説明

液体洗浄剤組成物

【課題】界面活性剤を1種単独で多量に含有し、各種汚れに対して高い洗浄力を安定に発揮できる液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、一般式(I)[式中、Rは炭素数11〜13の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり;Rは炭素数1〜3のアルキル基であり;nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、10〜20である。]で表されるエチレンオキサイド付加体であって、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率が30質量%以上のエチレンオキサイド付加体(A)50〜80質量%と、酵素(B)0.01〜1質量%と、水(C)5〜35質量%とを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物である。
[化1]



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関するものであり、特に、濃縮タイプの液体洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体洗浄剤組成物においては、その使用量の低減、あるいは液体洗浄剤組成物が収容される容器サイズのコンパクト化等のために、高い界面活性剤濃度をもつ、いわゆる「濃縮タイプ」の液体洗浄剤組成物が提案されている。
【0003】
たとえば、それぞれ特定の非イオン界面活性剤とポリオキシアルキレンアミンを含有してなる衣料用液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
また、撹拌装置内に、ゲル化防止剤と、ゲル化を促進する両性界面活性剤とを予め混合した後、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を添加することを特徴とする液体洗剤の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、炭素数8〜18からなる高級アルコールに、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを特定の付加方式で付加した非イオン界面活性剤を含有してなる濃縮型液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献3参照)。
また、特定の金属イオンの1種以上が添加された酸化マグネシウムからなる触媒の存在下に、脂肪酸アルキルエステルとアルキレンオキシドとを反応させて得られたノニオン界面活性剤を含有してなる濃縮液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献4参照)。
【0004】
また、たとえば各種汚れに適した酵素が配合された、粉末状の洗浄剤組成物が提案されている。
【特許文献1】特開2005−171195号公報
【特許文献2】特開2003−238999号公報
【特許文献3】特開2003−105377号公報
【特許文献4】特開平5−222396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体洗浄剤組成物において、洗浄成分として用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテル等の汎用の界面活性剤は、界面活性剤濃度の増加に伴い、粘度が著しく増加(ゲル化)してしまう。また、前記ゲル化を生じる界面活性剤濃度の範囲が広いため、かかる汎用の界面活性剤を、1種単独で多量(たとえば、50質量%以上)に含有する濃縮タイプの液体洗浄剤組成物を製造することは困難である。
そのため、従来の濃縮タイプの液体洗浄剤組成物は、前記ゲル化を抑制する等のために、ある程度の量の可溶化剤(ハイドロトロープ剤)を配合する必要がある。
また、特許文献1、2に記載の液体洗浄剤組成物は、2種以上の界面活性剤を併用することが必須であり、液体洗浄剤組成物中に、界面活性剤を1種単独で多量に含有するものではない。
また、特許文献3に記載の濃縮型液体洗浄剤組成物においては、反応工程の煩雑な特殊な非イオン界面活性剤が用いられており、経済的に不利なものである。
また、特許文献4に記載されている特定のノニオン界面活性剤は、アルキレンオキサイドの付加モル数が異なるアルキレンオキサイド付加体(AO付加体)の分布が著しく広い。そのため、特許文献4に記載の濃縮液体洗浄剤組成物においては、未反応の原料エステルの香気(臭気)が液体洗浄剤組成物に残存する、アルキレンオキサイドの付加モル数が高いAO付加体又は前記付加モル数が低いAO付加体の影響により、液体洗浄剤組成物の洗浄力や濯ぎ性が低下する等の問題がある。
【0006】
また、濃縮タイプの液体洗浄剤組成物においては、保存等により経時劣化が生じることなく、かつ皮脂汚れ等の油性汚れ、カレー汚れ等の食べこぼし汚れ等のいずれの汚れに対しても高い洗浄力が安定に得られることが要求されている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、界面活性剤を1種単独で多量に含有し、各種汚れに対して高い洗浄力を安定に発揮できる液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明においては、下記(A)成分50〜80質量%と、酵素(B)0.01〜1質量%と、水(C)5〜35質量%とを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物を提案する。
(A)下記一般式(I)で表されるエチレンオキサイド付加体であって、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率が30質量%以上のエチレンオキサイド付加体。
