説明

液体吐出ヘッド用テープ、液体吐出ヘッド

【課題】使用開始時まで吐出口が形成された部材の表面を保護でき、テープを剥離した後に、吐出口近傍に粘着剤の残渣が発生しにくいテープおよびテープを備えた液体吐出ヘッドの提供。
【解決手段】液体を吐出するための吐出口が設けられた吐出口形成部材と、粘着剤により形成される粘着剤層を有し、粘着剤層を介して吐出口を封止するように、吐出口形成部材の吐出口が設けられた面に対して貼着されたテープH1401と、を有する液体吐出ヘッドH1001であって、粘着剤は重合基を有する化合物と、液体と反応することにより重合基に対して重合開始剤として作用する物質を提供することが可能な化合物と、を含む液体吐出ヘッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体を吐出する液体吐出ヘッドに使用されるテープおよび、該テープを備えた液体吐出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる例としては、インクを被記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録方式が挙げられる。
【0003】
インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)に適用されるインクジェット記録ヘッドは、一般に微細な吐出口、液流路及び該液流路の一部に設けられる液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を複数備えている。
【0004】
インクジェット記録ヘッドの吐出口は、使用時にはインクが吐出するために大気に対して開放された状態にある。一方、非使用時にはインクジェット記録ヘッドの吐出口が配列された面にキャッピングを行い、吐出口を介したインク溶剤の蒸発により生じる吐出口の目詰まりや、紙等の接触による損傷などを防止している。インクジェット記録ヘッドがプリンターなどの装置に装着されている場合は、プリンタが有するキャッピング機構によるキャッピングによって保護できる。しかし、インクジェット記録ヘッドが装置に装着されていないとき、特に物流過程にあるときは、別の手段によってインク溶剤の蒸発や接触による損傷を防止する必要がある。例えばUS5262802に開示されているように、粘着性を有するテープでインク吐出口が形成された表面を保護することが行われている。
【0005】
インクジェット記録ヘッドの保護に粘着性を有するテープを用いた場合は、剥離時に粘着剤の残渣が発生することがあり、特にインク吐出口近傍の粘着剤残渣はインク吐出口の周囲の濡れ性を不均一化し、インク滴の飛翔方向にズレを生じさせることが知られている。また、ヘッドを装置に装着した後の回復動作などによって、粘着剤残渣が吐出口に移動して吐出口の目詰まりを生じさせる場合があるということが知られている。そのため、特開2004−284284に開示があるように、インク吐出口近傍に粘着剤が接触しない状態で、剥離可能な粘着性を有する保護部材を接合することにより、インク吐出口近傍の粘着剤残渣を低減できることが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、粘着剤残渣の発生を抑制するために吐出口近傍の粘着性を低減させる場合、インク吐出口近傍のみの粘着性を低減させるためには高度な位置合わせ精度が要求さる。そのため、非常に高価な装置が必要となり実施する上で困難が多い。他の手段として、インク吐出口を含む広範囲な部分の粘着性を低減させる方法を行った場合、インク吐出口の封止が不十分となることが考えられ、インク溶剤の蒸発を防止する効果が低下したり、物流過程においてインクジェット記録ヘッドから剥離してしまったりすることが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記の従来の課題を考慮してなされたものである。
【0008】
本発明は、インクジェット記録ヘッドの使用開始時まで吐出口が形成された部材の表面を保護でき、テープを剥離した後に、吐出口近傍に粘着剤の残渣が発生しにくいテープおよび該テープを備えたインクジェット記録ヘッドを提供することを目的の一つとする。
【0009】
本発明の一つの形態は、液体を吐出するための吐出口が設けられた吐出口形成部材と、粘着剤により形成される粘着剤層を有し、該粘着剤層を介して前記吐出口を封止するように、前記吐出口形成部材の前記吐出口が設けられた面に対して貼着されたテープと、を有する液体吐出ヘッドであって、前記粘着剤は重合基を有する化合物と、前記液体と反応することにより前記重合基に対して重合開始剤として作用する物質を提供することが可能な化合物と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0010】
また、本発明の一つの形態は、前記液体吐出ヘッドと、前記吐出口から吐出される前記液体を収納するための液体収納部材と、を有する液体吐出ヘッドカートリッジである。
【0011】
さらに、本発明の一つの形態は、液体吐出ヘッドの吐出口を形成する部材に貼り付けられる液体吐出ヘッド用テープであって、基材の上に形成された粘着剤により形成される粘着剤層を有し、該粘着剤はエポキシ基またはオキセタニル基の少なくとも一方を有する化合物と、ケチミン基を有する化合物と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド用テープである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、インクジェット記録ヘッドの使用開始時まで吐出口が形成された部材の表面を保護でき、テープを剥離した後に、吐出口近傍に粘着剤の残渣が発生しにくいテープおよび該テープを備えたインクジェット記録ヘッドを提供するが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
