説明

液晶表示装置及びその駆動方法

【課題】容量結合駆動方式の液晶表示装置及びその駆動方法において、駆動回路部の構成をより簡単なものとし、駆動回路部のコストを低減できるものを提供する。
【解決手段】バイアス電位値として一つの値のみを用いる。したがって、駆動IC30Yから走査線11への出力電位値(パルス波形の平坦部の電位)は、TFTのON電位VgOn及びOFF電位VgOff、及び、一つのイアス電位Vgeの3つの値のみである。また、OFF電位VgOffは、駆動IC30Yのグランド配線に導通することで実現する。したがって、駆動IC30Yは、内部で2種類の出力値のみを生成するシンプルな構成のものを用いることができる。また、駆動IC30Yに要求される耐圧性能も低くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置及びその駆動方法に関する。特には、容量結合駆動を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置等の平面表示装置は、薄型、軽量、かつ低消費電力であって目にやさしい等の特長により、パーソナル・コンピュータ、カーナビ装置、携帯電話その他の携帯情報端末あるいはTV等の表示装置として、更に投射型の表示装置として各種分野で利用されている。中でも、各画素電極に薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチ素子が電気的に接続されて成るアクティブマトリクス型表示装置は、隣接画素間でクロストークのない良好な表示画像を実現できることから、盛んに研究・開発が行われている。
【0003】
一般に、アクティブマトリクス型液晶表示装置は、液晶表示パネルの周縁に駆動回路系統が実装されて成っており、表示パネルは、マトリクスアレイ基板(以下アレイ基板と呼ぶ)と対向基板とが所定の間隔をなすよう近接配置され、この間隔中に、両基板の表層に設けられた配向膜を介して液晶層が保持されたものである。アレイ基板においては、ガラス等の透明絶縁基板上に、信号線(ソース線)と走査線(ゲート線)とが絶縁膜を介して格子状に配置され、格子の各マス目または各交点に対応して、画素電極及びスイッチング素子が配される。液晶表示装置の周縁部では、例えば、その一長辺側及び一短辺側において、アレイ基板が対向基板から突き出して、外部からの駆動信号の入力を行うための棚状領域をなしている。これら棚状領域には、信号線や走査線に駆動信号等を入力するための接続パッドが配列される。
【0004】
周縁部に駆動ICチップを配置し上記接続パッドに入力を行う方式としては、駆動ICチップを搭載した、テープキャリアパッケージ(TCP)と呼ばれる矩形状のフレキシブル配線を棚状領域に実装するOLB(Outer Lead Bonding)方式、または、駆動ICチップを棚状領域に直接実装するCOG(Chip On Glass)方式が一般に採用されている。他方、TFTの活性層としてポリシリコン層を用いるものにあっては、駆動ICチップ上のものと同様の駆動ICをアレイ基板上に、画素領域内のTFTの形成と同時に設けることが一般に行われている。
【0005】
上記のようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置について、消費電力のさらなる低減と画像品位のさらなる向上が要求されている。特に携帯用のものは、年々、低消費電力かつ高品位の画像表示が厳しく要求されて来ている。
【0006】
従前、低消費電力及び低コスト化を実現する目的で、対向電極に印加する対向電位(コモン電位)の正負を順次反転させる方式の駆動(いわゆる「コモン反転駆動」)が主に用いられてきた。しかし、この駆動方式は以下の課題を有していた。ライン(走査線)毎に反転した場合、すなわち書き込みを同時に行う画素列ごとに反転を行った場合、消費電力をあまり小さくできない他、高周波で反転するためにパネルが振動してノイズ音が発生することがあった。また、駆動周波数が高くなった場合に信号線方向で隣接する画素間でのクロストーク(「タテクロストーク」)が生じることがある他、画像表示面内で輝度傾斜が生じやすい。そのため、充分な表示品位が得られない場合があった。クロストークを抑えるべく、画素ドット毎に対向電位の反転を行う場合、振動及びノイズ音の発生がさらに大きくなり、また、消費電力が、かなり大きくなってしまう。
【0007】
