説明

液晶表示素子を用いた投射型画像表示装置

【課題】VAN型の液晶表示素子を用い、高いコントラストを安定して出力することを可能にした投射型画像表示装置を提供する。
【解決手段】光源と、照明光学手段と、垂直配向型の液晶表示素子と、液晶表示素子からの光を拡大投射する投射手段と、照明光学手段からの光を偏光に応じて液晶表示素子に導き、変調された光を投射手段へと導く偏光分離合成手段からなり、前記偏光分離合成手段が誘電体多層膜からなる偏光ビームスプリッタと1/4位相差板を含み、前記液晶表示素子の液晶分子ダイレクタの方位角が液晶表示素子の長辺/短辺を基準に反時計回りに略45°であり、前記1/4位相差板の遅相軸が液晶表示素子の長辺/短辺を基準に時計回りに3°から6°の間であり、前記液晶表示素子に電圧印加した状態での最低の黒表示照度をαとし、電圧無印加時の照度をβとしたときに、0<α/β<0.8となるプレチルト角の関係となる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子を用いた投射型画像表示装置に関するものである。特に液晶表示素子からの光をスクリーン等の被投影面に拡大投影する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子などの画像表示素子を用いて画像情報に対応して変調された光束を投射レンズによってスクリーンなどに拡大投射する構成のプロジェクタが種々と提案されている。液晶表示素子として、2次元光学スイッチとして一方の基板に反射鏡と配線、スイッチング素子等有する回路基板との間に誘電異方性が正のネマチック液晶を封入し、液晶分子長軸を2枚の基板間に対してほぼ垂直にモメオトロピック配向させた、いわゆるVAN(Vertical Arrangement Nematic)液晶型の反射型液晶変調素子を用いているものもある。
【0003】
液晶変調素子としては、ECB(Electrically Controlled Birefringence)効果を利用し、液晶層を通過する光波動に対してリタデーションを与えて、光波動の偏光状態を変化させる作用を制御して画像を形成する方法が主に用いられる。VAN液晶表示素子は、光学的レタデーションが無い状態を黒表示とするためにコントラスト特性がよい。一方で、VAN液晶表示素子は横電界の影響を受けやすく、横電界により液晶配向が乱れてしまうと明るさの低下や境界領域でのムラになってしまう。前述の明るさの低下や境界領域でのムラを防ぐために液晶分子を基板の垂直方向から傾けて製作し、配向規制力を強くする対策が取られている。以後、本明細書においては電圧無印加状態での液晶分子の平均的な傾きをプレチルト角と呼ぶ。また、本明細書においては、電圧印加状態での液晶分子の平均的な傾きを前述のプレチルト角と区別して、チルト角と呼ぶ。プレチルト角が大きくなると電圧無印加状態においても液晶分子によって与えられる位相差量が増大し、偏光状態が理想とする直線偏光状態からずれてしまう。
【0004】
従来、プレチルト角に起因する偏光状態のずれを補正する方法が知られている。例えば、特許文献1では液晶分子の複屈折によって楕円偏光化した光を1/4位相差板によって後の偏光板等の偏光遮断手段によって遮断される直線偏光に変換する手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3019813号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、製造された液晶表示素子のプレチルト角に応じた調整を行うので、コントラストのばらつきを大きくしてしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、電圧を印加することによって液晶表示素子のチルト角を一定に保ち、高いコントラストを安定して出力することを可能にした投射型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る投射型画像表示装置は、
光源と、
光源からの光を重ね合わせて均一照明領域を形成する照明光学手段と、
