説明

液体搬送方法および液体搬送装置

【課題】弾性表面波によって液体を搬送する方法、弾性表面波によって液体を搬送する装置において、基板の表面に液体が広がることを抑制することを目的とする。
【解決手段】基板の上に固体片を置くステップと、基板の上に液体を滴下するステップと、基板に弾性表面波を励振するステップと、基板の上に滴下された液体と基板の上に置かれた固体片とを接触させ、固体片と基板との間に液体を入り込ませるステップと、を含み、固体片と基板との間に入り込んだ液体を、弾性表面波によって固体片と共に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波によって液体を搬送する方法、弾性表面波によって液体を搬送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に励振された弾性表面波によって液体を搬送する液体搬送装置が広く用いられている。基板上の液体は、励振された弾性表面波が伝播する方向に力を受け搬送される。このような液体搬送装置は、液体に含まれる物質の性質を解析する基板上の解析装置に液体を搬入するため等に用いられる。
【0003】
【特許文献1】特表2004−534633号公報
【特許文献2】特表2003−535349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の液体搬送装置では、液体が基板上に搬送されるときに基板の表面に液体が広がり、液体と基板との間の摩擦力が大きくなるという問題があった。このため、液体を搬送するための弾性表面波の強度を強くする必要があった。また、基板の表面に液体が広がるため、液体の蒸発が促進されるという問題があった。本発明は、このような課題に対してなされたものである。すなわち、弾性表面波によって液体を搬送する方法、弾性表面波によって液体を搬送する装置において、基板の表面に液体が広がることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基板の上に固体片を置くステップと、前記基板の上に液体を滴下するステップと、前記基板に弾性表面波を励振するステップと、前記基板の上に滴下された前記液体と前記基板の上に置かれた固体片とを接触させ、前記固体片と前記基板との間に前記液体を入り込ませるステップと、を含み、前記固体片と前記基板との間に入り込んだ前記液体を、前記弾性表面波によって前記固体片と共に搬送することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、弾性表面波が伝播する基板と、前記基板に弾性表面波を励振する励振源と、前記基板の上に固体片を置くセット部と、前記基板の上に液体を滴下する滴下部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る液体搬送装置においては、前記セット部は、気体が流通する穴を有し、前記固体片を吸引することによって前記固体片を前記穴が設けられている位置に保持し、前記穴から気体を吐き出すことよって当該保持された前記固体片を放つ構成とすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る液体搬送装置においては、前記固体片は、板状の固体部材であり、対向する2つの面の一方の面が他方の面より疎水性が高いものとすることが好適である。
【0009】
また、本発明に係る液体搬送装置においては、前記固体片は、球状の固体部材とすることが好適である。
【0010】
また、本発明に係る方法または装置に適用される板状部材として、弾性表面波が伝播する基板の上に滴下された液体と接触する位置に配置され、当該基板との間に当該液体を入り込ませ、入り込んだ当該液体と共に当該弾性表面波によって搬送される板状部材であって、対向する2つの面の一方の面が他方の面より疎水性が高いものを適用することが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、弾性表面波によって液体を搬送する方法、弾性表面波によって液体を搬送する装置において、基板の表面に液体が広がることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に本発明の第1の実施形態に係る解析システムの斜視図を示す。解析システムは、基板10、解析装置12、案内壁14a,14b、電極対16、液体滴下器18、チップセット器20、チップTp、およびチップ回収器22を備えて構成される。図2は、解析システムから、液体滴下器18、チップセット器20およびチップ回収器22を取り除き、基板10の上側から見た図である。ただし、液体滴下器18、チップセット器20およびチップ回収器22が取り付けられる位置を、それぞれ、点P1、P2、およびP3で示している。
