説明

液体浄化装置、挿入部品および浄化方法

本発明は水、好ましくは飲料水などの液体を浄化する浄化装置に関し、この浄化装置は少なくとも1つの挿入部品10を有する少なくとも1つのケーシング1を備え、前記ケーシング1は少なくとも1つの液体入口8と少なくとも1つの液体出口9を備え、前記挿入部品10は液体の流路に配置された少なくとも1つのフィルタ15を備える。浄化装置は前記流路に少なくとも1つのガルバーニ電極対12,14を備える。本発明は液体を浄化する挿入部品および方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水、好ましくは飲料水などの液体を浄化する浄化装置に関し、この浄化装置は少なくとも1つの挿入部品を有する少なくとも1つのケーシングを備え、前記ケーシングは少なくとも1つの液体入口および液体出口を備え、また前記挿入部品は液体の流路に配置された少なくとも1つのフィルタを備える。発明は浄化装置に使用する挿入部品および液体を浄化する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には水から低濃度の重金属を除去する方法が示される。また有利な装置もこの文献から明らかになる。活性炭素でできた円筒状コアが円筒状容器に配置される。水はコアを通って径方向に流れ、コアの中心の縦方向溝に流れ込み、そこから流出する。活性炭素は抗菌イオン交換樹脂を取り囲む。しかし、浄化効率は最適ではなく、水の流量は比較的小さい。
【特許文献1】US−5082568−A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の目的は水などの液体を従来の装置よりも効率よく浄化する浄化装置を提供することにある。第2の目的は液体の流量を従来の装置のものより大きくできる浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの目的は水、好ましくは飲料水などの液体を浄化する次の浄化装置によって達成される。この浄化装置は少なくとも1つの挿入部品を有する少なくとも1つのケーシングを備え、前記ケーシングは少なくとも1つの液体入口および少なくとも1つの液体出口を備え、また前記挿入部品は液体の流路に配置された少なくとも1つのフィルタを備える。さらに、浄化装置は前記流路に少なくとも1つのガルバーニ電極対を備える。
【0005】
前記ガルバーニ電極対は互いに離れた位置にある少なくとも2つの金属網で構成される。前記網の少なくとも第1の網は銅からつくられ、前記網の少なくとも第2の網は亜鉛からつくられる。
【0006】
閉じたガルバーニ回路で所望の分極を与える別の方法としては外部電源から供給される回路で内部のガルバーニ回路を置き換える方法がある。この場合、消耗する陽極、例えば亜鉛またはマグネシウムの網は消耗しない材料の網で置き換えることができる。陰極は好ましくは耐酸ステンレス鋼の網またはフィルタ容器自体のいずれかで構成することができる。陽極材料は適当な過剰電圧を有する無毒性の電極材料の中から選択でき所望の分極が得られる。分極自体で殺菌効果が十分あり有効な電流は必要ないという場合に限り選択は決定的となる。弁金属は例えば必要な特性をもつ。弁金属の一例はチタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタルなどである。電極材料の選択は所望の分極効果で決定される。外部電源の選択においては複数の可能性があるが、ここではそのうちの2つについて述べる。1つの可能性は通常の電気本線に接続された通常の整流装置を使用することである。別の可能性は発電機を使用することであるが、この発電機については詳細な記載部分とともに以下に記載する。しかし、特にフィルタを間欠的に使用する場合は、固定の電源供給が好ましい。両ケースの場合、電源供給は材料の異なる選択に依存する2−15Vの範囲の異なる電圧に調整可能な制御ループによって補足される。チタン網には2−4Vの電圧を使用するのが好ましい。
【0007】
少なくとも1つの第1のプレフィルタを前記流路に設ける。前記少なくとも1つの第1のプレフィルタは前記流路の前記ガルバーニ電極対の前に配置する。前記少なくとも1つの第1のプレフィルタは約5.0−15.0μm、好ましくは約5.0μmのサイズの粒子を通過させる孔を有するセルロース材料でつくる。
【0008】
