説明

液体塗布装置及び液体塗布方法

【課題】液滴塗布動作及び液滴乾燥動作を一連の工程として管理して、所望の塗布パターンを得ることができる液体塗布装置及び液体塗布方法を提供する。
【解決手段】液体塗布装置10は、ワーク21の所定位置に所定形状の機能性液体を塗布するインクジェットヘッド1を備えている。ワーク21に塗布された機能性液体を乾燥するヒーター7と、インクジェットヘッド1によりワーク21の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、ヒーター7により塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる制御部2とを備えている。制御部2は、所望の塗布パターンとなるように、塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する塗布工程設定部2bを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗布対象物の所定位置に対して所望する塗布パターンにて機能性液体を塗布する液体塗布装置及び液体塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドを用いて被塗布対象物に対して所定の塗布を行う装置の例としては、液晶テレビ等の表示装置におけるカラーフィルタガラス基板の赤、緑、青の各画素を該当色のインクで塗布するものや、液晶テレビ等の表示装置における薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)ガラス基板での配線切れ箇所や、絶縁不良箇所を修正するための修正インクを塗布するものが実用化されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す修正インクを塗布する装置では、図7に示すように、塗布した液滴をインクジェットヘッド101と平行に取り付けたヒーター102にて加熱乾燥させる構成が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−35173号公報(2006年2月9日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液体塗布装置では、被塗布対象物への着色及び遮光を行う場合、所望とする様々な塗布形状において所望の色合い又は所望の遮光性能(又は濃度)を達成する必要がある。
【0006】
この場合、使用するインクには機能性材料(この場合は着色成分)の含有量が決まっているため、濃い着色を施すには塗布量を増やす必要がある。ここで、液体の拡がりを制限する壁等の物理的構成にて塗布液滴の拡がりを制限している場合を除き、塗布回数を多くして塗布量を増やす塗布を行うと、塗布形状は大きく拡がってしまい、着色の濃度は期待するほど高くならない。
【0007】
そこで、特許文献1に開示の技術では、塗布した液滴を加熱乾燥させる機構が取り付けられており、塗布後に乾燥工程を実施することが述べられている。
【0008】
この技術を用いることによって、塗布実行後に乾燥を行い、これを繰り返すことにより液滴を乾燥させ、その上に再度塗布を行い、最初に塗布した液滴と混ざり合って拡がらないようにすることが可能である。
【0009】
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された液体塗布装置では、複数回の塗布と加熱乾燥工程との連携処理については何ら述べられていない。このため、この技術を用いても、複数回の塗布によって発揮できる、小さく濃いといった所望の塗布形状において、所望の色合い又は遮光性能(又は濃度)を達成することは困難であるという課題が存在している。
【0010】
具体的には、経時的に塗布した液滴が大きく拡がっていくようなインク又は被塗布対象物を用いている場合には、液滴塗布から加熱乾燥を実施して液滴を乾燥させるまでの処理を一連の工程として管理して時間を規定しておかないと、所望の塗布形状の塗布サイズが得られないという不具合が生じてしまう。例えば紙に水性インクを塗布すると、経時的に塗布液滴が拡がっていく「にじみ」が発生してしまう。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、液滴塗布動作及び液滴乾燥動作を一連の工程として管理して、所望の塗布パターンを得ることができる液体塗布装置及び液体塗布方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の液体塗布装置は、上記課題を解決するために、被塗布対象物の所定位置に所定形状の機能性液体を塗布するインクジェットヘッドを備えた液体塗布装置において、上記被塗布対象物に塗布された機能性液体を乾燥するヒーターと、上記インクジェットヘッドにより上記被塗布対象物の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、上記ヒーターにより塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる塗布制御手段とを備えていると共に、上記塗布制御手段は、所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する塗布工程設定手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
