説明

液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法

【課題】 本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばインクジェット方式によるプリンタヘッド、このプリンタヘッドを用いたプリンタに適用して、簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができるようにする。
【解決手段】 本発明は、バンプ等の接続用の部材44を介してフレキシブル配線39をヘッドチップ等の半導体基板31に接続するようにして、半導体基板31とフレキシブル配線39との間に接続用の部材44による空隙を形成し、このフレキシブル配線39に形成された注入口46よりこの空隙に樹脂49を充填して硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばインクジェット方式によるプリンタヘッド、このプリンタヘッドを用いたプリンタに適用することができる。本発明は、バンプ等の接続用の部材を介してフレキシブル配線をヘッドチップ等の半導体基板に接続するようにして、半導体基板とフレキシブル配線との間に接続用の部材による空隙を形成し、このフレキシブル配線に形成された注入口よりこの空隙に樹脂を充填して硬化させることにより、簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット方式によるプリンタにおいては、発熱素子等によるエネルギー発生素子の駆動によりインク液室の圧力を増大させ、この圧力の増大により微小なノズルよりインク液滴とを飛び出させて印刷対象に付着させ、これにより所望の画像等を印刷するようになされている。
【0003】
このようなプリンタに適用されるプリンタヘッドにおいては、半導体製造技術により複数のエネルギー発生素子を駆動回路と共に半導体基板上に一体に形成してヘッドチップが形成され、このヘッドチップにインク液室、ノズルを形成してなる部材等を設けて形成されるようになされている。このようなプリンタヘッドにおいては、例えばワイヤボンディングによりヘッドチップを電源等に接続した後、このワイヤボンディングした部位を樹脂により包み込んで保護するようになされている。
【0004】
これに対して特開2002−331666号公報には、図12に示すように、ワイヤボンディングに代えて、フレキシブル配線基板と導電性接着剤とによりヘッドチップを電源等に接続することを前提に、フレキシブル配線基板の隣接する電極間に切り欠きを形成すると共に、フレキシブル配線基板とヘッドチップとの接続部位に絶縁性の接着剤を充填することにより、ヘッドチップとフレキシブル配線基板との熱膨張係数の相違を緩和して、簡易かつ確実にヘッドチップを配線する方法が提案されるようになされている。
【0005】
このようなインクジェット方式のプリンタにおいては、ノズルから飛び出したインク液滴の飛沫がノズル近傍に付着することになる。またノズルの開口側にあっては、インクにより濡れた状態となり、ノズルの内側にはインクが残留することになる。
【0006】
プリンタにおいて、このようにノズル近傍に付着した飛沫、ノズルの開口側を濡らすインク等にあっては、徐々に揮発成分が蒸発して粘度が上昇し、ついには固形物となってノズルにこびりついた状態となる。これによりプリンタヘッドにおいては、インク液滴の吐出方向が変化したり、さらにはインク液滴を吐出できなくなり、これにより画質が著しく劣化することになる。
【0007】
このためこの種のプリンタにおいては、印刷開始時等に、クリーニング処理を実行し、これにより画質劣化を防止するようになされている。ここでこのクリーニング処理は、例えば硬質ゴムによるブレード等によるクリーニング用の部材により、ノズル開口側面からこのような増粘、固化したインクを拭き取って除去した後、いわゆる予備吐出によりノズルに残留するインクを排出して実行するようになされている。
【0008】
このようなクリーニング処理に関して、特開2001−199076号公報等には、図13に示すように、吸湿性を有する部材との積層構造によるブレードを用いて、ノズル開口側面からこのような増粘、固化したインクを拭き取って除去する際に、併せてノズルに残留するインクを吸い出して除去する方法が提案されるようになされている。
【0009】
しかしてこのようなブレードにより除去されるインク残留物にあっては、ノズルの目詰まり等の原因になることにより、確実に除去することが望まれる。しかしながらワイヤボンディングによるヘッドチップの接続においては、ワイヤボンディングの保護に供する樹脂がノズル開口側面から飛び出して凸部を形成することを避け得ない。また特開2002−331666号公報に開示の方法にあっても、切り欠きの部分よりフレキシブル配線基板とヘッドチップとの接続部位に充填した絶縁性の接着剤が凸部を形成する。
【0010】
