説明

液体吐出装置及び液体吐出方法

【課題】液体の吐出を要する所定の場所から移動せずに、安定した吐出のための捨て打ちを可能とし、しかも捨て打ちから液体吐出までの動作を一連のものとして素早く行うことができる液体吐出装置及びそれを用いた液体吐出方法を提供する。
【解決手段】ノズル部と、これを昇降させる昇降手段と、捨て打ち手段とを有する液体吐出ユニットを具備する液体吐出装置であって、前記捨て打ち手段は捨て打ちされた液体を受け取る捨て打ち面を有し、該捨て打ち面は初期状態で前記ノズル部の吐出口の前方に配置されており、前記ノズル部の降下と連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面が前記ノズル部の吐出口の前方から回避され、一方、前記ノズル部の上昇と連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面が前記ノズル部の吐出口の前方に復帰する構造とされた液体吐出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体を吐出する液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットを始めとした液体吐出装置が様々な分野で活用されている。従来の紙等の描画媒体に印字や印画を行う用途はもとより、高画質の写真印刷や、精密機器や微細回路基板、半導体素子、表示素子等の製造への応用も精力的に進められている。さらには、DNAチップの製造、生殖細胞試験などバイオテクノロジーや先端医療の分野への応用に関する研究開発も活発である。これは、上記液体吐出装置が非接触で微小量の液体を吐出するのに適しており、またその吐出位置をほぼ制約なく変更できる空間自由度の高さに利点が見出されているためである。例えば、フォトリソグラフィーや切削加工等の加工技術では、製造物の設計変更ごとに設備や各種部材の変更をしなければならないことが多い。これに対し、インクジェット技術を応用することにより、フォトマスクや各設備等の交換等から開放され、ボトムアップ技術により微細製品をオーダーメードで成形することが可能になる。
【0003】
一方、液体吐出装置はその吐出口から液体を吐出するため、その部分の詰まり、液体の乾燥等の影響を受け、吐出開始時にその吐出量や状態が不安定になることがある。これに対応するために吐出開示時に捨て打ちを行い、その状態を安定化した後に所定の位置に吐出を行うことがある。この捨て打ちのために、前記所定の吐出位置からノズル部を移動させることなく効率的に行うため、いくつかの工夫が提案されている。
【0004】
特許文献1には、ノズル先端に印加した電界により液体の吐出を行うインクジェット装置において、そのノズル前方のやや側方に捕集容器を配置した装置が開示されている。この装置では、前記捕集容器の中央に底部からノズル先端に向かって延びる針状突出部が設けられている。この針状突出部に電圧を印加することにより、ノズルから吐出される電荷を帯びた液滴を、その静電吸引力により容器内に捕集し吐出初期の捨て打ちができるようにされている。
【0005】
特許文献2には、吐出を行う基材に対して垂直に移動可能なインクジェットヘッドに対して、上記基材に平行に移動可能な捨て打ち台を具備する装置が開示されている。この捨て打ち台は初期状態で上記インクジェットヘッドの直下に配置され、その位置で捨て打ちが行われる。その後、捨て打ち台を平行移動させ、インクジェットヘッドの直下から回避させる。次いで、インクジェットヘッドを降下させ所望の液体吐出を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4044012号明細書
【特許文献2】特開2009−182169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び2の装置により液体吐出ユニット(ノズルヘッド)を移動させずにその場での捨て打ちが可能となった。しかし、特許文献1の装置では電圧の印加(電界の発生)により吐出液滴を相当の距離を越え吸引しなければならず、そこに適用されるノズル機構や吐出材料に関する制約が大きい。できればより汎用性の高いものとしたい。
他方、特許文献2に記載の装置においては、少なくともその実施例に開示されている態様では、捨て打ちと、捨て打ち台の移動と、ノズルヘッドの降下とが順次行われ、捨て打ちが完了してから吐出するまでに相当の時間がかかっている。微細ノズルを用いたり、乾燥・変質しやすい吐出材料を用いたりしたときなど、折角捨て打ちしたにもかかわらず、そこから時間がかかるため、その効果が減殺されてしまいかねない。また、特許文献2に開示された装置では、ノズルヘッドの移動方向(z軸)と捨て打ち台の移動方向(x軸)とが異なり、その両者が区々別々に稼動されるため、2軸方向それぞれに駆動する動力原ないし動力機構が必要となる。そのため、装置としての小型化・簡素化に限界がある。液晶表示画面などの大型回路基板の捕集の用途など、広範な領域にわたって吐出ユニットを移動させる必要がある用途などを考慮すると、できるだけその周辺の構造は小型化及び簡素化を図りたい。