【0009】
【化1】

[式中、Rは炭素数11〜13の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり;Rは炭素数1〜3のアルキル基であり;nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、10〜20である。]
【0010】
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、前記酵素(B)が、プロテアーゼ、アミラーゼ、およびリパーゼからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0011】
ここで、本明細書および特許請求の範囲において「エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率」とは、下記の数式(S)で表されるものを示す。
【0012】
【数1】

[式中、nmaxは全体のエチレンオキサイド付加体中に最も多く存在するエチレンオキサイド付加体のエチレンオキサイドの付加モル数を示す。iはエチレンオキサイドの付加モル数を示す。Yiは全体のエチレンオキサイド付加体中に存在するエチレンオキサイドの付加モル数がiであるエチレンオキサイド付加体の割合(質量%)を示す。]
【0013】
本明細書において「濃縮タイプ」の液体洗浄剤組成物とは、液体洗浄剤組成物中の合計の界面活性剤濃度が高いものを意味し、該界面活性剤濃度が、液体洗浄剤組成物中、50質量%以上であり、好ましくは55質量%以上のものを包含する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、界面活性剤を1種単独で多量に含有し、各種汚れに対して高い洗浄力を安定に発揮できる液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記一般式(I)で表されるエチレンオキサイド付加体であって、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率が30質量%以上のエチレンオキサイド付加体(A)(以下、(A)成分という。)と、酵素(B)(以下、(B)成分ということがある。)と、水(C)(以下、(C)成分ということがある。)とを含有する。
【0016】
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、前記一般式(I)で表されるエチレンオキサイド付加体であって、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率が30質量%以上のエチレンオキサイド付加体である。該(A)成分を用いることにより、本発明の液体洗浄剤組成物は、高濃度の界面活性剤を含有してもゲル化等を生じず、界面活性剤を1種単独で多量に含有することができる。
ここで、「界面活性剤を1種単独で多量に含有する」とは、界面活性剤を1種単独で、液体洗浄剤組成物中に50質量%以上の量を含有することを意味する。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、該(A)成分を含有することにより、水への溶解性に優れ、高い洗浄力が得られやすくなる。さらに、高濃度の界面活性剤を含有しても粘度が著しく増大(ゲル化)せず、良好な流動性を有する濃縮型の液体洗浄剤組成物を製造することができる。
【0017】
前記一般式(1)中、Rは、炭素数11〜13の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数11〜13の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。
において、アルキル基、アルケニル基の炭素数は、洗浄力向上やゲル化防止の点から、11であることがそれぞれ好ましい。
は、炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
nは、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、10〜20である。好ましくは、洗浄力や液体洗浄剤組成物の液安定性(たとえば、低温での経時安定性等)の向上の点から12〜18である。
【0018】
前記ナロー率は、30質量%以上であり、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上である。ナロー率は高いほど好ましいが、上限値としては実質的には80質量%以下である。ナロー率が30質量%以上、好ましくは55質量%以上であることにより、液体洗浄剤組成物の洗浄力、濯ぎ性、香気(臭気)、および液安定性が向上する。さらには、所望の成分(所望とするエチレンオキサイドの付加モル数を有するエチレンオキサイド付加体)が多くなることにより洗浄力も向上する。
【0019】
前記ナロー率は、たとえば該(A)成分の製造方法等によって制御することができる。
(A)成分の製造方法としては、特に制限されるものではないが、たとえば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルに酸化エチレンを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等である。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
【0020】
本発明に用いられる(A)成分は、高い前記ナロー率を有する。また、該(A)成分は、その分子構造において、親水基が分子の末端には存在せず(末端封鎖型であり)、かつ極性の高いカルボニル基をその分子中に有する。
