液晶表示装置および電子機器
【課題】液晶パネルの応答速度を、より正確に補償する。
【解決手段】複数の画素110を含む液晶パネル100と、画素110の階調レベルをそれぞれ指定する映像データCdを、1フレーム前の映像データPdで指定された階調レベルとの変化分に応じて補償し、補償映像データVdとして出力するオーバードライブ回路30と、(m+1)行最終列の画素の明るさを検出して、その検出信号Pを出力する光センサー40と、該(m+1)行最終列の画素に対する階調レベルを第1値(Ge)から第2値(Gf)に変化させたときの検出信号Pに応じて、オーバードライブ回路30における補償内容を変更する応答時間解析回路50と、を有する。
【解決手段】複数の画素110を含む液晶パネル100と、画素110の階調レベルをそれぞれ指定する映像データCdを、1フレーム前の映像データPdで指定された階調レベルとの変化分に応じて補償し、補償映像データVdとして出力するオーバードライブ回路30と、(m+1)行最終列の画素の明るさを検出して、その検出信号Pを出力する光センサー40と、該(m+1)行最終列の画素に対する階調レベルを第1値(Ge)から第2値(Gf)に変化させたときの検出信号Pに応じて、オーバードライブ回路30における補償内容を変更する応答時間解析回路50と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置において動画表示の際のぼやけ感を適切に低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、動画を表示させる際に、液晶の光学応答が十分でないことに起因して、ぼやけ感が発生する。このぼやけ感を低減するために、いわゆるオーバードライブという技術がある(特許文献1参照)。また、光学応答は、温度に応じて変化するので、液晶パネル近傍に温度センサーを設けるとともに、検出した温度に応じて各種の制御を行う技術も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−265298号公報(図5)
【特許文献2】特開平9−96796号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、温度センサーは、液晶パネル近傍の温度を検出するものであり、液晶パネル内部の温度を実際に測定しているわけではない。このため、温度センサーで検出される温度は、液晶パネル内部における実際の温度に対して誤差を伴いやすい。したがって、温度センサーによって検出した温度に応じて、液晶パネルの光学的な応答速度を正確に補償することはできない、という問題が浮上した。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、液晶パネルの応答速度を、より正確に補償することを可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る液晶表示装置にあっては、複数の画素を有する液晶パネルと、複数の前記画素の階調レベルをそれぞれ指定する映像データを、過去の映像データで指定された階調レベルとの変化分に応じて補償し、補償映像データとして出力する補償回路と、複数の前記画素のうち、一部の画素の明るさを検出する光センサーと、該一部の画素に対する階調レベルを第1値から第2値に変化させたときの前記光センサーの検出結果に応じて、前記補償回路における補償内容を変更させる補償内容変更回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、液晶パネルにおける光学応答を実際に光センサーによって検出するとともに、該検出結果に応じてオーバードライブにおける補償内容を変更するので、液晶パネルの応答速度を、より正確に補償することが可能となる。
【0006】
本発明において、前記補償回路は、それぞれが互いに異なる光学応答に対応した複数のルックアップテーブルと、複数の前記ルックアップテーブルのうち、いずれかを選択するセレクターと、を含み、選択されたルックアップテーブルに基づいて前記補償映像データを出力し、前記補償内容変更回路は、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを指示する構成としても良い。この構成によれば、光センサーの検出結果に応じて演算等の複雑な処理が不要となる。
本発明において、前記補償内容変更回路は、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換して出力する構成としても良いし、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換し、該温度情報を出力するとともに、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを該温度情報に基づき指示する構成としても良い。温度情報を出力する構成にすると、バックライトの輝度調整や内部冷却ファンの回転数などを、温度センサーを用いることなく、制御することが可能となる。
なお、本発明は、液晶表示装置のみならず、該液晶表示装置を含む電子機器としても概念することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】同液晶表示装置における画素の等価回路を示す図である。
【図3】同液晶表示装置における光センサーの配置を示す図である。
【図4】同液晶表示装置におけるオーバードライブ回路の構成を示す図である。
【図5】同オーバードライブ回路による補償内容を示す図である。
【図6】同液晶表示装置のダミー画素の映像データおよび光学応答を示す図である。
【図7】ダミー画素に対する他の映像データおよび光学応答を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図9】変形例に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図10】実施形態に係る液晶表示装置を適用した携帯電話の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
この図に示されるように、液晶表示装置1は、表示制御回路20と、オーバードライブ回路30、光センサー40、応答時間解析回路50、液晶パネル100、Yドライバー130およびXドライバー140を有する。
この液晶表示装置1には、図示省略した上位回路から、液晶パネル100で表示すべき画像を規定する映像データCdが、同期信号Syncにしたがった画素の順でフレーム毎に供給される構成となっている。
【0009】
液晶パネル100は、例えばアクティブマトリクス型であり、1行目から(m+1)行目までの走査線112が図において横方向に延在し、また、複数列のデータ線114が図において縦方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられるとともに、これらの走査線112とデータ線114との交差のそれぞれに対応して、画素110がそれぞれ配設されている。このうち、1〜m行目の画素110が表示領域として用いられ、残りの(m+1)行目の画素110は、表示には寄与しないダミー画素として用いられる。
【0010】
表示領域として用いられる画素も、ダミーの画素も、電気的な構成でみれば互いに同一である。そこで、画素110の電気的な構成について図2を参照して説明する。
図2に示されるように画素110は、nチャネル型の薄膜トランジスター(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116と液晶素子120との組が設けられている。TFT116のゲート電極は走査線112に接続され、ソース電極がデータ線114に接続され、ドレイン電極が液晶素子120の一端である画素電極118に接続されている。
一方、液晶素子120の他端は、コモン電極108に共通接続されており、該コモン電極108には、図示省略した回路によって電圧LCcomが印加されている。