【0015】
なお、液体吐出ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。そして、この液体吐出ヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。なお、本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
【0016】
なお以下の説明では液体吐出ヘッドの一例としてインクジェット記録ヘッドを例示して説明する。
【0017】
以下に本発明における実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用したインクジェット記録ヘッドの一例を示したものである。このインクジェット記録ヘッドH1001は、インクタンク一体型であり、インクタンク内にインクが充填されており、更に吐出口を形成する吐出口形成部材の表面には吐出口保護用のテープH1401が、少なくとも吐出口を覆って貼り付けられている。すなわち、図1は、テープH1401によって吐出口が封止された物流過程における形態としてのインクジェット記録ヘッドを示している。
【0019】
図1で例示した形態は、記録素子基板H1101とインクタンク一体型であり、インクジェット記録ヘッドカートリッジ(液体吐出ヘッドカートリッジ)と呼ぶことができる。また、本発明は記録素子基板H1101と、インクタンクが別体型のインクジェット記録ヘッドにも適用することもできる。
【0020】
図2は、インクジェット記録ヘッドH1001の構成を示した斜視図、図3は分解斜視図である。インクジェット記録ヘッドH1001は、記録素子基板H1101、電気配線テープH1301、インク供給保持部材H1501、フィルタH1701〜H1703、インク吸収体H1601〜H1603、蓋部材H1901を有している。インク供給保持部材H1501と蓋部材H1901から、フィルタH1701〜H1703やインク吸収体H1601〜H1603を内蔵するインク収納部(液体収納部材)の筺体が形成されている。図4に示すように、記録素子基板H1101には、サンドブラストや異方性エッチング等によりインク供給口H1104が形成されている。さらに記録素子基板H1101上には、フォトリソ工程にてインク流路および吐出口H1102が設けられている。
【0021】
電気配線テープH1301は、インクを吐出するための電気信号を記録素子基板H1101に印加する経路を形成したものであり、ポリイミドフィルム上へ銅配線を形成したものである。
【0022】
インク供給保持部材H1501は、樹脂成形により形成されており、そこに記録素子基板H1101と電気配線テープH1301が実装される。インクを保持し負圧を発生するための吸収体H1601〜H1603は、ポリプロピレン(PP)繊維を圧縮したものを用い、インク吸収保持部材H1501により形成される内部空間内へ挿入される。インク供給保持部材H1501と吸収体H1601〜H1603が当接しインク流路となる箇所には、記録素子基板H1101へゴミを浸入させないようフィルタH1701〜H1703が予め接合されている。蓋部材H1901はインク供給保持部材H1501の上部開口部に溶着される。
【0023】
物流過程では、図1のように吐出口を保護するためにテープH1401とテープH1401を剥離しやすくするためのタグテープH1402が貼られる。テープH1401により吐出口が封止されることにより、吐出口H1102の保護のみならず、物流時に生じる温度や圧力変動による吐出口からのインク漏れも防止される。なおテープH1401は、粘着剤により形成される粘着剤層を有し、該粘着剤層を介して吐出口が設けられた部材に対して吐出口を封止するように貼着される。
【0024】
テープを吐出口を形成する部材から剥離した際に、吐出口近傍に粘着剤の残渣が起こる原因は、粘着力の増大により剥離時に粘着剤が凝集破壊を起こすことに起因する。
【0025】
また、粘着剤残渣が起こるその他の原因は、粘着剤が粘弾性を示すことにより、例えば物流過程において粘着剤が流動し、インク吐出口内に浸入することに起因する。インク吐出口に浸入した粘着剤は剥離時に凝集破壊を起こしやすく、前記理由により印字不良が発生する。そのため、吐出口近傍の粘着剤の弾性率を増大することが有効な解決策となる。
【0026】
そこで、本発明者らは鋭意検討したところ、粘着剤として、インク中の成分と反応して架橋構造を形成するものを使用することで、吐出口近傍の粘着剤の粘着力を低減させ、かつ弾性率を増大させることができることを発見し、本発明に至った。
【0027】
図4(a)は、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一例の吐出口面近傍を示した模式図であり、図4(b)は、図4(a)の中央部断面模式図である。記録素子基板H1101は、インクの供給口H1104が設けられた基板H1108を有している。そして基板H1108上にはインク流路H1106を形成するインク流路部材H1105と、インク流路形成部材上に設けられた、吐出口H1102を備えた吐出口形成部材H1107が備えられている。供給口H1104から流路H1106そして吐出口H1102にかけての経路は、インクタンク内と連通し、前記経路中にはインクが存在する。インクタンクと記録素子基板H1101が別体の場合には、供給口H1104から流路H1106そして吐出口H1102にかけての経路に、吐出用インクではなく、物流時用の液体が存在することもある。