これらにより、かかる(A)成分は、水溶液系中で分子どうしの配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等を生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤組成物中に配合することができると推測される。また、水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度での良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、かかる(A)成分が洗濯機槽内の水中へ投入された後、洗濯液中の(A)成分の濃度が早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
【0021】
また、前記ナロー率が30質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤組成物が得られやすくなる。これは、(A)成分の製造後に(A)成分と共存する、(A)成分の原料である脂肪酸エステル並びに前記一般式(I)中のn=1および2のエチレンオキサイド付加体が少なくなるためと考えられる。
(A)成分中、全体のエチレンオキサイド付加体中に存在するエチレンオキサイドの付加モル数が0、1および2モルであるエチレンオキサイド付加体の合計の割合(以下、前記割合を「Y0−2」と表す。)は、0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。Y0−2が0.5質量%以下であると、界面活性剤の原料臭気のより少ない液体洗浄剤組成物が得られる。
【0022】
(A)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、50〜80質量%であり、55〜65質量%であることが好ましい。該範囲であることにより、本発明の効果が得られやすくなる。また、濃縮タイプの液体洗浄剤組成物として使用しやすくなる。また、(A)成分の含有量が50質量%以上、好ましくは55質量%以上であることにより、高濃度の界面活性剤を含有する濃縮タイプの液体洗浄剤組成物が得られる。また、濃縮タイプの液体洗浄剤組成物としての有効性(商品価値)が高くなる。一方、80質量%以下、好ましくは65質量%以下であることにより、低温での液体洗浄剤組成物の粘度の増大が抑制される。
【0023】
<(B)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は酵素(B)を含有する。該(B)成分を含有することにより、高い洗浄力が得られる。また、(B)成分の種類を適宜選択することにより、各種汚れに対して高い洗浄力を得ることができる。
【0024】
(B)成分としては、通常、液体洗浄剤組成物に使用可能な様々な種類の酵素を用いることができ、たとえば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼなどが挙げられる。なかでも、洗浄力の点から、プロテアーゼ、アミラーゼ、およびリパーゼからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0025】
プロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤を用いることができ、たとえば、Savinase16L、Everlase16L(以上、商品名;Novozymes(ノボザイムズ)社製);Purafect L、Purafect OX、Properase L(以上、商品名;GENENCOR(ジェネンコア)社製)等が挙げられる。
【0026】
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤を用いることができ、たとえば、Termamyl、Duramyl、Stainzyme(ステインザイム)、Promozyme200L(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、Maxamyl(商品名、ジェネンコア社製)、プルラナーゼアマノ(商品名、天野製薬社製)、DB−250(商品名、AerobacteraerogenesATCC9621由来のプルラナーゼ:クルードまたは結晶化品、生化学工業社製)等が挙げられる。
【0027】
リパーゼとしては、リパーゼ製剤を用いることができ、たとえば、Lipex100L(商品名、ノボザイムズ社製)等が挙げられる。
【0028】
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜1質量%であり、0.03〜0.8質量%であることが好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、良好な洗浄力が得られやすくなる。一方、上限値以下であれば、充分な洗浄力が得られる。また、経済的にも有利となる。
【0029】
<(C)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、水(C)を5〜35質量%を含有し、15〜30質量%を含有することが好ましい。該範囲であれば、保存等による経時劣化が生じることなく、良好な液安定性、洗浄力が得られる。また、水が5質量%以上であると、(B)成分の析出や失活が抑制されて洗浄力が向上する。一方、水が35質量%以下であれば、(B)成分の失活が抑制され、保存等による経時劣化が生じにくくなって洗浄力が向上する。
なお、本発明の液体洗浄剤組成物において、(C)成分の含有量とは、液体洗浄剤組成物中の全水分量を意味し、水単独で配合される量と、原料が溶液として配合される際の該溶液中の水の量とを合わせた量を表す。
【0030】
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤組成物には、上記の(A)成分、(B)成分、および(C)成分以外に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、ハイドロトロープ剤、芳香族スルホン酸またはその塩、アルカリ剤、酸化防止剤等、種々の任意成分を配合することができる。
【0031】
