説明

液体試料の吸光度を測定する装置、並びに当該装置を実施するための方法及び反応容器

【課題】一連の気体試料を同時に測定すること、及び特定の液体の吸光度の経時な進展を調査する測定を行う。
【解決手段】分析される試料を収容している反応容器を収納するための収容用の本体を備え、この本体は、反応容器のそれぞれに制御された波長を有する光信号を通過させる手段を有し、光信号が単一のCCDセンサによって捕捉される走査ヘッドに光信号を導く手段を備え、対応する試料の吸光度を測定するためのデジタル処理システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の詳細な説明]
本発明は、反応容器で反応が行われた後に、又は反応が進行している間に、液体の吸光度に関する情報を得るために意図された装置に関する。本装置は特に、一連の液体試料を同時に測定すること、及び特定の液体の吸光度の経時的な進展を調査する測定を行うことに適している。同様に、本発明は、測定する方法、及び当該方法のための特定の反応容器にも関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の装置は、複数の径方向の台座を有する、好ましくは円弧状の本体を備える。台座はそれぞれ、測定が行われる試料を収容している反応容器を入れることができる。上記台座はそれぞれ、走査チャネルの入口を構成するとともに通過チャネルの形態であってもよく、これにより、反応容器が、直線状推力(thrust)又は同様のシステムによって、各チャネルの一端から入って他端から出るようになる。反応容器用の上記本体は、行われるべき測定の要件によっては、サーモスタット制御手段を有してもよいし有さなくてもよい。或る一定の間隔を置いて反応容器用の個々のチャネルを径方向に配置することによって、同様の同心円状のデバイス、例えば空の反応容器及び走査デバイスの本体内に同心円状に配置された装置の同様のデバイスに、チャネルが対向しているとき、これらデバイスに反応容器を出し入れすることができる。台座の上側部分は蓋によって保護されている。この蓋は、反応容器がチャネル内にあるときに液体を加えることができるように部分的に開いていてもよい。
【0003】
本装置に用いられる反応容器は、略平行六面体の構造を有し、且つ試料及び試薬の一部を収容するための小さな下側キャビティを内部に有する。この下側キャビティは、反応が行われるとともにその反応の吸光度すなわち吸光度のばらつきが測定されることになっている場所である。反応容器の下側部分に位置する上記小さい方のキャビティは、反応容器の大きい方の2つの主面側に透明な窓を有し、これにより、反応容器に対して交差する光路を介して光学走査をすることができる。
【0004】
吸光度の測定を行うために、外部光制御信号に接続されている好ましくは単一のハロゲンランプ又は他のタイプのランプによって、各走査チャネルに光信号を送ることができる。したがって、光信号は集光レンズを通過して集束され、さらに、複数のフィルタ(例えば7つのフィルタ)を有するモータ駆動のホイールによって、反応容器を通過することになっている光信号の波長を選択することができる。フィルタ選択機構は、モータ及び外部制御信号から成る。集光レンズは、12本に分岐する光ファイバの束上に光信号を集束する。これら12本のうち8本は、光線を各走査チャネルに供給する役割を果たし、他の4本は、基準信号用である。
【0005】
本装置の本体のチャネル間の空間を最小に減らすために、個々の光ファイバ、すなわち、反応容器への信号を運ぶ光ファイバ及び伝達された信号を捕捉する光ファイバの両方が、同じ方向に平行になるような構成で配置されている。この構成では、各チャネルの入口及び出口で90度の光路の方向転換が必要であり、それにより光路が適正となる。この光路の方向転換は、一対のプリズムによって行われる。反応容器の各端に位置する、好適な焦点距離を有する一対のレンズは、反応容器を通して光を平行に集束することができ、ファイバから出て反応容器を通り、且つ他の延出するファイバで捕捉される光の量を最大にする。走査チャネル毎で繰り返される光学プリズムアセンブリは、単体として構成されることができることが好ましく、この単体を、本明細書中では便宜上「ペリスコープ」という名称で呼ぶ。
【0006】
各走査チャネルからの光を捕捉する8本の光ファイバは、走査ヘッドで終端する。この走査ヘッドは、各光ファイバから出てくる光が撮像カメラによって撮像されることができるよう光ファイバを位置決めするための支持部である。走査ヘッドには、4本の光ファイバも到達する。これら4本の光ファイバは、光ファイバの束から延出し、動的走査範囲内に分布する吸光度を有する種々のグレーフィルタをそれぞれ通過し、そして基準として機能する。これらの基準は、光源の光度の経時的な微小なばらつき(光源のドリフト)を補正することを目的とする。8本のチャネルそれぞれで得られた信号は、観察されたばらつきを基準と比較することによって補正されなくてはならず、この基準は、最も都合のよい信号レベルに応じて選択される。