このため、液晶素子120は、画素電極118とコモン電極108とで液晶層150を挟持したものとなり、画素電極118およびコモン電極108の電位差に相当する電圧が保持されるとともに、両電極間で生じる電界に応じて液晶の分子の配向状態が変化して、透過率が変化する構成となっている。
【0011】
説明を再び図1に戻すと、光センサー40は、ダミー画素である(m+1)行目のうち、特定の列(例えば右端に位置する最終列)の画素の明るさ(輝度)を検出して、該輝度を示す検出信号Pを出力する。詳細については、光センサー40は、例えば図3に示されるように、液晶パネル100の背面側に設けられたバックライト60による照射光のうち、(m+1)行最終列の画素110を透過した光の輝度を検出する。なお、ダミーの(m+1)行目は、ベゼル70によって覆われるので、観察側に視認されることはない。
【0012】
応答時間解析回路50は、光センサー40による検出信号Pの時間的な推移から画素110における光学応答を、本実施形態では低、中、高の3段階で判別するとともに、判別した光学応答を、信号Resで出力するものである。
なお、応答時間解析回路50は、信号Resによって、後述する3つのルックアップテーブルのうち、いずれかの選択を指定して、応答補償の内容を変更する構成となっている。このため、本実施形態では、応答時間解析回路50が補償内容変更回路に相当することになる。応答時間解析回路50における詳細については後述する。
【0013】
表示制御回路20は、上位回路から供給される同期信号Syncにしたがって各部の動作を制御する。
Yドライバー130は、表示制御回路20による制御にしたがって、複数行の走査線112をフレームにわたってそれぞれ1、2、3、…、m、(m+1)行目という順番で選択し、選択した走査線に選択電圧を、それ以外の走査線には非選択電圧を、それぞれ印加する走査線駆動回路である。
ここで、フレームとは、液晶パネル100を駆動することによって、画像の1コマ分を表示させるのに要する期間をいい、同期信号Syncの垂直走査周波数が60Hzであれば、その逆数である16.7ミリ秒である。
また、選択電圧とは、後述する薄膜トランジスターのゲート電極に印加されたときに該薄膜トランジスターがオン状態となる電圧であり、非選択電圧とは、薄膜トランジスターのゲート電極に印加されても該薄膜トランジスターがオン状態とはならない、すなわちオフ状態とさせる電圧である。
【0014】
オーバードライブ回路30は、詳細については後述するが、画素110の階調レベルを指定する映像データCdを、信号Resで示される光学応答で補償し、補償映像データVdとして出力する補償回路である。
Xドライバー140は、表示制御回路20による制御にしたがって、補償映像データVdをアナログのデータ信号に変換するとともに、Yドライバー130によって選択された1行分の画素110の各々に対し、変換したデータ信号を、それぞれデータ線114を介して供給するデータ線駆動回路である。
【0015】
なお、本実施形態において表示領域は1行目からm行目までであるので、上位回路から供給される映像データCdには、ダミーの(m+1)行目の画素に対応するものが含まれない。ただし、表示制御回路20は、Yドライバー130に対し、フレームのうち、垂直有効走査期間において走査信号Y1〜Ymを順番にHレベルとした後に、垂直帰線期間において、あたかも(m+1)行目の映像データCdが供給されたかのように、(m+1)行目の走査信号Y(m+1)を、他の走査信号と同じ期間だけHレベルとするように制御する。
一方、表示制御回路20は、Xドライバー140に対し、走査信号Y(m+1)をHレベルとしたときに、階調レベルGe(第1階調レベル)と階調レベルGf(第2階調レベル)とに相当するダミーの映像データを供給して、該映像データに基づくデータ信号を、フレーム毎に交互に供給する。
【0016】
続いて、オーバードライブ回路30について説明する。図4は、オーバードライブ回路30の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、オーバードライブ回路30は、フレームメモリー302、セレクター304、306、演算回路308、ルックアップテーブル(LUT)311〜313を有する。
このうち、フレームメモリー302は、表示制御回路20(図1参照)による制御信号にしたがって、上位回路から供給される映像データCdを一時的に記憶するとともに、1フレーム経過後に読み出し、映像データPdとして出力するものである。このため、映像データPdは、映像データCdに対して1フレーム前の画素の階調レベルを指定するものとなる。
なお、映像データPdが1フレーム前のものであることとの関係上、表示すべき画像を示す映像データCdについては、現フレームの映像データと呼ぶことがある。
【0017】
セレクター304は、入力端a0・b0に供給されたデータを、信号Resに応じて出力端a1・b1、出力端a2・b2または出力端a3・b3のいずれかの組に振り分けて出力するものである。詳細には、セレクター304の入力端a0には映像データCdが、入力端b0には映像データPdが、それぞれ供給される一方、セレクター304は、信号Resによって低応答が示されているとき、出力端a1・b1を選択し、中応答が示されているとき、出力端a2・b2を選択し、高応答が示されているとき、出力端a3・b3を選択する。
【0018】
ルックアップテーブル311は、現フレームの映像データCdと1フレーム前の映像データPdとを入力したときに、低応答時における画素の階調レベルの変化分に応じた補償値β1を、セレクター306の入力端aに供給するものである。詳細には、ルックアップテーブル311は、映像データCdで指定される階調レベルと映像データPdで指定される階調レベルとの組み合わせの各々に対応して、低応答を補償するための補償値β1を予め記憶したテーブルであって、映像データCdと映像データPdとが入力された場合に、これら2つのデータで指定される階調レベルの組み合わせに対応する補償値β1を出力する二次元変換テーブルである。
ルックアップテーブル312は、映像データCdと映像データPdとを入力したときに、中応答時における画素の階調レベルの変化分に応じた補償値β2を、セレクター306の入力端bに供給する二次元変換テーブルである。
ルックアップテーブル313は、映像データCdと映像データPdとを入力したときに、高応答時における画素の階調レベルの変化分に応じた補償値β3を、セレクター306の入力端cに供給する二次元変換テーブルである。
【0019】
ここで、補償値β1について図5を参照して説明する。ここでは、図5の(a)の実線で示されるように、ある画素に着目して、映像データCdで指定される階調レベルが、1フレーム前の階調レベルのG10から、より明るいG11に変化したときを想定する。
この想定において、映像データCdをデータ信号に変換して該着目画素の画素電極118に、該着目画素に対応する走査線を選択することによって印加しても、液晶層150が低応答であるために該着目画素(液晶容量)における実際の透過率は、図5の(a)において一点鎖線で示されるように、該走査線が次に選択されるタイミングまでに、目的とする階調レベルG11に応じた透過率に達せず、それよりも手前の透過率となってしまう。
そこで、図5の(b)に示されるように、映像データCdが指定する階調レベルG11を、階調変化方向にやや大きめに過剰に振った値に補正して、該着目画素における実際の透過率が、該走査線の次選択のタイミングまでに、階調レベルG11に応じた透過率となるように補償する。このときの階調変化方向に過剰に振る値を補償値β1としている。
なお、ここでは、階調レベルが、G10からG11に変化するときで説明しているが、実際の補償値β1は、液晶層が低応答となる環境下において、映像データCd、Pdで指定される階調レベルの組み合わせの各々に対し、予め実験等により求められた値である。この組み合わせの各々に対する補償値がルックアップテーブル311に記憶されている。
【0020】
液晶層150の応答特性が中程度である場合、該着目画素における実際の透過率は、図5の(a)において二点鎖線で示されるように、該走査線が次に選択されるタイミングまでに、目的とする階調レベルG11に応じた透過率に達しないが、低応答と比較すると改善される。そこで、中応答である場合には、図5の(b)に示されるように、映像データCdが指定する階調レベルG11を、補償値β1よりも小さい補償値β2で補償する。