配合可能な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、(A)成分以外のノニオン性界面活性剤、双性または両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、脂肪酸石鹸、リン酸エステル塩系界面活性剤、アシルアラニネート、アシルタウレート等が挙げられる。
該アニオン性界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、好ましくは0〜10質量%配合することが可能である。
【0032】
(A)成分以外のノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
該ノニオン性界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、好ましくは0〜20質量%配合することが可能である。
【0033】
双性または両性界面活性剤としては、アルキル酢酸ベタイン、アルカノールアミドプロピル酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリン、アルキルアラニン等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
【0034】
ハイドロトロープ剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤;エタノール等のアルコールなどが挙げられる。
なかでも、液安定性がより向上することから、重量平均分子量400〜5000(好ましくは1000程度)のポリエチレングリコールが好ましい。
また、液安定性と防腐力とがより向上することから、エタノールも好ましい。
ハイドロトロープ剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
ハイドロトロープ剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.5〜10質量%であることが好ましい。
【0035】
芳香族スルホン酸またはその塩としては、たとえば、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、またはアルカノールアミン塩等が挙げられる。
芳香族スルホン酸またはその塩は、1種または2種以上混合して用いることができる。
芳香族スルホン酸またはその塩の含有量は、液体洗浄剤組成物中、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%である。この範囲にあると、液体洗浄剤組成物の液表面において、該液体洗浄剤組成物がゲル化することにより形成される皮膜の生成抑制効果が向上する。
【0036】
また、本発明の液体洗浄剤組成物には、アルカリ剤を配合することができる。
アルカリ剤としては、たとえばアルカノールアミン等が挙げられ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
アルカリ剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、好ましくは0.5〜5質量%である。
【0037】
本発明の液体洗浄剤組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することにより、多量の(A)成分を1種単独で、液体洗浄剤組成物に安定に配合することができる。また、高い洗浄力が得られやすくなる。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではなく、通常、液体洗浄剤組成物に使用可能な酸化防止剤を用いることができる。なかでも洗浄力と液安定性とが良好なことから、フェノール系酸化防止剤が好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤;dl−α−トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤がより好ましく、モノフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤がさらに好ましい。
モノフェノール系酸化防止剤のなかでは、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤のなかでは、dl−α−トコフェロールが特に好ましい。
酸化防止剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.8質量%である。該範囲の下限値以上であることにより、液体洗浄剤組成物の液安定性が向上し、良好な洗浄力が得られやすくなる。一方、上限値以下であることにより、充分な液安定性の向上効果が得られ、経済的にも有利となる。
【0038】
さらに、本発明にかかる液体洗浄剤組成物は、再汚染防止を目的としてポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤を0〜2質量%;酵素安定化を目的としてホウ酸、ホウ砂、蟻酸、またはその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類を0〜2質量%;風合い向上を目的としてジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを0〜5質量%;白色衣料の白度向上を目的としてジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を0〜1質量%;液体洗浄剤組成物の着色を目的として酸性染料等の色素を0.0001〜0.001質量%;液安定性や防腐性を目的として安息香酸ナトリウム、ケーソンCG(商品名)等の防腐剤を0.001〜1質量%等を配合することができる。
また、芳香のための香料としては、特開2002−146399号公報に記載の香料成分、溶剤、および安定化剤を含有する香料組成物等が挙げられ、本発明の液体洗浄剤組成物中に0.01〜1質量%を配合することができる。