【0028】
吐出口形成部材H1107の吐出口H1102が設けられた表面に貼られているテープH1401はテープ基材H1403と粘着剤層H1404から成る。粘着剤H1404層のうち、吐出口H1102に対応する部分H1405はインクとの接触部分であり、低粘着力領域H1405である。
【0029】
粘着剤H1404層を形成する粘着剤は、少なくとも、架橋基を有する化合物とインク中の成分と反応して前記架橋基を有する化合物と反応可能な硬化剤となる潜在型硬化剤とを含んでいる。そのため、粘着剤H1404にインクが接触した場合には、粘着剤がインク中の成分と反応して架橋反応を起こすことができる。これにより吐出口H1102に対応する部分(低粘着力領域)H1405では粘着剤成分の架橋基が架橋された状態のものを含んでいる。すべての架橋基が架橋している必要はない。たとえば、後述するように、架橋基としてエポキシ基、またはオキセタニル基を有する主剤ポリマーを粘着剤に使用した場合には、H1405ではエポキシ基またはオキセタニル基が架橋した状態のものを含んでいる。
【0030】
架橋基を有する化合物は、前記潜在型硬化剤がインク中の成分と反応して生成した硬化剤と架橋反応を起こし、架橋構造を形成することができる化合物であればよい。前記「架橋基」としては、例えばエポキシ基またはオキセタニル基などの重合基を挙げることができる。架橋基を有する化合物は、粘着剤の主剤であるポリマー成分であることが好ましい。例えば、粘着性を有する材料が好ましい。具体的には、例えば、エポキシ基またはオキセタニル基を有するアクリル系樹脂、ゴム系樹脂又はシリコン系樹脂などを用いることができる。
【0031】
主剤ポリマーとなるアクリル系樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体などを主成分とするものを用いることができる。ゴム系樹脂としては、例えば天然ゴム、ポリイソブチレン、スチレンブタジエンゴム又はスチレンイソプレンゴムなどを主成分とするものを用いることができる。シリコン系樹脂としては、例えばオルガノポリシロキサンを主成分とするシリコンゴムやシリコンレジンなどを含有するものを用いることができる。
【0032】
また、構造中に前記架橋基を有する、粘着剤の主剤である化合物は以下のように製造することができる。例えば、主剤ポリマーとしては、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂またはシリコン系樹脂等を使用する場合には、これらを製造するためのモノマー成分と、該架橋基を有するモノマー成分を使用し、全モノマー合計量に対して、架橋基を有するモノマー成分を1〜50重量%の範囲で用い、主剤ポリマーを製造することが好ましい。
【0033】
潜在型硬化剤としては、液体と反応することにより前記重合基に対して重合開始剤として作用する物質を提供する化合物を用いることができる。前記液体がインクの場合には、インク中の成分と反応して前記架橋基を有する化合物と反応可能な硬化剤となる化合物を用いることができる。粘着剤H1404にインクが接触した場合、この潜在型硬化剤がインク中の成分(例えば水)と反応して硬化剤となり、生成した硬化剤が前記架橋基を有する化合物(具体的には該化合物が有する架橋基)と架橋反応を起こす。この反応により形成された架橋構造により、反応が起こった部分H1405では粘着性が低減し、弾性率が増大する。したがって、本発明のテープを吐出口が設けられている部材の表面から剥がすときに、粘着剤の残渣が生じなくなる。この潜在型硬化剤としては、硬化剤の反応基が化学的に保護され不活性化された化合物であって、インク中の成分と反応することによって反応基が再生する化合物を用いることができる。
【0034】
また、本発明における前記潜在型硬化剤としては、上述の他、前記架橋基を有する化合物と架橋反応しうる硬化剤を、インク中の成分により溶解する化合物によってマイクロカプセル化されたものを用いることもできる。この場合、前記インク中の成分(例えば水)により溶解する化合物としては、例えばポリビニルアルコール樹脂などの水溶性樹脂を挙げることができる。マイクロカプセル化は、公知の方法により達成することができる。
【0035】
前記「インク中の成分」とは、公知のインク中に含まれる成分であればよく、例えば、水溶性インクの場合は水である。一般的に広く用いられるインクは水溶性インクであるため、本発明におけるインク中の成分は水であることが好ましい。
【0036】
また、本発明における粘着剤は、前記架橋基を有する化合物をその構成成分として含有し、該粘着剤に粘着性を付与する主剤ポリマーと、前記潜在型硬化剤とを含む構成にすることができる。この場合、該主剤ポリマーの構造中に前記架橋基を有する化合物が構成成分として含まれることになり、該主剤ポリマー中の架橋基と前記潜在型硬化剤から生成した硬化剤とが架橋反応を起こすことになる。
【0037】
インク中の成分が水の場合、前記潜在型硬化剤としては、例えばケチミン化合物などが挙げられる。本発明におけるケチミン化合物は、ポリアミン系硬化剤の活性水素がケトンによって保護され不活性化された化合物である。ケチミン基は下記一般式(1)で表される。本発明におけるケチミン化合物はケチミン基を二つ以上有することにより架橋構造を形成することができる。
【0038】
【化1】