【0007】
CCDセンサ等は、ヘッドで走査するためのものであり、対応する光学装置を備えるとともにセンサを収容し、また、アナログデジタル(A/D)変換器、プロセッサ、及び走査ヘッドから得られた光信号を対応する走査チャネルの吸光度を定量化するために処理することができるようにする通信システムを組み込む。
【0008】
走査ヘッドに入る12本の個々のファイバ、すなわち、信号をチャネルに入れるための8本と基準用の4本とは、非常に特別な方法で配置されている。すなわち、ヘッドを12本の概念上の行と12本の概念上の列とに分割するとともに、ファイバのヘッドでの到達点が他のものと列でも行でも一致しないようにファイバを配置し、さらに、上記到達点間の間隔を最大にする配置である。これによって、光検出器のマトリックスの同一の行又は列上の要素間で干渉が発生する場合にセンサで生じる傾向にある信号干渉効果又は「クロストーク」効果が低減される。この配置によって、CCDカメラのマトリックスの各列及び各行には、複数のファイバのうち1本のみに関する情報が存在するので、これにより、干渉効果が最小に抑えられる。
【0009】
対応する反応容器内に収容されている液体の吸光度を求めるために、好適なソフトウェアを用いて、センサによって撮像された走査ヘッドの画像処理が自動的に行われる。センサは、走査ヘッドを特定の時間間隔、例えば40ミリ秒で連続撮影する。これらの撮影はそれぞれ、種々の取得時間(目下「シャッタ」とも呼ぶ)で行われ、この取得時間は、例えば周期的に交替するとともに外部制御システムによって制御される、5つのシャッタ、すなわち20,000、8,000、4,000、1,000、100マイクロ秒から成る1シーケンスであってもよい。長い露光は弱い信号を検出するのに適しており、短い露光は強い信号を検出するのに適している。カメラの光検出要素によって捕捉された光度、又は走査ヘッドのファイバの位置に一致する特定の所定の窓に対応するピクセルに関する分析が行われる。測定のために選択された取得時間は、いかなるピクセルにも飽和を生じさせない最初のものであり、この測定は、最も長い取得時間から始まる。
【0010】
走査チャネルの光度は、その対応する窓のピクセルの算術平均として求められる。この光度(4つの基準チャネルのうち1つと比較することによって光源によって生じたドリフトを補正する)が、水を収容している反応容器に関して事前に得られた光度と比較され、分析される液体試料の吸光度が得られる。
【0011】
或るチャネルの光度をセンサのピクセルの窓の平均として測定することによって、ノイズを低減することができるだけではなく、解像度に関する利点も提供される。或るチャネルに対応する窓のピクセルすべてが同一の光信号を測定するとしても、存在するノイズ及び感度の微小なばらつきには、上記ピクセルすべてが同一の光度値を捕捉するのではなく或る光度付近の微小なばらつきを捕捉するという効果がある。これらの微小なばらつきは平均数値に影響を及ぼすので、センサの光検出要素の解像度は、通常、光度が256の別個のレベルであるとしても、異なる光度を平均化することによって、解像度を上げることができる特定の少数精度を得ることができる。例えば、或るチャネルの窓が100ピクセルであり、且つ各ピクセルの測定のレベルが167から168の間を通過する場合、微小なばらつきによって、これらピクセルの合計は、167.00から168.00までの間を、急激にではなく徐々に通過するという効果が生じる。したがって、上記の値の平均が得られ、これにより、少数点以下第2位までの解像度を得ることができる。統計上、ノイズによって、且つノイズの存在に起因して、何が得ることのできる実際の改善であるのかを算出することが可能となり得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明の新規な特徴の1つは、複数の吸光度を同時に測定するために単一のセンサを使用することである。これによって提供される利点は、すべてのチャネルに対して1つのセンサだけが必要であること、また、フォトダイオード又は光電子倍増管を用いる場合には必要となる、信号を増幅するための高価なシステムを省くことである。このタイプのセンサの動的範囲(ダイナミック・レンジ)がフォトダイオード又は光電子倍増管と比較して限定される傾向にあるという問題は、取得時間すなわち「シャッタ」を制御することによって解決されているので、異なる取得時間を組み合わせることによって、複数の測定段階を画定することが可能になる。この複数の測定段階は、互いに重複して広範な動的範囲にわたる。加えて、基準チャネルを使用することによって、システムが光源の出力のばらつきに依存しなくなる。