本発明の液体塗布方法は、上記課題を解決するために、被塗布対象物の所定位置に所定形状の機能性液体をインクジェットヘッドにて塗布する液体塗布方法において、上記インクジェットヘッドによる上記被塗布対象物の同一場所に対しての塗布動作と、ヒーターによる塗布された機能性液体の乾燥動作とを複数回繰り返して行うと共に、所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定することを特徴としている。
【0014】
尚、機能性液体とは、着色機能等の機能を有する液体をいう。また、所望の塗布パターンとは、所望形状、所望膜厚及び所望遮光率を含む概念の塗布パターンをいう。さらに、乾燥動作の動作条件とは、加熱時間又は加熱温度等の動作条件をいう。
【0015】
上記の発明によれば、塗布制御手段は、インクジェットヘッドにより上記被塗布対象物の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、上記ヒーターにより塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる。これにより、所望形状、所望膜厚及び所望遮光性能(又は濃度)を有する塗布パターンを形成することが可能となる。
【0016】
そして、本発明では、塗布工程設定手段は、所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する。これにより、塗布動作と乾燥動作との複数回の繰り返しを一連の塗布工程として設定するので、塗布動作後の乾燥動作を遅延することなく行うことができる。したがって、被塗布対象物への適切な塗布動作が実現できる。
【0017】
この結果、液滴塗布動作及び液滴乾燥動作を一連の工程として管理して、所望の塗布パターンを得ることができる液体塗布装置及び液体塗布方法を提供することができる。
【0018】
本発明の液体塗布装置では、前記塗布工程設定手段は、上記ヒーターによる乾燥動作の繰り返し毎に、上記乾燥動作の動作条件である加熱時間又は加熱温度が異なるように設定することが好ましい。
【0019】
これにより、塗布を重ねていく上で変化する塗布毎の最適な乾燥状態にすることができ、塗布工程に関わる時間を短くすることができ、処理時間を短縮することができる。また、乾燥動作を最適化することによって、不要な加熱を抑えることができ、ヒーターの輻射熱がインクジェットヘッドに及ぼすことによる該インクジェットヘッドの吐出不良を未然に防ぐことができる。
【0020】
尚、上述の説明において、乾燥状態とは、塗布液滴を放置しておいても自然と濡れ拡がっていかず、かつその塗布液滴上に重ねて塗布を実施した場合にも液滴が混ざり合って拡がることがなく、その液滴の上に塗布がなされるような状態をいう。また、最適な乾燥状態とは、乾燥状態を短時間で実現することを意味する。
【0021】
本発明の液体塗布装置では、前記塗布工程設定手段は、塗布動作後における初回の乾燥動作では、2回目以降の乾燥動作に比べて、加熱時間が長くなるように、又は加熱温度が高くなるように設定することが好ましい。
【0022】
すなわち、最初の塗布液滴に対しては、塗布液滴そのものが熱を持っていない状態であるので、乾燥させるためには長い時間を要し、加熱温度も高い方が好ましい。しかし、2回目以降の乾燥においては、最初の加熱乾燥による余熱が残っている状態であるので、乾燥時間を軽減することができる。これにより、塗布液滴の効率のよい乾燥を行うことができる。
【0023】
本発明の液体塗布装置では、前記塗布工程設定手段は、前記塗布動作と乾燥動作との間に待ち時間を設定することが好ましい。
【0024】
このように、塗布動作から乾燥動作に移行するまでの待ち時間を設定することにより、塗布した液体が自然乾燥するまでの時間を管理することができる。例えば、待ち時間を短く設定することにより、塗布液滴が経時的に拡がっていくことを抑えることができる一方、待ち時間を長く設定することにより、逆に、経時的な拡がりを利用して所望の塗布形状を得ることができる。
【0025】
本発明の液体塗布装置では、前記塗布工程設定手段は、前記インクジェットヘッドのメンテナンス動作工程を含めて設定することが好ましい。尚、メンテナンス動作とは、例えば予備吐出動作やメニスカス揺動動作等が挙げられる。
【0026】
これにより、一連の塗布作業の間に各種メンテナンス動作を入れることができるので、塗布実施前のヘッドのメンテナンス動作を遅延なく、一定間隔で行うことができる。このため、高精度な塗布を実現することができる。また、塗布の実行処理と連携してメンテナンス動作を行うことができるので、塗布形状を一定にすることができる。