なお、中応答時における補償値β2は、液晶層が中応答となる環境下において、映像データCd、Pdで指定される階調レベルの組み合わせの各々に対し、予め実験等により求められた値であり、この値がルックアップテーブル312に記憶されている。
液晶層150の応答特性が高い場合、該着目画素における実際の透過率は、図5の(a)において破線で示されるように、該走査線が次に選択されるタイミングまでに、目的とする階調レベルG11に応じた透過率に達しないが、中応答と比較してさらに改善される。そこで、高応答である場合には、図5の(b)に示されるように、映像データCdが指定する階調レベルを、補償値β2よりも小さい補償値β3で補償する。
なお、高応答時における補償値β3は、液晶層が高応答となる環境下において、映像データCd、Pdで指定される階調レベルの組み合わせの各々に対し、予め実験等により求められた値であり、この値がルックアップテーブル313に記憶されている。
【0021】
また、補償値β1〜β3は、図5の(b)においては、階調レベルが暗から明に変化したために正値であるが、逆に階調レベルが明から負に変化したときには負値となる。すなわち、補償値β1〜β2は、正負を伴う概念である。
【0022】
説明を図4に戻すと、セレクター306は、信号Resによって低応答が示されているとき入力端aを選択し、中応答が示されているとき入力端bを選択し、高応答が示されているとき入力端cを選択して、選択した入力端に供給された補償値を、出力端Outから出力するものである。
演算回路308は、現フレームの映像データCdに、セレクター306によって選択された補償値を加算して、補償映像データVdとして出力するものである。
【0023】
この構成に係るオーバードライブ回路30において、信号Resによって低応答が示された場合、セレクター304が出力端a1・b1を選択し、セレクター306が入力端aを、それぞれ選択するので、補償映像データVdは、現フレームの映像データCdに、低応答のルックアップテーブル311による補償値β1を加算したものとなる。
一方、信号Resによって中応答が示された場合、セレクター304が出力端a2・b2を選択し、セレクター306が入力端bを、それぞれ選択するので、補償映像データVdは、映像データCdに、中応答用のルックアップテーブル312による補償値β2を加算したものとなる。
また、信号Resによって高応答が示された場合、セレクター304が出力端a3・b3を選択し、セレクター306が入力端cを、それぞれ選択するので、補償映像データVdは、映像データCdに、高応答用のルックアップテーブル313による補償値β3を加算したものとなる。
【0024】
次に、液晶表示装置1の動作について説明する。上位回路からは、映像データCdが、1行1列〜1行最終列、2行1列〜2行最終列、3行1列〜3行最終列、…、m行1列〜m行最終列の画素の順番で垂直有効走査期間にわたって供給される。
このうち、1行1列〜1行最終列の画素1行分の映像データCdが供給される期間において、表示制御回路20は、Yドライバー130に対して1行目の走査線112を選択させる一方、オーバードライブ回路30におけるフレームメモリー302に対して次のように制御する。
すなわち、表示制御回路20は、1行1列の画素に対応する映像データCdが供給されたとき、該映像データCdを一旦ラッチするとともに、1フレーム前における1行1列の映像データPdを、フレームメモリー302における1行1列に対応するアドレスから読み出し、この後、ラッチした映像データCdをフレームメモリー302における1行1列に対応するアドレスに書き込む。
【0025】
これにより、オーバードライブ回路30では、上位回路から供給された1行1列の映像データCdと、フレームメモリー302から読み出された1フレーム前の1行1列の映像データPdとが、信号Resに応じて選択されたルックアップテーブルに入力されるとともに、選択されたルックアップテーブルから出力された補償値が、該1行1列の映像データCdに加算され、補償映像データVdとして出力される。
以下、1行2列、1行3列、…、1行最終列の画素の映像データCdについても、同様に補償値が加算されて、それぞれ補償映像データVdとして出力される。
【0026】
また、表示制御回路20は、Xドライバー140に対して、オーバードライブ回路30から出力される1行1列〜1行最終列の画素の補償映像データVdをデータ信号に変換させるとともに、1列目から最終列目までのデータ線114に出力させる。
【0027】
1行目の走査線が選択されると、該1行目の走査線のみに選択電圧が印加され、他の走査線には非選択電圧が印加されるので、1行目の画素110におけるTFT116がオンする。これにより、1列目から最終列目までのデータ線114に供給されたデータ信号は、それぞれオン状態にあるTFT116を介して、それぞれ1行1列〜1行最終列の画素電極118に印加されるので、1行1列〜1行最終列の液晶素子には、それぞれ映像データCdを信号Resで示される応答特性で補償した補償映像データVdに対応した電圧が書き込まれることになる。
同様な動作が、2行目、3行目、…、m行目の順番で実行され、これにより、垂直有効走査期間において、各液晶素子には、それぞれ補償映像データVdに基づいた電圧が書き込まれることになる。
【0028】
垂直有効走査期間における書き込み後、表示制御回路20は、垂直帰線期間において、Yドライバー130に対して走査信号Y(m+1)だけをHレベルとさせる一方、Xドライバー140に対して次のように制御する。
すなわち、表示制御回路20は、Xドライバー140に、図6の(a)に示されるように、該垂直帰線期間が属するフレームが奇数フレームであれば階調レベルGeを、偶数フレームであれば階調レベルGfを、それぞれダミーの映像データとして供給する。さらに、表示制御回路20は、Xドライバー140に対し、該ダミーの映像データをデータ信号に変換させて、それぞれ1列目から最終列までのデータ線114にそれぞれ供給させる。
走査信号Y(m+1)がHレベルになると、(m+1)行目のTFT116がオンするので、1列目から最終列目までのデータ線114に供給されたデータ信号が、それぞれオン状態にあるTFT116を介して、それぞれ(m+1)行1列〜(m+1)行最終列の画素電極118に印加される。
【0029】
このため、(m+1)行最終列の画素110の輝度を検出する光センサー40の検出信号Pは、図6の(b)に示されるように、奇数フレームであれば、走査信号Y(m+1)がHレベルとなるタイミングにおいて階調レベルGfに相当する輝度Tfから、時間経過とともに階調レベルGeに相当する輝度Teに変化し、偶数フレームであれば、反対に輝度Teから時間経過とともに輝度Tfに変化する。
【0030】
階調レベルGe、Gfの切り替えたときに、検出信号Pによって示される光学応答は、液晶層150の温度が高いほど、輝度変化が速くなる。このため、応答時間解析回路50は、第1に、例えば偶数フレームにおいて、光センサー40による検出信号Pによって示される輝度が、走査信号Y(m+1)をHレベルとしたタイミングから予め定められた閾値Tthに達するまでの時間を計測するとともに、第2に、計測した時間が予め定めた低、中、高応答のどの範囲に属しているかを判別することによって、画素110において実際の光学応答を示す信号Resを出力することができる。
【0031】
オーバードライブ回路30では、信号Resに応じて、ルックアップテーブル311〜313のいずれかが選択されるので、液晶パネル100の各画素110では、映像データCdで指定された階調レベルに応じた透過率となるように、液晶層の光学応答に合わせて適切に補償される。
このため、本実施形態によれば、液晶パネル100の光学応答が、温度等によって変化しても、より正確に補償することを可能となるのである。
【0032】
なお、このときの階調レベルGe、Gfは、上述した階調レベルG10、G11とは異なり、フレームに相当する16.7ミリ秒の期間において光学応答が十分に完了する程度の差となるような中間階調を用いることが好ましい。または、階調レベルGe、Gfの切り替え周期を複数フレームとし、該複数フレームに相当する期間内において光学応答が十分に完了する程度に、階調レベルGe、Gfを設定しても良い。