【0013】
いわゆる「ぺリオスコープ」があるため、光ファイバを走査ゾーンの同一の端部を通して出し入れすることができ、それにより、必要な空間が好都合にも最小になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明をより良く理解するために、本発明による吸光度を測定する装置のいくつかの図面を、非限定的な例として添付する。
【0015】
本発明による装置は、まず、概ね円弧状の構造である本体1を備え、且つ、特定の間隔をおいて径方向に設けられた溝2、2’、2”等の複数の台座が設けられている。この台座はそれぞれ、走査チャネルの入口であり、図2〜図6に示されるような反応容器を着座させることができる。この反応容器の着座については、以下でより詳細に説明する。径方向の溝を有する円弧状の構造によって、走査装置若しくは反応容器を出し入れするように意図される装置の他の要素、又は他の同様の要素と走査デバイスの本体とを組み合わせることができる。単純な直線状の溝を反応容器の台座として作成することによって、これら反応容器を単純な直線推力のみによって容易に中に入れ且つ抜き出すことができる。
【0016】
光信号は、各溝2、2’、2”に対応する光ファイバ経由でそれら溝に到達し、対応する反応容器3を通過し且つ他の光ファイバ経由で戻る。これを図1に図示してある。この図1で、反応容器3用の光ファイバ4及び5を見ることができ、2つの光ファイバのこのような配置が溝毎に繰り返されていることが理解される。同じく図1に示されているように、本体1に関連して、4、4’、4”等の複数の光ファイバが反応容器の側面の1つに設けられ、また5、5’、5”等の複数の光ファイバが反応容器の他の側面に設けられている。光ファイバを平行に配置することで、チャネル間の空間を最小に抑えることができる。しかし、各チャネルを出入りする際に光線の方向を90度変更しなくてはならず、この目的のために、光学プリズムの各要素及び個々のレンズを各チャネルの両側に対向して設ける。これら光学プリズムの各要素及び個々のレンズのうち2つを、図1の符号6及び6’を例にして示した。上記デバイスは、現在「ぺリオスコープ」という名称で知られている。
【0017】
走査チャネルのそれぞれに到達する光信号は、外部光制御信号と接続されている単一のハロゲンランプ又は他のタイプのランプ7(図1)から生成される。光信号は集光レンズ8を通過して集束され、また、複数のフィルタ(例えば7つのフィルタ)を有するモータ駆動のホイールによって、反応容器を通過することになっている光信号の波長を選択することができる。フィルタ選択機構は、モータ9及び外部制御信号から成る。集光レンズ8は、12本に分岐する光ファイバ10の束上に光信号を集束する。これら12本のうち8本は、対応する反応容器を通過する光線を各走査チャネルに供給する役割を果たす。
【0018】
各走査チャネルからの光を捕捉する8本のファイバは、走査ヘッド11(図1)で止まる。この走査ヘッドは、各光ファイバから出てくる光を撮像カメラが撮像できるよう各光ファイバを位置決めするための支持部である。走査ヘッド11には、4本の光ファイバも到達する。これら4本の光ファイバは、光ファイバ10の束から延出し、動的走査範囲内に分布する吸光度を有する種々のグレーフィルタをそれぞれ通過し、そして基準として機能する。上述した基準の目的は、時間の経過に伴う光源の光度の微小なばらつき(光源のドリフト)を補正することである。したがって、8つのチャネルのそれぞれで得られる信号は、基準で観察されたばらつきによって必ず補正されることになり、この基準は、最も都合のよい信号のレベルに依存して選択される。
【0019】
走査ヘッド11は、対応する光学システム13を備えるCCDセンサ等12(図1)によって読み取られる。センサ12を備えるデバイスには、走査ヘッド11から得られる光信号を処理して各走査チャネルの吸光度を定量化することができるアナログデジタル変換器、プロセッサ及び通信システムも組み込まれている。
【0020】
走査ヘッド11に入る12本の個々のファイバは、特定の方法で設けられている。その方法により、このヘッド11が12の概念上の行及び12の概念上の列に分割され、且つファイバが、ヘッド11上のそれらの到達点が他のファイバの到達点と行でも列でも一致しないように設けられ、さらにこれら到達点間の距離が最大になる。このように配置することの目的は、光検出器のマトリックスの同一の行又は列に存在する複数の要素間にセンサがあると生じる傾向がある干渉効果を最小限に抑えることである。この配置によって、センサカメラ12のマトリックスの各行及び各列には、複数のファイバのうち1つだけに関する情報が存在することになり、よって干渉効果が最小になる。
【0021】
