説明

液体噴射ヘッドユニット

【課題】流路からの液体の漏れに伴うヘッド本体の電気的不具合を防止した液体噴射ヘッドユニットを提供する。
【解決手段】ホルダ200には、記録ヘッド本体100をホルダ200に接合する際に記録ヘッド本体100のホルダ200側の面に当接される押圧部材250が挿入される挿入孔202が設けられていると共に、ホルダ200のカートリッジ装着部材300側の面には、ホルダ200とカートリッジ装着部材300との隙間から進入するインクが挿入孔202に達しないように防液用リブ206を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を噴射する複数のヘッド本体を具備する液体噴射ヘッドユニットに関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドユニットとしては、例えば、液滴としてインク滴を噴射する複数のインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、単にヘッドユニットという)が挙げられる。このヘッドユニットとしては、例えば、インクが充填されたインクカートリッジ等が保持されるカートリッジケース本体に、複数の記録ヘッド本体が接合されたものがある。このようなヘッドユニットにおいては、ノズルが開口する面が同一平面となるように揃えた状態で、各ヘッド本体を接合部材に接合する必要がある。このため、カートリッジケース本体に各記録ヘッド本体を接合する際に、例えば、各記録ヘッドヘッド本体のノズルが開口する面(インク吐出面)とは反対側の面を押圧部材によって押圧することで、各記録ヘッド本体のインク吐出面を揃えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−186587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、複数の記録ヘッド本体(ヘッド本体)とインクカートリッジ(貯留手段)とを繋ぐ流路は、複数のヘッド本体が接合されるカートリッジ装着部材(接合部材)を含む複数の部材に形成されていることがある。このような構成では、これら複数の部材間に弾性材料等からなるシール部材が介装されており、各部材間における流路の接続部分からのインクの漏れがこのシール部材によって防止されている。
【0005】
しかしながら、このようにシール部材が介装されていても、各流路の接続部分からのインクの漏れを完全に防止することは難しい。そして、漏れ出したインクが、接合部材に設けられる上述した押圧部材が挿入される挿入孔からヘッド本体にまで達してしまう虞がある。ヘッド本体には、インク滴を吐出するための圧力を圧力発生室内のインクに付与する圧力発生手段が設けられているため、漏れ出したインクがヘッド本体に達してしまうと、インクが圧力発生手段に繋がる配線等に付着して電気的不具合を引き起こす虞がある。
【0006】
なお、このような問題は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドユニットだけではなく、勿論、インク以外の液滴を噴射する他の液体噴射ヘッドユニットにおいても、同様に存在する。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、流路からの液体の漏れに伴うヘッド本体の電気的不具合を防止した液体噴射ヘッドユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の態様は、圧力発生室内の液体に圧力発生手段によって圧力を付与してノズルから液滴を噴射する複数のヘッド本体と、これら複数のヘッド本体が接合されると共に、当該ヘッド本体が接合される際に前記ヘッド本体の前記接合部材側の面に当接される部材が挿通される挿入孔、及び液体が貯留されている貯留手段と前記圧力発生室とを繋ぐ液体流路の一部を構成する連通路を有する接合部材と、該接合部材に固定され前記連通路と共に前記液体流路を構成する供給路を有する流路部材とを具備し、前記接合部材には、前記連通路の前記供給路側の開口周縁部に、前記連通路と前記供給路とを液密に連通させるように前記供給路側に突出するシール用リブが設けられ、前記接合部材の前記流路部材側の面には、前記接合部材の周縁から当該面に進入する前記液体が前記挿入孔に達しないように前記挿入孔を取り囲むと共に前記流路部材側に突出する防液用リブが設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる態様では、接合部材と流路部材との隙間に液体が進入しても、防液用リブにより挿入孔内に液体が入り込むことがなく、電気的不良の発生を確実に防止することができる。
【0009】
ここで、前記防液用リブは、複数設けられた前記挿入孔ごとに設けられていることが好ましい。これによれば、挿入孔に液体が進入することをより確実に防ぐことができる。
【0010】
また、前記防液用リブは、その高さが前記シール用リブの高さ以下であることが好ましい。これによれば、シール用リブが流路部材に確実に当接できるため連通路と供給路との液密性が失われない。