照明光を変調する垂直配向型の液晶表示素子と、
液晶表示素子からの光を拡大投射する投射手段と、
照明光学手段からの光を偏光に応じて液晶表示素子に導き、変調された光を投射手段へと導く偏光分離合成手段からなり、
前記偏光分離合成手段が誘電体多層膜からなる偏光ビームスプリッタと1/4位相差板を含み、
前記液晶表示素子の液晶分子ダイレクタの方位角が液晶表示素子の長辺/短辺を基準に反時計回りに略45°となり、
前記1/4位相差板の遅相軸が液晶表示素子の長辺/短辺を基準に時計回りに3°から6°の間であり、
前記液晶表示素子に電圧印加した状態での黒表示照度をαとし、電圧無印加時の照度をβとしたときに0<α/β<0.8となる関係とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、VAN型液晶表示素子と誘電体多層膜からなる偏光分離手段と1/4位相差板を含む投射型画像表示装置において、液晶分子のチルト角を偏光分離手段に合わせて電圧を印加して制御することで、製造上のばらつきを吸収する事が出来る。結果として安定して高いコントラストの画像表示を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明における光学系の構成を表す図
【図2】本発明の光学系での偏光ビームスプリッタの偏光透過軸を表す図
【図3】本発明の液晶のダイレクタ方向とチルト角と方位角を表す図
【図4】反射光の偏光状態の液晶チルト角による変化を示す図
【図5】反射回折光の偏光状態の液晶チルト角による変化を示す図
【図6】液晶チルト角によるコントラスト変化を示す図
【図7】第1の実施例における反射型画像表示素子の駆動状態を示す図
【図8】第2の実施例における反射型画像表示素子の駆動状態を示す図
【図9】第3の実施例における反射型画像表示素子の駆動状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる光学系の構成図である。
【0012】
[実施例1]
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施例による、投射型画像表示装置について説明する。
【0013】
図中、1は高圧水銀ランプなどからなる光源、2は均一な照明強度を有する照明領域を形成するためのインテグレーターからなる照明光学系、3は偏光方向によって光を透過または反射させる偏光ビームスプリッタである。
【0014】
4は1/4位相差板であり、5は入射光の偏光を電気信号に応じて変調する反射型液晶表示素子、6は反射型液晶表示素子5からの光をスクリーン(図示せず)などの被投射物に投射する投射光学系である。
【0015】
図1において、光軸方向をz軸とし、紙面垂直方向をx軸としたときに、x軸とz軸で形成される面(xz断面)に垂直な方向をy軸としている。また、図中の矢印方向を正と取る事とする。
【0016】
照明光学系2は第1フライアイレンズ11と第2フライアイレンズ12、偏光変換素子アレイ13、コンデンサーレンズ14、から構成される。
【0017】
照明光学系2における作用について説明する。光源1からの無偏光光を複数のレンズからなる第1フライアイレンズ11と第2フライアイレンズ12によって複数に光束分割する。第2フライアイレンズ12から射出される光の偏光方向を偏光変換素子アレイ13によってp(紙面内平行方向であるy軸方向)またはs(紙面垂直方向であるx軸方向)の任意の方向にそろえる。分割された光束をコンデンサーレンズ14により、画像表示素子面に重畳することで略均一な照明を行う光学系となっている。
【0018】
本実施例において照明光学系2から射出した光は、偏光ビームスプリッタ3を透過するようにp偏光(y軸方向)に揃えられている。偏光ビームスプリッタ3を透過した光は1/4位相差板4を通過して、反射型画像表示素子5に入射し、電気信号に応じた偏光方向に変調されて反射された後、1/4位相差板を通過し、再び偏光ビームスプリッタ3に入射する。
【0019】