反応容器3内に収容されている液体の吸光度を求めるために、好適なソフトウェアを用いて、走査ヘッド11により捕捉されセンサ12によって作成された画像が自動的に処理される。上記センサ12は、特定の時間間隔、例えば40ミリ秒の時間間隔で走査ヘッド11を撮影する。これらの撮影はそれぞれ、外部制御装置によって指示されて20,000、8,000、4,000、1,000、及び100マイクロ秒という周期的に交替する5つの取得時間期間又はシャッタから成る1シーケンスに属する種々の取得時間又はシャッタで行われる。長い露光は弱い信号を検出するのに適しており、短い露光は強い信号を検出するのに適している。カメラの光検出要素によって捕捉された信号、又は走査ヘッドのファイバの位置に一致する特定の所定の窓に対応するピクセルに関する分析が行われる。測定のために選択された取得時間は、どのピクセルにおいても飽和を生じさせない最初のものであり、この測定は、最も長いものから始まる。
【0022】
走査チャネルの光度は、その対応する窓のピクセルの算術平均とされる。光源に起因するドリフトが4つの基準チャネルのうちの1つと比較することによって補正されると、上記光度は、水を有する反応容器に関して以前に得られた光度と比較され、分析されている液体の吸光度が得られる。
【0023】
或るチャネルの光度をセンサのピクセルの窓の平均として測定することによって、ノイズを減少することができるだけではなく、解像度に関する利点も得ることができる。
【0024】
或るチャネルに対応する窓のピクセルがすべて同一の光信号を測定するとしても、存在するノイズ及び感度のばらつきには、上記ピクセルすべてが同一の光度値を捕捉するのではなく、平均数値に影響を及ぼす或る光度付近の微小なばらつきを捕捉するという効果がある。これによって、解像度を増加させる小数精度を得ることができる。
【0025】
5つのシャッタから成る1シーケンスが繰り返される場合、吸光度の測定は0.2秒毎に行うことができる。本システムは、吸光度を時間の関数として求めることに関心がある反応、例えば最終点測定を排除することなく凝固を測定することに適している。ヘッドは連続して走査されるが、反応容器が存在するチャネルの吸光度のみが測定されるので、各チャネルの測定は、トリガが発動すると開始し、所定の時間の後に終了する。
【0026】
既に説明したカメラを有する走査システムは、反応物の光度測定(photometric reaction)が各ウェル毎に行われているマイクロチップが処理されている装置内で用いられるため、現在のところ慣用されている光度計となっている従来の光度計として用いることができる。既に説明したように、従来の光度計をカメラを有するシステムで置換することによって、同様の性能を得ることができるだけではなく、同時に、他のタイプの反応の読み取りも可能になる(これら他のタイプの反応を走査するには、現在のところ画像処理に頼らなくてはならない)。したがって、本発明によって、光度測定及び画像走査のための兼用デバイス又はシステムと呼ぶことができるものが得られる。このデバイス又はシステムは、自立的であるか、又は本発明による装置のような設備の部品の一部として組み込まれて、いずれのタイプかにかかわらず読み取りを行うことができる。
【0027】
図2〜図6に反応容器3を詳細に示した。これら反応容器は、頂部14が開いている平行六面体の構造を有し、内部に比較的容量が小さい下側キャビティ15を有する。この下側キャビティ15は、好ましくは、17及び18のような傾斜壁によって反応容器の上側チャンバ16に接合されていることが好ましい。これら傾斜壁によって、液体試料及び/又は試薬が下側測定チャンバ15内に容易に到達できるようになる。この下側測定チャンバ15は、光信号を受信するためのものであり、この光信号が出口で捕捉されるようにする。この目的のために、大きい方の面19及び20はそれぞれ、チャンバ15を正面方向で限定する窓を有する。これら窓のうち窓21を図2に示す。上記窓は、光信号を通過させるために透過材料から成っている。
【0028】
本発明を好適な一実施形態に基づいて説明及び記載してきたが、本発明は記載した例に限定されるものではなく、本発明には、本明細書、特許請求の範囲及び図面を検討した後で当業者によって導出され得るすべての変形形態(ただし添付の特許請求の範囲内であることが条件である)が含まれるということを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】走査装置を構成する種々の部分(blocks:ブロック図)を概略的に示すとともに、要素を斜視図で示す図である。
【図2】本発明の実施の態様に使われる反応容器を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の態様に使われる反応容器を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の態様に使われる反応容器を示す上面図である。