【0011】
また、前記接続部材と前記流路部材との間には、弾性材料からなるシール部材が介装され、前記防液用リブは、前記シール部材に接触していることが好ましい。これによれば、より確実にインクの進入を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットを示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示すインクジェット式記録ヘッドユニットの組立斜視図及びその断面図である。また、図3は、記録ヘッド本体の分解斜視図であり、図4は、記録ヘッド本体の断面図である。
【0013】
本実施形態に係るヘッドユニット1は、図1及び図2に示すように、複数の記録ヘッド本体100と、これら複数の記録ヘッド本体100が接合される接合部材であるホルダ200と、このホルダ200の記録ヘッド本体100とは反対側の面に固定される流路部材であるカートリッジ装着部材300とを有する。
【0014】
まずは、記録ヘッド本体100について詳細に説明する。図3及び図4に示すように、記録ヘッド本体100を構成する流路形成基板101は、例えばシリコン単結晶基板からなり、その一方面には二酸化シリコンからなる弾性膜102が形成されている。この流路形成基板101には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の圧力発生室103が並設されている。例えば、本実施形態では、幅方向に並設された圧力発生室103の列が2列、流路形成基板101に形成されている。各圧力発生室103の列の外側には、後述するリザーバ形成基板に設けられるリザーバ部と連通し、各圧力発生室103の共通のインク室となるリザーバを構成する連通部104が形成されている。また、連通部104は、インク供給路105を介して各圧力発生室103の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
【0015】
この流路形成基板101の開口面側には、圧力発生室103に連通するノズル106が穿設されたノズルプレート107が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。
【0016】
一方、流路形成基板101の開口面とは反対側の弾性膜102上には、例えば、金属からなる下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜とを順次積層することで形成された圧電素子108が形成されている。このような圧電素子108が形成された流路形成基板101上には、リザーバ部109を有するリザーバ形成基板110が接合されている。リザーバ部109は、本実施形態では、リザーバ形成基板110を厚さ方向に貫通して圧力発生室103の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板101の連通部104と連通されて各圧力発生室103の共通のインク室となるリザーバ111を構成している。
【0017】
また、リザーバ形成基板110の圧電素子108に対向する領域には、圧電素子108の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部112が設けられている。さらに、リザーバ形成基板110上には、各圧電素子108を駆動するための駆動IC113が設けられている。この駆動IC113の各端子は、図示しないボンディングワイヤ等を介して各圧電素子108の個別電極から引き出された引き出し配線114と接続されている。そして、駆動IC113の各端子には、フレキシブルプリント基板(FPC)等の外部配線115が接続され、この外部配線115を介して印刷信号等の各種信号が駆動IC113に送られるようになっている。
【0018】
このようなリザーバ形成基板110上には、コンプライアンス基板116が接合されている。コンプライアンス基板116のリザーバ111に対向する領域には、リザーバ111にインクを供給するためのインク導入口117が形成されている。また、コンプライアンス基板116のリザーバ111に対向する領域のインク導入口117以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部118となっており、リザーバ111は、この可撓部118によって封止されている。
【0019】
さらに、コンプライアンス基板116上にはヘッドケース119が接合されている。ヘッドケース119は、インク導入口117に連通すると共にホルダ200の後述するインク連通路に連通するインク供給連通路120が設けられている。インク導入口117は、各リザーバ111に対応して設けられているため、インク供給連通路120も、各ヘッドケース119にそれぞれ二つ形成されている。またヘッドケース119には、コンプライアンス基板116の可撓部118に対向する領域に凹部121が形成されている。さらにヘッドケース119には、リザーバ形成基板110上に設けられた駆動IC113に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部122が設けられており、外部配線115は、駆動IC保持部122を挿通して駆動IC113と接続されている。