【0039】
(式中、R1、R2は互いに同じでも異なっていても良い直鎖、分岐鎖、脂環又は芳香族環を含む炭化水素基である。)
また、下記式(2)のようにケチミン基は水と反応することにより活性な1級アミン基を生成する。
【0040】
【化2】

【0041】
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
したがって、ケチミン化合物(潜在型硬化剤)がインク中の水分(インク中の成分)と速やかに反応して、第1級アミン官能基を有する硬化剤(ポリアミン系硬化剤)が生成し、この生成した硬化剤と架橋基を有する化合物が架橋構造を形成する。例えば、架橋基を有する化合物がエポキシ樹脂である場合は、このエポキシ樹脂と生成したアミノ基を有する硬化剤が架橋反応を起こし、架橋構造を形成する。また、例えば、架橋基を有する化合物が主剤ポリマーの構成成分となっている場合は、この主剤ポリマー中に存在する架橋基と生成した硬化剤(ポリアミン系硬化剤)が架橋反応を起こし、主剤ポリマーと生成した硬化剤とで架橋構造を形成する。
【0042】
ケチミン化合物は、例えば、第1級アミノ基を有するポリアミン化合物(ポリアミン系硬化剤)をカルボニル化合物と反応させて、ポリアミン化合物内の第1級のアミノ基をブロック(ケチミン化)して得ることができる。例えば、原料の第1級アミノ基含有ポリアミン化合物は、脂肪族系、脂環族系及び芳香族系のいずれであってもよく、粘度が低く作業性が好ましい理由から、その分子量は一般的に5000以下、好ましくは、50〜2000のものが用いられる。なお、第1級アミノ基は1分子内に2個以上あればよい。
【0043】
ポリアミン化合物は、下記式(3)で表される。
【0044】
【化3】