このとき、スクリーンに投射される光は偏光ビームスプリッタ3によって投射光学系6の方向に反射され、スクリーンに投射しない光は偏光ビームスプリッタ3を透過して光源の方向へ戻るように偏光状態を変調している。
【0020】
ここで、偏光ビームスプリッタ3での透過と反射は偏光ビームスプリッタ3の膜面を形成する斜面と斜面への入射光角度との幾何関係によって定められる偏光の基準軸によって決まる。例えば、光を透過させる偏光ビームスプリッタ3の偏光透過軸は偏光ビームスプリッタの膜面を形成する斜面の法線と入射光角度で形成される平面に平行な方向である。
【0021】
図2に入射角度による偏光透過軸の向きを示す。横軸はx方向の偏光成分、縦軸はy方向の偏光成分である。図2−Aではy軸方向の角度を0.4°に保ったまま、x軸方向への入射角度を±11°変化させ、図2−Bではx軸方向の角度を0.4°に保ったまま、y軸方向への入射角度を±11°変化させている。図2−Aにおいて、L21Aがx軸方向、y方向共に0.4°傾いた時の偏光透過軸であり、L22Aがx軸方向に11°、y軸方向に0.4°傾いた時の偏光透過軸であり、L23Aがx軸方向に‐11°、y軸方向に0.4°傾いた時の偏光透過軸である。図2−Bにおいて、L21Bがx軸方向、y方向共に0.4°傾いた時の偏光透過軸であり、L22Bがx軸方向に0.4°、y軸方向に11°傾いた時の偏光透過軸であり、L23Bがx軸方向に0.4°、y軸方向に−11°傾いた時の偏光透過軸である。L21AとL21Bは同条件での偏光透過軸の様子を異なるスケールで示したものである。x軸方向の入射角度を変化させると偏光分離断面との角度が大きく変わるために偏光透過軸が傾くことがわかる。なお、横軸の変位量が小さいので、比較を容易に行うために表示スケールを図2−Aでは縦軸の10倍、図2−Bでは縦軸の400倍としている。
【0022】
反射型画像表示素子5を形成する液晶分子の特性は平均化した屈折率楕円体を用いて、簡易的に図3に示す特性で表される。液晶分子32のダイレクタ方向31をxy平面に射影した角度を方位角φとし、ダイレクタ方向31がz軸となす角度をチルト角θとする。本実施例においては反射型画像表示素子5の長辺方向をx軸としており、φ=45°としている。
【0023】
反射型画像表示素子5で反射する光の偏光方向は反射型画像表示素子の液晶層で受ける位相差、つまり液晶分子の屈折率異方性と液晶分子のチルト角と液晶分子の方位角によって決定される。また、反射型画像表示素子5と偏光ビームスプリッタ3との間に配置している1/4位相差板の遅相軸の方位角によっても偏光方向が変化する。
【0024】
反射型画像表示素子5で反射し、1/4位相差板を通過後の光の偏光方向が偏光透過軸に一致する割合が多ければ、偏光ビームスプリッタ3を透過して光源1の方向へ戻り、スクリーンに投影されない。つまり、黒を表示するように変調された反射光の偏光方向を偏光透過軸に一致することが出来ればより暗い黒を表示することとなり、コントラスト特性がよくなる。そのため、1/4位相差板は方位角を変更可能な構成にしておき、スクリーンでの照度が最小となる状態で固定する。なお、入射光の角度によって反射型画像表示素子5を反射した後の偏光状態は異なるので、全ての入射角度において最適な方位角とはならない。
【0025】
図4に液晶分子のチルト角を7°から15°へと変化させた際に同一角度で入射した光の偏光状態の変化を示す。図4−Aがx方向、y方向共に0.4°、図4−Bがx方向、y方向共に11°の入射角度での様子である。横軸はx方向の偏光成分、縦軸はy方向の偏光成分であり、1を最大値とする比率で表している。図4−Aにおいて、L41Aが偏光透過軸であり、L42Aがチルト角7°状態での反射光の偏光状態であり、L43Aがチルト角15°状態での反射光の偏光状態である。図4−BにおいてL41Bが偏光透過軸であり、L42Bがチルト角7°状態での反射光の偏光状態であり、L43Bがチルト角15°状態での反射光の偏光状態である。なお、横軸の変位量が小さいので、比較を容易に行うために表示スケールを図4−Aでは縦軸の200倍、図4−Bでは縦軸の10倍としている。図4−Aの入射角度では、液晶分子のチルト角が7°から15°へと増加することで、偏光ビームスプリッタ3の偏光透過軸から離れるため、照度が増加し、コントラスト特性が低下する。一方で、図4−Bに示す入射角度では液晶分子のチルト角が7°から15°へと増加することで、偏光ビームスプリッタ3の偏光透過軸に近付くので、照度が減少し、コントラスト特性が向上する。