図14に示すように、このようにノズル開口側面に凸部が存在すると、ブレード等によるインク残留物の除去においては、インク残留物を確実に除去することが困難になる。因みに、このような場合に、ブレードの押圧力を増大すると、インク残留物の取り残しを低減できるものの、その分、プリンタヘッドに大きな応力が加わることにより、接続不良が発生する恐れがあり、またブレードの消耗も著しくなる。また吸湿性を有する部材によるブレードにあっては、ノズルから吸い取るインク量が著しく増大するようになり、その分、インクの消費量が増大する。
【特許文献1】特開2002−331666号公報
【特許文献2】特開2001−199076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、液体吐出ヘッドに適用して、少なくともエネルギー発生素子が複数個設けられ、ノズルの管軸とほぼ垂直な端面側の面に、エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板と、複数の電極に対応する複数の電極を有し、接続用の部材を介して、端面側より半導体基板の複数の電極に接続されたフレキシブル配線基板とを備え、フレキシブル配線基板は、開口側の面が、端面とほぼ同一の面となるように形成されて、半導体基板との間に、接続用の部材の厚みによる空隙が形成され、空隙に連通する注入口より注入された樹脂により空隙が充填された後、樹脂が硬化されてなるようにする。
【0013】
また請求項4の発明においては、液体吐出装置に適用して、液体吐出ヘッドのノズルが設けられた端面にクリーニング用の部材を押し付けて可動させることにより、端面をクリーニングし、液体吐出ヘッドは、少なくともエネルギー発生素子が複数個設けられ、端面側の面に、エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板と、複数の電極に対応する複数の電極を有し、接続用の部材を介して、端面側より半導体基板の複数の電極に接続されたフレキシブル配線基板とを有し、フレキシブル配線基板は、開口側の面が、端面とほぼ同一の面となるように形成されて、半導体基板との間に、接続用の部材の厚みによる空隙が形成され、空隙に連通する注入口より注入された樹脂により空隙が充填された後、樹脂が硬化されてなるようにする。
【0014】
また請求項5の発明においては、液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、少なくともエネルギー発生素子が複数個設けられて、端面側の面に、エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板に対して、開口側の面が、端面とほぼ同一の面となるように、接続用の部材を介して、端面側より半導体基板の複数の電極にフレキシブル配線基板を接続することにより、フレキシブル配線基板と半導体基板との間に、接続用の部材の厚みによる空隙を形成する接続の工程と、空隙に連通する注入口より樹脂を注入して空隙を樹脂により充填する樹脂充填の工程と、樹脂を硬化する樹脂硬化の工程とを有するようにする。
【0015】
請求項1の構成により、液体吐出ヘッドに適用して、少なくともエネルギー発生素子が複数個設けられ、ノズルの管軸とほぼ垂直な端面側の面に、エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板と、複数の電極に対応する複数の電極を有し、接続用の部材を介して、端面側より半導体基板の複数の電極に接続されたフレキシブル配線基板とを備え、フレキシブル配線基板は、開口側の面が、端面とほぼ同一の面となるように形成されて、半導体基板との間に、接続用の部材の厚みによる空隙が形成され、空隙に連通する注入口より注入された樹脂により空隙が充填された後、樹脂が硬化されてなるようにすれば、フレキシブル配線基板を簡易に半導体基板に接続して、フレキシブル配線基板により大きな凸部の形成を防止しつつ、この樹脂により強固にフレキシブル配線基板を半導体基板に保持することができる。これにより簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができる。
【0016】
これにより請求項4、請求項5の構成によれば、簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができる液体吐出装置、液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0019】
(1)実施例の構成
図2は、本発明に係るラインプリンタを示す斜視図であり、図3は、この図2をA−A線により切り取って示すラインプリンタの断面図である。このラインプリンタ1は、フルラインタイプのラインプリンタであり、略長方形形状によりプリンタ本体2が形成される。このラインプリンタ1は、印刷対象である用紙3を収納した用紙トレイ4をこのプリンタ本体2の正面に形成されたトレイ出入口より装着することにより、用紙3を給紙できるようになされている。
【0020】