【0045】
式中、R3は直鎖、分岐鎖、脂環又は芳香族環を含む窒素原子を含有してもよい炭化水素基である。また、前記式中のnは2以上の整数を示す。すなわち、ポリアミン化合物は第1級アミノ基を1分子内に2個以上有する。
【0046】
ポリアミン化合物には、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミン、複素環式ポリアミンなどが含まれる。
【0047】
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,3−ペンタメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンの他、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどが挙げられる。また、脂肪族ポリアミンとして、ポリオキシアルキレン骨格を有するジアミンなどのポリオキシアルキレン骨格を有するポリアミンを用いることもできる。
【0048】
脂環式ポリアミンとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−4−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−3−アミノメチルシクロヘキサン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3−メチル−シクロヘキシルアミン)、メチル−2,3−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン{例えば、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなど}等の脂環式ジアミンなどが挙げられる。
【0049】
芳香族ポリアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ナフチレン−1,4−ジアミン、ナフチレン−1,5−ジアミン、4,4´−ジフェニルジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、2,4´−ジフェニルメタンジアミン、4,4´−ジフェニルエ−テルジアミン、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジアミン、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジアミン、4,4´−ジフェニルプロパンジアミン、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジアミン等の芳香族ジアミンなどが挙げられる。
【0050】
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,3−キシリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,4−キシリレンジアミン、ω,ω´−ジアミノ−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルアミノメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
【0051】
その他、ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミンなどが挙げられる。
【0052】
ポリアミン化合物の第1級アミノ基をブロックする為のカルボニル化合物は、下記式(4)で表される。
【0053】
【化4】

【0054】
(式中、R4、R5は互いに同じでも異なっていても良い直鎖、分岐鎖、脂環又は芳香族環を含む炭化水素基である。)
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、などの炭素数1〜20程度の直鎖、分岐鎖を含むアルキル基などが挙げられる。
【0055】
また、芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などが挙げられる。
【0056】
また、R1、R2は結合して環を形成していてもよく、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、などの3〜20員環程度のシクロアルカン環などが挙げられる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等汎用のケトン化合物が好適に用いられる。
【0057】
ケチミン化は、例えば、ポリアミン化合物及びカルボニル化合物を当量比又はカルボニル化合物を過剰量混合し、室温〜加熱条件下、生成する水を共沸等により系外に除去しながら攪拌することで達成できる。この反応の際、例えば、トルエン、キシレン等の溶媒を併用しても良い。
【0058】
前述の方法により得られ、本発明に適用可能なケチミン化合物の例としては以下の式(5)〜(16)を以下に示す。
【0059】
ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ノルボルナンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ポリオキシアルキレンジアミン、などが主に用いられる。以下にはヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを用いた場合について記した。
【0060】
カルボニル化合物としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、などが主に用いられる。以下にはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを用いた場合について記した。
【0061】
【化5】