【0013】
基板10は、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等、圧電現象によって弾性表面波を発生させることが可能な圧電材料によって形成される。
【0014】
解析装置12は基板10上に設けられる。解析装置12は、開口12Bを備える筐体12Aに覆われる。ここでは、筐体12Aは直方体形状を有し、その1つの面に長方形の開口12Bを有するものとしている。解析装置12は、開口12Bから搬入された液体に含まれる物質の量、性質等を解析する。解析装置12としては、例えば、電磁波に対する共振周波数、電磁波の伝搬特性、光の透過性および反射性、電気抵抗の測定等によって液体に含まれる物質の性質を解析することができるものが適用される。
【0015】
案内壁14aおよび14bは、解析装置12の開口12Bを挟んで基板10上に平行に配置される。案内壁14aと案内壁14bとの間の距離は開口12Bの幅よりもやや広いものとする。案内壁14aおよび14bのそれぞれの一方の端は、筐体12Aの開口12Bが設けられている面に接合される。案内壁14aおよび14bはエポキシ樹脂等、粘性の液体の状態で成形加工することができる樹脂で形成することが好適である。また、これらの壁の延伸方向に垂直な断面の形状は任意であるが、ここでは長方形であるものとする。
【0016】
電極対16は、1本の線状の基幹導体rに複数の線状導体eをすだれ状に接続したすだれ状電極E1およびE2を備える。すだれ状電極E1およびE2は、すだれ状電極E1に属する線状導体eと、すだれ状電極E2に属する線状導体eとが交互に配列されるよう配置される。互いに隣接する2つの線状導体eの間の距離は、励振する弾性表面波の波長のおよそ半分の距離とすることが好適である。
【0017】
電極対16は、案内壁14aの解析装置12に接合されていない側の端、および案内壁14bの解析装置12に接合されていない側の端の近傍に配置される。電極対16は、案内壁14aの案内壁14bを臨む面に接する直線Aと、案内壁14bの案内壁14aを臨む面に接する直線Bとの間に配置されることが好適である。電極対16は、線状導体eの延伸方向が、案内壁14aの延伸方向および案内壁14bの延伸方向とほぼ垂直となるよう配置される。
【0018】
電極対16の形状としては、図1および図2に示したものの他、様々なものを適用することができる。例えば、基幹導体rと線状導体eとの間のなす角を90°とは異なる角度とした電極、一方の端から他方の端に至るまでの間で幅が変化する線状導体eを備える電極、互いに隣接する線状導体eの間隔が均一とならないよう線状導体eを配置した電極等を適用することが可能である。すなわち、電極は、励振する弾性表面波の周波数範囲、伝播させる方向等に基づいて任意の形状とすることができる。
【0019】
電極対16から弾性表面波を励振する動作について説明する。電極対16が備えるすだれ状電極E1およびE2との間に所定の周波数の交流電圧を印加すると、圧電効果によって、電極対16から離れて解析装置12に向かう方向に弾性表面波SAWが励振される。弾性表面波SAWは、案内壁14aと案内壁14bとの間に挟まれる領域を伝播し、解析装置12が設けられている位置を通過して伝播する。
【0020】
なお、電極対を配置する方向と励振される弾性表面波が伝播する方向との間の関係は、電極の形状、基板の物性等によって異なる。したがって、電極対16が配置される方向は、それぞれ弾性表面波SAWが所定の方向に伝播するよう決定される。本実施形態は、そのように決定された電極対16の配置方向の一例を示している。
【0021】
液体滴下器18は、支柱18A、アーム18Bおよび滴下部18Fを備えて構成される。支柱18Aおよびアーム18Bは、金属、プラスチック等の剛性の材料によって棒状に形成される。
【0022】
支柱18Aは、その延伸方向が基板10の表面と垂直となるよう基板10に取り付けられる。支柱18Aが取り付けられる位置は、案内壁14bの解析装置12に接合されていない側の端の近傍から案内壁14bの延伸方向にほぼ垂直な方向に所定の距離だけ離れた点P1の位置とする。