ラインプリンタ1は、このようにトレイ出入口よりプリンタ本体2に用紙トレイ4が装着されて、ユーザーにより印刷が指示されると、このプリンタ本体2に設けられた給紙ローラ5の回転によりプリンタ本体2の背面側に向かって用紙トレイ4から用紙3が送り出され、プリンタ本体2の背面側に設けられた反転ローラー6によりこの用紙3の送り方向が正面方向に切り換えられる。ラインプリンタ1は、このようにして用紙送り方向が正面方向に切り換えられてなる用紙3が用紙トレイ4上を横切るように搬送ベルト7により搬送され、ラインプリンタ1の正面側に配置された排出口よりトレイ8に排出される。これらによりラインプリンタ1は、用紙3の搬送機構が構成され、この搬送機構を構成する各ローラー5、6、搬送ベルト7等を駆動する給排紙モータの駆動により、用紙3を給紙、搬送、排出できるようになされている。なおここで搬送ベルト7は、この図3において想像線により示すように、反転ローラー6側に設けられたローラー7Aの回転軸を回動中心にして、全体が用紙3側の所定の退避位置に回動できるように形成され、印刷時以外においては、この退避位置に保持されるようになされている。
【0021】
ラインプリンタ1は、上側端面に上蓋10が設けられ、この上蓋10の内側、正面方向への用紙搬送途中に、矢印Bにより示すように、ヘッドカートリッジ11が交換可能に配置される。
【0022】
ここでヘッドカートリッジ11は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色によるフルラインタイプのプリンタヘッドであり、上側に各色のインクタンク12Y、12M、12C、12Kが設けられる。ヘッドカートリッジ11は、これらインクタンク12Y、12M、12C、12Kに係るプリンタヘッドのアッセンブリーであるヘッドアッセンブリー13と、このヘッドアッセンブリー13の用紙3側に設けられて、不使用時、ヘッドアッセンブリー13に設けられたノズル列を塞いでインクの乾燥を防止するヘッドキャップ14とにより構成される。これによりラインプリンタ1においては、ヘッドキャップ14を移動させてヘッドアッセンブリー13の用紙側面を露出させた後、このヘッドアッセンブリー13の駆動により、各色のインク液滴を用紙3に付着させて所望の画像等をカラーにより印刷することができるようになされている。
【0023】
すなわち図4に一部断面を取って示すように、ヘッドアッセンブリー13は、用紙幅により各インクに対応するノズル21の列が形成されてなるノズルシート22によりヘッドキャップ14側の端面が形成され、これによりヘッドキャップ14を移動させてヘッドアッセンブリー13の用紙側面を露出させると、このノズル21の列が露出するように形成される。
【0024】
ヘッドキャップ14は、硬質樹脂材料等により周囲に壁面を形成してなる箱形状にケース23が形成される。ヘッドキャップ14は、図5(A)に示すように、搬送ベルト7が退避位置に退避した状態で、このケース23がヘッドアッセンブリー13の用紙側面をそっくり塞ぐように形成され、これによりノズル21等からのインク成分の蒸発を低減することができるようになされている。
【0025】
またヘッドキャップ14は、プリンタ本体2に設けられたキャップ開閉モータの駆動により、図5(B)において矢印Cにより示すように、ヘッドアッセンブリー13の用紙側面に沿ってプリンタ1の前面側に移動するように形成され、これにより印刷時においては、ノズル21を露出させることができるようになされている。しかして図5(C)は、ヘッドキャップ14が前面側に最後まで移動した状態を示す図であり、プリンタ1においては、このようにヘッドキャップ14の移動が完了すると、搬送ベルト7が退避位置より印刷可能位置まで回動して、ヘッドアッセンブリー13により印刷可能に用紙3を搬送するようになされている。
【0026】
ヘッドキャップ14は、内側に、ヘッドアッセンブリー13のクリーニング機構が設けられる。すなわち図6(A)及び(B)に示すように、ヘッドキャップ14は、内側の背面側に、クリーニングローラー25が回転自在に設けられ、ヘッドアッセンブリー13の用紙側面に沿った移動により、矢印Dにより示すように、このクリーニングローラー25がノズルシート22に押し付けられて回転するようになされている。
【0027】
ここでクリーニングローラー25は、ノズル21の先端部分を含むノズルシート22に付着するインク残渣を除去するクリーニング用の部材であり、弾性を有し、かつインクを十分に吸収可能な多孔質材により、少なくともノズル列の長さにより形成される。具体的に、クリーニングローラー25は、例えばスポンジ、フェルトにより形成される。これにより図7に示すように、クリーニングローラー25は、ノズルシート22の用紙側面に付着したインクの残渣26のうち液状の成分を吸収して除去するようになされている。またこのようなインクの残渣26のうち揮発成分の蒸発によりノズルシート22に増粘したインク残留物、ノズルシート22に付着して固化したインク残留物については、ノズルシート22から引き剥がして除去するようになされている。また図6(A)に示すように、ノズル21を横切る際には、毛管現象によりノズル21からもインク26を吸い取り、これによりノズル21に残留するインク量を減少させるようになされている。なおクリーニングローラー25を多孔質の部材により形成した場合には、ノズルシート22に押圧して変形した部位が回転により元の形状に戻る際にインクを吸収することにより、一段と効率良くインクの残渣を除去することができる。
【0028】