【0027】
本発明の液体塗布装置では、前記塗布制御手段は、前記インクジェットヘッドでの塗布動作時以外は、前記被塗布対象物とインクジェットヘッドとの間隔を塗布動作時に比べて離すように制御することが好ましい。
【0028】
これにより、乾燥動作によって加熱された液滴及び被塗布対象物とインクジェットヘッドとが近接している時間を短縮することができる。このため、インクジェットヘッドの吐出口が加熱されて吐出不良が発生してしまうことを未然に防ぐことができ、吐出信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の液体塗布装置は、以上のように、被塗布対象物に塗布された機能性液体を乾燥するヒーターと、上記インクジェットヘッドにより上記被塗布対象物の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、上記ヒーターにより塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる塗布制御手段とを備えていると共に、上記塗布制御手段は、所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する塗布工程設定手段を備えているものである。
【0030】
本発明の液体塗布方法は、以上のように、インクジェットヘッドによる上記被塗布対象物の同一場所に対しての塗布動作と、ヒーターによる塗布された機能性液体の乾燥動作とを複数回繰り返して行うと共に、所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定することを特徴としている。
【0031】
それゆえ、液滴塗布動作及び液滴乾燥動作を一連の工程として管理して、所望の塗布パターンを得ることができる液体塗布装置及び液体塗布方法を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明における液体塗布装置の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】(a)は塗布動作を一度だけ実施した塗布形状を示す平面図であり、(b)は乾燥動作を入れずに塗布量を5倍にして塗布を行ったときの塗布形状を示す平面図である。
【図3】本実施の形態における5回の塗布動作毎に乾燥動作を入れたときの塗布結果を示す平面図である。
【図4】(a)は塗布レシピ例を示す図であり、(b)は動作選択例を示す図である。
【図5】(a)は塗布準備作業を示すフローチャートであり、(b)は塗布実行作業を示すフローチャートである。
【図6】(a)(b)(c)は、塗布動作時、乾燥動作時及び移動時におけるインクジェットヘッドの高さを示す正面図である。
【図7】従来の液体塗布装置の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0034】
図1は液体塗布装置の構成を示した図である。
【0035】
本実施の形態の液体塗布装置10は、図1に示すように、インクジェットヘッド1と、液体塗布装置10の動作制御を行う塗布制御手段としての制御部2と、モニタ3と、外部通信、操作ボタン、キーボート及び外部通信等により外部からデータを入力設定する外部データ入力部4とを備えている。上記制御部2は、液体塗布動作を指令する塗布実行部2a、液体塗布の一連の塗布工程を設定した塗布レシピを生成する塗布工程設定手段としての塗布工程設定部2b、及び塗布形状を決めるパターンを設定した塗布パターン設定手段である塗布パターン設定部2cを含んでいる。
【0036】
また、本実施の形態の液体塗布装置10は、上記インクジェットヘッド1をスライダ面に搭載して該インクジェットヘッド1を上下動させるZ軸ステージ5と、被塗布対象物としてのワーク21を観察する観察カメラ6と、塗布した液滴を加熱して乾燥するヒーター7と、これらインクジェットヘッド1を搭載したZ軸ステージ5、観察カメラ6及びヒーター7を一体に取り付け、かつ図面左右方向に位置決め移動可能なヘッドステージ8とが設けられている。尚、インクジェットヘッド1はここでは1個のヘッドであるが、複数の液体を塗布するため、複数のヘッドが搭載されている場合もある。
【0037】
さらに、液体塗布装置10は、上記ワーク21を載置し、かつ該ワーク21を吸着保持する図示しない吸着機構が搭載された載置台11と、この載置台11を図面手前奥方向に位置決め移動可能なワークステージ12とが、液体塗布装置本体の基盤となる基台13上に設けられている。この基台13には、その他、インクジェットヘッド1のクリーニング等を施すメンテナンスユニット14と、ヘッドステージ8を保持する架台15とが搭載されている。
【0038】
最後に、液体塗布装置10は、上記制御部2と装置本体各部とを信号的に接続するインターフェース部9を備えている。このインターフェース部9は、インクジェットヘッド1、ヘッドステージ8及びワークステージ12のドライバ等を含んでいる。
【0039】