そこで、アクティブマトリクス型液晶表示装置の駆動方法の一つとして、容量結合(CC;capacitance coupling)駆動方式が開発され、種々の検討が行われている(例えば特許文献1乃至3)。表示品位を確保するために画素電極に充分な補助容量(保持容量Cst)が付加されるが、容量結合駆動方式は、この補助容量を用いて、画素電極電位にバイアス電圧(重畳電圧)を加えるものである。通常、補助容量は、画素電極またはこれに電気的に接続する導電層と、前段または後段の走査線とが、絶縁膜を介して重ねられることで形成される。ここで、前段の走査線とは、走査パルスが、該画素電極のスイッチング素子をオン状態にする走査線の隣にあって、走査パルスが先に印加される走査線である。容量結合駆動方式においては、一般に、対向電位を一定に保つとともに、画素に書き込む画像信号の極性をフレーム毎に反転している。
【0008】
図4(特許文献1の図35に相当)には、容量結合駆動における電極電位の変化について模式的に示す。上側が前段のゲート電極の電位Vg(n-1)を示し、下側が、注目する画素電極の箇所で液晶層に印加される液晶印加電位VLC、及び、該画素電極に直接関連したゲート電極Vg(n)の電位を示す。また、Vcomが対向電極(コモン電極)の電位、Vsigが信号線から供給される画像信号電圧、そして、Vge(+)及びVge(-)がバイアス電圧である。ここで、液晶印加電位VLCは、次式を満たす。
【0009】
VLC=Vsig−Vcom±{Cst/(CLC+Cst+Cgd)}・VcpP/2
ここで、Cstは補助容量、CgdはTFTのゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量、CLCは液晶容量、VcpPは、前段のゲート電極と、注目する画素ドットのゲート電極との電位差を示す。
【0010】
容量結合駆動方式であると、画像信号電圧の低電圧化、駆動電力の低減、及び応答速度の向上を図ることができる。また、TFTのゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量Cgdに起因して、突き抜け電圧と呼ばれる電圧のズレが生じフリッカが生じるような場合に、該突き抜け電圧を補償して、表示性能を向上することができる。
【0011】
走査線との間で補助容量を形成する場合、図4に示すように、走査線に、スイッチング素子のON電位VgOn及びOFF電位VgOff,及び、2つのバイアス電位Vge(+),及びVge(-)を入力する必要がある。そのため、走査線への入力用の駆動ICとしては、4つの電位値を出力可能なものを用いる必要がある。また、その出力振幅が大きいために高耐圧の駆動ICを用いる必要があった。
【0012】
一方、消費電力や製造コストを低減すべく、走査線への入力電位値の種類を3つの電位値に減らすことについても検討されている(特許文献2)。しかし、ここには、2つの出力値を生成するタイプの駆動ICを用いて3種類の出力を行うことについては開示も示唆もされていない。また、バイアス電位としては、スイッチング素子のOFF電位よりも低い電位を用いていることから、パルス電位の振幅が比較的大きく、駆動ICに要求される耐圧の程度も比較的高いものとなっていた。さらには、奇数番目の走査線と、偶数番目の走査線とで、相異なる波形のパルス電流を印加する必要があることから、その分だけ、走査線入力用の駆動回路部の構成が複雑になっていた。
【0013】
他方、走査線とは別個に補助容量線(蓄積容量線)を設けておき、該補助容量線により、2つのバイアス電圧に相当する補償電圧を印加する方法も提案されている(特許文献3)。このようであると、走査線には、スイッチング素子のON電位Vg-On及びOFF電位Vg-Offのみ入力すれば良い。しかし、このような方式であると、補助容量線への駆動入力を行うための駆動IC及び入出力配線を別途設ける必要がある。また、走査線に平行に同数の補助容量線を設ける必要があることから、透過型液晶表示装置にあっては、画素開口率が補助容量線の分だけ低下してしまう。
【特許文献1】特開2002−72250公報
【特許文献2】特開2003−215538公報