なおクリーニングローラー25は、上下方向に可動可能にヘッドキャップ14に保持され、ヘッドキャップ14を移動させてノズル21を露出させる場合には、ノズルシート22に押圧されるのに対し、これとは逆にノズル21の露出を中止する場合には、ノズルシート22に接触しないように保持される。これによりこの実施例では、印刷終了時においては、ノズルシート22をクリーニングしないようになされている。
【0029】
さらにヘッドキャップ14は、このクリーニングローラー25の前面側に、スクレーパ27が設けられる。ここでスクレーパ27は、例えば硬質ゴムにより形成され、クリーニングローラー25に当接するように設けられる。これによりスクレーパ27は、クリーニングローラー25に付着したインク残留物をクリーニングローラー25から擦り落とし、クリーニングローラー25を清浄な状態に保持するようになされている。
【0030】
さらにヘッドキャップ14は、クリーニングローラー25の背面側、壁面との間に、底面が露出する領域ARが形成され、この領域ARが予備吐出の領域に割り当てられ、この領域がノズル21の下を横切るタイミングで、対応するノズルを予備吐出し、この予備吐出に係るインク液滴をこの領域ARで受けるようになされている。
【0031】
さらにヘッドキャップ14は、この予備吐出の領域ARを含む底面のほぼ全面に、インクを吸収する吸湿性のシート材28が設けられる。なおこのシート材28は、例えばスポンジにより形成される。これによりヘッドキャップ14は、予備吐出に係るインク液滴をこのシート材28により吸収して、予備吐出に係るインク、さらには内側に受けたインクについて、ノズルシート22側へのインクの跳ね返りを防止するようになされている。またこのシート材28の交換により、いわゆる廃インクを簡易に除去できるようになされている。
【0032】
しかしてこれらにより図8に示すように、ヘッドカートリッジ11は、ヘッドキャップ14がノズル21を覆った状態から(図8(A))、矢印Eに示すように、印刷の開始によりプリンタ1の前面側に移動し(図8(B))、この移動の際にクリーニングの処理を実行するようになされている。またヘッドキャップ14が前面側に完全に移動した状態で(図8(C))、画像等を印刷し、印刷の終了により矢印Fに示すように、ヘッドキャップ14が元の位置に移動してノズル21の露出を防止するようになされている(図8(D)及び(E))。
【0033】
またこのようにして印刷の開始によりヘッドキャップ14をプリンタ1の前面側に移動させるようにして、プリンタ1は、ヘッドキャップ14の位置を検出する複数の光電スイッチが設けられ、これらの光電スイッチにより、それぞれ各色のノズル21の真下に予備吐出の領域ARが位置した状態を検出できるようになされている。
【0034】
図9は、用紙3側より見てインク液滴の吐出に係る部分を拡大してヘッドアッセンブリー13を示す分解斜視図である。ヘッドアッセンブリー13は、所定のフレームに保持されたノズルシート22にヘッドチップ31を貼り着けた後、ケースに保持して形成される。
【0035】
ここでノズルシート22は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクにそれぞれ対応する用紙幅によるノズル21の列が並設されたシート状部材であり、この実施例では電鋳法によりコバルトを含むニッケル材により形成される。
【0036】
これに対してヘッドチップ31は、インク液室32の隔壁33を形成してなる半導体基板により、ノズルシート22側から見て全体が長方形形状により形成される。ヘッドチップ31は、この長方形形状の長辺の一辺側が開いてなるように、ノズルシート22に設けられた各ノズル21に対応して櫛の歯形状によりインク液室32の隔壁33が形成される。また各ノズル21に対応して各インク液室32に発熱素子34が所定ピッチにより順次設けられ、またこれら発熱素子34を駆動する駆動回路等が形成される。これによりヘッドチップ31は、ノズルシート22に貼り着けてインク液室32が形成され、発熱素子34を設けてなる側の一辺に沿って形成されたインク流路によりそれぞれ対応するインクタンク12Y、12M、12C、12Kのインクを各インク液室32に導き得るようになされている。また各インク液室32に設けられた発熱素子34を対応する駆動回路により駆動して各インク液室32のインクを加熱して気泡を発生させ、この気泡による圧力の増大により対応するノズル21からインク液滴を飛び出させることができるようになされている。
【0037】
なおヘッドチップ31は、実際上、半導体ウエハに複数チップ分の駆動回路、発熱素子34、インク液室の隔壁33が作成された後、各チップにスクライビングされ、その後、ノズルシート22を貼り着けて作成され、これにより効率良く作成されるようになされている。これらによりこの実施例においては、発熱素子34により、液室32に保持した液体の圧力を増大させ、ノズル21からインク液室32に保持した液体の液滴を飛び出させるエネルギー発生素子を構成するようになされている。
【0038】
