説明

液晶表示装置

【課題】 所定の機械的強度を保持しながら薄型化を実現し、且つ組立てを簡単にした液晶表示装置を提供することにある。
【解決手段】 表裏両面へそれぞれ光を導出する導光板11の一面に第1液晶表示パネル15、他面に前記第1液晶表示パネル15より小型サイズの第2液晶表示パネル30を配設して積層された液晶表示装置10において、前記導光板11と前記第2液晶表示パネル30との間に、この導光板11とほぼ同じ大きさを有し且つ前記第2液晶表示パネル30の表示面とほぼ同じ大きさの開口26を有する薄板状の補強フレーム25を介在させ、前記第2液晶表示パネル30の表示面に対応した開口42を有するカバー40で覆い、前記補強フレーム25とカバー40で前記第2液晶表示パネル30を挟み込んで固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つのバックライトユニットにより両面照射を可能とした液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、PDA、或いは電話機能を有すると共により多くのメッセージの表示を可能とした携帯型の情報端末が製品化され広く普及している。これらの機器の中で、特に携帯電話機は、本来の会話のやりとりをする電話機能に加えて、インターネットに接続して、種々の機能、例えばメール、情報検索、或いは地図を表示すると共に行き先案内をするナビゲーション等々の機能を備え、今後さらに多種のソフトウエアが搭載されて、日常生活に欠かせないものとなってきている。
【0003】
このような多種のソフトウエアが携帯電話機に搭載されるのに伴って、電話機自体、いわゆるハードも、より利便性、軽量化及び携帯性が追求され、多種のタイプのものが開発され製品化されている。
【0004】
この携帯電話機のタイプとしては、大別すると棒状タイプと、折り畳み式タイプに大別され、最近では、折り畳んだままで着信相手が確認でき、また時刻等が表示されるように液晶表示パネルを表裏2箇所に組み込んだ後者の折り畳み式タイプが多く普及してきている。
【0005】
図5は従来の折り畳み式携帯電話機を示す図であり、図5(A)は電話機を開いた状態で一方から見た斜視図、図5(B)は他方から見た斜視図である。
【0006】
この折り畳み式携帯電話機50は、図5(A)、図5(B)に示すように、通常、上部ハウジング51と下部ハウジング52とがヒンジ機構53によって開閉自在に連結され、上部ハウジング51には、両面発光型の液晶表示パネルが設けられ、下部ハウジング52の操作面52aには、ダイヤル操作等を行うための入力キーボード52bが設けられた構成を有している。
【0007】
この両面発光型の液晶表示パネルは、操作面側に主表示面が露出する主液晶表示パネル51aと、外装面側に露出する補助液晶表示パネル51bとで構成されている。
【0008】
この液晶表示パネルを搭載された携帯電話機50によれば、ヒンジ機構53により各ハウジング51、52を折り畳んだ状態にあっても、補助液晶表示パネル51bが上部ハウジング51の外装側に位置するため、各ハウジング51、52を開くことなく補助表示面から各種の情報が確認できるようになる。
【0009】
図6はこの種の折り畳み式の携帯電話機に用いられる公知の液晶表示パネルを模式的に示した側面図である。
【0010】
この液晶表示パネル60は、主表示面となる主液晶表示パネル61と、補助表示面となる補助液晶表示パネル62とを備え、主液晶表示パネル61は、半透過型液晶表示パネル61aと、この液晶表示パネル61aを照射する主バックライト61bとからなり、この主バックライト61bは光源61cと導光板61dとで構成されている。
【0011】
また、補助液晶表示パネル62は、主液晶表示パネル61よりも小型な半透過型の液晶表示パネル62aと、この液晶表示パネル62aを照射する補助バックライト62bとを備え、補助バックライト62bは光源62cと導光板62dとから構成されている。
【0012】
しかしながら、この液晶表示パネル60は、主及び補助液晶表示パネル61、62に対してそれぞれ主バックライト61b及び補助バックライト62bを必要としているため、バックライトごとに光源61c、62cを必要とし、その結果携帯電話機自体が大型で部品点数が多くなってしまう傾向がある。このような問題点を解決するために、1組のバックライトユニットにより2枚の液晶表示パネルの照射を可能とした両面液晶表示装置も特許文献で紹介されている。(例えば、下記特許文献1参照)。