【0062】
【化6】

【0063】
【化7】

【0064】
【化8】

【0065】
【化9】

【0066】
【化10】

【0067】
【化11】

【0068】
【化12】

【0069】
【化13】

【0070】
【化14】

【0071】
【化15】

【0072】
【化16】

【0073】
このようなケチミン化合物は市販されているものもあり、例えばジャパンエポキシレジン社の商品名「エピキュアH−3」、同「エピキュアH−30」、ADEKA(株)の商品名「アデカハードナーEH−235Rシリーズ」等が挙げられる。
【0074】
潜在型硬化剤から生成する第1級アミノ基が架橋基を有する化合物の架橋基に対して当量となるように、粘着剤中の潜在型硬化剤の量を調整することが好ましい。
【0075】
一方、本発明における粘着剤は、架橋基を有する化合物、潜在型硬化剤、及び該粘着剤に粘着性を付与する主剤ポリマーを有する構成とすることができる。つまり、架橋基を有する化合物と主剤ポリマーとは異なる化合物であり、架橋基を有する化合物中の架橋基と潜在型硬化剤から生成した硬化剤とが架橋反応を起こすことになる。また、この場合、架橋基を有する化合物は、その化合物単独で存在してもよいし、従来の添加剤の構造中に存在していてもよい(つまり、この添加剤が架橋基を有する化合物として働くとも考えられる)。例えば、この場合、架橋基を有する化合物としてエポキシ樹脂、潜在型硬化剤として前記ケチミン化合物を選択することができる。
【0076】
また、本発明における粘着剤は、各粘着剤に適した公知の添加剤を適宜使用することができる。
【0077】
また、本発明に係るテープが有するテープ基材H1403の材料としては、シールテープとしての機能を提供できるものであればよく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル又はポリイミドなどの樹脂フィルムを用いることができる。
【0078】
テープ基材の粘着剤を塗布する面(チップ表面との接合面)には、粘着剤との密着性向上のために、汎用的に用いられるプラズマ処理やコロナ放電処理などの表面処理を行うことができる。
【0079】
テープ基材の厚さは、例えば、7〜75μmとすることができ、12〜30μmとすることが好ましい。
【0080】
加えて、前記粘着剤層の厚さは、例えば、5〜50μmとすることができ、好適には、10〜40μmとすることができる。
【0081】
以下に各構成要素を詳細に説明する。
【0082】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
【0083】
(実施例1)
実施例1の液体吐出ヘッド用テープの粘着剤に用いる主剤ポリマーとして、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコンゴム、シリコンレジンの混合物を用いた。シリコンゴムの重量平均分子量は70万である。シリコンレジンの構造中にはエポキシ基を含有し、エポキシ当量は2000である。つまり、本実施例では、主剤ポリマーの構成成分としてエポキシ基を架橋基として有する化合物を含むことになる。さらに主剤ポリマーの架橋剤として過酸化ベンゾイルを加えた。
【0084】
そして、主剤ポリマーのエポキシ基に対して、ケチミン化合物から生成する第1級アミノ基が当量となるように、ケチミン化合物としてH−30(商品名、ジャパンエポキシレジン製)を含有させた。
【0085】
以上の化合物によって構成される粘着剤を作製した。
【0086】
作製した粘着剤を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、粘着剤層厚さ30μmのテープを得た。
【0087】
(実施例2)
実施例1の液体吐出ヘッド用テープの粘着剤に用いる粘着剤に用いる主剤ポリマーとして、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコンゴム、シリコンレジンの混合物を用いた。シリコンゴムの重量平均分子量は70万である。シリコンレジンの構造中にはオキセタニル基を含有し、オキセタン当量は2000である。
【0088】
さらに主剤ポリマーの架橋剤として過酸化ベンゾイルを含有させた。
【0089】
さらに、主剤ポリマーのオキセタニル基に対して、ケチミン化合物から生成する第1級アミノ基が当量となるように、ケチミン化合物としてH−30(ジャパンエポキシレジン製)を含有させた。
【0090】
以上の化合物によって構成される粘着剤を作製した。
【0091】
作製した粘着剤を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、粘着剤層厚さ30μmのテープを得た。
【0092】
(実施例3〜6)
実施例3〜6の液体吐出ヘッド用テープの粘着剤に用いる主剤ポリマーとして以下の配合表に従い反応液を調製した。
【0093】
【表1】