このヘッドチップ31は、発熱素子34が設けられている側とは逆側の長辺に沿って、ノズルシート22側面に、複数の電極38が形成され、この電極38により電源を供給し、各発熱素子34の駆動用信号を供給するようになされている。ヘッドチップ31は、この電極34が作成されている部位の、ノズルシート22に開口37が形成され、この開口37の部位で、ノズルシート22側よりフレキシブル配線基板39が電極38に接続される。これによりヘットチップ31は、電源等に接続されるようになされている。なおフレキシブル配線基板39は、ポリイミド、ビニール、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等、種々のベース材による可撓性を有するものを広く適用することができる。
【0039】
ここで、ノズル21の列と直交する面(図9のF−F線)により断面を取って図1に示すように、ヘッドアッセンブリー13は、ノズルシート22を所定のフレームに保持した状態で、ノズルシート22にヘッドチップ31を貼り着けた後、ヘッドチップ31の背面側より、所定の流路形成部材41が貼り着けられ、これにより対応するインクタンク12Y、12M、12C、12Kのインクを各ヘッドチップ31のインク液室32に導くインク流路42が形成される。しかしてこの実施例において、ヘッドアッセンブリー13は、いわゆる千鳥配置により、このインク流路42を間に挟んで、交互にヘッドチップ31が配置され、またこのヘッドチップ31の配置に対応してノズルシート22にノズル21が設けられるようになされている。ヘッドアッセンブリー13は、これら流路形成部材41を間に挟んでノズルシート22と対向するようにプリント基板40が配置され、このプリント基板40と各ヘッドチップ31とがフレキシブル配線基板39により接続される。
【0040】
ヘッドアッセンブリー13は、矢印Gにより部分的に拡大して示すように、接続用の部材である例えばバンプ44を介して、フレキシブル配線基板39が、ヘッドチップ31に接続され、ノズルシート22のノズル開口側の面であるこのヘッドアッセンブリー13の端面と、フレキシブル配線基板39のこのノズル開口側の面とがほぼ同一の面となるように形成されて、ヘットチップ31とフレキシブル配線基板39との間に、バンプ44の厚みによる空隙が形成されるようになされている。
【0041】
ここでこの実施例において、インク液室32の隔壁33は、半導体ウエハの段階でヘッドチップ31に感光性の樹脂を塗布して露光することにより形成され、図10(A)に示すように、各電極38側にまで延長するように形成されて、各電極38の周囲をそれぞれ囲むように形成される。これによりヘッドアッセンブリー13は、このヘットチップ31とフレキシブル配線基板39との間のバンプ44の厚みによる空隙が、これら隔壁33の厚みにより、各電極38にそれぞれ形成される。
【0042】
またこの隔壁33は、フレキシブル配線基板39が引き出される側とは逆側(インク液室32の側)に、空隙が細長く延長するように形成され、図10(B)に示すように、フレキシブル配線基板39は、この延長した先端の部位に、樹脂の注入口46が形成されるようになされている。またこの樹脂の注入口46から樹脂を注入した際に、最後に樹脂が充填される部位であるこの注入口46から逆側の部位に、空気抜き穴47が形成されるようになされている。
【0043】
これにより図11(A)に示すように、ヘッドアッセンブリー13は、フレキシブル配線基板39をヘッドチップ31に位置決めして重ね合わせ、接続部を選択的に150〜250度に加熱して圧着することにより、フレキシブル配線基板39をヘッドチップ31に接続するようになされている。
【0044】
ヘッドアッセンブリー13は、図11(B)に示すように、このようにして形成されたフレキシブル配線基板39とヘッドチップ31との間の空隙に、微細なノズル48により樹脂49が充填され、その後、この樹脂49が硬化される。ここでこの実施例においては、注入口46から樹脂49が盛り上がらないように樹脂49が注入される。またこの樹脂49においては、フレキシブル配線基板39、ヘッドチップ31に対して十分な接着力を有する樹脂が適用され、この実施例ではこの樹脂49に、熱硬化性のエポキシ樹脂が適用され、100度、5分の加熱により硬化させた。
【0045】
これによりこの実施例において、プリンタヘッドであるヘッドアッセンブリー13は、ノズル31の開口側端面に関して、滑らかな傾斜変化はあるものの、凸部を形成しないようになされ、これによりクリーニング用の部材によるクリーニングによって、確実にインク残差を除去できるようになされている。
【0046】
(2)実施例の動作
以上の構成において、このプリンタ1では、ホスト装置から供給されるプリントデータにより、処理対象である用紙3を所定の用紙送り機構により搬送しながら、ヘッドカートリッジ11からインク液滴が吐出され、このインク液滴が搬送中の用紙3に付着し、これによりヘッドカートリッジ11の駆動に応じて画像、テキスト等が印刷される(図2)。
【0047】
プリンタ1においては、シート状の部材であるノズルシート22に、用紙幅により、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のノズル列が順次形成されて、これらノズル列の各ノズル21から、印刷に供するインク液滴が飛び出す(図9)。また各ノズル21においては、対応するインク液室32に、インク液室32の圧力を増大させるエネルギー発生素子としての発熱素子34が、このノズル列の延長する方向に併設され、ヘッドチップ31に設けられた駆動回路によりこれら発熱素子34が駆動されて各ノズル21からインク液滴が飛び出し、これにより所望の画像等を高画質により印刷することができるようになされている。