尚、インクジェットヘッド1へのインク供給部は図示していない。また、ワーク21は、載置台11に載置した後、ヘッドステージ8に対して直角であってかつヘッドステージ8の移動方向に平行に保持されている方が塗布位置への移動に関して作業性が高いため、ワーク21の姿勢補正機構であるワークアライメント機構が設けられていることが望ましいがここでは省略している。
【0040】
上記構成の液体塗布装置10では、載置台11にワーク21を載置した後、ワーク21への塗布情報を外部データ入力部4から読み込み、これにしたがって塗布工程設定部2bから塗布レシピを選択し、塗布実行部2aにて塗布レシピにしたがった塗布の実行が行われる。尚、塗布情報とは、使用する塗布レシピ番号、塗布を行う位置情報であり、各詳細は後述する。塗布情報については、液体塗布装置10にワーク21を載置した後に観察カメラ6でカメラ観察しながら決めていってもよい。
【0041】
塗布工程を設定する塗布レシピには、インクジェットヘッド1による液体塗布動作と、塗布した液滴をヒーター7によって乾燥する乾燥動作とが含まれ、液体塗布動作の後には乾燥動作が行われ、これを複数回繰り返して塗布レシピとして設定する。
【0042】
塗布パターン設定部2cには、塗布位置に対して、どのような形状で塗布を行うかの塗布パターンが設定・格納されている。例えば、塗布位置に対して100μm等の塗布を行う場合には、インクジェットヘッド1により何滴塗布すれば100μmの塗布径になるかを予め求めておき、その値を塗布液定数として設定する。また、他例としては、塗布位置の右側50μm位置と、塗布位置と、塗布位置の左側50μm位置とにそれぞれ100μm径になるような滴数を塗布すれば、3箇所の液滴は重なり合って長方形状の塗布形状を得ることができる。
【0043】
次に、上記液体塗布装置10において、100μm径の塗布形状で、50%の遮光率が求められる場合の塗布例を、図2(a)(b)に基づいて説明する。図2(a)は、塗布動作を一度だけ実施した塗布形状例である。塗布パターンとしては、100μm径の塗布形状が得られるように設定しているとする。
【0044】
図2(a)に示すように、塗布動作を一度だけ実施して100μm径の塗布形状を得た場合は、液体の濃度が足りず遮光率は10%に留まっている。
【0045】
ここで、遮光率を上げるためには、液体中の遮光物質の体積量を増やせばよいが、体積量を増やすことは液体の粘度や遮光物質の液体中での分散状態が変わってしまうことになる。液体の粘度が変わることはインクジェットヘッド1の塗布可能な範囲から外れてしまう恐れがあり、塗布できなくなる懸念がある。一般的に、インクジェットによる良好な塗布が可能な粘度範囲は10〜20mPa・sと言われている。また、遮光物質の分散状態が変化すれば、遮光物質が液体中に沈降してしまい、塗布したときの遮光物質濃度にばらつきが生じてしまう。
【0046】
したがって、遮光率50%を得るためには、塗布量を5倍にすることが必要であり、これにしたがって塗布を行った例を図2(b)に示す。しかしながら、図2(b)に示すように、塗布量を増やすと前に塗布した液滴と混ざり合ってしまい、結果的に塗布径が大きくなった形状となってしまうだけで、遮光率としては狙いの50%には届かないという結果となってしまう。
【0047】
これに対して、本実施の形態では、100μm径で10%遮光率が得られる塗布動作を5回繰り返し、かつ塗布動作後には乾燥動作を行うようにしている。これにより、本実施の形態では、図3に示す塗布形状を得ることができる。図3は、本実施の形態での塗布形状を示す。
【0048】
すなわち、図3に示すように、本実施の形態では、5回の塗布動作毎に乾燥動作を入れているので、塗布された100μm径の液滴はその都度乾燥して、次に塗布する液滴と混ざり合って濡れ拡がってしまうことがなく、遮光率としても50%を達成することができる。
【0049】
このように、本実施の形態では、液体塗布の間に乾燥動作を実施することによって、所望の塗布形状及び濃度(遮光率)を得ることができる。
【0050】
ここで、乾燥動作においては、ヒーター7による液滴の加熱時間又は加熱温度を設定することによって乾燥が行われるが、塗布及び乾燥を繰り返すことによる塗布時間が長時間化してしまうことを軽減するために、加熱時間又は加熱温度を乾燥動作毎に変更することが望ましい。
【0051】
具体的には、最初の塗布に対する乾燥時間を10秒とすれば、2回目の乾燥時間は8秒、3回目の乾燥時間は6秒にするといったことである。最初の塗布液滴に対しては、塗布液滴そのものが熱を持っていない状態であるので、乾燥させるためには10秒といった時間を要するが、2回目の乾燥においては、最初の加熱乾燥による余熱が残っている状態であるので、乾燥時間を軽減することができる。3回目は、さらに乾燥時間を軽減することができる。乾燥時間は、液滴を重ねて塗布したときに、最初の塗布液滴と次の塗布液滴とが混ざり合って拡がってしまわないような時間以上で、かつ処理時間や不要な加熱を抑制するためになるべく短時間になるよう実験的に求めればよい。
【0052】