少なくとも1つの第2のプレフィルタを前記流路に設ける。前記少なくとも1つの第2のプレフィルタは前記流路の前記網の間に配置する。前記少なくとも1つの第2のプレフィルタは液体を通す少なくとも1つの圧縮成形片(ブロック)からなり、銀を含浸させ熱可塑性接着剤を混合した粉末活性炭素からつくる。前記少なくとも1つの第2のプレフィルタは、約0.8−5.0μm、好ましくは約1.0μmのサイズの粒子を通過させる孔を有し、前記炭素には約0.3%の銀を含浸させる。
【0009】
前記少なくとも1つのフィルタは前記流路の前記ガルバーニ電極対の後に配置する。前記少なくとも1つのフィルタは液体を通す少なくとも1つの圧縮成形片(ブロック)からなり、銀を含浸させ熱可塑性接着剤を混合した粉末活性炭素からつくる。前記少なくとも1つのフィルタは約0.2−0.4μm、好ましくは約0.3μmのサイズの粒子を通過させる孔を有し、前記炭素には約0.3%の銀を含浸させる。
【0010】
イオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所を前記流路に設ける。前記空所は前記流路の前記ガルバーニ電極対の後に設ける。
前記挿入部品は前記フィルタの他に、前記第1のプレフィルタ、前記第2のプレフィルタおよび前記ガルバーニ電極対を備える。前記挿入部品はほぼ円筒形状をなし、円筒形状挿入部品のほぼ全頂面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の頂板と、円筒形状挿入部品のほぼ全底面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の底板とを備え、前記頂板のほぼ中心には貫通穴を設ける。前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ、少なくとも1つの第1の網、少なくとも1つの第2のプレフィルタ、少なくとも1つの第2の網および少なくとも1つのフィルタはそれぞれほぼ環状断面をなし、イオン交換樹脂を充填した前記少なくとも1つの空所はほぼ円断面をなす。これらの要素は前記挿入部品内で同芯状に置かれ、液体が前記少なくとも1つの入口を通って前記ケーシングに入り、ほぼ径方向に通過して前記挿入部品を出て、さらに前記少なくとも1つの出口を通って前記ケーシングから出て浄化される。液体が前記挿入部品を通過する際に、順次、前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ、少なくとも1つの第1の網、少なくとも1つの第2のプレフィルタ、少なくとも1つの第2の網、少なくとも1つのフィルタおよびイオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所を通過する。
【0011】
浄化装置は制御設備を備える。この制御設備は液体入口側の少なくとも1つの圧力計、液体出口側の少なくとも1つの圧力計、浄化装置を流れる液体流で駆動される充電可能なバッテリ用の少なくとも1つの発電機、少なくとも1つの充電可能なバッテリ、少なくとも1つのLED型表示器、少なくとも1つの信号処理設備およびGSM,GPRS,3G,ラジオおよび/または電話による連絡用設備で構成される。
【0012】
また本発明は液体の流路に配置された少なくとも1つのフィルタを設けた前記浄化装置に使用する挿入部品を提供する。挿入部品は前記流路に少なくとも1つのガルバーニ電極対を備える。
【0013】
前記ガルバーニ電極対は互いに離れた位置に配置された少なくとも2つの金属網で構成する。前記網の少なくとも第1の網は銅でつくり、前記網の少なくとも第2の網は亜鉛でつくる。少なくとも1つの第1のプレフィルタを前記流路に設ける。少なくとも1つの第2のプレフィルタを前記流路に設ける。イオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所を前記流路に設ける。挿入部品はほぼ円筒形状をなし、円筒形状挿入部品のほぼ全頂面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の頂板と、円筒形状挿入部品のほぼ全底面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の底板とを備える。前記頂板のほぼ中心には貫通穴を設ける。前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ、少なくとも1つの第1の網、少なくとも1つの第2のプレフィルタ、少なくとも1つの第2の網および少なくとも1つのフィルタはそれぞれほぼ環状断面をなし、イオン交換樹脂を充填した前記少なくとも1つの空所は円断面をなす。これらの要素は前記挿入部品内で同芯状に置かれ、液体が、前記挿入部品に対してほぼ径方向に通過して流出する。液体が前記挿入部品を通過する際に、順次、前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ、少なくとも1つの第1の網、少なくとも1つの第2のプレフィルタ、少なくとも1つの第2の網、少なくとも1つのフィルタおよびイオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所を通過する。