【0023】
アーム18Bは、点P1から、案内壁14aと案内壁14bとの間の中心線である直線Fに引いた垂線の長さとほぼ同一の長さを有する。アーム18Bの一方の端は、支柱18Aの基板10に接合されていない側の端に接合される。アーム18Bの支柱18Aに接合されていない側の端には滴下部18Fが取り付けられる。アーム18Bは、搬送開始領域St近傍の上方に滴下部18Fが固定される方向に、その延伸方向が基板10の表面と平行になるよう支柱18Aに接合される。ここで、搬送開始領域Stは、案内壁14aの解析装置12に接合されていない側の端および案内壁14bの解析装置12に接合されていない側の端の近傍の案内壁14aと案内壁14bとの間に挟まれる領域であり、液体の搬送が開始される領域である。
【0024】
本実施形態で適用される滴下部18Fは、細長い管の形状に形成され、管の一方の端には液体を滴下するための滴下口18Hが設けられる。滴下部18Fは、滴下口18Hが基板10側を向き、滴下口18Hが基板10の表面から所定の距離だけ隔てられるようアーム18Bに取り付けられる。滴下部18Fは、ピペット等によって構成することができる。液体滴下器18は、滴下部18Fの制御により基板10上に液体を滴下する。
【0025】
チップセット器20は、支柱20A、アーム20Bおよびセット部20Fを備えて構成される。支柱20Aおよびアーム20Bは、金属、プラスチック等の剛性の材料によって棒状に形成される。
【0026】
支柱20Aは、その延伸方向が基板10の表面と垂直となるよう基板10に取り付けられる。支柱20Aが取り付けられる位置は、搬送開始領域Stから案内壁14bの延伸方向にほぼ垂直な方向に所定の距離だけ離れた点P2の位置とする。
【0027】
アーム20Bは、点P2から直線Fに引いた垂線の長さとほぼ同一の長さを有する。アーム20Bの一方の端は、支柱20Aの基板10に接合されていない側の端に接合される。アーム20Bの支柱20Aに接合されていない側の端には、セット部20Fが取り付けられる。アーム20Bは、搬送開始領域Stの上方にセット部20Fが固定される方向に、その延伸方向が基板10の表面と平行になるよう支柱20Aに接合される。
【0028】
本実施形態で適用されるセット部20Fは、細長い管の形状に形成され、管の一方の端には、液体を搬送する際に用いる固体物質の小片であるチップTpを気体圧によって吸着または離脱する着脱穴20Hが設けられる。セット部20Fは、着脱穴20Hが基板10側を向き、着脱穴20Hが基板10の表面から所定の距離だけ隔てられるようアーム20Bに取り付けられる。セット部20Fは、気体の吸引または吐出によってチップTpを吸着または離脱する真空吸着器、外部からの制御によって開閉するピンセット等によって構成することができる。
【0029】
チップセット器20は、セット部20Fの制御によりチップTpを保持しまたはチップTpを放つ。セット部20Fとして真空吸着器を適用した場合には、セット部20Fを吸引状態とすることによってチップTpを保持し、セット部20Fを吐出状態とすることでチップTpを放つ。
【0030】
チップTpは、図2の直線Fにおける断面を示す図3(c)および(d)に示されるように、解析装置12において解析の対象となる物質を含む解析液体Lqを基板10との間に入り込ませ、解析液体Lqを引き寄せるための固体物質の小片である。なお、チップTpと解析液体Lqとの間の相互作用については後述する。チップTpは、直径が開口12Bの幅より大きく、案内壁14aと案内壁14bとの間に挟まれる領域の幅よりも小さい円板状に形成されることが好適である。チップTpは、円板の他、任意の多角形の板状に形成してもよい。チップTpは、シリコン、ガラス、プラスチック等の剛性の材料で形成することが好適である。
【0031】
チップTpは、解析液体Lqが接しない側の面を解析液体Lqが接する面より疎水性の性質が強くなるよう加工する。ここで疎水性とは、板状の部材を水平に設置し、その上に液体を滴下したときに、その液体の形状が球形に近くなる性質をいう。その液体が板の表面に広がるような場合は、疎水性の性質が弱く親水性の性質が強いということができる。チップTpの表面の疎水性の性質の強弱は、表面に施すプラズマ処理、表面に施す化学薬品による処理等によって調整することができる。解析液体Lqが接しない側の面を解析液体Lqが接する面より疎水性の性質が強くなるよう加工することで、チップTpが解析液体Lq中に没することを回避することができる。