尚、インクジェットヘッド1からワーク21に対して狙った塗布位置からずれないように液滴を塗布させるためには、塗布動作の実行直前にインクジェットヘッド1に予備吐出動作やメニスカス揺動動作等のメンテナンス動作を行うことが望ましい。また、乾燥動作を行うことによって、インクジェットヘッド1の液滴塗布口であるノズルも余熱の影響を受けて乾燥し易い状態になるので、上記の予備吐出動作やメニスカス揺動動作を行うことが望まれる。尚、予備吐出動作とは、ワーク21への塗布という本塗布の前に、インクの塗布口であるノズル部分のインクを排出してフレッシュなインクで本塗布を行うための準備を行うための吐出動作であり、ワーク21を汚さない位置にインクジェットヘッド1を移動させて塗布を行うものである。また、メニスカス揺動動作とは、微小な力でノズルを駆動することによって、ノズル部分のインクを攪拌して吐出の安定性を高めるための動作である。
【0053】
これらの予備吐出動作やメニスカス揺動動作等のメンテナンス動作を行うことによって、大気に開放されかつ加熱の影響を受け易いために乾燥して詰まり易いインクジェットヘッド1の塗布口付近のインクを排出又は攪拌することにより、塗布位置ずれを軽減することができる。
【0054】
次に、本実施の形態の液体塗布装置10における塗布工程の実行フローを規定する塗布レシピの設定について、図4(a)(b)に基づいて説明する。図4(a)(b)は、塗布工程の実行フローを規定する塗布レシピの設定を説明するものである。尚、図4(a)に示す塗布レシピは、塗布に関する一連の作業工程を具体的に設定したものであり、ワーク21への塗布実行に要する時間を短縮し、手動操作に対して各動作の実行間隔のばらつきを抑えることができ、また、操作ミスをなくすことができるので、塗布作業を安定かつ信頼性高く行えるものである。
【0055】
図4(a)に示すように、塗布レシピ例である塗布レシピNo.0001は、塗布実行指令が出されると、最初に、「ステップ1」にて予備吐出を100回行う。この予備吐出動作は、ワーク21に塗布する前にメンテナンスユニット13の所定の場所に液体を100滴吐出する動作にて吐出することによって、インクジェットヘッド1内のインクを排出させてインクジェットヘッド1内のインクをリフレッシュすること目的としている。
【0056】
次に、「ステップ2」にてメニスカス揺動動作を100回行う。ここでのメニスカス揺動動作とは、インクジェットヘッド1を微小電圧で100回駆動することであって、インクジェットヘッド1内のインクを攪拌させようとする動作であり、インクジェットヘッド1内の特に吐出口付近のインクをリフレッシュすることを目的としている。
【0057】
このように、「ステップ1」及び「ステップ2」は、インクジェットヘッド1を塗布位置ずれが大きくならない良好な塗布が実行できるような状態にするものである。
【0058】
次に、「ステップ3」にてワーク21に対して塗布パターンによる塗布動作を行う。ここでの塗布パターンは、塗布位置センターに対して10滴の塗布を行うようにしている。この滴数によって、塗布液滴径が決まる。
【0059】
次に、「ステップ4」にて乾燥動作を10秒間が実施される。これは、「ステップ3」にて塗布された液滴をヒーター7によって10秒間加熱して液滴の乾燥を促進する動作である。
【0060】
次に、「ステップ5」から「ステップ12」に渡って、塗布実行と乾燥動作とを繰り返し行う。ただし、乾燥動作の乾燥時間としては、余熱の効果を踏まえて1回目に比べて減少させており、処理時間の短縮と不要な加熱抑制とを実現している。また、「ステップ9」では、予備吐出動作を実行しており、インクジェットヘッド1の塗布が精度よく行えるようにしている。
【0061】
最後に、「ステップ13」では、カメラ観察を行い、ワーク21の塗布状態を確認して終了する。
【0062】
尚、「ステップ3」の塗布動作と「ステップ4」の乾燥工程との間には、待ち時間以外の動作を設定しないことが重要である。これは他の動作が入ることによって、塗布から乾燥までの時間が一定でなくなるため、塗布した液体の濡れ拡がりに差が生じてしまい、一定の塗布形状にすることが困難になるためである。逆に、待ち時間を入れて時間間隔を設定することによって、待ち時間分乾燥されない時間が生じるので、その間に濡れ拡がりが起こることを利用して所望の塗布径を得ることができるという効果が得られる。
【0063】
このように、塗布の一連の動作フローを適宜選択して塗布レシピとして登録して実行することによって、スムーズな流れで手動操作に比べて無駄時間を生じず、正確に塗布を実行することができる。
【0064】
塗布レシピには様々な処理を登録すればよく、本実施の形態では、例えば図4(b)に示すように、キャッピング動作や待ち時間等の動作選択が選べるようにしている。尚、キャッピング動作とは、インクジェットヘッド1の吐出口を保湿密閉することによって、液体の吐出状態を良好に保つための手法である。また、図示しないが、インクジェットヘッド1を払拭清掃するような動作を行ってもよい。
【0065】