【0014】
また本発明は水、好ましくは飲料水などの液体を浄化する方法を提供する。液体をフィルタで浄化する前にガルバーニ電極対にさらす。液体を前記ガルバーニ電極対にさらす前に少なくとも1つのプレフィルタで濾過する。液体を前記ガルバーニ電極対にさらすときに、同時に少なくとも1つのプレフィルタで濾過する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および2から明らかなように、発明による浄化装置は外面が、好ましくは例えば耐酸ステンレス鋼などのケーシング1からなり、鉢状部2およびキャップ部3で構成される。鉢状部2は基本的に円筒形状をなしその上部全周にフランジ状縁4を備え、キャップ部3はキャップ部と前記フランジ状縁4の貫通穴にボルト5を通して鉢状部2に取り付ける。キャップ部3には4つの貫通穴7を設け基本的に上方に向く側面を備え、背部にある壁面上の取付け具にケーシング1を連続して取り付ける。キャップ部3にはさらに入口8および出口9を備え、周囲に向くこれらの外側端部には結合ねじを設ける。浄化装置を部分的に断面で示す図3でわかるように、出口9の内側端部にも結合ねじを設ける。出口9の内側端部の結合ねじはケーシング1内の濾過用挿入部品10の頂板の対応するねじに結合する。
【0016】
図4および5から明らかなように、発明による挿入部品10がどのように見えるかが示されるが、図4は原則として内部空所のある挿入部品10の外面が示され、また図5は挿入部品の断面が示される。挿入部品10はほぼ円筒形状で、外側はケーシング1の鉢状部2に良好に収納されるような寸法とされ、鉢状部2の内壁と挿入部品10の外面の間に隙間が形成できるように、挿入部品10の外径は鉢状部2の内径よりも明らかに小さくする。実際には、挿入部品10の外径は約70−110mm、好ましくは約92mmであり、また挿入部品10の高さは約240−320mmであり、好ましくは280mmである。
【0017】
挿入部品10は第1のプレフィルタ11、第1の金属網12、第2のプレフィルタ13、第2の金属網14、フィルタ15、内部空所16、頂板17および底板18で構成される。図5に示すように、挿入部品10に含まれるこれらの要素はほぼ筒状で、互いの外側または内側に同芯状に置かれる。それぞれの要素11−15は、筒形状の中心軸の延伸方向にほぼ垂直な面でほぼ環状断面をなす。内部空所16は同一面でほぼ円形断面をなす。
【0018】
このように、第1のプレフィルタ11は挿入部品10の最外部に位置し、好ましくは約3.0mmの厚さのセルロース材料からなり、約5.0−15.0μm(ミクロン)、好ましくは約5.0μmの寸法の粒子を通過させる孔を有する。第1のプレフィルタ11の内側に、0.5−5.0mm、好ましくは0.5mmの厚さの銅製の第1の金属網12がある。第1の金属網12の内側には第2のプレフィルタ13があり、これは液体を透過する圧縮成形片(ブロック)からなり、約10−16mm、好ましくは約10mmの厚さを有し、銀を含浸させ熱可塑性接着剤を混合した粉末活性炭素から作られる。第2のプレフィルタ13は約0.8−5.0μm、好ましくは約1.0μmの寸法の粒子を通過させる孔を有し、前記炭素は銀を約0.3%含浸させる。第2のプレフィルタ13の内側に、0.5−5.0mm、好ましくは0.5mm厚さの亜鉛製の第2の金属網がある。第2の金属網14の内側にメインフィルタ15があり、これは液体を透過する圧縮成形片(ブロック)からなり、約12−32mm、好ましくは約22mmの厚さを有し、銀を含浸させ熱可塑性接着剤を混合した粉末活性炭素から作られる。フィルタ15は約0.2−0.4μm、好ましくは0.3μmの粒子を通過させる孔を有し、前記炭素は約0.3%を銀で含浸させる。フィルタ15の内側には内部空所16が設けられ、約30mm径で中心に位置し、イオン交換樹脂などが充填される。前記イオン交換樹脂を保持するため樹脂の頂部には網を設ける。挿入部品10の頂部側は頂板17で覆うが、この頂板17は液体を透過しないほぼ円形の板であり、頂板17の中心ねじ貫通穴を除いて挿入部品10の全頂面を覆う。ねじはキャップ部3の出口9の内側端部のねじと協働するように構成される。ねじの寸法は1/2−3/4インチ(12.7−19.1mm)、好ましくは3/4インチ(19.1mm)である。頂板17はプラスチック、好ましくはPVCのような公知の良好な材料であり、公知の好都合な方法、例えば接着剤で挿入部品10の頂面に取り付けられる。底板18はプラスチック、好ましくはPVCのような公知の良好な材料であり、公知の好都合な方法、例えば接着剤で挿入部品10の底面に取り付けられる。