さらに、ダミーの画素に供給するデータ信号の階調レベルについては、中間階調に限られず、図7の(a)に示されるように、階調レベルの最高値Gmax、最低値Gminとしても良い。このとき、図7の(b)に示されるように液晶素子の光学応答が複数フレームにわたる場合がある。このため、走査信号Y(m+1)をHレベルとしてから、予め定められた期間が経過したとき、例えば走査信号Y(m+1)をHレベルとしてから、次に走査信号Y(m+1)をHレベルとするまでの期間(フレームに相当する16.7ミリ秒の期間)が経過したとき、光センサー40の検出信号によって示される輝度Tdを取得して、当該輝度Tdが高いほど、光学応答が高いと判別しても良い。
また、光センサー40の検出信号Pによって示される輝度変化のうち、走査信号Y(m+1)をHレベルとしてから、予め定められた期間が経過するまでの積分値(図7の(b)においてハッチングで示される領域)を求めて、当該積分値が大きいほど、光学応答が高いと判別しても良い。
くわえて、光学応答を検出するための階調レベルについては2値のみならず、3値以上として、透過率を段階的に遷移させて、その遷移状態によって光学応答を判別しても良い。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置について説明する。図8は、第2実施形態に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
この図に示す液晶表示装置が、図1に示した第1実施形態と比較して相違する部分は、温度変換回路80を有する点にある。
上述したように、応答時間解析回路50によって出力される信号Resは、画素110における光学応答を示すものである。ここで、該光学応答は、温度に応じて変化することから、同時に、液晶層150における温度を示す情報でもある。
そこで、温度変換回路80は、信号Resによって示される光学応答を液晶層150の温度情報Tmpに変換して外部に出力する。このような変換は、温度変換回路80に、予め信号Resによって示される光学応答と温度情報とを対応付けたテーブルを持たせることで、信号Resを温度情報Tmpに変換することが可能である。
なお、第2実施形態では、応答時間解析回路50と温度変換回路80とが補償内容変更回路に相当することになる。
【0034】
温度情報Tmpを出力して、該温度情報Tmpによって例えばバックライトの輝度調整や内部冷却ファンの回転数などを制御すると、温度センサーが不要となるので、構成の簡易化を図ることができる。また、温度情報Tmpは、液晶層150の温度を反映したものであるので、液晶パネル100の近傍に温度センサーを設けた構成と比較して、検出する誤差が小さくなる。このため、温度に応じた正確な制御が可能となる。
【0035】
このような温度情報を出力する構成は、図9に示される変形例でも可能である。なお、図9に示される構成では、温度変換回路80によって出力された温度情報Tmpに応じて、
オーバードライブ回路30におけるルックアップテーブル311〜313のいずれかが選択される構成である。
詳細には、温度情報Tmpで示される温度が低温域であれば、低応答用のルックアップテーブル311が選択され、常温域であれば、中応答用のルックアップテーブル312が選択され、高温域であれば、高応答用のルックアップテーブル313が選択される構成となっている。
このような構成においても、構成の簡易化を図ることができる上に、温度に応じた正確な制御が可能となる。
【0036】
なお、上述した実施形態や変形例においては、オーバードライブ回路30におけるルックアップテーブルを光学応答(温度)に応じて3種類としたが、もちろん4種類以上であっても良いし、2種類であっても良い。
また、ルックアップテーブルにおいては、現フレームの映像データCdと1フレーム前の映像データPdとを入力して、補償値を出力するテーブルとしたが、補償映像データVdそのものを出力するテーブルとしても良い。
補償映像データVdで示される階調レベルは、現フレームの映像データCdに、補償値βを加算したものであるが、該補償値は、階調レベルの変化分に係数αを乗じた値で近似的に計算することができる。そこで、オーバードライブ回路30については、現フレームの映像データCdに、階調レベルの変化分に係数αを乗じた値を加算する、という演算回路で構成するとともに、この係数αを、光学応答が高速になるにつれて(温度が高くなるつれて)小さくなるように切り替える構成としても良い。
【0037】
一方、光センサー40によって明るさを検出する画素は、ダミー画素に限られず、表示領域として用いられる画素に設けても良い。また、光センサー40については、液晶パネルの外部ではなく、表示パネル100の内部、詳細には、TFT116の製造プロセスにおいて、同時にフォトダイオード等を造り込むことによって画素110の内部に設けても良い。
また、光センサー40は、1つに限られず、複数の画素の各々に対応するように設けても良い。光センサー40を複数個設ける場合、複数の検出信号Pに基づいて、例えば検出した複数画素における明るさ平均値の時間的な推移に基づいて、光学応答を判別しても良い。
【0038】
次に、上述した実施形態に係る液晶表示装置1を有する電子機器について説明する。図10は、実施形態に係る液晶表示装置1を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202や十字キー1204のほか、受話口1206、送話口1208とともに、上述した液晶表示装置を備えるものである。なお、液晶表示装置のうち、液晶パネル100のみ外観として表れ、他については、携帯電話の筐体内となる。
なお、実施形態に係る液晶表示装置は、携帯電話以外の電子機器にも適用可能である。このような電子機器としては、例えばデジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダー型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、タッチパネルを備えた機器等などの表示部を有するものが挙げられる。
【符号の説明】
【0039】
1…液晶表示装置、20…表示制御回路、30…オーバードライブ回路、40…光センサー、50…応答時間解析回路、80…温度変換回路、100…液晶パネル、112…走査線、114…データ線、120…液晶素子、304、306…セレクター、311〜313…ルックアップテーブル、1200…携帯電話
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置において動画表示の際のぼやけ感を適切に低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、動画を表示させる際に、液晶の光学応答が十分でないことに起因して、ぼやけ感が発生する。このぼやけ感を低減するために、いわゆるオーバードライブという技術がある(特許文献1参照)。また、光学応答は、温度に応じて変化するので、液晶パネル近傍に温度センサーを設けるとともに、検出した温度に応じて各種の制御を行う技術も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−265298号公報(図5)