【0026】
また、反射型画像表示素子5は画素が数μmオーダーの周期構造となっている事に起因して、反射の際に回折光が発生する。回折光は入射光と異なる角度で反射するために、液晶によって受ける位相差が正反射した0次光と異なる。更には、回折光の方向によって偏光ビームスプリッタ3の偏光分離面に対する角度が異なるので偏光透過軸の向きも異なる。
【0027】
図5に反射型画像表示素子5に垂直入射した光の1次回折光の偏光状態を示す。図5−Aがx軸正方向、図5−Bがx軸負方向、図5−Cがy軸正方向、図5−Dがy軸負方向への回折光であり、それぞれの方向での偏光透過軸も合わせて示している。横軸はx方向の偏光成分、縦軸はy方向の偏光成分である。図中の線は、L51で始まるものが偏光透過軸である。L52で始まるものがチルト角7°での回折光の偏光状態、L53で始まるものがチルト角15°での回折光の偏光状態、L54で始まるものがチルト角23°での回折光の偏光状態である。図中の線の最後の添え字A、B、C、Dは順に、回折光がx軸正方向、x軸負方向、y軸正方向、y軸負方向である事を示している。なお、横軸の変位量が小さいので比較を容易に行うために表示スケールを縦軸の10倍としている。
【0028】
図6に液晶分子のチルト角変化時のコントラスト変動を示す。横軸は液晶分子のチルト角であり、縦軸はチルト角7°のコントラストで規格化したコントラストパラメータである。液晶分子のチルト角の増加と共にコントラストが増加し、チルト角15°近傍を変極点として減少していく。ここで、液晶分子のチルト角は電圧を印加することで大きくすることが出来る。つまり、液晶分子のチルト角を電圧印加によって大きくすることでコントラスト特性のよい状態を黒表示とすることが出来る。
【0029】
偏光ビームスプリッタ3を用いた光学系においては、偏光透過軸が入射角によって傾いていく。このため、液晶分子のチルト角を増加させることで反射光の偏光状態が傾く場合には、偏光ビームスプリッタ3の偏光透過軸と一致する割合が増える。特にx方向に回折した光においては、その効果が大きく、結果としてチルト角を増大させることがコントラストの増大に繋がっている。しかしながら、一定の角度以上に液晶分子のチルト角を増大させると、0次光やy方向への回折光が偏光ビームスプリッタ3の偏光軸から離れていく影響が大きくなるためにコントラストは低下する。
【0030】
本実施例においては、黒表示をする際に図7に示すように液晶分子のプレチルト角が7°の反射型画像表示素子5に対して、電圧を印加することで液晶のチルト角を15°に設定している。電圧印加時に照度αが最低となるように調整した1/4位相差板の方位角は長辺方向から時計回りに5°となり、電圧無印加状態での照度βとしたときにα/β=0.021となっている。
【0031】
電圧を印加することで液晶分子のチルト角を所定の値に設定するので、目標とするコントラストを着実に得ることが出来る。本実施例では電圧無印加状態での最適に調整されたコントラストと比較しておよそ12%のコントラストアップを得ることが出来る。
【0032】
実施例の照明光学系として1枚の反射型画像表示素子からなる構成を示したが、実施の形態としてはこれに限定されるものではない。例えば色分離合成手段を有する光学系と共に3枚の反射型画像表示素子からなる構成であってもよい。
【0033】
[実施例2]
図8に本実施例での使用する反射型画像表示素子の液晶分子のチルト角特性を示す。図8において、実施例1で示した図7に対し、使用する反射型画像表示装置の液晶のプレチルト角および最低照度を得るために電圧印加した時のチルト角が異なる。
【0034】
他の光学構成、役割は図1で示している第1実施例と同様のため、説明は省略する。
【0035】