【0013】
図7は、下記特許文献1に記載された両面液晶表示装置の分解斜視図である。この両面液晶表示装置は、この図に示すように、内側液晶表示パネル71、すなわち主液晶表示パネルと、この主液晶表示パネル71を収容するホルダ72と、バックライトユニット73と、外側液晶表示パネル76、すなわち補助液晶表示パネルとを備え、うちバックライトユニット73は、導光板75と、フレキシブル基板74とから構成されている。
【0014】
そして、このバックライトユニット73は、以下のようにして組立てられる。先ず、導光板75は、ホルダ72の内側に挿入されて、この導光板75の底面に液晶表示パネル71が貼付される。また、導光板75の上部には、フレキシブル基板74が配設され、このフレキシブル基板74の上に外側液晶表示パネル76が枠体77でホルダ72に固定される。また、フレキシブル基板74の片側面には、発光源LED74aが固定されている。
【特許文献1】特開2002−287144号公報(図4、段落[0025]〜[0030])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記公知の液晶表示パネル60は、主バックライト61bと補助バックライト62bとの2組のバックライトユニットが必要となるため、部品点数が多く、コスト高で組立て作業が面倒であり、さらに製品の厚みが厚くなるという課題がある。
【0016】
この点、上記特許文献1に記載された両面液晶表示装置は、一つのバックライトユニットを主補助2枚の液晶表示パネルが共有しているので、他のバックライトユニットを設ける必要がない。
【0017】
しかし、この両面発光型液晶表示装置は、内外側の液晶表示パネルが導光板の表裏に配設され、この導光板によって支持される構造となっていることから、導光板がある程度の機械的強度を保持しなければならないので、導光板を薄くすることが出来ない。その反面、この導光板は、ホルダ内に収容されるだけなので、十分な機械的強度を維持することが難しい。更に、外側液晶表示パネルを固定するために枠体が必要になり、部品点数が多くなる。その結果、液晶表示パネルを薄型化することが困難な構造になっている。
【0018】
また、この両面発光型液晶表示装置は、ノイズ対策が講じられていないので、携帯電話機等に使用された場合に機器側でノイズ対策を講じなければならない等の課題がある。
【0019】
そこで本発明は、上記従来技術が抱える課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、所定の機械的強度を保持しながら薄型化を実現し、且つ組立てを簡単にした両面発光型導光板を備えた液晶表示装置及びこの液晶表示装置を搭載した携帯情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の液晶表示装置は、表裏両面へそれぞれ光を導出する導光板の一面に第1液晶表示パネル、他面に前記第1液晶表示パネルより小型サイズの第2液晶表示パネルを配設して積層された液晶表示装置において、前記導光板と前記第2液晶表示パネルとの間に、この導光板とほぼ同じ大きさを有し且つ前記第2液晶表示パネルの表示面とほぼ同じ大きさの開口を有する薄板状の補強フレームを介在させ、前記第2液晶表示パネルの表示面に対応した開口を有するカバーで覆い、前記補強フレームとカバーで前記第2液晶表示パネルを挟み込んで固定したことを特徴とする。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置に係り、前記補強フレームは、金属部材で形成されていることを特徴とする。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置に係り、前記補強フレームと前記カバーとの間に、前記液晶表示パネルを駆動させる半導体素子等を装着した回路基板が配設されていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置に係り、前記導光板等が収容できる大きさの額縁状の枠体を備え、この枠体には、前記導光板と、この導光板の一端に光を照射する光源と、前記第1液晶表示パネルと、が嵌め込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上述の手段により以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1、2の発明によれば、薄板状の補強フレームを介在させて第1液晶表示パネル、導光板及び第2液晶表示パネルを積層することにより、第1、第2液晶表示パネル及び導光板を薄くしても、この補強フレームで機械的に補強しながら支持できるので、補強フレームを追加しても、導光板及び第1、第2液晶表示パネルの厚さを薄くでき、全体として液晶表示装置の薄型化が可能になる。
