説明

液封入式防振装置

【課題】1つのオリフィス通路で2つの共振特性を得ることができる液封入式防振装置を提供する。
【解決手段】防振基体16が室壁の一部をなす主液室26Aと、第1ダイヤフラム18が室壁の一部をなす副液室26Bと、主液室と副液室を連通させるオリフィス通路30とを備える液封入式防振装置10において、オリフィス通路30を形成するオリフィス部材32に、オリフィス通路30と副液室26Bとを区画する隔壁44を設け、オリフィス通路30の途中の上記隔壁44の一部を、副液室26Bに面する可撓性のゴム状弾性膜からなる第2ダイヤフラム46で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、振動源側に取り付けられる第1取付具と、支持側に取り付けられる第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、ゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、防振基体が室壁の一部をなす主液室と、ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室と、これら液室間を連通させるオリフィス通路とを備えてなり、前記オリフィス通路による液流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能を果たすように構成された液封入式防振装置が知られている。
【0003】
このようなオリフィス通路による振動減衰効果は、ある一定の周波数に限られるため、低周波数のシェイク振動を減衰するためのシェイク用オリフィス通路と、より高周波数のアイドル振動を低減するためのアイドル用オリフィス通路との、2つのオリフィス通路を設けたダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置が提案されている(下記特許文献1〜3参照)。このように2つのオリフィス通路を設けたことにより、それぞれのオリフィス通路内で液体の共振現象を起こさせることができるので、2つの共振特性を得ることができる。
【0004】
しかしながら、これら従来のダブルオリフィスタイプの防振装置では、シェイク用オリフィス通路とアイドル用オリフィス通路を別に備えるために、防振装置の構造が複雑になり高価となる。また、オリフィス通路を2つ設けるスペースが必要であり、防振装置が大型化してしまう。
【0005】
これらの問題を解決するために、下記特許文献4には、単一のオリフィス通路の断面溝内に弾性体膜を隙間を持たせた状態で保持させることで、シェイク振動に対しては弾性体膜とオリフィス通路との間の上記隙間を介した液体の流動により、また、アイドル振動に対しては弾性体膜の変形によるオリフィス通路内の液体の流動伝達により、2つの共振特性を得ることが開示されている。しかしながら、この場合、弾性体膜により構成される狭い隙間を液体が流動する必要があり、圧力損失が大きくなる。そのため、十分な減衰性能を確保することができない。
【0006】
なお、特許文献2には、主液室と副液室を連通する2つのオリフィス通路を備えたダブルオリフィスタイプの防振装置において、一方のオリフィス通路を開閉して両オリフィス通路を切替式とするために、筒状の本体金具の内周壁に沿って設けられた第1のオリフィス通路において、その一部の外周面を、ゴム膜を介して外部に露出させるとともに、該ゴム膜に対して外側から押圧する押圧手段を設けて第1のオリフィスを閉塞可能にした構成が開示されている。このようなゴム膜部分を設けることにより、第1のオリフィスを開いた状態において、同ゴム膜部分をダイヤフラムとして機能させることも考えられるが、この場合、上記ゴム膜部分は圧力一定の大気に面しているため、オリフィス通路内とゴム膜の外側での圧力差を稼ぎにくく、オリフィス通路の流動効果が発揮されにくい。
【特許文献1】特開2006−2944号公報
【特許文献2】特開2004−162736号公報
【特許文献3】特開平5−141473号公報
【特許文献4】特開平10−132014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、1つのオリフィス通路で2つの共振特性を得ることができる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る液封入式防振装置は、振動源側と支持側の一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、ゴム状弾性膜からなる第1ダイヤフラムと、前記防振基体が室壁の一部をなす液体が封入された主液室と、前記第1ダイヤフラムが室壁の一部をなす液体が封入された副液室と、前記主液室に対して開口する主液室側開口と前記副液室に対して開口する副液室側開口により前記主液室と副液室を連通させるオリフィス通路を形成するオリフィス部材と、を備えるものであって、前記オリフィス部材が、前記オリフィス通路と前記主液室又は副液室とを区画する隔壁を備え、前記主液室側開口と副液室側開口の間の前記オリフィス通路の一部における前記隔壁が、前記主液室又は副液室に面する可撓性のゴム状弾性膜からなる第2ダイヤフラムで構成されたものである。