【特許文献3】特開2004−354742公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、携帯用等に用いられる容量結合駆動方式の液晶表示装置及びその駆動方法において、駆動回路部の構成をより簡単なものとし、駆動回路部のコストを低減できるものを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の液晶表示装置は、複数の走査線と、絶縁膜を介して該走査線に交差するように配列される複数の信号線と、これら走査線及び信号線の交点ごとに設けられる画素電極と、前記画素電極ごとに設けられ前記走査線のパルス電圧にしたがって前記信号線からの信号入力を行なうスイッチング素子と、前記画素電極に液晶層を介して対向配置される対向電極と、前記各画素電極またはこれに電気的に接続する導電パターンを、前段または後段の前記走査線またはこれに電気的に接続する導電パターンに、絶縁膜を介して重ね合わせることで設けられた補助容量形成部と、前記の走査線及び信号線への駆動入力を行うための駆動回路部とを備える液晶表示装置において、前記駆動回路部から前記走査線へと出力されるパルス電圧の各出力電位値は、前記スイッチング素子のオン電位及びオフ電位にそれぞれ相当する第1及び第2の電位値、及び一つのバイアス電位としての第3の電位値のうちのいずれかであり、前記第1、第2及び第3の電位値のうちの一つが、前記駆動回路部のグランド配線の電位であることを特徴とする。
【0016】
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、複数の走査線と、絶縁膜を介して該走査線に交差するように配列される複数の信号線と、これら走査線及び信号線の交点ごとに設けられる画素電極と、前記画素電極ごとに設けられ前記走査線のパルス電圧にしたがって前記信号線からの信号入力を行なうスイッチング素子と、前記画素電極に液晶層を介して対向配置される対向電極と、前記各画素電極またはこれに電気的に接続する導電パターンを、前段または後段の前記走査線またはこれに電気的に接続する導電パターンに、絶縁膜を介して重ね合わせることで設けられた補助容量形成部とからなる表示パネルを駆動するにあたり、スイッチング素子のオン電位及びオフ電位並びにバイアス電位をとるパルス電圧を前記走査線に印加する容量結合駆動方式の液晶表示装置の駆動方法において、前記バイアス電位として一つの値のみを用いることで前記パルス電圧は、出力電位値として、前記オン電位及びオフ電位並びに該バイアス電位の3つの電位値のみをとり、これら3つの電位値のいずれか一つは、前記走査線への入力箇所をグランド配線に電気的に接続することにより実現されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
容量結合駆動方式の液晶表示装置及びその駆動方法において、駆動回路部の構成をより簡単なものとし、駆動回路部のコストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施例について、図1〜3を用いて説明する。図1の駆動波形図には、本実施例の液晶表示装置の駆動方式について模式的に示す。図2の電気配線図には、アレイ基板の要部の構成について模式的に示す。また、図3の平面図には、実施例の液晶表示装置の外観を模式的に示す。
【0019】
図3に示す例において、液晶表示装置100がCOG(Chip On Glass)方式となっている。すなわち、アレイ基板10が対向基板200の一長辺及び一短辺から突き出す棚状領域10X,10Yには、複数の信号線入力用駆動ICチップ30X、及び一つの走査線入力用駆動ICチップ30Yが異方性導電フィルム等を介して搭載されている。また、信号線入力用駆動ICチップ30Xの列の外側では、駆動回路基板104が実装されており、棚状領域10X上の配線部に接続されている。駆動回路基板104は、例えば、フレキシブル配線基板上に、コントローラIC等が搭載されたものである。液晶表示装置100は、容量結合駆動方式のものであり、具体例において、画像表示領域105の対角寸法が4.0インチであってVGA表示を行う光透過型液晶表示装置である。
【0020】
図2に示すように、アレイ基板10においては、信号線31と走査線11が互いに直交するように配列される。信号線31と走査線11とにより区画される画素開口ごとにおいて、信号線31と走査線11-nとの交差部近傍に、スイッチング素子としてのTFT9が配置される。また、画素電極5には、この画素電極5に接続するTFT9から遠い側に、画素電極延在部、または画素電極に接続する金属層その他の導電パターンからなる補助容量用電極部51が設けられている。そして、この補助容量用電極部51が、前段の走査線11-(n-1)またはその延在部、またはこれらに電気的に接続する導電パターンに絶縁膜を介して重ねられて補助容量Cstをなしている。また、画素電極5と対向電極との間に液晶容量CLCが形成される他、TFT9のゲート電極とソース・ドレイン電極等との間などに寄生容量Cgdが形成されている。走査線11-nには、走査線入力用駆動ICチップ30Yから、パルス波形の電圧Vg(n)が印加され、信号線31には、信号線入力用駆動ICチップ30Xから、画像信号電圧Vsigが印加される。