本実施例においては1/4位相差板に方位角の可動機構を設けず、遅相軸を反射型画像表示素子の長辺方向から時計回りに3°15′回転した状態で固定されている。
【0036】
本実施例においては反射型画像表示素子のプレチルト角は8°であり、電圧を印加することで液晶のチルト角を12°とした際に最低の照度αを得ることが出来る。電圧無印加状態であるプレチルト角が8°の時の照度をβとしたときにα/β=0.088となっている。電圧印加時には、プレチルト角が8°の反射型画像表示素子を可動式の1/4位相差板を用いて最適に調整した場合に比べておよそ10%のコントラストアップを得ることが出来る。
【0037】
本実施例に固有の効果としては1/4位相差板を動かさず、電圧を印加することで最低の照度を得るため、一意に反射型画像表示素子と1/4位相差板の相対関係を形成出来るので調整ずれ等の要因でコントラストを低下させない。
【0038】
[実施例3]
図9に本実施例での使用する反射型画像表示素子の液晶分子のチルト角特性を示す。図9において、実施例1で示した図7に対し、使用する反射型画像表示装置の液晶のプレチルト角および最低照度を得るために電圧印加した時のチルト角が異なる。
【0039】
他の光学構成、役割は図1で示している第1実施例と同様のため、説明は省略する。
【0040】
本実施例においては反射型画像表示素子のプレチルト角は9°であり、電圧を印加することで液晶のチルト角を11°とした際に最低の照度αを得ることが出来る。電圧無印加状態であるプレチルト角が9°の時の照度をβとしたときにα/β=0.273となっている。電圧印加時には、プレチルト角が9°の反射型画像表示素子を可動式の1/4位相差板を用いて最適に調整した場合に比べておよそ5%のコントラストアップを得ることが出来る。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
光源、2 照明光学系、3 偏光ビームスプリッタ、4 1/4位相差板
反射型画像表示素子、6 投射光学系
11 第1フライアイレンズ、12 第2フライアイレンズ
13 偏光変換素子アレイ、14 コンデンサーレンズ
ダイレクタ方向、32液晶分子
71、81、91 電圧無印加時の液晶分子
72、82、92 電圧印加時の液晶分子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
光源からの光を重ね合わせて均一照明領域を形成する照明光学手段と、
照明光を変調する垂直配向型の液晶表示素子と、
液晶表示素子からの光を拡大投射する投射手段と、
照明光学手段からの光を偏光に応じて液晶表示素子に導き、変調された光を投射手段へと導く偏光分離合成手段からなり、
前記偏光分離合成手段が誘電体多層膜からなる偏光ビームスプリッタと1/4位相差板を含み、
前記液晶表示素子の液晶分子ダイレクタの方位角が液晶表示素子の長辺/短辺を基準に反時計回りに45°であり、
前記1/4位相差板の遅相軸が液晶表示素子の長辺/短辺を基準に時計回りに3°から6°の間であり、
前記液晶表示素子に電圧印加した状態での黒表示照度をαとし、電圧無印加時の照度をβとしたときに0<α/β<0.8となる関係とすることを特徴とする投射型画像表示装置。
【請求項2】
前記液晶表示素子に電圧印加した状態での黒表示照度をαとし、電圧無印加時の照度をβとしたときに0<α/β<0.5となる関係とすることを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。
【請求項3】
前記1/4位相差板の遅相軸が液晶表示素子の長辺/短辺基準に時計回りに3°から6°の間にある所定の角度で固定されていることを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−189832(P2012−189832A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53676(P2011−53676)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】