【0048】
しかして印刷の繰り返しにより、プリンタ1においては、ノズル21から飛び出したインク液滴の飛沫がノズルシート面に付着することになる。またノズル21の開口側にあっては、インクにより濡れた状態となり、ノズル21の内側にはインクが残留することになる。
【0049】
プリンタ1においては、このようにノズルシート面に付着した飛沫、ノズル21の開口側を濡らすインク等にあっては、徐々にインクの揮発成分が蒸発して粘度が上昇し、ついには固形物となってノズルシート22にこびりついた状態となる。またノズルの内側に残留するインクにあっても、徐々に粘度が上昇し、これらにより遂には正常に印刷できなくなる。
【0050】
このためこの実施例においては、印刷していない状態では、用紙3を搬送する搬送ベルト7がノズル21より遠ざかった位置である退避位置に退避し(図3、図5)、この退避により搬送ベルト7とノズル21との間に形成される空間において、ヘッドキャップ14によりノズル21の露出が防止され、これによりこのような目詰まりの原因である揮発成分の蒸発が低減される。
【0051】
またこのようにしてヘッドキャップ14によりノズル21の露出を防止して、印刷を開始する場合、ヘッドキャップ14の移動によりこのヘッドキャップ14の内側に設けられたクリーニングローラー25によりノズルシート面に付着したインクの残渣が取り除かれる。またこのときこのクリーニングローラー25によりノズル21に残留するインクが吸い取られ、これによりノズル21に残留するインクが排出される。またこのようにしてもノズル21に残留するインク成分が、続く予備吐出によりノズル21から排出される。
【0052】
しかしながらこのようなクリーニングローラー25によるインク残差の除去にあっては、ノズル21の開口側面に凸部があると、確実に残差を除去できなくなり、結局、ノズル21の目詰まり等が発生する恐れがある。
【0053】
このためこの実施例においては、ノズルシート21に開口37が形成され、この開口37の部分でヘッドチップ31に形成された電極38に対してフレキシブル配線基板39により配線が形成される。これによりこの実施例においては、ヘッドチップ31に形成された複数の電極38をまとめて配線することができ、その分、ヘッドチップ31を簡易に配線できるようになされている。
【0054】
またこのようにして配線するにつき、フレキシブル配線基板39は、接続部材であるバンプ44を介してヘッドチップ31の電極38に接続され、これによりノズル開口側の面が、ノズル開口の端面とほぼ同一の面となるようにヘッドチップ31に設けられて、ヘッドチップ31との間に、バンプ44の厚みによる空隙が形成される。この実施例では、この空隙がインク液室32の隔壁33を構成する部材により電極38単位で囲まれて形成され、この空隙に注入口47から樹脂49が充填されて硬化される。これによりこの実施例においては、この樹脂49によりフレキシブル配線基板39が強固にヘッドチップ31に保持され、その分、確実にヘッドチップを配線することができる。
【0055】
またこのようにして空隙に充填される樹脂49においては、ノズル開口側端面であるノズルシート21側面がフレキシブル配線基板39により覆われていることにより、フレキシブル配線基板39の配線パターンの厚みによる滑らかな傾斜変化はあるものの、大きな凸部を形成しないようにし得、これによりクリーニングローラー、さらにはブレード等によるクリーニングによって、確実にインク残差を除去することができる。
【0056】
さらにこのようにして樹脂を充填するようにして、この接続の部位には、空隙に連通する樹脂の充填に係る空気抜き穴47が形成されており、これにより空隙に空気を残留させないようにして樹脂を充填することができ、その分、定量により樹脂を充填するようにして、注入口46から樹脂49が溢れ出す等の事故を防止することができ、またこのように溢れ出した樹脂49による凸部の形成等を有効に回避することができる。
【0057】
またこのような空気抜き穴47にあっては、樹脂49の注入口より小径により形成され、これによりこの空気抜き穴47から樹脂49が溢れ出す等の事故も有効に回避することができる。
【0058】
またこの実施例では、インク液室32の隔壁33を構成する部材により電極38がそれぞれ囲まれて空隙が個別に形成されることにより、フレキシブル配線39は、ノズル開口側端面の高さが高い精度により一定の高さに保持される。これによりこの実施例においては、フレキシブル配線基板39とノズルシート22とで、ノズル開口側面を高い精度により平坦な面により形成することができ、これによってもインク残留物を確実に除去することができる。
【0059】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、バンプ等の接続用の部材を介してフレキシブル配線をヘッドチップ等の半導体基板に接続するようにして、半導体基板とフレキシブル配線との間に接続用の部材による空隙を形成し、このフレキシブル配線に形成された注入口よりこの空隙に樹脂を充填して硬化させることにより、簡易かつ確実にヘッドチップを配線するようにして、クリーニングにより液滴の残留物を確実に除去することができる。