【0039】
さらに、pH調整剤として塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられ、なかでもpH緩衝の効果の点から、有機酸が好ましい。
有機酸として具体的には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、またはそれらの塩などの多価カルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、またはそれらの塩などのヒドロキシカルボン酸類が挙げられ、なかでもクエン酸またはその塩が特に好ましい。
pH調整剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
pH調整剤は、液体洗浄剤組成物の25℃でのpHを、好ましくはpH5〜8に調整する量が適量添加される。pH調整剤の含有量として具体的には、たとえば、液体洗浄剤組成物中、0.05〜3質量%であることが好ましく、0.1〜1.5質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることによりpHを一定に保つことが容易となる。一方、上限値以下であることにより、pHを5〜8に調整するpH調整効果が充分に得られ、経済的にも有利となる。
【0040】
本発明の液体洗浄剤組成物のpHは、25℃でのpHが5〜8であることが好ましく、pHが6〜7であることがより好ましい。pHが5〜8であると、特に、液体洗浄剤組成物中に多量に含有される前記(A)成分が安定に溶存でき、液体洗浄剤組成物の液安定性(着色の抑制、pH低下の防止効果、香気安定化等)が向上するため、界面活性剤を1種単独で多量に含有することができるとともに、高い洗浄力が得られると推測される。
前記pHの調整は、たとえば一定量の有機酸(好ましくはクエン酸またはその塩)を添加し、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)または水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム等をさらに添加することにより制御することができる。
液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
【0041】
本発明の液体洗浄剤組成物は、常法に基づいて製造することができる。
使用方法は、通常の使用方法、すなわち本発明の液体洗浄剤組成物(本発明品)を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、泥汚れや皮脂汚れに本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。その際、本発明品の使用量は、従来の液体洗浄剤組成物の使用量よりも、実質上半量以下に少なくすることができる。たとえば、従来の液体洗浄剤組成物は、標準使用量として液体洗浄剤組成物20mLを30Lの水道水に投入して洗浄することが主流となっている。本発明の液体洗浄剤組成物においては、液体洗浄剤組成物10mLを30Lの水道水に投入して洗浄しても充分に洗浄性能を発揮できる。
【0042】
以上説明した本発明の液体洗浄剤組成物によれば、界面活性剤を1種単独で多量に含有し、各種汚れに対して高い洗浄力を安定に発揮できる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、界面活性剤濃度が高くても流動性が良好であり、液安定性(低温〜高温保存安定性)、香気(臭気)も良好である。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、可溶化剤(ハイドロトロープ剤)が少量であっても、界面活性剤を1種単独で多量に含有することができ、可溶化剤(ハイドロトロープ剤)が少量で済むことから環境負荷が小さく、経済的にも有利なものである。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、洗濯機を用いた洗濯などの限られた洗濯時間内であっても、高い洗浄力を発揮することができる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、少ない使用量で高い洗浄力が得られる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物によれば、該液体洗浄剤組成物が収容される容器サイズのコンパクト化が可能である。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、いわゆる「濃縮タイプ」の衣料用液体洗浄剤組成物として特に好適なものである。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
【0044】
≪液体洗浄剤組成物の製造≫
表1、2に示す組成の液体洗浄剤組成物を、常法に準じて、以下のように製造した。
まず、2cmの撹拌子の入った円筒ガラス瓶(直径50mm、高さ100mm)に、(A)成分を入れた。次に、(B)成分と任意成分との混合溶液を入れて、400rpmで撹拌子を撹拌させた。その後、所定の水(C)を入れ、撹拌混合した後、pHを調整し、全体量が100質量%になるようにエタノールを加えて液体洗浄剤組成物を製造した。
pHの微調整は、液体洗浄剤組成物の25℃でのpHが7.0となるように、pH調整剤(水酸化ナトリウムまたは硫酸)を適量添加することにより行った。
なお、表1、2中の配合量の単位は質量%であり、純分換算量を示す。
(C)成分の配合量は、液体洗浄剤組成物中の全水分量を表し、水単独で配合される量と、原料が溶液として配合される際の該溶液中の水の量とを合わせた量を表す。また、総量が100質量%となるようにエタノール量を調整した。
下記に、(A)成分のナロー率およびY0−2の測定方法、表中に示した成分について説明する。