次に、本実施の形態の液体塗布装置10における塗布実行までのフローについて、図5(a)(b)に基づいて説明する。図5(a)(b)は、本実施の形態の液体塗布装置10における塗布実行までのフローを示したものである。
【0066】
まず、図5(a)に示すように、事前作業として、塗布形状を規定する塗布パターン及び塗布工程を規定する塗布レシピの作成を行う。実際に、ワーク21に対して塗布を実行する際には、図5(b)に示すように、ワーク21を載置台11に載置して吸着保持してアライメントし(S1)、次いで、ワーク情報を読み込む(S2)。ワーク情報とは、使用する塗布レシピ番号及び塗布センター位置である。尚、ワーク情報は外部から読み込むのではなく、ワーク21毎に手動で打ち込んで登録してもよく、塗布センター位置は液体塗布装置10の観察カメラ6にて観察して設定してもよい。次に、塗布実行開始前の予備吐出等の準備動作を行い(S3)、ワーク21への塗布動作が実行される(S4)。塗布レシピに塗布準備動作を登録されていれば、S3及びS4の処理は塗布開始ボタン等で開始を指令すれば自動で行われる。塗布動作が終了すれば、吸着保持を解除してワーク21を取り出して処理を終了する(S5)。
【0067】
このように、本実施の形態では、一箇所の塗布位置の設定だけで、塗布レシピに登録した塗布形状での塗布が可能になる。塗布レシピを適宜選択することによって、ワーク21に最適な塗布形状の塗布が可能になる。塗布実行にあたっての塗布位置設定を一回の塗布毎に行う必要がなく、塗布形状設定もその都度行う必要がなくなる。したがって、塗布実行に関わる時間が短縮できると共に、都度設定することによる設定ミス発生頻度を抑制することができる。
【0068】
また、塗布レシピの作成によって、塗布前に予備吐出動作等を複数の塗布動作の間に入れると共に、乾燥動作を複数の塗布動作の間に入れることができる。この結果、予備吐出動作から塗布動作までに不要な時間を空けることがなく、良好な塗布状態でワーク21への塗布が行えると共に、塗布動作後に不要な時間を空けることなく塗布液滴の乾燥がなされる。したがって、液滴の拡がりを制限する壁等の物理的なものがなくても塗布形状は常に一定の形にすることができ、ワーク21への塗布処理を正確に実施することができる。
【0069】
次に、本実施の形態の液体塗布装置10の塗布工程における塗布動作時、乾燥動作時及び移動時でのインクジェットヘッド1の位置について、図6(a)(b)(c)に基づいて説明する。図6(a)(b)(c)は、塗布工程における塗布動作時、乾燥動作時及び移動時でのインクジェットヘッド1の位置を示したものである。
【0070】
本実施の形態では、図6(a)(b)に示すように、複数の塗布動作の間に乾燥動作を行うが、インクジェットヘッド1は、図6(b)(c)に示すように、塗布動作実行時以外である乾燥動作時及び移動時には、塗布動作実行時のワーク21との間隔に対して上昇させておく。このインクジェットヘッド1の上下動動作は、Z軸ステージ5を制御することによって行われ、塗布工程の設定時にZ軸ステージ5を昇降動作させるように制御する。ワーク21とインクジェットヘッド1の下面である吐出口との間隔は通常1mm前後であり、間隔の2乗に反比例する輻射による熱伝導を考慮して10倍程度の距離、つまりワーク21とインクジェットヘッド1の下面である吐出口との間隔を10mm程度にすれば塗布時の間隔での加熱の影響を1/100にすることができる。この結果、吐出口温度上昇低下の効果が発揮できる。
【0071】
以上のように、本実施の形態の液体塗布装置10は、ワーク21の所定位置に所定形状の機能性液体を塗布するインクジェットヘッド1を備えている。また、ワーク21に塗布された機能性液体を乾燥するヒーター7と、インクジェットヘッド1によりワーク21の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、ヒーター7により塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる制御部2とを備えている。制御部2は、所望の塗布パターンとなるように、塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する塗布工程設定部2bを備えている。
【0072】
また、本実施の形態の液体塗布方法は、ワーク21の所定位置に所定形状の機能性液体をインクジェットヘッド1にて塗布する。また、インクジェットヘッド1によるワーク21の同一場所に対しての塗布動作と、ヒーター7による塗布された機能性液体の乾燥動作とを複数回繰り返して行うと共に、所望の塗布パターンとなるように、塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する。
【0073】
上記の構成によれば、制御部2は、インクジェットヘッド1によりワーク21の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、ヒーター7により塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる。これにより、所望形状、所望膜厚及び所望遮光性能(又は濃度)を有する塗布パターンを形成することが可能となる。