【図5】本発明の実施の態様に使われる反応容器をVI−VI線で示される断面に沿って示す断面図である。
【図6】本発明の実施の態様に使われる反応容器をV−V線で示される断面に沿って示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料の吸光度を測定する装置であって、
分析される試料を収容している反応容器を収納するための本体であって、前記反応容器のそれぞれに、制御された波長を有する光信号を通過させる手段を有し、前記光信号が好ましくはCCDセンサである単一のセンサによって捕捉される走査ヘッドに前記光信号を導く手段を備え、対応する前記試料の吸光度を評価するためのデジタル処理システムを構成する、本体を備えることを特徴とする、液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項2】
測定される前記試料の前記反応容器の支持部は、円弧状の構造であって、複数の径方向の溝を有し、該溝のそれぞれは、試料を収容している反応容器を着座させることができるとともに該反応容器を推力によって出し入れすることができる、構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項3】
吸光度が評価される試料を収容している前記反応容器のそれぞれに光信号を通過させる前記手段は、制御信号生成器から延びる光ファイバによって構成され、該光ファイバは、前記反応容器の台座のそれぞれに前記信号を運び、外へ出る光信号を捕捉する手段は、前記反応容器のそれぞれから出る光信号を捕捉する他の光ファイバによって構成されるとともに前記信号を運ぶ光ファイバを収納する前記走査ヘッドに前記外へ出る光信号を到達させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項4】
前記制御信号生成器は、外部光制御信号に接続されている単一のハロゲンランプと前記光信号を集束するための集光レンズとを備え、また、前記光ファイバによって捕捉される前記光信号の波長を選択するための変位可能なフィルタアセンブリをさらに備え、前記光ファイバは、分析される試料を収容している前記反応容器を収容している前記装置の前記支持部の前記溝のそれぞれに達することを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項5】
光信号の波長を選択するための前記フィルタは、モータ及び外部制御信号によって制御されるモータ駆動のホイールに組み込まれていることを特徴とする、請求項4に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項6】
前記走査ヘッドは、前記光信号を運ぶ前記光ファイバを収納する支持部と、動的走査範囲内に分布する吸光度を有する種々のグレーフィルタを通過した後に基準として機能する一連の光ファイバとによって構成され、これにより、光源の光度の微小なばらつきを補正することができることを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項7】
前記走査ヘッドの前記走査センサは、それに対応する光学デバイスを備え、且つ前記走査ヘッドで得られた前記光信号を処理して前記走査チャネルのそれぞれの吸光度を定量化することができるA/D変換器、プロセッサ及び通信システムとともに、デジタル処理システムに一体化されることを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項8】
収納用の扇形の形状の前記本体内に8つの溝を配置し、該溝は、制御された前記光信号を生成するための前記生成器から延びる各光ファイバと、前記走査ヘッドに向かう複数の他の光ファイバとに関連付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項9】
試料の反応容器を収容するチャネルに関連付けられている出入りする前記光信号ファイバのそれぞれは、光学プリズム及びレンズデバイスに関連付けられ、これにより、前記溝及び前記反応容器に交差して光信号を投影及び捕捉することが可能になることを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項10】
前記走査ヘッドには、分析される反応容器の前記支持部の前記溝から延びるすべての前記光ファイバと、基準信号を運ぶ複数の光ファイバとが到達することを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項11】