【0094】
次に、アゾビスイソブチロニトリル0.3部を加え、窒素雰囲気下において70℃にて6時間の重合反応を行った。反応終了後、反応液をメチルイソブチルケトンで固形分25%に調製して主剤ポリマー溶液を得た。合成したアクリル系ポリマーの重量平均分子量は100万である。
【0095】
この主剤ポリマー溶液に架橋剤として、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを主剤ポリマー100重量部に対して2重量部加えた。主剤ポリマーのエポキシ基に対して、ケチミン化合物から生成する第1級アミノ基が当量となるようにさらに、ケチミン化合物としてH−30(商品名、ジャパンエポキシレジン製)を含有させた。
【0096】
以上の化合物によって構成される粘着剤を作製した。
【0097】
作製した粘着剤を厚さ25μmにポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、粘着剤層厚さ30μmのテープを得た。
【0098】
(実施例7〜9)
実施例7〜9の液体吐出ヘッド用テープの粘着剤に用いる主剤ポリマーとして以下の配合表に従い反応液を調製した。
【0099】
【表2】

【0100】
次に、アゾビスイソブチロニトリル0.3部を加え、窒素雰囲気下において70℃にて6時間の重合反応を行った。反応終了後、反応液をメチルイソブチルケトンで固形分25%に調製して主剤ポリマー溶液を得た。合成したアクリル系ポリマーの重量平均分子量は100万である。
【0101】
この主剤ポリマー溶液にエポキシ化合物として、エピコート828(商品名、ジャパンエポキシレジン製)を以下の配合表に従い混合した。
【0102】
【表3】

【0103】
次に、架橋剤として、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを主剤ポリマー100重量部に対して2重量部加えた。
【0104】
さらに、エポキシ化合物が加えられた主剤ポリマーが有するエポキシ基に対して、ケチミン化合物から生成する第1級アミノ基が当量となるように、ケチミン化合物としてH−30(商品名、ジャパンエポキシレジン製)を含有させた。
【0105】
以上の化合物によって構成される粘着剤を作製した。
【0106】
作製した粘着剤を厚さ25μmにポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、粘着剤層厚さ30μmのテープを得た。
【0107】
(比較例1)
比較例1の液体吐出ヘッド用テープの粘着剤に用いる主剤ポリマーとしてオルガノポリシロキサンを主成分とするシリコンゴム、シリコンレジンの混合物を用いた。シリコンゴムの重量平均分子量は70万である。シリコンレジンの構造中にはエポキシ基を含有し、エポキシ当量は2000である。
【0108】
さらに主剤ポリマーの架橋剤として過酸化ベンゾイルを含有した化合物によって構成される粘着剤を作製した。
【0109】
作製した粘着剤を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、粘着剤層厚さ30μmのテープを得た。
【0110】
(比較例2)
比較例2の液体吐出ヘッド用テープの粘着剤に用いる主剤ポリマーとして以下の各成分からなる反応液を調製した。
【0111】
【表4】