【0019】
次に、浄化装置の機能について図6を参照して詳細に述べるが、図6は単純にするため、ケーシング1は省略し、浄化する液体の流路を矢印で示す。液体は入口8(図1−3)を通って浄化装置に入り、次に鉢状部2の内壁と挿入部品10の外面との間の空所を流れる。その後、液体は挿入部品10の異なる層を外側から内側に通過する。このように、まず液体は第1のプレフィルタ11を通過し、次に第1の金属網12、第2のプレフィルタ13、第2の金属網14、フィルタ15および内部空所16を順次通過する。
【0020】
第1のプレフィルタ11は液体中の大きな粒子を通過させないので、したがって挿入部品10の寿命が延びる。第1および第2の金属網12,14はガルバーニ電極対を構成し、通過中の液体は約1.1Vの電圧にさらされる。この電圧はそうでなければ続くフィルタを通過したであろう液中の微生物を殺傷する。挿入部品10の示す構造では、銅網は亜鉛網の外側に設けられるが、逆に適用される構造でも可能であり同様に機能する。液体が電極対を通過し電極対で発生した電圧にさらされるときに、液体は第2のプレフィルタを通過するが、約1.0−5.0μmの寸法(第2のプレフィルタ13の好ましい実施形態)のすべての不純物は通過できない。バクテリア抑制剤、すなわち、約0.3%銀の添加でバクテリアの生長がかなり抑制される。メインフィルタ15はすべての不純物の99%を占める0.3μmより大きい寸法(フィルタ15の好ましい実施形態)の残りのすべての不純物の通過を防止する。バクテリア抑制剤、すなわち、約0.3%銀の添加でバクテリアの生長がかなり抑制される。内部空所16内のイオン交換樹脂によって、現存するフィルタを通過した少量の重金属の捕獲が保証される。
【0021】
内部空所16は頂板17のねじ穴を介してキャップ部3の出口9に結合されるので、液体は挿入部品10を通過した後、出口9を通って浄化装置から流出可能となる。給水栓水の浄化の場合、水は管(図示しない)から給水栓水を消費する近くの場所(図示しない)に流れる。浄化装置は消費設備の冷水側に連結される。
【0022】
このように、本発明のように径方向流の状態下では、液体は円筒状挿入部品10の好ましくは垂直の全包絡面を通して流入し、挿入部品10の壁を順次通過して挿入部品10を出て内部空所16に流れ込む。同一の外形寸法を有する軸方向流フィルタと比較すると、径方向流の場合の挿入部品10の外側面積は10倍も大きくとれる。流れ方向の深さは挿入部品10の全壁厚さとなる。より大きい流れ面積とより小さい流れ深さの組み合わせによって、径方向流フィルタを駆動するのに必要な圧力は、対応する軸方向流フィルタに生じる圧力の100倍も小さいことになる。突出型炭素フィルタにおいては、フィルタを使用するときそれほど圧力降下を生じることなしに、他のものより微細な粒子寸法の活性炭素を使用することが可能となり、これが利点となる。微細な粒子寸法は大きい粒子寸法のフィルタに比べてフィルタの性能が非常に改善される。
【0023】
発明による浄化装置では特に下記の利点が生まれる。挿入部品10の独特の形状によって、液体が突出型炭素フィルタに接触する時間が最大になり、濾過容量が最適化される。炭素フィルタの格段に高い密度もこれに寄与する。液体を流入させる挿入部品10の大きい包絡面は大量の液体が並行して挿入部品10を通過することに貢献し、フィルタを通る流量が最大となる。PVCの頂板および底板によって、汚染された液体が濾過された液体内に漏洩することが防止される。バクテリア抑制剤の添加はバクテリアの生長をかなり抑制させ、挿入部品10の包絡面の詰まりを少なくするように作用する。
【0024】
発明による浄化装置は格別の濾過容量を有する。通過しない不純物の数量などは炭素フィルタの密度とともに対数的に増加する。浄化装置を通過する流量も格別であり約10−15l/minである。挿入部品10の合計容量は約36000lである。濾過容量は使用時間に対して限界となるときのみ変更される。
【0025】