【0032】
チップ回収器22は、支柱22A、アーム22Bおよび回収部22Fを備えて構成される。支柱22Aおよびアーム22Bは、金属、プラスチック等の剛性の材料によって棒状に形成される。
【0033】
支柱22Aは、その延伸方向が基板10の表面と垂直となるよう基板10に取り付けられる。支柱22Aが取り付けられる位置は、回収領域Edから案内壁14bの延伸方向にほぼ垂直な方向に所定の距離だけ離れた点P3の位置とする。ここで、回収領域Edは、解析装置12の開口12Bの近傍の案内壁14aと案内壁14bとの間に挟まれる領域である。
【0034】
アーム22Bは、点P3から直線Fに引いた垂線とほぼ同一の長さを有する。アーム22Bの一方の端は、支柱22Aの基板10に接合されていない側の端に接合される。アーム22Bの支柱22Aに接合されていない側の端には回収部22Fが取り付けられる。アーム22Bは、回収領域Edの上方に回収部22Fが固定される方向に、その延伸方向が基板10の表面と平行となるよう支柱22Aに接合される。
【0035】
本実施形態で適用される回収部22Fは、セット部20Fと同一の構成および機能を有する。回収部22Fは、その着脱穴22Hが基板10側を向き、着脱穴22Hが基板10の表面から所定の距離だけ隔てられるようアーム22Bに取り付けられる。
【0036】
チップ回収器22は、回収部22Fの制御によりチップTpを吸引し保持する。回収部22Fとして真空吸着器を適用した場合には、回収部22Fを吸引状態にすることによってチップTpを回収し保持する。
【0037】
解析液体Lqを解析装置12に搬送する処理について図3(a)〜(e)を参照しつつ説明する。図3(a)〜(e)は、解析システムを直線Fにおける断面を以て示したものである。図1および図2と同一のものについては同一の符号を付し、以下ではその説明を省略する。まず、図3(a)に示すように、チップセット器20をチップTpを保持した状態とする。また、電極対16には所定の交流電圧を印加し、弾性表面波SAWが励振された状態とする。この状態で、チップセット器20は、図3(b)に示すように搬送開始領域St上にチップTpを放つ。液体滴下器18は、解析液体Lqを基板10上に置かれたチップTpと電極対16との間の基板10上の領域に滴下する。
【0038】
滴下された解析液体Lqは、弾性表面波SAWの放射圧によって弾性表面波SAWが伝播する方向に進む力を受け移動する。チップTpが置かれた位置まで移動しチップTpに接触した解析液体Lqは、表面張力によって基板10の表面とチップTpとの間に形成された隙間に入り込む。この様子を示したものが図3(c)である。一般に液体は、表面張力によって、固体に囲まれたより狭い領域に入り込む性質、および表面積が小さくなるよう互いに引き寄せ合う性質を有する。そのため、チップTpに接触した解析液体Lqは、チップTpと基板10の表面との間に形成された隙間に入り込み、まとまりのある液滴を形成する。
【0039】
チップTpと基板10の表面との間に解析液体Lqが入り込んだ後は、チップTpは解析液体Lqに接していない面が受ける空気圧によって、解析液体Lqへの接触が維持される状態となる。これによって、チップTpはあたかも解析液体Lqに引きつけられているような状態となり、解析液体Lqが形成する液滴が基板10の表面上を移動する場合には、チップTpは解析液体Lqが形成する液滴と共に移動する。
【0040】
なお、ここではチップTpを放ち、その後に解析液体Lqを滴下する処理について説明したが、先に解析液体Lqを滴下し、その解析液体Lqの上にチップTpを放つ処理を実行してもよい。この場合、電極対16に交流電圧を印加するタイミングは、解析液体Lqを滴下する前であっても解析液体Lqを滴下した後チップTpを放つ前であってもよい。
【0041】
解析液体Lqは、チップTpと基板10の表面との間に液滴を形成しつつ、弾性表面波SAWの放射圧によって弾性表面波SAWが伝播する方向に進む力を受け、チップTpと共に移動する。そして、案内壁14aおよび14bに導かれつつ回収領域Edに搬送される。図3(d)は解析液体LqおよびチップTpが、弾性表面波SAWが伝播する方向と同一の方向に移動する様子を示している。
【0042】