【0025】
また、第2液晶表示パネルは、補強フレームとカバーとで挟んで固定できるので、従来技術で必要としていた第2液晶表示パネルを固定する固定枠が不要となり、部品点数を少なくでき組立て作業が簡単になる。
【0026】
請求項3の発明によれば、回路基板が補強フレームとカバーとの間に配設されることにより、回路基板に装着された配線及び素子等がカバーで覆われるので、これらの部品を障害物の接触等から保護することが可能になる。また、補強フレーム及びカバーを金属部材で形成することにより、回路基板との良好な電気的接続が可能になる。さらに、カバー内面に絶縁材を貼り付けることにより、回路基板等を保護できるので、電磁障害を少なくすることも可能になる。
【0027】
なお、回路基板に第2液晶表示パネルの表示面を貫通させる大きさの開口を設けて、補強フレームとカバーとの間に配設することにより、狭いスペースを有効利用して回路基板の位置決め固定が出来ると共に、開口周辺部にも配線、半導体素子等を装着できる。
【0028】
さらにまた、回路基板は補強フレームに貼付されることにより、回路基板の固定が安定し、振動等により回路基板が移動することがなくなり、基板に搭載されている半導体素子、配線等の接触不良等の回路障害が発生することがなくなる。
【0029】
請求項4の発明によれば、額縁状の枠体に導光板及び第1液晶表示パネルを嵌め込むことによって、第1液晶表示パネルを固定する部材が不要で且つ液晶表示パネルの組立てが簡単になると共に、機械的強度を強くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置及びこの液晶表示装置を備えた携帯情報端末を例示するものであって、本発明をこの液晶表示装置及びこの液晶表示装置を備えた携帯情報端末に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0031】
図1は本発明の1実施例に係る液晶表示装置を分解した分解斜視図、図2は図1の液晶表示装置の組立体を示し、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線で切断した断面図、図3は本発明の液晶表示装置に搭載される回路基板を示し、図3(a)は表面斜視図、図3(b)は裏面斜視図、図4は本発明の液晶表示装置に搭載される板金フレームを示し、図4(a)は表面斜視図、図4(b)は裏面斜視図である。
【0032】
本発明は、両面発光型導光板を備えた液晶表示装置であって、この液晶表示装置10は、表裏の両面へ光をそれぞれ導出する導光板11と、この導光板11の表面11a側に配設される第1液晶表示パネル15と、導光板11の裏面11b側に配設される第1液晶表示パネル15より小型の第2液晶表示パネル30とを備え、導光板11の裏面11bに、導光板11とほぼ同じ大きさを有し且つ第2液晶表示パネル30の表示面とほぼ同じ大きさの開口26を有する薄板状の板金フレーム25を接触させて、第1液晶表示パネル15、導光板11及び第2液晶表示パネル30を積層し、この積層体をカバー40で覆って、このカバー40に設けた開口42から第2液晶表示パネル30の表面が露出するようにした固定した構成を有する。
【0033】
導光板11は、図1、図2に示すように、肉薄の板状体からなり、光源14から出光する光をその一端部11cから内部へ導入し、導光板11の表面11a側(第1液晶表示パネル15側)及び裏面11b側(第2液晶表示パネル30側)へ導出させるものであって、透明材料で形成される。透明材料には、例えば、アクリル樹脂材が使用される。また、その肉厚は0.6mm程度が好ましく、そして、この導光板11は、額縁状の枠体12に嵌め込まれる。
【0034】
この導光板11が嵌め込まれる額縁状の枠体12は、図1、図2(b)に示すように、矩形状をなし所定の幅及び高さを有する枠片12a〜12dからなり、第1液晶表示パネル15、導光板11、光学シート17a、17b及び光源14を収容できる大きさを有している。
【0035】