【0020】
またヘッドケース119には、このようなIC保持部122の中央部を跨いで梁部123が設けられている。詳しくは後述するが、この梁部123に押圧部材を当接させて記録ヘッド本体100を押圧することで、各記録ヘッド本体100をホルダ200に良好に接合されている。
【0021】
本実施形態では、4つの記録ヘッド本体100が、ヘッドケース119側でホルダ200にそれぞれ接合されている。これら4つの各記録ヘッド本体100は、ノズル106が開口する側の面が一枚の固定板130に高精度に位置決めされた状態で接合され、固定板130によって一体化された複数の記録ヘッド本体100のヘッドケース119側がホルダ200に接合されている。固定板130には各記録ヘッド本体100に対応して開口部131がそれぞれ形成されており、各記録ヘッド本体100はこの開口部131の周縁部に接着剤等によって接合されている。
【0022】
このように複数の記録ヘッド本体100が接合されるホルダ200には、図2に示すように、ヘッドケース119に形成されているインク供給連通路120に連通するインク連通路201が設けられている。またホルダ200には、各記録ヘッド本体100の中央部に対応する部分に挿入孔202が設けられている。この挿入孔202は、製造過程において各記録ヘッド本体100を押圧するための部材の一例である押圧部材を挿入するために設けられている。
【0023】
ここで、ホルダ200に記録ヘッド本体100を接合する際には、例えば、図5(a)に示すように、複数の記録ヘッド本体100を固定板130に接合された状態で、所定の治具上に配置し、これら記録ヘッド本体100に対向して配されるホルダ200の各挿入孔202に針状の押圧部材250を挿入して、この押圧部材250の先端部を各記録ヘッド本体100に当接させて押圧する。すなわち、押圧部材250の先端部を各ヘッドケース119の梁部123上に接触させて各記録ヘッド本体100を固定板130側に向かって押圧する。
【0024】
そして、図5(b)に示すように、押圧部材250で各記録ヘッド本体100を所定の力で押圧した状態で、ホルダ200を記録ヘッド本体100側に向かって押圧する。つまり、各押圧部材250の先端部で各記録ヘッド本体100の梁部123を個別に押圧した状態で、ホルダ200を記録ヘッド本体100側に押圧して両者を接合する。
【0025】
これにより、各記録ヘッド本体100のヘッドケース119とホルダ200とを良好に接合することができる。すなわち、各記録ヘッド本体100が押圧部材250によって固定された状態でホルダ200が接合されるため、各記録ヘッド本体100が傾いてしまうのを防止することができる。なお、この押圧部材250は、各記録ヘッド本体100とホルダ200とを接合後に取り除かれる。
【0026】
カートリッジ装着部材300は、図1及び図2に示すように、ホルダ200の記録ヘッド本体100とは反対側の面に固定され、インクが貯留されているインク貯留手段であるインクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着される装着部301を有する。勿論、装着部301に直接インクカートリッジが装着されるのではなく、プリンタ内の別の領域にインクカートリッジを戴置し、そのインクカートリッジから可撓性を有する図示しないチューブでインクを引き回し、装着部301にチューブを接続しても良い。例えば、本実施形態では、インクカートリッジは、ブラック及び複数色のカラーインクが充填された別体で構成され、カートリッジ装着部材300には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着されるようになっている。カートリッジ装着部材300には、一端が装着部301に開口し、他端がホルダ200側に開口する複数のインク供給路302が設けられている。さらに、装着部301のインク供給路302の開口部分には、インクカートリッジに挿入されるインク供給針310が、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルタ(図示なし)を介して固定されている。上記チューブでインクを引き回す場合は、装着部301にインク供給針310を設ける必要はない。ここでは、上記形態のいずれにあってもインク貯留手段から記録ヘッド本体100にインクを供給する部材として「カートリッジ装着部材」と称することにする。
【0027】
このようなカートリッジ装着部材300と、記録ヘッド本体100及びホルダ200とは、カバーヘッドによって一体化されている。カートリッジ装着部材300の下面側に、記録ヘッド本体100が接合されたホルダ200を配し、これら各部材の外側に記録ヘッド本体100のノズル106を露出する窓部401を有するカバーヘッド400をはめ込み、例えば、ネジ402等によってカートリッジ装着部材300に固定することによって、各部材が一体化されている。