【0021】
図1の駆動波形図に示すように、走査線11に入力されるゲートパルスの電位Vgは、TFT9のON電位VgOn及びOFF電位VgOffと、一つのバイアス電位Vge(+)との都合3つの値をとる。すなわち、走査線入力用駆動ICチップ30Yからの入力電位は、これら3つの値のいずれかである。しかも、バイアス電位Vge(+)は、ON電位VgOnとOFF電位VgOffとの中間の値をとる。
【0022】
このバイアス電位Vge(+)のパルスは、奇数番目のフレームにのみ、ON電位VgOnのパルスの後に続いて現れ、偶数番目のフレームには現れない。また、図示の例で、バイアス電位Vge(+)を印加するパルス幅(時間)は、ON電位VgOnを印加するパルス幅に略等しい。なお、実施例において、フレームごとに、対向電位Vcomに対する画像信号電圧Vsigの正負を反転させるフレーム反転駆動を行っており、奇数フレームが負フレーム、偶数フレームが正フレームとなっている。また、対向電位Vcomは、各フレーム期間中、一定に保たれている。
【0023】
図1中に模式的に示すように、注目する画素に係る(当段の)走査線11-nが、ON電位VgOnにある間、画像信号電圧Vsigによる書き込みが行われる。そして、奇数フレームにおいては、画像信号電圧Vsigの書き込みの終了直後から、当段の走査線11-nと前段の走査線11-(n-1)との間の、バイアス電位Vge(+)だけの電位差に基づき、電圧の追加ないし重畳が行われる。すなわち、画素電極と対向電極との間にて液晶層に印加される負の液晶印加電位VLC(-)は、バイアス電位Vge(+)に基づき、さらにマイナス側に振れる。しかし、偶数フレームにおいては、従来より一般的な容量結合駆動の場合と異なり、バイアス電位による電圧の追加ないし重畳が行われない。奇数フレーム及び偶数フレームからなる期間について見た場合、画素電極と対向電極との間で液晶層に印加される液晶印加電位VLCは、全振幅が、画像信号電圧Vsigの全振幅よりも大きくなっている。また、突きぬけ電圧等の補償も行われている。したがって、本実施例のような容量駆動結合方式であっても、従来の容量結合駆動の場合と、ほぼ同様の利点が得られている。
【0024】
また、本実施例によると、各フレーム期間中において対向電位を一定にし、対向電位に対する画像信号の電位をフレーム毎に反転しているため、前述のコモン反転駆動を行う場合に比べて消費電力が抑えられている。また、ライン毎のコモン反転駆動を行うことに起因するクロストークや輝度傾斜の問題も回避することができる。
【0025】
一方、図1中にも簡単に示したが、OFF電位VgOffは、駆動ICのグランド電位となっている。駆動ICチップそのほかの駆動ICには、必ずグランド配線が設けられており、駆動ICの出力端がグランド電位をとるようにすることができる。そのため、図1のようなゲートパルスを走査線に印加するためには、駆動ICとして、TFT9のON電位VgOnと一つのバイアス電位Vge(+)との2つの値を生成するものを用いれば足りる。また、前述のように、駆動ICの出力値の幅が小さいため、高耐圧にする必要がない。したがって、駆動ICチップとしては、最も汎用的で安価なタイプのものを用いることができる。
【0026】
携帯電話、携帯情報端末、携帯用小型テレビなどに用いられるモバイルタイプの液晶表示装置は、一般に、有効表示領域の対角寸法が7インチ以下、特には4インチ以下である。このような小型液晶表示装置にあっては、駆動ICのコストが製品コストに占める割合が高い。そのため、駆動ICのコスト削減が大きな意味をもっている。また、上記実施例のようであると、低消費電力と高品質の画像表示とを同時に実現することができ、携帯用機器に特に適している。
【0027】
上記実施例において、各画素電極の補助容量は、画素電極、またはこれに電気的に接続する導電パターンが、絶縁膜を介して、前段の走査線またはこれに電気的に接続する導電パターンに重ねられて形成されるとして説明した。しかし、後段の走査線またはその延在部等に重ねられても同様である。また、補助容量線が設けられるものの、隣り合う走査線と同一のパルス電圧が印加されるという場合、補助容量線に、画素電極等が重ねられて補助容量が形成されるのであっても良い。
【0028】
上記実施例では、COG方式のものを例にとり説明したが、OLB方式その他でも全く同様である。また、駆動ICを表示パネルの周縁部に作り込む、ポリシリコン型のアクティブマトリクス液晶表示装置であっても同様である。
【0029】