【0045】
<(A)成分のナロー率およびY0−2の測定方法>
下記測定条件により、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布を測定した。そして、(A)成分のナロー率(質量%)を前記数式(S)に基づいて算出した。また、全体のエチレンオキサイド付加体中に存在するエチレンオキサイドの付加モル数が0、1および2モルであるエチレンオキサイド付加体の合計の割合を(A)成分のY0−2(質量%)として求めた。
[HPLCによるエチレンオキサイド付加体の分布の測定条件]
装置 :LC−6A((株)島津製作所製)
検出器 :SPD−10A
測定波長:220nm
カラム :Zorbax C8 (Du Pont(株)製)
移動相 :アセトニトリル/水=60/40(体積比)
流速 :1mL/min
温度 :20℃
【0046】
<表中に示した成分の説明>。
・(A)成分
A−1:C1123CO(OC15OCH、ナロー率 65質量%、Y0−2 0質量%;合成品。
A−2:C1123CO(OC15OCHと、C1327CO(OC15OCHとの質量比で8/2の混合物、ナロー率 65質量%、Y0−2 0質量%;合成品。
A−3:A−1を85gと、ジブチルヒドロキシトルエン0.02gとを精製水に溶かし、全量を100gとした。
A−4:C1123CO(OC15OCH、ナロー率 37質量%、Y0−2 0.1質量%;合成品。
A−5(比較品):C1733CO(OC15OCH、ナロー率 65質量%、Y0−2 0質量%;合成品。
A−6(比較品):C1225O(CO)15H、ナロー率 30質量%、Y0−2 2.0質量%;合成品。
A−7(比較品):C1123CO(OC15OCH、ナロー率 25質量%、Y0−2 1.5質量%;合成品。
【0047】
ただし、A−1、A−5(比較品)は、特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて製造した合成品(A−1は、特開2000−144179号公報に記載のサンプルDに対応するもの;同様に、A−5(比較品)は、同公報に記載のサンプルFに対応するもの)である。
A−2は、A−1の合成方法において、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとをそれぞれ用い、エチレンオキサイド1052gを導入した以外は、A−1の合成方法と同様の方法により製造した。
【0048】
A−4の合成は、以下のように行った。
化学組成が2.5MgO・Al・nHO である水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)25gを、700℃で3時間、窒素雰囲気下で焼成し、14gの焼成水酸化アルミナ・マグネシウムを得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒1.2g、5質量%の水酸化カリウムメタノール溶液0.4g、およびラウリン酸メチル350gを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、エチレンオキサイド1079gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られたラウリン酸ポリオキシエチレンメチルエーテルの平均エチレンオキサイド付加モル数は15、ナロー率は37質量%であった。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別し、A−4を得た。
ナロー率は、得られたラウリン酸ポリオキシエチレンメチルエーテルにおけるエチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布を測定して算出した。
【0049】
A−6(比較品)の合成は、以下のように行った。
ラウリルアルコール186g、30質量%NaOH水溶液2.0gを、耐圧型反応容器中にそれぞれ採取し、容器内を窒素置換した。
次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを撹拌しながら酸化エチレン(ガス状)660gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応の酸化エチレンを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、p−トルエンスルホン酸(70質量%水溶液)を加えて中和し、A−6(比較品)を得た。
【0050】
A−7(比較品)は、特開平4−279552号公報に記載の実施例1に準じて製造した触媒を用いて製造した合成品(特開平5−222396号公報に記載のサンプルA1に対応するもの)である。
【0051】
・(B)成分
B−1:Everlase 16L TYPE EX(ノボザイムズ製)。
B−2:Stainzyme 12L(ノボザイムズ製)。
B−3:Lipex 100L(ノボザイムズ製)。
【0052】
・(C)成分
水。
【0053】
・任意成分
安息香酸Na:東亞合成製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
PEG#1000:ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000)、日本油脂(株)製、商品名「PEG#1000」。
p−トルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製。
クエン酸3Na2水塩:マイルス社(米国)製、商品名「クエン酸ソーダ」。
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン、住友化学工業社製、商品名「PTS酸」。
ケーソンCG:ローム・アンド・ハース社製。