【実施例2】
【0060】
なお上述の実施例においては、バンプによりフレキシブル配線基板を接続する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、導電性の接着剤により接続する場合等にも広く適用することができる。なおこのように導電性の接着剤により接続する場合にあっては、接続用の部材をこの接着剤により兼用することもできる。
【0061】
また上述の実施例においては、電極毎に空隙を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ヘッドチップに形成された電極でまとめて空隙を形成するようにしてもよい。
【0062】
また上述の実施例においては、熱硬化性のエポキシ樹脂を空隙に充填する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばアクリル樹脂、ホットメルト等、種々の接着剤を広く適用することができる。
【0063】
また上述の実施例においては、空気抜き穴を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば吸引により空隙内を真空に近い状態に設定した後、常圧により樹脂を充填する場合等、実用上十分に樹脂を充填できる場合には、空気抜き穴を省略するようにしてもよい。
【0064】
また上述の実施例においては、フレキシブル配線基板とノズルシートとを別体に設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フレキシブル配線基板によりノズルシートを兼用する場合にも広く適用することができる。
【0065】
また上述の実施例においては、樹脂が溢れ出さないようにする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、注入口より盛り上った樹脂、溢れ出した樹脂を除去する余剰樹脂の除去工程を設けるようにしてもよい。
【0066】
また上述の実施例においては、カラー印刷用のフルラインタイプのプリンタヘッドに本発明を適用して4本のノズル列を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば白黒印刷用のフルラインタイプのプリンタヘッドに本発明を適用してノズル列を1本により作成する場合等、種々の本数によりノズル列を作成する場合に広く適用することができる。
【0067】
また上述の実施例においては、フルラインタイプのプリンタヘッドに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばプリンタヘッドを特定方向に移動させるいわゆるシリアルタイプのプリンタヘッドに本発明を適用する場合にも広く適用することができる。
【0068】
また上述の実施例においては、サーマル方式によるラインプリンタに本発明を適用して発熱素子によりエネルギー発生素子を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ピエゾ方式、静電方式等、各種素子によりエネルギー発生素子を構成するプリンタに広く適用することができる。
【0069】
また上述の実施例においては、本発明をプリンタヘッドに適用してインク液滴を飛び出させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インク液滴に代えて液滴が各種染料の液滴、保護層形成用の液滴等である液体吐出ヘッド、さらには液滴が試薬等であるマイクロディスペンサー、各種測定装置、各種試験装置、液滴がエッチングより部材を保護する薬剤である各種のパターン描画装置等に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばインクジェット方式によるプリンタヘッド、このプリンタヘッドを用いたプリンタに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施例に係るヘッドアッセンブリーの詳細構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るプリンタを示す斜視図である。
【図3】図2のプリンタをA−A線により切り取って示す断面図である。
【図4】図2のプリンタに適用されるインクカートリッジを示す側面図である。
【図5】図2のプリンタにおけるヘッドキャップの移動の説明に供する断面図である。
【図6】図2のプリンタにおけるヘッドキャップを示す断面図である。
【図7】図6のヘッドキャップのクリーニングローラーの説明に供する断面図である。
【図8】図7のクリーニングローラーの説明に供する断面図である。
【図9】図1のプリンタに係るヘッドの配置を示す斜視図である。
【図10】フレキシブル配線基板による接続部を示す平面図である。
【図11】フレキシブル配線基板による接続工程の説明に供する断面図である。
