを備え前記開閉バルブが開いて内部の水が外部に供給される貯水タンクにおいて、前記開閉バルブは、上辺とその左右端部から垂下した左右辺を備えた門状のバネホルダと、給水路を開閉する可動バルブと、上端が前記バネホルダに支えられ下端が前記可動バルブに支えられたバネが、前記貯水タンク内方へ立設されるバルブハウジング内に設けられて前記可動バルブの上昇にて給水路を開く構成であり、前記バネホルダは前記左右辺と90度隔たった両側の箇所に垂下辺が存在しない空気逃げ部分として機能する空間領域を形成し、前記バルブハウジングの外周部には雄ネジが形成され、前記貯水タンクの底壁には前記雄ネジと螺合する雌ネジを形成した取り付け部が前記貯水タンク内方へ立設され、前記雄ネジと前記雌ネジの螺合によって前記バルブハウジングが前記貯水タンクに取り付けられた状態で連通する通水孔を、前記バルブハウジングの外周部と前記取り付け部に形成し、前記貯水タンクが所定位置へ挿入されたときの落ち込みによって前記可動バルブが上昇して前記給水路を開くことを特徴とする貯水タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2008−144987(P2008−144987A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329483(P2006−329483)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】