【特許文献2】特開平9−96796号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、温度センサーは、液晶パネル近傍の温度を検出するものであり、液晶パネル内部の温度を実際に測定しているわけではない。このため、温度センサーで検出される温度は、液晶パネル内部における実際の温度に対して誤差を伴いやすい。したがって、温度センサーによって検出した温度に応じて、液晶パネルの光学的な応答速度を正確に補償することはできない、という問題が浮上した。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、液晶パネルの応答速度を、より正確に補償することを可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る液晶表示装置にあっては、複数の画素を有する液晶パネルと、複数の前記画素の階調レベルをそれぞれ指定する映像データを、過去の映像データで指定された階調レベルとの変化分に応じて補償し、補償映像データとして出力する補償回路と、複数の前記画素のうち、一部の画素の明るさを検出する光センサーと、該一部の画素に対する階調レベルを第1値から第2値に変化させたときの前記光センサーの検出結果に応じて、前記補償回路における補償内容を変更させる補償内容変更回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、液晶パネルにおける光学応答を実際に光センサーによって検出するとともに、該検出結果に応じてオーバードライブにおける補償内容を変更するので、液晶パネルの応答速度を、より正確に補償することが可能となる。
【0006】
本発明において、前記補償回路は、それぞれが互いに異なる光学応答に対応した複数のルックアップテーブルと、複数の前記ルックアップテーブルのうち、いずれかを選択するセレクターと、を含み、選択されたルックアップテーブルに基づいて前記補償映像データを出力し、前記補償内容変更回路は、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを指示する構成としても良い。この構成によれば、光センサーの検出結果に応じて演算等の複雑な処理が不要となる。
本発明において、前記補償内容変更回路は、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換して出力する構成としても良いし、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換し、該温度情報を出力するとともに、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを該温度情報に基づき指示する構成としても良い。温度情報を出力する構成にすると、バックライトの輝度調整や内部冷却ファンの回転数などを、温度センサーを用いることなく、制御することが可能となる。
なお、本発明は、液晶表示装置のみならず、該液晶表示装置を含む電子機器としても概念することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】同液晶表示装置における画素の等価回路を示す図である。
【図3】同液晶表示装置における光センサーの配置を示す図である。
【図4】同液晶表示装置におけるオーバードライブ回路の構成を示す図である。
【図5】同オーバードライブ回路による補償内容を示す図である。
【図6】同液晶表示装置のダミー画素の映像データおよび光学応答を示す図である。
【図7】ダミー画素に対する他の映像データおよび光学応答を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図9】変形例に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図10】実施形態に係る液晶表示装置を適用した携帯電話の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
この図に示されるように、液晶表示装置1は、表示制御回路20と、オーバードライブ回路30、光センサー40、応答時間解析回路50、液晶パネル100、Yドライバー130およびXドライバー140を有する。
この液晶表示装置1には、図示省略した上位回路から、液晶パネル100で表示すべき画像を規定する映像データCdが、同期信号Syncにしたがった画素の順でフレーム毎に供給される構成となっている。
【0009】
液晶パネル100は、例えばアクティブマトリクス型であり、1行目から(m+1)行目までの走査線112が図において横方向に延在し、また、複数列のデータ線114が図において縦方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられるとともに、これらの走査線112とデータ線114との交差のそれぞれに対応して、画素110がそれぞれ配設されている。このうち、1〜m行目の画素110が表示領域として用いられ、残りの(m+1)行目の画素110は、表示には寄与しないダミー画素として用いられる。
【0010】
表示領域として用いられる画素も、ダミーの画素も、電気的な構成でみれば互いに同一である。そこで、画素110の電気的な構成について図2を参照して説明する。
図2に示されるように画素110は、nチャネル型の薄膜トランジスター(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116と液晶素子120との組が設けられている。TFT116のゲート電極は走査線112に接続され、ソース電極がデータ線114に接続され、ドレイン電極が液晶素子120の一端である画素電極118に接続されている。
一方、液晶素子120の他端は、コモン電極108に共通接続されており、該コモン電極108には、図示省略した回路によって電圧LCcomが印加されている。
このため、液晶素子120は、画素電極118とコモン電極108とで液晶層150を挟持したものとなり、画素電極118およびコモン電極108の電位差に相当する電圧が保持されるとともに、両電極間で生じる電界に応じて液晶の分子の配向状態が変化して、透過率が変化する構成となっている。
【0011】
説明を再び図1に戻すと、光センサー40は、ダミー画素である(m+1)行目のうち、特定の列(例えば右端に位置する最終列)の画素の明るさ(輝度)を検出して、該輝度を示す検出信号Pを出力する。詳細については、光センサー40は、例えば図3に示されるように、液晶パネル100の背面側に設けられたバックライト60による照射光のうち、(m+1)行最終列の画素110を透過した光の輝度を検出する。なお、ダミーの(m+1)行目は、ベゼル70によって覆われるので、観察側に視認されることはない。
【0012】
応答時間解析回路50は、光センサー40による検出信号Pの時間的な推移から画素110における光学応答を、本実施形態では低、中、高の3段階で判別するとともに、判別した光学応答を、信号Resで出力するものである。
なお、応答時間解析回路50は、信号Resによって、後述する3つのルックアップテーブルのうち、いずれかの選択を指定して、応答補償の内容を変更する構成となっている。このため、本実施形態では、応答時間解析回路50が補償内容変更回路に相当することになる。応答時間解析回路50における詳細については後述する。
【0013】
表示制御回路20は、上位回路から供給される同期信号Syncにしたがって各部の動作を制御する。
Yドライバー130は、表示制御回路20による制御にしたがって、複数行の走査線112をフレームにわたってそれぞれ1、2、3、…、m、(m+1)行目という順番で選択し、選択した走査線に選択電圧を、それ以外の走査線には非選択電圧を、それぞれ印加する走査線駆動回路である。
ここで、フレームとは、液晶パネル100を駆動することによって、画像の1コマ分を表示させるのに要する期間をいい、同期信号Syncの垂直走査周波数が60Hzであれば、その逆数である16.7ミリ秒である。
また、選択電圧とは、後述する薄膜トランジスターのゲート電極に印加されたときに該薄膜トランジスターがオン状態となる電圧であり、非選択電圧とは、薄膜トランジスターのゲート電極に印加されても該薄膜トランジスターがオン状態とはならない、すなわちオフ状態とさせる電圧である。
【0014】
オーバードライブ回路30は、詳細については後述するが、画素110の階調レベルを指定する映像データCdを、信号Resで示される光学応答で補償し、補償映像データVdとして出力する補償回路である。
Xドライバー140は、表示制御回路20による制御にしたがって、補償映像データVdをアナログのデータ信号に変換するとともに、Yドライバー130によって選択された1行分の画素110の各々に対し、変換したデータ信号を、それぞれデータ線114を介して供給するデータ線駆動回路である。
【0015】