これらの枠片12a〜12dのうち、対向する長辺の枠片12c、12dを導光板11より長く延ばし、その先端に枠片12aを設け、枠体12に導光板11を嵌め込んだとき、枠片12aと導光板11との間に隙間12a’が形成されるようにする。この隙間12a’には、液晶表示パネルの組立て時に、光源14が挿入される。
【0036】
この額縁状の枠体12には、第1液晶表示パネル15、光学シート17a、17b及び導光板11が嵌め込まれる。このように各部品を枠体12内に嵌め込むことにより、一つの組立体が形成される。したがって、次工程での液晶表示パネルの組立てが簡単になる。また、第1液晶表示パネル15を固定する部材が不要で且つ液晶表示パネルの組立てが簡単になると共に、機械的強度を強くすることができる。
【0037】
光源14は、複数個のLED(Light Emitting Diode)13aが細長の基板13に一列に配列して取付けられ、この基板に接続された配線13bを通して電力が供給される。なお、ここでは光源をLEDとして説明したがこれに限定されることなく、例えば、蛍光ランプ等を用いてもよい。
【0038】
第1液晶表示パネル15には、半透過型液晶表示パネルが用いられる。この液晶表示パネル15は、図2(b)に示すように、2枚の対向するガラスからなる第1、第2基板15a、15bとの間にシール材を介して液晶15cが封入され一体に貼り合わせた構成を有する。各基板15a、15bのうち、第2基板15bは、各基板を張り合わせたとき、第2基板15bの端部が第1基板15aの端縁より突出するように第1基板15aより長いものを使用する。そして、この突出部15b’の裏面には光源14が貼付される。なお、ここで使用する半透過型液晶表示パネルは、既に公知のものを使用するので、詳細な説明は省略する。
【0039】
また、第1液晶表示パネル15の表裏面には、それぞれ偏向板16a、16bが配設され、この液晶表示パネル15と導光板11との間には、光拡散シートやプリズムシート等からなる光学シート17aが配設される。
【0040】
第1液晶表示パネル15は、その一端に回路基板18が接続される。この回路基板18は、1枚の可撓性を有するフレキシブル基板(FPC;Flexible Printed Circuit)上にグラフィックコントローラ、光源(LED)ドライバー及び液晶を駆動する半導体素子等が搭載されたもので、図3に示すように、第1液晶表示パネル15とほぼ同じ大きさを有する制御基板19と、この制御基板19と第1液晶表示パネル15とを接続する接続部20とで構成されている。また、この回路基板18は組立て時に接続部20から折り畳めるようになっている。
【0041】
回路基板18の表面19b(図3(a)参照)、すなわち、板金フレーム25の裏面25b(図4(b)参照)と接触する面には、複数個のアース用接触部22bが設けられており、これらのアース用接触部22bは基板の外周囲付近に設けられている。
【0042】
また、回路基板18の裏面19aには、その開口21の周囲に液晶を駆動させる半導体素子23a及び外部回路接続用のコネクタ23b等が取付けられ、さらに、アース用接触部22aが複数個設けられる。これらのアース用接触部22aは基板表面のアース用接触部22bに連結しており、これらのアース用接触部22a、22bは、導電性粘着剤の塗布或いは導電性接着テープを貼付することにより形成される。
【0043】
第2液晶表示パネル30は、第1液晶表示パネル15と同じ半透過型液晶表示パネルが使用される。この第2液晶表示パネル30は、液晶層を挟持して対向するガラスなどからなる第1基板30a及び第2基板30bをシール材で接合一体化して構成され、第2基板30bが表示面となっている。
【0044】
この液晶表示パネル30には、フレキシブル回路基板31が接続され、この基板31の他端は、コネクタを介して回路基板18に接続される。
【0045】
板金フレーム25は、額縁状の枠体12とほぼ同じ大きさを有し、その表面に第2液晶表示パネル30の表示面とほぼ同じ大きさの開口26と、外周囲の端縁に複数個の係止片27aとを有し、肉薄の金属部材、例えばアルミで形成され、その板厚は、0.2mm程度が好ましい。
【0046】
この板金フレーム25は、その一面25a、すなわち導光板11と接する面の開口26周辺には光漏れ防止の目的で黒色のテープが貼付されている。
【0047】