【図12】従来のプリンタヘッドを示す断面図である。
【図13】図12の例とは異なる例による従来のプリンタヘッドを示す断面図である。
【図14】インク残差の取り残しの説明に供する断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1……プリンタ、2……プリンタ本体、3……用紙、7……搬送ベルト、11……インクカートリッジ、14……ヘッドキャップ、21……ノズル、22……ノズルシート、25……クリーニングローラー、34……発熱素子、32……インク液室、39……フレキシブル配線基板、44……バンプ、49……樹脂


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー発生素子の駆動により液室に保持した液体の圧力を増大させ、端面に開口が形成されたノズルから前記液室に保持した液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドにおいて、
少なくとも前記エネルギー発生素子が複数個設けられ、前記ノズルの管軸とほぼ垂直な前記端面側の面に、前記エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板と、
前記複数の電極に対応する複数の電極を有し、接続用の部材を介して、前記端面側より前記半導体基板の複数の電極に接続されたフレキシブル配線基板とを備え、
前記フレキシブル配線基板は、
前記開口側の面が、前記端面とほぼ同一の面となるように形成されて、前記半導体基板との間に、前記接続用の部材の厚みによる空隙が形成され、
前記空隙に連通する注入口より注入された樹脂により前記空隙が充填された後、前記樹脂が硬化された
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記フレキシブル配線基板は、
前記空隙に連通する前記樹脂の充填に係る空気抜き穴を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記注入口に比して、前記空気抜き穴が小径に形成された
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
液体吐出ヘッドの駆動により前記液体吐出ヘッドの液室に設けられた液体の液滴を前記液滴の処理対象に向けて前記液体吐出ヘッドのノズルから飛び出させる液体吐出装置において、
前記液体吐出ヘッドの前記ノズルが設けられた端面にクリーニング用の部材を押しつけて可動させることにより、前記端面をクリーニングし、
前記液体吐出ヘッドは、
エネルギー発生素子の駆動により前記液室に保持した液体の圧力を増大させ、前記ノズルから前記液滴を飛び出させ、
少なくとも前記エネルギー発生素子が複数個設けられ、前記端面側の面に、前記エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板と、
前記複数の電極に対応する複数の電極を有し、接続用の部材を介して、前記端面側より前記半導体基板の複数の電極に接続されたフレキシブル配線基板とを有し、
前記フレキシブル配線基板は、
前記開口側の面が、前記端面とほぼ同一の面となるように形成されて、前記半導体基板との間に、前記接続用の部材の厚みによる空隙が形成され、
前記空隙に連通する注入口より注入された樹脂により前記空隙が充填された後、前記樹脂が硬化された
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
エネルギー発生素子の駆動により液室に保持した液体の圧力を増大させ、端面に開口が形成されたノズルから前記液室に保持した液体の液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法において、
少なくとも前記エネルギー発生素子が複数個設けられて、前記端面側の面に、前記エネルギー発生素子の駆動に供する複数の電極が設けられた半導体基板に対して、前記開口側の面が、前記端面とほぼ同一の面となるように、接続用の部材を介して、前記端面側より前記半導体基板の複数の電極にフレキシブル配線基板を接続することにより、前記フレキシブル配線基板と前記半導体基板との間に、前記接続用の部材の厚みによる空隙を形成する接続の工程と、
前記空隙に連通する注入口より樹脂を注入して前記空隙を前記樹脂により充填する樹脂充填の工程と、
前記樹脂を硬化する樹脂硬化の工程と
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記樹脂充填の工程は、
前記注入口より前記樹脂を注入して前記空隙を前記樹脂により充填する充填工程と、
前記注入口より盛り上がった樹脂を取り除く余剰樹脂の除去工程と
を有することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−110846(P2006−110846A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300102(P2004−300102)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】