前記走査ヘッドに入る個々の前記ファイバは、特定の数の概念上の行及び概念上の列で配置されることによって、前記ファイバの到達点が他のファイバの到達点と行でも列でも一致しないとともに前記到達点間の距離が最大になり、それにより、前記CCDセンサの干渉効果が最小になることを特徴とする、請求項1に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項12】
ほぼ平行六面体の形状の本体を備え、該本体は、直線的推力によって前記装置の前記支持部の前記溝のうちの1つの内部に出し入れされることができ、前記本体の上面は、前記試料及び試薬を収容するために開いており、前記本体の底部には、比較的寸法が小さいチャンバがあり、該チャンバの面は前記反応容器の大きい方の外面に対応し、前記チャンバは、前記反応容器のそれぞれの前記初期光信号を生成するための前記生成器から送出された光信号が通過するように意図されていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の液体試料の吸光度を測定する装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法であって、
可変の取得時間によって互いに区別される特定の時間期間の間、前記CCDセンサが前記走査ヘッドを撮影するステップ、及び
前記カメラの前記光検出要素によって捕捉された光度、又は前記走査ヘッド内の前記ファイバの位置に一致する特定の所定の窓に対応するピクセルに関する分析を行うステップ
を含むことを特徴とする、装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項14】
前記走査ヘッドの撮影は、40ミリ秒毎に行われることを特徴とする、請求項13に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項15】
前記走査ヘッドの撮影は、外部制御システムによって指示される取得時間で行われるとともに、好ましくは20,000、8,000、4,000、1,000、及び100マイクロ秒の間で周期的に交替することを特徴とする、請求項13又は14に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項16】
測定のために選択された取得時間は、どのピクセルにおいても飽和を生じさせない最初の取得時間であり、前記測定は、最も長い取得時間で始まることを特徴とする、請求項13ないし15のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項17】
前記走査チャネルの光度は、対応する窓のピクセルの算術平均とされ、前記光度は、光源に起因するドリフトが前記基準チャネルのうちの1つと比較されることによって補正された後に、水を収容する反応容器に関して以前に得られた光度と比較され、これにより、分析される液体試料の吸光度が得られることを特徴とする、請求項13ないし16のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項18】
好ましくはCCDセンサである単一のセンサによって複数の吸光度を同時に測定することを特徴とする、請求項13ないし17のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項19】
取得時間の異なる期間が組み合わされて、互いに重複して広範の動的範囲にわたる、複数の測定のスケールが画定されることを特徴とする、請求項13ないし18のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項20】
分析システムに関するいかなる制限もなしで、要求される瞬間に種々の走査位置で同時に読み取りを行うことを特徴とする、請求項13ないし19のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。
【請求項21】
同一の光信号の実際の値に相当する、前記CCDセンサのピクセルの窓の光度の平均を、ノイズ及び微小な感度のばらつきの違いとともに使用することで少数精度を得て、それにより、解像度を高めることができることを特徴とする、請求項13ないし20のいずれか1項に記載の装置及び反応容器内の試料の吸光度を測定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−145533(P2006−145533A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−333755(P2005−333755)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(505395973)
【Fターム(参考)】