【0074】
そして、本実施の形態では、塗布工程設定部2bは、所望の塗布パターンとなるように、塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する。これにより、塗布動作と乾燥動作との複数回の繰り返しを一連の塗布工程として設定するので、塗布動作後の乾燥動作を遅延することなく行うことができる。したがって、ワーク21への適切な塗布動作が実現できる。
【0075】
この結果、液滴塗布動作及び液滴乾燥動作を一連の工程として管理して、所望の塗布パターンを得ることができる液体塗布装置10及び液体塗布方法を提供することができる。
【0076】
特に、本実施の形態では、複数回の塗布が必要となるような濃度の塗布が必要であり、かつ液滴の濡れ拡がりが許されないような小さな塗布形状を得ることができる。したがって、物理的に液滴の濡れ拡がりを制御する壁等がなくても所望の塗布パターンを変化無く得ることができる。
【0077】
また、濃度の変更が困難な液体であっても所望の塗布を行うことができるので、液体調合の制限によって、塗布形状及び濃度が左右されることがなくなり、使用できる液体に幅を持たせることができ、液体開発におけるコストや時間を短縮することができる。
【0078】
尚、本実施の形態においては、制御部2は、所定の塗布パターンを設定する塗布パターン設定手段である塗布パターン設定部2cを備えている。これにより、塗布位置を入力するだけで、塗布工程設定部2bに基づいて、所望の塗布パターンを自動的に形成することが可能となる。
【0079】
また、本実施の形態の液体塗布装置10では、塗布工程設定部2bは、ヒーター7による乾燥動作の繰り返し毎に、乾燥動作の動作条件である加熱時間又は加熱温度が異なるように設定する。
【0080】
これにより、塗布を重ねていく上で変化する塗布毎の最適な乾燥状態にすることができ、塗布工程に関わる時間を短くすることができ、処理時間を短縮することができる。また、乾燥動作を最適化することによって、不要な加熱を抑えることができ、ヒーター7の輻射熱がインクジェットヘッド1に及ぼすことによる該インクジェットヘッド1の吐出不良を未然に防ぐことができる。
【0081】
尚、上述の説明において、乾燥状態とは、塗布液滴を放置しておいても自然と濡れ拡がっていかず、かつその塗布液滴上に重ねて塗布を実施した場合にも液滴が混ざり合って拡がることがなく、その液滴の上に塗布がなされるような状態をいう。また、最適な乾燥状態とは、乾燥状態を短時間で実現することを意味する。
【0082】
また、本実施の形態の液体塗布装置10では、塗布工程設定部2bは、塗布動作後における初回の乾燥動作では、2回目以降の乾燥動作に比べて、加熱時間が長くなるように、又は加熱温度が高くなるように設定する。
【0083】
すなわち、最初の塗布液滴に対しては、塗布液滴そのものが熱を持っていない状態であるので、乾燥させるためには長い時間を要し、加熱温度も高い方が好ましい。しかし、2回目以降の乾燥においては、最初の加熱乾燥による余熱が残っている状態であるので、乾燥時間を軽減することができる。これにより、塗布液滴の効率のよい乾燥を行うことができる。
【0084】
さらに、例えば、液滴を加熱して乾燥させた場合、乾燥動作が入ることによる塗布処理における所要時間の増大が懸念される。しかし、このように、効率的に乾燥を行うことによって、所要時間の増大を抑制することが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態の液体塗布装置10では、塗布工程設定部2bは、塗布動作と乾燥動作との間に待ち時間を設定する。このように、塗布動作から乾燥動作に移行するまでの待ち時間を設定することにより、塗布した液体が自然乾燥するまでの時間を管理することができる。例えば、待ち時間を短く設定することにより、塗布液滴が経時的に拡がっていくことを抑えることができる一方、待ち時間を長く設定することにより、逆に、経時的な拡がりを利用して所望の塗布形状を得ることができる。
【0086】
また、本実施の形態の液体塗布装置10では、塗布工程設定部2bは、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作工程を含めて設定する。尚、メンテナンス動作とは、例えば予備吐出動作やメニスカス揺動動作等が挙げられる。
【0087】
これにより、一連の塗布作業の間に各種メンテナンス動作を入れることができるので、塗布実施前のヘッドのメンテナンス動作を遅延なく、一定間隔で行うことができる。このため、高精度な塗布を実現することができる。また、塗布の実行処理と連携してメンテナンス動作を行うことができるので、塗布形状を一定にすることができる。
【0088】