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み、液体の吐出を要する所定の場所から移動せずに、安定した吐出のための捨て打ちを可能とし、しかも捨て打ちから液体吐出までの動作を一連のものとして素早く行うことができる液体吐出装置及びそれを用いた液体吐出方法の提供を目的とする。また、液体吐出ユニット及びその周辺の構造を小型化・簡素化することができ、その広範な領域における移動を必要とする用途などに好適に対応することができる液体吐出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)ノズル部と、これを昇降させる昇降手段と、捨て打ち手段とを有する液体吐出ユニットを具備する液体吐出装置であって、
前記捨て打ち手段は捨て打ちされた液体を受け取る捨て打ち面を有し、該捨て打ち面は初期状態で前記ノズル部の吐出口の前方に配置されており、
前記ノズル部の降下と連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面が前記ノズル部の吐出口の前方から回避され、一方、前記ノズル部の上昇と連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面が前記ノズル部の吐出口の前方に復帰する構造とされた液体吐出装置。
(2)前記ノズル部の降下に応じて押出し部が降下し、該押出し部が前記捨て打ち手段に配設されたカムに当接し、前記押出し部が前記捨て打ち手段を押し出しながらその捨て打ち面を前記ノズル部の吐出口前方から回避させる(1)に記載の液体吐出装置。
(3)前記捨て打ち手段に配設されたカムが、前記押し出し部材の降下方向にみて該方向と交差する方向に傾斜した表面を有しており、該カムの傾斜面に前記押し出し部が当接しながら降下して、前記捨て打ち手段を押し出していく(2)に記載の液体吐出装置。
(4)前記押し出し部材が回動可能なロール部材である(2)又は(3)に記載の液体吐出装置。
(5)前記押出し部が降下した位置にその降下を遮る位置決めピンを配設した(1)〜(4)のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
(6)前記捨て打ち手段が捨て打ちアームの先に前記捨て打ち面を有する捨て打ちプレートを配置した構造を有し、該捨て打ちアームの中間に固定ピボットがあり、前記捨て打ちアームについて前記固定ピボットを介して捨て打ちプレートを配置した側と反対側を前記ノズルの降下に合わせて駆動する機構とし、前記固定ピボットを回動軸として前記捨て打ちアームを回転させ、その先の捨て打ちプレートをノズル吐出口の前方から回避させるようにした(1)に記載の液体吐出装置。
(7)前記捨て打ちアームが前記固定ピボットを介して曲折し、該曲折した捨て打ちアーム部分が前記ノズル部と交差する関係になり、前記ノズル部の降下に応じて、該ノズル部に取り付けられた押出し部で前記捨て打ちアームの交差部分を押し下げる機構とした(6)に記載の液体吐出装置。
(8)前記捨て打ち手段側に配設されたギアと前記ノズル部側に配設されたギアとの係合により前記両者が連動する機構を有する(1)に記載の液体吐出装置。
(9)前記捨て打ち手段側に配設されたギアが回動ギアであり、前記ノズル部側に配設されたギアが直動ギアである(8)に記載の液体吐出装置。
(10)前記捨て打ち手段が複数のアームにより構成され、該アームに配設された固定ピボットと可動ピボットとの組み合わせにより、前記捨て打ち手段と前記ノズル部とが連動する機構を有する(1)に記載の液体吐出装置。
(11)ノズル部が下記(a)〜(c)のいずれか又はすべての特徴を具備する(1)〜(10)のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
(a)ノズル部が外形において吐出口に向け先細りになる形状であり、かつ、吐出口の開口径が円相当直径で10μm以下である。
(b)ノズル部の内もしくは外に電極が配されている。
(c)ノズル部内部の液体に所定波形の電圧が印加される。
(12)前記液体吐出ユニットが前記捨て打ち手段とともに、そのノズル部が昇降する方向を垂線とする面方向に移動可能とされた(1)〜(11)のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
(13)(1)〜(12)のいずれか1項に記載の装置を使用し、前記液体吐出ユニットを降下させるとともに、前記捨て打ち手段の捨て打ち面を、そのノズル部前記液体吐出ユニットの吐出口前方から回避させ、液体を前記吐出口から吐出する液体吐出方法。
(14)前記液体の吐出の後、前記液体吐出ユニットを上昇させ、これに連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面を、前記ノズル部の吐出口前方に復帰させる(13)に記載の液体吐出方法。