なお、本実施形態において表示領域は1行目からm行目までであるので、上位回路から供給される映像データCdには、ダミーの(m+1)行目の画素に対応するものが含まれない。ただし、表示制御回路20は、Yドライバー130に対し、フレームのうち、垂直有効走査期間において走査信号Y1〜Ymを順番にHレベルとした後に、垂直帰線期間において、あたかも(m+1)行目の映像データCdが供給されたかのように、(m+1)行目の走査信号Y(m+1)を、他の走査信号と同じ期間だけHレベルとするように制御する。
一方、表示制御回路20は、Xドライバー140に対し、走査信号Y(m+1)をHレベルとしたときに、階調レベルGe(第1階調レベル)と階調レベルGf(第2階調レベル)とに相当するダミーの映像データを供給して、該映像データに基づくデータ信号を、フレーム毎に交互に供給する。
【0016】
続いて、オーバードライブ回路30について説明する。図4は、オーバードライブ回路30の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、オーバードライブ回路30は、フレームメモリー302、セレクター304、306、演算回路308、ルックアップテーブル(LUT)311〜313を有する。
このうち、フレームメモリー302は、表示制御回路20(図1参照)による制御信号にしたがって、上位回路から供給される映像データCdを一時的に記憶するとともに、1フレーム経過後に読み出し、映像データPdとして出力するものである。このため、映像データPdは、映像データCdに対して1フレーム前の画素の階調レベルを指定するものとなる。
なお、映像データPdが1フレーム前のものであることとの関係上、表示すべき画像を示す映像データCdについては、現フレームの映像データと呼ぶことがある。
【0017】
セレクター304は、入力端a0・b0に供給されたデータを、信号Resに応じて出力端a1・b1、出力端a2・b2または出力端a3・b3のいずれかの組に振り分けて出力するものである。詳細には、セレクター304の入力端a0には映像データCdが、入力端b0には映像データPdが、それぞれ供給される一方、セレクター304は、信号Resによって低応答が示されているとき、出力端a1・b1を選択し、中応答が示されているとき、出力端a2・b2を選択し、高応答が示されているとき、出力端a3・b3を選択する。
【0018】
ルックアップテーブル311は、現フレームの映像データCdと1フレーム前の映像データPdとを入力したときに、低応答時における画素の階調レベルの変化分に応じた補償値β1を、セレクター306の入力端aに供給するものである。詳細には、ルックアップテーブル311は、映像データCdで指定される階調レベルと映像データPdで指定される階調レベルとの組み合わせの各々に対応して、低応答を補償するための補償値β1を予め記憶したテーブルであって、映像データCdと映像データPdとが入力された場合に、これら2つのデータで指定される階調レベルの組み合わせに対応する補償値β1を出力する二次元変換テーブルである。
ルックアップテーブル312は、映像データCdと映像データPdとを入力したときに、中応答時における画素の階調レベルの変化分に応じた補償値β2を、セレクター306の入力端bに供給する二次元変換テーブルである。
ルックアップテーブル313は、映像データCdと映像データPdとを入力したときに、高応答時における画素の階調レベルの変化分に応じた補償値β3を、セレクター306の入力端cに供給する二次元変換テーブルである。
【0019】
ここで、補償値β1について図5を参照して説明する。ここでは、図5の(a)の実線で示されるように、ある画素に着目して、映像データCdで指定される階調レベルが、1フレーム前の階調レベルのG10から、より明るいG11に変化したときを想定する。
この想定において、映像データCdをデータ信号に変換して該着目画素の画素電極118に、該着目画素に対応する走査線を選択することによって印加しても、液晶層150が低応答であるために該着目画素(液晶容量)における実際の透過率は、図5の(a)において一点鎖線で示されるように、該走査線が次に選択されるタイミングまでに、目的とする階調レベルG11に応じた透過率に達せず、それよりも手前の透過率となってしまう。
そこで、図5の(b)に示されるように、映像データCdが指定する階調レベルG11を、階調変化方向にやや大きめに過剰に振った値に補正して、該着目画素における実際の透過率が、該走査線の次選択のタイミングまでに、階調レベルG11に応じた透過率となるように補償する。このときの階調変化方向に過剰に振る値を補償値β1としている。
なお、ここでは、階調レベルが、G10からG11に変化するときで説明しているが、実際の補償値β1は、液晶層が低応答となる環境下において、映像データCd、Pdで指定される階調レベルの組み合わせの各々に対し、予め実験等により求められた値である。この組み合わせの各々に対する補償値がルックアップテーブル311に記憶されている。
【0020】
液晶層150の応答特性が中程度である場合、該着目画素における実際の透過率は、図5の(a)において二点鎖線で示されるように、該走査線が次に選択されるタイミングまでに、目的とする階調レベルG11に応じた透過率に達しないが、低応答と比較すると改善される。そこで、中応答である場合には、図5の(b)に示されるように、映像データCdが指定する階調レベルG11を、補償値β1よりも小さい補償値β2で補償する。
なお、中応答時における補償値β2は、液晶層が中応答となる環境下において、映像データCd、Pdで指定される階調レベルの組み合わせの各々に対し、予め実験等により求められた値であり、この値がルックアップテーブル312に記憶されている。
液晶層150の応答特性が高い場合、該着目画素における実際の透過率は、図5の(a)において破線で示されるように、該走査線が次に選択されるタイミングまでに、目的とする階調レベルG11に応じた透過率に達しないが、中応答と比較してさらに改善される。そこで、高応答である場合には、図5の(b)に示されるように、映像データCdが指定する階調レベルを、補償値β2よりも小さい補償値β3で補償する。
なお、高応答時における補償値β3は、液晶層が高応答となる環境下において、映像データCd、Pdで指定される階調レベルの組み合わせの各々に対し、予め実験等により求められた値であり、この値がルックアップテーブル313に記憶されている。
【0021】
また、補償値β1〜β3は、図5の(b)においては、階調レベルが暗から明に変化したために正値であるが、逆に階調レベルが明から負に変化したときには負値となる。すなわち、補償値β1〜β2は、正負を伴う概念である。
【0022】
説明を図4に戻すと、セレクター306は、信号Resによって低応答が示されているとき入力端aを選択し、中応答が示されているとき入力端bを選択し、高応答が示されているとき入力端cを選択して、選択した入力端に供給された補償値を、出力端Outから出力するものである。
演算回路308は、現フレームの映像データCdに、セレクター306によって選択された補償値を加算して、補償映像データVdとして出力するものである。
【0023】
この構成に係るオーバードライブ回路30において、信号Resによって低応答が示された場合、セレクター304が出力端a1・b1を選択し、セレクター306が入力端aを、それぞれ選択するので、補償映像データVdは、現フレームの映像データCdに、低応答のルックアップテーブル311による補償値β1を加算したものとなる。
一方、信号Resによって中応答が示された場合、セレクター304が出力端a2・b2を選択し、セレクター306が入力端bを、それぞれ選択するので、補償映像データVdは、映像データCdに、中応答用のルックアップテーブル312による補償値β2を加算したものとなる。
また、信号Resによって高応答が示された場合、セレクター304が出力端a3・b3を選択し、セレクター306が入力端cを、それぞれ選択するので、補償映像データVdは、映像データCdに、高応答用のルックアップテーブル313による補償値β3を加算したものとなる。
【0024】