ケーシング1も挿入部品10も必ずしも円筒形状にする必要はなく、他の幾何学形状にしてもよい。図示するように挿入部品10とケーシング1を必ずしも垂直位置にして使用する必要はなく、傾斜させるか、上下を逆にして使用することもできる。挿入部品10はケーシング1内で図示する位置とは別の位置で使用することもできる。例えば、貫通穴のある頂板17を底板に構成し、同時に底板18を頂板に構成し、挿入部品10とケーシング1との結合を図示するものに対して類似の方法で変更する。プレフィルタまたはフィルタが一定のサイズの粒子を通過させると明細書で述べるときは、それよりも大きい粒子は問題のプレフィルタまたはフィルタを通過できないことを意味する。
【0026】
図7および8に示すように、発明による浄化装置は制御ボックスを備え、これを前記フランジ状縁4に固定する。制御ボックス19内の制御設備には、液体入口側の少なくとも1つの圧力計、液体出口側の少なくとも1つの圧力計、浄化装置を流れる液体流で駆動される充電可能なバッテリ用の少なくとも1つの発電機、少なくとも1つの充電可能なバッテリ、少なくとも1つのLED型表示器、少なくとも1つの信号処理設備およびGSM,GPRS,3G,ラジオおよび/または電話による連絡用設備で構成される。液体入口側の前記圧力計は前記入口の少なくとも1つの圧力センサ20に接続され、液体出口側の前記圧力計は前記出口の少なくとも1つの圧力センサ21に接続される。
【0027】
制御ボックス19は次のように作動する。浄化装置を使用する場合、浄化装置から出てくる液体の圧力は時間の経過とともに低下する。制御ボックス19で、浄化装置の挿入部品10の必要交換時期を表示する。制御ボックス19で、浄化装置に流入する液体とそこから流出する液体との圧力差を測定する。圧力差が一定値より大きい場合は、制御ボックス19で赤色のLED光が点灯し連絡用設備を介してサービス会社のコンピュータに信号を送信する。連絡用設備を機能するために電圧が必要となる。これは発電機で発生させて制御ボックス19のバッテリに充電される。発電機は液体入口で小型プロペラに結合されるが、プロペラは他の適当な場所に配置してもよい。前述した種類の、またはこれに相当する機能を有する制御ボックス19は公知のいずれか1つの浄化装置と組み合わせて使用することもできる。
【0028】
発明は以上に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による浄化装置の正面図を示す。
【図2】図1による浄化装置の側面図を示す。
【図3】図1による浄化装置の側面図および部分断面図を示す。
【図4】図1による浄化装置に含まれる挿入部品の斜視基本図を示す。
【図5】図4による挿入部品の斜視断面図を示す。
【図6】図4による挿入部品の斜視断面図であって、流路を矢印で示す。
【図7】制御ボックスを備えた図1の浄化装置の正面図を示す。
【図8】図7による浄化装置の側面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水などの液体、好ましくは飲料水を浄化する浄化装置であって、前記浄化装置は少なくとも1つの挿入部品(10)を有する少なくとも1つのケーシング(1)を備え、前記ケーシング(1)は少なくとも1つの液体入口(8)および少なくとも1つの液体出口(9)を備え、また前記挿入部品(10)は液体の流路に配置された少なくとも1つのフィルタ(15)を備え、
前記流路には少なくとも1つのガルバーニ電極対(12,14)が配置されたことを特徴とする浄化装置。
【請求項2】
前記ガルバーニ電極対は互いに離れた位置にある少なくとも2つの金属網(12,14)で構成された、請求項1に記載の浄化装置。
【請求項3】
前記網の少なくとも第1の網(12)は銅でつくられ、前記網の少なくとも第2の網(14)は亜鉛でつくられた、請求項1または2に記載の浄化装置。
【請求項4】
少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)が前記流路に配置された、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)は前記流路の前記ガルバーニ電極対の前に配置された、請求項4に記載の浄化装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプレフィルタ(11)は、約5.0−15.0μm、好ましくは約5.0μmのサイズの粒子を通過させる孔を有するセルロース材料からできた、請求項4または5に記載の浄化装置。
【請求項7】