(15)前記液体として導電性材料を用い、その吐出により、回路基板の回路配線の修復を行う(13)又は(14)に記載の液体吐出方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液体吐出装置及び液体吐出方法によれば、液体の吐出を要する所定の場所から移動せずに、安定した吐出のための捨て打ちを可能とし、しかも捨て打ちから液体吐出までの動作を一連のものとして素早く行うことができる。また、液体吐出ユニット及びその周辺の構造を小型化・簡素化することができ、その広範な領域における移動を必要とする用途などに好適に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の液体吐出装置の好ましい実施形態における液体吐出ユニットを模式的に示した側面図である。(a)は捨て打ちの状態、(b)は液体吐出ユニットが降下し始めた状態、(c)は液体吐出ユニットが降下した状態を示す。
【図1−1】図1に示した装置(液体吐出ユニット)の変形例を示す装置側面図である。
【図1−2】図1に示した装置(液体吐出ユニット)の変形例を示す装置側面図である。
【図1−3】図1に示した装置(液体吐出ユニット)の変形例を示す装置側面図である。
【図1−4】図1に示した装置(液体吐出ユニット)の変形例を示す装置側面図である。
【図2】捨て打ち及び液体吐出(打滴)のシーケンスを示す説明図である。
【図3】本発明の液体吐出装置の好ましい実施形態として大型回路基板の補修を行う状態を模式的に示した平面図である。
【図4】超微細液滴ジェット装置を模式的に示した装置断面図(説明図)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の好ましい実施形態としての液体吐出装置の液体吐出ユニットを模式的に示した側面図である。本実施形態の液体吐出ユニット10は、基体1、捨て打ち台(捨て打ち手段)2、ノズル台座3、ノズル部4、押出しローラー(押出し部)5、バネヒンジ6、液供給管7、スライダー8で構成されている。図1(a)は捨て打ちを行っている状態を示しており、この状態において捨て打ち台2は基板Sに対して垂直に立っている。その捨て打ち面21はノズル部4の吐出口41の直下にあり、吐出口41から吐出される液滴91を着弾し受け止める状態にされている。なお、図示したものでは捨て打ち面21を平面とし、捨て打ち台2を薄い板状のものとして示しているが、捨て打ち面21及び捨て打ち台2の構造は、捨て打ちのための液滴91を受け止め、捕集しやすい形状にすることが好ましい。
【0013】
次いで、図1(b)では、ノズル部4が降下を始め昇降方向(z方向)に降りてくる様子を示している。なお、本実施形態では、昇降方向が鉛直方向と一致することが前提とされているが、それにより本発明が限定して解釈されるものではない。同図に示したとおり、ノズル部4が降下してくるにつれ、ノズル台座3及びその基板S側の先端に取り付けられた押出しローラー5も降下してきて、捨て打ち台2に取り付けられたカム(三角突起部)23に当接する。換言すると、ノズル部4及び押出しローラー5はノズル台座3に固定されており、このノズル台座3の降下にともなって降下する。ノズル台座3はスライダー2とは独立して移動可能に取り付けられており、スライダー2に内蔵された稼動部(図示せず)により稼動される。このような稼動機構は常用のものを適用することができ、例えば、スライダー2に内蔵されたモーター(駆動手段)によりそこに接続されたチェーンを回転させ、そのチェーンの回転移動に併せてノズル台座3が上下に移動するようにしてもよい。
【0014】
さらに、ノズル台座3が降下していくと、押出しローラー5がカム23の傾斜面23aに当接し、そこに付与されたテーパー(θ)との関係で押出しローラー5がそこを移行していくにつれ、徐々に捨て打ち台2をノズル部4から遠ざかる方項に押し出していく。具体的には、バネヒンジ6の位置で捨て打ち台2が回転し、方向dに向かって移動する。これに伴って捨て打ち面21も、ノズル部4の吐出口41の直下から回避され、その外方へと同様に方向dに向け移動していく。図1(c)は、ノズル部4の降下が完了した状態を示している。この状態においてノズル部4の吐出口41と流体の吐出を必要とする基材Sとの間には障害物はなく、ここで吐出を行うことにより、基材Sの所定の位置に液滴を吐出し吐出着弾物92を形成することができる。
【0015】
上記のようなノズル部4による液体吐出は、ピエゾ式インクジェット、バブルジェット(登録商標)式インクジェット、静電吸引式インクジェット方式等の通常のノズル機構によってもよく、後述するノズル先端の電界集中によって超微細液滴を可能とするスーパーインクジェット吐出機構によってもよい。ノズル周辺の構造がシンプルであり、しかもオンデマンドの捨て打ちが可能となる本発明の効果が一層効果的に発揮される点で、上記電界集中によって超微細液滴を吐出するスーパーインクジェット吐出機構に適用されることが好ましい。
【0016】