【0028】
図6(a)は、ヘッドユニットの上面図、図6(b)は、図6(a)のA−A線における要部を示す断面図である。図6(b)に示すように、また、ホルダ200のインク連通路201の開口周縁部には、カートリッジ装着部材300側に突出するシール用リブ205が形成されている。更に、カートリッジ装着部材300とホルダ200との間には、例えば、ゴム材料等の弾性材料からなるシール部材350が介装されている。シール部材350には、貫通孔351が設けられており、各インク供給路302とインク連通路201とは、この貫通孔351を介して接続されている。このようにシール部材350を介装し、シール用リブ205をシール部材350に密着させることで、カートリッジ装着部材300の各インク供給路302とホルダ200の各インク連通路201との接続部分を密封して液密にし、この接続部分からのインクの漏れを防止している。
【0029】
このようにホルダ200にシール用リブ205を設け、カートリッジ装着部材300とホルダ200との間にシール部材350を介装することで、各インク供給路302とインク連通路201との接続部分を液密にしてインクの漏れを防止することができる。しかしながら、例えば、長時間の使用により、インクカートリッジとインク供給針310との接合部分からインクが漏れ出し、装着部301表面を通り、ホルダ200の周縁からホルダ200の表面に進入する虞がある。そして、ホルダ200の表面に進入したインクがホルダ200に設けられている挿入孔202に入り込んで記録ヘッド本体100に付着して電気的不良が発生する虞がある。
【0030】
このため、本発明では、ホルダ200のカートリッジ装着部材300側の面に、カートリッジ装着部材300側に突出する防液用リブ206が設けられている。防液用リブ206は、挿入孔202及びシール用リブ205を取り囲むように、挿入孔202及びシール用リブ205よりもホルダ200の外縁側に設けられている。
【0031】
このように形成された防液用リブ206は、ホルダ200の周縁からホルダ200の表面に進入するインクが挿入孔202に達しないようにインクを塞き止める。すなわち、仮に、ホルダ200の表面にインクが進入しても、防液用リブ206により挿入孔202内にインクが入り込むことがなく、電気的不良の発生を確実に防止することができる。
【0032】
ここで、図5に示したように、ヘッドユニット1の製造工程では、押圧部材250を用いて記録ヘッド本体100を押圧し、ホルダ200を記録ヘッド本体100に接合し、挿入孔202から押圧部材250を引き抜く工程が行われる。この後、例えば、挿入孔202にインクが進入することを防止すべく挿入孔202を接着剤等で穴埋めする工程を実施することが考えられる。しかしながら、本発明に係るヘッドユニットでは、ホルダ200に設けられた防液用リブ206によりインクが挿入孔202に進入することはないので、このような穴埋め工程を行う必要がない。このように、本発明に係るヘッドユニットは、製造工程を簡略化し得るものである。
【0033】
なお、防液用リブ206は、その高さがシール用リブ205の高さ以下であれば、インクの進入を防ぐことが可能であるが、防液用リブ206の高さがシール用リブ205の高さと略同一となるように防液用リブを形成し、該防液用リブをシール部材350に接触させることが好ましい。これにより、防液用リブとシール部材とに隙間が生じないので、ホルダ200の周縁からホルダ200の表面に進入するインクが挿入孔202に進入することをより確実に防止できる。
【0034】
また、シール部材350は、必ずしもホルダ200とカートリッジ装着部材300との間に介装されている必要はなく、ホルダ200とカートリッジ装着部材300とを直接接合させてもよい。この場合、シール用リブを、カートリッジ装着部材300に接触させることで、インク供給路302とインク連通路201とを液密に連通させる。一方、この場合においても、防液用リブをシール用リブと略同一の高さに形成し、該防液用リブをカートリッジ装着部材300に接触させてもよい。これにより、防液用リブとカートリッジ装着部材300とに隙間が生じず、ホルダ200の周縁からホルダ200の表面に進入するインクが挿入孔202に進入することをより確実に防止できる。
【0035】
また、図6に示したように、防液用リブ206は、全ての挿入孔202及びシール用リブ205を取り囲むように設けられていたが、このような態様に限定されない。例えば、図7(a)に示すように、ホルダ200Aのカートリッジ装着部材300側の面に、防液用リブ206Aが、挿入孔202ごとに各挿入孔202を取り囲むように設けられていてもよい。このように防液用リブ206Aを設けることで、挿入孔202ごとにインクが侵入することを確実に防ぐことができる。また、図7(b)に示すように、挿入孔202の配置によっては、ホルダ200Bのカートリッジ装着部材300側の面に、防液用リブ206Bが、シール用リブ205を取り囲まずに、全挿入孔202を取り囲むように設けられていてもよい。要するに、少なくとも挿入孔202にインクが進入しないように、挿入孔202よりもホルダ200の外縁側に防液用リブが設けられていればよい。