【0009】
このようにオリフィス通路の途中において当該オリフィス通路と液室とを区画する隔壁の一部を可撓性のゴム状弾性膜で構成したので、このゴム状弾性膜が第2ダイヤフラムとして機能し、1つのオリフィス通路でありながら2つの共振特性を得ることができる。すなわち、オリフィス通路の全長での液流動による低周波数側の共振と、第2ダイヤフラムの撓み変形によるオリフィス通路の部分的な液流動による高周波数側の共振と、の2つの共振特性が得られる。
【0010】
また、上記第2ダイヤフラムは液室に面しており、液室は防振装置への振動入力によって液圧が変動するため、第2ダイヤフラムが大気に面している場合に比べて、第2ダイヤフラムを挟んだ両側で圧力差が生じやすく、そのため、オリフィス通路での液流動効果が得られやすく、防振性能を高めることができる。
【0011】
上記液封入式防振装置においては、前記第2取付具が筒状をなし、前記第1ダイヤフラムが前記第2取付具に取り付けられて前記防振基体との間に液体が封入された液室を形成し、前記液室が仕切り部によって前記主液室と前記副液室とに仕切られており、前記仕切り部が、前記第2取付具の周壁部の内側に嵌着されて前記オリフィス通路を形成する環状の前記オリフィス部材と、前記オリフィス部材の内側で前記主液室と副液室を軸芯方向に仕切る仕切壁とで構成されてもよい。また、その場合、前記オリフィス通路の一部における前記隔壁に前記主液室又は副液室に対して開口する開口部が設けられ、前記開口部がゴム膜の加硫成形により閉塞されることで前記第2ダイヤフラムが形成されていると、第2ダイヤフラムを簡易な構造で安価に形成することができる。
【0012】
また、前記第2ダイヤフラムは、前記オリフィス部材の周方向に沿って形成された前記オリフィス通路において、該オリフィス通路の周方向長さの半分以上の周方向長さで設けられてもよく、これにより、第2ダイヤフラムの剛性を下げて撓みやすくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、1つのオリフィス通路で2つの共振特性を得ることができるため、ダブルオリフィス特性を持つ防振装置を省スペースかつ安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図である。この防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第1取付具12と、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16と、この防振基体16に対向して第2取付具14に取り付けられたゴム状弾性膜からなる第1ダイヤフラム18とを備えてなる。
【0016】
第1取付具12は、第2取付具14の軸芯部上方に配されたボス金具である。第2取付具14は、筒状胴部20と、その下端部20Aにかしめ締結された有底筒状部22とからなる。防振基体16は、略傘状に形成され、その上部に第1取付具12が埋設された状態に加硫接着され、下端外周部が筒状胴部20の上端開口部20Bに加硫接着されている。防振基体16の下端部には、筒状胴部20の内周面を覆うゴム層24が連なっている。第1ダイヤフラム18は、可撓性のゴム膜を有し、その外周部に環状の補強金具25が埋設一体化され、この補強金具25が筒状胴部20と有底筒状部22とのかしめ締結部に固定されている。
【0017】
筒状胴部20の内側には、防振基体16の下面と第1ダイヤフラム18との間に、液体が封入された液室26が形成されている。液室26は、仕切り部28によって、防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室26Aと、第1ダイヤフラム18が室壁の一部をなす下側の副液室26Bとに仕切られており、両液室26A,26Bは、単一のオリフィス通路30により互いに連通されている。
【0018】
仕切り部28は、筒状胴部20の周壁部20Cの内側にゴム層24を介して嵌着されて上記オリフィス通路30を形成する環状のオリフィス部材32と、該オリフィス部材32の内側で主液室26Aと副液室26Bを軸芯方向Xに仕切る仕切壁34とからなり、この例では、仕切壁34は、合成樹脂や金属等の剛性材料により、オリフィス部材32に一体に設けられている。より詳細には、仕切壁34は、オリフィス部材32の外周部32Aの上端部においてその内周面間の塞ぐ円板状部として設けられており、これにより、オリフィス部材32の内側が副液室26Bとなっている。
【0019】
オリフィス部材32は、中央に開口部36Aを持つ円板状の仕切り受板36を、補強金具25とともに、筒状胴部20と有底筒状部22とのかしめ締結部に固定することにより、ゴム層24に設けられた段部24Aと仕切り受板36との間で軸芯方向Xに挟まれた状態に保持されている。
【0020】