少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)が前記流路に配置された、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)は前記流路の前記網の間に配置された、請求項7に記載の浄化装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)は液体を通す少なくとも1つの圧縮成形片(ブロック)からなり、銀を含浸させ熱可塑性接着剤を混合した粉末活性炭素から作られた、請求項7または8に記載の浄化装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)は、約0.8−5.0μm、好ましくは約1.0μmのサイズの粒子を通過させる孔を有し、前記炭素には約0.3%の銀を含浸させた、請求項9に記載の浄化装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのフィルタ(15)は前記流路の前記ガルバーニ電極対の後に配置された、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフィルタ(15)は液体を通す少なくとも1つの圧縮成形片(ブロック)からなり、銀を含浸させ熱可塑性接着剤を混合した粉末活性炭素から作られた、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのフィルタ(15)は約0.2−0.4μm、好ましくは約0.3μmのサイズの粒子を通過させる孔を有し、前記炭素には約0.3%の銀を含浸させた、請求項12に記載の浄化装置。
【請求項14】
イオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所(16)が前記流路に設けられた、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項15】
前記空所(16)は前記流路の前記ガルバーニ電極対(12,14)の後に設けられた、請求項14に記載の浄化装置。
【請求項16】
前記挿入部品(10)は前記フィルタ(15)の他に、前記第1のプレフィルタ(11)、前記第2のプレフィルタ(13)および前記ガルバーニ電極対(12,14)を備える、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項17】
前記挿入部品(10)はほぼ円筒形状をなし、円筒形状挿入部品のほぼ全頂面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の頂板(17)と、円筒形状挿入部品のほぼ全底面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の底板(18)とを備え、前記頂板(17)のほぼ中心には貫通穴を設けた、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)、少なくとも1つの第1の網(12)、少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)、少なくとも1つの第2の網(14)および少なくとも1つのフィルタ(15)はそれぞれほぼ環状断面をなし、イオン交換樹脂を充填した前記少なくとも1つの空所(16)はほぼ円断面をなし、これらの要素は前記挿入部品(10)内で同芯状に置かれ、
液体が前記少なくとも1つの入口(8)を通って前記ケーシング(1)に流入し、前記挿入部品(10)に対してほぼ径方向に通過して流出し、さらに前記少なくとも1つの出口(9)を通って前記ケーシング(1)から流出して浄化され、
液体が前記挿入部品(10)を通過する際に、順次、前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)、少なくとも1つの第1の網(12)、少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)、少なくとも1つの第2の網(14)、少なくとも1つのフィルタ(15)およびイオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所(16)を通過する、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項19】