押出しローラー5はノズル台座3に回動軸(図示せず)により回動可能に取り付けられている。この部分は、ローラーとせず、このほか滑動可能な構造や部材、あるいは捨て打ち台側の部材に係合可能な機構を採用してもよい。カム3は、必ずしも直線的でなくてもよく、より一般的には曲線であり、角度や、軌道曲線は上記押出しローラーを利用したときに、スムースなノズル部の下降と捨て打ち台の回転回避とが可能となるように定められる。カム23もその他の構造や機構であってもよく、上述のように押出し部材側の構造と係合する構造であったり、それと滑動しやすい構造や部材であったりしてもよい。あるいは、磁力や電気的作用により押出し部材側から離れるようにして、捨て打ち台を回避可能にしてもよい。
【0017】
逆に、捨て打ち台2を復帰させるには上記と逆の動作を行うこととなる。つまり、ノズル部4及びノズル台座3を上昇させ、押出しローラー5がカム3の押圧状態を解いていく。具体的には、徐々にカム23の傾斜面23a上を押出しローラーが転動しながら上っていき、そのテーパー角度(θ)に応じて捨て打ち台2がノズル部4側に近づいていく。このとき、バネヒンジ6には、ヒンジ機構にバネ材が組み込まれており、屈折状態から平面形状に戻ろうとする弾性力が働くようにされている。ノズル部4の上昇が完了し図1(a)の状態に復帰すると、捨て打ち台2の捨て打ち面が初期の位置、つまりノズル部吐出口41の直下に位置するようになる。
【0018】
(変形例)
本発明の液体吐出装置は上記の実施形態に限定されず、要求や用途に応じて様々な変形例を構成することができる。その変形例としては例えば、カム機構を利用した液体吐出ユニット20(図1−1参照)、てこ機構を利用した液体吐出ユニット30(図1−2参照)、ギア機構を利用した液体吐出ユニット40(図1−3参照)、リンク機構を利用した液体吐出ユニット50(図1−4参照)などが挙げられる。これらの変形例はZ軸方向のノズルの駆動によって、これと連動して捨て打ち用のプレートが退避するものであり本発明の効果を奏するものである。捨て打ち機構の側から見ると、捨て打ちプレートの駆動によって、同時にノズルを下げることが可能であり、それぞれ構成例の特徴及び利点に応じて使い分けることができる。なお、変形例における部材のうち図1に示したものと異なるものを挙げると、62aが回動(円形)ギア、62b 直動(直線)ギア、64が固定ピボット、65が可動ピボットである。各図に示した装置は模式的に示したものであり、寸法や形状、ギアのピッチ等を実際のものとして示したものではない。
上述した実施形態及びその変形例を構成する部材や機器として、各種のギア、ラックアンドピニオン、回転退避側に動力を有するもの、所定のリンク機構、リニアモーター、ボイスコイルモーター、ボールネジ&回転モーター(ACサーボ,DCサーボ、ステッピングモーター)、回転軸側に回転モーターなどを適用することができる。
【0019】
(動作シーケンス)
図2は、上述した本実施形態の装置が実現可能とするスムースな捨て打ちから打滴までの一連の過程を、従来装置と対比して示したシーケンス説明図である。まず、上記特許文献2(特開2009−182169号公報)に開示された従来技術について説明する(図2(b)参照)。ここでは、捨て打ちを行い、次いで捨て打ち機構を退避させ、その後に塗布ユニットの降下が行われる。図2では、これを理解のための一例として1−10秒間の間隔で示している。まず捨て打ちが1−2秒の1秒間で行われる。次いで、退避が2−3秒の1秒間で実施され、ノズルの降下が次の3−5秒の2秒間で行われる。その後に、ようやく打滴が行われる。すでに捨て打ちの後に2−5秒の3秒間が経過している。すなわち、従来技術では、捨て打ち−退避−降下が不連続に行われる。
【0020】
これに対し、本実施形態の液体吐出装置で捨て打ちを行ったまま難なくノズル部を降下させることができる。図2(a)では、1−4秒の3秒間にわたり捨て打ちを行い、それと重なる2−5秒の3秒間でノズル部を降下させている。さらに、捨て打ち台の退避も、捨て打ちを続けながら行うことができ、3−4.5秒の1.5間で徐々に退避させている。その結果、捨て打ちの終了(4秒)から打滴の開始(5秒)までに1秒間しかなく、上記従来例の3秒間から2秒が短縮され、その間隔は1/3に縮まっている。
【0021】
さらに、本実施形態の利点はそれだけではなく、各部材の動作に所定の間隔でも十分な時間をかけることができるということである。以下に、全体の動作を10秒間としたときの上記従来例と実施例との動作時間の差を示しておく。このような、動作時間の十分な確保の利点は、吐出ユニットの降下及び捨て打ち台の退避のとき(1−5秒)のみならず、それらの復帰及び上昇のとき(6−10秒)においても発現される。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
従来例 実施例
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捨て打ち時間 1秒間×2 3秒間×2
吐出ユニットの降下(上昇) 2秒 3秒
捨て打ち台の退避(復帰) 1秒 2.5秒
合計 5秒 11.5秒