オリフィス部材32は、外向きに開かれた断面コの字状の外周部32Aを有し、この外周部32Aがゴム層24を介して筒状胴部20の内周面に嵌合されることで、当該内周面との間に、周方向C(図4参照)に沿って延びる上記オリフィス通路30が形成される。オリフィス通路30は、図1〜4に示すように、周方向Cの一端に、主液室26Aに対して開口する主液室側開口38を備えるとともに、周方向Cの他端に、副液室26Bに対して開口する副液室側開口40を備え、これにより、主液室26Aと副液室26Bとを連通している。図4に示すように、オリフィス通路30は、オリフィス部材32の外周部32Aにおいて、その略3/4周の長さで設けられており、外周部32Aのオリフィス通路30を除く周方向部分では、液体の短絡を防止するための遮断壁42が、外周部32Aのコの字の内側にゴムを充填することで形成されている。
【0021】
オリフィス部材32の外周部32Aには、オリフィス通路30と副液室26Bとを区画する隔壁44が設けられている。すなわち、隔壁44は、内側の副液室26Bに対してオリフィス通路30を区分けするための壁部であり、外周部32Aの上記コの字の縦壁を構成している。
【0022】
そして、主液室側開口38と副液室側開口40の間のオリフィス通路30の一部における前記隔壁44が、副液室26Bに面する可撓性ゴム膜からなる第2ダイヤフラム46で構成されている。すなわち、オリフィス通路30の途中の隔壁44が可撓性ゴム膜で形成されることで、当該隔壁部分が撓み変形可能な第2ダイヤフラム46として構成されている。
【0023】
詳細には、図2〜4に示すように、オリフィス通路30の周方向の一部における隔壁44に、内側の副液室26Bに対して開口する開口部48が切欠形成され、この開口部48を上記遮断壁42から連なるゴム膜で閉塞するように加硫成形することで、第2ダイヤフラム46が形成されている。第2ダイヤフラム46は、外側のオリフィス通路30の断面積が一定となるように断面円弧状に設けられている(図4参照)。
【0024】
第2ダイヤフラム46は、オリフィス通路30の周方向長さL0の半分以上の周方向長さL1で設けられている。この例では、オリフィス通路30の周方向長さL0が略3/4周であるのに対し、第2ダイヤフラム46の周方向長さL1は1/2周で設けられている。このように第2ダイヤフラム46の周方向長さL1を長く設定することで、第2ダイヤフラム46の剛性を下げて撓みやすくすることができる。
【0025】
以上よりなる本実施形態によれば、オリフィス通路30の途中の副液室26Bとの間を区画する隔壁44の一部を可撓性の第2ダイヤフラム46として構成したので、1つのオリフィス通路30でありながら2つの共振特性を得ることができる。すなわち、10Hz前後の低周波数域のシェイク振動に対しては、図5において符号Sで示すように、オリフィス通路30の全長にわたる液流動による共振現象を生じさせて、シェイク振動を減衰することができる。また、40Hz前後の高周波数域のアイドル振動に対しては、図5において符号Iで示すように、第2ダイヤフラム46の撓み変形によるオリフィス通路30の部分的な液流動による共振現象を生じさせて、アイドル振動の低動ばね定数化を図ることができる。アイドル振動の場合、主液室側開口38から第2ダイヤフラム46に至るまでの長さが有効なオリフィス長となるので、この長さを調整することにより、共振周波数を適宜に設定することができる。
【0026】
図6は、アイドル振動に相当する小振幅入力時における周波数と動ばね定数及び減衰係数の関係を示したグラフであり、図7は、シェイク振動に相当する大振幅入力時における周波数と動ばね定数及び減衰係数の関係を示したグラフである。図7に示すように、実施形態のものでは、シェイク振動に対して10〜15Hzにおける減衰ピークP1を示しており、しかも、図6に示すように、アイドル振動に対して45Hz前後に減衰ピークP2を示し、それに対応して40Hz付近にて動ばね定数の低減効果が示された。これに対し、第2ダイヤフラム46を設けていない比較例では、10Hz前後の減衰ピークは高いものの、それ以外の共振は見られず、アイドル振動に対する防振効果は得られなかった。
【0027】
本実施形態によれば、また、第2ダイヤフラム46が、副液室26Bに面しているため、大気圧一定の外気に面している場合に比べて、第2ダイヤフラム46を挟んだ両側での圧力差が大きくなり、そのため、第2ダイヤフラム46が作用するアイドル振動に対して、オリフィス通路30での液流動効果が得られやすく、アイドル振動に対する防振性能を高めることができる。
【0028】
上記のように、本実施形態であると、従来のシングルオリフィス構造と同等のスペースでダブルオリフィス特性を得ることができるので、省スペース化を実現することができ、小型化を図ることができる。また、オリフィス部材32にゴム膜を加硫成形するだけでダブルオリフィス特性を実現することができ、安価である。
【0029】
上記実施形態では、第2ダイヤフラム46を副液室26Bに面するように構成したが、第2ダイヤフラム46は、図8に示すように、主液室26Aに面してもよい。
【0030】
図8の例では、仕切壁34Aは、オリフィス部材32の外周部32Aの下端部においてその内周面間の塞ぐ円板状部として設けられており、これにより、オリフィス部材32の内側が主液室26Aとなっている。そのため、この例では、オリフィス部材32の外周部32Aには、オリフィス通路30と主液室26Aとを区画する隔壁44Aが設けられている。そして、この隔壁44Aの一部が、主液室26Aに面する第2ダイヤフラム46で構成されている。その他の構成は上記実施形態と同様である。