【0112】
次に、アゾビスイソブチロニトリル0.3部を加え、窒素雰囲気下において70℃にて6時間の重合反応を行った。反応終了後、反応液をメチルイソブチルケトンで固形分25%に調製して主剤ポリマー溶液を得た。合成したアクリル系ポリマーの重量平均分子量は100万である。
【0113】
この主剤ポリマー溶液に架橋剤として、ヘキサメチレンジイソシアネートを主剤ポリマー100重量部に対して10重量部加え、粘着剤を作製した。
【0114】
作製した粘着剤を厚さ25μmにポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、粘着剤層厚さ30μmのテープを得た。
【0115】
(評価及び比較)
以下に、評価方法を示す。
【0116】
各実施例1〜9及び比較例で作製したテープを所望の大きさに切断し、前述したインクジェット記録ヘッドH1001の吐出口面(チップ表面)に貼り付けた。該インクジェット記録ヘッドは、2plのインクを吐出するよう設計され、その吐出口径はΦ10μmである。
【0117】
この吐出口を封止したインクジェット記録ヘッドを梱包した後、70℃加熱試験を行った。実施例1および2、比較例1のテープにおいてはインク漏れが生じず、インク吐出口の封止性能が十分であることが確認された。
【0118】
印字検査、吐出口面の観察結果、粘着力の評価結果を表5に示す。
【0119】
その後、テープを剥離し、印字検査を行うと、実施例1および2のテープで封止したインクジェット記録ヘッドではインクの着弾ズレも無く良好な印字が得られた。一方、比較例1のテープで封止したインクジェット記録ヘッドではインクの着弾ズレが発生し、良好な印字を得ることができなかった。
【0120】
また、吐出口近傍を走査型電子顕微鏡により観察した結果においても、実施例1〜9のテープで封止したインクジェット記録ヘッドでは吐出口近傍への粘着剤残渣は観察されなかった。一方、比較例1および2のテープで封止したインクジェット記録ヘッドでは吐出口近傍に粘着剤残りが生じていることが確認された。表5には、粘着剤残渣が観察されなかったものには○、少量の粘着剤残渣が観察されたものには△、多量の粘着剤残渣が観察されたものには×を記した。
【0121】
各テープにおいて、インク非接触部およびインク接触部の粘着力を測定したところ、実施例1〜9においてはインクとの非接触部に対してインクとの接触部の方が、粘着力が低減されていることが確認できた。これはインクとの接触部では、インク中の水分により粘着剤が硬化反応を起こし粘着力が低下したためであると思われる。
【0122】
また実施例1〜9が、比較例よりも粘着剤の残渣が少なかった要因として粘着剤がインク中の水と反応して硬化することで、インク成分の影響による粘着剤の凝集破壊も低減されたと考えられる。
【0123】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのテープを貼つ付けていない形態のカートリッジの一例を示す模式的斜視図である。
【図3】図2に示されるインクジェット記録ヘッドの一例を分解した状態を示す模式的斜視図である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドの一例の一部を示す模式図である。
【符号の説明】
【0125】
H1001 インクジェット記録ヘッド
H1101 記録素子基板
H1102 吐出口
H1103 オリフィス面
H1104 インク供給口
H1105 インク流路部材
H1106 インク流路
H1107 オリフィスプレート(吐出口形成部材)
H1108 基板
H1301 電気配線テープ
H1401 テープ
H1402 タグテープ
H1403 テープ基材
H1404 粘着剤
H1405 低粘着力領域
H1501 インク吸収保持部材
H1601〜H1603 吸収体
H1701〜H1703 フィルタ
H1901 蓋部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するための吐出口が設けられた吐出口形成部材と、
粘着剤により形成される粘着剤層を有し、該粘着剤層を介して前記吐出口を封止するように、前記吐出口形成部材の前記吐出口が設けられた面に対して貼着されたテープと、を有する液体吐出ヘッドであって、
前記粘着剤は重合基を有する化合物と、前記液体と反応することにより前記重合基に対して重合開始剤として作用する物質を提供することが可能な化合物と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記液体と反応することにより前記重合基に対して重合開始剤として作用する物質を提供することが可能な化合物は、ケチミン基を有する化合物である請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記重合基を有する化合物はエポキシ基及びオキセタニル基のうち少なくとも一方を有する化合物である請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記重合基を有する化合物は、エポキシ基またはオキセタニル基を有するアクリル系樹脂である請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記重合基を有する化合物は、エポキシ基またはオキセタニル基を有するシリコン系樹脂である請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記粘着剤層の前記吐出口に対応する部分は、前記重合基を有する化合物中の前記重合基が架橋した状態のものを含む請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記粘着剤層の前記吐出口に対応する部分は前記吐出口形成部材と接している部分と比較して粘着力が低い請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、前記吐出口から吐出される前記液体を収納するための液体収納部材と、を有する液体吐出ヘッドカートリッジ。
【請求項9】
液体吐出ヘッドの吐出口を形成する部材に貼り付けられる液体吐出ヘッド用テープであって、
基材の上に形成された粘着剤により形成される粘着剤層を有し、
該粘着剤はエポキシ基またはオキセタニル基の少なくとも一方を有する化合物と、ケチミン基を有する化合物と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド用テープ。
【請求項10】
前記粘着剤はエポキシ基を有するアクリル系樹脂を含む請求項9に記載の液体吐出ヘッド用テープ。
【請求項11】
前記粘着剤はエポキシ基を有するシリコン系樹脂を含む請求項9に記載の液体吐出ヘッド用テープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−149069(P2009−149069A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304337(P2008−304337)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】