次に、液晶表示装置1の動作について説明する。上位回路からは、映像データCdが、1行1列〜1行最終列、2行1列〜2行最終列、3行1列〜3行最終列、…、m行1列〜m行最終列の画素の順番で垂直有効走査期間にわたって供給される。
このうち、1行1列〜1行最終列の画素1行分の映像データCdが供給される期間において、表示制御回路20は、Yドライバー130に対して1行目の走査線112を選択させる一方、オーバードライブ回路30におけるフレームメモリー302に対して次のように制御する。
すなわち、表示制御回路20は、1行1列の画素に対応する映像データCdが供給されたとき、該映像データCdを一旦ラッチするとともに、1フレーム前における1行1列の映像データPdを、フレームメモリー302における1行1列に対応するアドレスから読み出し、この後、ラッチした映像データCdをフレームメモリー302における1行1列に対応するアドレスに書き込む。
【0025】
これにより、オーバードライブ回路30では、上位回路から供給された1行1列の映像データCdと、フレームメモリー302から読み出された1フレーム前の1行1列の映像データPdとが、信号Resに応じて選択されたルックアップテーブルに入力されるとともに、選択されたルックアップテーブルから出力された補償値が、該1行1列の映像データCdに加算され、補償映像データVdとして出力される。
以下、1行2列、1行3列、…、1行最終列の画素の映像データCdについても、同様に補償値が加算されて、それぞれ補償映像データVdとして出力される。
【0026】
また、表示制御回路20は、Xドライバー140に対して、オーバードライブ回路30から出力される1行1列〜1行最終列の画素の補償映像データVdをデータ信号に変換させるとともに、1列目から最終列目までのデータ線114に出力させる。
【0027】
1行目の走査線が選択されると、該1行目の走査線のみに選択電圧が印加され、他の走査線には非選択電圧が印加されるので、1行目の画素110におけるTFT116がオンする。これにより、1列目から最終列目までのデータ線114に供給されたデータ信号は、それぞれオン状態にあるTFT116を介して、それぞれ1行1列〜1行最終列の画素電極118に印加されるので、1行1列〜1行最終列の液晶素子には、それぞれ映像データCdを信号Resで示される応答特性で補償した補償映像データVdに対応した電圧が書き込まれることになる。
同様な動作が、2行目、3行目、…、m行目の順番で実行され、これにより、垂直有効走査期間において、各液晶素子には、それぞれ補償映像データVdに基づいた電圧が書き込まれることになる。
【0028】
垂直有効走査期間における書き込み後、表示制御回路20は、垂直帰線期間において、Yドライバー130に対して走査信号Y(m+1)だけをHレベルとさせる一方、Xドライバー140に対して次のように制御する。
すなわち、表示制御回路20は、Xドライバー140に、図6の(a)に示されるように、該垂直帰線期間が属するフレームが奇数フレームであれば階調レベルGeを、偶数フレームであれば階調レベルGfを、それぞれダミーの映像データとして供給する。さらに、表示制御回路20は、Xドライバー140に対し、該ダミーの映像データをデータ信号に変換させて、それぞれ1列目から最終列までのデータ線114にそれぞれ供給させる。
走査信号Y(m+1)がHレベルになると、(m+1)行目のTFT116がオンするので、1列目から最終列目までのデータ線114に供給されたデータ信号が、それぞれオン状態にあるTFT116を介して、それぞれ(m+1)行1列〜(m+1)行最終列の画素電極118に印加される。
【0029】
このため、(m+1)行最終列の画素110の輝度を検出する光センサー40の検出信号Pは、図6の(b)に示されるように、奇数フレームであれば、走査信号Y(m+1)がHレベルとなるタイミングにおいて階調レベルGfに相当する輝度Tfから、時間経過とともに階調レベルGeに相当する輝度Teに変化し、偶数フレームであれば、反対に輝度Teから時間経過とともに輝度Tfに変化する。
【0030】
階調レベルGe、Gfの切り替えたときに、検出信号Pによって示される光学応答は、液晶層150の温度が高いほど、輝度変化が速くなる。このため、応答時間解析回路50は、第1に、例えば偶数フレームにおいて、光センサー40による検出信号Pによって示される輝度が、走査信号Y(m+1)をHレベルとしたタイミングから予め定められた閾値Tthに達するまでの時間を計測するとともに、第2に、計測した時間が予め定めた低、中、高応答のどの範囲に属しているかを判別することによって、画素110において実際の光学応答を示す信号Resを出力することができる。
【0031】
オーバードライブ回路30では、信号Resに応じて、ルックアップテーブル311〜313のいずれかが選択されるので、液晶パネル100の各画素110では、映像データCdで指定された階調レベルに応じた透過率となるように、液晶層の光学応答に合わせて適切に補償される。
このため、本実施形態によれば、液晶パネル100の光学応答が、温度等によって変化しても、より正確に補償することを可能となるのである。
【0032】
なお、このときの階調レベルGe、Gfは、上述した階調レベルG10、G11とは異なり、フレームに相当する16.7ミリ秒の期間において光学応答が十分に完了する程度の差となるような中間階調を用いることが好ましい。または、階調レベルGe、Gfの切り替え周期を複数フレームとし、該複数フレームに相当する期間内において光学応答が十分に完了する程度に、階調レベルGe、Gfを設定しても良い。
さらに、ダミーの画素に供給するデータ信号の階調レベルについては、中間階調に限られず、図7の(a)に示されるように、階調レベルの最高値Gmax、最低値Gminとしても良い。このとき、図7の(b)に示されるように液晶素子の光学応答が複数フレームにわたる場合がある。このため、走査信号Y(m+1)をHレベルとしてから、予め定められた期間が経過したとき、例えば走査信号Y(m+1)をHレベルとしてから、次に走査信号Y(m+1)をHレベルとするまでの期間(フレームに相当する16.7ミリ秒の期間)が経過したとき、光センサー40の検出信号によって示される輝度Tdを取得して、当該輝度Tdが高いほど、光学応答が高いと判別しても良い。
また、光センサー40の検出信号Pによって示される輝度変化のうち、走査信号Y(m+1)をHレベルとしてから、予め定められた期間が経過するまでの積分値(図7の(b)においてハッチングで示される領域)を求めて、当該積分値が大きいほど、光学応答が高いと判別しても良い。
くわえて、光学応答を検出するための階調レベルについては2値のみならず、3値以上として、透過率を段階的に遷移させて、その遷移状態によって光学応答を判別しても良い。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置について説明する。図8は、第2実施形態に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
この図に示す液晶表示装置が、図1に示した第1実施形態と比較して相違する部分は、温度変換回路80を有する点にある。
上述したように、応答時間解析回路50によって出力される信号Resは、画素110における光学応答を示すものである。ここで、該光学応答は、温度に応じて変化することから、同時に、液晶層150における温度を示す情報でもある。
そこで、温度変換回路80は、信号Resによって示される光学応答を液晶層150の温度情報Tmpに変換して外部に出力する。このような変換は、温度変換回路80に、予め信号Resによって示される光学応答と温度情報とを対応付けたテーブルを持たせることで、信号Resを温度情報Tmpに変換することが可能である。
なお、第2実施形態では、応答時間解析回路50と温度変換回路80とが補償内容変更回路に相当することになる。
【0034】
温度情報Tmpを出力して、該温度情報Tmpによって例えばバックライトの輝度調整や内部冷却ファンの回転数などを制御すると、温度センサーが不要となるので、構成の簡易化を図ることができる。また、温度情報Tmpは、液晶層150の温度を反映したものであるので、液晶パネル100の近傍に温度センサーを設けた構成と比較して、検出する誤差が小さくなる。このため、温度に応じた正確な制御が可能となる。