香料組成物:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。色素:癸巳化成(株)製、商品名「青色1号」。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製。
硫酸:東邦亜鉛(株)製。
エタノール:NEDO製、商品名「95vol%合成エタノール」。
【0054】
≪評価方法≫
得られた液体洗浄剤組成物について、以下に示す方法及び評価基準によって評価を行い、その結果を表1、2に併記した。
【0055】
<洗浄力−1の評価>
(皮脂汚れの洗浄力の評価方法)
油化協布(未汚れ布)に人工汚垢を含浸して作製した人工汚垢布(洗濯科学協会製)を、5×5cmに裁断したものを皮脂汚れ布とした。
各例の液体洗浄剤組成物としては、配合直後のものと、45℃で30日間保存後のものとをそれぞれ用いた。
洗濯液は、水30Lに対して液体洗浄剤組成物10mLの割合で、両者を30秒間撹拌して調製した。
次いで、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を洗浄試験器として用い、上記の皮脂汚れ布10枚と、洗浄メリヤス布と、前記洗濯液とを該洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。
その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
【0056】
(洗浄力の測定方法)
前記洗浄処理を終えた皮脂汚れ布の反射率を、色差計(製品名:SE200型、日本電色(株)製)により測定し、洗浄率(%)を以下の式に従って算出した。
洗浄率(%)=(洗浄前の皮脂汚れ布のK/S−洗浄後の皮脂汚れ布のK/S)/(洗浄前の皮脂汚れ布のK/S−未汚れ布のK/S)×100
ここで、K/S=(1−R/100)/(2R/100)である。ただし、Rは反射率(%)を示す。
評価基準は、上述の式により算出される洗浄率(%)を基に、下記基準に基づいて洗浄力を評価した。なお、洗浄率(%)は汚れ布10枚の平均値を用いた。洗浄率70%以上を合格範囲とした。
◎:洗浄率が80%以上。
○:洗浄率が70%以上80%未満。
△:洗浄率が60%以上70%未満。
×:洗浄率が60%未満。
【0057】
<洗浄力−2の評価>
(カレー汚れに対する洗浄力の評価方法)
ボンカレーゴールド中辛口(大塚食品(株))を、ガーゼでろ過したものをステンレスバットに開けた中に、綿平織り布(100番)(原布)を約1時間浸漬した後、ブラッシングして過剰に付着した汚れを脱落させ、一夜風乾した後、10cm×10cmに裁断したものをカレー汚れ布とした。
各例の液体洗浄剤組成物としては、配合直後のものと、45℃で30日間保存後のものとをそれぞれ用いた。
洗濯液の液体洗浄剤組成物濃度は、水30Lに対して液体洗浄剤組成物10mLの割合になるように調整した。
次いで、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を洗浄試験器として用い、上記のカレー汚れ布10枚、セバム布、および洗浄メリヤス布と、各液体洗浄剤組成物と、水とを該洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。
その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、最後にアイロンを用いて乾燥させた。
【0058】
(洗浄力の測定方法)
カレー汚れに対する洗浄力は、カレー汚れ付着前の原布および洗浄前後のカレー汚れ布のZ値(反射率)を、測色色差計(日本電色社製、製品名:SE2000)により測定し、次式から洗浄率(%)を算出して、下記基準に基づいて、カレー汚れに対する洗浄力を評価した。
洗浄率(%)=(洗浄後のカレー汚れ布のZ値−洗浄前のカレー汚れ布のZ値)/(原布のZ値−洗浄前のカレー汚れ布のZ値)×100
なお、洗浄率(%)にはカレー汚れ布10枚の平均値を用いた。洗浄率35%以上を合格範囲とした。
(洗浄力評価基準):
○:洗浄率40%以上。
△:洗浄率30%以上40%未満。
×:洗浄率30%未満。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
表1、2の結果から、本発明にかかる実施例1〜14の液体洗浄剤組成物は、界面活性剤を1種単独で多量に含有し、保存前後のいずれにおいても、各種汚れに対して高い洗浄力を安定に発揮できることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)成分50〜80質量%と、酵素(B)0.01〜1質量%と、水(C)5〜35質量%とを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物。
(A)下記一般式(I)で表されるエチレンオキサイド付加体であって、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率が30質量%以上のエチレンオキサイド付加体。
【化1】

[式中、Rは炭素数11〜13の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり;Rは炭素数1〜3のアルキル基であり;nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、10〜20である。]
【請求項2】
前記酵素(B)が、プロテアーゼ、アミラーゼ、およびリパーゼからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1記載の液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2009−7451(P2009−7451A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169047(P2007−169047)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】