液体入口側の少なくとも1つの圧力計、液体出口側の少なくとも1つの圧力計、浄化装置を流れる液体流で駆動される充電可能なバッテリ用の少なくとも1つの発電機、少なくとも1つの充電可能なバッテリ、少なくとも1つのLED型表示器、少なくとも1つの信号処理設備およびGSM,GPRS,3G,ラジオおよび/または電話による連絡用設備で構成された制御設備を備える、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の浄化装置に使用され、液体の流路に配置された少なくとも1つのフィルタを備えた挿入部品(10)であって、
前記流路に少なくとも1つのガルバーニ電極対(12,14)が配置されたことを特徴とする挿入部品(10)。
【請求項21】
前記ガルバーニ電極対(12,14)は互いに離れた位置に配置された少なくとも2つの金属網(12,14)で構成された、請求項20に記載の挿入部品(10)。
【請求項22】
前記網の少なくとも第1の網(12)は銅でつくられ、前記網の少なくとも第2の網
(14)は亜鉛でつくられた、請求項21に記載の挿入部品(10)。
【請求項23】
少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)が前記流路に設けられた、請求項20ないし22のいずれか1項に記載の挿入部品(10)。
【請求項24】
少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)が前記流路に設けられた、請求項20ないし23のいずれか1項に記載の挿入部品(10)。
【請求項25】
イオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所(16)が前記流路に設けられた、請求項20ないし24のいずれか1項に記載の挿入部品(10)。
【請求項26】
挿入部品(10)はほぼ円筒形状をなし、円筒形状挿入部品のほぼ全頂面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の頂板(17)と、円筒形状挿入部品のほぼ全底面を覆い液体を通さない少なくとも1つのほぼ円形の底板(18)とを備え、前記頂板(17)のほぼ中心には貫通穴を設けた、請求項20ないし25のいずれか1項に記載の挿入部品(10)。
【請求項27】
前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)、少なくとも1つの第1の網(12)、少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)、少なくとも1つの第2の網(14)および少なくとも1つのフィルタ(15)はそれぞれほぼ環状断面をなし、イオン交換樹脂を充填した前記少なくとも1つの空所(16)はほぼ円断面をなし、これらの要素は前記挿入部品(10)内で同芯状に置かれ、液体が前記挿入部品(10)に対してほぼ径方向に流入し、通過し、流出することを可能にし、
液体が前記挿入部品(10)を通過する際に、順次、前記少なくとも1つの第1のプレフィルタ(11)、少なくとも1つの第1の網(12)、少なくとも1つの第2のプレフィルタ(13)、少なくとも1つの第2の網(14)、少なくとも1つのフィルタ(15)およびイオン交換樹脂を充填した少なくとも1つの空所(16)を通過する、請求項25または26に記載の挿入部品(10)。
【請求項28】
水、好ましくは飲料水などの液体を浄化する方法であって、
フィルタ(15)で浄化する前に、液体をガルバーニ電極対にさらすことを特徴とする方法。
【請求項29】
液体を前記ガルバーニ電極対にさらす前に少なくとも1つのプレフィルタ(11)で濾過する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
液体を前記ガルバーニ電極対にさらすときに、同時に少なくとも1つのプレフィルタ(13)で濾過する、請求項28または29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−504953(P2008−504953A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519172(P2007−519172)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001103
【国際公開番号】WO2006/004539
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(507000028)ノルダーク ウオータ フィルタ システムズ アーベー (1)
【Fターム(参考)】