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このように十分な動作時間をかけることができることで、所定の時間内でも、本実施形態によれば正確な動作が可能となる。また、大きな動きが必要となる作業にも対応することができる。さらに、相対的にみれば、同じ動作を短い時間で完了することが可能であり、後述する回路配線基板の補修作業等の効率を大幅に改善することもできる。なお、従来例の装置において、捨て打ち台の後退・復帰(x軸方向の移動)と吐出ユニットの降下・上昇(z軸方向の移動)とを電気制御により連動させ、動作の重複を可能にすることも考えられる。しかし、2軸駆動機構の上にさらにそれらの連動制御機構が別途必要となり、益々吐出ユニットの構造が複雑になる。後述するような大型回路基板の補修等においては吐出ユニットの構造における簡素化が重要であり、その実効性が低減されてしまう。なお、吐出が求められる条件や用途、吐出精度等に応じて、本発明の液体吐出装置における上記各動作を不連続に行うことを妨げるものではない。
【0022】
(回路基板の補修)
本実施形態の液体吐出ユニット10は、ノズル部の昇降方向zを垂線とする平面方向、図1でいうとx方向及びこれと直交するy方向(図の奥行き−手前方向)に移動可能にされている。その一実施形態を図3に示した。図3のSは実施例において大型の回路基板を想定しており、例えば液晶パネルの背面基板などが挙げられる。典型的なものでは、約2m×2mの大きさのものが挙げられ、その配線に欠陥が生じたような場合には、その領域にわたって補修を行う必要がでてくる。本実施形態の液体吐出ユニットを有する装置によれば、このような広範な面積の導電性液滴の吐出による高速補修にも好適に対応することができる。
【0023】
本実施形態の液体吐出ユニット10は、移動レール81及び82により、x,y方向に自在に移動可能とされている。具体的には以下のとおりである。すなわち、移動レール81及び82はx,y方向に移動するように稼動部(図示せず)に接続されている。その移動により、移動レール81及び82の交点は基板Sのすべての場所に移動し配置することができ、その交点に常に液体吐出ユニット10が配置される機構とされている。このような機構はx,yスキャナーに適用されているものなど常用のものを適用することができる。例えば、初期状態で液体吐出ユニット10が図示した場所にあり、移動レール81を方向83aに向け移動し、液体吐出ユニット10aの場所に配置することができる。さらに、移動レール82を方向83bに向け移動し、液体吐出ユニット10bの位置に移動させ、そこで、捨て打ち及び導電性液体の打滴を行うことができる。本実施形態によれば、捨て打ちから打滴までの一連の動作が速やかに行われるため、例えば金属ペースト等の液体の粘性や流動性を損なうことなく、配線の補修を行うことができ好ましい。
【0024】
(超微細流体ジェット装置)
図4は、本発明において一実施形態として用いられる超微細流体ジェット装置(スーパーインクジェット)100を模式化して示した説明図である。本実施形態においては、液体吐出ユニットについてはノズル部周辺の機構を中心に示しており、図4に示した実施形態の捨て打ち台2、ノズル台座3、押出しローラー5、バネヒンジ6、スライダー8、カム23に相当する部材は図示していない。例えば、図4に示した超微細ノズル11に上述した各構造部を組み合わせて、捨て打ち機構を有する図1に示す実施形態の液体吐出装置を構成することができる。
【0025】
本実施形態のスーパーインクジェット100において、超微細径のノズル(超微細ノズル体:Super Fine Nozzle Member)11はノズル本体101及び電極102で構成されている。液滴サイズの超微細化を考慮するとき、ノズル本体101を低コンダクタンスのものにすることが好ましい。このためには、ガラス製キャピラリーが好適である。その他、導電性物質に絶縁材でコーティングしたものでも可能である。
【0026】
超微細ノズル11(ノズル本体101)の先端における開口径(円相当直径)φの下限値は制作上の都合から0.01μmが好ましい。また、ノズル開口径φの上限値は、静電的な力が表面張力を上回る時のノズル直径及び後述する第一の材料による描画パターンの幅等を考慮して、上限を10μmとすることが好ましく、8μmとすることが好ましく、3μm以下とすることがさらに好ましい。微細描画が求められるようなときには、必要に応じてで上限を1μmとしてもよい。超微細ノズルの先端における外径φ(円相当直径)は特に限定されないが、上記開口径φとの関係及び良好なノズル先端1tにおける良好な集中電界の発生を考慮し、外径φを0.1〜20μmとすることが好ましく、0.1〜10μmとすることがより好ましい。
【0027】
本実施形態の超微細ノズル11(ノズル本体101)はテーパーを有しノズル先端1tに向け先細りになる形態を有する。図4に示したものにおいてはノズルの内孔の方向に対するノズル外形1oのテーパー角度θとして示しているが、この角度θが0.5°〜60°であることが好ましく、1°〜30°であることがより好ましい。ノズル内形1iは特に限定されないが、本実施形態においては通常のキャピラリーチューブにおいて形成される形態であればよく、上記外形のテーパーに沿って多少テーパーのある先細り形状であってもよい。ただし、超微細ノズル11を構成するノズル本体101は、キャピラリーチューブに限らず、微細加工により形成される形態のものでもかまわない。