【0031】
図8の例では、オリフィス通路30の途中の主液室26Aとの間を区画する隔壁44Aの一部を可撓性の第2ダイヤフラム46として構成したので、図5において符号I’で示すように、アイドル振動に対して、副液室側開口40から第2ダイヤフラム46に至るまでの長さを有効なオリフィス長として、第2ダイヤフラム46の撓み変形によるオリフィス通路30の部分的な液流動による共振現象を生じさせて、アイドル振動の低動ばね定数化を図ることができる。シェイク振動に対しては、上記実施形態と同様であり、従って、この場合も、1つのオリフィス通路30でありながら2つの共振特性を得ることができる。
【0032】
なお、第2ダイヤフラム46の形状は要求特性に応じて適宜設定されるものであり、上記実施形態のものに限定されるものではない。また、上記実施形態では、単一のオリフィス通路を持つ防振装置に第2ダイヤフラム46を設ける構成としたが、更に別のオリフィス通路とダイヤフラムを設けることにより、第3の共振特性を追加することも可能である。また、上記実施形態では、シェイク振動とアイドル振動を対象としたが、これに限らず、周波数の異なる種々の振動に対して適用することができる。また、内筒と外筒との間を防振基体で結合してなる円筒型の液封入式防振装置に適用してもよく、更に、エンジンマウント以外にも、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に適用可能である。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図
【図2】同防振装置の仕切り部の平面図
【図3】図2のIII−III線断面図
【図4】図3のIV−IV線断面図
【図5】同仕切り部のオリフィス構成を示す説明図
【図6】小振幅入力時における周波数と動ばね定数及び減衰係数の関係を示したグラフ
【図7】大振幅入力時における周波数と動ばね定数及び減衰係数の関係を示したグラフ
【図8】他の実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図
【符号の説明】
【0034】
10,10A…液封入式防振装置
12…第1取付具
14…第2取付具
16…防振基体
18…第1ダイヤフラム
26…液室、26A…主液室、26B…副液室
28…仕切り部
30…オリフィス通路
32…オリフィス部材
34,34A…仕切壁
38…主液室側開口
40…副液室側開口
44,44A…隔壁
46…第2ダイヤフラム
48…開口部
C…周方向
L0…オリフィス通路の周方向長さ
L1…第2ダイヤフラムの周方向長さ
X…軸芯方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動源側と支持側の一方に取り付けられる第1取付具と、
振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、
前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、
ゴム状弾性膜からなる第1ダイヤフラムと、
前記防振基体が室壁の一部をなす液体が封入された主液室と、
前記第1ダイヤフラムが室壁の一部をなす液体が封入された副液室と、
前記主液室に対して開口する主液室側開口と前記副液室に対して開口する副液室側開口により前記主液室と副液室を連通させるオリフィス通路を形成するオリフィス部材と、
を備え、
前記オリフィス部材は、前記オリフィス通路と前記主液室又は副液室とを区画する隔壁を備え、前記主液室側開口と副液室側開口の間の前記オリフィス通路の一部における前記隔壁が、前記主液室又は副液室に面する可撓性のゴム状弾性膜からなる第2ダイヤフラムで構成された、液封入式防振装置。
【請求項2】
前記第2取付具が筒状をなし、前記第1ダイヤフラムが前記第2取付具に取り付けられて前記防振基体との間に液体が封入された液室を形成し、前記液室が仕切り部によって前記主液室と前記副液室とに仕切られており、前記仕切り部が、前記第2取付具の周壁部の内側に嵌着されて前記オリフィス通路を形成する環状の前記オリフィス部材と、前記オリフィス部材の内側で前記主液室と副液室を軸芯方向に仕切る仕切壁とからなる、請求項1記載の液封入式防振装置。
【請求項3】
前記オリフィス通路の一部における前記隔壁に前記主液室又は副液室に対して開口する開口部が設けられ、前記開口部がゴム膜の加硫成形により閉塞されることで前記第2ダイヤフラムが形成された、請求項2記載の液封入式防振装置。
【請求項4】
前記第2ダイヤフラムは、前記オリフィス部材の周方向に沿って形成された前記オリフィス通路において、該オリフィス通路の周方向長さの半分以上の周方向長さで設けられた、請求項2記載の液封入式防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−133345(P2009−133345A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307975(P2007−307975)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】