【0035】
このような温度情報を出力する構成は、図9に示される変形例でも可能である。なお、図9に示される構成では、温度変換回路80によって出力された温度情報Tmpに応じて、
オーバードライブ回路30におけるルックアップテーブル311〜313のいずれかが選択される構成である。
詳細には、温度情報Tmpで示される温度が低温域であれば、低応答用のルックアップテーブル311が選択され、常温域であれば、中応答用のルックアップテーブル312が選択され、高温域であれば、高応答用のルックアップテーブル313が選択される構成となっている。
このような構成においても、構成の簡易化を図ることができる上に、温度に応じた正確な制御が可能となる。
【0036】
なお、上述した実施形態や変形例においては、オーバードライブ回路30におけるルックアップテーブルを光学応答(温度)に応じて3種類としたが、もちろん4種類以上であっても良いし、2種類であっても良い。
また、ルックアップテーブルにおいては、現フレームの映像データCdと1フレーム前の映像データPdとを入力して、補償値を出力するテーブルとしたが、補償映像データVdそのものを出力するテーブルとしても良い。
補償映像データVdで示される階調レベルは、現フレームの映像データCdに、補償値βを加算したものであるが、該補償値は、階調レベルの変化分に係数αを乗じた値で近似的に計算することができる。そこで、オーバードライブ回路30については、現フレームの映像データCdに、階調レベルの変化分に係数αを乗じた値を加算する、という演算回路で構成するとともに、この係数αを、光学応答が高速になるにつれて(温度が高くなるつれて)小さくなるように切り替える構成としても良い。
【0037】
一方、光センサー40によって明るさを検出する画素は、ダミー画素に限られず、表示領域として用いられる画素に設けても良い。また、光センサー40については、液晶パネルの外部ではなく、表示パネル100の内部、詳細には、TFT116の製造プロセスにおいて、同時にフォトダイオード等を造り込むことによって画素110の内部に設けても良い。
また、光センサー40は、1つに限られず、複数の画素の各々に対応するように設けても良い。光センサー40を複数個設ける場合、複数の検出信号Pに基づいて、例えば検出した複数画素における明るさ平均値の時間的な推移に基づいて、光学応答を判別しても良い。
【0038】
次に、上述した実施形態に係る液晶表示装置1を有する電子機器について説明する。図10は、実施形態に係る液晶表示装置1を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202や十字キー1204のほか、受話口1206、送話口1208とともに、上述した液晶表示装置を備えるものである。なお、液晶表示装置のうち、液晶パネル100のみ外観として表れ、他については、携帯電話の筐体内となる。
なお、実施形態に係る液晶表示装置は、携帯電話以外の電子機器にも適用可能である。このような電子機器としては、例えばデジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダー型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、タッチパネルを備えた機器等などの表示部を有するものが挙げられる。
【符号の説明】
【0039】
1…液晶表示装置、20…表示制御回路、30…オーバードライブ回路、40…光センサー、50…応答時間解析回路、80…温度変換回路、100…液晶パネル、112…走査線、114…データ線、120…液晶素子、304、306…セレクター、311〜313…ルックアップテーブル、1200…携帯電話
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する液晶パネルと、
複数の前記画素の階調レベルをそれぞれ指定する映像データを、過去の映像データで指定された階調レベルとの変化分に応じて補償し、補償映像データとして出力する補償回路と、
複数の前記画素のうち、一部の画素の明るさを検出する光センサーと、
該一部の画素に対する階調レベルを第1値から第2値に変化させたときの前記光センサーの検出結果に応じて、前記補償回路における補償内容を変更させる補償内容変更回路と、
を具備することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記補償回路は、それぞれが互いに異なる光学応答に対応した複数のルックアップテーブルと、複数の前記ルックアップテーブルのうち、いずれかを選択するセレクターと、
を含み、選択されたルックアップテーブルに基づいて前記補償映像データを出力し、
前記補償内容変更回路は、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを指示する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記補償内容変更回路は、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換して出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記補償内容変更回路は、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換し、該温度情報を出力するとともに、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを該温度情報に基づき指示する
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
複数の画素を有する液晶パネルと、
複数の前記画素の階調レベルをそれぞれ指定する映像データを、過去の映像データで指定された階調レベルとの変化分に応じて補償し、補償映像データとして出力する補償回路と、
複数の前記画素のうち、一部の画素の明るさを検出する光センサーと、
該一部の画素に対する階調レベルを第1値から第2値に変化させたときの前記光センサーの検出結果に応じて、前記補償回路における補償内容を変更させる補償内容変更回路と、
を具備することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記補償回路は、それぞれが互いに異なる光学応答に対応した複数のルックアップテーブルと、複数の前記ルックアップテーブルのうち、いずれかを選択するセレクターと、
を含み、選択されたルックアップテーブルに基づいて前記補償映像データを出力し、
前記補償内容変更回路は、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを指示する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記補償内容変更回路は、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換して出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記補償内容変更回路は、前記光センサーの検出結果を温度情報に変換し、該温度情報を出力するとともに、前記セレクターに対して選択すべきルックアップテーブルを該温度情報に基づき指示する
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示装置を有することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−204615(P2010−204615A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53250(P2009−53250)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
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