【0028】
本実施形態においては、超微細ノズル11を構成するノズル本体101が成形性の良いガラスで形成され、その内側に金属線(タングステン線)102が電極として挿入されている。変形例としては、これに代え、たとえばノズル内にメッキで電極を形成してもよい。さらなる変形例として、ノズル本体101自体を導電性物質で形成した場合には、その上に絶縁材をコーティングする。超微細ノズル11内には吐出すべき溶液103が充填される。この際、本実施形態においては、電極102が溶液103に浸されるように配置され、溶液103は図示しない溶液源から供給される。
【0029】
本実施形態において、超微細ノズル11は、シールドゴム104およびノズルクランプ105によりホルダー106に取り付けられ、圧力が漏れないようになっている。圧力調整器107で調整された圧力は圧力チューブ108を通してノズル11に伝えられる。本実施形態における圧力調整装置の役割は、高圧を印加することで流体をノズルから押し出すために用いることができるが、むしろコンダクタンスを調整したり、ノズル内へ溶液を充填したり、ノズルつまりの除去などに用いるために特に有効である。また、液面の位置を制御したり、メニスカスを形成したりするためにも有効である。電圧パルスと位相差を付けることでノズル内の液体に作用する力を制御することで微小吐出量を制御する役割を担うようにしてもよい。
【0030】
本実施形態においては、コンピューター109からの吐出信号は、所定の波形をもつ電圧の発生装置110に送られ制御される。所定波形電圧発生装置110より発生した電圧は、高電圧アンプ111を通して、電極102へと伝えられる。超微細ノズル11内の溶液103は、この電圧により帯電する。本実施形態においては、ノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される鏡像力の作用を利用する。このため、被描画物(機材)Sを導電性のものにしたり、これとは別に導電性の対向基板を設けたりする必要がない。すなわち、被加工物として絶縁性のものを含め様々な材料(ガラスやセラミックス、工業用の樹脂材料、半導体材料など)を用いることが可能である。電極102への印加電圧は直流でも交流でもよく、プラス・マイナスのどちらでもよい。
【0031】
本実施形態のスーパーインクジェット100によれば、従来のピエゾ式インクジェットやバブルジェット(登録商標)式インクジェットでは困難であったほど微細化された超微細液滴91を吐出することができ、これを連続して打滴し線状の描画パターンを形成することができる。この吐出を可能とする超微細ノズルの先端1tに発生する電界の強度は、ノズルに印加する電圧Vとノズルと対向電極間の距離hとで決まる電界ではなく、ノズル先端における局所的な集中電界強度に基づいている。また、本実施形態において重要なことは、局所的な強電界と、流体を供給する流路が非常に小さなコンダクタンスを持つことである。そして、流体自身が微小面積において十分に帯電することである。帯電した微小流体は、基板などの誘電体、または導体を近づけると、鏡像力が働き基板に対し直角に飛翔し、着弾して塗膜ないし微細線をなし、これが微細線描画パターンとなる。上記のスーパーインクジェットにより実現される超微細液滴の吐出の原理や好ましい実施態様については、さらに特開2004−165587号公報を参照することができる。
【0032】
本実施形態のスーパーインクジェットにおける好ましい例について以下に列記する。ただし、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
(1)ノズル本体を電気絶縁材で形成しノズル内に電極を挿入する。
(2)ノズル本体を電気絶縁材で形成しノズル内に電極をメッキ形成する。
(3)ノズル本体の外側に電極を設ける。
(4)ノズル本体をガラス製の微細キャピラリーチューブとする。
(5)ノズル本体を低コンダクタンスの形状にする。
(6)被加工物を導電性材料又は絶縁性材料により形成する。
(7)ノズルと基板との距離が500μm以下である。
(8)基板を導電性または絶縁性の基板ホルダーに裁置する。
(9)ノズル内の溶液に圧力を付加する。
(10)ノズル内電極またはノズル外側電極に所定波形の電圧を印加する。
(11)所定波形電圧を発生する所定波形電圧発生装置を設ける。
(12)印加する所定波形電圧を直流とする。
(13)印加する所定波形電圧をパルス波形とする。
(14)印加する所定波形電圧を交流とする。
(15)印加する所定波形電圧が700V以下である。
(16)印加する所定波形電圧が500V以下である。
(17)ノズルと基板間の距離を一定にするとともに印加する所定波形電圧を制御することにより超微細径の流体液滴91の吐出を制御する。
(18)印加する所定波形電圧を一定にするとともにノズルと基板間の距離を制御することにより流体液滴の吐出を制御する。
(20)ノズルと基板間の距離および印加する所定波形電圧を制御することにより流体液滴の吐出を制御する。
(21)印加する所定波形電圧を交流とし、該交流電圧の振動数を制御することによりノズル端面における流体のメニスカス形状を制御し、流体液滴の吐出を制御する。