また、板金フレーム25の他面25b、すなわち第2液晶表示パネル30が装着される面には、その開口26の周縁の3辺に、表面から突出する複数個の突起片29a、29b、29cが形成される。これらの突起片29a、29b、29cは、第2液晶表示パネル30の外周囲面と接触し第2液晶表示パネル30を位置決めする。第2液晶表示パネル30及びこの第2液晶表示パネル30の裏面に設けられる光学シート(図示省略)の固定は、これらの突起片29a、29b、29cと後述するカバー40とによって行われる。すなわち、第2液晶表示パネル30及びこの第2液晶表示パネル30の裏面に設けられる光学シートは、これらの突起片29a、29b、29cの三方で位置決めし、カバー40で覆い、カバー40に設けられた開口42の周辺にパネル30の外周囲を押し当てて固定する。この方法によると、このパネル30等を固定する専用の枠体は不要になり、組立て作業も簡単になる。
【0048】
図4(b)に示すように、板金フレーム25の裏面25bには、その外周端部に複数個のアース用接触部25b’が形成され、この電極25b’及び開口26を除く部分に両面接着テープTが貼付される。また、各アース用接触部25b’には、導電性接着剤の塗布或いは導電性接着テープが貼付されることにより形成される。
【0049】
板金フレーム25の面25bに両面接着テープTが貼付され、アース用接触部25b’に導電性接着剤が塗布されると、液晶表示パネルの組立て時に、回路基板18が両面接着テープTの一面に貼付されると共に、導電性接着剤に回路基板18のアース用接触部22bが貼付される。
【0050】
したがって、回路基板18が板金フレーム25にしっかり固定され、また、各アース用接触部22b、25b’が確実に接続される。
【0051】
このように金属部材からなる板金フレーム25を用いることにより、所定の機械的強度が保持され、この板金フレーム25を導光板に接触させて、これらを機械的に補強しながら支持できる。この板金フレーム25は、金属部材等から形成されているため、肉薄でも所定の機械的強度を保持できるので、導光板11及び第1、第2液晶表示パネルの厚さを薄くすれば、全体として液晶表示パネル10の薄型化が可能になる。また、このフレーム25と導光板11との間に介在する光学シート17bに接触させることにより、光学シートの皺を伸ばし、皺の発生を防止する機能を有する。さらに、板金フレーム25は、導電体であることから、回路基板18と後述するカバー40との間で良好な電気的接続回路が形成でき、この回路接続を通してアース接続ができる。
【0052】
なお、この板金フレーム25は、金属部材に限定されず所定の強度を保有する樹脂材等からなるシート材でもよい。
【0053】
カバー40は、図1、図2に示すように、第1液晶表示パネル15、導光板11、板金フレーム25及び第2液晶表示パネル30等が積層された後に、第2液晶表示パネル30側からこの積層体を覆うカバーであって、浅底で外周囲に背低の側板41a〜41dを有する箱型をなし、底板41fに第2液晶表示パネル30の表示面を露出させる大きさの開口42及び回路基板18に設けられたコネクタ23bを露出させる複数個の開口43を有し、金属部材で形成される。底板41fは、回路基板18のアース用接触部22aと接触する部分を内側へ突出させて突出部(図示省略)を形成し、組立て時にアース用接触部22aとの接触を良好にするのが好ましい。また、金属部材には、ステンレス材が好ましいが、ステンレス材に限定されず、他の金属部材、或いは樹脂材でもよい。
【0054】
以下に、両面発光型導光板を備えた液晶表示装置の組立てを説明する。
【0055】
先ず、額縁状の枠体12に導光板11を嵌め込み、嵌め込んだ導光板の一面11aに1枚ないし複数枚の光学シート17aを載置し、更にこの光学シート17aの上から第1液晶表示パネル15を枠体12に嵌め込む。また、導光板11の他面11bも、同様にして1枚ないし複数枚の光学シート17bを載置し、この光学シート17bの上に第2液晶表示パネル30の表示面を露出させる開口を有する遮光シート(図示省略)を貼付する。
【0056】
この遮光シートは、小型サイズの第2液晶表示パネル30の外周囲へ導光板11からの光りが照射されるのを遮光する。また、額縁状の枠体12に、第1液晶表示パネル15、光学シート17a、17b及び導光板11を嵌め込むことにより、これらの部品が枠体12内に収まり、一つの組立体が形成されるので、次工程での液晶表示パネルの組立てが簡単になる。また、第1液晶表示パネルを固定する部材が不要で且つ液晶表示パネルの組立てが簡単になると共に、機械的強度を強くすることができる。