【0036】
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、撓み振動型の圧電素子を有するヘッドユニットを例示したが、これに限定されず、本発明は、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子を有するヘッドユニットや、発熱素子を具備し、この発熱素子の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるヘッドユニット等、種々の構造のヘッドユニットに応用することができることは言うまでもない。
【0037】
また、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッド(記録ヘッド本体)を有するヘッドユニットを一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニットを対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係るヘッドユニットの組立斜視図及び断面図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッド本体の分解斜視図である。
【図4】実施形態1に係る記録ヘッド本体の断面図である。
【図5】実施形態1に係るヘッドユニットの製造方法の一例を示す断面図である
【図6】実施形態1に係るヘッドユニットの上面図及び要部を示す断面図である。
【図7】実施形態1に係るヘッドユニットの変形例を示す上面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ヘッドユニット、 100 記録ヘッド本体、 101 流路形成基板、 102 弾性膜、 103 圧力発生室、 104 連通部、 105 インク供給路、 106 ノズル、 107 ノズルプレート、 108 圧電素子、 109 リザーバ部、 110 リザーバ形成基板、 111 リザーバ、 112 圧電素子保持部、 113 駆動IC、 114 引き出し配線、 115 外部配線、 116 コンプライアンス基板、 117 インク導入口、 118 可撓部、 119 ヘッドケース、 120 インク供給連通路、 121 凹部、 122 IC保持部、 123 梁部、 130 固定板、 131 開口部、 200,200A,200B ホルダ、 201 インク連通路、 202 挿入孔、 205 シール用リブ、 206,206A,206B 防液用リブ、 250 押圧部材、 300 カートリッジ装着部材、 301 装着部、 302 インク供給路、 310 インク供給針、 350 シール部材、 351 貫通孔、 400 カバーヘッド、 401 窓部、 402 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力発生室内の液体に圧力発生手段によって圧力を付与してノズルから液滴を噴射する複数のヘッド本体と、
これら複数のヘッド本体が接合されると共に、当該ヘッド本体が接合される際に前記ヘッド本体の前記接合部材側の面に当接される部材が挿通される挿入孔、及び液体が貯留されている貯留手段と前記圧力発生室とを繋ぐ液体流路の一部を構成する連通路を有する接合部材と、
該接合部材に固定され前記連通路と共に前記液体流路を構成する供給路を有する流路部材とを具備し、
前記接合部材には、前記連通路の前記供給路側の開口周縁部に、前記連通路と前記供給路とを液密に連通させるように前記供給路側に突出するシール用リブが設けられ、
前記接合部材の前記流路部材側の面には、前記接合部材の周縁から当該面に進入する前記液体が前記挿入孔に達しないように前記挿入孔を取り囲むと共に前記流路部材側に突出する防液用リブが設けられている
ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射ヘッドユニットにおいて、
前記防液用リブは、複数設けられた前記挿入孔ごとに設けられている
ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドユニットにおいて、
前記防液用リブは、その高さが前記シール用リブの高さ以下である
ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドユニットにおいて、
前記接続部材と前記流路部材との間には、弾性材料からなるシール部材が介装され、
前記防液用リブは、前記シール部材に接触している
ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−184213(P2009−184213A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26022(P2008−26022)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】