【0033】
(吐出材料)
本発明に用いられる吐出材料としては、吐出温度において液状のものであれば特に限定されない。ノズル部を高温に加熱する吐出形態を採るのであれば、常温では固体であってもよい。上述したような回路配線の補修を考慮すると、金属微粒子ペーストを用いることが好ましい。その金属種としては、ほとんどの種類の金属又はその酸化物が挙げられるが、なかでも金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、タンタル、ビスマス、鉛、スズ、インジウム、亜鉛、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、アルミニウムなどの導電性を有するものが好ましく、金、銀、銅、白金、パラジウムがより好ましく、金および銀が特に好ましい。また、1種類の金属であっても、2種以上の金属からなる合金であってもよい。また、金属微粒子(以下、「金属ナノ粒子」ともいう)の粒径は1〜100nmが好ましく、1〜20nmがより好ましく、2〜10nmが特に好ましい。
【0034】
上記金属微粒子ペーストの溶剤は、分散方法により水溶性溶剤と有機溶剤系に分けられる。有機溶剤系はさらに、極性溶媒を主成分とするものと非極性溶媒を主成分とするものに分けられる。また、混合物であってもよい。本発明に用いられる金属微粒子ペーストの溶剤としては、水、テトラデカン、トルエン、アルコール類等が使用可能できる。溶剤中の金属微粒子の濃度は高い方が好ましく、好ましくは40質量%以上、45質量%以上がより好ましい。ただし、溶剤の流動性、蒸気圧、沸点等、およびその他の性質、ならびに立体構造体の形成条件、例えば、雰囲気や基板の温度、蒸気圧、吐出液滴の量なども考慮して決定することができる。これは、例えば、溶剤の沸点が低い場合に、液滴の飛翔中や着弾時に溶媒成分の蒸発が起こり、基板着弾時に仕込み濃度と著しく異なることが多いためである。
【0035】
金属微粒子ペーストの粘度は、ペーストの種類にも依存するが、例えば、銀ナノペーストの場合は3〜50センチポアズ(より好ましくは8〜15センチポアズ)が好ましい。吐出した着弾物は形成後、低温にて加熱し焼結を行うことにより、微粒子同士が融着して、柱状の金属層を形成することができる。焼結温度は、用いられる金属または合金の融点などの性質に応じて適宜設定することが好ましく、好ましくは100〜500℃、より好ましくは150〜300℃である。焼結時の雰囲気としては、大気、不活性気体雰囲気、減圧雰囲気、水素等の還元性気体雰囲気などを用いることができ、金属超微粒子の酸化を防ぐためには、還元性気体雰囲気が好ましい。このようにして形成された金属柱は金属含有率が高く、緻密な構造を有しているため、金属そのものの体積固有抵抗値に近い値を示し、1×10−5Ωcm以下という低抵抗を達成することができる。
【0036】
市販されている金属ペーストとしては、例えば、ハリマ化成社製、NPG−J(商品名)、真空冶金社製、金ナノメタルインク、銀ナノメタルインク、ITOナノメタルインク(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0037】
その他様々な補修用の材料、すなわち、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、有機半導体材料、グラフェン、カーボンナノチューブ、カラーフィルター用樹脂材料、有機LED用材料、抵抗体用材料、誘電体用材料、光学材料を適宜必要に応じて使用することができる。
【0038】
上記の実施形態においては、吐出対象として液晶表示装置の回路基板を示したが、その他にも液体の吐出を必要とする様々な用途に利用することができる。例えば、バイオ用のスポッティング装置、レジスト剤の塗布、接着剤の塗布、紫外線硬化樹脂の塗布、有機発光材料の塗布、太陽電池材料及び配線材料の塗布、光学マスク材料の塗布などに、本実施形態の捨て打ち機構を有する液体吐出装置を適用することが好ましい。
【符号の説明】
【0039】
10 液体吐出ユニット
1 基体
2 捨て打ち台
21 捨て打ち面
23 カム(突起部)
23a 傾斜面
24 捨て打ちプレート
25 捨て打ちアーム
25a アーム第1部
25b アーム第2部
3 ノズル台座
4 ノズル部
41 吐出口
5 押出しローラー(押出し部)
61 バネバネヒンジ
62a 回動(円形)ギア
62b 直動(直線)ギア
64 固定ピボット
65 可動ピボット
7 液供給管
8 スライダー
10、20、30、40、50 液体吐出ユニット
91 液滴
92 液滴着弾物
S 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル部と、これを昇降させる昇降手段と、捨て打ち手段とを有する液体吐出ユニットを具備する液体吐出装置であって、
前記捨て打ち手段は捨て打ちされた液体を受け取る捨て打ち面を有し、該捨て打ち面は初期状態で前記ノズル部の吐出口の前方に配置されており、