【0057】
次いで、この組立体の遮光シートの裏面に板金フレーム25を接触させて、板金フレームの係止片27aを枠体12の係止突起12eに係合させて固定する。
【0058】
また、板金フレーム25には、予め、両面接着テープTを貼付すると共に、アース用接触部25b’に導電性接着剤を塗布して置き、またこの開口26周辺の突起片29a〜29cの間に第2液晶表示パネル30を挟み込む。
【0059】
その後、回路基板18を両面接着テープTの一面に貼付すると共に、回路基板18のアース用接触部22bを導電性接着剤を介して板金フレーム25のアース用接触部25b’と電気的に接続をする。
【0060】
このようにして組立てた組立体に、第2液晶表示パネル30側から金属製カバー40で覆い、カバーの係止穴41eを枠体12の係止突起12fに係止して、両面発光型導光板を備えた液晶表示装置10を組立てる。上述のようにカバー40で組立体を覆うことにより、カバー40に設けられた開口から回路基板18のコネクタ23bが露出され、他の機器への接続は、このコネクタ23bを介して行われる。
【0061】
このようにして組立てた液晶表示装置は、図5に示すような携帯電話機に搭載されるが、本発明の液晶表示装置10は上述の構成により薄型化が実現されているので、この液晶表示装置10を搭載した携帯電話機も薄型化することができる。ただし、この液晶表示装置10を搭載する機器は、携帯電話機に限定されず、他の携帯情報端末、例えばPDA等にも搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は本発明の1実施例に係る液晶表示装置を分解した分解斜視図
【図2】図2は図1の液晶表示装置の組立体を示し、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線で切断した断面図
【図3】図3は本発明の液晶表示装置に搭載される回路基板を示し、図3(a)は表面斜視図、図3(b)は裏面斜視図
【図4】図4は本発明の液晶表示装置に搭載される板金フレームを示し、図4(a)は表面斜視図、図4(b)は裏面斜視図
【図5】図5は従来の折り畳み式携帯電話機を示す図であり、図5(A)は電話機を開いた状態で一方から見た斜視図、図5(B)は他方から見た斜視図
【図6】図6はこの種の折り畳み式の携帯電話機に用いられる公知の液晶表示パネルを模式的に示した側面図
【図7】図7は従来の両面液晶表示装置の分解斜視図
【符号の説明】
【0063】
10 液晶表示装置
11 導光板
12 枠体
14 光源
15 第1液晶表示パネル
18 回路基板
25 板金フレーム(補強フレーム)
30 第2液晶表示パネル
40 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏両面へそれぞれ光を導出する導光板の一面に第1液晶表示パネル、他面に前記第1液晶表示パネルより小型サイズの第2液晶表示パネルを配設して積層された液晶表示装置において、前記導光板と前記第2液晶表示パネルとの間に、この導光板とほぼ同じ大きさを有し且つ前記第2液晶表示パネルの表示面とほぼ同じ大きさの開口を有する薄板状の補強フレームを介在させ、前記第2液晶表示パネルの表示面に対応した開口を有するカバーで覆い、前記補強フレームとカバーで前記第2液晶表示パネルを挟み込んで固定したことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記補強フレームは、金属部材で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記補強フレームと前記カバーとの間に、前記液晶表示パネルを駆動させる半導体素子等を装着した回路基板が配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記導光板等が収容できる大きさの額縁状の枠体を備え、この枠体には、前記導光板と、この導光板の一端に光を照射する光源と、前記第1液晶表示パネルと、が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−91436(P2006−91436A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276931(P2004−276931)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】