なお、上記実施例では透過型の液晶表示装置を例にとり説明したが、反射型や半透過型であっても全く同様である。また、IPS(In plane swithching)モードの液晶表示装置等であっても全く同様である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例の液晶表示装置の駆動方式における電極電位の変化について示す模式的なグラフである。
【図2】アレイ基板の要部の構成について模式的に示す電気配線図である。
【図3】実施例の液晶表示装置の模式的な平面図である。
【図4】従来の典型的な容量結合駆動方式にについて示す、図1に対応するグラフである。
【符号の説明】
【0031】
Vcom 対向電位 Vg ゲートパルス電位 VgOn ゲートON電位
VgOff ゲートOFF電位 Vge(+) バイアス電位 Vsig 画像信号電圧
VLC 液晶印加電位 10 アレイ基板 11-n 当段の走査線
11-(n-1) 前段の走査線 100 液晶表示装置 104 駆動回路基板
105 画素領域 30Y 走査信号入力側の駆動ICチップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と、絶縁膜を介して該走査線に交差するように配列される複数の信号線と、これら走査線及び信号線の交点ごとに設けられる画素電極と、前記画素電極ごとに設けられ前記走査線のパルス電圧にしたがって前記信号線からの信号入力を行なうスイッチング素子と、前記画素電極に液晶層を介して対向配置される対向電極と、
前記各画素電極またはこれに電気的に接続する導電パターンを、前段または後段の前記走査線またはこれに電気的に接続する導電パターンに、絶縁膜を介して重ね合わせることで設けられた補助容量形成部と、前記の走査線及び信号線への駆動入力を行うための駆動回路部とを備える液晶表示装置において、
前記駆動回路部から前記走査線へと印加されるパルス電圧の各出力電位値は、前記スイッチング素子のオン電位及びオフ電位にそれぞれ相当する第1及び第2の電位値、及び一つのバイアス電位としての第3の電位値のうちのいずれかであり、
前記第1、第2及び第3の電位値のうちの一つが、前記駆動回路部のグランド配線の電位であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第3の電位値が、前記第1の電位値と、前記第2の電位値との間の値をとることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記駆動回路部から前記各走査線に印加されるパルス電圧が、互いに同一波形であり、走査のタイミングの時間差だけ位相がずれていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記駆動回路部は、対向電極電位に対する画像信号電圧の正負をフレームごとに反転するように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
複数の走査線と、絶縁膜を介して該走査線に交差するように配列される複数の信号線と、これら走査線及び信号線の交点ごとに設けられる画素電極と、前記画素電極ごとに設けられ前記走査線のパルス電圧にしたがって前記信号線からの信号入力を行なうスイッチング素子と、前記画素電極に液晶層を介して対向配置される対向電極と、前記各画素電極またはこれに電気的に接続する導電パターンを、前段または後段の前記走査線またはこれに電気的に接続する導電パターンに、絶縁膜を介して重ね合わせることで設けられた補助容量形成部とからなる表示パネルを駆動するにあたり、スイッチング素子のオン電位及びオフ電位並びにバイアス電位を出力電位値とするパルス電圧を前記走査線に印加する容量結合駆動方式の液晶表示装置の駆動方法において、
前記バイアス電位として一つの値のみを用いることで前記パルス電圧は、出力電位値として、前記オン電位及びオフ電位並びに該バイアス電位の3つの電位値のみをとり、
これら3つの電位値のいずれか一つは、前記走査線への入力箇所をグランド配線に電気的に接続することにより実現されたことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−233422(P2008−233422A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71548(P2007−71548)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】