解析液体LqおよびチップTpが回収領域Edまで搬送されると、図3(e)に示すようにチップ回収器22はチップTpを回収する。回収領域Edに搬送された解析液体Lqは、開口12Bから解析装置12の内部へと搬送される。解析装置12は、開口12Bから搬入された解析液体Lqに含まれる物質の量、性質等を解析する。
【0043】
このような構成によれば、解析液体Lqは、チップTpと基板10の表面との間に入り込み、まとまりをもった液滴として搬送される。これによって解析液体Lqが基板10の表面上に広がることを回避することができ、解析液体Lqと基板10との間の摩擦力を低減することができる。そのため、強度の弱い弾性表面波によって解析液体Lqを搬送することができ、ひいては、電極対16に交流電圧を印加するための装置(図示せず)を小型化することができる。また、解析液体Lqが基板10の表面上に広がることを回避することができるため、搬送の際に解析液体Lqが蒸発することを回避することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、チップセット器20およびチップ回収器22を個別に設ける構成とした。これらは、チップTpを着脱するという共通の機能を有するため、これらを共通化したチップセット回収器を構成することができる。この場合、チップTpを着脱する真空吸着器等を懸垂させつつ、案内壁14aと案内壁14bとの間に挟まれる領域の上方を当該領域の延伸方向に往復させる懸垂レールを設け、当該懸垂レールに真空吸着器等を懸垂させた構成とすればよい。
【0045】
また、このようなチップTpを着脱する器具を設けることなく、ピンセット等を用いて手作業にてチップTpの配置または回収を行ってもよい。同様に、液体滴下器18に代えて、ピペット等を用いて手作業によって液体を滴下してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る解析システムの斜視図を示す図である。
【図2】液体滴下器、チップセット器およびチップ回収器を取り除いた解析システムを、基板の上側から見た図である。
【図3】液体を搬送する処理を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 基板、12 解析装置、12A 筐体、12B 開口、14a,14b 案内壁、16 電極対 18 液体滴下器、18A,20A,22A 支柱、18B,20B,22B アーム、18F 滴下部、18H 滴下口、20F セット部、20H,22H 着脱穴、22F 回収部、20 チップセット器、22 チップ回収器、r 基幹導体、e 線状導体、Tp チップ、Lq 解析液体 SAW 弾性表面波。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に固体片を置くステップと、
前記基板の上に液体を滴下するステップと、
前記基板に弾性表面波を励振するステップと、
前記基板の上に滴下された前記液体と前記基板の上に置かれた固体片とを接触させ、前記固体片と前記基板との間に前記液体を入り込ませるステップと、
を含み、
前記固体片と前記基板との間に入り込んだ前記液体を、前記弾性表面波によって前記固体片と共に搬送することを特徴とする液体搬送方法。
【請求項2】
弾性表面波が伝播する基板と、
前記基板に弾性表面波を励振する励振源と、
前記基板の上に固体片を置くセット部と、
前記基板の上に液体を滴下する滴下部と、
を備えることを特徴とする液体搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体搬送装置であって、
前記セット部は、
気体が流通する穴を有し、
前記固体片を吸引することによって前記固体片を前記穴が設けられている位置に保持し、前記穴から気体を吐き出すことよって当該保持された前記固体片を放つことを特徴とする液体搬送装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の液体搬送装置であって、
前記固体片は、
板状の固体部材であり、
対向する2つの面の一方の面が他方の面より疎水性が高いことを特徴とする液体搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−101969(P2008−101969A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283584(P2006−283584)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】