ところで、従来では、液滴を加熱して乾燥させた場合、加熱した液滴上にさらに塗布を行うことは、インクジェットヘッド1にも熱が伝わってしまい、インクジェットヘッド1中のインクが乾燥し易い状態となってしまう。一般的に、インクジェットヘッド1の吐出口は数10μmといった微細な穴であり、外気と接していることから乾き易い構造となっている。このため、加熱といった乾燥を促進させてしまう動作は、液滴を乾燥させる効果はあるものの、熱が吐出口に伝わってしまうと吐出口の液体を乾燥固化させてしまい、吐出不良の原因となってしまう。
【0089】
これに対して、本実施の形態の液体塗布装置10では、制御部2は、インクジェットヘッド1での塗布動作時以外は、ワーク21とインクジェットヘッド1との間隔を塗布動作時に比べて離すように制御する。これにより、乾燥動作によって加熱された液滴及びワーク21とインクジェットヘッド1とが近接している時間を短縮することができる。このため、インクジェットヘッド1の吐出口が加熱されて吐出不良が発生してしまうことを未然に防ぐことができ、吐出信頼性を高めることができる。
【0090】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、ワークへの塗布形状と濃度とを自由度高く塗布できるので、様々なワークに対する、又は様々の塗布形状に対する塗布を信頼性高く短時間で実施することができる液体塗布装置及び液体塗布方法に適用できる。また、液体に対する制限も緩和することができるので、インクジェットヘッドで使用できる液体の選択肢を拡げることができる液体塗布装置及び液体塗布方法に適用できる。
【符号の説明】
【0092】
1 インクジェットヘッド
2 制御部(塗布制御手段)
2a 塗布実行部
2b 塗布工程設定部(塗布工程設定手段)
2c 塗布パターン設定部
3 モニタ
4 外部データ入力部
5 Z軸ステージ
6 観察カメラ
7 ヒーター
8 ヘッドステージ
9 インターフェース部
10 液体塗布装置
11 載置台
12 ワークステージ
13 基台
14 メンテナンスユニット
15 架台
21 ワーク(被塗布対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布対象物の所定位置に所定形状の機能性液体を塗布するインクジェットヘッドを備えた液体塗布装置において、
上記被塗布対象物に塗布された機能性液体を乾燥するヒーターと、
上記インクジェットヘッドにより上記被塗布対象物の同一場所に対して塗布動作を行わせた後、上記ヒーターにより塗布された機能性液体の乾燥動作を行わせる塗布制御手段とを備えていると共に、
上記塗布制御手段は、所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作と乾燥動作とを複数回繰り返して行い、かつ上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定する塗布工程設定手段を備えていることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項2】
前記塗布工程設定手段は、上記ヒーターによる乾燥動作の繰り返し毎に、上記乾燥動作の動作条件である加熱時間又は加熱温度が異なるように設定することを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
【請求項3】
前記塗布工程設定手段は、
塗布動作後における初回の乾燥動作では、2回目以降の乾燥動作に比べて、加熱時間が長くなるように、又は加熱温度が高くなるように設定することを特徴とする請求項2記載の液体塗布装置。
【請求項4】
前記塗布工程設定手段は、
前記塗布動作と乾燥動作との間に待ち時間を設定することを特徴とする請求項1,2又は3記載の液体塗布装置。
【請求項5】
前記塗布工程設定手段は、
前記インクジェットヘッドのメンテナンス動作工程を含めて設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体塗布装置。
【請求項6】
前記塗布制御手段は、
前記インクジェットヘッドでの塗布動作時以外は、前記被塗布対象物とインクジェットヘッドとの間隔を塗布動作時に比べて離すように制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体塗布装置。
【請求項7】
被塗布対象物の所定位置に所定形状の機能性液体をインクジェットヘッドにて塗布する液体塗布方法において、
上記インクジェットヘッドによる上記被塗布対象物の同一場所に対しての塗布動作と、ヒーターによる塗布された機能性液体の乾燥動作とを複数回繰り返して行うと共に、
所望の塗布パターンとなるように、上記塗布動作の回数と乾燥動作の動作条件とを設定することを特徴とする液体塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−200796(P2011−200796A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70512(P2010−70512)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】