前記ノズル部の降下と連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面が前記ノズル部の吐出口の前方から回避され、一方、前記ノズル部の上昇と連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面が前記ノズル部の吐出口の前方に復帰する構造とされた液体吐出装置。
【請求項2】
前記ノズル部の降下に応じて押出し部が降下し、該押出し部が前記捨て打ち手段に配設されたカムに当接し、前記押出し部が前記捨て打ち手段を押し出しながらその捨て打ち面を前記ノズル部の吐出口前方から回避させる請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記捨て打ち手段に配設されたカムが、前記押し出し部材の降下方向にみて該方向と交差する方向に傾斜した表面を有しており、該カムの傾斜面に前記押し出し部が当接しながら降下して、前記捨て打ち手段を押し出していく請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記押し出し部材が回動可能なロール部材である請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記押出し部が降下した位置にその降下を遮る位置決めピンを配設した請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記捨て打ち手段が捨て打ちアームの先に前記捨て打ち面を有する捨て打ちプレートを配置した構造を有し、該捨て打ちアームの中間に固定ピボットがあり、前記捨て打ちアームについて前記固定ピボットを介して捨て打ちプレートを配置した側と反対側を前記ノズルの降下に合わせて駆動する機構とし、前記固定ピボットを回動軸として前記捨て打ちアームを回転させ、その先の捨て打ちプレートをノズル吐出口の前方から回避させるようにした請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記捨て打ちアームが前記固定ピボットを介して曲折し、該曲折した捨て打ちアーム部分が前記ノズル部と交差する関係になり、前記ノズル部の降下に応じて、該ノズル部に取り付けられた押出し部で前記捨て打ちアームの交差部分を押し下げる機構とした請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記捨て打ち手段側に配設されたギアと前記ノズル部側に配設されたギアとの係合により前記両者が連動する機構を有する請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記捨て打ち手段側に配設されたギアが回動ギアであり、前記ノズル部側に配設されたギアが直動ギアである請求項8に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記捨て打ち手段が複数のアームにより構成され、該アームに配設された固定ピボットと可動ピボットとの組み合わせにより、前記捨て打ち手段と前記ノズル部とが連動する機構を有する請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
ノズル部が下記(a)〜(c)のいずれか又はすべての特徴を具備する請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
(a)ノズル部が外形において吐出口に向け先細りになる形状であり、かつ、吐出口の開口径が円相当直径で10μm以下である。
(b)ノズル部の内もしくは外に電極が配されている。
(c)ノズル部内部の液体に所定波形の電圧が印加される。
【請求項12】
前記液体吐出ユニットが前記捨て打ち手段とともに、そのノズル部が昇降する方向を垂線とする面方向に移動可能とされた請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置を使用し、前記液体吐出ユニットを降下させるとともに、前記捨て打ち手段の捨て打ち面を、そのノズル部前記液体吐出ユニットの吐出口前方から回避させ、液体を前記吐出口から吐出する液体吐出方法。
【請求項14】
前記液体の吐出の後、前記液体吐出ユニットを上昇させ、これに連動して前記捨て打ち手段の捨て打ち面を、前記ノズル部の吐出口前方に復帰させる請求項13に記載の液体吐出方法。
【請求項15】
前記液体として導電性材料を用い、その吐出により、回路基板の回路配線の修復を行う請求項13又は14に記載の液体吐出方法。

【図1】
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【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−24715(P2012−24715A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166904(P2010−166904)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(506159976)株式会社SIJテクノロジ (4)
【Fターム(参考)】